説明

インクジェットプリンタ内の機能的に不十分なまたは欠落したインクジェットの文書内検出の方法およびシステム

【課題】インク滴不吐出、あるいはインク滴着弾位置不良に起因する「ライトストリーク」(白スジ、黒スジ)をなくしたインクジェット画像装置を提供する。
【解決手段】不良ノズル検出用に特別に設けられた基準パターンを印刷して不良ノズル特定用のチェックをするのではなく、印刷後の画像を光学センサで読み取り、印刷画像データと比較して不良ノズルを検出、特定し、近隣のノズルからインク滴を吐出することにより、不良ノズルによる記録媒体上の画像不良(白スジ)を補償する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、着色剤の画素を用いて受像部材上に印字図形を生成する画像装置に関し、さらに詳細には、画像装置の動作中に欠落した画素を特定する画像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像装置は、紙と他の印刷媒体とを含む受像部材上に画像を形成する。印刷文書を生成するために、レーザ印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷、昇華型印刷、熱印刷、およびその種の他のものを含む異なる画像技術または印刷技術を使用してもよい。特に、インクジェット画像装置は、プリントヘッドから液体インクを射出して、受像部材上に画像を形成する。プリントヘッドは、何らかの形式の配列で配置された複数のインクジェットを含んでいる。各インクジェットは、プリントヘッドコントローラに接続された熱アクチュエータまたは圧電アクチュエータを有している。プリントヘッドコントローラは、画像に対するデジタルデータに対応する発射信号を生成する。プリントヘッドアクチュエータは、受像部材上にインク滴を射出して、発射信号を生成するのに使用されたデジタル画像に対応するインク画像を形成することにより発射信号に呼応する。インク滴の大きさとインク滴の射出のタイミングとが、発射信号の周波数と振幅との影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画像装置のライフサイクル全体を通して、装置の画像生成能力が、評価と、画像が検出可能な不良を含んでいる場合には、補正と、を必要とする。画像生成プロセス内のさまざまな不良は、インク画像品質に影響を与える。インクジェット印刷システムでは、1つのこのような不良は、個々のインクジェットが「機能的に不十分な」または「欠落した」インクジェットとして使用不可能になった場合に発生する。機能的に不十分なインクジェットは、インク滴を断続的に射出したり、またはインクジェット用のアクチュエータを動かすのに使用された発射信号に対して期待されるのとは異なる質量を有するインク滴を射出したりする。欠落したインクジェットは、インク滴を完全に射出することができない。機能的に不十分なインクジェットと、欠落したインクジェットの両方を含む使用不可能なインクジェットは、印字図形の品質に悪影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの既存印刷システムが、機能的に不十分なまたは欠落したインクジェットを検出して補償するように構成されている。使用不可能なインクジェットを特定するには、受像部材上に印刷される特別に設計され配置されたインクラインである基準パターンの印刷が通常必要である。これらの基準パターンは、印刷ジョブの一部として印刷される画像からは分離して印刷される必要がある。したがって、基準パターンの印刷は、生産的な印刷に使用される予定の資源の一部分を消耗する。プリントヘッドは数百または何千もの個別のインクジェットを含んでいる場合が多いため、単一の使用不可能なインクジェットの正確な特定は難問を提示する。いくつかの画像装置では、受像部材上の基準パターンの画像データを生成するために光学センサを使用し、これらのデータを分析して、プリントヘッド内のインクジェット位置に関連付けて、機能的に不十分なまたは欠落したインクジェットを特定する。光学センサ内の光検出器の位置合わせ誤差、またはプリンタの動作中の媒体移動から生じるゆがみにともなうセンサの較正誤差が、画像データの分析の精度に影響を与える。したがって、インクジェットプリンタ内の機能的に不十分なまたは欠落したインクジェットを特定することの改善が有益であろう。
【0005】
他の実施形態では、機能的に不十分なまたは欠落したインクジェットを検出するインクジェット画像システムを開発している。システムは、インクジェット画像装置内に印刷ゾーンを形成するためにインクジェット画像装置内に配置された複数のプリントヘッドを含み、各プリントヘッドはインクを射出するように構成された複数のインクジェットを有し、複数のプリントヘッドにより形成される印刷ゾーンと、複数のプリントヘッドにより印刷される文書用の出口との間に位置する光学センサを含み、複数のプリントヘッドに動作可能なように接続されるとともに、光学センサに動作可能なように接続されたコントローラを含んでいる。コントローラは、受像部材がインクジェット画像装置内の印刷ゾーンを通過するときに受像部材上にインクを射出するように複数のプリントヘッドを作動させ、受像部材上に射出されたインクで形成された印刷ジョブの部分の画像データを基準にして、インクジェットプリンタのプリントヘッドのうちの1つの中の少なくとも1つの使用不可能なインクジェットを検出し、1つのプリントヘッド内の少なくとも1つの使用不可能なインクジェットの位置に対する位置ずれを特定し、特定された位置ずれを基準にして、検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットに対する位置を調節し、少なくとも1つの使用不可能なインクジェットに対する調節された位置を基準にして、検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットを補償するように、検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットがその中にあるプリントヘッドを作動させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、連続供給プリンタの模式図である。
【図2】図2は、プリントヘッド内の使用不可能なインクジェットを特定して、使用不可能なインクジェットを補償するためのプロセスのブロック図である。
【図3】図3は、図2で特定した使用不可能なインクジェットの位置ずれを特定するためのプロセスのブロック図である。
【図4】図4は、基準パターンと印字図形とを有する媒体ウェブの平面図である。
【図5】図5は、図2で特定した使用不可能なインクジェットの位置ずれを特定するための他のプロセスのブロック図である。
【図6】図6は、印字図形と、印字図形と同時に印刷されたレジストレーションマークとを有する媒体ウェブの平面図である。
【図7】図7は、プリントヘッド内のインクジェットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、1つ以上のプリントヘッド内の使用不可能なインクジェットを特定するように構成されたプリンタ100の例示的実施形態を示している。プリンタ100は、6個の印刷モジュール102、104、106、108、110、および112と、印刷媒体114を受け入れるように構成された媒体経路124と、コントローラ128と、を含む連続ウェブプリンタである。印刷モジュール102〜112は、媒体経路124に沿って連続的に設置され、印刷媒体114が印刷モジュールを通過するときに印刷媒体114上に画像を形成するための印刷ゾーンを形成する。
【0008】
プリンタ100では、この実施形態の各印刷モジュール102、104、106、108、110、および112は、異なる色のインクを提供する。他のあらゆる観点では、印刷モジュール102〜112は実質的に同じである。印刷モジュール102は、2つの印刷サブモジュール140および142を含んでいる。印刷サブモジュール140は、2つの印刷ユニット144および146を含んでいる。印刷ユニット144および146は、それぞれ、ウェブ媒体の第1の部分と、ウェブ媒体の第2の部分との両方の幅を横切る方向に交互配置構造で並べてもよいプリントヘッドの配列を含んでいる。プリントヘッドのそれぞれは、図1に示すプリントヘッド100と同様の構成の複数のインクジェットを含んでいる。代表的な実施形態では、印刷ユニット144は4個のプリントヘッドを有しており、印刷ユニット146は3個のプリントヘッドを有している。印刷ユニット144および146内のプリントヘッドは交互配置構造で設置されており、両方のユニット内のプリントヘッドが、媒体経路124の幅を横切る方向の実線に所定の分解能でインク滴を放出できるようになっている。
【0009】
印刷サブモジュール142はサブモジュール140と実質的に同じように構成されているが、サブモジュール142内のプリントヘッドは、サブモジュール140内のプリントヘッドからクロスプロセス方向にインクジェットエジェクタ間の距離の半分だけずれている。サブモジュール140および142の配置は、媒体ウェブ114上に形成される画像に対する線形分解能の倍増を可能にする。例えば、サブモジュール140および142のそれぞれが1インチあたり300滴(dpi)の分解能でインク滴を放出するとき、サブモジュール140および142の組み合わせは600dpiの分解能でインク滴を放出する。
【0010】
動作時には、媒体ウェブ114は媒体経路124を通ってプロセス方向に移動する。媒体ウェブ114は、ソースロール152から供給されて、印刷ゾーンに入る前にブラシクリーナ122と接触ローラ126とを通過する。媒体ウェブ114は、予熱ローラ118と、支持ローラ116により例示された支持ローラと、頂部ローラ119と、水平ローラ120と、に導かれながら印刷モジュール102〜112を過ぎて印刷ゾーンの中を通って移動する。その後、媒体ウェブ114は、印刷ゾーンを通過した後にヒータ130とスプレッダ132とを通過する。媒体ウェブは、出口ガイドローラ134を通って、その後、巻き取りローラ154上に巻きつく。図1に示す媒体経路124はウェブ印刷システム内の1つの媒体経路構成の例を示しているが、さまざまな異なる構成により異なるローラと他の構成要素とを過ぎてウェブを誘導してもよい。他の媒体経路構成では、プリンタ100が媒体ウェブ114の両面上にインク画像を形成できるようにする両面印刷ユニットを含んでいる。
【0011】
一実施形態では、ソースロール152が、媒体ウェブ114として媒体経路124の中を蛇行しながら進む印刷紙のロールである。ソースロール152で供給される紙は、一定量の水分を含んでいる。媒体経路124内に設置されたさまざまなヒータが媒体ウェブを加熱すると、媒体ウェブ114は媒体ウェブ114からの水分の蒸発のせいで収縮する。さらに、媒体ウェブ114と媒体経路124に沿って設置されたローラとが当接するとき、媒体ウェブ114はクロスプロセス方向の振動を経験する可能性がある。一実施形態では、媒体ウェブ114は周波数8Hzで大きさ30μmの振動を経験する。詳細に後述するように、媒体ウェブ114の収縮と振動の両方は、媒体ウェブ上に形成される画像から特定される使用不可能なインクジェットの見かけの位置と、プリンタ100内の使用不可能なインクジェットの実際の位置との間のクロスプロセス方向の位置ずれの一因となる。
【0012】
プリンタ100は、媒体ウェブ114が印刷ゾーンを通過した後に媒体ウェブ114から反射する光に対応する画像データを生成する光学センサ138を含んでいる。光学センサ138は、プリントヘッドアセンブリのインクジェットにより受像部材上に噴射されたインク滴の、例えば、位置および/または強度などを検出するように構成されている。また、光学センサ138は媒体ウェブ114の印刷されていない部分から反射する光を検出する。光学センサ138は、クロスプロセス方向に媒体ウェブ114の幅を横切って延びるバーまたは他の縦構造に取り付けられた光学検出器の配列を含んでいる。
【0013】
媒体ウェブ114のクロスプロセス方向の幅が約20インチであり、印刷モジュール102〜112がクロスプロセス方向に600dpiの分解能で印刷する一実施形態では、受像部材を横切って単一走査線を生成するために12,000個を超える光学検出器が光学センサ138内のバーに沿って一列に配列されている。12,000個の光学検出器は、受像部材の表面上にクロスプロセス方向に配置された12,000個の画素に対応する光を検出する。用語「画素」は、印刷されたインク滴が受像部材上に付着する可能性がある位置の格子状パターン内の1つの位置を示している。一実施形態では、各光学検出器が、受像部材上の1つの画素から反射する光の強度に対応する数値を生成する。強度の数値は画素から反射する光量に対応しており、白色受像部材が最も多くの光を反射して最も高い数値的強度値を生成し、他方、黒色インク滴で満たされた画素が最も低い数値的強度値を生成する。
【0014】
光学検出器138はクロスプロセス方向の一列の画素を一度に検出し、媒体ウェブ114が媒体経路124を通って移動するときに連続した画素列を検出する。光学検出器は、光を受像部材の表面の方へ導く1つ以上の光源と関連するように構成されている。光学検出器は、光学センサ138内に所定の構成でクロスプロセス方向に配置されている。その結果として、反射光を検出する光学検出器を基準にして、媒体ウェブ114から反射する光のクロスプロセス位置を特定できる。
【0015】
光学センサ138は受像部材114上に形成されたインク滴のクロスプロセス位置を検出するとともに、また、光学センサ138は画像を印刷するプリントヘッドのうちの1つの中の使用不可能なインクジェットに対応する印字図形内のライトストリークを検出できる。用語「ライトストリーク」は、受像部材上でプロセス方向に延びる画素の直線的配置を示しており、この画素の直線的配置では、画素に対応する少なくとも1つのインクジェットがインク滴を射出することに失敗しているか、または受像部材の不正確な位置上にインク滴を射出していることに起因して強度レベルが増加する。コントローラ128は、ライトストリークを含むインク画像を形成したプリントヘッドを基準にして使用不可能なインクジェットを含む複数のプリントヘッド内の1つのプリントヘッドを特定する。多色印刷システムでは、光学センサ138内の各光学検出器は、赤色、緑色、および青色(RGB)の光に対して選択的に感度が高い受光器を含んでいる。各光学検出器は、インク画像のRGBデジタル画像を生成するために、すべての検出器が受信する光の合計に加えて、RGB検出器のそれぞれが検出する反射光の異なる振幅を記録する。コントローラ128は、カラー画像データを用いて使用不可能なインクジェットの色と対応するプリントヘッドとを特定できる。
【0016】
ライトストリークは、インクジェットが使用不可能であることと、光学センサ138内の各光学検出器のクロスプロセス位置がプリントヘッドのうちの少なくとも1つの中のインクジェットに対応していることと、を示している。媒体ウェブの空間的ゆがみ、媒体ウェブの横方向移動、および光学センサ138の熱膨張が原因で、使用不可能なインクジェットが、ライトストリークを検出する光学検出器に正確には対応していない可能性がある。一実施例では、媒体ウェブ114の一方の縁端部付近のウェブ収縮が、ライトストリークの見かけの位置と、使用不可能なインクジェットの実際の位置との間にクロスプロセス方向の2画素分の幅の位置ずれを引き起こす。他の実施例では、媒体ウェブ全体がクロスプロセス方向に振動し、媒体ウェブが振動するとき位置ずれの大きさと方向とが変化する。
【0017】
媒体ウェブ上のゆがみの中には不均一なものがあり、「局所的」ゆがみと呼ばれる。媒体ウェブ収縮に起因する位置ずれの大きさは、媒体ウェブの縁端部付近で最も大きく、媒体ウェブの中央付近で小さくなる局所的ゆがみである。位置ずれの他の原因は媒体ウェブ全体に一様に影響を与えるもので、「大域的」ゆがみと呼ばれる。媒体ウェブ114が光学センサ138を通過するときの媒体ウェブ114のクロスプロセス方向の振動は、媒体ウェブ全体に一様に影響を与える、少なくとも光学センサ138の周囲の領域に影響を与える大域的ゆがみである。いくつかの構成では、上述のゆがみのうちのいくつかまたはすべてを含む複数のゆがみが、名目上は光学検出器と位置合わせされているが外見上は使用不可能に見えるインクジェットと、実際に使用不可能なインクジェットとの間の位置ずれの原因となる。
【0018】
コントローラ128は、プリンタ100のさまざまなサブシステム、構成要素、および機能を制御するように構成されている。コントローラ128は、印刷モジュール102〜112のそれぞれからのインクの射出を制御するために、印刷モジュール102〜112内のプリントヘッドのそれぞれに動作可能なように接続されている。また、コントローラ128は、媒体ウェブ114から反射する光から光学センサ138が生成する画像データを受信するために、光学センサ138に接続されている。
【0019】
コントローラ128は、メモリ129内に保持された内蔵プログラム命令を含むデータを保存して、取り出す。メモリ129のさまざまな実施形態が、スタティックおよびダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような揮発性データ記憶デバイスのほかに、磁気および光ディスクと、フラッシュメモリを含む半導体記憶デバイスと、コントローラ128用のデータを保存して、取り出すように構成された他の任意のデータ記憶デバイスと、を含む不揮発性データ記憶デバイスもまた含んでいる。
【0020】
さまざまな実施形態では、コントローラ128が、プログラムされた命令を実行する一般的なまたは特殊なプログラム可能プロセッサを用いて実現される。これらの構成要素は、プリント基板カード上に提供してもよく、または特定用途向け集積回路(ASIC)内の回路として提供してもよい。回路のそれぞれは個別のプロセッサを用いて実現してもよく、または同じプロセッサ上に複数の回路を実現してもよい。あるいは、回路はVLSI回路内に設けた個別の構成要素または回路を用いて実現してもよい。また、プロセッサと、ASICと、個別の構成要素と、VLSI回路との組み合わせを用いて本明細書に記載の回路を実現してもよい。
【0021】
コントローラ128は、印刷モジュール102〜112に動作可能なように接続され、印刷モジュール102〜112から媒体ウェブ114上へのインク滴の射出タイミングを制御する。コントローラ128は、印刷モジュール102〜112のそれぞれ内のインクジェットに対する複数の電気的発射信号を生成する。1つの構成では、コントローラ128は印刷モジュール102〜112内のプリントヘッドのそれぞれに対する発射信号の所定の順序を生成して、媒体ウェブ114上に基準パターンインク記号を生成する。他の構成では、コントローラ128は印刷ジョブ内の1つ以上の画像に対応するデータを受信する。コントローラ128は印刷ジョブデータに対応する印刷モジュール102〜112に対する発射信号を生成して、受像部材114上に画像を印刷する。
【0022】
プリンタ100では、コントローラ128は、光学センサ138により生成される印刷ジョブの部分の画像データ内のライトストリークを検出することにより、1つ以上の使用不可能なインクジェットを特定するように構成されている。コントローラ128は、画像データ内の使用不可能なインクジェットの見かけの位置と、プリントヘッド内の使用不可能なインクジェットの実際の位置との間のクロスプロセス方向の位置ずれの大きさと方向とを特定するようにさらに構成されている。コントローラ128はメモリ129内に保存された命令を実行して、本明細書に記載のプロセスのうちの1つ以上を実現し、使用不可能なインクジェットの位置の特定に影響を与える画像データのゆがみを特定して補償する。
【0023】
図2は、プリントヘッド内の使用不可能なインクジェットを特定して補償するためのプロセス200を示している。説明のためにプロセス200をプリンタ100と関連して記述している。プロセス200では、プリンタ100が媒体ウェブ114上に画像を印刷する(ブロック204)。1つの構成では、印字図形は、さまざまなテキストおよび図形要素を含む印刷ジョブの1ページに対応している。
【0024】
印字図形を有する受像部材が、受像部材上の印字図形に対応する画像データを生成する光学センサを通過する(ブロック208)。プリンタ100では、光学センサ138が、媒体ウェブ114上にクロスプロセス方向に配置された画素の1つ以上の列に対する画像データを生成する。プロセス200は、画像データから、第1のクロスプロセス位置における使用不可能なインクジェットを検出する(ブロック212)。プリンタ100の実施形態では、コントローラ128が使用不可能なインクジェットを示す画像データ内のライトストリークを検出する。ライトストリークに対応する画像データを生成するセンサ138内の光学検出器のクロスプロセス位置は、プリンタ100内のプリントヘッドのうちの1つの中の使用不可能なインクジェットの第1の位置を示している。媒体ウェブ114と光学センサ138とのどちらかまたは両方を含むプリンタ内のさまざまな構成要素が、画像データ内の使用不可能なインクジェットの見かけの位置と、プリントヘッド内の使用不可能なインクジェットの実際の位置との間にクロスプロセス方向の位置ずれを引き起こすため、第1の特定された位置は見かけの位置と呼ばれる。
【0025】
プロセス200は、使用不可能なインクジェットの見かけの位置と、使用不可能なインクジェットの実際の位置との間の位置ずれの大きさと方向とを特定することにより続く(ブロック216)。図3でさらに詳細に説明する一実施形態では、コントローラ128がプリンタ100の初期化の間に媒体ウェブ114と光学センサ138との空間的ゆがみを特定する。印刷ジョブの間に、コントローラ128は基準位置としての役割を果たす媒体ウェブ114の一方の縁端部のクロスプロセス位置を特定して、その後、測定されたゆがみと、媒体ウェブ114の縁端部の特定された位置とを基準にして使用不可能なエジェクタの位置ずれを特定する。図5でさらに詳細に説明する他の実施形態では、プリンタ100が印刷ジョブ内の画像を印刷しながら受像部材上にひと続きの記号を印刷する。記号は、肉眼では気付きにくい低カバレッジパターンを用いて生成される。光学センサ138が記号を検出して、コントローラ128が、パターンを形成するインクジェットの所定のクロスプロセス位置からのクロスプロセス方向の位置ずれと、記号の特定されたクロスプロセス位置とを、画像データから特定する。
【0026】
プロセス200は、特定された使用不可能なインクジェットの位置を、画像データ内の使用不可能なインクジェットの第1のクロスプロセス位置から、特定された位置ずれを基準にして調節する(ブロック220)。いくつかの実施形態では、使用不可能なインクジェットの第1の位置と調節された位置とに対して、受像部材を横切る方向に延びる画素数としてインデックスを付ける。
【0027】
図7に示すように、例示的プリントヘッド700がクロスプロセス方向720に配置された複数のインクジェットを含んでいる。プリントヘッド700では、インクジェット704が使用不可能であるが、プリントヘッド700により形成される印字図形から生成される画像データは、作動しているインクジェット708に対応する画素位置にライトストリークを含んでいる。プロセス200は、位置ずれ712だけ調節されたエジェクタ708に対応する特定された位置を用いて、使用不可能なインクジェット704を正確に特定する。位置ずれ712は、プリントヘッド700の表面から見て右に2画素分である。使用不可能なインクジェットの調節された画素位置は、そのまま使用不可能なインクジェット704に対応している。
【0028】
使用不可能なインクジェットを特定した後に、プロセス200は使用不可能なインクジェットを補償するように1つ以上のプリントヘッドを作動させる(ブロック224)。1つの構成では、コントローラ128が、隣接するインクジェット716および718を作動させて、ライトストリークを低減したり、または解消したりすることにより使用不可能なインクジェットを補償して、使用不可能なインクジェットを作動させるための信号を生成しない。他の構成では、クロスプロセス方向に使用不可能なインクジェット704と一列に並んだ、プリンタ内の1つ以上の異なるプリントヘッド内のインクジェットがインク滴を射出して、使用不可能なインクジェット704に起因するライトストリークおよび他の画像アーチファクトを低減したり、または解消したりする。いくつかの他の実施形態では、プリントヘッド保守プロセスが使用不可能なインクジェットを回復させたり、または使用不可能なインクジェットを含むプリントヘッドの点検修理または交換を要求するためにプリンタが警報を出したりする。
【0029】
図3は、受像部材から生成される画像データ内で特定されるような使用不可能なインクジェットの見かけのクロスプロセス位置と、プリントヘッド内の使用不可能なインクジェットのクロスプロセス位置との間の位置ずれを特定するためのプロセス300を示している。説明のためにプロセス300をプリンタ100と関連して記述している。プロセス300では、プリンタ100の初期化中と、印刷ジョブを開始する前とのどちらかまたは両方に、プリンタ100が受像部材上に基準パターンを印刷する(ブロック304)。
【0030】
図4は、プロセス300に記載するように、媒体ウェブ114上に印刷された基準パターン例404と、使用不可能なインクジェットにより媒体ウェブ114上に印刷された画像と、を示している。基準パターン404は、プリンタ100内のプリントヘッドのうちのいくつかまたはすべての中のインクジェットの選択された集合により生成される、図4の複数の長音記号として示される記号を含んでいる。基準パターン404の一部分を印刷するプリントヘッド450が、エジェクタ454を含んでいる。プリントヘッド450およびエジェクタ454は、クロスプロセス方向の所定の位置を有している。エジェクタ454はインク滴を射出して、基準パターン404の一部分として媒体ウェブ114上にひと続きの長音記号424を形成する。プリンタ100は、印刷ジョブの画像を有する媒体ウェブ114上に基準パターン404または他の好適な基準パターンを印刷する。
【0031】
一実施形態では、印刷ジョブ内の文書の各コピーに先行する文書間領域内に、「用紙の上端」(TOF)基準パターンとして基準パターン404を印刷する。本明細書で使用するように、TOF基準パターンとは、媒体ウェブ上の、印刷されたシートが媒体ウェブから切り取られた後にシートの一方の縁端部にもっとも近い位置に印刷される基準パターンを示している。TOF基準パターンの実施例は、ページが媒体ウェブから切り取られた後にページの一方の縁端部付近に黒インクで形成された斑点または線を含んでいる。一実施形態では、プリンタが、フォームの上端と呼ばれる印刷されたページフォームの左上隅のちょっと外側に位置する小さい長方形の黒色の斑点またはバーコードとしてTOF基準パターンを形成する。TOFは印字図形を含む媒体シートの領域の外側に形成され、最終仕上げプロセスの間にTOFを含むカットシートの一部分が取り除かれる。プロセス300との使用に加えて、プリンタ100はTOFを使用して、ページを特定するとともに、媒体ウェブ114上に印刷されたページに対する第1の面の画像と第2の面の画像とを一致させる。
【0032】
プロセス300は、受像部材上に印刷された基準パターンに対応する画像データを生成する(ブロック308)。プリンタ100では、媒体ウェブ114と基準パターン404とが光学センサ138を通過するとき、光学センサは画像データを生成する。図4では、光学検出器139Cがクロスプロセス方向にインクジェット454と一列に並んでいるが、媒体ウェブ114と光学検出器138とのゆがみのために、異なる光学検出器139Dが長音記号424から反射する光を検出する。他の光学検出器139Aが、媒体ウェブ114の縁端部412と長音記号424の間の予想されるクロスプロセス距離を特定するための基準として媒体ウェブ114の縁端部412のクロスプロセス位置を特定する。
【0033】
プロセス300は、基準パターン内の記号と、受像部材上に基準パターン記号を印刷するインクジェットの所定のクロスプロセス位置との間のクロスプロセス方向の位置ずれを特定する(ブロック312)。プリンタ100では、光学センサ138の熱膨張と、ウェブ収縮のような媒体ウェブ114のゆがみとが、基準パターン404内で特定される長音記号のクロスプロセス位置の間の位置ずれを引き起こす。位置ずれ426が、インクジェット454と、インクジェット454が媒体ウェブ114上に印刷する長音記号424の特定されたクロスプロセス位置とを分離する。一実施形態では、クロスプロセス方向の画素数として位置ずれ426を測定する。例えば、光学検出器139Dと、インクジェット454の所定の位置と一列に並んでいる光学検出器139Cとの間の画素数が、位置ずれ426の測定値を表している。さまざまなインクジェットと、画像データ内の長音記号の対応する位置との間の位置ずれが、媒体ウェブ114と光学センサ138との局所的ゆがみのせいで異なるインクジェットに対して変化する。プリンタ100では、コントローラ128が、それぞれの関連するインクジェットのクロスプロセス位置と関連して、特定された位置ずれ値のそれぞれをメモリ129内に保存するように構成されている。後続の印刷ジョブの間に検出される使用不可能なインクジェットの位置ずれを特定するために、プリンタが基準パターン404を印刷するときに、保存された位置ずれ値を較正する。
【0034】
プリンタが受像部材上にインク画像を形成するとき、プロセス300は印刷ジョブの間、継続する。プリンタは、プロセス200で上述したように、印字図形から生成された画像データ内の使用不可能なインクジェットを検出する。画像データ内の使用不可能なインクジェットを特定するとき、プロセス300は媒体ウェブの縁端部のクロスプロセス位置を特定する(ブロック316)。図4では、第2のプリントヘッド470内の使用不可能なインクジェット474が、印刷ジョブの間に媒体ウェブ114上の印字図形を貫いて形成されるライトストリーク432を引き起こす。図4の実施例では、第2のプリントヘッド470は基準パターン404を形成しなかったが、第2のプリントヘッド470はクロスプロセス方向にプリントヘッド450と一列に並んでいる。プリンタ100内のコントローラが、光学検出器139Eにより生成される画像データから、使用不可能なインクジェットを含むプリントヘッド470を特定する。第2の光学検出器139Bが、ライトストリーク432の検出と実質的に同時に媒体ウェブ114の縁端部412を検出する。媒体ウェブ114の縁端部412の特定されたクロスプロセス位置は、基準パターン404の印刷と、使用不可能なインクジェットの検出との間に発生する媒体ウェブ振動の影響を低減したり、または解消したりする基準としての役割を果たす。
【0035】
プロセス300は、媒体ウェブの横方向移動に対するクロスプロセス方向の画像データ内の位置ずれと、使用不可能なインクジェットに最も近いインクジェットに対して保存された位置ずれと、を特定する(ブロック320)。媒体ウェブ114の横方向移動は、使用不可能なインクジェットを特定するのに使用する基準を変化させる大域的ゆがみである。例えば、図4では、媒体ウェブは、基準パターン404の印刷と、ライトストリーク432の検出との間の時間の中で5画素分の距離だけ方向416の方向に右に移動する。使用不可能なインクジェットの近くに位置する1つ以上のインクジェットに対して保存された位置ずれが、媒体ウェブ114とセンサ138との局所的ゆがみに対応する位置ずれデータを提供する。図4の実施例では、長音記号424を含む、基準パターン404内の長音記号が、ライトストリーク432のクロスプロセス位置の最も近くに位置している。
【0036】
プリンタ100では、コントローラ128が、インクジェット454などのライトストリークに最も近い1つ以上のインクジェットに対して保存された位置ずれデータを用いて平均の局所的位置ずれを生成する。コントローラ128は、ライトストリーク432の近くに位置するいくつかのインクジェットに対する平均の位置ずれ値を生成してもよい。コントローラは、媒体ウェブ114全体の特定された横方向位置ずれを有するライトストリーク432に最も近いインクジェットの平均の位置ずれの正味の合計として位置ずれ476を特定する。また、位置ずれデータは、図4に示すように、クロスプロセス方向の左向きまたは右向きの位置ずれに対応する正または負の値を指定する。図4の位置ずれの例を用いると、周囲のインクジェットの平均の位置ずれはクロスプロセス方向の左向きに8画素分であり、他方、媒体ウェブ114の横方向移動はクロスプロセス方向の右向きに5画素分である。結果として得られる正味の位置ずれ476は、光学検出器139Eのクロスプロセス位置と、使用不可能なインクジェット474のクロスプロセス位置との間で左に3画素分である。プロセス200は生成された位置ずれ値を使用して、画像データ内の位置ずれ476を特定して、作動に失敗したインクジェット474、したがってライトストリークに対するインクジェット474を決定する。いったん使用不可能なインクジェットを正確に特定すると、コントローラは、画像データ内のライトストリークの近くにインク滴を射出する他のインクジェットを作動させることにより使用不可能なインクジェット474を補償する。
【0037】
図5は、受像部材の画像データを基準にして特定される使用不可能なインクジェットのクロスプロセス位置と、プリントヘッド内の使用不可能なインクジェットのクロスプロセス位置との間の位置ずれを特定するための他のプロセス500を示している。説明のためにプロセス500をプリンタ100と関連して記述している。プロセス500では、プリンタ100は使用不可能なインクジェットに最も近い媒体ウェブの領域上に低カバレッジパターンを印刷する(ブロック504)。
【0038】
低カバレッジパターンは、光学センサ138には検出されるが、肉眼では気付きにくい記号を形成するために低密度パターンで受像部材上にインク滴を印刷することにより形成する。一実施例では、低カバレッジパターンが、20%未満のインク滴密度で形成された複数の長音記号を含んでいる。例えば、長音記号の長さを超える間隔で印刷された2つのインク滴から形成されるプロセス方向の長さが40画素の長音記号は、5%の密度を有している。低カバレッジパターンは、印刷される印刷ジョブ画像の品質の顕著な低下をもたらすことなく、印刷ジョブの部分といっしょに受像部材上に印刷される。白色紙上に印刷するCMYKカラープリンタ実施形態では、黄色プリントヘッドが低カバレッジパターンを印刷するが、その理由は黄色インクが人間の目にはより知覚しにくいためである。プリンタ内の任意の色のプリントヘッド内の使用不可能なインクジェットに対する位置ずれを特定するために、基準パターン内に印刷された黄色長音記号と、長音記号内の黄色滴を射出したインクジェットの黄色プリントヘッド内の既知の位置との間の特定された位置ずれを使用する。黄色プリントヘッド内のインクジェットが使用不可能である状況では、プリンタは作動している黄色エジェクタから追加の黄色インク滴を射出したり、または低カバレッジパターンを印刷するために青緑色などの異なる色を射出するプリントヘッドを選択できたりする。
【0039】
図6は、プロセス500に記載するように、媒体ウェブ114上に印刷された低カバレッジパターン4と、使用不可能なインクジェットにより媒体ウェブ114上に印刷された画像と、を示している。図6は、低カバレッジパターンの他の2つの構成を示している。1つの構成では、プリンタ100が印刷ジョブの各ページに対するこのような文書領域内に一定の間隔をおいて低カバレッジ基準パターン604を印刷する。プリンタ100は、使用不可能なインクジェットに関係なく媒体ウェブ114全体にわたって低カバレッジ基準パターン604内の記号を印刷する。使用不可能なインクジェットを特定すると、使用不可能なインクジェットに最も近い低カバレッジ基準パターン604内の記号を使用して、使用不可能なインクジェットの位置ずれを特定する。図6の実施例では、低カバレッジ基準パターン内の記号の一部は媒体ウェブ114上の印字図形の真上に印刷しており、他方、他の記号はページの中の画像の間に印刷している。記号が肉眼では気付きにくい状態のままで光学検出器138が記号を検出できるように、低カバレッジ基準パターン内の各記号のプロセス方向位置を選択する。
【0040】
他の構成では、使用不可能なインクジェットの特定に呼応して、低カバレッジパターンを印刷する。図6では、光学センサ138は使用不可能なインクジェット474のライトストリーク432に対応する画像データを生成する。プリンタ100はプリントヘッド650内のインクジェット654および658と、プリントヘッド660内のインクジェット664および668と、を作動させて、媒体ウェブ114上に低カバレッジパターン606を形成する。光学検出器138がライトストリーク432の周囲の媒体ウェブ114の局所的ゆがみを特定できるようにするために、文書領域内のライトストリーク432の最も近くにクロスプロセス方向の低カバレッジパターンを印刷する。低カバレッジパターン606内のインクと、文書内の内容に対応するインクとの間のコントラストが小さい場合、プリンタ100は媒体ウェブ114上の文書領域の部分内に低カバレッジパターン606を印刷する。いくつかの実施形態では、画像データ内の使用不可能なインクジェットに対応するライトストリークを検出した後に、印刷ジョブの後続のページ上に低カバレッジパターン606を印刷する。プリンタ100は印刷ジョブ内の1枚以上のページにわたって使用不可能なインクジェットを検出し、低カバレッジ基準パターンを印刷して、使用不可能なインクジェットの位置を特定する。
【0041】
プロセス500は媒体ウェブ上に印刷された低カバレッジパターンの画像データを生成して(ブロック508)、低カバレッジパターンを印刷するインクジェットの位置ずれを特定する(ブロック512)。プリンタ100では、光学検出器138が低カバレッジパターン604または606を検出する。プロセス500は低カバレッジパターン内の各記号と、各記号を印刷した対応するインクジェットとの間の位置ずれを特定する。例えば、プリントヘッド650内のインクジェット654はクロスプロセス方向の所定の位置に位置している。光学センサ138内の光学検出器139Fは、インクジェット654が媒体ウェブ114上に印刷する低カバレッジパターンを検出する。オフセット656は、光学検出器139Fとインクジェット654の間のクロスプロセス方向の離隔距離である。上述のように、位置ずれは画素に換算して測定できる。プリンタ100内のコントローラ128が、インクジェット658、664、および668に対する位置ずれなどの、ライトストリーク432に最も近い2つ以上のインクジェットに対する位置ずれを特定する。
【0042】
プロセス500は、受像部材上に低カバレッジパターンを印刷したインクジェットに対する特定された位置ずれを用いて、使用不可能なインクジェットの位置ずれを特定する(ブロック516)。媒体ウェブ114と光学センサ138との局所的ゆがみに起因する位置ずれを明らかにするために、低カバレッジパターンを印刷するインクジェットは使用不可能なインクジェットの最も近くにある。さらに、プリンタ100は、画像データ内のライトストリークの検出にぴったり合わせて、低カバレッジパターンを印刷する。その結果、ライトストリーク432の検出前後の短時間で低カバレッジパターンを印刷することになるため、媒体ウェブ114の横方向振動は、測定される位置ずれに対してわずかな影響を与えるだけである。プリンタ100では、コントローラ128は、インクジェット654、658、664、および668などの、媒体ウェブ114上に低カバレッジパターンを印刷するインクジェットに対する位置ずれの平均値を生成する。プロセス200は生成された位置ずれ値を使用して、使用不可能なインクジェット474の位置ずれ476を特定して、使用不可能なインクジェット474を補償する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット画像装置であって、
前記インクジェット画像装置内に印刷ゾーンを形成するために前記インクジェット画像装置内に配置された、インクを射出するように構成された複数のインクジェットを有する複数のプリントヘッドと
前記複数のプリントヘッドにより形成される前記印刷ゾーンと前記複数のプリントヘッドにより印刷される文書用の出口との間に位置する光学センサと、
前記複数のプリントヘッドと、前記光学センサとに動作可能なように接続されたコントローラであって、前記コントローラは、(1)受像部材が前記インクジェット画像装置内の前記印刷ゾーンを通過するときに前記受像部材上にインクを射出するように前記複数のプリントヘッドを作動させ、(2)前記受像部材上に射出されたインクで形成された印刷ジョブの部分の画像データを基準にして、前記インクジェットプリンタの前記プリントヘッドのうちの1つの中の少なくとも1つの使用不可能なインクジェットを検出し、(3)前記1つのプリントヘッド内の前記少なくとも1つの使用不可能なインクジェットの位置に対する位置ずれを特定し、(4)前記特定された位置ずれを基準にして、前記検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットに対する位置を調節し、(5)前記少なくとも1つの使用不可能なインクジェットに対する前記調節された位置を基準にして、前記検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットを補償するように、前記検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットがその中にある前記プリントヘッドを作動させるように構成されている、コントローラと、を含む
インクジェット画像装置。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記受像部材上に射出されたインクで形成された前記印刷ジョブの他の部分の範囲内に基準パターンとして射出された複数のインク滴を基準にして前記位置ずれを特定するようにさらに構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラが、
前記受像部材上に射出されたインクで形成された前記印刷ジョブの部分の範囲内に基準パターンとして射出された複数のインク滴を基準にして前記位置ずれを特定するようにさらに構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの使用不可能なインクジェットの前記検出に呼応して前記位置ずれを特定する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラが、
前記受像部材上に前記印刷ジョブの前記部分を印刷するのに使用された画像内容に関して前記基準パターン内に前記複数のインク滴を射出するための前記インクジェットを特定するようにさらに構成されている、
請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラが、
前記少なくとも1つの使用不可能なインクジェットの前記検出に呼応して、前記受像部材上に射出されたインクにより形成された前記印刷ジョブの他の部分の中に前記複数のインク滴を射出するように、前記複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドのうちの1つを作動させるようにさらに構成されている、
請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラが、
前記検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットに関して前記受像部材上に射出された前記インク滴で形成された前記印刷ジョブの他の部分の中に前記複数のインク滴を射出するために、少なくとも1つのインクジェットを選択するようにさらに構成されている、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、
前記少なくとも1つのインクジェットを、前記検出された少なくとも1つの使用不可能なインクジェットにより射出されるインクの色とは異なる色のインクを射出するプリントヘッドから選択するようにさらに構成されている、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラが、
前記印刷ジョブの開始前に前記受像部材上の所定の記号を基準にして、前記コントローラに動作可能なように接続されたメモリ内に保存された較正済みの位置ずれを調節するようにさらに構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記所定の記号が前記受像部材上の用紙の上端記号である、請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−56544(P2013−56544A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181423(P2012−181423)
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】