説明

インクリボンカートリッジ

【課題】部品点数を削減しつつスプールの逆転を防止しながら作動音の発生を防止する。
【解決手段】スプール3,4には、一端部にラチェットギヤが13形成され、カートリッジ本体5には、各スプール3,4のラチェットギヤ13に係脱するラチェット部34a,34bが形成されていると共に熱転写プリンタ装置側の押圧部42a,42bによって押圧される被押圧部35a,35bが形成された弾性係合片33a,33bが一体的に形成されている。弾性係合片33a,33bは、熱転写プリンタ装置に装着されたとき、熱転写プリンタ装置の押圧部42a,42bによって被押圧部35a,35bが押圧され、スプール3,4のラチェットギヤ13,13とラチェット部34a,34bの係合が解除され、スプール3,4がカートリッジ本体5内で回転自在となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボンが巻回されたスプールの逆転を防止したインクリボンカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
熱転写プリンタ装置は、インクリボンを収納したインクリボンカートリッジが装着され、サーマルヘッドとこのサーマルヘッドと対向する位置に設けられたプラテンローラとの間に、インクリボンと印画紙とを走行させ、サーマルヘッドにより熱エネルギをインクリボンに印加することによって、インクリボンの染料を印画紙に熱転写し、印画紙に画像を印刷する。このような熱転写プリンタ装置に装着されるインクリボンカートリッジは、イエロー、マゼンタ、シアン等の各色のインク層が走行方向に並んで形成されたインクリボンを供給側スプールと巻取側スプールに巻回し、インクリボンが巻回された一対のスプールをカートリッジ本体内に回転可能に収納してなる。このインクリボンカートリッジでは、輸送中、保管時等に何れか又は両方のスプールが逆転することを防止するために逆転防止機構が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、インクリボンが巻回されるスプールの一端部にラチェットギヤを形成し、スプールの逆回転時に、ラチェットギヤに係合する爪を設けたインクリボンカートリッジが記載されている。特許文献1のインクリボンカートリッジでは、印刷のためにスプールが正転方向に回転するとき、ラチェットギヤのギヤ歯を乗り上がる爪の作動音、すなわち振動音が発生してしまう。特許文献1では、この作動音を防止するために、プラスチックフィルム等でなる粘着剤を設けることが記載されているが、この粘着剤を用いると、作動音の発生を抑制することができるが、その一方で、部品点数が増加し、組立工程が煩雑となってしまう。
【0004】
また、特許文献2には、スプールのラチェットギヤに噛合する爪をカートリッジ本体に設けた構成が開示されている。この特許文献2のインクリボンカートリッジにおいても、爪は、印刷のためスプールが正転方向に回転するときに、ラチェットギヤに接触しており、この爪がラチェットギヤのギヤ歯を乗り上がる際に作動音、すなわち振動音が発生してしまう。また、この特許文献2のインクリボンカートリッジは、爪がカートリッジ本体に対して別部材であることから、部品点数が増え、組立工程が煩雑となってしまう。
【0005】
更に、スプールの端面に、凹凸を設け、カートリッジ本体内の板バネ等によって、カートリッジ本体の対向面の凹凸にスプールの端面の凹凸を係合させることによって、スプールの回転防止を図るものもあるが、このインクリボンカートリッジにあっても、板バネを用いることから部品点数の削減を図ることができない。
【0006】
【特許文献1】特開平8−244322号公報
【特許文献2】特開平11−115267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を削減しつつスプールの逆転を防止し、更に、作動音の発生を防止することができるインクリボンカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るインクリボンカートリッジは、インクリボンが巻回される一対のスプールと、上記一対のスプールが離間して回転自在に収納されるカートリッジ本体とを備える。上記一対のスプールには、一端部にラチェットギヤが形成されている。上記カートリッジ本体には、上記各スプールのラチェットギヤに係脱するラチェット部が先端側に形成されていると共に熱転写プリンタ装置側の押圧部によって押圧される被押圧部が形成された一対の弾性係合片が一体的に形成されている。上記一対の弾性係合片は、上記熱転写プリンタ装置に装着されたとき、この熱転写プリンタ装置の押圧部によって上記被押圧部が押圧されることによって、上記一対のスプールのラチェットギヤと上記ラチェット部の係合が解除され、上記一対のスプールが上記カートリッジ本体内で回転自在となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スプールのラチェットギヤに係脱する弾性係合片がカートリッジ本体と一体的に形成されていることから、スプールの回転を防止する機構の部品点数を削減し、組立工程の簡素化を図ることができる。
【0010】
また、弾性係合片は、使用時にあって、スプールのラチェットギヤとの係合が解除されていることから、作動音の発生を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用したインクリボンカートリッジについて、図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明を適用したインクリボンカートリッジ1は、印画紙に染料を熱転写してカラー印刷を行う熱転写プリンタ装置に装着される。このインクリボンカートリッジ1は、図1及び図2に示すように、印画紙に転写される染料層が形成されたインクリボン2が巻回された供給側スプール3と、インクリボン2を巻き取る巻取側スプール4と、インクリボン2が巻回された供給側スプール3及び巻取側スプール4とを収納するカートリッジ本体5とを備えている。
【0013】
インクリボン2は、プラスチックフィルムからなる基材シートの一方の主面にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の昇華性又は熱拡散性の染料からなるインク層が一定の間隔をもって走行方向に順次繰り返し塗布されている。このインクリボン2は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のインク層を1枚の画像を印刷するのに用いるようになっている。そして、以上のようなインクリボン2は、一端部が供給側スプール3に係止され、他端部が巻取側スプール4に係止される。そして、インクリボン2は、印刷の進行に従って、順次、供給側スプール3から供給され、巻取側スプール4に巻き取られる。
【0014】
供給側スプール3及び巻取側スプール4は、図2及び図3に示すように、インクリボン2が巻回される軸部11を有し、この軸部11の両側にフランジ部12,12が形成されている。供給側スプール3の軸部11には、インクリボン2の一端部が接着剤又は係止部材によって係止され、巻取側スプール4の軸部11には、インクリボン2の他端部が接着剤又は係止部材によって係止される。フランジ部12,12は、軸部11に巻回されるインクリボン2の幅方向の巻回位置の規制をし、また、軸線方向の位置規制をする。また、軸部11の一端部には、フランジ部12の先に、ギヤが形成されていない根本部16を介してラチェットギヤ13が形成され、他端部には、フランジ部12の先に、熱転写プリンタ装置の駆動軸が係合する駆動穴14が形成されている。更に、供給側スプール3及び巻取側スプール4は、ラチェットギヤ13が形成された側の先端部に、突部15が形成されている。この突部15は、例えば、先端が円弧面をなすように形成され、熱転写プリンタ装置に、駆動穴14,14に供給側及び巻取り側の駆動軸が係合した際、駆動軸側のバネ力等により軸線方向に押圧され、カートリッジ本体5の基準壁に突き当てられる部分となる。突部15は、円弧面によって形成されることで、基準壁との摩擦が小さくなるようにしている。
【0015】
以上のように構成された供給側スプール3及び巻取側スプール4が回転自在に収納されるカートリッジ本体5は、図2及び図4(A)及び図4(B)に示すように、アッパシェル21と、ロアシェル22とを突き合わせ結合して構成される。アッパシェル21及びロアシェル22には、供給側スプール3を収納する供給側スプール収納部23a,23bと巻取側スプール4を収納する巻取側スプール収納部24a,24bをとが互いに平行に離間して設けられている。スプール収納部23a,23b,24a,24bは、断面が半円をなすように形成されている。アッパシェル21とロアシェル22とが突き合わせ結合されたとき、供給側スプール収納部23a,23bは、断面が略円形となり、供給側スプール3を回転自在に収納すると共に、巻取側スプール収納部24a,24bも、断面が略円形となり、巻取側スプール4を回転自在に収納する。
【0016】
また、アッパシェル21及びロアシェル22の供給側スプール収納部23a及び巻取側スプール収納部24aの一端側には、供給側スプール3及び巻取側スプール4のラチェットギヤ13側の根本部16を支持する軸受部25a,25bが形成されている。また、供給側スプール収納部23a及び巻取側スプール収納部24aの他端側には、供給側スプール3及び巻取側スプール4の駆動穴14が設けられた他端側をフランジ部12の外側で支持する軸受部26a,26bが形成されている。そして、カートリッジ本体5は、アッパシェル21及びロアシェル22とが突き合わせ結合されたとき、他端部側に、図1に示すように、供給側スプール3及び巻取側スプール4の駆動穴14,14を外部に臨ませる駆動用開口部28a,28bを構成する。そして、このカートリッジ本体5の他端部側は、熱転写プリンタ装置への挿入端となり、熱転写プリンタ装置に装着されたとき、駆動用開口部28a,28bより外部に臨まされた供給側スプール3及び巻取側スプール4の駆動穴14,14には、熱転写プリンタ装置の供給側スプール3及び巻取側スプール4を回転する駆動軸が係合される。
【0017】
更に、図2及び図4(A)に示すように、アッパシェル21の一端部には、カートリッジ本体5の側壁27が立設されている。側壁27は、一端側の軸受部25a,25bと離間して形成されている。供給側スプール3及び巻取側スプール4は、軸受部25a,25b,26a,26bに回転自在に支持されたとき、軸線方向に所定のがたつきを有するように取り付けられる。そして、供給側スプール3及び巻取側スプール4は、熱転写プリンタ装置に装着されたとき、駆動穴14,14に係合された駆動軸のバネ力によって、供給側スプール3及び巻取側スプール4の軸線方向のがたつきを無くすように、アッパシェル21の側壁27側に押圧される。これにより、供給側スプール3及び巻取側スプール4のラチェットギヤ13側の突部15は、側壁27の内面に突き当たり、軸線方向のがたつきが無くなり、軸線方向の位置決めがされる。すなわち、側壁27の内面は、供給側スプール3及び巻取側スプール4のラチェットギヤ13側の突部15が突き当てられることで、供給側スプール3及び巻取側スプール4の軸線方向の位置決めをする際の基準壁となる。
【0018】
また、アッパシェル21及びロアシェル22の供給側スプール収納部23a,23bと巻取側スプール収納部24a,24bとの間には、開口部29a,29b(以下単に開口部29ともいう。)が形成されている。アッパシェル21及びロアシェル22が突き合わせ結合されたとき、開口部29a,29bにより構成される開口部29は、供給側スプール3と巻取側スプール4との間に掛け渡され、図1に示す供給側スプール収納部23a,23bのスリット30aと巻取側スプール収納部24a,24bのスリット30bとから外部に臨まされたインクリボン2が延在される領域となると共に、熱転写プリンタ装置のサーマルヘッドが進入し、インクリボン2を印画紙に押圧する領域となる。
【0019】
なお、アッパシェル21とロアシェル22との結合は、アッパシェル21の側縁部に形成された係止孔21aをロアシェル22の側縁部に形成された係止片22aに係止させるとによって行われる。なお、その他の例として、超音波又は熱による溶着や接着剤によってアッパシェル21とロアシェル22とを結合するようにしても良い。
【0020】
ところで、図4(A)及び図5に示すように、カートリッジ本体5を構成するアッパシェル21には、側壁27が形成された一端部側に、回転自在に収納した供給側スプール3及び巻取側スプール4の回転を防止する回転防止機構31が設けられている。この回転防止機構31は、アッパシェル21の一端部側の供給側スプール収納部23aと巻取側スプール収納部24aの間の連結部32に一体的に形成され、この連結部32より供給側スプール収納部23aと巻取側スプール収納部24aに延出する一対の弾性係合片33a,33bを有する。弾性係合片33a,33bは、先端側に、供給側スプール3及び巻取側スプール4のラチェットギヤ13,13に係合する突起状のラチェット部34a,34bが形成され、連結部32との基端部を弾性起点として、ラチェット部34a,34bが供給側スプール3及び巻取側スプール4のラチェットギヤ13,13に対して係脱する図5中矢印A方向及び反矢印A方向に変位するように形成されている。
【0021】
また、弾性係合片33a,33bには、ラチェット部34a,34bと弾性起点との間に、ロアシェル22側に突出して熱転写プリンタ装置のインクリボンカートリッジ1の挿入ガイド部材41に突出形成された押圧部42a,42bによって押圧される被押圧部35a,35bが形成されている。弾性係合片33a,33bより突出形成された被押圧部35a,35bは、ラチェット部34a,34bがラチェットギヤ13,13に係合しているとき、図4(B)及び図5に示すように、ロアシェル22の一端部側に形成された貫通孔36a,36bより外部に突出し、熱転写プリンタ装置側の挿入ガイド部材41の押圧部42a,42bによって押圧可能な状態となっている。なお、図5では、説明の便宜上、カートリッジ本体5と挿入ガイド部材41とが離間した状態を示しているが、実際は、カートリッジ本体5の挿入をガイドするため、カートリッジ本体5と挿入ガイド部材41とは、近接している。また、図1に示すように、被押圧部35a,35bは、熱転写プリンタ装置側の挿入ガイド部材41の押圧部42a,42bによって確実に押圧されるように、押圧部42a,42bを向かい入れる側の側縁が傾斜ガイド部37a,37bとなっている。このような、回転防止機構31では、一対の弾性係合片33a,33bがアッパシェル21と一体的に設けられており、従来の回転防止機構に用いられていた別部材の板バネ等も必要としないことから、部品点数の削減を図ることができる。
【0022】
以上のように構成されたインクリボンカートリッジ1は、図1に示すように、カートリッジ本体5の他端部側、すなわち駆動用開口部28a,28bから供給側スプール3及び巻取側スプール4の駆動穴14,14が外部に臨まされた側を挿入端として、図1中矢印X方向から熱転写プリンタ装置に挿入される。すると、図5に示すように、インクリボンカートリッジ1は、熱転写プリンタ装置の挿入ガイド部材41にガイドされて装着部まで挿入される。熱転写プリンタ装置の装着部にインクリボンカートリッジ1が装着されると、供給側スプール3及び巻取側スプール4の駆動穴14,14には、熱転写プリンタ装置側の駆動軸が係合される。この際、供給側スプール3及び巻取側スプール4は、熱転写プリンタ装置側の駆動軸のバネ力によって側壁27の基準面に押圧され、がたつきが無くなると共に軸線方向の位置決めがされる。
【0023】
これと同時に、図5に示す熱転写プリンタ装置の挿入ガイド部材41の押圧部42a,42bは、ロアシェル22の貫通孔36a,36bより突出している弾性係合片33a,33bの被操作部35a,35bを押圧する。このとき、被操作部35a,35bは、傾斜ガイド部37a,37bが形成されていることから、確実に挿入ガイド部材41の押圧部42a,42bにより押圧される。すると、ラチェットギヤ13,13にラチェット部34a,34bが係合している弾性係合片33a,33bは、基端部を弾性起点として、図5中反矢印A方向に弾性変位し、ラチェットギヤ13,13にラチェット部34a,34bとの係合状態が解除されてる。これにより、供給側スプール3及び巻取側スプール4は、熱転写プリンタ装置の駆動軸によって円滑に回転可能な状態となる。
【0024】
インクリボン2は、供給側スプール3及び巻取側スプール4が熱転写プリンタ装置の駆動軸によって図5中B方向に回転することによって同方向に走行する。また、カートリッジ本体5の開口部29には、熱転写プリンタ装置のサーマルヘッドが進入し、サーマルヘッドは、開口部29に延在したインクリボン2に対して熱エネルギを印加することによって、印画紙に対して染料を熱転写する。インクリボン2の走行時において、弾性係合片33a,33bは、ラチェット部34a,34bがラチェットギヤ13,13と非係合状態にあることから、作動音の発生を防止することができる。
【0025】
また、このインクリボンカートリッジ1は、保管時、輸送時等の非使用時にあっては、図5に示すように、弾性係合片33a,33bが図5中矢印A方向に付勢され、ラチェット部34a,34bがラチェットギヤ13,13に係合している。
【0026】
この状態において、供給側スプール3は、振動等によって、インクリボン2を走行させる図5中矢印B方向と同じ矢印C方向の回転力が加わったとき、ラチェットギヤ13に弾性係合片33aのラチェット部34aが食い込む方向に力が加わることから、C方向の回転を防止することができる。これにより、未使用のインクリボン2が非使用時に開口部29に延在してしまうことを防止することができる。なお、図5中矢印D方向に供給側スプール3を回転する回転力が振動等によって加わったときには、弾性係合片33aは、ラチェット部34aがラチェットギヤ13を乗り上げ、これにより、供給側スプール3は、図5中矢印D方向に回転することになる。
【0027】
また、巻取側スプール4は、振動等によって、インクリボン2を巻き取る図5中矢印B方向と同じ矢印E方向の回転力が加わったとき、弾性係合片33bは、ラチェット部34bがラチェットギヤ13を乗り上げ、これにより、巻取側スプール4は、図5中矢印E方向に回転することになる。これに対して、巻取側スプール4は、図5中矢印F方向の回転力が加わったときには、ラチェットギヤ13に弾性係合片33bのラチェット部34bが食い込む方向に力が加わることから、F方向の回転を防止することができる。これにより、使用済みのインクリボン2が非使用時に開口部29に延在してしまうことを防止することができる。これにより、印刷した情報が使用済みのインクリボン2から漏洩することを防止することができる。
【0028】
すなわち、回転防止機構31は、供給側スプール3のインクリボン2を開口部29へ送り出す図5中矢印C方向の回転を禁止すると共に、巻取側スプール4のインクリボン2の巻回方向とは逆の図5中矢印F方向の回転を禁止することで、インクリボン2の弛みも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明が適用されたインクリボンカートリッジをロアシェル側から見た斜視図である。
【図2】上記インクリボンカートリッジの分解斜視図である。
【図3】上記インクリボンカートリッジに用いる供給側スプール及び巻取側スプールの平面図である。
【図4】(A)は、アッパシェルを内側から見た平面図であり、(B)は、ロアシェルを内側から見た平面図である。
【図5】上記インクリボンカートリッジの回転防止機構を示す正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 インクリボンカートリッジ、2 インクリボン、3 供給側スプール、4 巻取側スプール、11 軸部、12 フランジ部、13 ラチェットギヤ、14 駆動穴、15 突部、16 根本部、21 アッパシェル、21a 係止孔、22 ロアシェル、22a 係止片、23a,23b 供給側スプール収納部、24a,24b 巻取側スプール収納部、25a,25b,26a,26b 軸受部、27 側壁、28a,28b 駆動用開口部、29,29a,29b 開口部、31 回転防止機構、32 連結部、33a,33b 弾性係合片、34a,34b ラチェット部、35a,35b 被押圧部、36a,36b 貫通孔、37a,37b 傾斜ガイド部、41 挿入ガイド部材、41a,41b 押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクリボンが巻回される一対のスプールと、
上記一対のスプールが離間して回転自在に収納されるカートリッジ本体とを備え、
上記一対のスプールには、一端部にラチェットギヤが形成され、
上記カートリッジ本体には、上記各スプールのラチェットギヤに係脱するラチェット部が先端側に形成されていると共に、熱転写プリンタ装置側の押圧部によって押圧される被押圧部が形成された一対の弾性係合片が一体的に形成され、
上記一対の弾性係合片は、上記熱転写プリンタ装置に装着されたとき、この熱転写プリンタ装置の押圧部によって上記被押圧部が押圧されることによって、上記一対のスプールのラチェットギヤと上記ラチェット部の係合が解除され、上記一対のスプールが上記カートリッジ本体内で回転自在となることを特徴とするインクリボンカートリッジ。
【請求項2】
上記一対のスプールの内、上記供給用のスプールは、上記インクリボンを送り出す供給方向に回転しようとしたとき、上記ラチェットギヤに対して上記弾性係合片のラチェット部が係合し、
巻取用のスプールは、上記インクリボンの巻取方向に対して逆転方向に回転しようとしたとき、上記ラチェットギヤに対して上記弾性係合片のラチェット部が係合することを特徴とする請求項1記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項3】
上記被押圧部は、上記カートリッジ本体に形成された貫通孔より外部に突出し、上記熱転写プリンタ装置に装着されたとき、この突出した状態で上記熱転写プリンタ装置の押圧部によって押圧されることを特徴とする請求項1記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項4】
上記ラチェット部には、上記熱転写プリンタ装置の押圧部の進入側に傾斜ガイド部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクリボンカートリッジ。
【請求項5】
上記一対のスプールには、上記熱転写プリンタ装置の駆動軸が係合する駆動穴が形成されており、
上記カートリッジ本体には、上記熱転写プリンタ装置に装着され、上記駆動穴に上記熱転写プリンタ装置の駆動軸が係合されたとき、上記一対のスプールの上記駆動穴とは反対側の先端側が突き当てられ、上記インクリボンの走行方向と直交する方向の位置を規定する基準壁が形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクリボンカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−98653(P2007−98653A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−288795(P2005−288795)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】