説明

イオン交換器

【課題】イオン交換樹脂の存在する位置によって劣化度合に偏りが生じることを抑制することができるイオン交換器を提供する。
【解決手段】イオン交換器1を構成する外ケース2内にはイオン交換樹脂7が収容された内ケース4が設けられている。外ケース2の導入管35を介して内ケース4の上面から内ケース4の内部に冷却液を通過させることにより冷却液に含まれるイオンが除去され、その冷却液が外ケース2の排出管25から排出される。ここで、外ケース2と内ケース4との間には導入管35に連通する導入空間51と排出管25に連通する排出空間52とが形成されている。また、導入管35の開口方向Xが内ケース4の上底部42の上面に沿う方向に形成されている。導入空間51と排出空間52とを接続して内ケース4を迂回する迂回通路6が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換樹脂と冷却液とのイオン交換を通じて冷却液に含まれるイオンを除去するようにしたイオン交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムでは、発電に伴って発熱する燃料電池を冷却すべく、ポンプにより冷却液(例えば、エチレングリコール)を強制的に循環させるための冷却回路が設けられている。また、燃料電池の内部に冷却液を流通させると、冷却回路を構成する管の内壁面等と冷却液との化学反応により冷却液中にイオンが生成される。そして、冷却液中のイオン濃度が上昇すると、冷却液の電気伝導度が上昇するようになる。その結果、燃料電池によって発生した電流が冷却液を通じて外部に漏れ、ひいては燃料電池による発電効率の低下を招くといった問題が生じる。
【0003】
そこで、従来、冷却回路中に、イオン交換樹脂が収容されたイオン交換器を設け、このイオン交換器の内部に冷却液を通過させることで、冷却液に含まれるイオンの除去を図るようにしている。
【0004】
こうしたイオン交換器としては例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載の構成では、筒状のケースの内部には袋体内に樹脂を封入したパックが収納されており、ケースの開口部は蓋により閉塞されている。また、ケースの底部には冷却液をケース内に導入するための導入口が形成されるとともに、蓋にはケース内の冷却液を排出するための排出口が形成されている。ちなみに、導入口及び排出口は共にケースの中心軸線上においてその中心軸線方向を指向するように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007―122906号公報
【特許文献2】特開2009−219954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来のイオン交換器では、ケース内における冷却液の流速は導入口及び排出口の設けられたケースの中心軸線に近い位置ほど速くなる。すなわち、冷却液はケースの中心部に近い位置ほど流れやすく、同中心部から離れた位置ほど流れにくい。そのため、冷却液の流れやすい位置にあるイオン交換樹脂ほどイオン交換が頻繁に行なわれる。その結果、冷却液の流れやすい位置にある樹脂の消費(劣化)が早期に進行し、冷却液が流れにくい位置にある樹脂は未だ正常であるにもかかわらずイオン交換器全体としてのイオン除去性能が早期に低下する。
【0007】
尚、特許文献2に記載のイオン交換器では、外管内にイオン交換樹脂が収容された内管を配置し、内管の内部或いは外管と内管との間にバイパス流路を形成するようにしている。しかしながら、同文献に記載のイオン交換器では、導入口が外管の中心軸線上において同中心軸線方向を指向しているため、同文献の図1に示されるように、バイパス流路が内管の内部に形成された構成においては、冷却液が導入口からバイパス流路に直接流れ込む。また、同文献の図3に示されるように、バイパス流路が外管と内管との間に形成された構成においては、冷却液がイオン交換樹脂収容部の中心部に流れ込む。従って、両タイプの構成では、冷却液がイオン交換樹脂収容部内を偏って流れる。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、イオン交換樹脂の存在する位置によって劣化度合に偏りが生じることを抑制することができるイオン交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、イオン交換樹脂が収容された内ケースを外ケース内に設け、前記外ケースの導入口を介して前記内ケースの導入面から同内ケースの内部に冷却液を通過させることにより同冷却液に含まれるイオンを除去し、その冷却液を前記外ケースの排出口から排出するイオン交換器であって、前記外ケースと前記内ケースとの間には前記導入口に連通する導入空間と前記排出口に連通する排出空間とを形成し、前記導入口の開口方向を前記内ケースの導入面に沿う方向に形成し、前記導入空間と前記排出空間とを接続して前記内ケースを迂回する迂回通路を形成したことをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、導入口から外ケース内に導入された冷却液は、まず導入空間内に流入して内ケースの導入面に沿って流れる。そして、冷却液は内ケースの導入面全体から内ケース内に移動する。このため、冷却液が内ケースに偏って導入されることを抑制することができるようになる。また、一部の冷却液が迂回通路を介して流れることで、内ケースを迂回して流れるようになるため、イオン交換器内を冷却液が流れにくくなることを抑制することができるようになる。従って、イオン交換樹脂の存在する位置によって劣化度合に偏りが生じることを抑制することができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のイオン交換器において、前記迂回通路はその入口部の形成位置が前記内ケースを挟んで前記導入口の形成位置の反対側とされたことをその要旨としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のイオン交換器において、前記外ケース及び前記内ケースは共に略円筒状をなし、前記内ケースはその軸線方向が前記外ケースの軸線方向に沿うように配置され、前記導入口は前記外ケースの側面に開口することをその要旨としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のイオン交換器において、前記迂回通路は前記外ケースの内部に形成されたことをその要旨としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のイオン交換器において、前記迂回通路は前記外ケースと前記内ケースとの間に区画形成されたことをその要旨としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、イオン交換樹脂の存在する位置によって劣化度合に偏りが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る一実施形態のイオン交換器が適用される冷却回路の概略図。
【図2】同実施形態のイオン交換器の斜視図。
【図3】同実施形態のイオン交換器の平面図
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】同実施形態の作用を説明するための図。
【図6】同実施形態の作用を説明するための図。
【図7】本発明に係るイオン交換器の変形例の断面図。
【図8】本発明に係るイオン交換器の他の変形例の断面図。
【図9】図8のB−B線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜図4を参照して、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、燃料電池システムの冷却回路9には上流側から順に、冷却液(例えばエチレングリコール)を吸引して吐出するポンプ81、燃料電池82、及び冷却液を熱交換により冷却するための熱交換器83が設けられている。また、冷却回路9には熱交換器83を迂回する迂回路91が設けられており、同迂回路91の途中には冷却液に含まれるイオンをイオン交換により除去するためのイオン交換器1が設けられている。
【0017】
図2〜図4に示すように、イオン交換器1は、略短円筒状の外ケース2内に粒状(例えば粒径が数百μm程度)のイオン交換樹脂7が収容された合成樹脂製の略短円筒状をなす内ケース4を内装して構成されている。外ケース2を構成する有底筒状のケース本体21の開口には、キャップ3が被せられている。
【0018】
ケース本体21の下部には、迂回路91に対して着脱可能に接続される排出管25が突設されている。排出管25においてケース本体21に開口する部位が排出口26を構成している。
【0019】
キャップ3には、迂回路91に対して着脱可能に接続される導入管35が突設されている。また、導入管35においてキャップ3に開口する部位が導入口36を構成している。
導入管35及び排出管25は外ケース2の周方向において同一位置に設けられている。また、導入管35及び排出管25は共に外ケース2の径方向を指向している。
【0020】
キャップ3の頂壁31は略平板状に形成されている。
内ケース4の上底部42及び下底部43は網目構造或いは多孔質構造をなすものであり、冷却液の通過を許容する一方、イオン交換樹脂7の通過を阻止する。尚、上底部42は内ケース4の導入面を構成している。
【0021】
また、内ケース4はその中心軸線C2が外ケース2の中心軸線C1と平行となるように配置されている。
外ケース2の内部において、内ケース4の上面とキャップ3の頂壁との間には導入管35と連通する導入空間51が形成されるとともに、内ケース4の下面と外ケース2の底部22との間には排出管25と連通する排出空間52が形成されている。
【0022】
ここで、導入管35はその開口方向Xが内ケース4の上底部42の上面に沿う方向に形成されている。また、排出管25はその開口方向Yが内ケース4の下底部43の下面に沿う方向に形成されている。
【0023】
外ケース2の内部には、導入空間51と排出空間52とを接続するとともに内ケース4を迂回する平面略三日月形状の迂回通路6が形成されている。迂回通路6は外ケース2の周壁と内ケース4の周壁とによって区画されており、その断面が軸線方向Lにおいて同一形状とされている。また、迂回通路6は、その入口部61の形成位置が内ケース4を挟んで導入管35及び排出管25の形成位置の反対側とされており、外ケース2の半周(中心軸線C1を中心とした180度)よりも小さい範囲、例えば約90度の範囲に形成されている。
【0024】
ここで、迂回通路6の通路断面積を小さくするほど迂回通路6を流れる冷却液の圧力損失が大きくなることから、導入空間51から迂回通路6に流れる冷却液の割合が小さくなり、内ケース4内に流れる冷却液の割合が多くなる。ただし、この通路断面積を小さくし過ぎると、かえってイオン交換器1内を冷却液が流れにくくなる。その結果、冷却液を圧送するポンプ81の負荷が増大する。このため、迂回通路6の通路断面積は実験やシミュレーションを通じて上記傾向を考慮した最適な大きさに設定されている。
【0025】
尚、外ケース2の内部において迂回通路6が形成されていない部位では、内ケース4の周壁が外ケース2の内壁面に固定されている。
キャップ3の頂壁31において迂回通路6の入口部61と対向する上側対向部33の内面は断面円弧状の凹曲面とされている。また、ケース本体21の底部22において迂回通路6の出口部62と対向する下側対向部23の内面は断面円弧状の凹曲面とされている。
【0026】
次に、図1、図5及び図6を参照して、本実施形態のイオン交換器1の作用について説明する。
図1に示すように、燃料電池82による発電が行なわれると、ポンプ81の駆動により冷却液が冷却回路9を介して燃料電池82に供給される。また、燃料電池82から排出された冷却液は熱交換器83を通過する際に熱交換することで冷却される。また、燃料電池82から排出された冷却液の一部は、熱交換器83を迂回してイオン交換器1に導入される。
【0027】
ここで、図5及び図6に矢印で示すように、導入管35は外ケース2の径方向を指向しているため、導入管35から導入口36を介して導入空間51内に導入された冷却液は内ケース4の上面に沿って流れる。そして、冷却液は導入空間51内においてキャップ3の内壁に沿って移動しつつ、内ケース4の上面(導入面)全体からその内部に移動しその軸線方向Lに沿って下方に移動する。
【0028】
内ケース4内を流れた冷却液は排出空間52に移動する。一方、導入空間51にある一部の冷却液は迂回通路6を流れることにより内ケース4を迂回して排出空間52に移動する。こうして排出空間52に移動した冷却液は、排出口26から排出管25を介して迂回路91に排出される。
【0029】
このようにして内ケース4の内部のイオン交換樹脂7に冷却液を通過させることにより同冷却液に含まれるイオンが除去される。
以上説明した本実施形態に係るイオン交換器によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
【0030】
(1)外ケース2と内ケース4との間には導入管35に連通する導入空間51と排出管25に連通する排出空間52とが形成されている。また、導入管35の開口方向Xが内ケース4の上底部42の上面に沿う方向に形成されている。また、導入空間51と排出空間52とを接続して内ケース4を迂回する迂回通路6が形成されている。こうした構成によれば、冷却液が内ケース4に偏って導入されることを抑制することができるようになる。また、一部の冷却液が迂回通路6を介して流れることで、内ケース4を迂回して流れるようになるため、イオン交換器1内を冷却液が流れにくくなることを抑制することができるようになる。従って、イオン交換樹脂7の存在する位置によってイオン交換樹脂7の劣化度合に偏りが生じることを抑制することができるようになる。
【0031】
(2)迂回通路6はその入口部61の形成位置が内ケース4を挟んで導入管35の形成位置の反対側とされている。こうした構成によれば、導入管35から導入された冷却液を導入空間51内全体に拡散させることができ、内ケース4の導入面全体から冷却液をその内部に導入することができる。
【0032】
(3)外ケース2及び内ケース4は共に略円筒状をなしている。また、内ケース4はその軸線方向が外ケース2の軸線方向Lに沿うように配置されている。また、導入管35は外ケース2の側面に開口している。こうした構成によれば、導入空間51内において冷却液が旋回して拡散するようになる。このため、冷却液が内ケース4に偏って導入されることを抑制することができるようになる。
【0033】
(4)迂回通路6は外ケース2の内部に形成されている。こうした構成によれば、迂回通路6を外ケース2の外部に設ける構成とは異なり、イオン交換器1を小型化することができる。
【0034】
(5)迂回通路6は外ケース2と内ケース4との間に区画形成されている。こうした構成によれば、内ケースの内部に迂回通路を設ける構成とは異なり、内ケース4の構造を簡易なものとすることができる。
【0035】
(6)キャップ3の頂壁31において迂回通路6の入口部61と対向する上側対向部33の内面は断面円弧状の凹曲面とされている。こうした構成によれば、冷却液が導入空間51から迂回通路6に移動する際にその流れが乱れることを抑制することができ、圧力損失の低減を図ることができる。このため、圧力損失の増大を抑制しつつ迂回通路6の通路断面積を小さくすることができる。従って、イオン交換器1の小型化が可能となる。
【0036】
(7)外ケース2の底部22において迂回通路6の出口部62と対向する下側対向部23の内面は断面円弧状の凹曲面とされている。こうした構成によれば、冷却液が迂回通路6から排出空間52に移動する際にその流れが乱れることを抑制することができ、圧力損失の低減を図ることができる。このため、圧力損失の増大を抑制しつつ迂回通路6の通路断面積を小さくすることができる。従って、イオン交換器1の小型化が可能となる。
【0037】
尚、本発明に係るイオン交換器は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、外ケース2の軸線方向Lが鉛直方向に沿うようにイオン交換器1を配置する構成について例示したが、外ケースの軸線方向が鉛直方向に対して傾斜するようにイオン交換器を配置してもよいし、外ケースの軸線方向が水平方向に平行となるようにイオン交換器を配置するようにしてもよい。
【0038】
・上記実施形態では、導入管35から冷却液を導入空間51に導入するとともに、排出空間52の冷却液を排出管25から排出するようにした。これに代えて、迂回路91とイオン交換器1との接続態様を変更することにより、排出管25から冷却液を排出空間52に導入するとともに、導入空間51の冷却液を導入管35から排出するようにしてもよい。すなわち、内ケース4内において鉛直方向下方から上方に向けて冷却液を通過させるようにしてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、導入管35及び排出管25を共に外ケース2の周方向において同一位置に設けるようにした。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、図7に示すように、排出管125の形成位置を、内ケース4を挟んで導入管135の形成位置の反対側に設けるようにしてもよい。またこの場合には、外ケース102の底部122において迂回通路106の出口部162と対向する下側対向部123に上方に突出した断面円弧状の案内部126を形成するようにすればよい。こうした構成によれば、迂回通路106の出口部162から排出管125への冷却液の流れを円滑なものとすることができ、冷却液が迂回通路106から排出管125に移動する際の圧力損失を低減することができる。従って、圧力損失の増大を抑制しつつ迂回通路106の通路断面積を小さくすることができる。
【0040】
・上記実施形態では、迂回通路6を外ケース2の周方向において部分的に形成するようにしたが、これに代えて、図8及び図9に示すように、迂回通路206を外ケース202の周方向全体にわたって形成するようにしてもよい。この場合、円筒状の内ケース204の周壁と円筒状の外ケース202の周壁との間が全周にわたって迂回通路206とされる。また、図8に示すように、導入管235をその延びる方向が迂回通路206の接線方向と一致するようにすれば、導入管235から導入口236を介して導入空間251内に導入された冷却液を導入空間251内において好適に旋回させて拡散させることができるようになる。
【0041】
・上記実施形態及びその変形例では、外ケースの内部に1つの迂回通路を設けたものを例示したが、外ケースの形状に応じて複数の迂回通路を設けるようにしてもよい。
・上記実施形態及びその変形例では、外ケースの内部に迂回通路が設けられるものについて例示したが、これに代えて、外ケースの外部に導入空間と排出空間とを接続する管を設け、同管によって迂回通路を構成するようにしてもよい。
【0042】
次に、上記実施形態及び変形例から把握することのできる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のイオン交換器において、前記外ケースにおいて前記迂回通路の入口部と対向する部位の内面は断面円弧状の凹曲面とされることを特徴とするイオン交換器。
【0043】
同構成によれば、冷却液が導入空間から迂回通路に移動する際にその流れが乱れることを抑制することができ、圧力損失の低減を図ることができる。このため、圧力損失の増大を抑制しつつ迂回通路の通路断面積を小さくすることができる。従って、イオン交換器を小型化することができる。
【0044】
(ロ)請求項1〜請求項5、及び上記技術的思想(イ)項のいずれか一項に記載のイオン交換器において、前記外ケースにおいて前記迂回通路の出口部と対向する部位の内面は断面円弧状の凹曲面とされることを特徴とするイオン交換器。
【0045】
同構成によれば、冷却液が迂回通路から排出空間に移動する際にその流れが乱れることを抑制することができ、圧力損失の低減を図ることができる。従って、上記(イ)項に準じた効果を奏することができるようになる。
【符号の説明】
【0046】
1…イオン交換器、2,102,202…外ケース、21,221…ケース本体、22,122…底部、23,123…下側対向部、25,125,225…排出管、3,203…キャップ、31…頂壁、33…上側対向部、35,135,235…導入管、36,236…導入口、4,204…内ケース、42…上底部、43…下底部、51,251…導入空間、52…排出空間、6,106,206…迂回通路、61…入口部、62,162…出口部、7…イオン交換樹脂、81…ポンプ、82…燃料電池、83…熱交換器、9…冷却回路、91…迂回路、126…案内部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換樹脂が収容された内ケースを外ケース内に設け、前記外ケースの導入口を介して前記内ケースの導入面から同内ケースの内部に冷却液を通過させることにより同冷却液に含まれるイオンを除去し、その冷却液を前記外ケースの排出口から排出するイオン交換器であって、
前記外ケースと前記内ケースとの間には前記導入口に連通する導入空間と前記排出口に連通する排出空間とを形成し、前記導入口の開口方向を前記内ケースの導入面に沿う方向に形成し、前記導入空間と前記排出空間とを接続して前記内ケースを迂回する迂回通路を形成した
ことを特徴とするイオン交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のイオン交換器において、
前記迂回通路はその入口部の形成位置が前記内ケースを挟んで前記導入口の形成位置の反対側とされた
ことを特徴とするイオン交換器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のイオン交換器において、
前記外ケース及び前記内ケースは共に略円筒状をなし、
前記内ケースはその軸線方向が前記外ケースの軸線方向に沿うように配置され、
前記導入口は前記外ケースの側面に開口する
ことを特徴とするイオン交換器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のイオン交換器において、
前記迂回通路は前記外ケースの内部に形成された
ことを特徴とするイオン交換器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のイオン交換器において、
前記迂回通路は前記外ケースと前記内ケースとの間に区画形成された
ことを特徴とするイオン交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−187439(P2012−187439A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50375(P2011−50375)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】