説明

イオン性活性物質を含むイオン性液体を調製する方法

イオン活性物質を含有するイオン性液体を作製する方法は、布地処理利益、表面処理利益及び/又は空気処理利益を与える。イオン性液体は、イオン活性物質原料及び対イオン原料を形成するイオン性液体から作製され、それは、好ましくは別のイオン活性物質を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地処理利益、表面処理利益及び/又は空気処理利益を与えるイオン性活性物質を含有するイオン性液体を作製する方法に関する。イオン性液体は、イオン性活性物質原料及びイオン性液体形成対イオン原料から作製され、好ましくは別のイオン性活性物質も含む。
【背景技術】
【0002】
近年、イオン性液体は、環境に優しい、即ち「無公害の」広範な有機合成用途のための従来の有機溶媒に代わる品として広範囲に評価されてきた。イオン性液体は、有効蒸気圧がない、広範な液体範囲、高い極性及び電荷密度、疎水性又は親水性特性並びに独特の溶媒和性能等の従来の有機溶媒類からそれらを区別するいくつかの独特の特性を与える。
【0003】
さらに、イオン性液体は、水性化学が問題となりうる用途(例えば、プロトン移動又は求核性が関与する用途)、又は特定の配位化学が関連する基材に悪影響を及ぼす可能性のある用途において有効であることが明らかになっている。
【0004】
近年、イオン性液体及びイオン性液体カクテルは、消費者製品(ホームケア、空気ケア、表面洗浄、洗濯及び布地ケア処方等)及び産業製品における用途を見出している。代表的なイオン性液体含有消費者製品が、米国特許出願2004/0077519A1に記載されている。更に、イオン性活性物質と対イオンを形成するイオン性液体とから構成されるイオン性液体を含有する組成物が、米国特許出願通し番号60/624128に記載されている。
【0005】
消費者製品に使用されるいくつかの成分は、高度に濃縮された形態で製造者により供給される。ある場合には、濃縮物の70〜90重量%までが有効成分である。濃縮物は、イソプロパノール又はエタノール等の有機溶媒を使用してよく、時として微量(10%まで)の水及び/又は界面活性剤が使用されてもよい。消費者製品を作製する方法において、活性物質濃縮物は、水及び所望によりアルコールで希釈される。生成した製品は、小売業者及び/又は消費者に販売される。これらの活性物質濃縮物の分散性及び粘度特性が、処理装置に重大な問題を引き起こす場合がある。界面活性剤活性物質は、水性分散液として比較的低濃度でのみ入手できる。約30%を超える活性物質を有する前記水性分散液を製品粘度及び貯蔵安定性の厄介な問題に出くわすことなく調製することは、一般に可能ではない。前記問題は、通常の使用条件で相分離及び/又は注入できない製品、不十分な分散性及び/又は溶解性不良として現れる。
【0006】
これらの問題に取り組むためイオン性液体の種々の独特な特性を利用することが望ましい。
【0007】
従来、イオン性液体は、塩化メチレン又は四塩化炭素等の塩素系溶剤中で原料を混合することにより調製される。イオン性液体を回収するため、真空を適用し塩素系溶剤を蒸発させる。工業生産にこの従来法を使用することは、いくつかの理由で実用的ではない。真空蒸発は、緩慢でエネルギーを大量に消費する。これらの溶媒を処理する規制条件を満足するため特別な対策をとらなければならない。イオン性液体から塩素系溶剤の最後の微量を除去することは困難であり、かくして、生成したイオン性液体は多くの消費者製品用途に不適になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、イオン性液体活性物質濃縮物を水性キャリア中で作製するバッチ又は好ましくは連続的な方法を有することが望ましい。又、連続的な方法が、高活性物質含有率を有する水性濃縮物を作製することが望ましい。具体的には、濃縮物が容易に消費者製品に加工されるような適正な粘性及び分散性を有する水性イオン性液体活性物質濃縮物を有することが望ましい。更に、イオン性液体活性物質濃縮物が、出荷及び貯蔵に好適な相又は分散安定性を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの態様の1つにおいて、本発明は、イオン性液体活性物質を調製する連続的な方法に関する。発明の1つの実施例において、前記方法は、
有機アミンオキシドを含む第1反応物質と、有機サルフェート又は有機スルホネートを含む第2反応物質とを反応器の反応領域に導入する工程と、
生成した反応混合物が約5未満のpHを有するように十分な量のプロトン酸を前記反応領域に導入する工程と、
前記反応領域内で前記第1反応物質、前記第2反応物質及び前記プロトン酸の均質な混合を与えるのに十分な循環速度で循環して、前記イオン性液体を含む生成物流を製造する工程と、
アミンオキシドカチオン及び有機サルフェート又は有機スルホネートアニオンのイオン性液体を含む前記生成物流を前記反応領域から取り出し、前記生成物流をセパレータに移送する工程と、
更に、前記反応領域内の前記反応混合物の滞留時間が前記イオン性液体を製造するのに十分であるよう前記第1及び第2反応物質の前記反応領域への導入及び前記生成物流の前記反応領域からの取り出しを制御する工程と、
前記セパレータ内で前記生成物流を上部及び下部相に分離させて、前記上部相から前記イオン性液体を回収する工程と、前記イオン性液体を、通常前記セパレータ内の前記上部相として含む生成物を回収する工程とを含む。
【0010】
発明の他の態様において、同じ方法を使用し、原料としてベタイン及び有機サルフェート又は有機スルホネートを使用したイオン性液体活性物質濃縮物が作製でき、ここで酸を使用するプロトン化工程は、選択が自由であってよい。
【0011】
発明のその他の態様において、例えばハロゲン化溶媒類を使用しない前記界面活性剤系の濃縮されたイオン性液体の製造並びに本発明により提供される事業を行う新しい方法等も以下に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用するとき、「消費者製品」は、ユーザー(すなわち消費者)により人、家(台所表面、浴室表面、カーペット、床、窓、鏡及び調理台等)、自動車(自動車内装、自動車外装、金属表面及びフロントガラス等)、その他の個人用又は家庭用物品(食器類、布地類、調理器具、用具、食卓用食器類及びガラス製品等)並びにユーザーまわりの空気内、上、又は周囲で使用される物質を表す。「消費者製品組成物」には、施設ユーザー(例えば、ホテル、レストラン、事務所)又はサービス提供業者(例えば、商業用ドライクリーニング業及びビル清掃業者)が使用する物質を含めてもよい。本文脈における消費者製品は、界面活性剤を含有する全ての製品を包含できる。
【0013】
本明細書で使用する時、「工業用製品」は、物品製造の商業プロセスで使用する物質を表す。非限定的な例としては、金属類等の物品を脱脂する脱脂組成物並びに生地類を衣類、反物類等の布地物品に加工及び/又は仕上げする生地処理組成物が挙げられる。本文脈における工業用製品は、界面活性剤を含有する全てのそのような製品を包含できる。
【0014】
本明細書で使用する時、「処理」は、目標面又は空気の清浄化、新鮮化又は維持のための組成物又は方法を表す。例えば、「回復」としては、しわの寄った若しくは使い古した外観を布地物品から取り除き又は快適な匂いを布地物品、空気、柔らかい表面若しくは硬い表面に付与する方法が挙げられる。又、洗浄は、入浴、洗髪及びその類等のパーソナルケアを包含する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「表面」、「目標面」又は「処理面」は、無生物の非生物学的表面、並びに皮膚及び毛髪等の生物学的表面を指す。前記表面の非限定的な例は、布地、布地物品、生地、繊維等の柔らかい表面並びに食器類、調理器具、用具、ガラス製品、調理台、台所表面、浴室表面、床、窓、自動車内装と外装、金属及びこれらの組み合わせ等の硬い表面で見出される。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「イオン性活性物質」は、利益、例えば布地処理利益、表面処理利益及び/又は空気処理利益を目標基材に提供できる活性物質のイオン性(カチオン性又はアニオン性)形態を意味する。イオン性活性物質は、前記利益を与える能力を保持する。本明細書で使用するとき、用語「活性物質」及び「有益剤」は、互換性がある。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「イオン性液体活性物質」は、少なくとも1つのイオン性活性物質と少なくとも1つのイオン性液体形成対イオンから構成されるイオン性液体を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「イオン性液体」は、約100℃以下の融解温度、又は別の実施形態において約60℃以下の融解温度、又は更に別の実施形態において約40℃以下の融解温度を有する塩を指す。他の実施形態では、前記イオン性液体は、識別可能な融点を示さないが(DSC分析に基づく)、約100℃以下の温度にて「流動性」であり、又、別の実施形態では、約20〜約80℃、即ち典型的な布地又は食器洗浄温度にて、「流動性」である。本明細書で使用するとき、用語「流動性」は、イオン性液体が上記で規定した温度で約10,000mPa・s未満の粘度を示すことを意味する。製造する文脈において、イオン性液体は、ポンプを使用することができる。
【0019】
用語「イオン性液体」、「イオン性化合物」、「IL」は、イオン性液体、イオン性液体複合物、イオン性液体の混合物(又は反応混液)を包含することが理解されよう。前記イオン性液体は、アニオン性IL成分及びカチオン性IL成分を含み得る。イオン性液体が液体形態にある時、これらの構成成分は互いに自由に交わる(即ち、乱雑な状態になる)ことができる。本明細書で使用する時、用語「イオン性液体の反応混液」とは、2つ又はそれ以上の、好ましくは少なくとも3つの、異なる、且つ帯電したIL成分の混合物を指し、少なくとも一つのIL成分がカチオン性であり、且つ少なくとも一つのIL成分がアニオン性である。このため、3つのカチオン性及びアニオン性IL成分が反応混液内で対になることで、少なくとも2つの異なるイオン性液体が得られる。イオン性液体の反応混液は、異なるIL成分を有する個別のイオン性液体を混合することによって、又はコンビナトリアル・ケミストリーで調合することによって、調製することが可能である。このような組み合わせ及びそれらの調製は、米国特許第2004/0077519A1号及び米国特許第2004/0097755A1号にて更に詳細に論じられている。本明細書で使用するとき、用語「イオン性液体複合物」は、直ぐ上の文書に記載したようにプロトン供与体Z(液体又は固体であってもよい)を有する塩(室温で固体であってもよい)の混合物を指す。混合時に、これらの構成成分は約100℃以下で液体になり、前記混合物はイオン性液体のように作用する。
【0020】
イオン性液体活性物質を形成するイオン性活性物質は、目標対象又は目標面に望ましい処理利益を与える全てのイオン性部分である。例えば、本文脈内で布地処理は、一般に疎結合又は遊離繊維、紡績糸(加工糸を含む)、織布生地、不織布生地、編生地、物品及び同類のものを含むがこれらに限定されない全ての生地材料又は製品の洗浄、新鮮化及び/又は手入れを指す。布地物品としては、衣類、衣類製造にて使用された成分、カーペット、室内装飾材料、などが挙げられるが、これらに限定されない。更に、前記布地は、いかなる天然、人工、合成材料又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。表面処理は、一般に、皿類、食物接触が意図される台所用品とその他の品目及び硬い表面、例えば床、カウンタ、装具、流し、桶、便所、タイル等並びに体の衛生を含むがこれらに限定されない全ての非布地固体表面材料の洗浄、新鮮化及び/又は手入れを指す。空気処理は、典型的に囲まれた領域内の環境空気の洗浄及び/又は新鮮化を指す。
【0021】
好適なイオン性活性物質の例としては、米国特許出願通し番号60/624128に記載されたような界面活性剤類、漂白剤類、漂白活性化剤類、ビルダー類、抗菌剤類、柔軟剤類、染料類、染料固定剤類、蛍光増白剤類のイオン性形態が挙げられるがこれらに限定されない。
【0022】
イオン性活性物質は、所望の利益の必要性に応じてアニオン性又はカチオン性であってよく、典型的に周知の有益剤の塩又は酸に由来する。例えば、塩形態の従来の有益剤が式Xであり、アニオンYが所望の布地、表面又は空気処理活性を与える場合、その時には有益剤のアニオン性形態が、イオン性液体活性物質に使用される。好適なアニオン性活性物質としては、アニオン性ホスフェートビルダー類、アニオン性直鎖又は分枝鎖アルキルサルフェート並びにスルホネート洗浄性界面活性剤類、直鎖又は分枝鎖アニオン性アルキル化、アルコキシル化サルフェート並びにスルホネート洗浄性界面活性剤類、アニオン性過ホウ酸塩、過炭酸塩及び過酸漂白剤類等が挙げられるがこれらに限定されない。別の方法としては、式Xの塩の形態の従来の有益剤のカチオンXが、所望の布地、表面又は空気処理活性を与える場合、有益剤のカチオン性形態が、イオン性液体活性物質に使用される。好適なカチオン性活性物質としては、カチオン性四級アンモニウム抗菌剤類、カチオン性四級アンモニウム柔軟仕上げ剤類、カチオン性四級アンモニウム界面活性剤類等が挙げられるがこれらに限定されない。好適な双性イオン性活性物質としては、アミンオキシド界面活性剤類及びベタイン界面活性剤類が挙げられるがこれらに限定されない。
【0023】
更に、従来の非イオン性又は双性イオン性有益剤は、カチオン性官能基(トリメチルアンモニウムアルキル基等)又はアニオン性官能基(サルフェート基等)でイオン官能化することによりイオン性活性物質に変換できる。別の方法としては、双性イオン性有益剤は、双性イオン性活性物質のpKa未満の組成物にpHを変化させることによりイオン化でき、有益剤のカチオン性形態をもたらす。
【0024】
イオン活性物質
カチオン性イオン活性物質は、下記反応物質:
(a)式
【化1】

(式中、Rは、C8〜22アルキル、C8〜22ヒドロキシアルキル、C8〜22アルキルフェニル基及びこれらの混合物であり;Rは、C2〜3アルキレン、C2〜3ヒドロキシアルキレン又はこれらの混合物であり;Xは、0〜約3であり;及び各Rは、独立してC1〜3アルキルであり、C1〜3ヒドロキシアルキル又は平均で約1〜約3のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基であり;又はR基は、酸素原子若しくは窒素原子により互いに結合され環状構造を形成する)を有するものを含むが限定されないアミンオキシド洗浄性界面活性剤、並びに
(b)式
R−N(+)(R−RCOO(−)
(式中、Rは、C10〜C22アルキル、C10〜C22アルキルアリール及びC10〜C22アリールアルキルから成る群から選択され、その全てが所望によりアミド又はエーテル結合により断続され;各Rは、C1〜C3アルキル基であり;及びRは、C1〜C6アルキレン基である)を有するものを含むが限定されないベタイン洗浄性界面活性剤から誘導できる。
【0025】
本発明の方法の1つの実施形態において、アミンオキシド反応物質は、プロトン化され、生成したイオン性液体活性物質中にカチオン性イオン活性物質を形成する。生成したカチオン性イオン活性物質は、式:
【化2】

(式中、R、R及びRは、上記したようなものである)を有する。
【0026】
他の実施形態において、ベタインは、生成したイオン性液体活性物質内にカチオン性イオン活性物質を形成する反応物質として使用できる。生成したカチオン性イオン活性物質(プロトン化された(pronated)形態)は、式:
R−N(+)(R−RCOOH
(式中、R、R及びRは、上記したようなものである)を有する。
【0027】
本発明の方法において、下記の有機サルフェート又はスルホネート類が、上記アミンオキシド又はベタイン反応物質類と対になりイオン性液体活性物質を形成できる代表的な界面活性剤型反応物質である。
(1)アルキルサルフェート(AS)類、アルコキシスルフェート類及びアルキルアルコキシサルフェート類、ここでアルキル又はアルコキシは、直鎖、分枝鎖又はそれらの混合物である。更に、サルフェート基のアルキル鎖への付着は、アルキル鎖(AS)の端子、アルキル鎖(SAS)の内部、すなわち二級又はそれらの混合物であってよい。非限定的な例としては、式:
CH(CH2CHOSO
(式中、xは、少なくとも8、好ましくは少なくとも約10の整数であり、Mは、H、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンである)を有する直鎖C10〜C20アルキルサルフェート類が挙げられる。例えば、反応物質は、Na+、K+及び、Mg++及びその類、又は式:
【化3】

(式中、x+yは、少なくとも7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、x又はyは、0であってよく、Mは、H、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンである)を有する直鎖C10〜C20二級アルキルサルフェート類を含んでよい。反応物質は、H、Na+、K+、Mg++及びその類、又は式:
【化4】

(式中、x+yは、少なくとも7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、x又はyは、0であってよく、zは、約1.2(平均)から約30であり、Mは、H、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンである)を有するC10〜C20二級アルキルエトキシサルフェート類を含んでよい。例えば、ベタイン塩類は、Na+、K+及びMg++等を含んでよい。アルコキシサルフェート類の非限定的な例としては、プルロニック(Pluronic)(登録商標)(BASFから)等の市販のアルコキシコポリマー類の硫酸誘導体類が挙げられる。
(2)スルホスクシネートのモノ−及びジエステル類:非限定的な例としては、マッカネート(Mackanate)LO−100(登録商標)として(マッキンタイヤグループ(The McIntyre Group)から)入手可能なラウリルスルホスクシネート等の飽和及び不飽和C12〜18モノエステルスルホスクシネート、エアロゾル(Aerosol)OT(登録商標)、として(サイテック・インダストリーズ社(Cytec Industires, Inc.)から)入手可能なジオクチルエステルスルホスクシネート等の飽和及び不飽和C〜C12ジエステルスルホスクシネートが挙げられる。
(3)アルキルアリールスルホネート類、その非限定的な例としては、トシラート、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和C〜C14アルキル類を有するアルキルアリールスルホネート類、C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、及びベンゼンのスルホネート類が挙げられる。
(4)アルキル部分にC〜C22炭素原子を有するアルキルグリセロールエーテルスルホネート類
(5)中鎖分枝状アルキルサルフェート類(HSAS)、中鎖分枝状アルキルアリールスルホネート類(MLAS)及び中鎖分枝状アルキルポリオキシアルキレンサルフェート類、MLASの非限定的な例が、米国特許第6,956,680号、同第6,593,285号及び同第6,202,303号に開示されている。
(6)ノーマン(Norman)、フォックス&社(Fox & Co.)からノーフォックス(Norfox)1101(登録商標)として入手可能なココヤシ油カリウム石鹸由来のこれらのサルフェート類又はスルホネート類等の硫酸化とスルホン酸化油類及び脂肪酸類、直鎖又は分枝鎖、ケムロン社(Chemron Corp.)からのオレイン酸カリウム並びにパラフィンスルホネート類
(7)式:
−CH(SO)CO
(式中、Rは、直鎖又は分枝鎖C〜C18アルキルであり、Rは、直鎖又は分枝鎖C〜Cアルキルである)を有する脂肪酸エステルスルホネート類
有機サルフェート類及びスルホネート類が、本明細書に用いるのに好ましい。
【0028】
方法
本発明は、イオン性液体活性物質を作製する連続的な方法を包含するがこれに限定されない。前記方法は、連続的な方法の1つの具体的な実施形態を参照にして詳細に記載される、そこではイオン性液体活性物質は、アミンオキシド及びアルキルサルフェートから構成される。しかしながら、前記方法は、上記したこれらのイオン活性物質のいかなる組み合せからでも構成される他のイオン性液体活性物質を作製するために使用できる。
【0029】
更に、本発明の例示される連続的な方法は、例えば、カチオン性柔軟仕上げ剤、カチオン性抗菌剤、又はアニオン性漂白活性化剤若しくはアニオン性界面活性剤を有するカチオン性界面活性剤から構成されるその他のイオン性液体活性物質を作製するために使用されてもよい。1つの実施形態において、イオン性液体活性物質は、四級アンモニウムカチオン及びアルキルスルホネートアニオンから構成される。言うまでもなく、一部のイオン性液体活性物質を作製する方法は、プロトン化工程を必要としなくてもよい。
【0030】
本発明のこの態様の一般的な実施形態は、反応物質の十分な混合が行われる反応領域内にアミンオキシド及びアルキルサルフェートを連続的に供給する工程を含む。反応器は、攪拌槽型反応器、静止混合器を有するプラグフロー反応器又は再循環ループ反応器であってもよい。硫酸等のプロトン供与体を直接反応領域内に供給しアミンオキシドをプロトン化することにより、イオン性液体活性物質を製造できる。イオン性液体活性物質を含有する生成物流が反応領域から取り出され、相セパレータ内に供給される。イオン性液体活性物質は、相セパレータの上部層から容易に回収できる。
【0031】
定常状態が反応器内に確立されると、反応領域内への反応物質(アミンオキシド及びアルキルサルフェート)の導入速度は、反応領域内の反応混合物及び/又は反応物質の滞留時間が一定に保持されるように反応領域からの生成物流の取り出し速度とおおよそ同じになるように制御される。温度、攪拌及び循環速度等の反応領域内の他の変数も好ましくは一定に保持される。
【0032】
この実施形態において、本発明の連続的な方法により所望のイオン性液体活性物質を実現するため、アミンオキシドとアルキルサルフェートは、化学量論を満足するモル比、典型的には約1:1、約0.9:1又は約1.2:1で連続反応器内に導入される。アミンオキシド及びアルキルサルフェート原料は、水性濃縮物の形態であってよい。典型的なアミンオキシド原料は、約20〜約40重量%のアミンオキシドを有するポンプが使用できる水性濃縮物であってもよい。本発明の1つの実施形態において、原料は、水中に約30重量%の界面活性剤型アミンオキシド(例えば、C10〜C20ジメチルアミンオキシド)を含有し、約150mPa・s(150センチポアズ)の粘度を有する。代表的なアミンオキシド濃縮物は、ステパンロンザ(Stepan Lonza)又はカオ(Kao)から商標名アモニックス(Ammonyx)(登録商標)、バーロックス(Barlox)(登録商標)及びアムフィトール(Amphitol)(登録商標)として市販されている。典型的なアルキルサルフェート原料は、約20〜70重量%、好ましくは約30〜60重量%のアルキルサルフェートを有する水性濃縮物である。本発明の1つの実施形態において、原料は、水中に約50〜70重量%のアルキルサルフェートを含有し、約500mPa・s(500センチポアズ)を超える粘度を有する。代表的なアルキルサルフェート濃縮物は、ステパン(Stepan)又はカオ(Kao)から商標名ステパノール(Stepanol)(登録商標)又はエマール(Emal)(登録商標)として市販されている。水に加えて、原料は、メタノール、エタノール及びその他の低級(C3〜C6)アルコール類等の補助剤溶媒を含有してもよく、前記溶媒(好ましくは非ハロゲン化)は、系の粘度を減少させるために使用できる。
【0033】
又、プロトン供与体が、反応混合物に導入され、アミンオキシドをプロトン化することにより、それをアミンオキシドカチオンに転換する。代表的なプロトン供与体は、硫酸、ハロゲン系酸類(HF、HCl、HBr、HI、HClO)、硝酸、リン酸、トリフルオロ酢酸又はp−トルエンスルホン酸(PTSA)を含むがこれに限定されないプロトン酸類である。反応混合物中のプロトン供与体の量は、反応混合物を約5未満、好ましくは約3〜約5、より好ましくは約3.5〜約4のpHに保持するのに十分な量であるべきである。
【0034】
連続反応器、特に反応領域は、周囲温度以上、好ましくは約40℃〜約99℃、又は約50℃〜約85℃に維持される、そのため、イオン性液体はその液体形態の状態となる。アミンオキシド及びアルキルサルフェート原料は、周囲温度以上、好ましくは約50℃〜約70℃、又は反応器温度と等しい温度に加熱されてもよい。原料の予備加熱は、その粘度を下げ、反応領域への移動を容易にし、反応領域での温度低下を最小限にする。原料の予備加熱及び反応器の加熱は、任意の既知の手段、例えば熱交換器により行うことができる。
【0035】
発明の所望の結果を最適な方法で実現するため、反応器構成、反応混合物の性状(粘度等)及び体積流量は、乱流が反応領域内で維持されるような状態であってもよい。1つの実施形態において、反応器システムは、約10,000のレイノルズ数で操作する。他の実施形態において、反応器システムは、反応領域内のレイノルズ数が少なくとも約2,000、好ましくは約5,000〜約50,000で操作する。
【0036】
1つの実施形態において、反応器内の反応混合物の滞留時間(単に定常状態での投入対出力経過時間として測定)は、約5秒〜約10時間又は約0.1分〜約30分である。別の実施形態において、反応器内の反応混合物の滞留時間は、約30秒〜約15分である。滞留時間は、反応器を通過する標識(例えば、染色ガラス玉又は放射性トレーサ)に必要な時間によっても測定できる。
【0037】
以下に開示するように、類似の操作パラメーターがバッチプロセスにおいても本発明の範囲内で使用できることは言うまでもない。
【0038】
反応流れから生成したイオン性液体活性物質を回収するため、反応流れは、連続反応器から取り出され相セパレータに供給される。反応流れは、界面張力及び/又は重力によって分離できる。典型的な装置において、反応流れは、その中心点近くでセパレータに供給され、セパレータは、2つの排出管を備える。第1排出管は、セパレータの上部に隣接した場所又は上部に接合する。第2排出管は、セパレータの下部又は下部近くに接続され、セパレータの外部に沿って上方に延在し、セパレータと第1排出管が接触する場所の直下でセパレータの下部層の高さを所望のレベルに保持する。下部水性層上部の上部分離層及び上部層内のイオン性液体活性物質濃縮物が、相セパレータから排出管を介して貯蔵タンクに取り出される。セパレータから回収された上部層は、水、補助剤溶媒並びにイオン性液体活性物質を含有し得る。1つの実施形態において、回収された上部層は、約50〜約100重量%又は約60〜約90重量%のイオン性液体活性物質を含有する。別の実施形態において、回収された上部層は、約0〜約35重量%の水又は約10〜約25重量%の水を含む。別の実施形態において、回収された上部層は、約0〜約15重量%又は約5〜約12重量%のアルコール、例えばメタノール及び/又はエタノールを含む。
【0039】
代表的なイオン性液体活性物質は、この連続的な方法により製造され、セパレータ又はバッチ反応器から上部層として回収される。それらは、以下に示すような概略の性状を表す。
【表1】

【0040】
IL活性物質(A)は、ドデシルジメチルアミンオキシドと当該技術分野において既知の硫酸化法によりイサルケム(Isalchem)123(登録商標)アルコール(南アフリカ、ヨハネスバーグ(Johannesburg)のサゾル・ケミカルインダストリーズ(Sasol Chemical Industries, Ltd.)から入手可能)から誘導されるイサルケム(Isalchem)123(登録商標)サルフェートから構成される。
【0041】
IL活性物質(B)は、ドデシルジメチルアミンオキシドと当該技術分野において既知の硫酸化法によりリアル(Lial)123(登録商標)アルコール(南アフリカ、ヨハネスバーグ(Johannesburg)のサゾル・ケミカルインダストリーズ(Sasol Chemical Industries, Ltd.)から入手可能)から誘導されるリアル(Lial)123(登録商標)サルフェートから構成される。
【0042】
1. 全ての測定は、ペルキン・エルマー・パイリス(Perkin Elmer Pyris)1DSCシステムで行われる。試料は、1分当たり10℃で室温から75℃に加熱され、1分当たり5℃で−50℃に冷却され、−50℃で60分保持され、次に1分当たり10℃で75℃に加熱される。第2加熱トレースの一次遷移の終了を「完全融解温度」として報告する。冷却トレースの一次遷移の開始を「固化開始温度」として報告する。
【表2】

【0043】
2. 全ての測定は、TAインスツルメンツ(Instruments)AR1000円錐及びプレート粘度計で行われる。40mm直径、角度2°、ステンレス鋼円錐を使用する。全ての実験は、5℃/分の温度傾斜上昇速度、5Pa・sの一定剪断応力条件のもとで行う。試料の粘度を30〜80℃で報告する。
【0044】
3. NDは、試料が非常に粘稠で試験条件下でデータを得ることができなかったことを示す。
【0045】
本発明の連続的な方法により調製したイオン性液体活性物質濃縮物は、供給者から現在入手可能な水性活性物質濃縮物より高い活性物質含有率を与える。更に、これらのイオン性液体活性物質濃縮物は、高温又は高圧ポンプを使用する必要がないような標準の処理機器を使用しそれらを容易に消費者製品に処方できる所望の粘度特性を示す。更に、これらのイオン性液体活性物質濃縮物は、典型的な貯蔵及び出荷条件下で相が安定している。
【0046】
本明細書において上記の開示は、濃縮された界面活性剤系イオン性液体製造の好ましい連続的な方法を記載したが、本明細書の方法は、バッチ法も行うことができると理解される。
【0047】
実際に、その広範囲な態様を考慮するとき、本方法の重要な特徴は、イオン性液体組成物の製造に典型的に使用されるもの等のハロゲン化炭化水素類が存在しない状態でそれを行うことができるということである。当業者には直ちに分かるように、大量生産プロセスでハロゲン化炭化水素類の使用及び回収の必要性を回避することは、プラントの設計及び操作を大幅に簡素化する。
【0048】
従って、本発明は、
a.)プロトン化したアミンオキシド、プロトン化したベタイン又はそれらの混合物を水若しくは水−アルコールは存在するがハロゲン化炭化水素溶媒が存在しない状態で有機サルフェート又は有機スルホネート、又はそれらの混合物とイオン性液体を形成可能な十分な時間混合することにより反応混合物を調整する工程と、
b.)攪拌を中止することにより反応混合物を上部層と下部層に分離させる工程と、
c.)前記イオン性液体を含む上部層を保持する工程とを含むイオン性液体を調整する方法も包含する。
【0049】
上記した種々の反応条件は、本発明により提供されるこのより一般的な方法にも使用できる。
【0050】
更に、本方法の界面活性剤系イオン性流体の生産は、1つ以上の界面活性剤成分を含有する製品の製造者に対してコスト削減の新たな機会を与える。
【0051】
原則として、広くに散在する、世界的規模でもある地域に配送する界面活性剤含有製品の製造者は、界面活性剤原料をいくつかの多かれ少なかれ集約された供給場所又は複数の場所から調達することが好ましく、その後界面活性剤原料を使用し地域配送及び販売向けに最終製品を処方することになる。この集約化された調達は、地域的に処方された最終製品を地域のニーズ、習慣及び慣例にあわせて調製可能とすることもできる。例えば、硬水を有する地域の洗濯洗剤の処方は、例え界面活性剤の性状自身が両地域で同じであっても軟水を有する地域で処方されるものと異なる補助剤成分を必要とする場合がある。そのような「中央供給−地域処方」システムを使用することにより地域のニーズに簡単に及び経済的に対処できる。
【0052】
この事業計画にともなう問題は、界面活性剤がしばしば錯体相挙動を示すことである、そのためそれらは、比較的希釈した組成物として出荷されなければならない。その結果、生じる出荷コストの多くは、界面活性剤原料中の水の存在による。
【0053】
特にアミンオキシド界面活性剤類に関しては、界面活性剤原料からの水の除去は、ささいな事項ではない。それらの相挙動のため、最も濃縮された水性界面活性剤「ペースト」でさえこれまで製造プラントでポンプの使用を可能とするため約30〜40重量%の界面活性剤(残部は主に水を含む)を含んでいるに過ぎなかった。種々の溶媒を添加し高濃縮物の粘度を減少させることができるが、付加費用が必要である。確かに、アミンオキシド界面活性剤/水系は、水中で約40重量%を超える濃度では通常のプラント操作条件で本質的に手に負えない。更に、加熱により濃縮されたアミンオキシド/水ペーストの粘度を減少させる試みは、アミンオキシドが温度100℃という低さで分解し始める恐れがあるため勧められない。
【0054】
本明細書の開示から判るように、本発明は、出荷コストのかなりの削減を確実にする機会を与える、より高度に濃縮された(例えば、10重量%〜30重量%の水という低さ)、更にポンプが使用できる界面活性剤原料を与える。従って、前記事業計画は、現下に実行可能となる。従って、本明細書の発明は、
1つ以上の界面活性剤構成成分を含む製品の製造においてコスト削減を達成する方法は、
a.)1つ以上の界面活性剤成分を界面活性剤系イオン性液体に転換する少なくとも1つの供給場所を確立し、
b.)前記供給場所から前記イオン性液体の出荷を受容する前記供給場所から遠隔した1つ以上のレセプター場所を確立し、
c.)供給場所から前記1つ以上のレセプター場所に前記イオン性液体を出荷し、及び
d.)前記製品を製造するため前記1つ以上のレセプター場所で前記イオン性液体を使用することを含む。
【0055】
関心は、更に実施例1〜5のイオン性液体に向けられる。上記表に記載したように、ドデシルジメチルアミンオキシドとイサルケム(Isalchem)123(登録商標)硫酸化アルコールから調製したイオン性液体は、意外にもリアル(Lial)123(登録商標)硫酸化アルコールから調製したイオン性液体を超える好ましい粘度特性を有する。
【0056】
理論により限定されることを意図しないが、粘度特性のこの改善は、リアル(Lial)123(登録商標)は、二級アルコール類約45重量%だけを含む原料から作製されるが、一方イサルケム(Isalchem)123(登録商標)アルコール原料は、約95重量%の二級アルコールを含むという事実によるためという仮説が現在では立てられている。言うまでもなく、これは、それぞれ45重量%対95重量%の二級アルキルサルフェートという結果となる。
【0057】
従って、本発明は、好ましい実施形態として、二級アルコール由来の硫酸化アルコール部分と組み合わせて有機アミンオキシド部分(特にC12〜C14ジメチルアミンオキシド)を含み、及び45重量%、好ましくは約50重量%〜約100重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%の硫酸化二級アルコール(特に二級C12〜C13アルコール)を含むイオン性液体も包含する。更に、イオン性液体は、前記低レベルの水又は水−アルコール(特にエタノール)を含む。前記好ましいイオン性液体は、上述したような望ましい粘度特性を有し、ハロゲン化溶媒がない。
【0058】
この新たに認識された技術効果は、更に発明の広範囲な態様を支持する、具体的には、アルコール原料が45重量%を超える二級アルコール置換基を含む二級アルコール原料のアルキルサルフェート誘導体を使用し、80℃以下の温度で、好ましくはハロゲン化炭化水素溶媒を使用することなく改善された粘度特性(すなわち、ポンプを使用できる)を有するイオン性液体を調製する。
【0059】
記載した全ての文章は、関連部分を参照により本明細に組み込む。すなわち、全ての文章の記載は、それが本発明に関する従来技術であることを容認すると解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0060】
本発明の特定の実施形態を説明及び記述してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミンオキシドカチオン及びアルキルサルフェートアニオンを有するイオン性液体を調製する連続的な方法であって、
有機アミンオキシドを含む第1反応物質と、有機サルフェート又は有機スルホネート又はそれらの混合物を含む第2反応物質とを反応器の反応領域に導入する工程と、
生成した反応混合物が約5未満のpHを有するように十分な量のプロトン酸を前記反応領域に導入する工程と、
前記第1反応物質、前記第2反応物質及び前記プロトン酸を前記反応領域内で前記第1反応物質、前記第2反応物質及び前記プロトン酸の均質な混合を与えるのに十分な循環速度で循環して、前記イオン性液体を含む生成物流を製造する工程と、
前記生成物流を前記反応領域から取り出し、前記生成物流をセパレータに移送する工程であって、前記生成物流がアミンオキシドカチオン及び有機サルフェート又は有機スルホネートアニオンを含有するイオン性液体を含む工程と、
更に、前記反応領域内の前記反応混合物の滞留時間が前記イオン性液体を製造するのに十分であるよう前記第1及び第2反応物質の前記反応領域への導入及び前記生成物流の前記反応領域からの取り出しを制御する工程と、
前記生成物流を上部及び下部相に分離させて、前記上部相から前記イオン性液体を回収する工程とを備える、方法。
【請求項2】
プロトン化した形態の前記第1反応物質が、式:
【化1】

(式中、Rは、直鎖、分枝鎖、又は直鎖及び分枝鎖の組み合わせの、C8〜22アルキル、C8〜22ヒドロキシアルキル若しくはC8〜22アルキルフェニル基であり;Rは、C2〜3アルキレン又はC2〜3ヒドロキシアルキレンであり;xは、0から約3であり;及び各Rは、C1〜3アルキル若しくはC1〜3ヒドロキシアルキル基又は平均で約1〜約3のエチレンオキシド基を含むポリエチレンオキシド基であり;所望により前記R基は、酸素又は窒素原子により互いに結合され環状構造を形成してよい)を有するアミンオキシドカチオンを含み、前記第2反応物質が、有機サルフェート又は有機スルホネートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機サルフェート又は有機スルホネートアニオンが、
(1)アルキルサルフェート類、アルコキシサルフェート類及びアルキルアルコキシサルフェート類;
(2)スルホスクシネート類のモノ−及びジエステル類;
(3)アルキルアリールスルホネート類;
(4)アルキルグリセロールエーテルスルホネート類;
(5)中鎖分枝状アルキルサルフェート類及び中鎖分枝状アルキルアリールスルホネート類;
(6)硫酸化及びスルホン酸化油類及び脂肪酸類;
(7)脂肪酸エステルスルホネート類;並びに
(8)それらの混合物
から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有機サルフェートアニオンが、式:
−SO
(式中、Rは、直鎖、分枝鎖、又は直鎖及び分枝鎖の組み合わせの、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアルキルフェニルの組合せである)を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記循環速度が、少なくとも約2,000のレイノルズ数を成立させるのに十分である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反応領域が、周囲温度を超えて加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応領域の前記反応混合物の前記滞留時間が、約0.1分〜約30分である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、所望により、結果として生じる前記反応混合物が60℃で約0.01〜約0.07Pa・sの粘度を有するように有機溶媒を前記反応領域に添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記有機溶媒が、C1〜C8アルコール類、C2〜C8ジオール類、C2〜C8グリコール類及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プロトン酸が、硫酸、ハロゲン系酸類、硝酸、リン酸、トリフルオロ酢酸又はp−トルエンスルホン酸及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反応混合物のpHが、約2〜約5の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記相セパレータから取り出されたイオン性液体が、約35%未満の水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アミンオキシドとアルキルサルフェートのモル比が、約1:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記アミンオキシド及びアルキルサルフェートが、約50℃〜約70℃の温度に予熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ベタインを含む第1反応物質と、有機サルフェート又は有機スルホネート又はそれらの混合物を含む第2反応物質とを反応器に導入及び内部混合し、それにより反応混合物を形成し、前記反応器から前記反応混合物の部分を連続的に取り出すことによりイオン性液体を調製する連続的な方法であって、
前記反応器に導入される反応物質の合計質量が、前記反応器から取り出される反応混合物の合計質量に等しい、方法。
【請求項16】
前記反応混合物が、式:
R−N(+)(R−RCOOH
(式中、Rは、C10〜C22アルキル、C10〜C22アルキルアリール及びC10〜C22アリールアルキルから成る群から選択され、その全てが所望によりアミド又はエーテル結合により断続され;各Rは、C1〜C3アルキル基であり;及びRは、C1〜C6アルキレン基である)を有するベタインカチオンを含有するイオン性液体を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記反応混合物が、
(1)アルキルサルフェート類、アルコキシサルフェート類及びアルキルアルコキシサルフェート類;
(2)スルホスクシネート類のモノ−及びジエステル類;
(3)アルキルアリールスルホネート類;
(4)アルキルグリセロールエーテルスルホネート類;
(5)中鎖分枝状アルキルサルフェート類及び中鎖分枝状アルキルアリールスルホネート類;
(6)硫酸化及びスルホン酸化油類及び脂肪酸類;
(7)脂肪酸エステルスルホネート類;並びに
(8)それらの混合物
から成る群から選択される有機サルフェート又はスルホネートアニオンを含有するイオン性液体を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
水又は水−アルコールの存在下で、プロトン化したアミンオキシド、プロトン化したベタイン又はそれらの混合物に有機サルフェート又は有機スルホネート又はその混合物を混合することにより反応混合物を調製する工程を含み、前記方法が、ハロゲン化炭化水素溶媒類がない状態で前記イオン性液体を形成させるのに十分な時間行われることを特徴とする、イオン性液体を調製する方法。
【請求項19】
アルコールに由来する硫酸化アルコール部分と組み合せて有機アミンオキシド部分を含み、該アルコールが45重量%を超える二級アルコール置換基を含有する、イオン性液体。

【公表番号】特表2009−517398(P2009−517398A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542488(P2008−542488)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/045783
【国際公開番号】WO2007/064756
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】