説明

インクジェット記録方法

【課題】 高速定着性に優れ、画像ムラ、裏抜けを低減したインクジェット記録方法の提供
【解決手段】 本発明は、インクを記録媒体に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法であって、インクは、自己分散顔料と、塩と、水性媒体とを含み、前記記録媒体は非塗工印刷用紙であり、前記画像を形成するための基本マトリクスに、80%デューティー以上且つインクの総付与量が3.0μl/cm以下である画像を形成する際に、前記基本マトリクスへの前記自己分散顔料を含むインクの付与を複数回に分割し、前記自己分散顔料を含むインクの前記基本マトリクスへの付与を、1msec以上200msec以下で行うことを特徴とするインクジェット記録方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録方法を用いて非塗工用紙に画像を形成する技術が検討されている。特許文献1には、インクを非塗工用紙に印刷する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−101143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者等が特許文献1の技術について検討したところ、高速定着性、画像ムラ、裏抜けの点で更なる改良の余地があった。
【0005】
従って、本発明は、非塗工印刷用紙に印字する際に、高速定着性が良好で、画像ムラ、裏抜けを抑制したインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、インクを記録媒体に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法であって、インクは、自己分散顔料と、塩と、水性媒体とを含み、前記塩は有機酸イオン又は無機酸イオンと、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンとからなり、前記自己分散顔料を含むインクの表面張力は34mN/m以下であり、前記記録媒体は、紙厚が65μm以上105μm以下であり、密度が0.78g/cm以上0.88g/cm以下である非塗工印刷用紙であり、前記画像を形成するための基本マトリクスに、80%デューティー以上で且つ総付与量が3.0μl/cm以下のインクを付与する際に、前記基本マトリクスへの前記自己分散顔料を含むインクの付与を複数回に分割し、前記自己分散顔料を含むインクの前記基本マトリクスへの付与を、1msec以上200msec以下で行うことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【発明の効果】
【0007】
非塗工印刷用紙に印字する際に、高速定着性が良好で、画像ムラ、裏抜けを抑制したインクジェット記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】記録ドットの形成方法の一例を模式的に示した図。
【図2】シリアル型記録ヘッドを模式的に示した図。
【図3】ライン型記録ヘッドを模式的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
<非塗工印刷用紙>
本発明においては、記録媒体として非塗工印刷用紙を用いる。非塗工印刷用紙とは、表面に無機顔料等を塗工していない印刷向けの記録媒体である。非塗工印刷用紙の定義は、紙・板紙統計年報(日本製紙連合会著)の「紙・板紙の品種分類表」に記載されている。非塗工印刷用紙は、一般的に表面の平坦性を向上し印刷時のインクかすれを低減するために、普通紙等の他の記録媒体よりも高い圧力でプレス(カレンダ処理)されており、単位体積あたりに占めるセルロース繊維の量が多い、即ち、記録媒体の密度が高い。加えて、本発明の非塗工印刷用紙は、紙厚が65μm以上105μm以下、密度が0.78g/cm以上0.88g/cm以下である。係る紙厚、密度を有する非塗工印刷用紙は、普通紙よりもインクの吸収が遅い傾向にある。そのため、非塗工印刷用紙に付与されたインクは、記録媒体内部に浸透せずに記録媒体表面に残りやすくなり、高速定着性が低下しやすい。
【0011】
非塗工印刷用紙の密度とは、坪量を紙厚で除した値であり、繊維、添加物等の紙を構成するすべてのものの平均密度を表す。非塗工印刷用紙の密度は「緊度」と表記されることもある。非塗工印刷用紙の紙厚は65μm以上88μm以下であることが好ましい。また、非塗工印刷用紙の密度は0.80g/cm以上0.85g/cm以下であることが好ましい。
【0012】
密度が0.78g/cm以上0.88g/cm以下である非塗工印刷用紙としては、具体的には、以下に示す記録媒体が挙げられる。OK上質紙、OKプリンス、OKシュークリーム、OKムーンライトホワイト、OKムーンライトナチュラル、OKムーンライトクリーム、OKライトクリーム、OKエバーライトW、OKエバーライト、OKスターライト、エバーライトWニューズ、ニューロイヤルライトWニューズ、スターライトニューズ(以上、王子製紙製)。ニューNPi上質、しらおい、リサイクル上質、オペラクリーム、オペラホワイトウルトラ、クリームイースター、ハイパーピレーヌタフ、ホワイトロッキータフ、ピレーヌ、ピレーヌタフ、ハイランド、ハイランドタフ、HAKURO、グリーンランド、アンデス、アルプス、日本の色上質(以上、日本製紙製)。キンマリ、シロマリ、淡クリームキンマリ、パスピエクリーム、淡クリームラフ書籍(以上、北越製紙製)。紀州上質紙、サザンクロス、紀州再生上質紙、紀州の色上質、ファインカラー(以上、紀州製紙製)。金菱、ブロードエアー、クリームエレガ、HG書籍用紙、ラフ書籍用紙(以上、三菱製紙製)。雷鳥上質、せんだいMP上質、淡クリームせんだい、ラフ淡クリームせんだい、ソリスト、つるぎケント、特白画学紙(以上、中越パルプ製)。たいおう、タイオウハイネ、カント、ダンテ、ニューAD用紙、おうむ艶更(以上、大王製紙製)。スターリンデンAV、スターエルム、スターローレル(以上、丸住製紙製)等である。本発明のインクジェット記録方法に用いる記録媒体は、上記した記録媒体の中でも紙厚が65μm以上105μm以下のものである。
【0013】
<インク>
(表面張力)
本発明で用いられるインクの表面張力は、34mN/m以下である。インクの表面張力は、33mN/m以下であることがより好ましく、32mN/m以下であることが特に好ましい。また、27mN/m以上であることが好ましく、28mN/m以上であることがより好ましく、29mN/m以上であることが特に好ましい。尚、本発明においては、インクの表面張力は垂直平板法によって測定した。垂直平板法を用いて表面張力を測定できる装置としては、CBVP−Z(協和界面科学製)等が挙げられる。
【0014】
インクの表面張力34mN/m以下の場合は、ポア吸収が主体となり、34mN/mより高いとファイバー吸収が主体となる。これら2タイプの吸収によるインクの紙への吸収速度は、ポア吸収の方が圧倒的に速い。そのため、表面張力34mN/m以下のインクを用いれば、インクを吸収しにくい記録媒体を用いた際にも、良好な高速定着性を得ることができる。ポア吸収が主体となるインクは、異色の2種類のインクを隣接させて記録した場合のブリーディングを抑制する点でも有利である。
【0015】
(粘度)
本発明のインクの粘度は、6.0mPa・s以下であることが好ましい。特に熱エネルギーの利用によりインクジェット記録する装置を使用する場合、これより粘度が高いとノズルへのインク供給が間に合わず、不明瞭な画像が記録される場合がある。インクの粘度はより好ましくは5.0mPa・s以下であり、さらに好ましくは4.0mPa・s以下である。
【0016】
(色材)
本発明のインクは、色材として自己分散顔料を含有する。複数色のインクを用いてカラー画像を形成する際の、インクのセットとしては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローが基本となるが、必要に応じて、レッド、ブルー、グリーン、グレー、淡シアン、淡マゼンタ等を追加することができる。これらのインクも、色材として自己分散顔料を含有することが好ましい。
【0017】
自己分散顔料は、樹脂分散方式の顔料と比較して、スムーズに固液分離し、顔料自体が普通紙の内部に深く浸透しにくくなるため、裏抜けを効果的に抑制することができる。自己分散顔料とは、顔料表面に直接あるいは他の原子団を介して水溶性官能基を導入し、分散安定化した顔料である。自己分散顔料の分散には、基本的には分散剤を必須としない。分散安定化する前の顔料としては、例えば特開2008−214609号公報に列挙されているような、従来公知の様々な顔料を用いることができる。このような顔料を原料とした自己分散顔料に導入される水溶性官能基は、顔料の表面に直接結合させてもよいし、他の原子団を顔料表面と水溶性官能基との間に介在させて顔料表面に間接的に結合させてもよい。導入される水溶性官能基としては、例えば、−COO(M)、−SO(M)、−PO(M)等(但し、式中の「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。)等が挙げられる。式中の「M」として表したもののうち、アルカリ金属の具体例としては、例えば、Li、Na、K、Rb及びCs等が挙げられる。また、有機アンモニウムの具体例としては、例えばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム。モノヒドロキシメチル(エチル)アミン、ジヒドロキシメチル(エチル)アミン、トリヒドロキシメチル(エチル)アミン等が挙げられる。
【0018】
介在させる他の原子団の具体例としては、例えば、炭素原子数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基が挙げられる。フェニレン基及びナフチレン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0019】
顔料の表面に水溶性官能基を直接導入する方法としては、例えばカーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法等が挙げられる。この方法によれば、カーボンブラック表面に、−COO(M)基やラクトン基を導入させることができ、本発明で特に良好に使用できる。以上のような処理がされた顔料としては、例えばCW−1、CW−2(オリエント社製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300、CAB−O−JET400(キャボット社製)等が挙げられる。
【0020】
本発明に用いる自己分散顔料の平均粒子径(直径)は、好ましくは60nm以上であり、より好ましくは70nm以上、さらに好ましくは75nm以上である。また、好ましくは145nm以下であり、より好ましくは140nm以下、さらに好ましくは130nm以下である。これらの平均粒子径は、液中での動的光散乱法により求められたものである。具体的な平均粒子径の測定方法としては、レーザ光の散乱を利用した、FPAR−1000(大塚電子製、キュムラント法解析)、ナノトラックUPA 150EX(日機装製、50%の積算値の値とする)等を使用して測定する。
【0021】
自己分散顔料は必要に応じて2種類以上を組み合わせて同一インク中に用いることができる。本発明のインクは、以上の自己分散顔料を、インク全量に対して好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上含有する。また、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下含有する。
【0022】
(無機酸及び/又は有機酸塩)
本発明のインクは、無機酸イオン又は有機酸イオンと、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンとからなる塩を含有する。無機酸及び/又は有機酸としては、例えば、クエン酸、コハク酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フタル酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、タルトロン酸、マレイン酸、マロン酸、アジピン酸等の有機カルボン酸等が挙げられる。中でも酢酸、フタル酸、安息香酸が好ましい。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。
【0023】
有機酸イオン及び無機酸イオン等の陰イオンの水和力の強さは、水を構造化させる能力の順にイオンを配列したホフマイスターシリーズにより表すことができる。ホフマイスターシリーズによれば、陰イオンの水和力の強さは、以下の通りである。
クエン酸イオン>酒石酸イオン>硫酸イオン>酢酸イオン>Cl>Br>NO>ClO>I>SCN
【0024】
カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン等のアルカリ金属イオンの水和力の強さも、上記したホフマイスターシリーズによって表すことができる。ホフマイスターシリーズによれば、アルカリ金属イオンの水和力の強さは、以下の通りである。
アルカリ金属イオン:Li>Na>K>Rb>Cs
【0025】
有機酸イオンや無機酸イオンは、一般的にClやBr等のハロゲンイオンに比べて高い水和力を有する。本発明者等の検討によれば、水和力の比較的高い陰イオンである有機酸イオン又は無機酸イオンと、水和力の比較的小さいアルカリ金属イオンであるカリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンとからなる塩を用いることで、高速定着性の向上、画像ムラの低減、裏抜けの低減に対して優れた効果が得られることが分かった。推定メカニズムを以下に示す。
【0026】
上述したように、本発明のインクに含まれる自己分散顔料は水溶性官能基を有している。自己分散顔料の水溶性官能基は、インク中で係る水溶性官能基の周囲に水和水を保持するため、自己分散顔料は析出することなく、インク中で安定に分散される。一方、非塗工印刷用紙は普通紙に比べてセルロース繊維の密度が高いため、セルロース繊維単位質量あたりに接触できる水分の量が少なく、セルロース繊維がインク中の水分及び水和水を吸収する力が弱い。言い換えると、自己分散顔料を含むインクを非塗工印刷用紙に付与する記録方法は、係るインクを普通紙に付与する記録方法よりも、記録媒体にインクが接触した際の自己分散顔料の析出速度が遅いため、画像ムラが発生しやすい。
【0027】
本発明では、上記した自己分散顔料を含むインクにおける課題を解決するため、有機酸イオン又は無機酸イオンと、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンとからなる塩を含有する。水和力の比較的高い陰イオンである有機酸イオン又は無機酸イオンは、水溶性官能基の保持している水和水を速やかに奪うことができる。そのため、自己分散顔料は非塗工印刷用紙に付与された際に速やかに析出することができ、自己分散顔料が非塗工印刷用紙の深さ方向に浸透せず表面近傍に一様に存在することができる。その結果、自己分散顔料が存在する非塗工印刷用紙の深さ方向におけるばらつきを低減した、即ち、画像ムラを低減した画像を得ることができる。また、本発明の塩は、水和力の比較的低いアルカリ金属イオンであるカリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンのいずれかを陽イオンとした塩であるため、アルカリ金属イオンが保持する水和水は比較的少ない。そのため、陰イオンが自己分散顔料の水溶性官能基の周囲に存在する水和水を奪う働きをほとんど阻害することなく、インク中で分散安定性を維持し存在することができる。
【0028】
本発明においては、インク中の塩の含有量が多いほど、高速定着性の向上、画像ムラの低減、裏抜け性の低減の点で優れる。そのため、インク中の塩の含有量は、インク100質量部に対し1.0×10−3mol以上であることが好ましく、2.0×10−3mol以上であることがより好ましい。一方、インク中に塩が過剰に含まれている場合、インクの分散安定性が低下してしまう。そのため、インク中の塩の含有量は、インク100質量部に対し20×10−3mol以下であることが好ましく、10−3mol以下であることがより好ましい。
【0029】
(水性媒体)
本発明のインクは水性媒体を含む。水性媒体として、水を単独で用いても良いが、水及び水溶性化合物の混合溶媒を用いることが好ましい。インク中の水の含有量は、インク全質量に対して、30質量%以上95質量%以下であることが好ましい。水溶性化合物は、係る水溶性化合物が20質量%含む水溶液において、水と水溶性化合物とが層分離せずに混ざり合うものであることが好ましい。また、固液分離や目詰まり防止の観点から蒸発しにくいもの、具体的には、20℃での蒸気圧が0.04mmHg以下である水溶性化合物であることが好ましい。
【0030】
本発明においては、インクが下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物を含有することが好ましい。また、インクが親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物と0.37以上の水溶性化合物とを共に含有することがより好ましい。更に、インクが0.26以上0.37未満の水溶性化合物1種類以上と、親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物を2種類以上とを含有することが好ましい。
【0031】
【数1】

【0032】
上記式(A)中の水分活性値とは、
水分活性値=(水溶液の水蒸気圧)/(純水の水蒸気圧)
で示されるものである。水分活性値の測定方法としてはチルドミラー露点測定法を用いることが好ましい。本発明においては、係る測定法によって水分活性値を測定できる装置であるアクアラブCX−3TE(DECAGON社製)を用いて、各水溶性化合物を20質量%含む水溶液の水分活性値を25℃で測定した。水溶液の水分活性値が1を越えることはないので、親疎水度係数の最大値は1である。水溶性化合物の、式(A)によって得られた親疎水度係数を表1に示す。ただし、本発明の水溶性化合物は、これらにのみ限定されるものではない。
【0033】
【表1】

【0034】
本発明者らは、親疎水度係数の異なる水溶性化合物がインク中に含まれた場合の、水溶性化合物と各種インク性能との関係を検討した結果、以下の知見を得た。親疎水度係数が0.26以上の親水的傾向の小さい水溶性化合物を用いると、画像の光学濃度が高くなった。これは、これらの水溶性化合物は、インクが紙に着弾した後、水や自己分散顔料やセルロース繊維との親和力が比較的小さく、自己分散顔料の固液分離を強力に推進する役割があるためと考えられる。また、2色間のブリーディングや文字の太りといった小文字の印字特性が、極めて良好となった。
【0035】
式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物としては、トリメチロールプロパンが好ましい。また、0.26以上0.37未満の水溶性化合物としても、トリメチロールプロパンが特に好ましい。0.37以上の水溶性化合物としては、炭素数4〜7の炭化水素のグリコール構造を有するものが好ましく、中でも、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールが特に好ましい。また親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物を2種類以上用いる際、この2種類の水溶性化合物間における親水度係数の差が0.1以上であることが好ましい。
【0036】
前記水溶性化合物の総含有量は、インク全質量に対し好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは6.0質量%以上、特に好ましくは7.0質量%以上である。また、好ましくは40.0質量%以下、より好ましくは35.0質量%以下、特に好ましくは30.0質量%以下である。
【0037】
(界面活性剤)
本発明のインクは、よりバランスのよい吐出安定性を得るために、界面活性剤を含有することが好ましい。中でもノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。ノニオン界面活性剤の中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。これらのノニオン系界面活性剤のHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は、10以上である。こうして併用される界面活性剤の含有量は、好ましくはインク中に0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下である。
【0038】
(その他の添加剤)
また、本発明のインクは、所望の物性値を有するインクとするために、上記した成分の他に必要に応じて、添加剤として、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、浸透剤等を含有してもよい。
【0039】
<インクジェット記録方法>
本発明は、画像を形成するための基本マトリクスに、80%デューティー以上で且つインクの総付与量が3.0μl/cm以下である画像を形成する際に際に要求されるものである。
【0040】
デューティーを算出する部分は、最小で50μm×50μmである。80%デューティー以上の部分を有する画像とは、デューティーを算出する部分のマトリクス中の格子のうち、80%以上の格子にインクが付与されて形成される部分を有する画像である。格子の大きさは、基本マトリクスの解像度によって決定される。例えば、基本マトリクスの解像度が1200dpi×1200dpiの場合、1つの格子の大きさは、1/1200inch×1/1200inchである。
【0041】
基本マトリクス中の80%デューティー以上となる部分を有する画像とは、基本マトリクス中に1色のインクで80%デューティー以上となる部分を有する画像のことである。即ち、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクを用いる場合では、これらの少なくとも1色により、基本マトリクス中に80%デューティー以上となる部分を有する画像のことである。一方、基本マトリクス中に80%デューティー以上となる部分を有していない画像は、着弾したインク間の重なりが比較的少なく、印字プロセスの工夫をしなくとも、文字のつぶれやブリーディング等の問題が生じない場合が多い。
【0042】
本発明の基本マトリクスは、記録装置等により自由に設定できる。基本マトリクスの解像度としては、600dpi以上が好ましく、1200dpi以上がより好ましい。また、4800dpi以下が好ましい。解像度は、この範囲内にあれば、縦と横が同一であっても異なっていてもよい。
【0043】
本発明において、インクの総付与量が3.0μl/cm以下とは、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクを用いる場合では、これら全ての色のインクの総付与量である。また、単一のインク、例えばブラック1色のインクを用いる場合では、ブラックインクの総付与量である。総付与量を算出する部分は、上記デューティーを算出する部分と同じ基本マトリクスである。
【0044】
本発明では、基本マトリクスへのインクの付与を複数回に分割する、即ち、インクの付与を複数回のタイミングで行う。尚、本発明において、あるタイミングで吐出されたインクと、係るインクの吐出口と同じ吐出口列に配置された吐出口から付与されたインクとは、同じタイミングで付与されたインクとする。
【0045】
基本マトリクスへのインクの付与を2回以上に分割する方法としては、例えば、図1に示すような方法が挙げられる。具体的には、基本マトリクスに100%デューティーのインクを付与する場合、50%デューティーのインクを一回目に付与し(図1の黒円に相当する領域にインクを付与し)、2回目に残りの50%デューティーのインクを付与する(図1の白円に相当する領域にインクを付与する)方法が挙げられる。記録ヘッドがシリアル型である場合には、例えば、1パス目に50%デューティーのインクを付与し、2パス目に残りの50%デューティーのインクを付与する、2パスでの印字を用いることができる。尚、本発明においては、上記したように記録媒体に対して記録ヘッドを2回通過させて印字を行うことを、2パスで印字する、ともいう。シリアル型の記録ヘッドを用い、1パスでインクの付与を分割する方法としては、例えば、図2に記載の5つの吐出口列(211、212、213、214及び215)を有するシリアル型の記録ヘッドの吐出口列211と215から同一種のインクを吐出する方法が挙げられる。
【0046】
1パスでインクの付与を複数回に分割する別の方法としては、図3に示すようなライン型の記録ヘッドを用いる方法が挙げられる。図3は、5つの吐出口列(211、212、213、214及び215)を有する記録ヘッドを模式的に示した図である。図3に記載の記録ヘッドにおいて、例えば、吐出口列211からブラックインク、吐出口列212からシアンインク、吐出口列213からマゼンタインク、吐出口列214からイエローインク、吐出口列215からブラックインクをそれぞれ吐出するようにすることで、吐出口列211と215とから、分割してブラックインクを付与することができる。各タイミングで付与するインクの付与量は、0.7μl/cm以下とすることが好ましい。より好ましくは0.6μl/cm以下、特に好ましくは0.5μl/cm以下である。各タイミングの、1色のインクの付与量が0.7μl/cmを越えると、裏抜けや文字のつぶれ、ブリーディングが発生する場合があるため好ましくない。インク付与量は0.1μl/cm以上であることが好ましい。
【0047】
また、本発明では、自己分散顔料を含むインクの基本マトリクスへの付与を、1msec以上200msec以下で行う。具体的には、自己分散顔料を含むインクの付与を3回に分割した場合、1回目の分割付与開始時から3回目の分割付与終了時までの時間を1msec以上、200msec以下に設定する。基本マトリクスへの自己分散顔料を含むインクの付与の開始から終了までの時間の下限は好ましくは3msec以上、より好ましくは6msec以上、特に好ましくは10msec以上である。
【0048】
このように、本発明においては、インクを分割して付与することで、単位時間当たりに非塗工用紙に吸収させる水性媒体の量を低減することができる。これにより、高速定着性に優れた記録を行うことができる。また、基本マトリクスへの自己分散顔料の付与開始から終了までの時間を1msec以上200msec以下とすることで、先に付与したインクに含まれる自己分散顔料の非塗工印刷用紙内での深さ方向での存在位置と、後に付与したインクに含まれる自己分散顔料の非塗工印刷用紙内での深さ方向での存在位置とをそろえることができ、画像ムラを抑制することができる。
【0049】
本発明のインクジェット記録方法においては、1つの吐出口から吐出されるインク1滴の量を、0.5pl以上、6.0pl以下とすることが好ましい。付与するインクは、定量であることが好ましい。インク1滴の量は、1.0pl以上であることがより好ましく、1.5pl以上であることが特に好ましい。また、5.0pl以下であることがより好ましく、4.5pl以下であることが特に好ましい。0.5pl未満の場合は、画像の定着性、耐水性に劣る場合があるので好ましくない。6.0plを越えると、3ポイント(1ポイント≒0.35mm)から5ポイント程度の小さな文字を印刷した場合に、文字太りによって文字がつぶれる場合がある。
【0050】
本発明において定量のインクとは、記録ヘッドを構成するノズルの構造を各ノズル間で異ならせず、付与する駆動エネルギーを変化させる設定をしていない状態で吐出されたインクを意味する。即ち、このような状態であれば、装置の製造誤差等による僅かな吐出のばらつきがあっても、付与されるインクは定量である。付与されるインクを定量とすることにより、インクの浸透深さが安定し、記録画像の記録定着が高く、画像の均一性が良好となる。逆に、付与されるインクの量を変化させることを前提としたシステム等を用いる場合、インクは定量ではなく、異なった体積のインクが混在し、インクの浸透深さのばらつきが大きくなる。記録画像の高デューティー部では、係る浸透深さのばらつきは大きくなる傾向にあるため、画像ムラを抑制するという観点からは好ましくない。
【0051】
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法に用いることのできるインクジェット記録装置としては、特に限定されず、公知のインクジェット記録装置を何れも好適に用いることができるが、インクジェット記録装置が有する記録ヘッドは、インクに熱エネルギーを作用させて付与させる記録ヘッドであることが好ましい。このような記録ヘッドは、圧電素子を用いてインクを吐出させる記録ヘッドに比べてノズルの高密度化に適している。さらに、熱エネルギーを作用させてインクを付与する記録ヘッドは、定量のインクを付与することができるので、インクの浸透深さのばらつきを抑制し、画像ムラの発生をより効果的に抑制することができる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、以下の記載で部、及び%とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。また、インクの表面張力は、CBVP−Z(協和界面科学製)で測定した。インクの粘度は、RE80型粘土計(東機産業製)で測定した。自己分散顔料の粒径は、ナノトラックUPA 150EX(日機装製)で測定した。
【0053】
<自己分散顔料の製造>
(自己分散顔料Aの製造)
比表面積が220m/gでDBP吸油量が160mL/100gのカーボンブラック500gを、イオン交換水3750gに加え、攪拌しながら50℃まで昇温した。その後0.5mmのジルコニアビーズを用いたビーズミルにより、粉砕しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度12%)4500gの水溶液を50℃で3時間かけて滴下した。その後30分粉砕し、自己分散カーボンブラックが含まれている反応液を得た。反応液を分別後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、限外ろ過装置で電導度が1.5mS/cmになるまで脱塩した。自己分散カーボンブラックの濃度が10%となるように調整後、プレフィルター及び1μmフィルターの併用系で濾過して自己分散顔料Aを得た。このようにして得られた自己分散顔料Aの陰イオン性親水性基はカルボン酸基である。
【0054】
(自己分散顔料Bの製造)
CAB−O−JET400(キャボット社製)の自己分散顔料を自己分散顔料Bとした。
【0055】
<インクの調整>
(インク1の調整)
以下の全構成成分を合計100部とし、2時間混合後、2.5μmのフィルターを用いてろ過して、本発明の実施例のインク1を得た。表面張力は、31.0mN/m、自己分散顔料の粒径は126nm、粘度は3.0mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
・自己分散顔料A:5部
・トリメチロールプロパン(親疎水度係数 0.31):15部
・1,2−ヘキサンジオール(親疎水度係数 0.97):5部
・イソプロピルアルコール:1部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:オルフィンE1010、日信化学工業製、HLB値10以上):1部
・酢酸セシウム:0.96部(5.0×10−3mol/L)
・水:残部
・pH調整剤:塩酸
【0056】
(インク2の調整)
自己分散顔料AのかわりにBを、酢酸セシウムのかわりにフタル酸二カリウムを0.61部(2.5×10−3mol/l)用いた以外はインク1と同様とした。表面張力は、30.0mN/m、自己分散顔料の粒径は120nm、粘度は2.8mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0057】
(インク3の調整)
酢酸セシウムのかわりに塩化カリウムを0.37部(5.0×10−3mol/l)用いた以外はインク1と同様とした。表面張力は、30.0mN/m、自己分散顔料の粒径は127nm、粘度は3.4mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0058】
(インク4の調整)
酢酸セシウムのかわりに酢酸ルビジウムを0.72部(5.0×10−3mol/l)用いた以外はインク1と同様とした。表面張力は、30.0mN/m、自己分散顔料の粒径は127nm、粘度は2.8mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0059】
(インク5の調整)
酢酸セシウムを用いなかった以外はインク1と同様とした。表面張力は、30.0mN/m、自己分散顔料の粒径は126nm、粘度は2.8mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0060】
(インク6の調整)
酢酸セシウムのかわりに酢酸アンモニウムを0.39部(5.0×10−3mol/l)用いた以外はインク1と同様とした。表面張力は、30.0mN/m、自己分散顔料の粒径は126nm、粘度は2.7mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0061】
(インク7の調整)
酢酸セシウムのかわりに塩化ナトリウムを0.29部(5.0×10−3mol/l)用いた以外はインク1と同様とした。表面張力は、30.0mN/m、自己分散顔料の粒径は128nm、粘度は2.8mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0062】
(インク8の調整)
トリメチロールプロパンを20部に、1,2−ヘキサンジオールを0部に、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の含有量を0.1部とした。これ以外はインク1と同様とした。表面張力は、40.0mN/m、自己分散顔料の粒径は130nmであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0063】
(インク9の調整)
トリメチロールプロパンのかわりにグリセリン(親疎水度係数 0.11)10部、1,2−ヘキサンジオールのかわりにジエチレングリコール(親疎水度係数 0.15)10部を用いた。これ以外はインク1と同様とした。表面張力は、29.0mN/m、自己分散顔料の粒径は120nm、粘度は3.1mPa・sであった。インクpHは塩酸により5.6に調整した。
【0064】
<画像形成>
調整したインク1〜9を用い、下記のようにして画像を形成した。インクジェット記録装置として、F930(キヤノン製。記録ヘッド;6吐出口列、各512ノズル。インク量4.0pl(定量)、解像度最高1200dpi(横)×1200dpi(縦))を用いた。インクの付与方法は、以下の通りである。
・1パス:インクを一種類毎にプリンタのブラックインクヘッド部に搭載し、ベタ画像(100%デューティー)を分割付与せずに印刷した。1回あたりのインク付与量は、1.0μl/cmとした。
・分割付与:インクを一種類毎にプリンタのブラックインクヘッド部とシアンインクヘッド部に搭載して、ベタ画像を2回の分割付与で印刷した。このとき、ブラックインクヘッド部から吐出されるインクとシアンインクヘッド部から吐出されるインクの時間差は12msecであった。一吐出口列当り0.5μl/cmの等量で、合計付与量は、1.0μl/cmとした。
【0065】
記録媒体としては、非塗工印刷用紙である、OKプリンス(王子製紙製)及びOKシュークリーム(王子製紙製)を、紙厚別にそれぞれ3種類ずつ用いた。各記録媒体の坪量、紙厚、密度を表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
上記条件で、表3に示すようにして、実施例1〜4、比較例1〜6の画像形成を行った。画像形成後、下記基準で評価を行った。
【0068】
【表3】

【0069】
<評価>
(高速定着性)
ベタ画像を印字後、ベタ画像にシルボン紙を押し付け、転写の度合いを下記の評価基準にて目視で評価した。評価結果を表4に示す。
a:印字10秒後には、転写は認められない。
b:印字10秒後には転写が認められるが、30秒後には転写が認められない。
c:印字30秒後、転写が僅かに認められる。
d:印字30秒後、転写がはっきりと認められる。
【0070】
(画像ムラ)
ベタ画像を印字してから1時間後、ベタ画像の記録濃度の均一性の度合いを下記の評価基準にて目視で評価した。評価結果を表4に示す。
a:画像ムラは認められない。
b:画像ムラが僅かに認められる。
c:画像ムラがかなり認められる。
【0071】
(裏抜け)
ベタ画像を印字してから1時間後、ベタ画像の記録媒体裏面(印字した面と反対側の面)へのインクの浸透具合を下記の評価基準にて目視で評価した。評価結果を表4に示す。
a:裏抜けは認められない。
b:裏抜けがわずかに認められる。
c:裏抜けが認められるが、両面印字した場合でも画像の判別は可能である。
d:裏抜けがかなり認められ、両面印字した場合には画像の判別は困難である。
【0072】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを記録媒体に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法であって、
インクは、自己分散顔料と、塩と、水性媒体とを含み、
前記塩は有機酸イオン又は無機酸イオンと、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンとからなり、
前記自己分散顔料を含むインクの表面張力は34mN/m以下であり、
前記記録媒体は、紙厚が65μm以上105μm以下であり、密度が0.78g/cm以上0.88g/cm以下である非塗工印刷用紙であり、
前記画像を形成するための基本マトリクスに、80%デューティー以上で且つ総付与量が3.0μl/cm以下のインクを付与する際に、前記基本マトリクスへの前記自己分散顔料を含むインクの付与を複数回に分割し、前記自己分散顔料を含むインクの前記基本マトリクスへの付与を、1msec以上200msec以下で行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】
前記自己分散顔料を含むインクが、水性媒体として下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物を含む請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【数1】

【請求項3】
前記記録媒体の紙厚が65μm以上88μm以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】
前記自己分散顔料を含むインクが、式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物と、0.37以上の水溶性化合物とを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】
前記自己分散顔料を含むインクが、2種類以上の式(A)で定義される親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物を含有する請求項4に記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】
前記自己分散顔料を含むインクを熱エネルギーの作用によって前記記録媒体に付与する請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−213980(P2012−213980A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81843(P2011−81843)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】