説明

インクジェット印刷のための記録材料

インクジェットプリンターで印刷可能でありかつそのためにゲル層を有する記録材料の製造法において、a)重縮合又は重付加物形成により化学架橋可能である有機ゲル形成体の分散液又は溶液で支持体を被覆し、b)引き続き、ゲル形成を重縮合又は重付加物形成により生じさせ、かつc)ゲルを最終的に乾燥させることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンターで印刷可能でありかつそのためにゲル層を有する記録材料の製造法において、
a)重縮合又は重付加物形成により化学架橋可能である有機ゲル形成体の分散液又は溶液で支持体を被覆し、
b)引き続き、ゲル形成を重縮合又は重付加物形成により生じさせ、かつ
c)ゲルを最終的に乾燥させる
ことを特徴とする方法に関する。
【0002】
更に、本発明は、インクジェット印刷のための、前記方法により得られる基材、特に紙に関する。
【0003】
インクジェット印刷の際、インクは貯蔵容器から印刷すべき基材に施与され;「オンデマンド(drop on demand)」方式の場合には貯蔵容器が移動してインクは所望の箇所で施与され、「コンティニュアス(continuous drop)」方式の場合には連続的なインクジェットが基材までの行路で例えば静電荷により偏向され、それによって、基材上に文字が所望の箇所に所望の形状及び色で生じる。
【0004】
インクジェット印刷のための紙は一般に多層構造である。原紙上には、インクが原紙に拡散するのを防ぐバリア層が存在する。バリア層の後にはインク受容層が続く。インク受容層のみで印刷インクを吸収する。高画質のためには、出来る限り多くのインクが吸収され得なければならない。同時に、印刷工程及び引き続く乾燥に要する時間は出来る限り短いのが望ましい。
【0005】
従って、画質、及び印刷工程の時間は、実質的にインク受容層の特性によって決定づけられる。従来、インク受容層は通常、印刷インクの吸収のために無機顔料を含有している。Journal of Sol-Gel Science and Technology 13, 147-152(1998)には、例えばコロイダルシリケート又はアルミナからなるインク受容層が記載されている。顔料はバインダーとしてのポリビニルアルコールと結合し、固化して多孔質の三次元構造(ゲル層)となる。
【0006】
インクジェット印刷用紙はその複雑な層構造に基づき、及び特に無機顔料の高い含分に基づき、比較的高価である。
【0007】
この種の紙は、無機顔料を使用した場合、より廉価な原紙によって明らかに廉価になり得る。しかしながら、紙の特性は出来るだけ損なわれないのが望ましい。従って、無機顔料なしであっても、印刷適性、特に印刷速度及び乾燥速度並びに画質が高い要求を満足するのが望ましい。
【0008】
有機ポリマーからなるインク受容層も既に記載されている。US6,265,059によれば、乳化重合体が凝固してインク受容層が形成される。EP−A191645には、インク受容層の形成のための酸性及び塩基性のポリマーからの錯形成が記載されている。
【0009】
EP−A1020300には、乾燥してゲルとなる2種のポリマーの混合物が記載されている。
【0010】
JP−A7081211は、要約によれば、水溶性ポリマー、例えばポリアクリル酸又はポリアクリルアミドの放射線照射によるインク受容層の製造に関する。
【0011】
従来、有機ポリマーを用いて得ることのできていたインク受容層のうち、満足のいく特性レベルに達するものは存在しない。
【0012】
本発明の課題は、インク受容層中の無機顔料の含分を低減してよいか又はこの種の顔料を全く使用しなくてもよいインクジェット印刷のための記録材料の製造法であり、その際、紙の良好な応用技術的特性はできるだけ維持されるのが望ましい。
【0013】
それに応じて、冒頭に定義された方法が見出された。また、前記方法により得ることができる記録材料並びにインクジェット印刷のための該記録材料の使用も見出された。
【0014】
方法工程a)に関して
支持体として、任意の基材を使用することができるが、有利にセルロース含有基材、特に原紙、特に有利に、少なくとも被覆すべき面に例えばポリエチレンからなるバリア層が設けられた原紙である。バリア層はインクが原紙に浸透するのを防ぐ。両面にバリア層が設けられた原紙は特に有利である。
【0015】
ゲル形成体は溶剤中に溶解又は分散される。溶剤として、水又は有機溶剤、特に、1バールで250℃未満の沸点を有する有機溶剤が該当する。水、水と混和可能な有機溶剤及び水と前記溶剤との任意の割合での混合物は特に有利である。水は特に有利である。ゲル形成体の水溶液は極めて特に有利である。
【0016】
ゲルは、空間的なネットワークと、このネットワークの間隙を少なくとも部分的に満たす液体とからなる。本発明の本質的な特徴は、この空間的ネットワークが重縮合及び/又は重付加により有機ゲル形成体から形成されるという点にある。
【0017】
液体は、有利に上記溶剤、特に水である(ヒドロゲル)。
【0018】
ゲル形成体として、重付加又は重縮合により化学架橋可能な有機化合物が該当する。
【0019】
この場合、重縮合は水が脱離される化学反応であると解釈される。付加物形成の際には、反応パートナーは水又はその他の化合物の脱離なしに反応する。
【0020】
重付加物形成の例は、ポリイソシアナート重付加生成物、特に、ポリイソシアナートとヒドロキシル基又はアミノ基含有化合物とを適当な有機溶剤中で反応させることにより得られるポリウレタンである(ソルボゲル)。
【0021】
適当なポリイソシアナート重付加生成物は、例えばDE102005025970.7及び該刊行物に引用されている従来技術から公知である。三次元ネットワークの形成のために、ポリイソシアナートの官能価(つまり1分子当たりのイソシアナート基の平均数)又はイソシアナートと反応性の化合物の官能価(つまり1分子当たりのヒドロキシル及びアミノ基の平均数)が2を上回る、有利に2.3を上回る、特に有利に2.8を上回るのが望ましい。
【0022】
本発明の範囲内で、重縮合により形成されるゲルは有利である。
【0023】
特に、有機ゲル形成体は、芳香族ヒドロキシル化合物とアルデヒドとからの化合物(フェノール−アルデヒド樹脂)、又は、アミノ化合物とアルデヒドとからの化合物(アミノ−アルデヒド樹脂)である。
【0024】
フェノール−アルデヒド樹脂は有利に、低分子アルデヒド(有利に200g/モル未満、特に100g/モル未満の分子量)と、少なくとも1個のヒドロキシル基により、及び場合によりアルキル基により置換されている有利に1つのみの芳香環からなる低分子芳香族ヒドロキシル化合物(有利に200g/モル未満、特に150g/モル未満の分子量)との反応生成物である。アルデヒドは、有利に、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド又はフルフラール、特に有利にホルムアルデヒドである。芳香族ヒドロキシル化合物は、有利にフェノール又はクレゾールである。
【0025】
アミノ−アルデヒド樹脂は有利に、低分子アルデヒド(有利に200g/モル未満、特に100g/モル未満の分子量)と、少なくとも2個の1級アミノ基を含有する低分子アミノ化合物(有利に200g/モル未満、特に150g/モル未満の分子量)との反応生成物である。アルデヒドは、有利に、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド又はフルフラール、特に有利にホルムアルデヒドである。アミノ化合物は、有利に尿素又はメラミンである。
【0026】
フェノール−アルデヒド樹脂及びアミノ−アルデヒド樹脂は、有利に溶液、特に水溶液である。従って、上記化合物からの反応生成物はまだ架橋されていないか、又は、反応生成物がなおも水中で(20℃、1バールで)可溶性である場合に限って架橋されている。
【0027】
アミノ−アルデヒド樹脂は極めて特に有利である。アルデヒド基とアミノ基の反応性水素原子(1級アミノ基は2つの反応性H原子を有する)とのモル比は、アミノ基1モルに対して、アルデヒド、有利にホルムアルデヒドが、有利に0.08〜2モルである。
【0028】
樹脂は他の化合物と反応されてよい。特に、ホルムアルデヒドとの反応の際に生じるメチロール基とエーテル化し得るアルコールが該当する。このアルコールは、後々の架橋の際、メチロール基ないしエーテル化されたメチロール基の更なる反応により脱離される。
【0029】
適当なアミノ−ホルムアルデヒド樹脂は、例えばBASF社からKaurite(R)、Kauramine(R)及びLuwipale(R)として入手可能である。
【0030】
樹脂溶液又は樹脂分散液の固体含分は有利に2〜50質量%であり、その際、溶液又は分散液の粘度は5000mPas未満、特に1000mPas未満である。
【0031】
ゲル形成体の分散液又は溶液は、ゲル形成体自体の他に、更に他の添加剤を含有してよい。例えば、ゲル形成体を支持体へより良好に分配しかつ同時に被覆を生じ得る湿潤剤が該当する。例えば、基材上の表面張力を低減させるフルオロ界面活性剤が挙げられる。湿潤剤の量は、ゲル形成体(乾燥、溶剤なし)100質量部に対して有利に0.1〜3質量部である。更に、乾燥された被覆の後々の孔径に影響を与える添加剤が挙げられる。特に、ラテックス粒子、有機又は無機顔料、有機溶剤、イオン性及び非イオン性界面活性剤等が挙げられる。更に、特に、方法工程b)において生じるゲル形成を開始又は促進する触媒が挙げられる。触媒の種類に関する記載を以下の章に示す。
【0032】
方法工程b)に関して
引き続き、化学架橋によりゲル形成が生じる。ゲルへの化学架橋は、温度上昇により、高エネルギー光の照射により、pH値の変化により、又は触媒の添加により、又は前記方法の組合せにより生じさせることができる。
【0033】
ポリイソシアナート重付加生成物の場合、付加反応は、有機錫化合物又は有機チタン化合物により触媒されることができる。請求項1から9までのいずれか1項記載の方法は、化学架橋が、温度上昇、触媒の添加により、又は温度上昇と触媒の添加とにより生じることを特徴とする。
【0034】
アミノ−アルデヒド樹脂の場合、架橋、つまりメチロール基ないしエーテル化されたメチロール基の相互の更なる反応、又は、メチロール基ないしエーテル化されたメチロール基とアミノ基との更なる反応は、例えば硫酸又はギ酸により触媒される。架橋は有利に30〜100℃の温度で行われる。
【0035】
適当なゲル構造の形成のために、架橋と同時に十分な乾燥が行われることは回避されるのが望ましい。架橋反応の間のゲルの乾燥を、高い空中湿度によって防ぐことができる。従って有利に、化学架橋は少なくとも部分的に、特に架橋反応の終了頃に、少なくとも50%、特に有利に少なくとも70%の相対空中湿度下で行われる。
【0036】
二段階の工程は特に有利であり、その際、化学架橋は、第一の工程で、この第一の工程後に部分的に架橋されたポリマーがなおも溶液又は分散液で存在する場合に限ってのみ実施され、この場合、粘度は有利に5000mPa*s未満である。第二の架橋工程(最終架橋)は、有利に上記の相対空中湿度で行われる。
【0037】
特に、ゲル形成体の架橋の後に得られる被覆は、最終的な乾燥の前に、空中湿度下で、架橋されたゲル形成体(ゲル)と溶剤とからの質量の合計に対して、なおも少なくとも10質量%の溶剤、特に有利になおも少なくとも20質量%の溶剤を含有するのが望ましい;
方法工程c)に関して
架橋及びそれに結びつくゲルの形成の終了後に、乾燥を行うことができる。溶剤、特に水を除去するための慣用の乾燥法を適用することができる。有利に、熱的又は赤外線技術による方法が用いられる。
【0038】
適当な乾燥温度は例えば30〜100℃である。
【0039】
乾燥の際、溶剤(水)は通常完全に除去されるか、又は、ゲルと場合により残存溶剤とからの質量の合計に対して3質量%未満、特に0.5質量%未満、特に有利に0.1質量%未満の残含分にまで除去される。
【0040】
有利に、最終的に得られたゲルは細孔を有する。印刷可能な基材としての使用のために、特に、10μm未満の直径を有する小細孔が重要である。前記小細孔の直径は特に10nm〜1μmの範囲内である。
【0041】
前記小細孔の割合は、(20℃で)有利に少なくとも10体積%、特に有利に少なくとも20体積%であるが、この割合は一般に70体積%未満である。この場合、体積%表記は、多孔質ゲルないし乾燥後の多孔質ゲル層の全体積に関する。
【0042】
細孔のサイズ及び体積割合は、DIN66133による水銀圧入法により測定される。この場合、水銀はゲルの試料内に圧入される。小細孔はHgでの充填のために大細孔よりも高い圧力を必要とし、相応する圧力/体積−線図から孔径分布を決定することができる。
【0043】
ゲルの密度は有利に500g/dm3〜1200g/dm3(20℃)である。
【0044】
乾燥されたゲル層の厚さは有利に1〜50μmである。
【0045】
ゲル層は、架橋されたゲル形成体の他に、他の成分を含有してよい(上記を参照のこと)。しかしながら、顔料、特に無機顔料の含分は、本発明の範囲内で、満足のいく、又は良好な応用技術的特性を達成するためには必要でない。従って、顔料の含分は、ゲル層(乾燥)の全成分の合計に対して、特に40質量%未満、特に有利に20質量%未満、特に10質量%未満である。極めて特に有利に、顔料の含分は、ゲル層(乾燥)の全成分の合計に対して、5質量%未満、特に2質量%未満である。特に有利な実施態様において、ゲル層中の顔料は完全に省略される。
【0046】
ゲル層(乾燥)は、特に50質量%を上回って、特に有利に70質量%を上回って、極めて特に有利に90質量%を上回って、ないし95質量%を上回って、架橋されたゲル形成体から、有利に重付加又は重縮合により架橋されたゲル形成体からなり、その際、該ゲル形成体は特に上記で定義されたフェノール−アルデヒド樹脂又はアミノ−アルデヒド樹脂である。
【0047】
使用に関して
本発明による方法により得られる記録材料は印刷可能であり、特にインクジェットプリンターで印刷可能である。特に有利に、上記のゲル層は前記記録材料においてインク受容層として機能する。
【0048】
特に有利に、インク受容層は、重縮合又は重付加により架橋されたゲルから形成される。
【0049】
極めて特に有利に、インク受容層は、架橋されたフェノール−アルデヒド樹脂又はアミノ−アルデヒド樹脂から形成される。
【0050】
特にインクジェット印刷のための記録材料は、有利に以下:
a)場合により、例えばポリエチレンからなるバリア層(原紙の裏面)、
b)原紙、
c)例えばポリエチレンからなるバリア層(原紙の表面)、
d)インク受容層としての本発明によるゲル層、
e)場合により、インクを定着させるための、付着層、中間層としての、他の非多孔質又は多孔質層、
f)場合により、層を汚れ、引掻き、摩耗等から保護するための、表面光沢を調節するための、滑り特性を調節するための、顔料インク等の付着を改善するための、多孔質カバー層
の層構造を有しており、その際、a)〜f)の層の順序は空間的配置に相応する。
【0051】
記録材料は特にインクジェットプリンターによる印刷に適している。本発明によるゲル層を用いた場合、前記基材において、無機顔料を十分に又は完全に省略することができ;同時に、極めて良好な印刷品質が達成される。
【0052】
実施例
実施例1
1000mlガラスビーカー中で、メラミン/ホルムアルデヒド=1/1.5のモル比のメラミン−ホルムアルデヒド縮合物の溶液を、二回蒸留された水と共に、39.9質量%の低粘度溶液として調製した。前記溶液30mlを37質量%HCl 8.2g及びZonyl(R)(Du Pont社のフルオロ界面活性剤)100μlと混合し、強力に混和した。反応溶液を引き続き約15分間水浴中で60℃に調温し、蜂蜜様の粘度に達したところで、ハンドブレード(Handrakel)を用いて、PEで被覆された原紙上に100μmの膜厚で塗布した。ブレード塗布後直ちに、ゲルで被覆された紙を、約60℃で空中湿度60%で180分間エージングさせた。その後、紙を乾燥棚中に置き、85℃で120分間乾燥させた。このように被覆された紙をCanon社製プリンターを用いて印刷したところ(プリンター設定:写真用紙、最高の印刷品質)、良好なインク吸収及び良好な印刷画像が示された。
【0053】
実施例2
1000mlガラスビーカー中で、メラミン/ホルムアルデヒド=1/1.5のモル比のメラミン−ホルムアルデヒド縮合物の溶液を、二回蒸留された水と共に、36質量%の低粘度溶液として調製した。前記溶液30mlをギ酸3g及びZonyl(R)(Du Pont社のフルオロ界面活性剤)100μlと混合し、強力に混和した。反応溶液を引き続き100分間水浴中で80℃に調温し、引き続き、ハンドブレード(Handrakel)を用いて、PEで被覆された原紙上に100μmの膜厚で塗布した。ブレード塗布後直ちに、ゲルで被覆された紙を、約50℃で空中湿度75%で110分間エージングさせた。その後、紙を室温で放置し、乾燥させた。このように被覆された紙をHewlett Packer社製インクジェットプリンター(HP2300)を用いて印刷したところ(プリンター設定:写真用紙、最高の印刷品質)、シリケート被覆をベースとする従来の写真用紙と比較して良好なインク吸収及び良好な印刷画像が示された(「標準紙」の欄を参照のこと)。
【0054】
以下の値は印刷画像を表す:
【表1】

【0055】
細孔の体積割合
細孔の体積割合をDIN66133による水銀圧入法により測定した。実施例2により得られた本発明により被覆された紙は、被覆されていない原紙と比較して、1μm未満の直径を有する細孔の高い体積割合を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンターで印刷可能でありかつそのためにゲル層を有する記録材料の製造法において、
a)重縮合又は重付加物形成により化学架橋可能である有機ゲル形成体の分散液又は溶液で支持体を被覆し、
b)引き続き、ゲル形成を重縮合又は重付加物形成により生じさせ、かつ
c)ゲルを最終的に乾燥させる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
ゲル形成体が、重縮合により架橋可能な化合物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
有機ゲル形成体が、芳香族ヒドロキシル化合物とアルデヒドとからの化合物(フェノール−アルデヒド樹脂)、又は、アミノ化合物とアルデヒドとからの化合物(アミノ−アルデヒド樹脂)である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ゲル形成体が、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、特に尿素−ホルムアルデヒド樹脂又はメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂がアミノ基1モル当たり0.08〜2モルのホルムアルデヒドのホルムアルデヒド含分を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ゲル形成体の分散液又は溶液が、水、水と混和可能な有機溶剤又はその混合物を溶剤として含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
分散液又は溶液が、他の添加剤、例えば湿潤剤、又は、乾燥された被覆の後々の孔径に影響を与える添加剤を含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
支持体が、セルロース含有支持体材料、有利に、例えばポリエチレンからなるバリア層で被覆されている紙である、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
化学架橋を、温度上昇により、高エネルギー光の照射により、pH値の変化により、又は触媒の添加により、又は前記方法の組合せにより生じさせる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
化学架橋を、少なくとも部分的に、30〜100℃の温度で、少なくとも50%の相対空中湿度で行う、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
化学架橋を2つの工程で実施し、その際、ゲル形成体を分散液又は溶液中でまず前架橋させ、最終架橋を少なくとも50%の相対空中湿度で行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
ゲル形成体の架橋の後に得られた被覆が、最終的な乾燥の前に、架橋されたゲル形成体(ゲル)と溶剤とからの質量の合計に対して、なおも少なくとも10質量%の溶剤(例えば水)を含有する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
ゲルが、乾燥後に、10μm未満の直径を有する細孔を、ゲル層の全体積に対して少なくとも10体積%含有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
乾燥されたゲル層の厚さが1〜50μmである、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の方法により得られる記録材料。
【請求項16】
インク受容層として、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法により得られるゲル層を有する、インクジェット印刷のための記録材料。
【請求項17】
インク受容層として、重縮合又は重付加により架橋されたゲルを有する、インクジェット印刷のための記録材料。
【請求項18】
インク受容層として、架橋されたフェノール−アルデヒド樹脂又はアミノ−アルデヒド樹脂を有する、インクジェット印刷のための記録材料。
【請求項19】
インクジェット印刷のための記録材料において、該記録材料が、以下:
a)場合により、例えばポリエチレンからなるバリア層(原紙の裏面)、
b)支持体材料としての原紙、
c)例えばポリエチレンからなるバリア層(原紙の表面)、
d)インク受容層ないし請求項17又は18記載のインク受容層としての、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法により得られるゲル層、
e)場合により、インクを定着させるための、付着層、中間層としての、他の非多孔質又は多孔質層、
f)場合により、層を汚れ、引掻き、摩耗等から保護するための、表面光沢を調節するための、滑り特性を調節するための、顔料インク等の付着を改善するための、多孔質カバー層
の通りに構成されており、その際、a)〜f)の層の順序は空間的配置に相応していることを特徴とする記録材料。
【請求項20】
インクジェット印刷のための、請求項1から19までのいずれか1項記載の記録材料の使用。
【請求項21】
インクジェットプリンターを用いた記録材料の印刷法において、請求項1から19までのいずれか1項記載の記録材料を使用することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−518201(P2009−518201A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543788(P2008−543788)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069108
【国際公開番号】WO2007/065841
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(591010561)フェリックス シェラー ユニオール フォト― ウント スペチアルパピーレ ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (8)
【氏名又は名称原語表記】Felix Schoeller jr. Foto−und Spezialpapiere GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】