説明

イソシアネート含有調製物

溶剤中のイソシアネート含有化合物の低粘稠な調製物およびその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶剤中のイソシアネート含有化合物の低粘稠な調製物およびその使用に関する。
【0002】
ポリイソシアネート、例えばイソシアヌレートの調製物は、既に久しく公知であり、数多くの市販製品の形で種々の製造業者から入手可能である。
【0003】
ポリイソシアネートは、しばしば高い粘度を有するかまたはむしろ室温で固体であるので、このようなポリイソシアネート調製物には、しばしば溶剤が添加される。溶剤として幅広く周知されているのは、ブチルアセテート、酢酸エステル、メトキシプロピルアセテート、トルエン、キシレン、フッ素化芳香族化合物、脂肪族および芳香族の炭化水素混合物、ならびにこれらの混合物である。後者の脂肪族および芳香族の炭化水素混合物は、例えばExxon Mobil社の商品名Solvesso(登録商標)、Kemetyl社のHydrosol(登録商標)またはShell社のShellsol(登録商標)であるか、或いはソルベントナフサ、クリスタルオイル、試験用ガソリン、重質ガソリン等の名称で種々の変化する組成で販売されている。
【0004】
ポリイソシアネートと溶剤とを混合する目的で、高粘稠かまたは固体のポリイソシアネートは溶解され、ポリイソシアネート調製物は、できるだけ低粘稠な形で提供される。これは、例えば混合可能性および加工可能性、殊に高粘稠かまたは固体のポリイソシアネートを改善し、しかも、ラッカーの表面品質を改善するために使用される。
【0005】
本発明の目的は、特に低い粘度を有するポリイソシアネート調製物を提供することであった。
【0006】
この課題は、
(A)少なくとも1つの場合によっては遮断されたジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネート、
(B)主に9および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物からなる、少なくとも1つの芳香族炭化水素混合物、ならびに
(C)場合によっては(B)とは異なる少なくとも1つの他の溶剤を含有し、
但し、この場合芳香族炭化水素混合物(B)において、10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の含量は、35質量%以下であるものとする、混合物によって解決された。
【0007】
この種の混合物は、(A)と同じ含量および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の高い含量を有する混合物より低い粘度を示すことが見出された。
【0008】
異なる市販の芳香族炭化水素混合物は、それぞれ1mPas未満の僅かな粘度を有する。9および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の異なる含量は、純粋な炭化水素混合物の粘度に対して殆んど目立つことなく作用する。9および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の含量がポリイソシアネート調製物の粘度に対して顕著に作用することが観察されることは、それだけいっそう驚異的なことである。
【0009】
本発明による混合物は、少なくとも1つの場合によっては遮断されたジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネート(A)を含有する。
【0010】
この場合、芳香族、脂肪族または脂環式ジイソシアネートのモノマーまたはオリゴマーは重要である。
【0011】
このような化合物のNCO官能価は、一般に少なくとも1.8であり、8まで、有利に1.8〜5、特に有利に2〜4であることができる。
【0012】
ポリイソシアネートとしては、殊にイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート、ウレトジオン基を有するポリイソシアネート、ビウレット基を有するポリイソシアネート、ウレタン基またはアロファネート基を有するポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基またはイミノオキサジアジンジオン基を含有するポリイソシアネート、直鎖状または分枝鎖状のC4〜C20−アルキレンジイソシアネート、合計6〜20個のC原子を有する脂環式ジイソシアネートまたは合計8〜20個のC原子を有する芳香族ジイソシアネート、またはこれらの混合物から構成されているウレトンイミン変性ポリイソシアネートがこれに該当する。
【0013】
このジイソシアネートは、4〜20個のC原子を有するイソシアネートであることが好ましい。通常のジイソシアネートの例は、脂肪族ジイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6−ジイソシアナトヘキサン)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネートの誘導体、トリメチルヘキサンジイソシアネートまたはテトラメチルヘキサンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、例えば1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサンまたは1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたは2,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、またはこれらの混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンまたは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、または2,4−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサンまたは2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサンならびに3(または4),8(または9)−ビス(イソシアナトメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−異性体混合物、ならびに芳香族ジイソシアネート、例えば2,4−トルイレンジイソシアネートまたは2,6−トルイレンジイソシアネートおよびその異性体混合物、m−キシリレンジイソシアネートまたはp−キシリレンジイソシアネート、2,4′−ジイソシアナトジフェニルメタンまたは4,4′−ジイソシアナトジフェニルメタンおよびその異性体混合物、1,3−フェニレンジイソシアネートまたは1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジイソシアナト−3,3′−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼンまたはジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネートである。
【0014】
挙げられたジイソシアネートの混合物が存在していてもよい。
【0015】
平均で2個の上廻るイソシアネート基を有する高級イソシアネートもこれに該当する。そのために、例えばトリイソシアネート、例えばトリイソシアナトノナン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、トリフェニルメタンイソシアネートまたは2,4,4′−トリイソシアナトジフェニルエーテル、または例えば相応するアニリン/ホルムアルデヒド縮合物をホスゲン化することによって得られかつメチル橋を有するポリフェニルポリイソシアネートである、ジイソシアネート、トリイソシアネートおよび高級ポリイソシアネートからなる混合物が適している。
【0016】
使用可能なジイソシアネートおよびポリイソシアネートは、イソシアネート基含有率(NCOとして算出、分子量=42)が、このジ−及びポリイソシアネート(混合物)に対して、有利には10〜60質量%、好ましくは15〜60質量%、特に好ましくは20〜55質量%である。
【0017】
脂肪族、または本明細書の範囲内で(環状)脂肪族として含まれている脂環式のジイソシアネートおよびポリイソシアネート、例えば上記の脂肪族または脂環式ジイソシアネート、またはその混合物は、好ましい。
【0018】
特に好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネート、1.3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートおよび4,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよび/または2,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンであり、殊に好ましいのは、イソホロンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートであり、殊に有利なのは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)である。
【0019】
IPDIは、多くの場合、混合物として、即ち、cis−およびtrans−異性体の混合物として存在し、通常は、60:40〜80:20(w/w)の比、有利に70:30〜75:25の比、特に有利に約75:25の比の混合物として存在する。
【0020】
ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートは同様に、種々のcis−およびtrans−異性体の混合物として存在することができる。
【0021】
芳香族イソシアネートは、少なくとも1個の芳香族環系を含有するイソシアネートである。
【0022】
脂環式イソシアネートは、少なくとも1個の脂環式環系を有するイソシアネートである。
【0023】
脂肪族イソシアネートは、直鎖または分枝鎖だけを有するイソシアネートであり、即ち非環式化合物である。
【0024】
本発明には、相応するアミンをホスゲン化することによって得られるジイソシアネートおよびポリイソシアネートならびにホスゲンの使用なしに、即ちホスゲン不含の方法により製造されるジイソシアネートおよびポリイソシアネートが使用されてよい。欧州特許出願公開第0126299号明細書(米国特許第4596678号明細書)、欧州特許出願公開第126300号明細書(米国特許第4596679号明細書)および欧州特許出願公開第355443号明細書(米国特許第5087739号明細書)の記載により、例えば(環状)脂肪族ジイソシアネート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、アルキレン基中に6個の炭素原子を有する異性体脂肪族ジイソシアネート、4,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたは2,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよび1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)は、(環状)脂肪族ジアミンを例えば尿素およびアルコールと反応させ、(環状)脂肪族ビスカルバミン酸エステルに変え、この(環状)脂肪族ビスカルバミン酸エステルを相応するジイソシアネートおよびアルコールに熱分解することによって製造されてよい。合成は、多くの場合に連続的に循環路方法で、および場合によってはN−非置換カルバミン酸エステル、ジアルキルカーボネートおよび反応プロセスから返送される別の副生成物の存在で行なわれる。こうして得られたジイソシアネートまたはポリイソシアネートは、一般に極めて僅かな含量の塩素化された化合物またはむしろ測定不可能な含量の塩素化された化合物を有し、このことは、生成物の有利な色価を生じる。
【0025】
本発明の実施態様において、ジイソシアネートおよびポリイソシアネート(A)は、200ppm未満、有利に120ppm未満、特に有利に80ppm未満、殊に有利に50ppm未満、殊に15ppm未満、特に10ppm未満の加水分解可能な塩素の全含量を有する。これは、例えばASTM規格D4663−98によって測定されうる。しかし、他の選択可能な方法によれば、よりいっそう高い塩素含量を有するジイソシアネートおよびポリイソシアネート(A)を使用してもよい。
【0026】
更に、次のものを挙げることができる:
1)芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートのイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート。この場合、特に好ましいのは、相応する脂肪族イソシアナトイソシアヌレートおよび/または脂環式イソシアナトイソシアヌレート、殊にこれらは、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートを基礎とする。この場合に存在するイソシアヌレートは、殊に、ジイソシアネートの環式三量体であるトリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレートまたはトリス−イソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート、または1個より多いイソシアヌレート環を有する、それらの高級同族体との混合物である。イソシアナト−イソシアヌレートは、一般に10〜30質量%、殊に15〜25質量%のNCO含量および2.6〜8のNCO官能価を有する。イソシアヌレートとして、種々のジイソシアネートの混合物、例えばHDIとIPDIからなる混合物または(環状)脂肪族ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートからなる混合物もこれに該当する。
【0027】
2)芳香族的、脂肪族的および/または脂環式的に結合したイソシアネート基を有するウレトジオンジイソシアネート、好ましくは脂肪族的および/または脂環式的に結合したイソシアネート基、殊にヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導されたイソシアネート基を有するウレトジオンジイソシアネート。ウレトジオンジイソシアネートは、ジイソシアネートの環式二量体化生成物である。
【0028】
このウレトジオンジイソシアネートは、単独の成分としてかまたは別のポリイソシアネート、殊に1)に挙げたポリイソシアネートとの混合物で使用してよい。
【0029】
3)ビウレット基を有する、芳香族的、脂環式的または脂肪族的に結合した、好ましくは脂環式的または脂肪族的に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート、殊にトリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレットまたはその高級同族体とのその混合物。このビウレット基を有するポリイソシアネートは、一般に、NCO含有率が18〜22質量%であり、かつ平均NCO官能価が2.8〜8、殊に2.8〜4.5である。
【0030】
4)芳香族的、脂肪族的または脂環式的に結合した、有利に脂肪族的または脂環式的に結合したイソシアネート基を有する、ウレタン基含有および/またはアロファネート基含有ポリイソシアネート、例えばこれらのポリイソシアネートは、例えば過剰量のヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートを一価アルコールまたは多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、2−エチルヘキサノール、n−ペンタノール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−プロパンジオールモノメチルエーテル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリット、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、グリセリン、1,2−ジヒドロキシプロパン、2,2−ジメチル−1,2−エタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,4−ジエチルオクタン−1,3−ジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリット、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオールまたはこれらの混合物と反応させることによって得ることができる。このウレタン基および/またはアロファネート基を有するポリイソシアネートは、一般に、NCO含有率が12〜20質量%であり、かつ平均NCO官能価が2.5〜4.5である。
【0031】
5)オキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネート、特にヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導された、オキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネート。このようなオキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネートは、ジイソシアネートおよび二酸化炭素から製造することができる。
【0032】
6)イミノオキサジアジンジオン基を含有するポリイソシアネート、特にヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導された、イミノオキサジアジンジオン基を含有するポリイソシアネート。このようなイミノオキサジアジンジオン基を含有するポリイソシアネートは、ジイソシアネートから特殊な触媒により製造可能である。
【0033】
7)ウレトンイミン変性ポリイソシアネート。
【0034】
8)カルボジイミド変性ポリイソシアネート。
【0035】
9)超分枝鎖状ポリイソシアネート、例えばこれは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第110013186号明細書またはドイツ連邦共和国特許出願公開第110013187号明細書の記載から公知である。
【0036】
10)ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートとアルコールとからのポリウレタン−ポリイソシアネート−プレポリマー。
【0037】
11)ポリ尿素−ポリイソシアネート−プレポリマー。
【0038】
12)1−11に記載された官能価より多い官能価を含有するポリイソシアネート、例えばこれは、欧州特許第1446435号明細書中に記載されている。
【0039】
ポリイソシアネート1)〜12)は、混合物として使用されてよく、場合によってはジイソシアネートとの混合物として使用されてもよい。
【0040】
好ましい化合物(A)は、ウレタン、ビウレットおよびイソシアヌレート、特に有利に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)または1−イソシアナト−3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンのイソシアヌレート、殊に有利に1−イソシアナト−3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンのイソシアヌレートである。好ましいのは、別の高粘稠または固体のポリイソシアネートでもあり、例えばこれらのポリイソシアネートは、例えば高官能価生成物へのジイソシアネート/ポリイソシアネートの反応の際または別の高粘稠なモノマーの使用の際に生じる。
【0041】
本発明によれば、このようなジイソシアネートおよびポリイソシアネートは、本発明による混合物への使用に有利であり、この本発明による混合物は、溶剤不含で少なくとも8000mPas、特に有利に少なくとも12000mPas、殊に有利に少なくとも20000mPas、殊に少なくとも50000mPas、特に少なくとも100000mPasの23℃での粘度を有する。特に好ましいのは、23℃で固体のジイソシアネートおよびポリイソシアネートの使用である。
【0042】
他の選択可能な方法によれば、このようなポリイソシアネートは、少なくとも4の官能価を有する本発明による混合物への使用にとって有利である。
【0043】
製造に応じて、ポリイソシアネート(A)は、このポリイソシアネートを基礎とするモノマーのジイソシアネートをなお僅かな含量で、例えば5質量%まで、特に有利に3質量%まで、殊に有利に2質量%まで、殊に1質量%まで、特に0.5質量%まで、むしろ0.25質量%まで含有することができる。
【0044】
この場合、オリゴマー化の種類は、イソシアヌレート形成の例で例示的に表わされる。オリゴマー化の実施は、イソシアネート成分(A)にとって一般に本質的な役を演じない。しかし、オリゴマー化の規模は、イソシアネート成分(A)として得られる生成物にとって重要なパラメーターを表わすことができ、それというのも、よりいっそう高いオリゴマー化度を有する生成物は、多くの場合によりいっそう高い粘度も有するからである(下記参照)。
【0045】
好ましくは、イソシアヌレート形成のために次の触媒が使用されてよい:
テトラアルキルアンモニウムカルボキシレートおよびトリアルキルベンジルアンモニウムカルボキシレート。
【0046】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3806276号明細書に記載された、第4級アンモニウムヒドロキシド、特にN,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドおよびN,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)−アンモニウムヒドロキシド。
【0047】
欧州特許出願公開第0010589号明細書(米国特許第4324879号明細書)に記載されたヒドロキシアルキル置換された第4級アンモニウムヒドロキシド。
【0048】
米国特許第3817939号明細書に記載された式
【化1】

で示される有機金属塩、この式中、Aは、ヒドロキシル基または水素原子を表わし、nは、1〜3の数を表わし、Rは、多価の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族または芳香族炭化水素基を表わし、Mは、強塩基の陽イオン、例えばアルカリ金属陽イオンまたは第4アンモニウム陽イオン、例えばテトラアルキルアンモニウムを表わす。
【0049】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2631733号明細書(米国特許第4040992号明細書)に記載された触媒としての式
【化2】

で示される第4ヒドロキシアルキルアンモニウム化合物。
【0050】
更に好ましいのは、触媒としての一般式
【化3】

〔式中、Y-は、R′COO-またはOH-であり、Xは、互いに無関係に同一または異なる、(環状)脂肪族、芳香脂肪族またはヘテロ環式炭化水素基を表わし、この場合2個の基Xは、第4窒素原子と一緒に場合によっては1個以上のヘテロ原子を含有する環を形成していてよいし、3個の基Xは、共通のヘテロ原子を介して第4窒素原子と一緒に二環式の環を形成していてよく、R、R′およびR′′は、互いに無関係に水素を表わすかまたは1〜12個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルの群からの残基を表わす〕で示される第4アンモニウムカルボキシレートおよび/または第4アンモニウムヒドロキシレートである。
【0051】
この場合、アンモニウムイオンは、例えばピペラジン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジンまたはジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタンから誘導された、一員または複数員の環系の一部分であってもよい。
【0052】
特に好ましいのは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第1020004012571号明細書A1ならびに欧州特許出願公開第1668271号明細書、特にこの欧州特許出願公開明細書第4頁第16行〜第6頁第47行の記載から公知であるような三量体化触媒である。
【0053】
特に好ましいのは、Air Products社のN−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエート(DABCO TMR(登録商標))およびN−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−ホルミエート(DABCO TMR(登録商標)−2)である。
【0054】
よりいっそう良好な取り扱いのために、触媒は、溶剤中に溶解されていてもよいし、分散されていてもよい。このためには、例えば1〜8個の炭素原子を有するアルコール、ジオール、ケトン、エーテルおよびエステルならびにこれらの混合物が適している。
【0055】
例えば、上述の触媒DABCO TMR(登録商標)およびDABCO TMR(登録商標)−2は、有利にエチレングリコールまたはプロピレングリコール中の約75質量%の溶液として使用される。
【0056】
上記の触媒は、通常、イソシアネートの質量に対して0.1質量%未満、有利に0.05質量%未満、特に有利に0.02質量%未満、殊に有利に0.015質量%未満、特に0.01質量%未満の量で、場合によっては上記したように溶剤(溶剤混合物)中に溶解されてかまたは分散されて使用される。
【0057】
通常、触媒は、使用された触媒タイプに依存して、少なくとも10質量ppm、有利に少なくとも20質量ppm、特に有利に少なくとも30質量ppm、殊に有利に少なくとも50質量ppm、殊に少なくとも70質量ppmの量で使用される。
【0058】
オリゴマー化は、例えばイソシアヌレート基含有、アロファネート基含有、ビウレット基含有、ウレトジオン基含有、オキサジアジントリオン基含有、イミノオキサジアジントリオン基含有および/またはウレタン基含有のポリイソシアネートへの反応、有利にイソシアヌレート基含有、アロファネート基含有、ウレトジオン基含有および/またはウレタン基含有のポリイソシアネートへの反応、特に有利にイソシアヌレート基含有のポリイソシアネートへの反応であることができる。この場合には、上記の触媒とは別の触媒が適していてもよく;この触媒は、当業者に自体公知である。
【0059】
イソシアヌレート基含有のポリイソシアネートへの三量体化は、一般に1〜120分間の全滞留時間で通常の反応条件で有利に連続的に実施することができる。1個のイソシアヌレート環を有する化合物が得られるかまたは複数のイソシアヌレート環を有する化合物も得られる。この種の化合物は、刊行物中に記載されている。
【0060】
本発明の好ましい実施態様において、イソシアネートの三量体化は、部分的に実施され、したがって単に微少含量の高級イソシアヌレート、即ち多数のイソシアヌレート環を有するイソシアヌレートが生じる。高級イソシアヌレートは、生成物の粘度の上昇およびイソシアネート基の損失をまねく。
【0061】
即ち、HDIの場合には、45%以下の変換率になるまで、有利に40%になるまで、特に有利に35%になるまで、殊に有利に30%になるまでの反応が運転される。高すぎる返送流を生じないようにするために、変換率は、少なくとも10%、有利に少なくとも15%、特に有利に少なくとも20%、殊に有利に少なくとも25%である。
【0062】
変換率は、一般に生成物がそれぞれ未反応のジイソシアネートの分離後に8未満、有利に3.8未満、特に有利に3,7未満の平均NCO官能価を有するように制御される。しかし、よりいっそう高い官能価を有する生成物を得ることも重要である。
【0063】
使用される触媒および方法に依存して、部分的には、或る程度の含量のウレトジオンが形成されてよい。この含量は、一般に5質量%未満、有利に3質量%未満、特に有利に2質量%未満、殊に有利に1質量%未満である。
【0064】
反応は、熱的に停止されてもよいし、失活剤の添加によって停止されてもよい。
【0065】
失活剤としては、例えば無機酸、例えば塩化水素、亜燐酸または燐酸、カルボン酸ハロゲン化物、例えば塩化アセチルまたは塩化ベンゾイル、スルホン酸またはスルホン酸エステル、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチルエステルまたはp−トルエンスルホン酸エチルエステル、m−クロロ過安息香酸および特にジアルキルホスフェート、例えばジブチルホスフェートおよびジー2−エチルヘキシルホスフェートが適している。
【0066】
失活剤は、反応混合物中の活性の三量体化触媒の量に対して当量または過剰量で使用されてよく、この場合には、実験により簡単に測定することができる最少の有効量が既に経済的理由から好ましい。例えば、失活剤は、1〜2.5:1モル/モル、有利に1〜2:1モル/モル、特に有利に1〜1.5:1モル/モル、殊に有利に1〜1.2:1モル/モルの活性の三量体化触媒との比で使用される。反応混合物中での活性触媒の量が公知でない場合には、使用された触媒の出発量に対して、使用された触媒1モル当たり0.3〜1.2モルの失活剤、有利に0.4〜1.0モル/モル、特に有利に0.5〜0.8モル/モルの失活剤が使用されてよい。
【0067】
添加は、失活剤の種類に依存する。即ち、塩化水素は、有利にガス状で反応混合物上に導かれるかまたは有利に反応混合物に貫流され、液状の失活剤は、多くの場合に物質でかまたは反応条件下で不活性の溶剤中の溶液として添加され、および固体の失活剤は、物質でかまたは反応条件下で不活性の溶剤中の溶液または懸濁液として添加される。
【0068】
失活剤の添加は、反応温度で行なうことができるが、しかし、よりいっそう低い温度で行なってもよい。
【0069】
熱的失活は、有利に2−ヒドロキシアルキルアンモニウム基を有する三量体化触媒が使用される場合に行なうことができる。この種の熱不安定な触媒の熱的失活は、80℃を上廻る、有利に100℃を上廻る、特に有利に120℃を上廻る、殊に有利に130℃を上廻る温度で行なわれ、このことは、この種の熱不安定な触媒の失活に利用されてよい。
【0070】
この種の失活は、例えば反応器と蒸留部との間に接続されかつ当該温度で運転される熱交換器によって、反応器中での相応する温度を有する区間で行なうことができるか、または熱交換器が相応する壁温度で運転される場合には蒸留で行なうことができる。
【0071】
勿論、反応は、冷却、例えば60℃未満の温度、有利に55℃未満、特に有利に50℃未満、殊に有利に45℃未満、殊に40℃未満の温度への冷却によって停止されてもよい。
【0072】
この種の冷却は、例えば反応器中での相応する温度を有する区間内で行なってもよいし、反応器と蒸留部との間で接続されかつ当該温度で運転される熱交換器によって行なってもよい。
【0073】
しかし、触媒は、簡単な冷却によって反応混合物中に含有されたままであり、それによってさらに活性であり、したがって反応は、本来の意味で終結されるのではなく、常に、約50℃を上廻る温度への加熱時に再び開始されてよい。
【0074】
従って、反応を触媒の熱的失活または失活剤によって停止させることは、好ましい。
【0075】
一般に、変換を制御することによって、生成物の性質は、影響を及ぼされてもよい。一般に、低い変換率の場合には、理想的な三量体に近い生成物が得られる。変換率をよりいっそう高く調節すればするほど、一般に連続反応によって四量体、五量体、六量体等の含量は、ますます大きくなる。
【0076】
高級オリゴマーの含量が高ければ高いほど、多くの場合に生成物の粘度もますます高くなる。
【0077】
個々のオリゴマーの含量は、テトラヒドロフラン(THF)中でのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準としてのポリスチレンに対して測定することができる。
【0078】
一般に、三量体の含量は、40〜80質量%、有利に50〜75質量%、特に有利に55〜75質量%、殊に有利に55〜70質量%に制御される。
【0079】
本発明による混合物に特に好適なのは、21.5〜22.5%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、1000〜4000mPas、有利に2000〜4000mPas、特に有利に2500〜4000mPasのDIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度(溶剤不含)および/または3.0〜4.0、有利に3.0〜3.7、特に有利に3.1〜3.5の平均NCO官能価を有するヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレート基含有化合物である。この種のイソシアヌレート基含有化合物の反応生成物を基礎とする被覆材料が事後に良好にクリアラッカーに好適であるようにするために、イソシアヌレート基含有化合物が40以下のDIN EN 1557に記載のHAZEN/APHAによる色価を有することは、さらに好ましい。
【0080】
更に、本発明による混合物に特に好適なのは、22〜24%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、1500〜20000mPas、有利に10000mPas未満、特に有利に6500mPas未満のDIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度(溶剤不含)および/または3.0〜8、有利に3.0〜3.7、特に有利に3.1〜3.5の平均NCO官能価を有するヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするビウレット基含有化合物である。この種のビウレット基含有化合物の反応生成物を基礎とする被覆材料が事後に良好にクリアラッカーに好適であるようにするために、ビウレット基含有化合物が40以下のDIN EN 1557に記載のHAZEN/APHAによる色価を有することは、さらに好ましい。
【0081】
本発明による混合物に対して、16.6〜17.6%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、100〜130℃の溶融範囲および/または3.0〜4.0,有利に3.0〜3.7、特に有利に3.1〜3.5の平均NCO官能価を有するイソホロンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレート基含有化合物は、特に好適である。
【0082】
上記のジイソシアネートまたはポリイソシアネートは、少なくとも部分的に遮断された形で存在していてもよい。
【0083】
遮断のために使用される化合物種は、D.A. Wicks, Z.W. Wicks, Progress in Organic Coatings, 36, 148-172 (1999), 41, 1-83 (2001)ならびに43, 131-140 (2001)中に記載されている。
【0084】
遮断に使用される化合物種の例は、フェノール、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、オキシム、N−ヒドロキシイミド、ヒドロキシ安息香酸エステル、第2アミン、ラクタム、CH酸環状ケトン、マロン酸エステルまたはアルキルアセトアセテートである。
【0085】
遮断のためのイソシアネート基に対して反応性の基としてのイミダゾール基、本明細書中では略して"イミダゾール"と呼称する、は、例えばWO 97/12924および欧州特許第159117号明細書の記載から公知であり、トリアゾールは、米国特許第4482721号明細書の記載から公知であり、CH酸環状ケトン、特に有利にシクロペンタノン−2−カルボン酸エステル、殊にシクロペンタノン−2−カルボン酸エチルエステルは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第110260269号明細書、特にこのドイツ連邦共和国特許出願公開明細書中の段落[0008]および有利に段落[0033]〜[0037]に記載されている。
【0086】
好ましいイミダゾールは、例えば有利NH基と共になお他の官能基、例えば−OH、ーSH、−NH−R、−NH2、−CHOを含有するイミダゾール、例えば4−(ヒドロキシメチル)イミダゾール、2−メルカプト−イミダゾール、2−アミノ−イミダゾール、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾールエチオール、ヒスタミン、2−イミダゾール−カルボキシアルデヒド、4−イミダゾールカルボン酸、4,5−イミダゾール−ジカルボン酸、L−ヒスチジン、L−カルノシンおよび2,2′−ビス−(4,5−ジメチル−イミダゾール)である。
【0087】
適当なトリアゾールは、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオールおよび3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールである。
【0088】
第2アミンは、殊に第三ブチル−ベンジルアミンである。
【0089】
好ましいのは、フェノール、オキシム、N−ヒドロキシイミド、ラクタム、イミダゾール、トリアゾール、マロン酸エステルおよびアルキルアセトネートであり、特に好ましいのは、ラクタム、フェノール、イミダゾール、トリアゾールおよびマロン酸エステルであり、殊に好ましいのは、フェノールである。
【0090】
本発明による混合物中でのイソシアネート成分(A)の含量は、一般にポリイソシアネートと溶剤との総和に対して98質量%まで、有利に95質量%まで、特に有利に90質量%まで、殊に有利に86質量%まで、殊に80質量%までである。
【0091】
本発明による混合物中でのイソシアネート成分(A)の含量は、一般にポリイソシアネートと溶剤との総和に対して50質量%またはそれ以上、有利に60質量%またはそれ以上、特に有利に63質量%またはそれ以上、殊に有利に65質量%またはそれ以上である。
【0092】
本発明によるイソシアネート調製物のための溶剤として、主に9個および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物からなる少なくとも1つの芳香族炭化水素混合物(B)が使用される。
【0093】
この場合には、主に50質量%を上廻る、有利に少なくとも60質量%、特に有利に少なくとも70質量%、殊に有利に少なくとも85質量%、殊に少なくとも80質量%、特に少なくとも85質量%、しばしば少なくとも90質量%、むしろ少なくとも95質量%の含量を意味する。
【0094】
溶剤として使用される工業用炭化水素混合物は、多くの場合に脂肪族化合物、脂環式化合物、単環式芳香族化合物および二環式芳香族化合物または多環式芳香族化合物ならびにこれらの混合物を含む。
【0095】
この場合、脂肪族化合物は、非環式飽和炭化水素であり、多くの場合に直鎖状または分枝鎖状のアルカンである。
【0096】
この場合、脂環式化合物は、環状飽和炭化水素であり、多くの場合に場合によっては1個以上のアルキル基で置換されたシクロアルカンである。
【0097】
炭化水素混合物(B)において、脂肪族化合物および/または脂環式化合物の含量は、一般に30質量%未満、有利に25質量%未満、特に有利に15質量%未満、殊に有利に10質量%未満、殊に5質量%未満、特に2.5質量%未満、むしろ1質量%未満である。
【0098】
二環式芳香族化合物および多環式芳香族化合物は、場合によっては1個以上のアルキル基で置換されたナフタリンおよび高級ポリ縮合芳香族化合物、例えばアントラセン、フェナントレン等である。
【0099】
炭化水素混合物(B)において、ナフタリンおよび高級ポリ縮合芳香族化合物の含量は、一般に5質量%未満、有利に3質量%未満、特に有利に2質量%未満、殊に有利に1質量%未満、殊に0.5質量%未満、特に0.25質量%未満、むしろ0.1質量%未満である。
【0100】
この中で、単環式芳香族化合物は、区別される。この単環式芳香族化合物は、場合によっては1個以上のアルキル基で置換されたベンゼン環の全体を含む。
【0101】
単環式芳香族化合物は、この単環式芳香族化合物を構成する炭素原子の全体数により区別される。
【0102】
炭化水素混合物(B)において、8個までの炭素原子を有する単環式芳香族化合物の含量は、一般に5質量%未満、有利に4質量%未満、特に有利に3質量%未満、殊に有利に2質量%未満、殊に1質量%未満、特に0.5質量%未満である。
【0103】
炭化水素混合物(B)において、ベンゼンの明確な含量は、一般に5質量%未満、有利に3質量%未満、特に有利に1質量%未満、殊に有利に0.5質量%未満、殊に0.25質量%未満、特に0.2質量%未満、むしろ0.1質量%未満である。
【0104】
炭化水素混合物(B)において、少なくとも11個の炭素原子を有する芳香族化合物の含量は、一般に5質量%未満、有利に4質量%未満、特に有利に3質量%未満、殊に有利に2質量%未満、殊に1質量%未満、特に0.5質量%未満である。
【0105】
本発明によれば、芳香族炭化水素混合物(B)中で10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の含量は、35質量%以下、有利に25質量%以下、特に有利に20質量%以下、殊に有利に15質量%以下、特に12質量%以下、殊に8質量%以下、特に5質量%以下である。
【0106】
8個までの炭素原子を有する芳香族化合物は、例えばベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレン、およびエチルベンゼンである。
【0107】
9個の炭素原子を有する芳香族化合物は、例えば1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼンおよび1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2−エチルメチルベンゼン、1,3−エチルメチルベンゼンおよび1,4−エチルメチルベンゼン、n−プロピルベンゼンおよびイソプロピルベンゼンである。
【0108】
10個の炭素原子を有する芳香族化合物は、例えば1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼンおよび1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、1,2,−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼンおよび1,4−ジエチルベンゼン、1,2,3−エチルジメチルベンゼン異性体、1,2,4−エチルジメチルベンゼン異性体および1,3,5−エチルジメチルベンゼン異性体、1,2−メチル−n−プロピルベンゼン、1,3−メチル−n−プロピルベンゼンおよび1,4−メチル−n−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、第二ブチルベンゼン、第三ブチルベンゼン、4−メチルインダンまたは5−メチルインダンおよびテトラリンである。
【0109】
炭化水素混合物(B)の沸騰範囲は、約150℃〜190℃、有利に150〜185℃、特に有利に150〜180℃、殊に有利に154〜178℃の温度範囲を含むことができる。
【0110】
炭化水素混合物(B)において、少なくとも1個のヘテロ原子を有する化合物の含量は、一般に3質量%未満、有利に2質量%未満、特に有利に1質量%未満、殊に有利に0.5質量%未満、殊に0.25質量%未満、特に0.1質量%未満である。このための例は、例えばチオフェン、フラン、ピロールおよびピリジンである。
【0111】
炭化水素混合物(B)中で、分子量32g/molを有するSとして計算した硫黄含量は、一般に5000ppm未満、有利に2000特に有利に1000ppm未満、殊に有利に500ppm未満、殊に250ppm未満である。
【0112】
オレフィン系不飽和化合物の含量は、炭化水素混合物(B)中で一般に3質量%未満、有利に2質量%未満、特に有利に1質量%未満、殊に有利に0.5質量%未満である。
【0113】
そのための例は、アルケン、シクロアルケン、スチレンおよびそのアルキル置換された誘導体である。
【0114】
本発明による混合物のもう1つの場合による成分は、(B)とは別の少なくとも1つの溶剤である。即ち、これは、非炭化水素である。
【0115】
好ましいのは、ハロゲン化炭化水素、ケトン、エステルおよびエーテルからなる群から選択された溶剤である。特に好ましいのは、エステルであり、その中で、アルカン酸アルキルエステルおよびアルコキシル化アルカン酸アルキルエステルである。
【0116】
ハロゲン化炭化水素は、例えばクロロベンゼンおよびジクロロベンゼンまたはその異性体混合物である。
【0117】
エステルは、例えばTHF、ジオキサンならびにエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールまたはトリプロピレングリコールのジメチルエーテル、ジエチルエーテルまたはジ−n−ブチルエーテルである。
【0118】
ケトンは、例えばアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロヘキサノンまたはシクロペンタノンである。
【0119】
エステルは、例えばn−ブチルアセテート、エチルアセテート、1−メトキシプロピルアセテート−2および2−メトキシエチルアセテートである。
【0120】
(B)と(C)とのこの種の混合物は、5:1〜1:5の容量比、有利に4:1〜1:4の容量比、特に有利に3:1〜1:3の容量比、殊に有利に2:1〜1:2の容量比、殊に1.5:1〜1:1.5の容量比で存在していてよい。
【0121】
溶剤(C)が存在する場合には、(B)とn−ブチルアセテートとの本発明による混合物または(B)と1−メトキシプロピルアセテート−2との本発明による混合物が好ましい。
【0122】
本発明による混合物は、一般にイソシアネート成分(A)を溶剤(B)ならびに場合によっては(C)と簡単に混合することによって製造される。殊に、粘稠または固体のイソシアネート成分(A)の場合には、簡単な混合は困難を引き起こしうる。それというのも、この場合には、2つの相の混合が困難になりうるからである。
【0123】
従って、1つの好ましい実施態様においては、イソシアネート成分(A)および溶剤(B)ならびに場合によっては(C)は、少なくとも40℃の温度および常圧を上廻る圧力で互いに混合される。
【0124】
この場合、この温度は、有利に少なくとも45℃、特に有利に少なくとも50℃、殊に有利に少なくとも55℃、殊に少なくとも60℃、特に少なくとも70℃であることができる。
【0125】
この場合、記載された温度は、混合すべき少なくとも1つの成分(A)および溶剤、有利に少なくともイソシアネート成分(A)、特に有利にこれら双方に関連する。
【0126】
通常、この混合物の温度は、混合工程中に印加された圧力で、使用された溶剤または溶剤混合物のASTM D850に記載の沸騰温度または沸騰範囲の下限値より少なくとも10℃低く、有利に少なくとも20℃低く、特に有利に少なくとも40℃低い。
【0127】
混合工程が実施されうる圧力は、有利に環境圧力より少なくとも0.1バール(10000Pa)上廻り、特に有利に少なくとも0.2バール(20000Pa)上廻り、殊に有利に少なくとも0.3バール(30000Pa)上廻り、殊に少なくとも0.5バール(50000Pa)上廻り、特に少なくとも1バール(100000Pa)上廻る。
【0128】
通常、混合は、10バール(106Pa)以下、有利に8バール(800000Pa)以下、特に有利に7バール(700000Pa)以下の過圧で実施することで十分である。
【0129】
このような方法の利点は、一方で、この種の混合条件下で高められた温度によってイソシアネート成分(A)の粘度が減少し、それによってこのイソシアネート成分(A)が簡単に溶剤と混合可能になり、他方で、溶剤が高められた圧力によって蒸発を阻止することある。
【0130】
1つの好ましい実施態様において、記載された最小温度を有するイソシアネート成分(A)は、混合のために少なくとも1つの溶剤中に導入される。この場合、少なくとも1つの溶剤の温度が少なくとも1つのポリイソシアネートの温度と40℃以下、有利に30℃以下、特に有利に20℃以下、殊に有利に10℃以下ずれていることは、有利である。しかし、特に高沸点溶剤の炭化水素画分の場合には、温度差は、例えば150℃までであってもよい。
【0131】
1つの特に好ましい実施態様において、イソシアネート成分(A)は、蒸留塔底物の形で少なくとも1つの溶剤中に導入される。ポリイソシアネートは、自体公知の部分的オリゴマー化によりジイソシアネートから製造されるので、1質量%未満、有利に0.75質量%未満、特に有利に0.5質量%未満、殊に有利に0.3質量%未満のモノマー含量を達成するために、未反応のジイソシアネートを反応混合物から分離することが必要である。これは、多くの場合に蒸留によって自体公知の方法で、例えば薄膜蒸留によって90℃〜220℃の温度で、好ましくは真空中で、場合によっては付加的に不活性のストリップガスを導通させながら行なわれる。
【0132】
このための装置として、フラッシュ蒸発器、流下薄膜型蒸発器、薄膜蒸発器および/または短路蒸発器が使用され、これら蒸発器には、場合により短い塔を取り付けることができる。
【0133】
この蒸留は、一般に0.1〜300hPa、有利に200hPa以下、特に有利に100hPa以下の圧力で行なう。
【0134】
更に、蒸留からの流出物は、直接に少なくとも1つの溶剤と混合されてよい。更に、これは、熱い濃縮された反応混合物が溶剤中への導入によって希釈され、それによって直接に冷却され、したがって反応混合物中での後続反応、例えばさらなるポリマー分解が減少されるという利点を有する。
【0135】
前記混合物の製造のために、一般に0.2W/kgまたはそれ以上、有利に0.5W/kgまたはそれ以上、特に有利に1W/kgまたはそれ以上、殊に有利に2W/kgまたはそれ以上、殊に5W/kgまたはそれ以上、特に10W/kgまたはそれ以上の混合装置中へのエネルギー導入で十分である。一般に、30W/kgを上廻るエネルギー導入は、利点をもたらさない。この場合、記載された規定の出力導入は、混合装置の混合空間体積中でのポリイソシアネートおよび溶剤の量に対する導入された出力として把握することができる。
【0136】
前記流れは、本方法でできるだけ完全な混合を示す適当な混合装置中で混合される。
【0137】
混合装置としては、有利に混合循環路、攪拌容器、静的混合機またはポンプが使用される。静的混合機として、通常の全てのスタティックミキサー(例えばSulzer SMX/SMV)またはノズル混合装置または絞り混合装置(Blendenmischeinrichtungen)、例えば同軸混合ノズル、Y型混合機またはT型混合機を使用することができる。
【0138】
この場合、混合回路は、少なくとも1個のポンプならびに場合によっては少なくとも1個の熱交換器を含み、この熱交換器中に混合すべき少なくとも1つの成分、有利にポリイソシアネート、特に有利にポリイソシアネートおよび溶剤が、有利にポンプの前方で計量供給されるポンプ循環路である。更に、ポンプ循環路は、他の静的混合機および/または混合部材を含むことができる。
【0139】
混合回路を混合装置として使用する場合には、成分は、高速で噴入される。通常、流れの速度は、混合直前で1〜100m/秒、有利に2〜80m/秒、特に有利に5〜50m/秒である。
【0140】
前記の混合装置中での混合時間は、通常、0.01〜120秒、有利に0.05〜60秒、特に有利に0.1〜30秒、殊に有利に0.5〜15秒、殊に0.7〜5秒である。混合時間とは、混合工程の開始から、得られた混合物の流体要素の97.5%までが混合画分を有するまでに経過する時間であり、この場合この混合画分は、得られた混合物の混合画分の理論的最終値の値に対して完全な混合状態を達成した際に混合画分の前記最終値から2.5%未満ずれている(混合画分の概念に関しては、例えばJ. Warnatz, U. Maas, R.W. Dibble: Verbrennung, Springer Verlag, Berlin Heidelberg New York, 1997, 第2版, 第134頁参照)。
【0141】
混合を1個以上の攪拌容器中、例えば1〜5個、有利に1〜3個、特に有利に1〜2個、殊に有利に1個の攪拌容器または環状反応器中で実施する場合には、全ての攪拌容器中での平均全滞留時間は、一緒になって7時間まで、有利に1.5時間までであることができる。攪拌容器中での平均全滞留時間の下限としては、一般に15分間、有利に30分間が当てはまる。管状反応器においては、滞留時間は、例えば30分間まで、有利に20分間まで、特に有利に10分間まで、殊に有利に5分間まで、殊に2分間までであることができる。しかし、よりいっそう長い滞留時間は、一般に利点をもたらさないことが考えられうる。
【0142】
出力は、攪拌容器の場合に全ての可能な撹拌タイプ、例えばプロペラブレード、傾斜ブレード、アンカー攪拌機、ディスク攪拌機、タービン攪拌機またはパドル撹拌機によって導入することができる。有利にディスク撹拌機およびタービン撹拌機が使用される。
【0143】
更に、可能な実施形式において、混合およびエネルギー導入は、攪拌容器中で、しかも少なくとも1つのポンプ循環路を通じて行なうことができ、この場合このポンプ循環路は、場合によってはこのポンプ循環路内に取り付けられた少なくとも1個の熱交換器によって温度調節されることができる。
【0144】
反応器は、例えば二重壁加熱部を備えた反応器、溶接された半管または全管および/または内在する加熱蛇管であることができる。自然循環路を備えた外在する熱交換器を有する反応器も可能であり、この場合には、循環流は、機械的補助手段なしに実現されるか、或いは強制循環路(ポンプを使用しながら)を備えた外在する熱交換器を有する反応器も可能であり、特に好ましいのは、強制循環を備えた前記反応器である。
【0145】
適当な循環蒸発器は、当業者に公知であり、例えばR. Billet, Verdapmfertechnik, HTB-Verlag, Bibliographisches Institut Mannheim, 1965, 53中に記載されている。循環蒸発器の例は、管束熱交換器、板状熱交換器等である。
【0146】
勿論、循環路内には、多数の熱交換器が存在していてもよい。
【0147】
管束反応器中には、よりいっそう良好な混合のために、穿孔板、溝付き板、梱包物または静的混合機が取り付けられていてよい。このような管状反応器のボーデンシュタイン数(Bodensteinzahl)は、例えば3またはそれ以上、有利に少なくとも4、特に有利に少なくとも5、殊に有利に少なくとも8、殊に少なくとも10である。
【0148】
混合工程中、混合物は、なおさらに加熱されてよく、したがって温度は、混合工程中に5℃にまで、有利に10℃にまで、特に有利に15℃にまで上昇されてよい。
【0149】
混合工程後、混合された流出物は、再び環境温度に冷却されてよい。流出物は、合理的に流れの少なくとも1つの予熱のために使用されてよく、この流出物は、混合部中に導入されるかまたは混合中にさらに加熱する目的で導入される。
【0150】
ポンプとしては、本方法において、有利にイソシアネート含有の流れが搬送される全ての流れで、強制輸送ポンプ、例えば歯車ポンプ、ぜん動性ポンプ、スクリューポンプ、偏心スクリューポンプ、スピンドルポンプまたはピストンポンプ、または遠心ポンプが使用される。
【0151】
強制輸送ポンプは、本方法において、有利には250mPasまたはそれ以上、特に有利に300mPasまたはそれ以上、殊に有利に400mPasまたはそれ以上、殊に500mPasまたはそれ以上の粘度を有する流れの輸送に使用される。遠心ポンプは、有利に300mPasまで、特に有利に250mPasまで、殊に有利に200mPasまでの粘度を有する流れの輸送に使用される。
【0152】
殊に有利には、ポリイソシアネート含有の流れは、モノマーのイソシアネートの分離後に強制輸送ポンプで輸送され、殊にこのような流れは、溶剤中に計量供給される。
【0153】
混合は、連続的、非連続的または半連続的に実施されてよい。これは、イソシアネート成分(A)および溶剤が連続的に同時に望ましい比で互いに混合されるか、または非連続的に特殊な容器中で混合されるか、または1つの成分、有利に溶剤を装入し、別の成分、有利にポリイソシアネートを計量供給することを意味する。特に有利には、溶剤は、例えば上記の温度に予熱される。
【0154】
記載された方法により得られる、溶剤中のポリイソシアネートの混合物は、貯蔵安定性である。
【0155】
溶剤(B)中ならびに場合によっては(C)中のイソシアネート成分(A)の得られた混合物は、一般にラッカー工業において使用される。本発明による混合物は、例えば1K(一成分)または2K(二成分)ポリウレタンラッカー、例えばプライマー、サーフェイサー、ベースコート、顔料を含有しないトップコート材料、顔料を含有するトップコート材料およびクリアコート材料のためのコーティング材料に、例えば工業用コーティング、殊に航空機のコーティングまたは大型車両のコーティング、木材のコーティング、自動車のコーティング、殊に自動車用OEMまたは自動車の塗換えまたは装飾コーティングで使用されてよい。このコーティング材料は、特に高い塗布信頼度、屋外耐候性、目視的品質、耐溶剤性および/または耐化学薬品性が要求されるような使用に特に好適である。この場合、このコーティング材料の硬化は、本発明によれば、本質的なことではない。殊に、自動車工業においては、例えばクリアコートおよびベースコートの多層硬化(所謂、トゥーインワン)が実施されるか、またはサーフェイサー、クリアコートおよびベースコートの多層硬化(所謂、スリーインワン)が実施される。
【0156】
本方法で製造された混合物は、一般に溶剤として存在するが、しかし、例外的な場合には、分散液として存在してもよい。
【0157】
本明細書中においては、使用される%の記載およびppmの記載は、特に記載がない限り、質量%および質量ppmを示す。
【0158】
本明細書中においては、特に記載がない限り、DIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度は、円錐−板系中で100秒-1の速度勾配で記載される。
【0159】
実施例
10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物(略して"C10-芳香族化合物")の異なる含量2〜25%を有しかつそれぞれ1mPas未満の粘度を有する種々の組成の芳香族炭化水素混合物中に溶解した、68質量%の三量体含量および0.5質量%の残留モノマー含量(それぞれGPCにつき測定した値)を有する同一のIPDIイソシアヌレートバッチ量の粘度を測定した。炭化水素混合物の残分は、本質的に9個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物から構成されていた。炭化水素混合物の個々の成分をガスクロマトグラフィー(GC)につき定量化し、GCと質量分析とのカップリングにより構造的に同定した。
【0160】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1つの場合によっては遮断されたジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネート、
(B)主に9および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物からなる、少なくとも1つの芳香族炭化水素混合物、ならびに
(C)場合によっては(B)とは異なる少なくとも1つの他の溶剤を含有する混合物において、芳香族炭化水素混合物(B)中で、10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の含量が35質量%以下であることを特徴とする、上記混合物。
【請求項2】
成分(A)がイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート、ウレトジオン基を有するポリイソシアネート、ビウレット基を有するポリイソシアネート、ウレタン基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有するポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基を有するポリイソシアネート、イミノオキサジアジンジオン基を有するポリイソシアネート、ウレトンイミン変性されたポリイソシアネート、超分枝化されたポリイソシアネート、ポリウレタン−ポリイソシアネート−プレポリマー、ポリ尿素−ポリイソシアネート−プレポリマーならびに直鎖状または分枝鎖状のC4〜C20−アルキレンジイソシアネートの記載された1を上廻る官能価を有するポリイソシアネート、全部で6〜20個のC原子を有する脂環式ジイソシアネートまたは全部で8〜20個のC原子を有する芳香族ジイソシアネート、またはこれらの混合物からなる群から選択されたポリイソシアネートである、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
成分(A)中のジイソシアネートまたはポリイソシアネートが1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたは2,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンから製造されたものである、請求項1または2記載の混合物。
【請求項4】
ASTM規格D4663−98に記載の加水分解可能な塩素に対する成分(A)の全含量が200ppm未満である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項5】
成分(A)が1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)または1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)のビウレットまたはイソシアヌレートである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項6】
成分(A)において、ポリイソシアネート中でこれを基礎とするモノマーのジイソシアネートの含量が5質量%までである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項7】
成分(A)が40〜80質量%の三量体の含量を有する、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項8】
成分(A)が21.5〜22.5%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、1000〜4000mPasのDIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度(溶剤不含)および3.0〜4.0の平均NCO官能価を有する1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項9】
成分(A)が21.5〜22.5%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、2000〜4000mPasのDIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度(溶剤不含)および3.0〜4.0の平均NCO官能価を有する1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項10】
成分(A)が21.5〜22.5%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、2500〜4000mPasのDIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度(溶剤不含)および3.0〜4.0の平均NCO官能価を有する1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートである、請求項1から9までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項11】
成分(A)が22〜24%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、1500〜20000mPasのDIN EN ISO 3219/A.3に記載の23℃での粘度(溶剤不含)および3.0〜4.0の平均NCO官能価を有する1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするビウレット基含有ポリイソシアネートである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項12】
成分(A)が16.7〜17.6%のDIN EN ISO 11909に記載のNCO含量、100〜130℃の溶融範囲および3.0〜4.0の平均NCO官能価を有するイソホロンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項13】
成分(A)が少なくとも部分的に遮断された形で存在する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項14】
成分(A)が溶剤不含で少なくとも8000mPasの23℃での粘度および/または少なくとも4の官能価を有する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項15】
成分(A)は50〜98質量%が含有されている、請求項1から14までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項16】
成分(B)中の脂肪族化合物および/または脂環式化合物の含量が30質量%未満である、請求項1から15までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項17】
成分(B)中のナフタリンおよび多環式芳香族化合物の含量が5質量%未満である、請求項1から16までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項18】
成分(B)中の8個までの炭素原子を有する芳香族化合物の含量が5質量%未満である、請求項1から17までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項19】
炭化水素混合物(B)の沸騰範囲が約150℃〜190℃の温度範囲を含む、請求項1から18までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項20】
成分(C)がハロゲン化炭化水素、ケトン、エステルおよびエーテルからなる群から選択されている、請求項1から19までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項21】
成分(C)がn−ブチルアセテートおよび1−メトキシプロピルアセテート−2からなる群から選択されている、請求項1から20までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項22】
成分(B)と(C)が5:1〜1:5の容量比で存在する、請求項1から21までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか1項に記載の混合物の製造法において、イソシアネート成分(A)および溶剤(B)ならびに場合によっては(C)を少なくとも40℃の温度および常圧を上廻る圧力で互いに混合することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項に記載の混合物の製造法。
【請求項24】
1Kポリウレタンラッカーまたは2Kポリウレタンラッカー、プライマー、サーフェイサー、ベースコート、顔料を含有しないトップコート材料、顔料を含有するトップコート材料およびクリヤーコート材料のためのコーティング材料への、工業用コーティング、航空機のコーティングまたは大型車両のコーティング、木材のコーティング、自動車のコーティング、自動車用OEMまたは自動車の塗換えまたは装飾コーティングの範囲内での請求項1から22までのいずれか1項に記載の混合物の使用。
【請求項25】
主に9および10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物からなり、場合によっては(B)とは別の少なくとも1つの他の溶剤との混合物での、場合によっては遮断されたジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートのための溶剤としての芳香族炭化水素混合物(B)の使用において、芳香族炭化水素混合物(B)中で、10個の炭素原子を有するアルキル置換された芳香族化合物の含量が35質量%以下であることを特徴とする、芳香族炭化水素混合物(B)の使用。
【請求項26】
1Kポリウレタンラッカーまたは2Kポリウレタンラッカー、プライマー、サーフェイサー、ベースコート、顔料を含有しないトップコート材料、顔料を含有するトップコート材料およびクリヤーコート材料のためのコーティング材料であって、工業用コーティング、航空機のコーティングまたは大型車両のコーティング、木材のコーティング、自動車のコーティング、自動車用OEMまたは自動車の塗換えまたは装飾コーティングの範囲内で、請求項1から22までのいずれか1項に記載の混合物を含有する、上記コーティング材料。

【公表番号】特表2009−523151(P2009−523151A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549860(P2008−549860)
【出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050060
【国際公開番号】WO2007/082789
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】