説明

インクジェット又はプリントヘッドの交換を改善する方法及びシステム

【課題】最大印刷幅の範囲に配列された多数のプリントヘッドを有するインクジェット画像形成システムにおいて、ターゲットプリントヘッド中の欠陥インクジェットを補償するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】最大印刷幅以下の基準印刷幅を画定し、基準印刷幅外側のマージン領域に位置したプリントヘッドでターゲットプリントヘッドを代替することを含む。このシステム及び方法は、マージンプリントヘッド中の欠陥インクジェットの位置が、ターゲットプリントヘッドに隣接したプリントヘッド中の欠陥インクジェットに一致又は整列しない場合、欠陥インクジェットをもつマージンプリントヘッドでターゲットプリントヘッドを代替することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、一般にプリントヘッド又はインクジェットから画像基板にインクを吐出する画像形成装置に関係し、特に、画像形成装置におけるインクジェット又はプリントヘッドの交換に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷済み媒体を生成するオンデマンド型インクジェット技術が、プリンタ、プロッタ、及びファクシミリ装置などの製品で使用されている。一般的に、インクジェット画像は、プリントヘッド又はプリントヘッドアッセンブリに配置された多数の粒子発生器又はインクジェットから選択的にインク粒子を吐出することにより、画像基板に形成される。インクジェット活性のタイミングは、インクジェットにインクを吐出させる発射信号を発生するプリントヘッドコントローラにより制御される。画像基板は、後にインク画像を紙等の印刷媒体へ転写するプリントドラムやベルト等の中間画像部材であり得る。画像基板は、また、インク粒子が直接吐出される印刷媒体の移動ウエブ又は印刷媒体のシートであり得る。インクジェットから吐出されるインクは、プリンタ内に装着される容器に貯蔵された水性、溶剤、油性、紫外線硬化性インクなどの液体インクであり得る。あるいは、インクは、溶解器へ送られる固体状で搭載されるものでもよい。溶解器は、固体インクをその溶解温度まで加熱して、プリントヘッドへ供給される液体インクを発生する。
【0003】
各種のインクジェットが、プリントヘッドの製造及び組み立て中に導入され得る。その種類は、インクジェットノズル口径、チャンネル幅又は長さといった物理的特性の違い、あるいは、インクジェットに関する熱的又は機械的活性能力といった電気的特性の違いを含む。これら種類の違いは、同じ振幅又は同じ周波数の発射信号に応じてインクジェットから吐出されたインクであっても異なる体積を生じ得る。これらの違いを補償するべく既知のプリンタのいくつかは、プリントヘッド内の各インクジェットに対する発射信号を標準化するプロセスを実行する。すなわち、個々のインクジェットの活性化に使用される電気発射信号の標準化により、プリントヘッド内の全インクジェットは、ほぼ同じ粒子量を有するインク粒子を発生することが可能になる。場合によっては、インクジェットが較正又は標準化されず、均一ではないインク粒子を生成し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタの動作中に生じる別の問題が、間欠的な、弱い、又は欠落したインクジェットである。すなわち、いくつかのインクジェットが完全に又は部分的に故障し、期待通りに画像基板にインクを吐出しなくなる。このようなインクジェットに対する補償方法の1つは、異常インクジェットを無効にし、周囲のインクジェットを使用して、欠落した、間欠的な、又は弱いインクジェットを補償することである。無効インクジェットにより行われるべき印刷は、1以上の追加画像基板パスで1以上の周囲のインクジェットにより実行される。したがって、このアプローチは、追加画像基板パスが要求されるので印刷プロセスが遅くなる。別のアプローチでは、第2の又はバックアッププリントヘッドを媒体に対し横方向にシフトさせ、正常に機能するインクジェットを処理方向に沿って欠陥インクジェットに整列させる。また別のアプローチでは、部分的なノズルの冗長が故障ノズルを相殺するために使用される。このアプローチの場合、隣接ノズルに関する通常吐出出力が増やされ、故障ノズルにより印刷されるべき画素が、以前のブランク画素において隣接ノズルにより印刷される。これらのアプローチは欠陥インクジェットの一時的回避であり、欠陥インクジェット又はプリントヘッドの交換は依然として必要である。
【0005】
欠陥インクジェット又はプリントヘッドの交換は、相当な中断時間を要する。固体インク印刷装置用の新しいプリントヘッドは、装置動作温度まで上昇させるだけでなく適切に機能するよう十分に暖機するために、暖機時間を必要とする。適切に暖機しなければ、プリントヘッドのジェット間欠欠落を招き得る。この現象は、インク内部に相転移及び体積変化を起こさせ得る。インク内のこの変化は、パージ(除去)を要し得る泡及び空隙をプリントヘッド内の溶融インクに生成し得る。しかしながら、数回のパージサイクルで常に空気の泡又は空隙が除去されるわけではない。さらに、インクがその動作温度へ上昇した後であっても、十分な時間この温度が維持されないと泡及び空隙が発生することがあり、ジェットを欠落する結果を招く。したがって、現在のプラクティスは、印刷装置をオンラインに立ち上げるまでに、新しく装着した交換プリントヘッドのための相当な暖機時間と、続く1以上のパージサイクルを実施することになる。これは、とりわけ多数のプリントヘッドを有する印刷装置にとって、数分間の中断時間を招き得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に説明する態様によれば、最大印刷幅の範囲に配列された多数のプリントヘッドを有するインクジェット画像形成システムにおけるターゲットプリントヘッド中の欠陥インクジェットに対する補償方法が提供される。この方法は、前記最大印刷幅以下の基準印刷幅を画定し、前記欠陥インクジェットを有するターゲットプリントヘッドが前記基準印刷幅内に位置するかどうかを決定し、位置していれば、マージン領域に位置し前記基準印刷幅の外側又は部分的に外側にあるプリントヘッドで前記ターゲットプリントヘッドを代替することを含む。
【0007】
別の態様では、多数のプリントヘッドを有するインクジェット画像形成システムにおけるターゲットプリントヘッド中の欠陥インクジェットに対する補償方法は、前記ターゲットプリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定し、前記ターゲットプリントヘッドと代替する代替プリントヘッドを選択し、当該隣接プリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定するために前記代替プリントヘッドに連続して隣接するプリントヘッドを評価し、前記ターゲットプリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置を前記隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置と比較し、そして前記ターゲットプリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置が前記隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットに対して前記インクジェット画像形成システムの処理方向に沿って整列していなければ、前記ターゲットプリントヘッドを前記代替プリントヘッドで代替することを含む。
【0008】
開示されるインクジェット画像形成システム用の印刷ステーションは、それぞれ多数のインクジェットを有し、最大印刷幅を横切って配列された多数のプリントヘッドと、情報を表示するディスプレイを有すると共に、前記最大印刷幅以下の基準印刷幅及び該基準印刷幅外側のマージン領域を画定し、欠陥インクジェットをもつターゲットプリントヘッドを認定して該ターゲットプリントヘッドが前記基準印刷幅内に位置するかどうかを決定し、位置していれば、前記ターゲットプリントヘッドと代替するべき前記マージン領域内のマージンプリントヘッドを認定し、前記ターゲットプリントヘッド及び該ターゲットプリントヘッドと代替すべき前記マージンプリントヘッドを認定するインジケータを前記ディスプレイに提供するように、前記多数のプリントヘッドの動作を制御するよう構成されたコントローラと、を含んで構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、装置内でプリントヘッドを通過して移動する媒体としての、媒体の連続ウエブにインクを吐出するインクジェット画像形成装置の概略図である。
【図2】図2は、図1に示した装置のような画像形成装置に関するプリントヘッド構成の概略図である。
【図3】図3は、欠陥プリントヘッドに対する代替位置を決定する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、インクジェット画像形成システム5が示されている。本開示の目的のために、画像形成装置は、1以上のインクジェットプリントヘッド及び関連付けられた固体インクサプライを使用するインクジェットプリンタの形態とする。例示的なダイレクトシート型、連続媒体型、相変化型のインクジェット画像形成装置5は、ウエブローラ8上に装着された媒体のスプロール10のような媒体源から、「基板」(紙、プラスチック、又はその他の印刷可能材料)の媒体Wの長い(すなわち、実質的に連続の)ウエブを供給するように構成された媒体供給及び操作システムを含む。片面印刷用に、プリンタは、フィードローラ8、媒体コンディショナ16、印刷ステーション20、印刷済みウエブコンディショナ80、コーティングステーション95、及び巻き戻しユニット90を含み得る。両面印刷用に、ウエブインバータ(WEB INVERTERR)が、ウエブを裏返して媒体の第2面を印刷ステーション20へ提供するために使用され得る。片面動作において、媒体源10は、プリンタを通して媒体を進行させるローラの幅を実質的にカバーする幅をもつ。
【0011】
媒体は媒体源10から必要に応じ引き出され、1以上のローラを回転する図示せぬ各種のモータにより前進させられ得る。メディアコンディショナは、ローラ12及びプリヒータ18を含む。ローラ12は、プリンタを通る経路に沿って媒体が移動するとき、引き出された媒体のテンションを制御する。代案の実施形態では、媒体は、カットシートの形態で経路に沿って搬送され得る。この場合の媒体供給及び操作システムは、画像形成装置を通る意図した経路に沿ってカット媒体シートの搬送を可能にする適切な機器又は構造を含み得る。媒体は、一連のカラーユニット21A,21B,21C,21Dを含む印刷ステーション20を通って搬送される。各カラーユニットは、媒体の幅を横切って有効に延伸し、インクを直接的に(すなわち、中間又はオフセット部材無しで)移動する媒体に置くことができる。カラーユニットは、図2を参照して詳述する、システム5の印刷ゾーンにおけるプリントヘッドの配列を含む。良く知られているように、各プリントヘッドは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック(CMYK)という、カラー印刷で使用される典型的な各カラーの1つである単色のインクを吐出し得る。コントローラ50は、媒体Wの通過に同期させてプリントヘッドのインクジェットイジェクタを活性化させるタイミング信号を発生し、媒体に4つの1次カラー画像を形成するための異なる色付けパターンの整列に関し信頼できる精度で4色を吐出させる。インクジェットイジェクタは、プリンタのコンポーネントであるスキャナ(図示略)により生成されてプリンタへ転送されるか、又はその他の手法で生成されてプリンタへ配信され、コントローラ50により処理された、画像データに対応する発射信号により作動する。多様な採用し得る実施形態では、各1次カラー用のカラーユニットは、1以上のプリントヘッドを含み得る。カラーユニットの複数のプリントヘッドは、一列又は複数例のアレイに形成され得る。複数列アレイのプリントヘッドは、互い違いに並べられ得る。プリントヘッドは、1色以上を印刷し得る。あるいは、プリントヘッド又はカラーユニットの一部は、スポットカラーアプリケーション等のためなどに、処理方向Pを横断する方向へ移動可能に実装され得る。
【0012】
各カラーユニット21A−21Dは、媒体ウエブを横切る処理交差方向において各プリントヘッドモジュール中のプリントヘッドを調節するように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含み得る。一般的な実施形態では、各モータがステッピングモータ等のような電気機械デバイスである。実際的な実施形態では、プリントバーアクチュエータが2以上のプリントヘッドを含むプリントバーに接続され、媒体ウエブの処理交差軸に沿ってプリントバーをスライドさせることにより、プリントバーの位置を変えるように構成される。
【0013】
各カラーユニットに対応付けて、典型的にはバー又はロール状の裏当て部材24A−24Dがあり、カラーユニットにほぼ対向して媒体の裏側に配置される。各裏当て部材は、裏当て部材に対向するプリントヘッドから所定距離だけ離して媒体を位置決めするために使用される。各裏当て部材は、媒体を所定温度へ加熱するべく熱エネルギーを放射するように構成され得る。
【0014】
媒体経路に沿って印刷ゾーン20の次には、1以上の「中間ヒータ」30がある。中間ヒータ30は、接触型、放射型、伝導型、及び対流型のいずれか1つ以上の形式のヒータを使用することができ、媒体の温度を制御し、特に、スプレッダ40を通るときの所定の特性に適した温度へ媒体を昇温する。「スプレッダ」40の形態とした定着アッセンブリは、熱及び圧力のいずれか又は両方を媒体へ印加し、画像を媒体に定着させるように構成される。スプレッダ40の機能は、隣り合った粒子間のスペースが満たされ、画像の固体が均一となるように、ウエブW上の基本的に粒子、粒子のつながり、又はインクの線であるものを取り、圧力及び、ある種のシステムでは、熱により、塗りつぶすことにある。
【0015】
画像形成システム5の各種のシステム、コンポーネント及び機能の動作及び制御は、コントローラ50の援助で実行される。コントローラ50は、プログラムされた命令を実行する一般的な又は特化したプログラマブルプロセッサで実現され得る。コントローラ50は、プリントバー及びプリントヘッドの位置を媒体ウエブの処理交差軸に沿って調節するために、カラーユニット21A−21Dのプリントバー及びプリントヘッドアクチュエータと動的に連結され得る。特に、コントローラは、横方向に又は処理方向Pを横切ってカラーユニットの1以上又は全部をシフトさせるよう動作可能である。
【0016】
画像形成システム5は、ウエブへ転写されるべき画像を生成する場合と同様の方式で構成された光学画像形成システム54も含み得る。光学画像形成システムは、例えば、プリントヘッドアッセンブリのインクジェットにより受け部材に吐出されたインク粒子の存在、強度、及び/又は位置のを検出するように構成される。画像形成システムは、不良又は故障インクジェット又はプリントヘッドに起因し得る印刷エラーを検出するのに十分な印刷ウエブのライティング能力をもつ各種の光源を備え得る。画像形成システム54は、さらに、排出前の印刷済みウエブから反射される画像を検知する光検出器又は光学センサのアレイを含む。コントローラ50は、画像形成システム54からの情報を分析し、特に、インクジェット又はプリントヘッドの不良が発生しているか否かを判別する。欠陥印刷要素の位置が認定され、診断手順の間にメンテナンス技術者に利用可能とされる。コントローラ50は、画像形成システム54から得られるデータを利用して、カラーユニット又は1以上のプリントヘッドを移動させるなどにより、カラーユニットの整列も調節し得る。この画像データは、カラー制御用にも使用され得る。
【0017】
プリントヘッドアレイ21A−21Dにより実現される印刷ゾーン900の概略図が図2に示されている。図示した実施形態では、印刷ゾーン900は、処理方向Pに沿って配列された4つのカラーユニット912,916,920,924を含むが、より少ないか又は追加のカラーユニットが提供され得る。各カラーユニットは、他のカラーユニットと異なる色のインクを吐出する。1つの実施形態としては、カラーユニット912がブラックインクを吐出し、カラーユニット916がイエローインクを吐出し、カラーユニット920がシアンインクを吐出し、カラーユニット924がマゼンタインクを吐出する。処理方向Pは、画像受け部材Wが各プリントヘッドアレイを通過して又はカラーユニット924からカラーユニット912までのカラーユニットの下を進行するように移動する方向である。
【0018】
図2に示すように、各カラーユニットは、2つのプリントバーアレイを含み、プリントバーアレイのそれぞれは、複数のプリントヘッドを運ぶ2つのプリントバーを含む。例えば、マゼンタカラーユニット924のプリントバーアレイ936は、2つのプリントバー940,944を含み、そのそれぞれが複数のプリントヘッドを担う。一例として、プリントバー940は3つのプリントヘッド(M21,M22,M23)を有し、他方のプリントバー944は4つのプリントヘッド(M11,M12,M13,M14)を有する。ただし、プリントバーの担うプリントヘッドの数はこれより多くても少なくてもよい。プリントバー940,944上のプリントヘッドなど、プリントアレイ内のプリントバー上のプリントヘッドは、処理交差方向に第1解像度で、画像受け部材の幅を横切って印刷するように互い違いとされる。カラーユニット924内でプリントバーアレイ936のプリントヘッドは、処理交差方向に第2解像度で、画像受け部材の幅を横切って色インクを印刷できるように、プリントバーアレイ938のプリントヘッドに対してインターレース式とされる。各カラーユニットのプリントバー及びプリントバーアレイがこの方式で配列される。さらに、いくつかの実施形態では、各カラーユニット中の1つのプリントバーアレイが、他の各カラーユニット中の1つのプリントバーアレイに対し整列させられる。カラーユニット中の他のプリントバーアレイも同様に他の1つと整列させられる。したがって、整列させたプリントバーアレイは、異なる1次カラーのドロップオンドロップ印刷で2次カラーを生成することができる。インターレース式プリントヘッドは、異なる色のサイドバイサイド式インク粒子でプリンタで再現可能な色域及び色相を広げることも可能にする。
【0019】
図2に示すように、カラーユニット912,916,920,924により形成される印刷ゾーン900は、幅Pwに及ぶ。この幅は、最大幅WMAXをもつウエブの印刷に適している。したがって、具体例では、個々のプリントヘッドM11,M12等が約2.93インチの幅をもつ。各プリントバーアレイにおける7つの交互のプリントヘッド(例えばアレイ936中)で、合計幅は約20.5インチである。したがって、カラーユニットは、約20.5インチの最大幅WMAXをもつウエブWを有効にカバーすることができる。
【0020】
上述のように、インクジェット又はプリントヘッドは、様々な理由により正しく印刷できないことがある。コントローラ50は、継続的に印刷品質を評価することにより欠陥発生の有無及び位置を認定する自己診断ルーチンを実行するように構成され得る。装置5の動作の自己診断モードにおいてコントローラ50は、メンテナンス技術者に対し、欠陥の位置を認定する。技術者は、欠陥プリントヘッドを取り外し、新しい又は再装填プリントヘッドと交換する。従来の装置メンテナンスサイクルでは、この後に装置は、新しく装着したプリントヘッドの動作準備のために、暖機及びパージサイクルで動作することを要する。
【0021】
本開示内容によれば、別に提供されるプリントヘッドで欠陥プリントヘッドを置き換える代わりに、メンテナンス技術者は、認定された欠陥プリントヘッドを、印刷エリア900のサイドマージン領域から取得されるプリントヘッドで代替する。例えば、図2を参照すると、プリントヘッドM12が欠陥と認定された場合、基準シート幅WTYPの外側にある印刷領域マージン内にあることから、プリントヘッドM14又はM34のどちらかを代用することができる。代替プリントヘッドは、既に暖機済みであり、インクもチャージされ、パージも終わっており、代替プリントヘッドを通常動作準備するための追加のメンテナンス実行時間を要しない。さらに、代替プリントヘッドは一定時間装置内で動作していたので、プリントヘッドが新しくなったとき生じる傾向があるドリフトに対するインクジェットキャリブレーションに関して「既に落ち着いて」いるし、ジェットに欠損を生じる傾向が低いはずである。
【0022】
除かれたプリントヘッドは、代替プリントヘッドの位置、すなわち印刷エリア900のマージン領域、に交替させるか、又は、修理及び再装填のいずれか又は両方のために装置から取り外すことができる。後者の場合、新しいプリントヘッドがマージン位置に装着され得る。この新しいプリントヘッドは、次に、普通の経過で使用されるような装置のサイクルにおいて、通常の暖機、パージ及び加熱を受けることになる。
【0023】
前者の場合、欠陥プリントヘッドに対する最適交替位置の決定が行われ得る。言い換えると、欠陥プリントヘッドによる影響が最も少ないであろう、印刷エリアのマージン領域の位置を決定することができる。例えば、プリントヘッドが、プリントヘッドの右側に欠陥インクジェットを有する場合、欠陥インクジェットが非印刷ゾーンに揃えられるように、印刷エリア900の右側マージン領域のプリントヘッドで欠陥プリントヘッドを代替するのが好ましい。同様に、欠陥インクジェットがプリントヘッドの左側にある場合、上記の例におけるプリントヘッドM11又はM31といった、左側マージン領域中のプリントヘッドで代替するのが好ましい。さらに、代替位置決定は、印刷エリア900のマージン領域に既にある欠陥プリントヘッド又は欠陥インクジェットの存在を考慮することができる。例えば、インクジェットM14が1以上の欠陥インクジェットを有すると分かっている場合、最適交替は、次のプリントヘッドM34ではなく、印刷エリアの反対側にあるプリントヘッド、つまりプリントヘッドM11又はM31であり得る。
【0024】
改良のさらなるレベルでは、決定は、欠陥インクジェットの特定の位置に対して行うことができる。ある種の装置では、コントローラ50が、隣接インクジェットの補償動作を制御することにより、欠陥又は欠落インクジェットを補うよう動作可能である。欠陥又は欠落インクジェットに対し少なくとも部分的に補償するように機能するインクジェットの動作を制御するために別の補償アルゴリズムが知られている。しかしながら、各アプローチは、欠落ジェットを補うために、同じヘッド又は同色の連続ヘッドにあるかどうかという、近接インクジェットの有効性に依存する。本例においては、経時的に数個のプリントヘッドが1以上の欠陥インクジェットを含む印刷エリア900のマージン領域に存在するであろうことを考えることができる。したがって、本プロセスに対するさらなる改良において、直ぐに代替されるべきプリントヘッドの欠陥インクジェット位置が補償アルゴリズムを失敗させるであろうかどうかについて決定される。言い換えると、取り替えられるプリントヘッドは、a)印刷動作に使用される可能性の少ない、b)他のプリントヘッドにおける欠陥インクジェットをさらに補償可能であろう、位置に代替される。
【0025】
これと同じ決定が、欠陥プリントヘッドを置き換えるためにマージン領域から移動させられるプリントヘッドに対して必要であり得る。理想的な状況では、マージン位置から得られる代替プリントヘッドは、欠陥又は欠落インクジェットの無い完全に機能するものである。しかしながら、印刷装置5の寿命にわたり多くのプリントヘッド代替が生じ得る。これはマージン領域の全プリントヘッドが少なくとも1つの欠陥インクジェットをもつことを意味する。しかし、欠陥ジェットの存在は、代替が行われるべきではないこと、又は、新しいプリントヘッドが要求されることを意味しない。上述のように、代替されるべきプリントヘッド中の欠陥インクジェットを、基準印刷フィールドにおける隣接インクジェットにより補償することが可能であるかどうかについて決定することができる。例えば、欠陥プリントヘッドがM12であって代替を要し、連続するプリントヘッドM32に欠陥インクジェットがなく無欠陥と分かっている場合、マージンプリントヘッド(M14,M34,M11,M31)のいずれかが、たとえ欠陥ジェットを含んでいるとしても代替され得る。しかしながら、プリントヘッドM32及びM34のそれぞれが同じ又は近い画素位置で欠陥ジェットを有することが分かっている場合、プリントヘッドM34は既存の欠陥プリントヘッドM12で代替され得ないと決定することができる。
【0026】
多くの印刷装置において、ウエブ又は基板がプリントヘッドアレイに対し異なる方法で整列され得る。例えば、ウエブは、図2に示すように、ウエブの印刷幅WTYPが基本的にプリントヘッドアレイの両側間の中央であるように、センター整列され得る。20.5インチのプリントヘッドアレイ幅及び17インチ幅の紙の例では、サイドマージン領域はそれぞれ1.75インチに制限され得る。この幅のマージン幅は、上記の例で約2.93インチであり得る単一プリントヘッドの幅を収容するのに十分ではない。しかし、代替されるプリントヘッドの欠陥インクジェットが上述したように一方の側又は他方の側へオフセットしている場合、この少ない幅は、欠陥ジェットが基準印刷幅の外側(すなわち1.75インチマージン内)となることを確実にもたらすのにまだ十分であり得る。
【0027】
一方、多くの装置が、ウエブ又はシートを印刷アレイの一方の側又は他方の側に整列させる、サイド整列を実行するか、又はサイド整列の能力をもつ。本例では、サイド整列ウエブ用に、マージン幅を約3.5インチとすることが可能で、これは全2.93インチのプリントヘッド幅を収容するのに十分である。いくつかの装置は、センターとサイド整列との間で所望する方の整列に変更する能力をもつ。これらのタイプの装置において、本明細書に記載するアプローチは、上述のように、代替されるターゲットプリントヘッドにより占有されるマージン領域へ特にシフトされるウエブでサイド整列可能であることを含む。
【0028】
コントローラ50は、欠陥プリントヘッドが検出されたときに上述の決定を自動的に行うように構成される。したがって、コントローラ50は、図3に示す決定経路に従うソフトウエアルーチンを含み得る。一連のステップは、ステップ1000における欠陥プリントヘッドの検出から開始される。続いて、ステップ1010で、欠陥プリントヘッドが基準印刷エリアWTYP内であるか否かが決定される。エリア内でなければ、コントローラは、ステップ1020で、代替が不要である旨を表示する。欠陥プリントヘッドが既に印刷エリア900のサイドマージン領域にあれば、欠陥プリントヘッドを、印刷エリア900中のいずれかの位置にある他のプリントヘッドで代替する利益はない。選択的に、以下に示すように、プロセスフローは、新しい欠陥が連続する隣接プリントヘッドで問題を生じるか否かを評価し得る。そして、プロセスフローはステップ1150へ行き得る。
【0029】
欠陥プリントヘッドが基準印刷エリアWTYP内である場合、欠陥プリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置又は画素がステップ1030で認定される。この認定は、現在知られている又は進歩し得るいずれかの方法でなされ得る。欠陥又は欠落インクジェットの位置は、ステップ1040で、プリントヘッドの左又は右側へ分離され得る。そして、印刷エリアの対応する側のマージン領域にあって欠陥プリントヘッドと同じカラーユニットで代替可能なプリントヘッドがステップ1050又は1055のいずれかで認定される。例えば、欠陥プリントヘッドがM12であり、欠陥又は欠落ジェットがプリントヘッドの右側であると決定した場合、プロセスは、プリントヘッドM14及びM34をステップ1055で認定することができる。
【0030】
サイド整列ウエブ、すなわち一方の側又は他方の側へシフトさせられるウエブ、の場合、欠陥ジェットがプリントヘッドの左又は右側かどうかを分離する必要は無いことが留意されよう。この場合、ステップ1050及び1055は、ウエブがサイド整列された結果マージン領域に存在する、同じカラーユニットのプリントヘッドを単に認定することへ移行する。
【0031】
プリントヘッド(M14及びM34)が欠陥プリントヘッド(M12)を代替し得るとして認定されると、代替可能なプリントヘッドは、いずれも欠陥又は欠落インクジェットをもたないかどうか決定するために評価される。代替可能プリントヘッドのサブセットが認定されると、プロセスはステップ1070へ進んで、欠陥プリントヘッドを代替することが、マージン領域で連続する隣接プリントヘッドで新たな問題を生じないかどうか評価する。したがって、ステップ1080で、代替可能プリントヘッドに隣接するいずれかのプリントヘッドが、代替されるべき欠陥プリントヘッドにおけるのと同位置で欠陥又は欠落インクジェットをもつか否かが決定される。もっていなければ、補償問題がないことを意味し、コントローラ50はステップ1090で、印刷エリア900中のマージン位置を占める認定プリントヘッドで欠陥プリントヘッドを代替するように案内する。したがって、本例では、プリントヘッドM14が代替可能プリントヘッドである場合、コントローラ50は、隣接プリントヘッドM34を調べて、代替されるべき欠陥プリントヘッドM12と同じ位置に欠陥インクジェットをもつか否か決定する。隣接プリントヘッドが無欠陥であれば、コントローラは、メンテナンス技術者に、プリントヘッドM12(欠陥プリントヘッド)とM14(代替プリントヘッド)を代替する案内を出す。
【0032】
ステップ1080において、反対に、代替可能プリントヘッドが同じ位置の欠陥又は欠落インクジェットをもつと決定された場合、ステップ1100で、ステップ1060で認定された欠陥ジェット無しの代替可能プリントヘッドが他にあるかどうか決定される。この一連のステップは、全ての潜在的無欠陥マージンプリントヘッドがその「代替価値」を評価されるまで継続される。ない場合、コントローラは、現在の可能な代替が勧められるステップ1090へ進む。この例において、欠陥ジェットをもたないプリントヘッドが欠陥プリントヘッドに置き換えられることになるけれども、代替は、印刷エリア900のマージン領域のプリントヘッドが隣接配置位置で欠陥又は欠落インクジェットをもつ結果となることが、理解され得る。しかし、欠陥プリントヘッドは印刷エリアマージンに制限されるので、画像欠陥の可能性は大幅に減少する。代わりに、ステップ1080の要求に合う完全又は無欠陥のプリントヘッドが一つも認定できなかった場合、プロセスはステップ1150へ移行して、欠陥インクジェットをもつ代替可能なプリントヘッドをサーチし得る。
【0033】
ステップ1060で無欠陥の代替プリントヘッド(すなわち欠陥又は欠落インクジェットをもたない)がないと決定された場合、ステップ1150で代替可能なプリントヘッドが認定される。このプロセスのループにおいて、考察されるマージンプリントヘッドは、欠陥又は欠落インクジェットを有すると分かっていることが、理解される。この欠陥インクジェット位置が、上述した補償アルゴリズム又は他の技術を使用して解決できない、メイン印刷フィールド(WTYP)中のエラーを導くであろうか否か決定される。したがって、ステップ1160において、代替されるべき欠陥プリントヘッドに隣接したプリントヘッドが検査される。欠陥プリントヘッドがプリントヘッドM12である本例において、コントローラは、M12位置に近い欠陥インクジェットのいずれかを補償するために動作させる次の隣接プリントヘッドであるプリントヘッドM32を評価する。プリントヘッドM32が欠陥ジェットをもっていない場合、ステップ1150で認定されたプリントヘッドの代替を行うことに対するリスクはない。
【0034】
ステップ1160の基準を満たす代替可能なプリントヘッドの全てがと認定されると、プロセスは、ステップ1070及び1080に継続し、認定された代替可能なプリントヘッドの中から選択し、最終案内を行う。一方、ステップ1160でプリントヘッドを認定することができなかった場合、コントローラは、メンテナンス技術者にステップ1180で新しいプリントヘッドが必要である旨の案内を出す。言い換えると、プロセスがステップ1180へ進むまでに、コントローラは、a)マージン位置に、欠陥又は欠落インクジェットをもたないプリントヘッドがない、b)したがって、欠陥プリントヘッドに対し代替できる可能性のあるプリントヘッドのすべてが1以上の欠陥インクジェットを有する、c)各代替可能なプリントヘッドにおける欠陥インクジェットの位置がコントローラの補償特性を阻害する、ことを決定する。
【0035】
一方、コントローラ50がステップ1090で案内を出す場合、コントローラは、a)欠陥又は欠落インクジェットのない無欠陥のプリントヘッドがマージン位置に少なくとも1つある、b)欠陥プリントヘッドを代替可能なプリントヘッドで代替することが印刷エリア900のマージン領域にあるプリントヘッドに関しコントローラの補償特性を阻害しない、ことを決定している。
【0036】
本プロセスは、したがって、プリントヘッドの寿命にわたりいくつかのプリントヘッド代替を意図する。明らかに、ある時点で、いずれか特定のプリントヘッドが新しいプリントヘッドとの交換が必要になる。しかし、プリントヘッドが十分な機能性を維持している限り、装置のプリントジョブの大半について通常印刷域WTYPの外側にある印刷エリアのマージン領域の位置へ移動可能である。プリントヘッド代替は、既に装置内に装着されているプリントヘッド間で行われるので、プリントヘッド代替が行われたときに装置をオンラインへ復帰させるために要求される追加的な中断時間がない。
【0037】
画像形成システム5のコントローラ50は、コントローラ内に常駐するソフトウエアによる等で、図3のフローチャートで説明した決定ステップを実行するように構成され得る。上述したように、コントローラは、システム5のスタートアップ及び継続動作のいずれか又は両方の間に自己診断ルーチンを実行し、欠陥インクジェットの位置も認定し得る。以前のシステムでは、欠陥ジェットをもつプリントヘッドが認定されると、新しいプリントヘッドと交換する。しかし、本明細書に開示したシステム及び方法によれば、欠陥プリントヘッドは画像形成システムから除去されず、代わりに同システム内の他のプリントヘッドを置き換える。コントローラ50は、システム内の全プリントヘッドの特徴及び状態について何らかの「自覚」、より詳細にはプリントヘッド内のいずれかの欠陥ジェットの位置の知識をもっていなければならない。
【0038】
したがって、各プリントヘッドに特有の識別子が割り当てられ、コントローラ50がプリントヘッド情報のデータベースを維持することが考慮される。その情報は、プリントヘッド識別子及びどのインクジェットが欠陥であるかの指示を含み得る。この指示は、欠陥インクジェットにより執行される画素位置に対応し得る。図3のフローチャートにおける分析を実行するとき、コントローラは、特定のプリントヘッド代替が可能かどうか評価する場合に画素対画素比較を行い得る。例えば、ステップ1030で基準印刷エリアWTYPから移動すべきプリントヘッドの欠陥ジェットの画素位置が認定される。ステップ1080で、代替可能なプリントヘッドに関しプリントヘッドデータベースに対してクエリが実行され、ステップ1030で認定された画素が代替プリントヘッド内で欠陥かどうか決定する。同タイプの比較がステップ1160で実行され得る。
【0039】
本明細書に開示したシステム及び方法は、両方とも基準印刷エリアWTYP内にあるプリントヘッドの代替を達成するために使用可能でもあることを理解できる。この例では、ステップ1040,1050,1055は、代替プリントヘッドが左又は右側マージン領域から得られる必要がないので、迂回され得る。残りのステップ1060−1170は、プリントヘッドがマージン領域かどうか、同じカラーユニットの他のプリントヘッドすべてに繰り返して、説明したように進行され得る。各プリントヘッドに対し、コントローラは、代替される可能性のある2つのプリントヘッド間の欠陥ピクセルの一致があるかどうか評価する。代替プリントヘッドが認定できない場合は、コントローラは、ステップ1180で新しいプリントヘッドを推奨する。代わりに、他の欠陥インクジェット補償スキームが実行され得る。
【0040】
本明細書に開示したシステム及び方法は、基準印刷幅内に部分的に位置するが基準印刷幅内に位置した欠陥インクジェットを有するターゲットプリントヘッドを認定するために使用され得ることもさらに理解できる。同様に、ターゲットプリントヘッドと代替するべく認定されたマージンプリントヘッドは、基準印刷幅の外側のマージン領域に部分的に位置し得る。
【0041】
本明細書に開示したシステム及び方法は、画像エリア、特に基準印刷幅内に画定された画像エリア内から欠陥インクジェットをすべて除去するために使用され得る。この例では、ターゲットプリントヘッドと代替されるいずれかのマージンプリントヘッドが欠陥インクジェットの無いことが必要で、そうでなければ、システムはターゲットプリントヘッドを新しいプリントヘッドと交換することを推奨する。他の場合では、本明細書に開示したシステム及び方法は、上述した近隣画素技術のように欠陥インクジェットを補うための既存技術を改善するために使用可能である。これらの場合、欠陥インクジェットが画像エリア内に存在し得ることが容認されるが、既存技術が最終印刷画像における悪影響を避けることが認知される。したがって、この場合、本明細書に開示したシステム及び方法は、全プリントヘッドの使用を基本的に最適化し、2以上の隣接した又は間近の画素(インクジェット)の欠陥を防止する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大印刷幅の範囲に配列された多数のプリントヘッドを有し、前記各プリントヘッドが多数のインクジェットを有する、インクジェット画像形成システムにおいて、ターゲットプリントヘッド中の欠陥インクジェットを補償する方法であって、
前記最大印刷幅以下の基準印刷幅を画定し、
前記欠陥インクジェットを有するターゲットプリントヘッドが前記基準印刷幅内に少なくとも部分的に位置するかどうかを決定し、
位置していれば、マージン領域に位置し少なくとも部分的に前記基準印刷幅の外側にあるプリントヘッドで前記ターゲットプリントヘッドを代替することを含む、方法。
【請求項2】
前記代替ステップは、
欠陥インクジェットをもたないマージンプリントヘッドを認定するため、少なくとも部分的に前記マージン領域に位置したプリントヘッドを評価すること
当該マージンプリントヘッドで前記ターゲットプリントヘッドを代替することを含む、
請求項1記載の欠陥インクジェットを補償する方法。
【請求項3】
それぞれが多数のインクジェットを有する多数のプリントヘッドを備えたインクジェット画像形成システムにおいてターゲットプリントヘッド中の欠陥インクジェットを補償する方法であって、
前記ターゲットプリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定し、
前記ターゲットプリントヘッドと代替する代替プリントヘッドを選択し、
当該隣接プリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定するために、前記代替プリントヘッドに連続して隣接するプリントヘッドを評価し、
前記ターゲットプリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置を前記隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置と比較し、
前記ターゲットプリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置が前記隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットに対して前記インクジェット画像形成システムの処理方向に沿って整列していなければ、前記ターゲットプリントヘッドを前記代替プリントヘッドで代替することを含む、方法。
【請求項4】
当該ターゲット隣接プリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定するために、前記ターゲットプリントヘッドに連続して隣接するプリントヘッドを評価して、
前記代替プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置を前記ターゲット隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置と比較し、
前記代替プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置が前記ターゲット隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットに対して前記インクジェット画像形成システムの処理方向に沿って整列していなければ、前記ターゲットプリントヘッドを前記代替プリントヘッドで代替することをさらに含む、
請求項3記載の欠陥インクジェットを補償する方法。
【請求項5】
それぞれ多数のインクジェットを有し、最大印刷幅を横切って配列された多数のプリントヘッドと、
情報を表示するディスプレイを有すると共に、前記多数のプリントヘッドの動作を制御して基板にインク画像を提供するよう構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記最大印刷幅以下の基準印刷幅及び該基準印刷幅外側のマージン領域を画定し、
欠陥インクジェットをもつターゲットプリントヘッドを認定して該ターゲットプリントヘッドが少なくとも部分的に前記基準印刷幅内に位置するかどうかを決定し、
位置していれば、前記ターゲットプリントヘッドと代替するべき、少なくとも部分的に前記マージン領域内に位置したマージンプリントヘッドを認定し、
前記ターゲットプリントヘッド及び該ターゲットプリントヘッドと代替すべき前記マージンプリントヘッドを認定するインジケータを前記ディスプレイに提供するようにさらに構成される、
インクジェット画像形成システム用の印刷ステーション。
【請求項6】
前記コントローラは、
欠陥インクジェットをもたないマージンプリントヘッドを認定するために、少なくとも部分的に前記マージン領域に位置した前記プリントヘッドを評価するようにさらに構成される、
請求項5記載の印刷ステーション。
【請求項7】
前記コントローラは、
欠陥インクジェットをもたないマージンプリントヘッドを認定するために、少なくとも部分的に前記マージン領域に位置した前記プリントヘッドを評価し、
該当するマージンプリントヘッドが認定されない場合は、
マージンプリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定し、
該隣接プリントヘッド中のいずれかの欠陥インクジェットの位置を認定するために、前記基準印刷幅内で前記ターゲットプリントヘッドに連続して隣接したプリントヘッドを評価し、
前記マージンプリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置を前記隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置と比較し、
前記マージンプリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットの位置が前記隣接プリントヘッドのいずれかの欠陥インクジェットに対して前記インクジェット画像形成システムの処理方向に沿って整列していなければ、該マージンプリントヘッドを前記ターゲットプリントヘッドと代替するべきと認定するようにさらに構成される、
請求項5記載の印刷ステーション。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記欠陥インクジェットの位置が整列していた場合、前記認定、評価及び比較ステップを他のマージンプリントヘッドに対し繰り返すようにさらに構成される、
請求項7記載の印刷ステーション。
【請求項9】
前記多数のプリントヘッドが2以上のカラーユニット中に設けられ、
前記コントローラは、前記ターゲットプリントヘッドと同じカラーユニット中のマージンプリントヘッドだけを認定するよう構成される、
請求項5記載の印刷ステーション。
【請求項10】
前記多数のプリントヘッドがセンター整列され、
前記コントローラは、
前記ターゲットプリントヘッドの欠陥インクジェットが当該ターゲットプリントヘッドの左又は右側に位置するかどうか決定し、
前記ターゲットプリントヘッド中の前記欠陥インクジェットの左又は右側位置に対応する前記左又は右マージン領域のマージンプリントヘッドを認定するよう構成される、
請求項5記載の印刷ステーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−96539(P2012−96539A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235412(P2011−235412)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】