インクジェット記録装置及び記録方法
【課題】 インクジェット記録装置を用いて記録する際、画像によっては間欠吐出が不安定になる場合があった。
【解決手段】 複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測し、画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出し、抽出したノズル夫々に関して、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する。そして、前記抽出したノズルのうち前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間が最小となるように吐出するノズルを選択し、当該ノズルを用いて前記記録位置に記録するよう記録データを生成する。
【解決手段】 複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測し、画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出し、抽出したノズル夫々に関して、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する。そして、前記抽出したノズルのうち前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間が最小となるように吐出するノズルを選択し、当該ノズルを用いて前記記録位置に記録するよう記録データを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェット記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、記録ヘッドに備えられたノズルからインク滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置のうち、屋外サイン用途のインクジェット記録装置は、記録素子として圧電素子を使用した記録ヘッドを用い、有機溶剤を主溶媒とするインクを用いるものが一般的である。
【０００３】
このようなインクジェット記録装置を用いて記録を行うと、記録条件によっては、吐出が不安定となってノズルから偏向してインクが吐出する場合や更にはインクが不吐出となる場合があった。特に、全体的に色が薄い画像を記録する場合、又は、記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行う所謂マルチパス記録方式で記録を行うインクジェット記録装置を用いて多いパス数で記録する場合、吐出してから次の吐出をするまでの時間（以下、間欠時間という）が長くなる。これらのような場合、間欠時間中にノズル中のインクの揮発成分が蒸発して増粘することにより吐出が不安定となりやすい。このような吐出の不安定を回避する技術として、様々な技術が開示されている。例えば、特許文献１は、複数のノズル列を備える記録ヘッドを有するインクジェット記録装置を用いて、ノズルの大気への露出時間をカウントし、複数のノズル列同士の吐出タイミングを前記露出時間に応じて調節する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−７６２３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、特許文献１で開示されている技術を用いると、特定の記録条件においては吐出の安定性は向上するものの、特定の記録条件以外においては効果が不十分であるということがわかった。間欠時間は、ノズル列単位又はノズル列の所定のカラム単位ではなく、記録する画像によりノズル単位で異なる場合がほとんどであるためである。
【０００６】
そこで本発明は、間欠時間が長くなることにより吐出が不安定となるという課題を解決するためになされたものであり、記録する画像によらず安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
また、インクジェット記録装置を用いて記録する画像によらず安定に吐出する記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するための本発明は、画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測手段と、前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出手段と、前記ノズル抽出手段が抽出したノズル夫々に関して、前記計測手段の計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算手段と、前記ノズル抽出手段が抽出したノズルのうち前記計算手段が計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択手段と、前記選択手段が選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成手段を少なくとも有することを特徴とする。
【０００８】
また、上記の課題を解決するための別の本発明は、画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測工程と、前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出工程と、前記ノズル抽出工程で抽出したノズル夫々に関して、前記計測工程で計測した計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算工程と、前記ノズル抽出工程で抽出したノズルのうち前記計算工程で計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択工程と、前記選択工程で選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成工程と、前記記録データ生成工程で生成した前記記録データに基づいて記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、記録する画像によらず安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することができる。また、インクジェット記録装置を用いて記録する画像によらず安定に吐出する記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図２】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【図３】本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図１は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
本実施形態のインクジェット記録装置１は、図１に示すように、記録媒体５０を水平に配置して図１の紙面奥行き方向に搬送し、インクジェット方式によって、記録媒体５０の表面に記録データに応じた画像や文字などを記録する。
【００１２】
インクジェット記録装置１は、記録媒体５０を搬送する搬送部４０と、記録媒体５０に記録する記録部４１とを備える。また、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に往復走査して記録を行う記録ヘッド９と、記録ヘッド９をクリーニングするクリーニングユニット１０とを備える。また、インクジェット記録装置１は、記録データの受信や記録動作の制御を含めた装置全体の制御を行う制御部（不図示）を備える。
【００１３】
搬送部４０は、図１の紙面奥行き方向に延ばされた略平板状のプラテン２上に、モータ５によって紙面に沿う水平軸回りに回転される複数のピンチローラ３を備える。そして、これらピンチローラ３によって、ピンチローラ３の回転軸と平行な回転軸回りに回転自在に支持されたグリッドローラ４が、紙面奥行き方向に複数配列されている。これらグリッドローラ４は、プラテン２の上方において図１の紙面奥行き方向に延びる水平面に整列され、記録媒体５０の搬送路を形成している。
【００１４】
記録部４１は、搬送部４０およびクリーニングユニット１０の上方で、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に延在されたキャリッジレール７と、キャリッジレール７に沿って移動可能に設けられた記録ヘッドユニット８とを備える。また、記録ヘッドユニット８をキャリッジレール７上で位置制御および速度制御可能に往復移動させるモータ６を備える。さらに、記録ヘッドユニット８に記録用のインクを供給する着脱可能なインクカートリッジ１７を備える。
【００１５】
本実施形態では、インクカートリッジ１７には、カラー記録を行うための複数色のインクが備えられ、配管（インク流路）としての複数のインクチューブ１６を介して、色ごとに、記録ヘッドユニット８に供給できるようになっている。
【００１６】
記録ヘッドユニット８は、下面側に、インクの色や記録範囲などに応じて、複数の記録ヘッド９が設けられ、インクチューブ１６から供給されるインクは、同色の記録を行う記録ヘッド９に分配して供給される。また、記録ヘッドユニット８には、各記録ヘッド９の温度を適宜の温度範囲に保つための冷却ファン１８が設けられている。
【００１７】
なお、記録ヘッド９の詳細は図示しないが、各ノズルにインクを供給するインク室や、圧電素子などを用いた吐出機構が設けられている。記録ヘッド９は該圧電素子などを用いた吐出機構によってインクの吐出及びノズルのインクメニスカスを微振動させる空駆動動作を行うことが可能な構成となっている。また、ノズルは吐出機構の構成や記録画素ピッチなどに応じて適宜の個数及び配列ピッチで設けることができる。例えば、２５６個などの多数のノズルを配列することができる。本実施例の記録ヘッド９は、記録素子として圧電素子を用いているが、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドであっても良い。ただし、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置と比較すると、記録素子として圧電素子を用いた記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置のほうが本発明の効果が大きい。一般的には圧電素子のほうがヒータよりも小さいインクへの印加エネルギーでインクを吐出させているためであると考えられる。
【００１８】
モータ６の位置制御、速度制御は、制御部の制御信号に応じて行われ、モータ６は記録動作時には記録ヘッドユニット８を所定速度で記録媒体５０上を復移動させる。また、モータ６はクリーニング動作時にはクリーニングユニット１０内の所定のクリーニング位置に記録ヘッドユニット８を移動できるようになっている。
【００１９】
クリーニングユニット１０は、本実施形態では、記録ヘッド９内のインクをノズルから外部に吸引することで記録ヘッド９をクリーニングする吸引クリーニング部１４Ａと、記録ヘッド面をワイピング処理することで記録ヘッド９をクリーニングするワイプ部１４Ｂとからなる。クリーニングユニット１０は、搬送部４０の側方かつ記録部４１の下方における記録ヘッドユニット８の移動経路上に、搬送部４０側からワイプ部１４Ｂ、吸引クリーニング部１４Ａの順に配置されている。本実施形態は、これら吸引クリーニング部１４Ａ、ワイプ部１４Ｂの上方位置が、所定のクリーニング位置となっている。
【００２０】
吸引クリーニング部１４Ａの概略構成は、キャップ１１、キャップ駆動部（不図示）、吸引ポンプ１２、ポンプ駆動部（不図示）、大気開放弁（不図示）および大気開放弁駆動部（不図示）からなる。
【００２１】
これらのうち、少なくともキャップ１１は記録ヘッド９ごとに設けられている。ただし、キャップ駆動部、吸引ポンプ１２、大気開放弁および大気開放弁駆動部は、記録ヘッド９ごとに各動作を共通化できる場合には、複数のキャップ１１に対して１台設ける構成としてもよい。
【００２２】
キャップ駆動部は、キャップ１１の上下方向の位置を選択的に切り換えるための上下動を行うものであり、例えば、機械的、電磁的、流体的な適宜の昇降手段からなる。そのため、キャップ駆動部は、モータ６によってキャリッジレール７上を移動されて吸引クリーニング部１４Ａの上方に位置した状態の記録ヘッドユニット８に対して、キャップ１１を上下方向に進退させ、キャップ１１が記録ヘッド面を封止する状態と、封止を解除する状態とを切り換えることができるようになっている。
【００２３】
吸引ポンプ１２は、吸引空間内の空気、インクなどの内容物を吸引して、吸引空間外に排出するためのものであり、適宜構成の流体ポンプ、例えばロータリポンプなどを採用することができる。本実施形態では、ポンプ駆動部により吸引量を可変できる構成としている。また、吸引ポンプ１２の吸引量は、必要に応じて多段階に変化できるようにしてもよい。吸引ポンプ１２は、吸引口が吸引管に接続され、排出口が排出管に接続されている。排出管の他端は、廃液ボトル１５に接続されている。
【００２４】
吸引クリーニング部１４Ａにおいて、キャップ駆動部、大気開放弁駆動部、ポンプ駆動部は、不図示のクリーニング制御部にそれぞれ電気的に接続され、クリーニング制御部からの制御信号により、それぞれの動作が制御されるようになっている。
【００２５】
ワイプ部１４Ｂは、周知のワイピング処理を行うものであればどのような構成を有していてもよい。例えば、ワイプ部１４Ｂの上方に移動された記録ヘッド９の記録ヘッド面上でワイプ液を含んだワイピングブレードを相対移動させることで、記録ヘッド面をワイピングする構成を採用することができる。
【００２６】
図２は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
図２において２０は制御部であり、制御部２０は、演算、制御、判別、設定などの処理動作を実行するＣＰＵ２５と、該ＣＰＵ２５によって実行すべき制御プログラム等を格納するＲＯＭ２６と、記録データのバッファやＣＰＵ２５による処理のワークエリア等として用いられるＲＡＭ２７などを備える。
【００２７】
本実施形態のインクジェット記録装置１において、制御部２０は、タイマー１３を備え、記録ヘッド９の各ノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する。また、制御部２０は、入力部２３を介して外部装置から入力した画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出する。例えば、４パスで記録しながら所定の記録位置にインクを吐出する場合、その記録位置に１パス目で記録することが可能なノズルＡ、２パス目で記録することが可能なノズルＢ、３パス目で記録することが可能なノズルＣ、４パス目で記録することが可能なノズルＤを抽出する。そして、制御部２０は、ノズルＡに関して、前回の吐出からその記録位置に吐出した場合の経過時間である間欠時間をタイマー１３の計測値に基づいて計算する。同様に、制御部２０は、ノズルＢからノズルＤ夫々に関して、間欠時間を計算する。そして、制御部２０は、ノズルＡからノズルＤの夫々の間欠時間が最小となるノズルを選択する。例えば、その間欠時間が最小となるノズルがノズルＡであった場合、ノズルＡを選択する。そして、制御部２０は、その記録位置に吐出するノズルがノズルＡになるよう記録データを生成する。生成した記録データに基づいて記録ヘッド９からインクを吐出させるため、制御部２０は記録ヘッド駆動部２２の駆動を制御する。その制御によって記録ヘッド駆動部２２が記録ヘッド９を駆動し、インクを吐出する。
【００２８】
また、本実施形態インクジェット記録装置１では、マルチパス記録方式におけるパス数に関するデータは、不揮発性メモリとしてのＥＥＰＲＯＭ２８に格納される。また、そのパス数は、オペレーションパネル２４を介して任意にユーザーが設定可能である。
【００２９】
次に、本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクは、揮発成分を含有するインクである。揮発成分を含有しないインクは、間欠時間が長い場合であっても間欠吐出性が悪くない場合が多く、そもそもこのような課題が生じない場合が多く本発明の効果が薄い場合があるためである。また、本発明のインクジェット記録装置で更に好ましく使用されるインクは、有機溶剤を主溶媒とするいわゆる溶剤インクである。このインクを用いた際に、本発明の効果は特に顕著となるためである。
【００３０】
次に、本発明の記録方法について説明する。
図３は、本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
なお、本実施形態で使用するインクジェット記録装置１は、記録ヘッド９を記録媒体５０の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うマルチパス方式のインクジェット記録装置である。
【００３１】
インクジェット記録装置１は、入力部２３を介してホストコンピュータから画像データを入力すると、制御部２０によりその画像データから記録データが生成され、記録する。最初に、ステップＳ１１０で、制御部２０はタイマー１３を用いて記録ヘッド９に備えられた複数のノズルに関して吐出してからの時間をノズル毎に計測する。
【００３２】
次に、ステップＳ１２０で、制御部２０は画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出する。本実施形態は、４パスで記録しながら所定の記録位置にインクを吐出する場合の記録方法である。ステップＳ１２０では当該記録位置に１パス目で記録することが可能なノズルＡ、２パス目で記録することが可能なノズルＢ、３パス目で記録することが可能なノズルＣ、４パス目で記録することが可能なノズルＤを抽出する。本実施形態では、各パスで当該記録位置に記録可能なノズルが１ずつ抽出されたが、各パスで複数ノズルが抽出される構成のインクジェット記録装置を用いることも可能である。また、例えば、１パス目と３パス目では１ノズルずつ記録することが可能なノズルが抽出されるが、２パス目と４パス目では別のアルゴリズムとの関係で記録することが可能なノズルが抽出されないというような記録装置を用いることも可能である。
【００３３】
次に、ステップＳ１３０で、制御部２０は、ノズルＡからノズルＤ夫々に関して、前回の吐出からその記録位置に吐出した場合の経過時間である間欠時間をタイマー１３の計測値に基づいて計算する。
次に、ステップＳ１４０で、制御部２０は、ノズルＡからＤの夫々の間欠時間が最小となるノズルを選択する。本実施形態では、その間欠時間が最小となるノズルをノズルＡとする。ステップＳ１４０で、制御部２０は、ノズルＡを選択する。
【００３４】
次に、ステップＳ１５０で、制御部２０は、その記録位置に吐出するノズルがノズルＡになるよう記録データを生成する。
次に、ステップＳ１６０で、インクジェット記録装置１は、ステップＳ１５０で生成した記録データに基づいて記録することで本実施形態の記録方法の処理は終了する。
【産業上の利用可能性】
【００３５】
上記本発明のインクジェット記録装置及び記録方法は、一般的なインクジェット記録装置に利用することができる。
【符号の説明】
【００３６】
１ 記録装置
９ 記録ヘッド
２０ 制御部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェット記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、記録ヘッドに備えられたノズルからインク滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置のうち、屋外サイン用途のインクジェット記録装置は、記録素子として圧電素子を使用した記録ヘッドを用い、有機溶剤を主溶媒とするインクを用いるものが一般的である。
【０００３】
このようなインクジェット記録装置を用いて記録を行うと、記録条件によっては、吐出が不安定となってノズルから偏向してインクが吐出する場合や更にはインクが不吐出となる場合があった。特に、全体的に色が薄い画像を記録する場合、又は、記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行う所謂マルチパス記録方式で記録を行うインクジェット記録装置を用いて多いパス数で記録する場合、吐出してから次の吐出をするまでの時間（以下、間欠時間という）が長くなる。これらのような場合、間欠時間中にノズル中のインクの揮発成分が蒸発して増粘することにより吐出が不安定となりやすい。このような吐出の不安定を回避する技術として、様々な技術が開示されている。例えば、特許文献１は、複数のノズル列を備える記録ヘッドを有するインクジェット記録装置を用いて、ノズルの大気への露出時間をカウントし、複数のノズル列同士の吐出タイミングを前記露出時間に応じて調節する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−７６２３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、特許文献１で開示されている技術を用いると、特定の記録条件においては吐出の安定性は向上するものの、特定の記録条件以外においては効果が不十分であるということがわかった。間欠時間は、ノズル列単位又はノズル列の所定のカラム単位ではなく、記録する画像によりノズル単位で異なる場合がほとんどであるためである。
【０００６】
そこで本発明は、間欠時間が長くなることにより吐出が不安定となるという課題を解決するためになされたものであり、記録する画像によらず安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
また、インクジェット記録装置を用いて記録する画像によらず安定に吐出する記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するための本発明は、画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測手段と、前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出手段と、前記ノズル抽出手段が抽出したノズル夫々に関して、前記計測手段の計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算手段と、前記ノズル抽出手段が抽出したノズルのうち前記計算手段が計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択手段と、前記選択手段が選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成手段を少なくとも有することを特徴とする。
【０００８】
また、上記の課題を解決するための別の本発明は、画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測工程と、前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出工程と、前記ノズル抽出工程で抽出したノズル夫々に関して、前記計測工程で計測した計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算工程と、前記ノズル抽出工程で抽出したノズルのうち前記計算工程で計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択工程と、前記選択工程で選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成工程と、前記記録データ生成工程で生成した前記記録データに基づいて記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、記録する画像によらず安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することができる。また、インクジェット記録装置を用いて記録する画像によらず安定に吐出する記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図２】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【図３】本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図１は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
本実施形態のインクジェット記録装置１は、図１に示すように、記録媒体５０を水平に配置して図１の紙面奥行き方向に搬送し、インクジェット方式によって、記録媒体５０の表面に記録データに応じた画像や文字などを記録する。
【００１２】
インクジェット記録装置１は、記録媒体５０を搬送する搬送部４０と、記録媒体５０に記録する記録部４１とを備える。また、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に往復走査して記録を行う記録ヘッド９と、記録ヘッド９をクリーニングするクリーニングユニット１０とを備える。また、インクジェット記録装置１は、記録データの受信や記録動作の制御を含めた装置全体の制御を行う制御部（不図示）を備える。
【００１３】
搬送部４０は、図１の紙面奥行き方向に延ばされた略平板状のプラテン２上に、モータ５によって紙面に沿う水平軸回りに回転される複数のピンチローラ３を備える。そして、これらピンチローラ３によって、ピンチローラ３の回転軸と平行な回転軸回りに回転自在に支持されたグリッドローラ４が、紙面奥行き方向に複数配列されている。これらグリッドローラ４は、プラテン２の上方において図１の紙面奥行き方向に延びる水平面に整列され、記録媒体５０の搬送路を形成している。
【００１４】
記録部４１は、搬送部４０およびクリーニングユニット１０の上方で、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に延在されたキャリッジレール７と、キャリッジレール７に沿って移動可能に設けられた記録ヘッドユニット８とを備える。また、記録ヘッドユニット８をキャリッジレール７上で位置制御および速度制御可能に往復移動させるモータ６を備える。さらに、記録ヘッドユニット８に記録用のインクを供給する着脱可能なインクカートリッジ１７を備える。
【００１５】
本実施形態では、インクカートリッジ１７には、カラー記録を行うための複数色のインクが備えられ、配管（インク流路）としての複数のインクチューブ１６を介して、色ごとに、記録ヘッドユニット８に供給できるようになっている。
【００１６】
記録ヘッドユニット８は、下面側に、インクの色や記録範囲などに応じて、複数の記録ヘッド９が設けられ、インクチューブ１６から供給されるインクは、同色の記録を行う記録ヘッド９に分配して供給される。また、記録ヘッドユニット８には、各記録ヘッド９の温度を適宜の温度範囲に保つための冷却ファン１８が設けられている。
【００１７】
なお、記録ヘッド９の詳細は図示しないが、各ノズルにインクを供給するインク室や、圧電素子などを用いた吐出機構が設けられている。記録ヘッド９は該圧電素子などを用いた吐出機構によってインクの吐出及びノズルのインクメニスカスを微振動させる空駆動動作を行うことが可能な構成となっている。また、ノズルは吐出機構の構成や記録画素ピッチなどに応じて適宜の個数及び配列ピッチで設けることができる。例えば、２５６個などの多数のノズルを配列することができる。本実施例の記録ヘッド９は、記録素子として圧電素子を用いているが、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドであっても良い。ただし、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置と比較すると、記録素子として圧電素子を用いた記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置のほうが本発明の効果が大きい。一般的には圧電素子のほうがヒータよりも小さいインクへの印加エネルギーでインクを吐出させているためであると考えられる。
【００１８】
モータ６の位置制御、速度制御は、制御部の制御信号に応じて行われ、モータ６は記録動作時には記録ヘッドユニット８を所定速度で記録媒体５０上を復移動させる。また、モータ６はクリーニング動作時にはクリーニングユニット１０内の所定のクリーニング位置に記録ヘッドユニット８を移動できるようになっている。
【００１９】
クリーニングユニット１０は、本実施形態では、記録ヘッド９内のインクをノズルから外部に吸引することで記録ヘッド９をクリーニングする吸引クリーニング部１４Ａと、記録ヘッド面をワイピング処理することで記録ヘッド９をクリーニングするワイプ部１４Ｂとからなる。クリーニングユニット１０は、搬送部４０の側方かつ記録部４１の下方における記録ヘッドユニット８の移動経路上に、搬送部４０側からワイプ部１４Ｂ、吸引クリーニング部１４Ａの順に配置されている。本実施形態は、これら吸引クリーニング部１４Ａ、ワイプ部１４Ｂの上方位置が、所定のクリーニング位置となっている。
【００２０】
吸引クリーニング部１４Ａの概略構成は、キャップ１１、キャップ駆動部（不図示）、吸引ポンプ１２、ポンプ駆動部（不図示）、大気開放弁（不図示）および大気開放弁駆動部（不図示）からなる。
【００２１】
これらのうち、少なくともキャップ１１は記録ヘッド９ごとに設けられている。ただし、キャップ駆動部、吸引ポンプ１２、大気開放弁および大気開放弁駆動部は、記録ヘッド９ごとに各動作を共通化できる場合には、複数のキャップ１１に対して１台設ける構成としてもよい。
【００２２】
キャップ駆動部は、キャップ１１の上下方向の位置を選択的に切り換えるための上下動を行うものであり、例えば、機械的、電磁的、流体的な適宜の昇降手段からなる。そのため、キャップ駆動部は、モータ６によってキャリッジレール７上を移動されて吸引クリーニング部１４Ａの上方に位置した状態の記録ヘッドユニット８に対して、キャップ１１を上下方向に進退させ、キャップ１１が記録ヘッド面を封止する状態と、封止を解除する状態とを切り換えることができるようになっている。
【００２３】
吸引ポンプ１２は、吸引空間内の空気、インクなどの内容物を吸引して、吸引空間外に排出するためのものであり、適宜構成の流体ポンプ、例えばロータリポンプなどを採用することができる。本実施形態では、ポンプ駆動部により吸引量を可変できる構成としている。また、吸引ポンプ１２の吸引量は、必要に応じて多段階に変化できるようにしてもよい。吸引ポンプ１２は、吸引口が吸引管に接続され、排出口が排出管に接続されている。排出管の他端は、廃液ボトル１５に接続されている。
【００２４】
吸引クリーニング部１４Ａにおいて、キャップ駆動部、大気開放弁駆動部、ポンプ駆動部は、不図示のクリーニング制御部にそれぞれ電気的に接続され、クリーニング制御部からの制御信号により、それぞれの動作が制御されるようになっている。
【００２５】
ワイプ部１４Ｂは、周知のワイピング処理を行うものであればどのような構成を有していてもよい。例えば、ワイプ部１４Ｂの上方に移動された記録ヘッド９の記録ヘッド面上でワイプ液を含んだワイピングブレードを相対移動させることで、記録ヘッド面をワイピングする構成を採用することができる。
【００２６】
図２は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
図２において２０は制御部であり、制御部２０は、演算、制御、判別、設定などの処理動作を実行するＣＰＵ２５と、該ＣＰＵ２５によって実行すべき制御プログラム等を格納するＲＯＭ２６と、記録データのバッファやＣＰＵ２５による処理のワークエリア等として用いられるＲＡＭ２７などを備える。
【００２７】
本実施形態のインクジェット記録装置１において、制御部２０は、タイマー１３を備え、記録ヘッド９の各ノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する。また、制御部２０は、入力部２３を介して外部装置から入力した画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出する。例えば、４パスで記録しながら所定の記録位置にインクを吐出する場合、その記録位置に１パス目で記録することが可能なノズルＡ、２パス目で記録することが可能なノズルＢ、３パス目で記録することが可能なノズルＣ、４パス目で記録することが可能なノズルＤを抽出する。そして、制御部２０は、ノズルＡに関して、前回の吐出からその記録位置に吐出した場合の経過時間である間欠時間をタイマー１３の計測値に基づいて計算する。同様に、制御部２０は、ノズルＢからノズルＤ夫々に関して、間欠時間を計算する。そして、制御部２０は、ノズルＡからノズルＤの夫々の間欠時間が最小となるノズルを選択する。例えば、その間欠時間が最小となるノズルがノズルＡであった場合、ノズルＡを選択する。そして、制御部２０は、その記録位置に吐出するノズルがノズルＡになるよう記録データを生成する。生成した記録データに基づいて記録ヘッド９からインクを吐出させるため、制御部２０は記録ヘッド駆動部２２の駆動を制御する。その制御によって記録ヘッド駆動部２２が記録ヘッド９を駆動し、インクを吐出する。
【００２８】
また、本実施形態インクジェット記録装置１では、マルチパス記録方式におけるパス数に関するデータは、不揮発性メモリとしてのＥＥＰＲＯＭ２８に格納される。また、そのパス数は、オペレーションパネル２４を介して任意にユーザーが設定可能である。
【００２９】
次に、本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクは、揮発成分を含有するインクである。揮発成分を含有しないインクは、間欠時間が長い場合であっても間欠吐出性が悪くない場合が多く、そもそもこのような課題が生じない場合が多く本発明の効果が薄い場合があるためである。また、本発明のインクジェット記録装置で更に好ましく使用されるインクは、有機溶剤を主溶媒とするいわゆる溶剤インクである。このインクを用いた際に、本発明の効果は特に顕著となるためである。
【００３０】
次に、本発明の記録方法について説明する。
図３は、本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
なお、本実施形態で使用するインクジェット記録装置１は、記録ヘッド９を記録媒体５０の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うマルチパス方式のインクジェット記録装置である。
【００３１】
インクジェット記録装置１は、入力部２３を介してホストコンピュータから画像データを入力すると、制御部２０によりその画像データから記録データが生成され、記録する。最初に、ステップＳ１１０で、制御部２０はタイマー１３を用いて記録ヘッド９に備えられた複数のノズルに関して吐出してからの時間をノズル毎に計測する。
【００３２】
次に、ステップＳ１２０で、制御部２０は画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出する。本実施形態は、４パスで記録しながら所定の記録位置にインクを吐出する場合の記録方法である。ステップＳ１２０では当該記録位置に１パス目で記録することが可能なノズルＡ、２パス目で記録することが可能なノズルＢ、３パス目で記録することが可能なノズルＣ、４パス目で記録することが可能なノズルＤを抽出する。本実施形態では、各パスで当該記録位置に記録可能なノズルが１ずつ抽出されたが、各パスで複数ノズルが抽出される構成のインクジェット記録装置を用いることも可能である。また、例えば、１パス目と３パス目では１ノズルずつ記録することが可能なノズルが抽出されるが、２パス目と４パス目では別のアルゴリズムとの関係で記録することが可能なノズルが抽出されないというような記録装置を用いることも可能である。
【００３３】
次に、ステップＳ１３０で、制御部２０は、ノズルＡからノズルＤ夫々に関して、前回の吐出からその記録位置に吐出した場合の経過時間である間欠時間をタイマー１３の計測値に基づいて計算する。
次に、ステップＳ１４０で、制御部２０は、ノズルＡからＤの夫々の間欠時間が最小となるノズルを選択する。本実施形態では、その間欠時間が最小となるノズルをノズルＡとする。ステップＳ１４０で、制御部２０は、ノズルＡを選択する。
【００３４】
次に、ステップＳ１５０で、制御部２０は、その記録位置に吐出するノズルがノズルＡになるよう記録データを生成する。
次に、ステップＳ１６０で、インクジェット記録装置１は、ステップＳ１５０で生成した記録データに基づいて記録することで本実施形態の記録方法の処理は終了する。
【産業上の利用可能性】
【００３５】
上記本発明のインクジェット記録装置及び記録方法は、一般的なインクジェット記録装置に利用することができる。
【符号の説明】
【００３６】
１ 記録装置
９ 記録ヘッド
２０ 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測手段と、
前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出手段と、
前記ノズル抽出手段が抽出したノズル夫々に関して、前記計測手段の計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算手段と、
前記ノズル抽出手段が抽出したノズルのうち前記計算手段が計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択手段と、
前記選択手段が選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
前記インクジェット記録装置は前記記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記ノズル抽出手段は前記画像データに対応する記録位置に第１の走査で記録ドットを形成することが可能な第１のノズルと第２の走査で記録ドットを形成することが可能な第２のノズルの両方を抽出することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
【請求項３】
前記インクは揮発成分を含有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項４】
前記インクは有機溶剤を主溶媒としていることを特徴とする請求項１乃至３の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】
前記記録ヘッドは記録素子として圧電素子を使用していることを特徴とする請求項１乃至４の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項６】
画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、
前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測工程と、
前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出工程と、
前記ノズル抽出工程で抽出したノズル夫々に関して、前記計測工程で計測した計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算工程と、
前記ノズル抽出工程で抽出したノズルのうち前記計算工程で計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成工程と、
前記記録データ生成工程で生成した前記記録データに基づいて記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする記録方法。
【請求項１】
画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測手段と、
前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出手段と、
前記ノズル抽出手段が抽出したノズル夫々に関して、前記計測手段の計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算手段と、
前記ノズル抽出手段が抽出したノズルのうち前記計算手段が計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択手段と、
前記選択手段が選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
前記インクジェット記録装置は前記記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記ノズル抽出手段は前記画像データに対応する記録位置に第１の走査で記録ドットを形成することが可能な第１のノズルと第２の走査で記録ドットを形成することが可能な第２のノズルの両方を抽出することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
【請求項３】
前記インクは揮発成分を含有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項４】
前記インクは有機溶剤を主溶媒としていることを特徴とする請求項１乃至３の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】
前記記録ヘッドは記録素子として圧電素子を使用していることを特徴とする請求項１乃至４の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項６】
画像データを入力し前記画像データから生成した記録データに基づいて、記録ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、
前記複数のノズルの吐出してからの時間をノズル毎に計測する計測工程と、
前記画像データに対応する記録位置に記録ドットを形成することが可能なノズルを抽出するノズル抽出工程と、
前記ノズル抽出工程で抽出したノズル夫々に関して、前記計測工程で計測した計測値に基づいて、前回の吐出から前記記録位置に記録するまでの時間を計算する計算工程と、
前記ノズル抽出工程で抽出したノズルのうち前記計算工程で計算した計算時間が最小となるように吐出するノズルを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択したノズルを用いて前記記録位置に記録するよう前記画像データから前記記録データを生成する記録データ生成工程と、
前記記録データ生成工程で生成した前記記録データに基づいて記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする記録方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１３−８６３０１（Ｐ２０１３−８６３０１Ａ）
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２２６９１２（Ｐ２０１１−２２６９１２）
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（３９５００３１８７）株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（３９５００３１８７）株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Ｆターム（参考）】
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