説明

インクジェットプリンタ用のインクタンク

本発明は、インクジェットプリンタ用のインクタンクに関する。本発明は、更に、インクタンクを製造する方法、並びに、インクタンクを再充填する方法に関する。インクタンクは、インクタンク本体と、結合継目でインクタンク本体に結合されるインクタンク蓋とを含む。インクタンク蓋は、その中に毛管媒体を収容するよう構成される保持領域に至る開口を含む。保持領域は、毛管媒体とインクタンク本体及びインクタンク蓋によって定められる囲壁との間の境界を形成する壁を含む。開口は、インクタンク蓋が結合継目でインクタンク本体に結合されるときに、保持領域への毛管媒体の挿入及び保持領域からの毛管材料の取外しを許容するような大きさとされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、液体貯蔵タンクの分野に関し、具体的には、インクジェットプリンタ用のインクタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
ほぼ全ての現代のインクジェットプリンタの構成部品は、印刷画像を描写するためにプリントヘッドにインクを送るインクタンクである。インクタンクは、製造、貯蔵、輸送、及び、印刷操作自体の間に、インクの漏れを防止する。具体的には、インクタンクがプリントヘッドと流体連絡するや否や、インクがプリントヘッドノズルから滲み出さないよう、適切な範囲の負の流体圧がプリントヘッドノズルで維持されなければならない。インクタンク内の圧力が環境条件の故に変化する条件の下でさえ、インクタンクはインクを収容し得なければならない。例えば、インクタンク内の圧力変動は、インクタンクが倉庫内で高温に貯蔵され或いは高温に直面する特別な地理的領域内で貯蔵されるときのような、周囲温度の変化の故に起こり得る。インクタンク内の圧力変動は、インクタンクが飛行機内で或いは海面より高い地理的高度においてインクタンクを輸送するような気圧の変化に晒されるときにも起こり得る。この点で、殆どの現代のインクジェットインクタンクは、プリントヘッドノズルに適切な範囲の負圧をもたらし且つ温度又は圧力の実質的な変化の間のインクの損失を防止するために、何らかの圧力規制手段を備えて設計される。
【0003】
インクジェットインクタンク内の圧力を規制するための様々な設計が知られており、それらはバブル発生器、リバースバブラー、膜、毛管媒体、及び、バッグを含む。これらの設計の各々は、タンクの全体的なシステム性能において制限を有する。圧力規制のための手段としてフォーム、ファイバ、又は、フェルトのような毛管媒体を使用するインクタンクは、インクが毛管の小さい通路内に直接的に存するという不利点を有する。これは顔料インクにとって特に問題である。何故ならば、約20ナノメートルよりも大きいサイズの直径を有する顔料粒子が定着現象に晒される、例えば、毛管媒体の孔又は隙間内に留まり続けるからである。これは20〜50ナノメートルの範囲内の粒子直径を有する殆どの現代の顔料インクに確実に当て嵌まる。
【0004】
顔料インクは製造時からインクタンクの貯蔵及び使用を通じて数年に亘ってインクタンク内に残留し得る。これは顔料粒子が定着するのに十分な機会をもたらし得る。インクが毛管媒体内に貯蔵されるインクタンク設計は、顔料粒子の運動が毛管媒体の小さい通路内に制限される状況を引き起こす。この粒子運動の制限は、所謂ボイコット効果によって更に複雑化され、観察される沈降速度は、毛管内の利用可能な水平表面積に比例して増大される。ボイコット効果のより詳細な記載に関しては、Boycott,A.E.,Nature,104:532,1920を参照。両方の複雑化はインク運搬流体内の顔料粒子の不均一な分布を引き起こし、それは印刷プロセス中に欠陥画像として顕現し得る。例えば、顔料インクがインクタンク内の毛管媒体内に貯蔵されるならば、非均一な顔料インクは、木目外観を連想させる表面模様付き外観をもたらし得る。これは顔料粒子サイズの選択に制約を招く。何故ならば、印刷領域により高い光学濃度を提供するのに有益であり得るより大きな粒子は、毛管媒体内に貯蔵されるときに、定着及び均一性の観点から不利であるからである。
【0005】
毛管媒体を使用するインクタンクの第二の制約は、毛管媒体に関連付けられる無駄なインクである。インクを貯蔵するために毛管媒体が使用されるインクタンク設計は、タンクの耐用寿命の終わりに毛管媒体内に捕捉されたままである有限な量のインクをもたらし得る。捕捉されたままのインクは、事実上、無駄なインクである。何故ならば、それはプリントヘッドへの輸送のために、究極的には、画像の印刷のために利用可能でないからである。インクタンク内の毛管媒体内に捕捉されるインクの量を最小限化することが望ましい。
【0006】
インクタンクは大きな労働力を要し、製造が高価である。多くのインクタンク設計では、インクがタンク本体から漏れないよう、インクタンクの蓋は、圧力規制のために使用される毛管媒体の挿入後、インクタンク本体に緊密に固定され或いは結合されなければならない。これはインクタンクの製造中に毛管媒体を正しく位置合わせするという問題を提起し、典型的には、毛管媒体は、蓋をタンク本体に結合する前に、タンク本体内に挿入されなければならない。従来技術のインクタンク設計は、毛管媒体が、インクタンク本体と、インクタンク本体とインクタンク蓋との間の結合継目との間に存するという、共通の機能を有する。さらに、蓋が(典型的には振動又はレーザ溶接操作を使用して)インク本体に結合されるや否や、蓋とタンクとの間の結合を破壊せずに或いはインクタンク本体自体をその他の方法で妥協せずに毛管媒体をインクタンク本体から取り外すことは不可能である。殆どの場合には、これはインクタンクを再使用することの大きな障害を提示する。何故ならば、インクタンク本体と蓋との間の結合の破壊直後、インクタンクは損傷され得るからである。
【0007】
初めのインクが消費されるや否や新しいインクでインクタンクを再充填することは、費用節約の可能性をもたらし得る。何故ならば、新しいインクタンクが製造される必要はないからである。しかしながら、インクタンク内の初めのインクが消費されたインクタンクを再充填し且つ再使用することに関連する問題がある。例えば、インクが毛管媒体内に貯蔵されるインクタンク設計は、タンク内の毛管媒体の汚染を引き起こす。一部の場合、例えば、染料基インクの場合には、毛管媒体内に保持される初めのインクが新たに充填されるインクに有害な影響を与えないならば、同じ色のインクでインクタンクを再充填することが可能であり得る。これは、顔料基インクの場合には、より問題である。何故ならば、毛管媒体の隙間内に捕捉されるインクは、インクが消費されるときに凝集し且つ乾き切り得るからである。同時に開始する毛管媒体を有するインクタンク内に再充填される如何なるインクも、毛管媒体内に捕捉される元々の顔料インクで汚染される。染料基インク及び顔料基インクの両方を用いるならば、インクタンクは、同じ色のインクで再充填される必要がある。何故ならば、如何なる色汚染もインクの性能に大きな影響を及ぼすからである。インクタンクを再充填し且つ再使用することが可能であるとしても、反復的な再充填及び再使用は、連続的に印刷性能を劣化し、顔料インクの場合に特に当て嵌まる。
【0008】
この点で、インクタンク本体又はインクタンク本体とタンク蓋との間の結合継目の構造を妥協する必要なしにインクタンク内の元々の毛管媒体が新しい毛管媒体と交換されることを許容する方法で容易に再使用され且つ再充填され得るインクタンクを提供することが望ましい。毛管媒体が容易に交換され得る、元々のインクを取り除くためにインクタンクが容易に洗浄され得る、インクタンクが如何なる色のインクでも再充填され得るインクタンク設計が望ましい。現在、インクジェット印刷の技術分野において既知のインクタンクは、この望ましい組の機能を達成しない。
【0009】
主インクタンク内に配置される二次インク貯蔵チャンバを有するインクタンクのための設計が知られており、二次インク貯蔵チャンバは、米国特許第5,682,189号、5,703,633号、6,880,921号、7,252,378号、及び、7,290,871号のような毛管媒体を含む。この種類の設計は、二次インクチャンバ内に貯蔵される顔料インクが、上記に議論されたように印刷中に定着及び非均一性に晒されるという制約を受ける。この種類の設計は、毛管媒体がインクタンク本体と、インクタンク本体とインクタンク蓋との間の結合継目との間に存在するという制約も有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
毛管媒体が使用されるインクジェットプリンタ用のインクタンクの設計における上記制約は、圧力の規定外変動が存在し得る、インクが通常の動作圧力で毛管媒体内に貯蔵されることが意図されない条件の間でさえインクを貯蔵し得るインクタンクの必要を示す。圧力規制のための手段として毛管媒体を含むインクタンクを製造する簡単な手段の必要もある。簡単且つ効果的な方法で再使用され得るインクタンクの必要も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記された問題の1つ又はそれよりも多くを克服することに向けられている。簡潔に要約すると、本発明の1つの特徴によれば、結合継目でインクタンク蓋に結合されるインクタンク本体を有するインクタンクが提供される。インクタンク蓋は、毛管媒体を収容する囲壁又は保持領域を形成する。毛管媒体は、インクタンク本体の外側に存在し、インクタンク本体と、インクタンクとインクタンク蓋との間の結合継目との間に存在しない。
【0012】
より具体的には、本発明は、インクタンクに関し、インクタンクは、インクタンク本体と、結合継目でインクタンク本体に結合されるインクタンク蓋とを含む。インクタンク本体と、結合継目でインクタンク本体に結合されるインクタンク蓋は、その中に囲壁を定める。インクタンク蓋は、保持領域に至る開口を含み、保持領域は、その中に毛管媒体を収容する。保持領域は、毛管媒体と囲壁との間の境界を形成する壁を含み、開口は、インクタンク蓋が結合継目でインクタンク本体に結合された状態で、保持領域への毛管媒体の挿入及び保持領域からの毛管媒体の取外しを許容する大きさとされる。
【0013】
本発明は、更に、インクタンクに関し、インクタンクは、インクタンク本体と、結合継目でインクタンク本体に結合されるインクタンク蓋とを含む。インクタンク本体及び結合継目でインクタンク本体に結合されるインクタンク蓋は、その中に囲壁を定める。インクタンク蓋は、保持領域ユニットの挿入及び取外しを許容する大きさとされる第一開口を含み、保持領域ユニットは、第二開口を含み、その中に毛管媒体を収容する。保持領域ユニットは、毛管媒体と囲壁との間の境界を形成する壁を含み、第二開口は、インクタンク蓋が結合継目でインクタンク本体に結合された状態で、保持領域ユニットへの毛管媒体の挿入及び保持領域ユニットからの毛管媒体の取外しを許容する大きさとされる。
【0014】
本発明は、更に、インクタンクを製造する方法に関し、当該方法は、以下のステップを含む。即ち、(a)その中に囲壁を形成するよう、インクタンク蓋をインクタンク本体に取り付けるステップ。インクタンク本体は、供給ポートを有する。(b)保持領域に至る開口をインクタンク蓋に提供するステップ。保持領域を定める壁が囲壁と保持領域との間の境界を形成する。(c)開口を通じて毛管媒体を保持領域内に挿入するステップ。(d)供給ポートを通じて囲壁をインクで充填するステップ。少なくともステップ(c)は、インクタンク蓋がインクタンク本体に取り付けられた状態で遂行される。
【0015】
本発明は、更に、インクタンク内のインクが使用者によって前に消費されたインクタンクを再充填する方法に関する。本発明のインクタンクは、インクタンク本体に結合されるインクタンク蓋を有する。当該方法は、以下のステップを含む。即ち、(a)インクタンク蓋から保護カバーを取り外すステップ。インクタンク蓋は、保持領域に至る開口を含み、保持領域は、その中に毛管媒体を収容する。(b)インクタンク蓋の開口を通じて保持領域から毛管媒体を取り除くステップ。
(c)開口を通じて保持領域内に新しい毛管媒体を挿入するステップ。(d)インクタンク本体の供給ポートを通じてインクタンクをインクで再充填するステップ。少なくともステップ(a)乃至(d)は、インクタンク蓋がインクタンク本体に結合された状態で遂行される。
【0016】
本発明は、また、インクタンク内のインクが使用者によって前に消費されたインクタンクを再充填する方法に関する。インクタンクは、インクタンク本体に結合されるインクタンク蓋を有する。当該方法は、以下のステップを含む。即ち、(a)インクタンク蓋の開口を通じてインクタンク蓋によって定められる保持領域から毛管媒体を取り除くステップ。(b)開口を通じて保持領域内に新しい毛管媒体を挿入するステップ。(c)インクタンク本体の供給ポートを通じてインクタンクにインクを再充填するステップ。ステップ(a)乃至(c)は、インクタンク蓋がインクタンク本体に結合された状態で遂行される。
【0017】
本発明の上記及び他の目的、機能、及び、利点は、以下の記載及び図面と共に理解されるときに明らかになるであろう。図面では、図面に共通な同一の機能を指し示すために可能な限り同一の参照番号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】主タンク本体内に毛管媒体を有する従来的なインクタンクを示す断面図であり、毛管媒体は、インクタンク本体と、インクタンク本体と蓋との間の結合継目との間に存在している。
【図2】毛管媒体で充填された二次インク貯槽チャンバを有する従来的なインクタンクを示す断面図であり、毛管媒体は、インクタンク本体と、インクタンク本体と蓋との間の結合継目との間に存在している。
【図3】インクタンク本体の外側に存在する毛管媒体を有する本発明のインクタンクを示す断面図であり、毛管媒体は、インクタンク本体と、インクタンク本体と蓋との間の結合継目との間に存在しない。
【図4】本発明のインクタンクの例示的な実施態様の蓋及びインクタンク本体を示す投影図である。
【図5】インクタンク本体の外側に存在する蓋及び毛管媒体からの突起を有する本発明のインクタンクの例示的な実施態様を示す断面図であり、毛管媒体はインクタンクとインクタンク本体と蓋との間の結合継目との間に存在しない。
【図6】本発明に従ったインクタンクの更なる実施態様を示す断面図である。
【図7】本発明に従ったインクタンクの更なる実施態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
理解を促進するために、図面に共通する同一の素子を指し示すよう、可能な場合には、同一の参照番号が使用される。
【0020】
本発明は、特に、本発明に従った装置の一部を形成する或いは本発明に従った装置の一部と直接的に協働する素子に向けられている。具体的に図示されず或いは記載されない素子は、当業者に周知の様々な形態を取り得ることが理解されるべきである。
【0021】
インクジェット印刷の技術分野において既知の従来的な液体タンクが図1及び2に例証されている。図1は、従来的なインクジェットインクタンク100を例証しており、インクジェットインクタンク100は、インクタンクの頂部で大気に通じる通気孔400と、インクを貯蔵するために使用されるインクタンク本体200内に位置付けられる毛管媒体部材500とを有する。図1のインクタンク100内に貯蔵されるインクは、毛管媒体部材500と直接的とインターフェース接合する供給孔300を通じてプリントヘッドに供給される。この構成では、顔料インクは、インクタンクの全耐用寿命に亘って毛管媒体部材500の隙間内に直接的に貯蔵され、上記に議論された制約を受ける。インクタンク100は、結合継目又はシール700でインクタンク本体200に結合される蓋600を有する。図1に例証される従来技術のインクタンク100は、毛管媒体500を有し、毛管媒体500は、インクタンク本体200と、蓋600とインクタンク本体200との間の結合継目600との間に存在する。より具体的には、図1において、毛管媒体500は、インクタンク本体200と結合継目700でインクタンク本体200に結合される蓋600によって定められる囲壁内に存在する。
【0022】
図1によって例証されるインクタンク100を製造するために、毛管媒体500は、矢印10によって指し示される方向、開放のインクタンク本体200内に挿入され、次に、蓋600は、結合継目700でインクタンク本体200に結合される。図1によって例証されるインクタンクは、蓋600がインクタンク本体200に結合される前又は後にインクが毛管媒体内に直接的に充填されなければならないという追加的な製造上の制約を有する。図1によって例証される従来技術のインクタンク100は、インクがインクタンクから消費されるや否や、容易に清浄に洗浄されず且つ再使用されない。インクタンク100をインクで清浄に充填するために、既存の毛管媒体500は、新しい毛管媒体と交換される必要がある。何故ならば、インク残留物及び顔料は、毛管媒体500内に捕捉されるようになり、インクタンク100の内側から清浄に洗浄され得ないからである。通気孔400は毛管媒体500より実質的に小さいので、蓋600がインクタンク本体200に一旦結合されると、通気孔400を通じて毛管媒体500を取り外すことは可能でない。インクタンク本体200から毛管媒体500を取り外す唯一の他の可能な方法は、結合継目700又はインクタンク本体200自体を破壊することである。これは、インクタンク内に収容される初期的なインクが一旦消費されると、図1によって例証されるインクタンクを清浄に再使用することを極めて困難にする。
【0023】
図2は、従来的なインクタンク101を例証しており、インクタンク101は、インクタンクの頂部で大気に通じる通気孔400と、インクタンク本体200と、毛管媒体部材500を含む第二インク貯蔵区画又はチャンバ800とを有する。従来技術のインクタンク101の第二インク貯蔵区画800は、インク貯蔵チャンバ800とインクタンク本体200との間の開放の流体連絡を可能にするよう、インクタンク本体200に対して開放である。従来技術のインクタンク101は、顔料インクが二次貯蔵区画800内に収容される毛管媒体500内に存在するという制約を受ける。インクタンク101は、結合継目700でインクタンク本体200に結合される蓋600を含む。図2に例証されるインクタンク101は、毛管媒体500を有し、毛管媒体500は、インクタンク本体200と、蓋600とインクタンク本体200との間の結合継目700との間に存在する。より具体的には、毛管媒体500は、インクタンク本体200と結合継目700でインクタンク本体200に結合される蓋600とによって定められる囲壁内に存在する。
【0024】
図2によって例証されるインクタンク101を製造するために、毛管媒体500は、矢印20によって指し示される方向に二次インク貯蔵チャンバ800内に挿入され、次に、蓋600は、結合継目700でインクタンク本体200に結合される。通気孔400は、二次インク貯蔵チャンバ800より実質的に小さいので、蓋600がインクタンク本体200に一旦結合されると、通気孔を通じて毛管媒体500を取り外すことは可能でない。毛管媒体500を二次インク貯槽チャンバ800から取り外す唯一の他の可能な方法は、結合継目700又はインクタンク本体200自体を破壊することである。これは、インクタンク内に収容される初期的なインクが一旦消費されると、図2によって例証されるインクタンクを清浄に再使用することを極めて困難にする。
【0025】
図3は、本発明のインクタンク102の実施態様を例証している。インクタンク102は、インクタンク本体200と、蓋603とを含む。蓋603は、結合継目700でインクタンク本体200に結合されている。当該技術分野において既知の如何なる技術によっても結合継目700を結合し得る。2つの例示的な実施態様において、結合継目700は、インクタンク本体200とインクタンク蓋603との間の振動溶接部又はレーザ溶接部である。インクが供給孔300を通じてインクタンク102から供給され、供給孔300は、インクタンク本体の部分(例えば、下方部)に配置され、供給孔300は、好ましくは、インクタンク102の底壁に配置される。インクタンク102の蓋603は、インクタンク本体200内に延びる、蓋603の外表面上の陥凹を含み、陥凹は、その中に毛管媒体500を保持し得る囲壁又は保持領域604を形成する。その中に毛管媒体500を有する囲壁又は保持領域604を形成する蓋603は、毛管媒体500がインクタンク本体200と結合継目700でインクタンク本体200に結合されるインクタンク蓋603とによって定められる囲壁又は領域905の外側に存在するような幾何学的構成を作り出す。即ち、毛管媒体600は、インクタンク本体200と、インクタンク本体200と蓋603との間の結合継目との間にない。より具体的には、インクタンク本体200と結合継目700でインクタンク本体200に結合される蓋603とによって定められる囲壁又は領域905は、毛管媒体500を含まない。本発明によれば、毛管媒体500は囲壁又は保持領域604内に提供される。
【0026】
蓋603の外表面内の陥凹は、蓋603の頂部にある開口403が、インクタンク102の製造及び再使用中に毛管媒体500を挿入し且つ/或いは取り外すのに十分な大きさであるような幾何学的構成において囲壁又は保持領域604を形成する。これは従来技術のインクタンク設計に対して幾つかの利点を有する。従って、従来技術のインクタンク設計と異なり、毛管媒体500の挿入前に、インクタンク102の蓋603を結合継目700でインクタンク本体200に結合し得る。インクがインクタンク102から消費されるや否や、蓋603が結合継目700でインクタンク本体200に結合されながら、毛管媒体500を囲壁又は保持領域604から開口403を通じて単に取り外し、残留インクをインクタンク102から洗浄し、且つ、矢印30によって指し示される方向に、開口403を通じて、囲壁又は保持領域604内に新しい毛管媒体を挿入することによって、蓋603内に形成される囲壁又は保持領域604から毛管媒体500を変更し得る。次に、例えば、インクタンクを反転し、ポート300を通じてインクタンク本体を再充填すること、或いは、ポート300を通じてインクをインクタンク本体内に計量分配するよう計量分配器を使用することのような様々な方法を通じて、新しいインクをインクタンク本体200内に充填することができ、それによって、インクタンク本体を再充填する簡単な手段を提供する。従って、従来技術のインクタンクと異なり、結合継目700を破壊したり、その他の方法でインクタンク本体200の完全性を妥協したりせずに、毛管媒体500を変更することができる。
【0027】
蓋603は、チューブ、シリンダ、又は、他の中空の幾何学的形状の形態であり得る囲壁又は保持領域604を形成し、囲壁又は保持領域604は、インクタンク本体200の側壁によって支持されない状態で、蓋603から下向きに延在する。本発明の特徴によれば、囲壁又は保持領域604は、毛管媒体500と囲壁905との間の境界を形成する壁604aを含む。更に、開口403は、結合される蓋603を取り外すことを必要とせずに囲壁又は保持領域604からの毛管媒体500の挿入及び/又は取外しを許容するような大きさとされる。何故ならば、壁604aは、囲壁905の外側にある保持領域604内に配置される毛管媒体500から囲壁905を分離するからである。蓋603内に形成される囲壁又は保持領域604の上方部は、囲壁の下方部に対してある角度で先細り得る。そのような幾何学的構成は、異なる大きさ及び形状の毛管媒体部材を収容し且つ実質的な圧力の規定外変動中の液体漏れに対する追加的な保護をもたらし得るインクタンク102の設計を可能にすることができる。
【0028】
図5に示される例示的な実施態様において、蓋603内に形成される囲壁又は保持領域604は、第一毛管媒体501と、第二毛管媒体502とを含む。第一毛管媒体501は、第二毛管媒体502よりも大きい孔サイズ(より少ない毛管作用)を有し且つ第二毛管媒体502を越えるオーバーフローの事態において液体の封入の責任を主として負うよう設計され得る。第二毛管媒体502は、第一毛管媒体501よりも小さい孔サイズ(より高い毛管作用)を有するよう設計される。第二毛管媒体502は、如何なる特定の高さを有する必要はなく、それが圧力を決定する空気―液体−媒体界面であるよう、液体に対する空気のための最終的な障壁であれば十分である。図3に示される実施態様も、毛管媒体500だけというよりも、第一及び第二の毛管媒体501,502を含み得ることが理解されよう。
【0029】
毛管媒体500,501,502のために、既知の毛管媒体の種類のいずれをも使用し得る。本発明の毛管媒体のための適切な材料は、フォーム、フェルト、又は、ファイバを含む。毛管媒体として有用なフォームを、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、ネオプレン、及び、ポリオレフィンのような合成材料から作製し得る。毛管媒体として有用なファイバ又はフェルトを、例えば、セルロース、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、及び、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリブチレンのようなポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、又は、それらのコポリマのような合成材料から作製し得る。追加的な種類の毛管媒体材料は、ここに参照としてその全文が組み込まれるPCT国際公開番号WO2007/138624中に例示されている。
【0030】
図3及び4に示される1つの例示的な実施態様において、蓋603に形成される囲壁又は保持領域604の壁604aの部分又は区画は、インクタンク本体200の囲壁905内に収容されるインクが通常の動作圧力中に囲壁又は保持領域604に進入することを阻止するのに十分なほど小さい1つ又はそれよりも多くの孔606を含む。この構成において、1つ又はそれよりも多くの孔606は、(例えば、射出成形によって)蓋603の製造中に形成され得るし、或いは、蓋の形成後の穿孔又は機械加工操作のような別個のステップとして形成され得る。選択的に、1つ又はそれよりも多くの孔606は、別個の片を囲壁又は保持領域の開放部分に取り付けることによって囲壁又は保持領域604を完成し得る。囲壁又は保持領域604を完成するために、蓋603への溶接、ネジ切り、又は、接着操作によって、別個のフィルタ、フリット、又は、穿孔(複数の穿孔)606を備えるスクリーン又は表面を取付け得る。好適な孔構成は、同時係属中の同一承継人による出願(D−94287)中に開示されている。
【0031】
本発明のインクタンク102は、図3及び4に示される開口403を通じて大気に通気されており、開口403は、蓋603内に囲壁又は保持領域604を形成している。例えば、巻線溝612が開口403から蓋603非被覆部分に延びて通気孔614を形成するよう、蓋603の外表面の被覆部分内に巻線溝612を設け得る。好適実施態様において、開口403は、開口403を通じて毛管媒体部材500,501,502を容易に挿入し且つ取り外し得るような大きさとされる。液体が供給ポート300を通じてインクタンク102から消費されると、空気が開口403及び囲壁又は保持領域604を通じて進入して、インクタンク内の圧力を均一化し得る。開口403は、空気が蓋603に形成される囲壁又は保持領域604を通じてタンク内に流入するだけであるよう、インクタンク102上のある位置に配置される。開口403は、インクタンク102の内側で、半透過性膜(図示せず)によって被覆され得る。開口403は、蓋603が液体タンクから移動しないようにするのを助けるために熱硬化性接着剤又は感圧接着剤によって蓋603に接着されるラベル900のような、図4に示される保護カバー900によって、インクタンク102の外側から覆われ得る。代替的に、開口403及び溝612を含む蓋603の部分が、ネジのような機械的手段を使用して蓋の上に取り付けられ得るガスケット付き保護カバー(図示せず)によって覆われ得る。
【0032】
本発明のインクタンクは、図5に例証されるように、蓋603からインクタンク本体200又は囲壁905内に下向きに延びる1つ又はそれよりも多くの突起605を有し得る。これらの突起605は、蓋603の一部であり、毛管媒体を含まない。突起605は、インクタンク本体200内にインクを貯蔵するために利用可能な容積を調節する機能を果たし得る。これは、単一のインクタンク本体200が製造され且つ可変形状の突起605を有する対応する蓋603が別個に製造されることが可能であり、それによって、インクタンク102内に可変インク充填容積を制御する手段を提供するというような、製造上の利点をもたらす。
【0033】
図3、4、及び、5によって例証される本発明のインクタンクは、毛管媒体にインクを充填せずにインクをインクタンク102内に充填し得るという追加的な利点を有する。1つの例示的な実施態様では、以下のステップに従ってインクタンクを製造し得る。a)インクタンク本体の下方部に開放のインクタンク供給ポート300を有するインクタンク本体200を、結合継目700で、囲壁又は保持領域604及び溝612が形成された蓋603に結合する。b)タンク蓋603に形成された開口403を通じて囲壁又は保持領域604内に毛管媒体500を挿入する。c)インクが供給ポート300を通じてインクタンク本体200内に充填されるようにインクタンク102を向ける。d)供給ポート300を閉じる。e)大気への通気孔614をもたらすよう、蓋603の囲壁又は保持領域604からの溝612及び開口403を保護カバー900で覆う。
【0034】
第二の代替的な製造実施例において、囲壁604内への毛管媒体500の挿入を含むステップb)は、上記に示されるステップd)及びステップe)の後に起こり得る。換言すれば、毛管媒体500が囲壁内に挿入されない状態でインクタンク102を充填し得るし、蓋を保護カバー900で封止する前に毛管媒体500を挿入し得る。上記の方法によって製造されるインクタンクは、毛管媒体を通じてインクタンクを充填するという制約を回避する。これは、インクが毛管媒体内に導入されず、これに関連する全ての制約が回避されるという利点を有する。
【0035】
図3、4、及び、5によって例証される本発明のインクタンクは、簡単且つ効果的な方法でインクタンクを再使用又は再充填し得るという追加的な利点を有する。1つの例示的な実施態様では、以下のステップに従ってインクタンクを再充填する方法を達成し得る。インクがインクタンク102から消費された後、a)保護カバー900を蓋603から取り外す。b)既存の毛管媒体500を囲壁又は保持領域604から取り外す。c)選択的に、供給ポート300を開き、インクタンクを液体で洗浄し、残留インクを除去する。d)蓋603内の開口403を通じて新しい毛管媒体500を囲壁604に挿入する。e)供給ポート300を通じてインクタンク102内にインクを充填し得るよう、インクタンクを向ける。f)供給ポート300を閉じる。g)蓋603内の囲壁又は保持領域604からの溝612及び開口403を保護カバーで覆い、大気への通気孔614を提供する。
【0036】
インクタンクを再使用するための第二の代替的実施態様において、囲壁又は保持領域内への毛管媒体の挿入を含むステップd)は、上記示されるステップf)の後及びステップg)の前に起こり得る。換言すれば、毛管媒体500が囲壁又は保持領域604内に挿入されない状態でインクタンク102を充填し得るし、蓋603を保護カバー900で封止する前に毛管媒体500を挿入し得る。このインクタンクの再使用の方法は、インクタンクと蓋との間の結合継目を破壊する必要なくインクタンクを再充填し得るという利点を有する。更に、毛管媒体内にインクを導入せずにインクタンクを充填し得る。
【0037】
図6は、本発明に従ったインクタンクの更なる実施態様を例証している。図6の実施態様において、蓋603は囲壁又は保持領域604を形成するが、図3の実施態様と異なり、図6の実施態様では、囲壁又は保持領域604の壁604aは、孔606を備える区画を含まない。従って、図6では、毛管媒体500は壁604a内に位置付けられ、例えば、毛管媒体500と壁604aとの間の摩擦型の適合によって囲壁又は保持領域604内に保持される。前の実施態様におけると同様に、囲壁又は保持領域604は管状の形状であり得るし、或いは、囲壁又は保持領域604への或いは囲壁又は保持領域604からの毛管媒体500の挿入又は取外しが結合継目700を通じてインクタンク本体200に結合されることを許容する形状を取り得る。使用中、開口403は図4によって示されるようなカバー900の使用によって閉じられる。更に、インクタンク本体200の再充填は、インクタンク本体200がインクで充填される前に毛管媒体が囲壁又は保持領域604内に挿入されるという要件を伴う図3に関して記載されたプロセスと類似する。従って、図6の実施態様は、図3、4、及び、5の実施態様に関して上記に記載された利点を実現し得る。
【0038】
図7は、本発明に従ったインクタンクの更なる実施態様を例証している。図7の実施態様において、(前の実施態様では参照番号604によって特定された)囲壁又は保持領域604は、毛管カートリッジ又は保持領域ユニット100の形態を取る。従って、図7において、インクタンク蓋603は、毛管カートリッジ又は保持領域ユニット1000を単一ユニットとして取り外し可能な方法で受け入れるような大きさとされる第一開口404を含む。毛管カートリッジ又は保持領域ユニット1000は、毛管媒体500の挿入及び/又は取外しを許容するような大きさとされる第二開口の形態の開口403を含む。従って、図7の実施態様では、毛管媒体500を、毛管カートリッジ又は保持領域ユニット1000と共に、再充填プロセス又は製造プロセスの一部として開口404を通じて共に取外し得る。また、前の実施態様におけると同様に、蓋603がインクタンク本体200に結合された状態で、開口403を通じて毛管媒体500を取り外し且つ挿入し得る。従って、図7の実施態様は、図3、4、及び、5に関して上記に記載された利点を実現し得る。更に、図7の実施態様は、蓋603がインクタンク本体200に結合されたままの状態で、必要に応じて、毛管カートリッジ又は保持領域ユニットをユニットとして交換する選択肢を提供する。
【0039】
本発明は好適実施態様を参照して記載された。しかしながら、本発明の範囲から逸脱せずに、変更及び修正が当業者によって行われ得ることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクタンク本体と、
結合継目で前記インクタンク本体に結合されるインクタンク蓋とを含み、
前記インクタンク本体及び前記結合継目で前記インクタンク本体に結合される前記インクタンク蓋は、その中に囲壁を定め、
前記インクタンク蓋は、保持領域に至る開口を含み、前記保持領域は、その中に毛管媒体を収容し、
前記保持領域は、前記毛管媒体と前記囲壁との間の境界を形成する壁を含み、前記開口は、前記インクタンク蓋は、前記インクタンク蓋が前記結合継目で前記インクタンク本体に結合された状態で、前記保持領域への前記毛管媒体の挿入及び前記保持領域からの前記毛管媒体の取外しを許容する大きさとされる、
インクタンク。
【請求項2】
前記インクタンク本体及び前記インクタンク本体に結合される前記インクタンク蓋によって定められる囲壁は、自由に流動する液体を含む、請求項1に記載のインクタンク。
【請求項3】
前記自由に流動する液体は、顔料インクである、請求項2に記載のインクタンク。
【請求項4】
前記インクタンク本体は、インクジェットプリントヘッドにインクを供給するための供給ポートを含む、請求項1に記載のインクタンク。
【請求項5】
前記保持領域は、異なる気孔率を有する2つの毛管媒体部材を収容する、請求項1に記載のインクタンク。
【請求項6】
前記開口は、保護カバーで覆われる、請求項1に記載のインクタンク。
【請求項7】
前記保護カバーの側部は、感圧接着剤又は熱硬化性接着剤で被覆される、請求項6に記載のインクタンク。
【請求項8】
前記保持領域の前記壁の区画は、少なくとも1つの孔を含む、請求項1に記載のインクタンク。
【請求項9】
前記結合継目は、前記インクタンク本体と前記インクタンク蓋との間の振動溶接部又はレーザ溶接部である、請求項1に記載のインクタンク。
【請求項10】
前記インクタンク蓋は、液体のために前記囲壁内の利用可能な容積の調節を可能にするよう、前記囲壁内に延びる少なくとも1つの突起を含む、請求項2に記載のインクタンク。
【請求項11】
インクタンク本体と、
結合継目で前記インクタンク本体に結合されるインクタンク蓋とを含み、
前記インクタンク本体及び前記結合継目で前記インクタンク本体に結合される前記インクタンク蓋は、その中に囲壁を定め、
前記インクタンク蓋は、保持領域ユニットの挿入及び取外しを許容する大きさとされる第一開口を含み、前記保持領域ユニットは、第二開口を含み、その中に毛管媒体を収容し、
前記保持領域ユニットは、前記毛管媒体と前記囲壁との間の境界を形成する壁を含み、前記第二開口は、前記インクタンク蓋が前記結合継目で前記インクタンク本体に結合された状態で、前記保持領域ユニットへの前記毛管媒体の挿入及び前記保持領域ユニットからの前記毛管媒体の取外しを許容する大きさとされる、
インクタンク。
【請求項12】
インクタンクを製造する方法であって、
(a)その中に囲壁を形成するよう、インクタンク蓋をインクタンク本体に取り付けるステップを含み、前記インクタンク本体は、供給ポートを有し、
(b)保持領域に至る開口を前記インクタンク蓋に提供するステップを含み、前記保持領域を定める壁が、前記囲壁と前記保持領域との間の境界を形成し、
(c)前記開口を通じて毛管媒体を前記保持領域内に挿入するステップを含み、
(d)前記供給ポートを通じて前記囲壁をインクで充填するステップを含み、
少なくとも前記ステップ(c)は、前記インクタンク蓋が前記インクタンク本体に取り付けられた状態で遂行される、
方法。
【請求項13】
前記囲壁がインクで充填された後、当該方法は、更に、
(e)前記供給ポートを閉じるステップと、
(f)前記開口の上に取外し可能なシールを提供するステップとを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記取り付けるステップは、前記インクタンク本体と前記インクタンク蓋との間の振動溶接部又はレーザ溶接部を通じて前記インクタンク本体と前記インクタンク蓋との間の結合継目を形成するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
インクタンク内のインクが使用者によって前に消費された前記インクタンクを再充填する方法であって、前記インクタンクは、インクタンク本体に結合されるインクタンク蓋を有し、当該方法は、
(a)前記インクタンク蓋から保護カバーを取り外すステップを含み、前記インクタンク蓋は、保持領域に至る開口を含み、前記保持領域は、その中に毛管媒体を収容し、
(b)前記インクタンク蓋内の前記開口を通じて前記保持領域から前記毛管媒体を取り除くステップを含み、
(c)前記開口を通じて前記保持領域内に新しい毛管媒体を挿入するステップを含み、
(d)前記インクタンク本体の供給ポートを通じて前記インクタンクをインクで再充填するステップを含み、
少なくとも前記ステップ(a)乃至(d)は、前記インクタンク蓋が前記インクタンク本体に結合された状態で遂行される、
方法。
【請求項16】
(e)前記供給ポートを閉じるステップと、
(f)前記インクタンク蓋の上に新しい保護カバーを適用するステップとを更に含む、
前記ステップ(e)及び(f)は、前記インクタンク蓋が前記インクタンク本体に結合された状態で遂行される、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(c)の後及び前記ステップ(d)の前に、
(c1)前記インクタンク本体内の如何なる残留インクをも除去するために、前記供給ポート又は通気孔のうちの少なくとも1つを通じて前記インクタンク本体内に導入される洗浄液で前記インクタンク本体を洗浄するステップを更に含み、
前記ステップ(c1)は、前記インクタンク蓋が前記インクタンク本体に結合された状態で遂行される、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
インクタンク内のインクが使用者によって前に消費された前記インクタンクを再充填する方法であって、前記インクタンクは、インクタンク本体に結合されるインクタンク蓋を有し、当該方法は、
(a)前記インクタンク蓋の開口を通じて前記インクタンク蓋によって定められる保持領域から毛管媒体を取り除くステップと、
(b)前記開口を通じて前記保持領域内に新しい毛管媒体を挿入するステップと、
(c)前記インクタンク本体の供給ポートを通じて前記インクタンクにインクを再充填するステップとを含み、
前記ステップ(a)乃至(c)は、前記インクタンク蓋が前記インクタンク本体に結合された状態で遂行される、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−524272(P2011−524272A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513507(P2011−513507)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/003553
【国際公開番号】WO2010/005468
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】