説明

インクジェット記録装置

【課題】プラテンの吸引領域の吸引力をいずれのシート幅においても最適化できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】搬送されるシート36に接触可能で、かつ、シート36との接触によりシートの搬送を受容すべく姿勢が変更可能に設けられた接触部2を備え、接触部2の姿勢の変更に応じて、複数の吸引孔8のうち接触部2に対応付けられた領域の吸引孔8の吸引状態を選択的に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置としては、記録ヘッドが搭載されたキャリッジと、記録ヘッドに対向して設けられたプラテンとを含むものが知られている。例えば、特許文献1に開示されたインクジェット記録装置においては、プラテンのシート搬送面に複数の吸引孔が形成された吸引領域を備え、吸引ファン等により当該吸引領域に吸引力を発生させて、記録媒体としてのシートを吸着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−269456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、吸引ファンの吸引力でシートをプラテンに吸引するインクジェット記録装置においては、シートの幅が狭くなるにつれて、シートによってカバーされない吸引領域が大きくなる。シートによってカバーされない開口した吸引孔からはエアーが流入するので吸引圧が低下する。リークがより大きく発生する。このため、十分な吸引力を確保するためには、吸引ファンをより高回転に駆動する、吸引ファンを大型化するなどの必要があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、プラテンの吸引領域の吸引力をいずれのシートにおいても最適化できるインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドに対向しかつ当該記録ヘッドの主走査方向に沿って設けられるとともに、前記主走査方向と交差する所定の搬送方向に搬送されるシートの裏面を支持するシート搬送面に形成された複数の吸引孔が形成されたプラテンと、前記複数の吸引孔に連通するダクトと、前記ダクト内を減圧する吸引手段と、を有するインクジェット記録装置であって、搬送されるシートに接触可能で、かつ、シートとの接触によりシートの搬送を受容すべく姿勢が変更可能に設けられた接触部を備え、前記接触部の姿勢の変更に応じて、前記複数の吸引孔のうち前記接触部に対応付けられた領域の吸引孔の吸引状態を選択的に変更する機構を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送されるシートに応じて、これに接触した接触部に対応する領域の吸引孔の吸引状態を変更できるので、いずれの幅のシートに対しても吸引力を最適化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明が適用されるインクジェット記録装置の一例の斜視図。
【図2】図1の記録装置の画像形成部の構成を示す斜視図。
【図3】吸引領域の断面図。
【図4】縁なし処理部の断面図。
【図5】印字前の吸引孔の状態を示す図。
【図6】小サイズシート印字中の吸引孔の状態を示す図。
【図7】大サイズシート印字中の吸引孔の状態を示す図。
【図8】吸引孔の開閉フロー図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置のダクト壁開口部の断面図。
【図10】ダクト壁開口部の開閉による小サイズのシートに印字中の吸引孔の状態を示す図。
【図11】ダクト壁開口部の開閉による大サイズのシートに印字中の吸引孔の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明が適用されるインクジェット記録装置の一例である。この記録装置は、ロール紙32、ロール紙を画像形成部に搬送するLFローラ30とピンチローラ31、シートにインク滴を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドを搭載するキャリッジ33、キャリッジ33を支持するレール35、ロール紙を裁断するカッター34を有する。記録ヘッドを有するキャリッジ33の対向側には、記録ヘッドと所定ギャップで離れた位置にシートを吸着支持するための吸引プラテン7が配置されている。ロール紙32は吸引プラテン7に吸着され、キャリッジ33は記録ヘッドからインク滴を吐出しながらレール35に沿って主走査方向に往復運動するとともに、LFローラ30とピンチローラ31は、キャリッジ33の方向切り換えのタイミングに応じて所定量ずつロール紙を主走査方向と直交(交差)する排紙方向(搬送方向)に繰り出して画像形成を達成する。
【0011】
図2は上記インクジェット記録装置の画像形成部の斜視図であり、ロール紙32から給紙されたシート36はLFローラ30とピンチローラ31とにより挟持されて印字可能な状態で待機している。吸引プラテン7はダクト4を介してファン10に接続されており、ダクト4の内部は開口部6を有するダクト壁5によって複数の室に分割されている。
【0012】
吸引プラテン7のシート搬送面9は複数の吸引孔8を有する。吸引プラテン7は、ファン10の駆動によりダクト4内が減圧されると、吸引孔8に生じる吸引力によりシート36の裏面を吸着支持する。なお、ファン10をエアフローFの最上流部と見た場合、吸引プラテン7は最下流部となる。吸引プラテン7の領域W1に配置された複数の吸引孔8はダクト4の上流側分室を介してファン10と連通し、領域W2に配置された複数の吸引孔8はダクト4を構成する上流側分室と下流側分室を介してファン10と連通する。吸引プラテン7のシート搬送面9には、シート36の吸引領域(シート吸引領域)25、26がそれぞれ形成されている。また、シート搬送面9には、シートの幅方向xにおける吸引領域25、26の両側に、シートに着弾せずにシートからはみ出したインク滴をダクト4内に迅速に落下させるための縁なし処理部11、12、13が形成されている。処理部11、12、13には、それぞれインク処理用の吸引孔8が形成されている。
【0013】
(第1の実施形態)
複数の接触部材20〜24が、シート搬送面9に対してシート36の幅方向xに沿って複数配置されている。各接触部材20〜24は、シート36に接触可能な接触部2をそれぞれ有する。接触部材20,21,22は、それぞれ対応付けられた縁なし処理部11、12、13に形成された吸引孔を開閉するために設けられ、接触部材23、24はこれらにそれぞれ対応付けられた吸引領域25、26の吸引孔を開閉するために設けられている。
【0014】
[吸引領域における接触部材]
ここで、図3に吸引領域25、26の吸引孔8の開閉を行う接触部材23、24の構造を示す。なお、図3は、後述する図5のG−G線方向の断面図である。以下、吸引領域25に限定して説明するが、吸引領域25、26は同様な構成であり、吸引領域25、26をそれぞれ開閉する機構も同様の構成である。接触部材23は、図3に示すように、ダクト4内に固定された支持軸pに回転自在に支持され、支持軸pに関して接触部2とは反対側に延びる後端部2Bは自由端となっている。接触部材23の後端部2Bにそれぞれ係合可能なように、開閉部材27がダクト4内に固定された支持軸qに回転自在に支持されている。開閉部材27は、吸引孔8を開閉する遮蔽部3および接触部材23の後端部2Bにそれぞれ係合可能な係合部3Bを備える。開閉部材27は、遮蔽部3Aが吸引孔8を閉じる方向にバネ14によって常時付勢されている。これにより、接触部2に何も接触していない状態では、図3において破線で示すように、開閉部材27は、遮蔽部3Aが吸引孔8を閉じた状態となり、接触部材23は、その接触部2がシート搬送面9から上方に突出するように、傾斜した状態となっている。
【0015】
ファン10を駆動してダクト4の内部を減圧した状態で、シート36がLFローラ30により給紙されると、シート36の先端は接触部材23の接触部2と接触して、接触部材23は図3の破線の状態から支持軸pを中心に回動して押し倒されて実線で示す状態となる。すなわち、接触部材23は、シート36との接触によりシート36の搬送を受容すべく姿勢が変更可能に設けられている。接触部材23の回動により、ダクト4側から吸引孔8を閉じていた開閉部材27の遮蔽部3Aは、吸引孔8から離れて吸引孔8を開放し、ファン10と吸引孔8とをダクト4を通じて連通させ、シート36の裏面に吸着力を作用させる。これにより、吸引孔8の吸引状態が変更される。
【0016】
[縁なし処理部における接触部材]
図4は縁なし処理部11、12、13の吸引孔8の開閉を行うための接触部材20、21、22の構造を示す。図4は図5におけるH−H線方向の断面図である。以下、縁なし処理部12に限定して説明するが、縁なし処理部11、12、13はそれぞれ同様な構成であり、縁なし処理部11、12、13をそれぞれ開閉する機構も同様の構成である。
【0017】
接触部材21は、ダクト4内に固定された、上記の支持軸pを中心に回動可能な状態でダ支持されている。この接触部材21は、支持軸pに関して接触部2とは反対側に延在する後端部2Cと、この後端部2Cに固定されて吸引孔8を開閉可能な遮蔽部3Cとを有する。接触部材21は、シート36の先端部と接触部材21の接触面2が接触しない状態では、自重により破線に示すように、接触部2がシート搬送面9から上方へ突出する姿勢にある。そして、ファン10を駆動してダクト4の内部を減圧した状態で、シート36がLFローラ30により給紙されると、シート36の先端は接触面2と接触して、接触部材21は破線で示す状態から支持軸pを中心に回動して押し倒され、実線で示す状態となる。接触部材21の回動により、吸引孔8を開放していた遮蔽部3は、吸引孔8に接近し、吸引孔8を閉鎖した状態となる。これにより、ファン10と吸引孔との連通を遮断し、縁なし処理部12上にあるシート36の幅方向の端部に吸着力を作用させない状態になる。
【0018】
上述のプラテンに形成された吸引領域と縁なし処理部に、接触部材を複数適用したインクジェット記録装置では、シート幅内に収まるシート幅領域の吸引孔は開放し、シート幅に収まらない非シート幅領域の吸引孔は閉鎖する構成となる。この本実施形態の構成により、シートの幅方向の端部領域の画像が吸引プラテンの吸引により劣化することなく、非シート領域の吸引孔への空気の流入による吸引力の低下も防いで強力なシート吸引を両立することが可能となる。
【0019】
[吸引プラテン全体説明]
図5、図6および図7は、図2のV方向から見た画像形成部の上面図であり、図5は印字前の吸引孔の開閉状態を、図6は小サイズシート印字中の吸引孔の開閉状態を、図7は大サイズシート印字中の吸引孔の開閉状態を示している。図5に示すように、印字前のシート36の先端部はLFローラ30と不図示のピンチローラ31で挟持され、吸引プラテンのシート搬送面9の手前でスタンバイしている。すなわち、シート36と接触部材とは非接触状態にある
【0020】
このスタンバイ状態において、シート搬送面9に形成された複数の吸引孔8は、図6に示すように、吸引領域25,26の吸引孔8はともに閉鎖され、縁なし処理部11,12、3の吸引孔8はともに開放されている。
【0021】
ここで、図5に示す状態から、印字動作中の吸引孔の開閉状態の遷移について、図8を参照して説明する。図8は吸引プラテン上の吸引孔の開閉状態をシート先端位置(y)に関して時系列に示したものであり、スタンバイから印字開始までの各動作をステップごとに示している。
【0022】
ステップ1は、図5の状態であり、シート36の先端がLFローラ30とピンチローラ31で挟持されてプラテン吸引領域手前でスタンバイしているときの各吸引孔8の開閉状態を示している。
【0023】
ステップ2は、図5のシート36の先端が印字開始位置S−Sまで給紙され、図6に示すように、シート36の先端がシート幅領域W1に配置される接触部材20,21,23と接触したときの各吸引孔8の開閉状態を示している。
【0024】
ステップ3は、図6の状態から印字動作を開始した状態を示している。非シート幅領域である吸引領域26の吸引孔8は閉じた状態となっているので、シートの吸引力低下を防止できる。また、シート36の吸引力を発生したいシート36の直下の領域となる吸引領域25の吸引孔8を開放しているので、シート36を吸引し続けることが可能となる。
【0025】
[小サイズシート]
印字を行うためにファン10を駆動して画像形成部にシート幅W1の小サイズシート36をシート搬送面9に搬送した場合には、吸引孔8は図6に示す開閉状態となる。シート36の先端部は接触部材20、21、23を押し倒すが、接触部材22、24はシート36の先端部と接触しないので押し倒されずシート搬送面9より突出した状態のままとなる。その結果、シート幅W1の直下となる吸引領域25の吸引孔8は開放され、且つシートW1領域外の吸引領域26の吸引孔は閉鎖された状態となり、非シート幅領域の吸引孔8から空気が流入せず、シート36をシート搬送面9に確実に吸着させることが可能となる。そして、シート36の両端部となる縁なし処理部11、12の吸引孔8は閉じられているため、シート端部近傍の画像流れを防止することができる。
【0026】
[大サイズシート]
ファン10を駆動して画像形成部にシート幅W1+W2の大サイズシート36をシート搬送面9に搬送した場合、吸引孔8は図7に示す開閉状態となる。このとき、シート36の先端部は接触部材20、21、22、23、24の全てを押し倒す。シート幅W1+W2の直下となる吸引領域25および吸引領域26の全ての吸引孔8が開放された状態になり、シート36の全域をシート搬送面9に吸着することが可能となる。そして、シート36の両端部となる縁なし処理部11、13の吸引孔8は閉鎖されているため、小サイズシートと同様に、シート36の幅方向の端部領域の画質の劣化を抑制できる。
【0027】
本実施形態によれば、小サイズのシート36の印刷時であっても、非シート幅領域の吸引孔8が閉鎖されるので、大サイズのシート36と同等の吸着力を小サイズのシート36にも作用させることが可能となる。また、印刷時にシート36の幅方向の両端部に位置する縁なし処理部の吸引孔8を閉鎖するので、シート46の幅方向の端部の画質の劣化を抑制できる。
【0028】
(第2の実施形態)
[ダクト壁開口部における接触部材]
図9〜図11は本発明の第2の実施形態を示す図であり、図9において、第1の実施形態と異なるのは、接触部材の構造である。また、図9は、図10および図11のI−I線方向の断面図である。なお、図9〜図11において、第1の実施形態と同一構成部分には、同一の符号を使用している。
【0029】
図9に示す接触部材24Bは、支持軸pにより支持され、シート36に接触可能な接触部2と、支持軸pに関して接触部2とは反対側に延在してダクト壁5の開口部6を開閉する遮蔽部3Dとを備える。シート36の先端部と接触部材24Bが接触しない状態では、自重により図9の破線で示す姿勢の状態にある。
【0030】
ファン10を駆動してダクト4内部を減圧した状態において、シート36がLFローラ30により給紙されると、シート36の先端は接触部2と接触し、接触部材24の接触部2は破線で示す状態から、実線で示すように押し倒され、接触部材24が支持軸Pを中心に回動する。接触部材24の回動により、ダクト壁5の開口部6を閉じていた遮蔽部3Dは、開口部6を開放する。これにより、ファン10とダクト4の下流側の分室とを連通させ、シート搬送面9上のシート36の全域に吸引力を作用させることができる。
【0031】
[大サイズシート]
ファン10を駆動して画像形成部にシート幅W1+W2の大サイズのシート36をシート搬送面9に搬送した場合、吸引孔8は図10に示すような開閉状態となり、シート36の先端部は接触部材20、21、22、24の全てを押し倒す。その結果、接触部材24Bの遮蔽部3Dは開口部6を図9に示すように開けてダクト4の2つの分室を連通させる。これにより、シート幅W1+W2の直下の吸引領域25、26の吸引孔8をファン10と連通させ、シート36の全域をシート搬送面9に吸着できる。そして、シート36の両端部となる縁なし処理部11、13の吸引孔8は閉じられているため、シート36の幅方向の端部における画質劣化を抑制できる。
【0032】
[小サイズシートの通紙]
印字を行うためにファン10を駆動して画像形成部にシート幅W1の小サイズのシート36をシート搬送面9に搬送した場合、吸引孔8は図11のような開閉状態となる。シート36の先端部は接触部材20、21を押し倒すが、接触部材22、24Bはシート36の先端部と接触しないので押し倒されずシート搬送面9より上方に突出した状態となる。接触部材24Bの遮蔽部3Dはダクト壁5の開口部6を閉鎖するので、非シート幅領域となる吸引領域26の吸引孔8の吸引力は低下せず、シート幅W1域となる吸引領域25の吸引孔8にのみ吸引力を発生させてシート36を吸着できる。そして、シート36の両端部となる縁なし処理部11、12の吸引孔8は閉じられているため、シート36の幅方向の端部における画質劣化を抑制できる。
【0033】
本実施形態では、小サイズのシートであっても、開口部6を接触部材24Bの遮蔽部3Dで閉鎖することにより、吸引力の低下を防ぎ、大サイズのシートと同等の吸引力を得ることができるので、シート幅の大小に関係なく効率的なシートの吸着が可能となる。
【0034】
上記実施形態では、複数の接触部材を設けた場合について説明したが、接触部材は単一であってもよい。この場合には、シートと接触部材の接触により、複数の吸引孔の一部の領域の吸引孔を選択的に開閉するようにすることができる。また、シート吸引領域にのみ吸引孔の開閉機構を設けても良いし、縁なし処理部にのみ吸引孔の開閉機構を設けることもできる。
【符号の説明】
【0035】
2 接触部
3A、3C、3D 遮蔽部
4 ダクト
5 ダクト壁
6 開口部
7 吸引プラテン
8 吸引孔
9 シート搬送面
10 ファン
11,12,13 縁なし処理部
20〜24 接触部材
25,26 吸引領域
36 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する記録ヘッドに対向しかつ当該記録ヘッドの主走査方向に沿って設けられるとともに、前記主走査方向と交差する所定の搬送方向に搬送されるシートの裏面を支持するシート搬送面に形成された複数の吸引孔が形成されたプラテンと、前記複数の吸引孔に連通するダクトと、前記ダクトの内部を減圧する吸引手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
搬送されるシートに接触可能で、かつ、シートとの接触によりシートの搬送を受容すべく姿勢が変更可能に設けられた接触部を備え、前記接触部の姿勢の変更に応じて、前記複数の吸引孔のうち前記接触部に対応付けられた領域の吸引孔の吸引状態を選択的に変更する機構を有する、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記機構は、前記接触部の姿勢の変更に応じて、前記複数の吸引孔のうちの前記接触部に対応付けられた領域の吸引孔を開閉する遮蔽部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記機構は、複数の前記接触部を備え、前記複数の接触部は、前記主走査方向に沿って設けられ、前記複数の接触部のうち、搬送されるシートと接触して姿勢が変更された接触部に対応するシート吸引領域の吸引孔を前記遮蔽部により開閉することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記機構は、前記複数の接触部にシートが接触していない状態においては、前記複数の接触部の各々に対応するシート吸引領域の吸引孔を前記遮蔽部により閉鎖し、前記複数の接触部の少なくともいずれかが搬送されるシートと接触して姿勢が変更された際に、対応するシート吸引領域の吸引孔を開放することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記複数の吸引孔は、シートの裏面を吸着支持するための吸引孔と、シートの幅方向の端部において、当該シートに着弾せずにシートからはみ出したインク滴を処理するためのインク処理用の吸引孔とを含み、
前記機構は、前記複数の接触部にシートが接触していない状態においては、前記インク処理用の吸引孔を開放し、前記複数の接触部のうち、前記インク処理用の吸引孔に対応する接触部が搬送されるシートと接触して姿勢が変更された際に、当該インク処理用の吸引孔を閉鎖することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記機構は、前記接触部が形成された接触部材と、前記遮蔽部が形成された開閉部材とを有し、
前記接触部材と前記開閉部材は互いに係合可能に、かつ、それぞれ所定の支持軸を中心に回動可能に支持され、
前記接触部材がシートと接触状態にあるときには、前記開閉部材が前記吸引孔を開放し、前記接触部材がシートと非接触状態にあるときには、前記開閉部材が前記吸引孔を閉鎖することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記機構は、前記接触部および前記遮蔽部が形成された接触部材を有し、
前記接触部材は、所定の支持軸を中心に回動可能に支持され、
前記接触部材がシートと接触状態にあるときには、当該接触部材が前記吸引孔を閉鎖し、前記接触部材がシートと非接触状態にあるときには、当該接触部材が前記吸引孔を開放することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記ダクトは、前記主走査方向において、ダクト壁により複数の室に分割され、
前記ダクト壁は、隣り合う室を連通する開口部を有し、
前記機構は、前記接触部の姿勢の変更に応じて、前記開口部を開閉する遮蔽部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記機構は、搬送されるシートと接触して姿勢が変更された前記接触部に対応するシート吸引領域の吸引孔に吸引力が発生するように、前記開口部を開放することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記機構は、前記接触部および前記遮蔽部が形成された接触部材を有し、
前記接触部材は、所定の支持軸を中心に回動可能に支持され、
前記接触部材がシートと接触した状態にあるときには、当該接触部材が前記開口部を開放し、前記接触部材がシートと非接触状態にあるときには、当該接触部材が前記開口部を閉鎖することを特徴とする請求項8又は9に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−218406(P2012−218406A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89443(P2011−89443)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】