インクジェットプリンタ用インクキャリッジ
【課題】 インクキャリッジの電気接点とインクヘッドカートリッジの電気接点とを位置ずれを生じることなく接続・離間させて、電気接点の長寿命化をはかる。
【解決手段】 インクヘッド駆動用の信号線を接続するための電気接点を有するインクヘッドカートリッジを離脱可能に搭載するインクジェットプリンタ用インクキャリッジであって、インクヘッドカートリッジを搭載部に固着させる固着部材と、インクヘッドカートリッジの電気接点に接触して信号線を接続する電気接点を有するコネクターと、固着部材とコネクターとを操作するために第1,第2および第3段階にわたって作動しうる操作レバーとを備え、操作レバーは搭載部に対して第1段階においてインクヘッドカートリッジを着脱可能とし、第2段階においてインクヘッドカートリッジを固着し、第3段階において固着状態を保持するように固着部を操作し、第3段階においてインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を互いに接触させるようにコネクターを操作する。
【解決手段】 インクヘッド駆動用の信号線を接続するための電気接点を有するインクヘッドカートリッジを離脱可能に搭載するインクジェットプリンタ用インクキャリッジであって、インクヘッドカートリッジを搭載部に固着させる固着部材と、インクヘッドカートリッジの電気接点に接触して信号線を接続する電気接点を有するコネクターと、固着部材とコネクターとを操作するために第1,第2および第3段階にわたって作動しうる操作レバーとを備え、操作レバーは搭載部に対して第1段階においてインクヘッドカートリッジを着脱可能とし、第2段階においてインクヘッドカートリッジを固着し、第3段階において固着状態を保持するように固着部を操作し、第3段階においてインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を互いに接触させるようにコネクターを操作する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェットプリンタのインクキャリッジに関し、詳しくはインクキャリッジに搭載されるインクヘッドカートリッジの着脱機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクキャリッジに搭載されるインクヘッドカートリッジの電気接点については、キャリッジ側に弾性変形部材を、インクヘッドカートリッジ側に平坦部材をそれぞれ設け、操作レバーによりインクヘッドカートリッジをキャリッジ側の弾性変形部材に所定圧力で押しつけることにより電気的接続を行っていた。
【0003】しかし、弾性変形部材に対して、強制的に平坦部材の位置を合わせることによって各部材にストレスが発生し、そのストレスが各部材の耐久性を損なう要因となっている。
【0004】これに対し、複数の半円球状電気接点を相対させることによって、接点圧力の均一化と長寿命化を図るようにしたものが知られている(例えば、特開平7−117220号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のものでは、インクヘッドカートリッジをインクキャリッジに搭載すると同時に電気接点の接続を行うため、対向する電気接点を互いに位置決めして接触させることが容易でないという問題点がある。
【0006】この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、インクキャリッジにインクヘッドカートリッジを固定した後に、電気接点の接続を行い、それによって電気接点が互いに正確に位置決めされた状態で、確実に接続できるようにしたインクキャリッジを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、インクヘッド駆動用の信号線を接続するための電気接点を有するインクヘッドカートリッジを離脱可能に搭載するインクジェットプリンタ用インクキャリッジであって、インクヘッドカートリッジを搭載部に固着させる固着部材と、インクヘッドカートリッジの電気接点に接触して信号線を接続する電気接点を有するコネクターと、固着部材とコネクターとを操作するために第1,第2および第3段階にわたって作動しうる操作レバーとを備え、操作レバーは搭載部に対して第1段階においてインクヘッドカートリッジを着脱可能とし、第2段階においてインクヘッドカートリッジを固着し、第3段階において固着状態を保持するように固着部を操作し、第3段階においてインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を互いに接触させるようにコネクターを操作するインクジェットプリント用インクキャリッジを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明におけるインクヘッドカートリッジとは、インクを吐出するインクジェットヘッドとインクタンクとインクジェットヘッド駆動用の信号線を接続するための複数の電気接点を備え、インクキャリッジに対して交換可能に搭載される。このようなインクヘッドカートリッジの構成は一般的に用いられ、公知である。
【0009】この発明のインクジェットプリンタ用インクキャリッジでは、操作レバーは第2段階においてインクヘッドカートリッジを搭載部に固着させ、第3段階においてその固着状態を保持させながらインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を接触させるようにしている。従って、インクヘッドカートリッジがインクキャリッジに固定された状態で電気接点の接続が行われるので、電気接点の接触が確実になる。
【0010】このインクキャリッジは、摺動用シャフトと駆動用タイミングベルトとをさらに備え、駆動用タイミングベルトにより摺動用シャフトに沿って移動し、記録紙上を走査するようにしてもよい。この場合、インクキャリッジは、操作レバーの作動により駆動用タイミングベルトを機械的に駆動不能にする停止部をさらに備え、操作レバーは第1段階において停止部を作動させ、第3段階において停止部を非作動とすることが好ましい。これによって、操作レバーの第1段階においてインクキャリッジが固定され移動することがないので、この時インクヘッドカートリッジの交換を容易に行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明は限定されるものではない。図1はこの発明のインクキャリッジを適用するインクジェットプリンタの斜視図、図2は図1の要部を示す構成説明図である。
【0012】図1においてインクヘッドカートリッジ3を搭載したインクキャリッジ10は本体1に設けられ、印字工程中は図中の矢印方向に往復移動して記録紙を走査する。記録紙は給紙トレイ6から供給され排紙トレイ13に排出される。
【0013】この印字工程について、図2を用いてさらに詳しく説明する。記録紙Pは給紙トレイ6上に載置され、ピックアップローラ7によって搬送される。ピックアップローラ7により搬送された記録紙Pは、給紙ローラ8によって搬送路9を通過し、記録紙先端を調整するPSローラ20によってプラテン21上に到達する。インクヘッドカートリッジ3を搭載するインクキャリッジ10は、スライドシャフト11に沿って摺動し、画像情報に対応してインクヘッドカートリッジ3よりインクを吐出させ記録紙P上に記録を行う。
【0014】この時、記録紙Pは一旦停止し、インクキャリッジ10による1ライン(1方向)分の走査が終了した時点で、インクヘッドカートリッジ3のヘッドが有する複数のインクノズル分に相当する距離だけ搬送される。
【0015】このように画像情報に対応した上記処理が、継続して実施されることによって記録紙P上にインクによる画像情報が書き込まれる。記録された記録紙Pは排紙ローラ12を経て排紙トレイ13に排出される。
【0016】図3はインクキャリッジ10を示す斜視図であり、インクキャリッジ10は、スライドシャフト11に摺動可能に支持され、黒インク用および3原色インク用の2種類のインクヘッドカートリッジ3(図1)を搭載するための搭載部2a,2bを備え、操作レバー4a,4bにより、インクキャリッジ10内のそれぞれのリンク機構が操作されるようになっている。
【0017】図4〜図6はインクキャリッジ10の背面図であり、インクキャリッジ10は駆動用のタイミングベルト16に結合部23により結合され、タイミングベルト16の移動に伴ってスライドシャフト11上を摺動する。
【0018】また、操作レバー4aの操作位置が図4では第1段階にあり、図5では第2段階にあり、図6では第3段階にあることを示している。操作レバー4b(図3R>3)の構成や動作は操作レバー4aと同様であるので、その説明を省略する。そして、操作レバー4aが図4と図5の状態にあるとき、操作レバー4aにより作動するリング機構24は、ロック用可動部15がタイミングベルト16に係止するように制御する。
【0019】図7〜図9はインクキャリッジ10とインクヘッドカートリッジ3とコネクタ22との位置関係を示す説明図である。図7は操作レバー4aが図4に示すように第1段階にある状態を示す。従って、この状態ではインクヘッドカートリッジ3は単にインクキャリッジ10内に載置されただけの状態であり、特に固定されていない。この状態でインクキャリッジ10に対するインクヘッドカートリッジ3の交換が行われる。このとき、図4に示すようにロック用可動部15の作用によりタイミングベルト16の移動が禁止されインクキャリッジ10が移動しないので、交換作業が容易になる。
【0020】次に、操作レバー4aを、図5に示すように第2段階へ移動させた状態が、図8に示される。操作レバー4aを図4(第1段階)から図5(第2段階)の状態へ移動させると、図7,図8に示すようにリンク機構24により固着部材5が作動し、インクヘッドカートリッジ3がインクキャリッジ10の基準面へと移動して、インクヘッドカートリッジ3はインクキャリッジ10に固定される。そして、さらに操作レバー4aを図6(第3段階)の状態へ移動させると、図9のようにインクヘッドカートリッジ3は固定された状態を続ける。
【0021】一方、コネクタ22は、第1段階,第2段階そして第3段階と操作レバー4が操作されるとリンク機構24により図7〜図9に示すように移動する。そして、第3段階(図9)ではじめてコネクタ22aの電気接点14aとインクヘッドカートリッジ3の電気接点14bとが接続される。
【0022】従って、インクヘッドカートリッジ3がインクキャリッジ10へ固定された後に、電気接点14a,14bの接続が行われることになるので、電気接点14a,14b間に相対位置にずれが発生しない。つまり、図10に示す電気接点14a,14bは位置ずれを生じることなく図11に示すように接続される。
【0023】このようにして、図6つまり図9に示す状態において、インクキャリッジ10内へのインクヘッドカートリッジ3の設置を完了し、インクキャリッジ10の初期設定が行われた後、印字開始待ち状態となる。
【0024】また、インクヘッドカートリッジ3をインクキャリッジ10からとりはずす(交換する)場合には、操作レバー4aは前述と逆の順序で、第3段階から第1段階まで操作される。この場合、第3段階から第2段階へ操作レバー4aが移動すると、インクヘッドカートリッジ3が固定された状態で電気接点14a,14bは離間する。従って、電気接点14a,14bはストレスを生じることなく離間される。
【0025】なお、インクヘッドカートリッジ3の交換は、図12に示すように、インクキャリッジ10が印字領域W以外にあるホームポジション位置P1,P2やヘッドクリーニング位置P3において行うことが好ましい。このようにすることにより、インクヘッドカートリッジ3の交換に伴う周辺部材の汚染を防止することができ、またインクヘッドカートリッジ3の取り付け後のインクキャリッジ10への初期設定を迅速に開始することができる。
【0026】
【発明の効果】インクキャリッジ内にインクヘッドカートリッジが正確に収納された状態で、インクキャリッジとインクヘッドカートリッジの電気接点の接続・離間が行われるので、電気接点同士の位置ずれが防止され、電気接点の疲労や塑性変形が抑制されて、電気接点の長寿命化が可能となる。また、インクキャリッジが搬送不能に固定された状態で、インクヘッドカートリッジが交換可能となるため、インクヘッドカートリッジの交換作業を容易に、かつ、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインクキャリッジを適用したインクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】図1の要部構成説明図である。
【図3】この発明のインクキャリッジを示す斜視図である。
【図4】この発明のインクキャリッジを示す背面図である。
【図5】この発明のインクキャリッジを示す背面図である。
【図6】この発明のインクキャリッジを示す背面図である。
【図7】この発明におけるインクキャリッジとインクヘッドカートリッジとコネクタとの位置関係を示す説明図である。
【図8】この発明におけるインクキャリッジとインクヘッドカートリッジとコネクタとの位置関係を示す説明図である。
【図9】この発明におけるインクキャリッジとインクヘッドカートリッジとコネクタとの位置関係を示す説明図である。
【図10】この発明の電気接点を示す説明図である。
【図11】この発明の電気接点を示す説明図である。
【図12】この発明のインクキャリッジの位置に対するインクヘッドカートリッジの交換位置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2a 搭載部
2b 搭載部
3 インクヘッドカートリッジ
4a 操作レバー
4b 操作レバー
5 固着部材
6 給紙トレイ
7 ピックアップローラ
8 給紙ローラ
9 搬送路
10 インクキャリッジ
11 スライドシャフト
12 排紙ローラ
13 排紙トレイ
14a 電気接点
14b 電気接点
15 ロック用可動部
16 搬送ベルト
20 PSローラ
21 プラテン
22 コネクタ
23 結合部
24 リンク機構
P 記録紙
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェットプリンタのインクキャリッジに関し、詳しくはインクキャリッジに搭載されるインクヘッドカートリッジの着脱機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクキャリッジに搭載されるインクヘッドカートリッジの電気接点については、キャリッジ側に弾性変形部材を、インクヘッドカートリッジ側に平坦部材をそれぞれ設け、操作レバーによりインクヘッドカートリッジをキャリッジ側の弾性変形部材に所定圧力で押しつけることにより電気的接続を行っていた。
【0003】しかし、弾性変形部材に対して、強制的に平坦部材の位置を合わせることによって各部材にストレスが発生し、そのストレスが各部材の耐久性を損なう要因となっている。
【0004】これに対し、複数の半円球状電気接点を相対させることによって、接点圧力の均一化と長寿命化を図るようにしたものが知られている(例えば、特開平7−117220号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のものでは、インクヘッドカートリッジをインクキャリッジに搭載すると同時に電気接点の接続を行うため、対向する電気接点を互いに位置決めして接触させることが容易でないという問題点がある。
【0006】この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、インクキャリッジにインクヘッドカートリッジを固定した後に、電気接点の接続を行い、それによって電気接点が互いに正確に位置決めされた状態で、確実に接続できるようにしたインクキャリッジを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、インクヘッド駆動用の信号線を接続するための電気接点を有するインクヘッドカートリッジを離脱可能に搭載するインクジェットプリンタ用インクキャリッジであって、インクヘッドカートリッジを搭載部に固着させる固着部材と、インクヘッドカートリッジの電気接点に接触して信号線を接続する電気接点を有するコネクターと、固着部材とコネクターとを操作するために第1,第2および第3段階にわたって作動しうる操作レバーとを備え、操作レバーは搭載部に対して第1段階においてインクヘッドカートリッジを着脱可能とし、第2段階においてインクヘッドカートリッジを固着し、第3段階において固着状態を保持するように固着部を操作し、第3段階においてインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を互いに接触させるようにコネクターを操作するインクジェットプリント用インクキャリッジを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明におけるインクヘッドカートリッジとは、インクを吐出するインクジェットヘッドとインクタンクとインクジェットヘッド駆動用の信号線を接続するための複数の電気接点を備え、インクキャリッジに対して交換可能に搭載される。このようなインクヘッドカートリッジの構成は一般的に用いられ、公知である。
【0009】この発明のインクジェットプリンタ用インクキャリッジでは、操作レバーは第2段階においてインクヘッドカートリッジを搭載部に固着させ、第3段階においてその固着状態を保持させながらインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を接触させるようにしている。従って、インクヘッドカートリッジがインクキャリッジに固定された状態で電気接点の接続が行われるので、電気接点の接触が確実になる。
【0010】このインクキャリッジは、摺動用シャフトと駆動用タイミングベルトとをさらに備え、駆動用タイミングベルトにより摺動用シャフトに沿って移動し、記録紙上を走査するようにしてもよい。この場合、インクキャリッジは、操作レバーの作動により駆動用タイミングベルトを機械的に駆動不能にする停止部をさらに備え、操作レバーは第1段階において停止部を作動させ、第3段階において停止部を非作動とすることが好ましい。これによって、操作レバーの第1段階においてインクキャリッジが固定され移動することがないので、この時インクヘッドカートリッジの交換を容易に行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明は限定されるものではない。図1はこの発明のインクキャリッジを適用するインクジェットプリンタの斜視図、図2は図1の要部を示す構成説明図である。
【0012】図1においてインクヘッドカートリッジ3を搭載したインクキャリッジ10は本体1に設けられ、印字工程中は図中の矢印方向に往復移動して記録紙を走査する。記録紙は給紙トレイ6から供給され排紙トレイ13に排出される。
【0013】この印字工程について、図2を用いてさらに詳しく説明する。記録紙Pは給紙トレイ6上に載置され、ピックアップローラ7によって搬送される。ピックアップローラ7により搬送された記録紙Pは、給紙ローラ8によって搬送路9を通過し、記録紙先端を調整するPSローラ20によってプラテン21上に到達する。インクヘッドカートリッジ3を搭載するインクキャリッジ10は、スライドシャフト11に沿って摺動し、画像情報に対応してインクヘッドカートリッジ3よりインクを吐出させ記録紙P上に記録を行う。
【0014】この時、記録紙Pは一旦停止し、インクキャリッジ10による1ライン(1方向)分の走査が終了した時点で、インクヘッドカートリッジ3のヘッドが有する複数のインクノズル分に相当する距離だけ搬送される。
【0015】このように画像情報に対応した上記処理が、継続して実施されることによって記録紙P上にインクによる画像情報が書き込まれる。記録された記録紙Pは排紙ローラ12を経て排紙トレイ13に排出される。
【0016】図3はインクキャリッジ10を示す斜視図であり、インクキャリッジ10は、スライドシャフト11に摺動可能に支持され、黒インク用および3原色インク用の2種類のインクヘッドカートリッジ3(図1)を搭載するための搭載部2a,2bを備え、操作レバー4a,4bにより、インクキャリッジ10内のそれぞれのリンク機構が操作されるようになっている。
【0017】図4〜図6はインクキャリッジ10の背面図であり、インクキャリッジ10は駆動用のタイミングベルト16に結合部23により結合され、タイミングベルト16の移動に伴ってスライドシャフト11上を摺動する。
【0018】また、操作レバー4aの操作位置が図4では第1段階にあり、図5では第2段階にあり、図6では第3段階にあることを示している。操作レバー4b(図3R>3)の構成や動作は操作レバー4aと同様であるので、その説明を省略する。そして、操作レバー4aが図4と図5の状態にあるとき、操作レバー4aにより作動するリング機構24は、ロック用可動部15がタイミングベルト16に係止するように制御する。
【0019】図7〜図9はインクキャリッジ10とインクヘッドカートリッジ3とコネクタ22との位置関係を示す説明図である。図7は操作レバー4aが図4に示すように第1段階にある状態を示す。従って、この状態ではインクヘッドカートリッジ3は単にインクキャリッジ10内に載置されただけの状態であり、特に固定されていない。この状態でインクキャリッジ10に対するインクヘッドカートリッジ3の交換が行われる。このとき、図4に示すようにロック用可動部15の作用によりタイミングベルト16の移動が禁止されインクキャリッジ10が移動しないので、交換作業が容易になる。
【0020】次に、操作レバー4aを、図5に示すように第2段階へ移動させた状態が、図8に示される。操作レバー4aを図4(第1段階)から図5(第2段階)の状態へ移動させると、図7,図8に示すようにリンク機構24により固着部材5が作動し、インクヘッドカートリッジ3がインクキャリッジ10の基準面へと移動して、インクヘッドカートリッジ3はインクキャリッジ10に固定される。そして、さらに操作レバー4aを図6(第3段階)の状態へ移動させると、図9のようにインクヘッドカートリッジ3は固定された状態を続ける。
【0021】一方、コネクタ22は、第1段階,第2段階そして第3段階と操作レバー4が操作されるとリンク機構24により図7〜図9に示すように移動する。そして、第3段階(図9)ではじめてコネクタ22aの電気接点14aとインクヘッドカートリッジ3の電気接点14bとが接続される。
【0022】従って、インクヘッドカートリッジ3がインクキャリッジ10へ固定された後に、電気接点14a,14bの接続が行われることになるので、電気接点14a,14b間に相対位置にずれが発生しない。つまり、図10に示す電気接点14a,14bは位置ずれを生じることなく図11に示すように接続される。
【0023】このようにして、図6つまり図9に示す状態において、インクキャリッジ10内へのインクヘッドカートリッジ3の設置を完了し、インクキャリッジ10の初期設定が行われた後、印字開始待ち状態となる。
【0024】また、インクヘッドカートリッジ3をインクキャリッジ10からとりはずす(交換する)場合には、操作レバー4aは前述と逆の順序で、第3段階から第1段階まで操作される。この場合、第3段階から第2段階へ操作レバー4aが移動すると、インクヘッドカートリッジ3が固定された状態で電気接点14a,14bは離間する。従って、電気接点14a,14bはストレスを生じることなく離間される。
【0025】なお、インクヘッドカートリッジ3の交換は、図12に示すように、インクキャリッジ10が印字領域W以外にあるホームポジション位置P1,P2やヘッドクリーニング位置P3において行うことが好ましい。このようにすることにより、インクヘッドカートリッジ3の交換に伴う周辺部材の汚染を防止することができ、またインクヘッドカートリッジ3の取り付け後のインクキャリッジ10への初期設定を迅速に開始することができる。
【0026】
【発明の効果】インクキャリッジ内にインクヘッドカートリッジが正確に収納された状態で、インクキャリッジとインクヘッドカートリッジの電気接点の接続・離間が行われるので、電気接点同士の位置ずれが防止され、電気接点の疲労や塑性変形が抑制されて、電気接点の長寿命化が可能となる。また、インクキャリッジが搬送不能に固定された状態で、インクヘッドカートリッジが交換可能となるため、インクヘッドカートリッジの交換作業を容易に、かつ、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインクキャリッジを適用したインクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】図1の要部構成説明図である。
【図3】この発明のインクキャリッジを示す斜視図である。
【図4】この発明のインクキャリッジを示す背面図である。
【図5】この発明のインクキャリッジを示す背面図である。
【図6】この発明のインクキャリッジを示す背面図である。
【図7】この発明におけるインクキャリッジとインクヘッドカートリッジとコネクタとの位置関係を示す説明図である。
【図8】この発明におけるインクキャリッジとインクヘッドカートリッジとコネクタとの位置関係を示す説明図である。
【図9】この発明におけるインクキャリッジとインクヘッドカートリッジとコネクタとの位置関係を示す説明図である。
【図10】この発明の電気接点を示す説明図である。
【図11】この発明の電気接点を示す説明図である。
【図12】この発明のインクキャリッジの位置に対するインクヘッドカートリッジの交換位置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2a 搭載部
2b 搭載部
3 インクヘッドカートリッジ
4a 操作レバー
4b 操作レバー
5 固着部材
6 給紙トレイ
7 ピックアップローラ
8 給紙ローラ
9 搬送路
10 インクキャリッジ
11 スライドシャフト
12 排紙ローラ
13 排紙トレイ
14a 電気接点
14b 電気接点
15 ロック用可動部
16 搬送ベルト
20 PSローラ
21 プラテン
22 コネクタ
23 結合部
24 リンク機構
P 記録紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクヘッド駆動用の信号線を接続するための電気接点を有するインクヘッドカートリッジを離脱可能に搭載するインクジェットプリンタ用インクキャリッジであって、インクヘッドカートリッジを搭載部に固着させる固着部材と、インクヘッドカートリッジの電気接点に接触して信号線を接続する電気接点を有するコネクターと、固着部材とコネクターとを操作するために第1,第2および第3段階にわたって作動しうる操作レバーとを備え、操作レバーは搭載部に対して第1段階においてインクヘッドカートリッジを着脱可能とし、第2段階においてインクヘッドカートリッジを固着し、第3段階において固着状態を保持するように固着部を操作し、第3段階においてインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を互いに接触させるようにコネクターを操作するインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項2】 摺動用シャフトと駆動用タイミングベルトとをさらに備え、駆動用タイミングベルトの駆動により摺動用シャフトに沿って移動する請求項1記載のインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項3】 操作レバーの作動により駆動用タイミングベルトを機械的に駆動不能にする停止部をさらに備え、操作レバーは第1段階において停止部を作動させる請求項2記載のインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項4】 操作レバーは第3段階において停止部を非作動とする請求項3記載のインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項1】 インクヘッド駆動用の信号線を接続するための電気接点を有するインクヘッドカートリッジを離脱可能に搭載するインクジェットプリンタ用インクキャリッジであって、インクヘッドカートリッジを搭載部に固着させる固着部材と、インクヘッドカートリッジの電気接点に接触して信号線を接続する電気接点を有するコネクターと、固着部材とコネクターとを操作するために第1,第2および第3段階にわたって作動しうる操作レバーとを備え、操作レバーは搭載部に対して第1段階においてインクヘッドカートリッジを着脱可能とし、第2段階においてインクヘッドカートリッジを固着し、第3段階において固着状態を保持するように固着部を操作し、第3段階においてインクヘッドカートリッジとコネクターの電気接点を互いに接触させるようにコネクターを操作するインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項2】 摺動用シャフトと駆動用タイミングベルトとをさらに備え、駆動用タイミングベルトの駆動により摺動用シャフトに沿って移動する請求項1記載のインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項3】 操作レバーの作動により駆動用タイミングベルトを機械的に駆動不能にする停止部をさらに備え、操作レバーは第1段階において停止部を作動させる請求項2記載のインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【請求項4】 操作レバーは第3段階において停止部を非作動とする請求項3記載のインクジェットプリント用インクキャリッジ。
【図1】
【図2】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図2】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2001−30479(P2001−30479A)
【公開日】平成13年2月6日(2001.2.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−205014
【出願日】平成11年7月19日(1999.7.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年2月6日(2001.2.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年7月19日(1999.7.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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