説明

インクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置、そしてこれを利用したインクジェットヘッドの整列方法

【課題】インクジェットヘッドの位置を正確に整列するインクジェットヘッドの整列装置、及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置、そしてこれを利用したインクジェットヘッドの整列方法を提供する。
【解決手段】基板が搭載される印刷台のいずれか一側に設置されている整列板、整列板と所定距離だけ離間して設置されている確認装置を含み、整列板及び確認装置を用いて、インクジェットヘッドから噴射された配向液の位置情報を確認することによってインクジェットヘッドを正確に整列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置、そしてこれを利用したインクジェットヘッドの整列方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在最も広く使用されている平板表示装置のうちの1つであって、電界生成電極と配向膜が形成されている2枚の表示板と、その間に満たされた液晶層とを含む。配向膜は液晶分子の初期配向を決定し、電界生成電極は、電界を生成して液晶分子の配向を変える。液晶層を通過する入射光は、液晶分子の配向に依存する電気力を受け、液晶の誘電率異方性によってその偏光が変化する。偏光板を適切に配列すれば、偏光によって入射光の透過率を変化させ、所望の映像を表示することができる。
【0003】
能動行列型(active matrix)液晶表示装置は、電界を生成するための複数の画素電極と共通電極、画素電極に印加されるデータ電圧を選択的に遮断するための薄膜トランジスタ(TFT)などの複数のスイッチング素子、データ電圧と薄膜トランジスタを制御するための制御信号を伝達する複数の信号線、色相表示のための複数の色フィルター及び2つの表示板を付着させ、液晶を封じ込めるための密封材を含む。
【0004】
液晶表示装置の各画素は、何回かの蒸着、露光、エッチング段階を通じて形成され、これらは配向膜で覆われている。
配向膜は、回転塗布法(spin coating)やフレキソ印刷法(flexo printing)によって形成する。配向膜印刷装置は、一般的に、互いに噛み合うアニロックスロール(anilox roll)と印刷ロール(printing roll)など、いくつかの金属ロールとその上に付着されているゴム板を含む。しかし、フレキソ印刷法は、液晶表示装置用表示板及びその母基板が大きくなるほど、ロールとゴム板の大きさ及び重量が大きくなるため、配向膜印刷装置の製作が難しくなる。
【特許文献1】特開2004−322606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、インクジェットヘッドの位置を正確に整列するインクジェットヘッドの整列装置、及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置、そしてこれを利用したインクジェットヘッドの整列方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施例によるインクジェットヘッドの整列装置は、基板が搭載される印刷台のいずれか一側に設置されている整列板と、前記整列板と所定距離だけ離間して設置されている確認装置を含むことが好ましい。
また、前記整列板には複数の孔が形成されており、前記インクジェットヘッドには、前記配向液が噴射される複数のノズル孔が形成されていることが好ましい。
【0007】
また、前記孔は、前記インクジェットヘッドのノズル孔の基準位置と対応する位置に形成されていることが好ましい。
また、前記孔の数は前記ノズル孔の数と同一であり、前記孔の直径は、前記ノズル孔の直径より大きいことが好ましい。前記孔の直径は70〜300μmであり、前記整列板の厚さは0.5〜2mmであるのが好ましい。
【0008】
また、前記整列板は前記印刷台の側面に取り付けられており、前記確認装置は、前記整列板の下に設置されている確認用紙であるか、又は前記整列板の下に設置されている確認カメラであることが好ましい。
また、前記確認カメラは、前記孔を通過して落ちた配向液を確認するように構成できる。
【0009】
また、前記整列板を透明な材質で構成し、前記確認装置として、前記整列板の垂直下方に設置されている確認カメラとすることができる。前記確認カメラは前記配向液の滴下位置を確認し、ある1つのインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を基準位置に設定し、前記基準位置を基準に、他のインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を確認して、前記他のインクジェットヘッドを整列するように構成できる。
【0010】
また、前記整列板は、その表面に複数の孔パターンが描かれており、前記孔パターンは、前記インクジェットヘッドのノズル孔の基準位置と対応する位置に描かれており、前記整列板の表面はフッ素樹脂コーティング処理されていることが好ましい。
また、前記確認カメラは、前記孔パターンと前記整列板の表面に滴下された配向液の滴下位置が一致するか否かを確認することができる。
【0011】
本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法は、印刷台のいずれか一側に取り付けられている整列板の上にインクジェットヘッドを整列させる段階、前記インクジェットヘッドから前記整列板へ配向液を噴射する段階、前記配向液が前記整列板に形成された複数の孔を通過したか否かを確認する段階、前記孔を通過しなかった配向液を噴射したインクジェットヘッドの位置を調整する段階を含むのが好ましい。
【0012】
また、前記整列板の下に位置する確認用紙に前記配向液が滴下されたか否かによって、前記配向液が前記孔を通過したか否かを判断するように構成でき、また前記整列板の下に位置する確認カメラによって、前記配向液が前記孔を通過したか否かを判断するように構成できる。
また、本発明の他の実施例によるインクジェットヘッドの整列方法は、印刷台の側面に取り付けられている整列板の上にインクジェットヘッドを整列させる段階、前記インクジェットヘッドから前記整列板へ配向液を噴射する段階、前記配向液の滴下位置を確認カメラを用いて確認する段階、前記確認された配向液の滴下位置を用いてインクジェットヘッドの位置を調整する段階を含むことが好ましい。
【0013】
また、前記整列板は透明材質であり、前記確認カメラは、前記整列板の上側近傍で前記配向液の滴下位置を確認することが好ましい。
また、ある1つのインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を基準位置に設定し、前記基準位置を基準に、他のインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を確認して前記他のインクジェットヘッドを整列することが好ましい。
【0014】
また、本発明の他の実施例によるインクジェットヘッドの整列方法は、印刷台の側面に取り付けられている整列板の上にインクジェットヘッドを整列させる段階、前記インクジェットヘッドから前記整列板へ配向液を噴射する段階、前記配向液が前記整列板の孔パターンに滴下されたか否かを確認カメラを用いて確認する段階、前記整列板の孔パターンに前記配向液を噴射していないインクジェットヘッドの位置を調整する段階を含むことが好ましい。
【0015】
また、前記孔パターンは前記整列板の表面に描かれており、前記孔パターンは、前記インクジェットヘッドのノズル孔の基準位置と対応する位置に描かれてあるのが好ましい。
また、本発明の1つの実施例によるインクジェット配向膜印刷装置は、基板上に配向液を噴射して配向膜を形成する複数のインクジェットヘッド、前記基板を搭載する印刷台、前記印刷台のいずれか一側に設置されている整列板、及び前記整列板と所定距離だけ離間して設置されている確認装置を含むのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の1実施例によるインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置、そしてこれを利用したインクジェットヘッドの整列方法は、整列板及び確認装置を用いてインクジェットヘッドから噴射された配向液の位置情報を確認し、インクジェットヘッドを正確に整列する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付した図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は多様な相違した形態で実現でき、ここで説明する実施例に限定されない。
次に、本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置、そしてこれを利用したインクジェットヘッドの整列方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
まず、本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置について説明する。
図1は、本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置の簡略な斜視図であり、図2は、図1のインクジェット配向膜印刷装置のインクジェットヘッド及び複数のノズル孔を示した図であり、図3Aは、図1のインクジェット配向膜印刷装置の整列板の平面図であり、図3Bは、図3AのIIIb-IIIb線に沿って切断して示した断面図である。
【0019】
図1〜図3Bに示したように、本発明の1実施形態によるインクジェット配向膜印刷装置は、基板1上に配向液5を噴射して配向膜20を形成する複数のインクジェットヘッド30、基板1を搭載する印刷台70、そしてインクジェットヘッド30の位置を整列する整列装置83を含む。
インクジェットヘッド30は、底面に所定の直径(r1)を有する複数個のノズル孔36が形成されたものであり、図示したものは、複数のノズル孔36を2列に配列するとともに、配列方向の位置が列毎に所定距離ずれるように配置されている(一方の列に属するノズル孔h1と他方の列に属するノズル孔h2との配列方向に関する距離がd1である)。このようなインクジェットヘッド30は、ノズル配列方向においてその端部が所定領域で重なるように、複数個設けられている。インクジェットヘッド30を複数個設けることは、基板1上に多様なパターンで配向膜20を形成することを容易にし、基板1の大きさに対する対応への利便性を考慮することを目的としている。各々のインクジェットヘッド30がノズルの配列方向に互いに所定領域で重なるように配置されているのは、複数のインクジェットヘッド30の全体を通じてノズル孔36の間隔を一定にするためである。インクジェットヘッド30の外表面から最も外側に位置するノズルまでの距離が所定値に設定されていることから、インクジェットヘッド30をそのまま並べて配置すると、一方のインクジェットヘッド30(図2の中央に位置するもの)の他方のインクジェットヘッド30(図2の右側に位置するもの)に最も近くに位置するノズル孔h3と、他方のインクジェットヘッド30(図2の右側に位置するもの)の一方のインクジェットヘッド30(図2の中央に位置するもの)に最も近くに位置するノズル孔h4との距離d2が、1つのインクジェットヘッド30内のノズル孔36の距離d1より大きくなってしまう。このようなノズル孔36の距離(d1,d2)を一定にするために、隣接するインクジェットヘッド30をそれぞれ所定領域重なるように配置している。
【0020】
このようなインクジェットヘッド30のノズル孔36に対応する位置に圧電振動子(示せず)が設置されており、このような圧電振動子の上下振動によって配向液5が噴射される。圧電振動子が下降する際にノズル内部を満たしている配向液5を押し出すことにより、配向液5がノズル孔36を通して噴射される。再び圧電振動子が上昇する際に配向液5がノズル内部に供給される。このような過程を繰り返すことによって、インクジェットヘッド30は所定時間の間、所定量の配向液5を噴射する。この時、インクジェットヘッド30または印刷台70は互いに相対的に移動しながら、基板1上に形成されている複数のパネル2ごとに配向膜20を形成する。
【0021】
印刷台70は基板1を支持し、基板1を搭載して固定できるように、真空チャックを含むのが好ましい。
インクジェットヘッド30の整列装置83は、印刷台70のいずれか一側に設置されている整列板41および整列板41と所定距離離間して設置されている確認用紙80を含む。
【0022】
整列板41は印刷台70の側面に取り付けられており、整列板41には複数の孔41aが形成されている。インクジェットヘッド30を理想的に整列する場合のノズル孔36の位置を基準位置とする場合、整列板41に形成される孔41aは、インクジェットヘッド30のノズル孔36の基準位置と対応する位置に形成されている。
孔41aの数はノズル孔36の数と同一であり、孔41aの直径(r2)はノズル孔36の直径(r1)より大きいのが好ましい。これは、ノズル孔36を通して噴射された配向液5が孔41aを通過することを容易にするためである。ノズル孔36の直径は約70μmであり、孔41aの直径は、ノズル孔36の直径より大きい70〜300μmに設定することが好ましい。孔41aの周囲41bは、整列板41の他の部分より高く上がっている。これは、整列板41に滴下された配向液5が孔41aの入口を塞ぐことを防止するためである。
【0023】
整列板41の厚さは0.5〜2mmであることが好ましい。これは、整列板41の厚さが0.5mmより小さいと整列板41が曲がり易くなり、2mmより大きい場合には孔41aの厚み方向の長さがくなり、孔41a内部側面の表面張力によって配向液5が孔41aを通過せずに滞留するおそれがある。
確認用紙80は、整列板41と所定の距離だけ離間して整列板41下に設置されている。確認用紙80上には、整列板41の孔41aを通過した配向液5が滴下される。
【0024】
前述したインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置を利用したインクジェットヘッドの整列方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図4及び図5は、それぞれ本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法によってインクジェットヘッドを整列板の上に配置させた状態の平面図及び側面図であり、図6及び図7は、それぞれ本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法によってインクジェットヘッドから配向液を噴射して、配向液が孔を通過するようにする状態の側面図及び斜視図である。
【0025】
図4及び図5に示したように、まず、インクジェットヘッド30または印刷台70を移動して、インクジェットヘッド30を整列板41上に配置する。そして、インクジェットヘッド30のノズル孔36と整列板41の孔41aの位置が対応するようにインクジェットヘッド30の位置を調節する。このとき、インクジェットヘッド30と整列板41とは、所定の距離(l)だけ離間するように配置されるものであり、この所定の距離(l)は1mmより小さくすることが好ましい。インクジェットヘッド30と整列板41との間の距離(l)が1mmより大きいと、配向液5の噴射が気体または異物の抵抗、その他の要因によって円滑に行われないおそれがある。
【0026】
次に、図6及び図7に示したように、インクジェットヘッド30のノズル孔36を通して配向液5を噴射する。この時、整列板41の孔41aを通過した配向液5は、確認用紙80上に滴下されて滴下点81を形成する。しかし、整列板41の孔41aを通過できなかった配向液5は確認用紙80上に滴下されないので、滴下点81が形成されない。
したがって、孔41aを通過できなかった配向液5を噴射したインクジェットヘッド30は誤整列されたわけであるので、そのインクジェットヘッド30の位置を新しく調節する。この時、インクジェットヘッド30に取り付けられているマイクロメーターのネジを回して、インクジェットヘッド30の位置を横方向または縦方向に約10μm単位で動かして、インクジェットヘッド30の位置を新しく調節する。
【0027】
前述の配向液5の噴射、確認用紙80による整列確認、及びインクジェットヘッド30の整列のような作業を繰り返して、全てのインクジェットヘッド30から噴射された配向液5が確認用紙80に滴下点81として形成されれば、インクジェットヘッド30が正確に整列されたこととなる。
図8には、本発明の他の実施形態によるインクジェット配向膜印刷装置の側面図が示されている。ここで、先に示された図面と同一の参照符号は、同一の機能をする同一の部材を指す。
【0028】
図8に示したように、本発明の他の実施形態によるインクジェット配向膜印刷装置は、インクジェットヘッド30、印刷台70、そしてインクジェットヘッド30の位置を整列するインクジェットヘッド30の整列装置63を含む。
インクジェットヘッド30の整列装置63は、印刷台70のいずれか一側に設置されている整列板41および整列板41と所定距離だけ離間して設置されている確認装置(60)を含む。確認装置(60)は、整列板41下に設置されている確認カメラ60を用いることができる。確認カメラ60は、整列板41の垂直下方に設置されず、印刷台70の方向に設置されている。確認カメラ60は、電荷結合素子(CCD)カメラであるのが好ましい。また、確認カメラ60は、整列板41の孔41aを通過して落ちる配向液5を観測する。
【0029】
図8のインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置を利用したインクジェットヘッドの整列方法について、以下で説明する。
図8に示したように、インクジェットヘッド30を整列板41上に配置させ、インクジェットヘッド30のノズル孔36を通して配向液5を噴射する。この時、整列板41の孔41aを通過した配向液5は確認カメラ60によって観測される。しかし、整列板41の孔41aを通過できなかった配向液5は、確認カメラ60によって観測されない。したがって、孔41aを通過できなかった配向液5を噴射したインクジェットヘッド30は誤整列されたわけであるので、そのインクジェットヘッド30の位置を新しく調節する。
【0030】
この時、インクジェットヘッド30の微細移動を制御することができる制御装置(示せず)を設置し、制御装置を確認カメラ60と連動させることによって、確認カメラで測定した配向液5の位置情報及び制御装置を用いて、インクジェットヘッド30の位置を調節することができる。
図9には、本発明の他の実施例によるインクジェット配向膜印刷装置の側面図が示されており、図10には、図9の整列板及びその上に滴下された配向液を示している。ここで、先に示された図面と同一の参照符号は、同一の機能をする同一の部材を指す。
【0031】
図9に示したように、本発明の他の実施例によるインクジェット配向膜印刷装置は、インクジェットヘッド30、印刷台70、そしてインクジェットヘッド30の位置を整列するインクジェットヘッド30の整列装置63を含む。インクジェットヘッド30の整列装置63は、印刷台70のいずれか一側に設置されている整列板42および整列板42と所定距離だけ離間して設置されている確認装置(60)を含む。
【0032】
整列板42は透明な材質であり、確認装置(60)は、整列板42の垂直下方に設置されている確認カメラ60である。整列板42を透明な材質で構成しており、確認カメラ60を用いて整列板42を下方から観察することにより、整列板42上に滴下された配向液5の位置情報を検出ことができる。
図9及び図10のインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置を利用したインクジェットヘッドの整列方法について、以下で説明する。
【0033】
図9及び図10に示したように、インクジェットヘッド30を整列板42上に配置し、インクジェットヘッド30のノズル孔36を通して配向液5を噴射する。透明な材質の整列板42上に滴下された配向液5の位置情報は、確認カメラ60によって確認することができる。
確認カメラ60によって認識された配向液5の位置情報をデータ化し、コンピュータなどの外部装置に貯蔵する。そして、配向液5の位置情報を用いて各々のインクジェットヘッド30の位置情報をデータ化する。配向液5の位置のうちのいずれか1つのインクジェットヘッド30(基準インクジェットヘッド)に対応する配向液5aの位置を、基準位置42a(図10で基準位置は点線で表示した)に設定する。この時、基準インクジェットヘッド30は最も右側に位置するインクジェットヘッド、最も左側に位置するインクジェットヘッドまたは中央に位置するインクジェットヘッドとすることができる。そして、基準インクジェットヘッド30を除いた他のインクジェットヘッド30の理想的な位置情報を算出し、それに基づいて、他のインクジェットヘッド30に対応する配向液5bの理想的な位置情報を算出する。
【0034】
他のインクジェットヘッド30に対応する配向液5bの位置が基準位置に合うことが確認された場合には、そのインクジェットヘッド30は正確に整列していると判断し、他のインクジェットヘッド30に対応する配向液5bの位置が基準位置と異なることが確認された場合には、そのインクジェットヘッド30は誤整列していると判断する。誤整列していると判断されたインクジェットヘッド30は、基準インクジェットヘッド30によって算出される他のインクジェットヘッド30の理想的な位置に合せて新しく配置する。
【0035】
図11には、本発明の他の実施形態によるインクジェット配向膜印刷装置の側面図が示されており、図12には、図11の整列板及びその上に滴下された配向液が示されている。ここで、先に示された図面と同一の参照符号は、同一の機能をする同一の部材を指す。
図11及び図12に示したように、本発明の他の実施例によるインクジェット配向膜印刷装置は、インクジェットヘッド30、印刷台70、そしてインクジェットヘッド30の位置を整列するインクジェットヘッド30の整列装置63を含む。インクジェットヘッド30の整列装置63は、印刷台70のいずれか一側に設置されている整列板43および整列板43と所定距離だけ離間して設置されている確認装置(60)を含む。
【0036】
ここで、整列板43の表面には複数の孔パターン43aが描かれている。この孔パターン43aは、インクジェットヘッド30のノズル孔36の基準位置と対応する位置に描かれている。基準位置は、インクジェットヘッド30を理想的に整列した場合のノズル孔36の位置を意味する。整列板43の表面は、孔パターン43aが消えないようにフッ素樹脂コーティング処理がなされることが好ましい。確認装置(60)は、整列板42の上側近傍に位置している確認カメラ60を採用することができる。確認カメラ60は、孔パターン43aと整列板43表面に滴下された配向液5の滴下位置とが一致するか否かを確認する。
【0037】
図11及び図12のインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置を利用したインクジェットヘッドの整列方法について、以下で説明する。
図11及び図12に示したように、インクジェットヘッド30を整列板43上に配置し、インクジェットヘッド30のノズル孔36を通して配向液5を噴射する。整列板43表面の孔パターン43aは、インクジェットヘッド30のノズル孔36の基準位置と対応する位置に描かれている。配向液5が整列板43の孔パターン43aに滴下されたか否かを、確認カメラ60を用いて確認する。この時、配向液5が孔パターン43aに一致する位置に滴下されたことを確認できた場合には、その配向液5を噴射したインクジェットヘッド30は正確に整列していると判断し、配向液5が孔パターン43aと外れた位置に滴下されたことを確認した場合には、その配向液5を噴射したインクジェットヘッド30は誤整列していると判断する。誤整列していると判断されたインクジェットヘッド30の位置は、孔パターン43aに合せて新しく配置する。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他実施例が可能であるという点を理解することができる。したがって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者のいろいろな変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列装置及びこれを含むインクジェット配向膜印刷装置の簡略な斜視図である。
【図2】図1のインクジェット配向膜印刷装置のインクジェットヘッド及び複数のノズル孔を示した図である。
【図3A】図1のインクジェット配向膜印刷装置の整列板の平面図である。
【図3B】図3AのIIIb-IIIb線に沿って切断して示した断面図である。
【図4】本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法によってインクジェットヘッドを整列板の上に配置させた状態の平面図である。
【図5】本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法によってインクジェットヘッドを整列板の上に配置させた状態の側面図である。
【図6】本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法によってインクジェットヘッドから配向液を噴射して、配向液が孔を通過するようにする状態の側面図である。
【図7】本発明の1実施形態によるインクジェットヘッドの整列方法によってインクジェットヘッドから配向液を噴射して、配向液が孔を通過するようにする状態の斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるインクジェット配向膜印刷装置の側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態によるインクジェット配向膜印刷装置の側面図である。
【図10】図9の整列板及びその上に滴下された配向液を示した図である。
【図11】本発明の他の実施例によるインクジェット配向膜印刷装置の側面図である。
【図12】図11の整列板及びその上に滴下された配向液を示した図である。
【符号の説明】
【0040】
1 基板
2 パネル
5 インキ
20 配向膜
30 インクジェットヘッド
36 ノズル孔
41、42、43 整列板
41a 孔
41b 孔の周囲
43a 孔パターン
60 確認カメラ
70 印刷台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が搭載される印刷台のいずれか一側に設置されている整列板と、
前記整列板と所定距離だけ離間して設置されている確認装置と、
を含む、インクジェットヘッドの整列装置。
【請求項2】
前記整列板には複数の孔が形成されている、請求項1に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項3】
前記インクジェットヘッドには、前記配向液を噴射するための複数のノズル孔が形成されている、請求項2に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項4】
前記孔は、前記インクジェットヘッドのノズル孔の基準位置と対応する位置に形成されている、請求項3に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項5】
前記孔の数は前記ノズル孔の数と同一である、請求項3に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項6】
前記孔の直径は前記ノズル孔の直径より大きい、請求項3に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項7】
前記孔の直径は70〜300μmである、請求項6に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項8】
前記整列板の厚さは0.5〜2mmである、請求項1に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項9】
前記整列板は前記印刷台の側面に取り付けられている、請求項1に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項10】
前記確認装置は、前記整列板の下に設置されている確認用紙である、請求項2に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項11】
前記確認装置は、前記整列板の下に設置されている確認カメラである、請求項2に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項12】
前記確認カメラは、前記孔を通過して落ちた配向液を確認する、請求項11に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項13】
前記整列板は透明な材質である、請求項1に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項14】
前記確認装置は、前記整列板の垂直下方に設置されている確認カメラである、請求項13に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項15】
前記確認カメラは、前記配向液の滴下位置を確認する、請求項14に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項16】
ある1つのインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を基準位置に設定し、前記基準位置を基準に、他のインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を確認して前記他のインクジェットヘッドを整列する、請求項15に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項17】
前記整列板は、その表面に複数の孔パターンが描かれている、請求項1に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項18】
前記孔パターンは、前記インクジェットヘッドのノズル孔の基準位置と対応する位置に描かれてある、請求項17に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項19】
前記整列板の表面はフッ素樹脂コーティング処理されている、請求項18に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項20】
前記確認カメラは、前記孔パターンと前記整列板の表面に滴下された配向液の滴下位置が一致するか否かを確認する、請求項17に記載のインクジェットヘッドの整列装置。
【請求項21】
印刷台のいずれか一側に取り付けられている整列板の上にインクジェットヘッドを整列させる段階と、
前記インクジェットヘッドから前記整列板へ配向液を噴射する段階と、
前記配向液が、前記整列板に形成された複数の孔を通過したか否かを確認する段階と、
前記孔を通過しなかった配向液を噴射したインクジェットヘッドの位置を調整する段階と、
を含む、インクジェットヘッドの整列方法。
【請求項22】
前記整列板の下に位置する確認用紙に前記配向液が滴下されたか否かによって、前記配向液が前記孔を通過したか否かを判断する、請求項21に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項23】
前記整列板の下に位置する確認カメラによって、前記配向液が前記孔を通過したか否かを判断する、請求項21に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項24】
印刷台の側面に取り付けられている整列板の上にインクジェットヘッドを整列させる段階と、
前記インクジェットヘッドから前記整列板へ配向液を噴射する段階と、
前記配向液の滴下位置を確認カメラを用いて確認する段階と、
前記確認された配向液の滴下位置を用いてインクジェットヘッドの位置を調整する段階と、
を含む、インクジェットヘッドの整列方法。
【請求項25】
前記整列板は透明材質である、請求項24に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項26】
前記確認カメラは、前記整列板の上側傍で前記配向液の滴下位置を確認する、請求項24に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項27】
ある1つのインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を基準位置に設定し、前記基準位置を基準に、他のインクジェットヘッドに対応する配向液の位置を確認して前記他のインクジェットヘッドを整列する、請求項26に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項28】
印刷台の側面に取り付けられている整列板の上にインクジェットヘッドを整列させる段階と、
前記インクジェットヘッドから前記整列板へ配向液を噴射する段階と、
前記配向液が前記整列板の孔パターンに滴下されたか否かを、確認カメラを用いて確認する段階と、
前記整列板の孔パターンに前記配向液を噴射していないインクジェットヘッドの位置を調整する段階と、
を含む、インクジェットヘッドの整列方法。
【請求項29】
前記孔パターンは前記整列板の表面に描かれている、請求項28に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項30】
前記孔パターンは、前記インクジェットヘッドのノズル孔の基準位置と対応する位置に描かれている、請求項29に記載のインクジェットヘッドの整列方法。
【請求項31】
基板上に配向液を噴射して配向膜を形成する複数のインクジェットヘッドと、
前記基板を搭載する印刷台と、
前記印刷台のいずれか一側に設置されている整列板と、
前記整列板と所定距離だけ離間して設置されている確認装置と、
を含む、インクジェット配向膜印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−34300(P2007−34300A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200933(P2006−200933)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】