説明

インク組成物,それを含むインクジェットプリンタカートリッジ,インクジェット記録装置,インク混合物,インク組成物の製造方法及び画像形成方法

【課題】高い光学密度及び鮮明な色相具現が可能であるだけでなく,耐水性,耐光性,耐ガス性,及び耐環境性のような印刷画像の耐久性が改善され,さらに,インクの溶解度及び安定性を向上させて一定の粘度を維持し,長期保管時の保存安定性とカートリッジの使用安定性が向上したインク組成物,それを含むインクジェットプリンタカートリッジ,インクジェット記録装置,インク混合物,インク組成物の製造方法及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】本発明は,マクロ発色団含有着色剤と,マクロ発色団含有着色剤と構造的特徴を共有する着色剤類似添加剤と,液体運搬体と,を含むインク組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,着色剤類似添加剤を含有したインク組成物,それを含むインクジェットプリンタカートリッジ,インクジェット記録装置,インク混合物,インク組成物の製造方法及び画像形成方法に係り,より詳細には,着色剤類似添加剤を含有して,色相具現に優れ,耐水性,耐光性,耐ガス性及び耐環境性などの印刷画像の耐久性が改善されたインク組成物,それを含むインクジェットプリンタカートリッジ,インクジェット記録装置,インク混合物,インク組成物の製造方法及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ用のインク組成物の製造時に使われるブラック染料の例として,特許文献1に公知されたようにフードブラック2(Food Black 2)が知られている。
【0003】
前記ブラック染料とともに使用可能なカラーインク組成物は,黄色,マゼンタ,シアン染料を適用したインクジェットで構成されるが,この例としては,特許文献2に公知されたように,アシッドイエロー23(Acid Yellow 23),ダイレクトレッド227(Direct Red 227),アシッドブルー9(Acid Blue 9)があり,他の例としては,特許文献3のようにダイレクトイエロー86(Direct Yellow 86),アシッドレッド52(Acid Red 52),アシッドブルー9などが共に適用された。その他に,特許文献4では,アシッドイエロー23,アシッドレッド52,アシッドブルー9がジエチレングリコールと共に適用されたものが知られている。
【0004】
ところが,前記着色剤などは,色相具現は可能であるが,光,ガス及び熱に対する耐久性が脆弱であるため,印刷物の長期保管が困難である。
【0005】
前記した問題点を解決するために,最近では,多重共鳴構造を有するか(例えば,特許文献5,特許文献6,特許文献7を参照),耐光性及び耐久性を強化させるために分散剤によって分散されるか,分散剤のなしに表面改質された自体分散顔料などを使用する技術が提案されている(例えば,特許文献8,特許文献9を参照)。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,197,135号明細書
【特許文献2】米国特許第5,143,547号明細書
【特許文献3】米国特許第5,145,519号明細書
【特許文献4】米国特許第5,273,573号明細書
【特許文献5】米国特許第6,319,309号明細書
【特許文献6】米国特許第6,648,952号明細書
【特許文献7】米国特許第6,749,674号明細書
【特許文献8】米国特許第6,648,953号明細書
【特許文献9】米国特許第6,506,245号明細書
【特許文献10】米国特許第5,302,197号明細書
【特許文献11】特開2004−067903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし,前記着色剤は,分子構造全体における疎水性基が占める程度が増大して,親水性が低下し,それにより,溶解度が低下して十分な量の着色剤を適用し難い。また,インク内でも着色剤の安定性を維持し難いため,着色剤が析出されるか,インクの層分離を誘発し,さらに,インクの粘度が急激に上昇して吐出し難いだけでなく,結局はカートリッジのノズルを詰まらせて,それ以上使用できなくなる,という問題があった。
【0008】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,前記問題点を解決して高い光学密度及び鮮明な色相具現が可能であるだけでなく,耐水性,耐光性,耐ガス性,及び耐環境性のような印刷画像の耐久性が改善され,さらに,インクの溶解度及び安定性を向上させて一定の粘度を維持し,長期保管時の保存安定性とカートリッジの使用安定性が向上したインク組成物,それを含むインクジェットプリンタカートリッジ,インクジェット記録装置,インク混合物,インク組成物の製造方法及び画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の第1の観点によれば,マクロ発色団含有着色剤と,前記マクロ発色団含有着色剤と構造的特徴を共有する着色剤類似添加剤と,液体運搬体と,を含むインク組成物が提供される。
【0010】
前記マクロ発色団含有着色剤は,分子内に少なくとも6個以上の多重共鳴構造を有すると共に,少なくとも4個以上の炭素環またはアリール環が縮合された放射状型の着色剤Aと,着色剤分子内にアゾ基を少なくとも3個以上含む延長アゾ型の着色剤Bと,少なくとも一つ以上の耐光性改善モイエティを有している着色剤Cと,のうち選択された一つ以上であってもよい。
【0011】
上記課題を解決するために本発明の第2の観点によれば,前述したインク組成物を含有するインクジェットプリンタカートリッジが提供される。
【0012】
上記課題を解決するために本発明の第3の観点によれば,前述したインクジェットプリンタカートリッジを備えたインクジェット記録装置が提供される。
【0013】
液体運搬体は,水を含みうる。インク組成物の初期粘度は,約1〜約7cpsでありうる。
【0014】
上記課題を解決するために本発明の第4の観点によれば,一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と,一つ以上の前記マクロ発色団含有着色剤と相互作用する一つ以上の着色剤類似添加剤と,液体運搬体と,を含むインク組成物が提供される。
【0015】
一つ以上のマクロ発色団含有着色剤及び一つ以上のマクロ発色団含有着色剤間の相互作用は,疏水性相互作用を含みうる。一つ以上の着色剤類似添加剤は,前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と構造的特徴を共有する一つ以上の疎水性基を含み,一つ以上のマクロ発色団含有着色剤及び一つ以上のマクロ発色団含有着色剤間の相互作用を向上させることができる。前記一つ以上の着色剤類似添加剤は,複数の着色剤類似添加剤を含みうる。前記複数の着色剤類似添加剤は,互いに同じものでありうる。二つ以上の複数の着色剤類似添加剤が相異なることがある。前記インク組成物内の前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤に対する前記一つ以上の着色剤類似添加剤の比は,1:5〜20:1でありうる。前記インク組成物内の前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤に対する前記一つ以上の着色剤類似添加剤の比は,4:5〜10:1でありうる。
【0016】
上記課題を解決するために本発明の第5の観点によれば,一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と,一つ以上の前記マクロ発色団含有着色剤と相互作用する一つ以上の着色剤類似添加剤と,液体運搬体と,を含む第1インク組成物と;第1インク組成物と異なる第2インク組成物と;を含むインク混合物が提供される。
【0017】
上記課題を解決するために本発明の第6の観点によれば,一つ以上のマクロ発色団含有着色剤,一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体を混合して均質混合物を形成する段階と,前記均質混合物を濾過する段階と,を含むインク組成物の製造方法が提供される。前記均質混合物を濾過する前に,有機溶媒,湿潤剤,界面活性剤,分散剤及び粘度調節剤のうち一つ以上を,一つ以上のマクロ発色団含有着色,一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体と混合する段階をさらに含みうる。
【0018】
上記課題を解決するために本発明の第7の観点によれば,一つ以上のマクロ発色団含有着色,一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体を含むインク組成物を画像形成装置に統合する段階と,インク組成物の液滴を基材上に画像方式パターンに吐出する段階と,を含む画像形成方法が提供される。前記画像形成装置は,熱インクジェット方式を使用でき,前記熱インクジェット方式で画像形成装置のノズル内のインク組成物は,画像方式パターンに選択的に加熱することによって,前記インク組成物の液滴が画像方式パターンに吐出させる。前記画像形成装置が圧電インクジェット方式を使用でき,前記インク組成物の液滴が圧電装置によって,画像方式パターンに吐出される。
【発明の効果】
【0019】
本発明のインク組成物は,印刷画像の高い光学密度及び鮮明な色相具現が可能であり,耐水性,耐光性,耐ガス性,及び耐環境性などの印刷画像の耐久性が改善され,長期間保管しても保存安定性に優れ,インクジェットプリンタカートリッジでのノズル詰まりを誘発しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
本発明は,少なくとも一つ以上のカラーインクで構成されたインクジェットインク組成物において,それぞれのインクは,少なくとも一つ以上のマクロ発色団含有着色剤,着色剤類似添加剤,及び液体運搬体(例えば,水)からなる。
【0022】
前記マクロ発色団含有着色剤は,放射形型の着色剤,延長アゾ型の着色剤,及び一つ以上の耐光性改善モイエティを有する着色剤の3類型に区分可能である。また,マクロ発色団含有着色剤は,前記3類型のうち一つ以上でありうる。
【0023】
第一に,分子内に少なくとも6個以上の多重共鳴構造を有すると共に,少なくとも4個以上の炭素環またはアリール環が縮合された放射状型の着色剤があり,その代表的な例として,米国特許第6,648,952号明細書で公知された化学式1で表示されるアントラピリドン化合物,化学式2で表示されるカーボンブラック,化学式3で表示されるフタロシアニンブルー15:3がある。
【0024】
【化1】

【0025】
【化2】

【0026】
【化3】

【0027】
第二に,着色剤分子内に色具現に寄与するアゾ基を少なくとも3個以上含む延長アゾ型の着色剤がある。前記アゾ基の代わりに前記アゾ基と類似して非共有電子対を有するO,S,P含有基を含む着色剤もこのタイプに属すると見ることができる。
【0028】
前記第2類型の着色剤としては,米国特許第6,749,674号明細書で公知された化学式4で表示されるC.I.Direct Black 62がある。
【0029】
【化4】

【0030】
第三に,少なくとも一つ以上の耐光性改善モイエティを有している着色剤がある。ここで耐光性改善モイエティは,耐光性を向上させることができる成分を示し,その具体的な例として,米国特許第6,508,872号明細書で公知されたようなトリアジン,ベンズイミダゾール,テトラゾール及びその誘導体などがある。
【0031】
前記第3類型着色剤の例としては,米国特許第6,319,309号明細書で公知された化学式5で表示される化合物が挙げられる。
【0032】
【化5】

【0033】
本発明で使われるマクロ発色団含有着色剤は,前述した3類型のうちいずれか一つ類型に属するよりは,2種類以上の類型に同時に属する複合的な形態の化合物でありうる。
本発明で使われる着色剤類似添加剤は,着色剤内に含まれた芳香族環や局所電子分子基との相互作用を向上させることができる類似構造の疎水性基(A),水素または親水性基であるR基,及び置換基であるRで構成されている。
【0034】
【化6】

【0035】
前記化学式12の着色剤類似添加剤の非制限的な例は,下記化学式13〜15で表示される化合物がある。
【0036】
i)C6−C20の少なくとも一つ以上の芳香族環が縮合されているか,炭素により連結されている芳香族環化合物(化学式13−a〜13−h)
【0037】
【化7】

【0038】
【化8】

【0039】
【化9】

【0040】
【化10】

【0041】
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】
【化13】

【0044】
【化14】

【0045】
前記式において,Rは,一置換または多置換の置換基であり,一つ以上のH,C1−C8の環,またはC4−C20の脂環族,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,C1−C20のアルコキシ,ハロゲン,NO,ニトリル,置換または非置換の一級,二級,三級アミン,アンモニウム塩,置換または非置換のアミドまたはイミン,カルボン酸,リン酸,硫酸及びその塩であり,Rは,一置換または多置換の置換基であり,H,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C1−C20のアルキル,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,(エチレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール)(エチレングリコール)であり,前記Rは,H,COOH,SOH及びその塩,アミノ基及びその塩であり,q,r,sは,それぞれ1〜10の整数であり,aは,1〜10の整数である。
【0046】
ii)少なくとも一つ以上の電子共役または電子の非局在化を含むC3−C30の脂環族または環化合物(化学式14−a〜14−e)
【0047】
【化15】

【0048】
【化16】

【0049】
【化17】

【0050】
【化18】

【0051】
【化19】

【0052】
前記式において,Rは,一置換または多置換の置換基であり,一つ以上のH,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,C1−C20のアルコキシ,ハロゲン,NO,ニトリル,置換または非置換の一級,二級,三級アミン,アンモニウム塩,置換または非置換のアミドまたはイミン,カルボン酸,リン酸,硫酸及びその塩であり,Rは,一置換または多置換の置換基であり,H,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C1−C20のアルキル,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,(エチレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール)(エチレングリコール)であり,前記Rは,H,COOH,SOH及びその塩,アミノ基及びその塩であり,q,r,sは,それぞれ1〜10の整数であり,Xは,O,N,S,またはPであり,Xは,O,N,S,またはPであり,Yは,O,N,S,またはPであり,lは,1〜10の整数であり,pは,1〜9の整数であり,mは,1〜9の整数であり,nは,1〜6の整数である。
【0053】
iii)少なくとも一つ以上のヘテロ原子を含むC4−C12の単環または多環芳香族化合物(化学式15−a〜15−d)
【0054】
【化20】

【0055】
【化21】

【0056】
【化22】

【0057】
【化23】

【0058】
は,一置換または多置換の置換基であり,一つ以上のH,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,C1−C20のアルコキシ,ハロゲン,NO,ニトリル,置換または非置換の一級,二級,三級アミン,アンモニウム塩,置換または非置換のアミドまたはイミン,カルボン酸,リン酸,硫酸及びその塩であり,Rは,一置換または多置換の置換基であり,H,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C1−C20のアルキル,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,(エチレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール)(エチレングリコール)であり,前記Rは,H,COOH,SOH及びその塩,アミノ基及びその塩であり,q,r,sは,それぞれ1〜10の整数であり,Xは,O,N,S,またはPである。
【0059】
前述したように,前記化学式13〜15の着色剤類似添加剤は,マクロ発色団含有着色剤の溶解度及び保存安定性に大きく寄与するが,特に,放射状型の着色剤とは化学式13の有機溶媒がバルキーな縮合環との親和力による分子間相互作用がはるかに増進し,着色剤のうち延長アゾ型は,化学式14の少なくとも一つ以上の二重結合を含む着色剤類似添加剤が二重結合間の疏水性−疏水性相互作用により,その影響が強化されうる。また,第3類型の着色剤は,その分子内に含まれたトリアジン誘導体とその類型が類似したヘテロ原子を含む着色剤類似添加剤である化学式15によって,さらに安定化されると見ることができるが,前記の特別な構造的類似性と共に,マクロ発色団含有着色剤と着色剤類似添加剤との間の疏水性−疏水性相互作用によって,分子の接近が容易であり,着色剤類似添加剤の親水性基による水での溶解度が十分であれば,前記着色剤類似添加剤の何れも適用が可能であり,また,一種以上の混合適用によりその影響をさらに向上させうる。
【0060】
本発明のインク組成物において,前記着色剤類似添加剤の含量は,マクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,約20〜約2000質量部であることが望ましい。例えば,インク組成物内の着色剤類似添加剤の含量は,マクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,約120〜約1000質量部,約80〜約2000質量部,約120〜約1000質量部,約120〜約600質量部,約180〜約600質量部,約350〜約600質量部,または約350〜約500質量部でありうる。仮りに,着色剤類似添加剤の含量が約20質量部未満であれば,着色剤の溶解度が低下して,インク内で着色剤の安定性を維持し難く,ノズル詰まりが発生しやすく,約2000質量部を超過すれば,インク組成物の粘度が上昇して吐出し安定性に影響を与えるために望ましくない。
【0061】
インク組成物内でマクロ発色団含有着色剤に対する着色剤類似添加剤(または着色剤類似添加剤混合物)の比は,約1:5〜約20:1でありうる。例えば,インク組成物内でマクロ発色団含有着色剤に対する着色剤類似添加剤の比は,約1:5〜約10:1,約4:5〜約20:1,及び約1:1〜約6:1でありうる。また,インク組成物内でマクロ発色団含有着色剤に対する着色剤類似添加剤の比は,約1:5,約4:5,約1:1,約6:5,約7:2,約9:5,約5:1,約6:1,約10:1,または約20:1でありうる。
【0062】
本発明のインク組成物において水の含量は,マクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,約200〜約9000質量部であることが望ましい。
【0063】
本発明のインク組成物には,前記着色剤類似添加剤以外に必要によって1種以上の有機溶媒がさらに含まれうる。このような有機溶媒として,アルコール系溶媒,ケトン系溶媒,エステル系溶媒,多価アルコール系溶媒,含窒素系溶媒,ジメチルスルホキシド,テトラメチルスルホン,及びチオグリコールの含硫黄化合物からなる群から選択された一つ以上が使われる。そして,前記有機溶媒の含量は,マクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,約7〜約4000質量部であることが付加効果に優れて望ましい。
【0064】
前記アルコール系溶媒としては,メチルアルコール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコール,n−ブチルアルコール,sec−ブチルアルコール,t−ブチルアルコールまたはイソブチルアルコールがあり,前記ケトン系溶媒としては,アセトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトンまたはジアセトンアルコールがあり,前記エステル系溶媒としては,酢酸メチル,酢酸エチルまたは乳酸エチルがあり,前記多価アルコール系溶媒の例としては,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,2,4−ブタントリオール,1,5−ペンタンジオール,1,2,6−ヘキサントリオール,へキシレングリコール,グリセロール,グリセロールエトキシレートまたはトリメチロールプロパンエトキシレートがある。
【0065】
前記含窒素系溶媒の例としては,2−ピロリドンまたはN−メチル−2−ピロリドンがあり,前記含硫黄系溶媒の例としては,ジメチルスルホキシド,テトラメチレンスルホンまたはチオグリコールがある。
【0066】
前記インク組成物には,インク組成物の表面張力を調節して,ノズルでのジェッティング性能を安定化させ,インクがメディアに透過される程度を調節するために,界面活性剤がさらに含まれうる。
【0067】
前記界面活性剤としては,陰イオン性の界面活性剤や陽イオン性の界面活性剤または非イオン性の界面活性剤を使用することが望ましい。前記陰イオン性の界面活性剤の例としては,炭素数1〜1000のアルキルカルボン酸塩(望ましくは,炭素数10〜200のアルキルカルボン酸塩),炭素数1〜1000のアルコールスルホン酸エステル塩(望ましくは,炭素数10〜200のアルコールスルホン酸エステル塩),炭素数1〜1000のアルキルスルホン酸塩(望ましくは,炭素数10〜200のアルキルスルホン酸塩),炭素数1〜1000のアルキルベンゼンスルホン酸塩(望ましくは,炭素数10〜200のアルキルベンゼンスルホン酸塩),またはその混合物が挙げられる。陽イオン性の界面活性剤の例としては,脂肪酸アミン塩,4級アンモニウム塩,スルホニウム塩,ホスホニウム塩 ,またはそれらの混合物を使用できる。前記非イオン性界面活性剤の例としては,ポリオキシエチレンアルキルエーテル(但し,アルキルは,炭素数1〜1000のアルキル基であり,望ましくは,炭素数10〜200のアルキル基である),ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(但し,アルキルは,炭素数1〜1000のアルキル基,望ましくは,炭素数10〜200のアルキル基である),ポリオキシエチレン2次アルコールエーテル,ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,またはその混合物が挙げられる。
【0068】
本発明の一具現例及び他の具現例によるインク組成物において,前記界面活性剤の含量は,前記マクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,約0.07〜約1000質量部であることが望ましい。
【0069】
その他に,本発明のインク組成物は,必要によって湿潤剤,分散剤,粘度調節剤,pH調節剤,抗酸化剤などをさらに含みうる。
【0070】
本発明のインク組成物は,密閉された容器に入れて常温で3ヵ月以上保管時に粘度が初期の3倍を超えない。特に,1〜2.5倍の粘度特性を表す。ここで,インク組成物の初期粘度は,常温で約1〜約7cpsの範囲を有する。
【0071】
以下,前記した本発明の一具現例及び他の具現例によるインク組成物の製造方法について説明する。
【0072】
すなわち,マクロ発色団含有着色剤,前記化学式12〜15の化合物のような着色剤類似添加剤,及び液体運搬体(例えば,水)を混合し,ここに必要によって有機溶媒,湿潤剤,界面活性剤,分散剤,粘度調節剤などを付加して混合した後,攪拌器で十分に攪拌して均一な状態にする。
【0073】
その後,前記均一な状態の結果物をフィルタに通過させて濾過することによって,本発明によるインク組成物を得る。
【0074】
前述したようなインク組成物は,いろいろな色相を印刷できるプリンタを提供するために,インクジェットプリンタ利用時に他のインクと組み合わせるか,または,それぞれ単独で使用可能である。
【0075】
本発明に係るインク組成物は,インクジェット記録装置のインク収容部またはインクカートリッジに提供されうる。本発明のインクジェット記録装置は,インク組成物を加熱して水蒸気圧でインク液滴を吐出させる方式のサーマルヘッド,ピエゾ素子を利用してインク液滴を吐出させる方式のピエゾヘッド,ディスポーザブルヘッドまたはパーマネントヘッドを備えうる。また,前記インクジェット記録装置は,スキャニング型プリンタまたはアレイ型プリンタであってもよく,デスクトップ用,テキスタイル用及び産業用としても使われうる。前記本発明のインクジェット記録装置と関連したヘッドタイプ,プリンタタイプ及び用途は,本発明のインクジェット記録装置をさらに詳細に説明するために列挙しただけであり,本発明のインク組成物が使われうるインクジェット記録装置は,前述したインクジェット記録装置に限定されず,多様に使用されうることは言うまでもない。
【0076】
図1は,本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置を示した図面である。
【0077】
これを参照すれば,インクジェット記録装置は,マクロ発色団含有着色剤及び着色剤類似添加剤を含有するインク組成物を含むインクカートリッジを備える。プリンタカバー8は,プリンタ5の本体13と連結されている。移動性ラッチ10の互いに噛み合った領域は,ホール7を通じて突出している。移動性ラッチ10は,固定ラッチ9と互いに噛み合うようになっており,固定ラッチ9は,カバーが閉められる時にプリンタカバーの内部に連結される。前記カバーはホールを通じて延びた移動性ラッチ10の噛み合った領域に対応するリセス14を備える。インクカートリッジ11は,インクカートリッジ11の下部を通過する紙3にインクを位置させるように装着される。
【0078】
図2は,本発明のインク組成物を含むインクカートリッジの断面図である。前記インクカートリッジ100は,インク保存器112を形成するカートリッジ本体110,インク保存器112のトップ領域をカバーする内部カバー114,前記内部カバー114と所定間隔で離隔され,前記インク保存器112と内部カバー114とをシーリングする外部カバー116を備える。
【0079】
前記インク保存器112は,垂直バリア壁123によって,第1チャンバ124及び第2チャンバ126が区画される。第1チャンバ124及び第2チャンバ126の間にインク通路128が垂直バリア壁123の底に形成される。インクは,第1チャンバ124,スポンジ129,及び第2チャンバ126を充填する。前記第2チャンバ126に対応するベントホール126aが内部カバー114に形成される。
【0080】
フィルタ140は,第2チャンバ126の下部に形成されて,インク内の不純物及び微細バブルを濾過してプリンタヘッド130の排出ホールがクロッギングされることを防止する。フック142は,フィルタ140のエッジ(端領域)上に形成されて,スタンドパイプ132のトップ領域に配置される。インク保存器120のインクがプリンタヘッド130の排出ホールを通過して,印刷媒体に小液滴状に排出される。
【実施例】
【0081】
以下,本発明を下記実施例を挙げてさらに具体的に説明するが,本発明が下記実施例のみに限定されるものではない。
【0082】
本実施例及び比較例に使われたマクロ発色団含有着色剤,着色剤類似添加剤は,次の通りである。
【0083】
<マクロ発色団含有着色剤>
マクロ発色団含有着色剤1:
【化24】

【0084】
マクロ発色団含有着色剤1は,米国特許第6,648,952号明細書の実施例1を参照して合成した。
【0085】
マクロ発色団含有着色剤2(Cabot 200(Cabot)):
【化25】

【0086】
Cabot 200(Cabot)
マクロ発色団含有着色剤3(COJ250(Cabot)):
【化26】

【0087】
マクロ発色団含有着色剤4(C.I.Direct Black 62(StandardDyes Inc.)):
【化27】

【0088】
マクロ発色団含有着色剤5:
【化28】

【0089】
マクロ発色団含有着色剤5は,EP 0 468 648明細書の実施例1でフェニレンジアミンの代わりに2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミンを使用したことを除いては,実施例1と同じ方法によって実施して合成した。
【0090】
<着色剤類似添加剤>
着色剤類似添加剤1:
【化29】

【0091】
着色剤類似添加剤2:
【化30】

【0092】
着色剤類似添加剤3:
【化31】

【0093】
着色剤類似添加剤4:
【化32】

【0094】
着色剤類似添加剤5:
【化33】

【0095】
着色剤類似添加剤6:
【化34】

【0096】
着色剤類似添加剤7:
【化35】

【0097】
【表1】

【0098】
(実験例1:インクの長期保存安定性(1))
前記実施例1〜9と比較例1〜5とで得られたインク組成物を耐熱性ガラス瓶に100mlずつ入れた後,入口を密封して60℃恒温槽に保存した。これを2ヵ月間放置した後に,底での沈殿有無と層分離を確認して次の通り評価し,その結果を次の表2に示した。
○:沈殿無し,層分離無し
△:沈殿無し,層分離あり
×:沈殿発生
【0099】
(実験例2:インクの長期保存安定性(2))
前記実施例1〜9と比較例1〜5とで得られたインク組成物を耐熱性のガラス瓶に100mlずつ入れた後,入口を密封して常温(25℃)で3ヵ月間放置した後に,常温(25℃)で粘度を測定して次の通り評価し,その結果を次の表2に示した。
◎:放置後粘度≦初期粘度X1.2
○:初期粘度X1.2<放置後粘度≦初期粘度X2.0
△:初期粘度X2.0<放置後粘度≦初期粘度X3.0
×:放置後粘度>初期粘度×3.0
【0100】
(実験例3:画像性能テスト)
前記実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたインク組成物のうち,染料インク(実施例1,4,5,6,8,9及び比較例1〜5)は,インクカートリッジC−60(三星電子)に,顔料インク(実施例2,3,7)は,インクカートリッジM−50(三星電子)にリフィールし,プリンタ(MJC−2400C,三星電子)で三星一般用紙にソリッドボックス(10*10cm)を印刷した後,ソリッドボックス内部に生成された白線の発生程度によって,次の通りに評価し,その結果を下記表2に示した。
○:白線の発生がほとんど無い
△:白線が少量発生する
×:白線が多量発生する
【0101】
(実験例4:耐光性テスト)
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたインク組成物のうち,染料インク(実施例1,4,5,6,8,9及び比較例1〜5)は,インクカートリッジC−60(三星電子)に,顔料インク(実施例2,3,7)は,インクカートリッジM−50(三星電子)にリフィールし,プリンタ(MJC−2400C,三星電子)で三星フォト用紙にソリッドボックス(2*2cm)を印刷した後,これをQ−SUN ゼノンテストチャンバで100時間光露出させた後,テスト前後のOD値変化を測定し,次の通りに評価してその結果を下記表2に示した。
A=OD(テスト後)/OD(テスト前)×100(%)
◎:A≧95
○:A≧90
△:80≦A<90
×:A<80
【0102】
(実験例5:ノズル詰まりテスト)
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたインク組成物のうち,染料インク(実施例1,4,5,6,8,9及び比較例1〜5)は,インクカートリッジC−60(三星電子)に,顔料インク(実施例2,3,7)は,インクカートリッジM−50(三星電子)にリフィールし,常温(25℃)及び低温(−18℃)に2週ずつ置いておき,印刷した時に正常印刷が可能になるのに必要なノズル清掃回数を測定し,次の通りに評価してその結果を下記表2に示した。
◎:ノズル清掃1回時で正常印刷可能
○:ノズル清掃2〜4回時で正常印刷可能
×:ノズル清掃5〜10回時で正常印刷可能
××:ノズル清掃11回でも正常印刷不可
【0103】
【表2】

【0104】
前記表2から,実施例1〜9のインク組成物の場合,インクの長期保管安定性及び画像性能,耐光性に優れ,長期間保管してもカートリッジでのノズル詰まりを誘発しないということが分かった。
【0105】
一方,着色剤類似添加剤が含まれていないか(比較例1,2,3),あるいは含量がマクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,20質量部未満である場合(比較例4),インク組成物の長期保管安定性が低下し,ノズルでの詰まり現象が著しく発生し,これに対し,着色剤類似添加剤の含量がマクロ発色団含有着色剤100質量部を基準として,2000質量部以上である場合(比較例5),インク組成物の長期保管安定性は向上し,ノズルでの詰まりも誘発しないが,高い粘度のため,画像性能が低下して適当でないことが分かった。
【0106】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は,インクジェット関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明によるインクジェットを含むインクカートリッジを備えたインクインクジェット記録装置の説明図である。
【図2】本発明によるインクジェットを含むインクカートリッジの断面図である。
【符号の説明】
【0109】
5 プリンタ
7 ホール
8 プリンタカバー
9 固定性ラッチ
10 移動性ラッチ
11 インクカートリッジ
13 本体
112 インク保存器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マクロ発色団含有着色剤と,
前記マクロ発色団含有着色剤と構造的特徴を共有する着色剤類似添加剤と,
液体運搬体と,
を含むことを特徴とする,インク組成物。
【請求項2】
前記マクロ発色団含有着色剤が,
分子内に少なくとも6個以上の多重共鳴構造を有すると共に,少なくとも4個以上の縮合された炭素環または縮合されたアリール環を有する放射状型の着色剤Aと,
着色剤分子内にアゾ基を少なくとも3個以上含む延長アゾ型の着色剤Bと,
少なくとも一つ以上の耐光性改善モイエティを有している着色剤Cと,
からなる群から選択された一つ以上であることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記放射状型の着色剤Aが,下記化学式1で表示されるアントラピリドン化合物,化学式2で表示されるカーボンブラック,化学式3で表示されるフタロシアニンブルー15:3からなる群から選択されることを特徴とする,請求項2に記載のインク組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

【請求項4】
前記着色剤Bが,下記化学式4で表示される化合物であることを特徴とする,請求項2に記載のインク組成物。
【化4】

【請求項5】
前記着色剤Cが,下記化学式5で表示される化合物であることを特徴とする,請求項2に記載のインク組成物。
【化5】

【請求項6】
前記着色剤類似添加剤が,
下記化学式13−a〜13−hで表示されるC6〜C20の少なくとも一つ以上の芳香族環が縮合されているか,または,炭素により連結されている芳香族環化合物であることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【化6】

【化7】



【化8】

【化9】

【化10】

【化11】


【化12】

【化13】

前記式において,Rは,一置換または多置換の置換基であり,一つ以上のH,C1−C8の環,またはC4−C20の脂環族,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,C1−C20のアルコキシ,ハロゲン,NO,ニトリル,置換または非置換の一級,二級,三級アミン,アンモニウム塩,置換または非置換のアミドまたはイミン,カルボン酸,リン酸,硫酸及びその塩であり,
は,一置換または多置換の置換基であり,H,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C1−C20のアルキル,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,(エチレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール)(エチレングリコール)であり,
前記Rは,H,COOH,SOH及びその塩,アミノ基及びその塩であり,q,r,sは,それぞれ1〜10の整数であり,
aは,1〜10の整数である。
【請求項7】
前記着色剤類似添加剤が,
下記化学式14−a〜14−eで表示される少なくとも一つ以上の電子共役または電子の非局在化を含むC3−C30の脂環族または環化合物であることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【化14】





【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

前記式において,Rは,一置換または多置換の置換基であり,一つ以上のH,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,C1−C20のアルコキシ,ハロゲン,NO,ニトリル,置換または非置換の一級,二級,三級アミン,アンモニウム塩,置換または非置換のアミドまたはイミン,カルボン酸,リン酸,硫酸及びその塩であり,
は,一置換または多置換の置換基であり,H,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C1−C20のアルキル,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,(エチレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール)(エチレングリコール)であり,
前記Rは,H,COOH,SOH及びその塩,アミノ基及びその塩であり,q,r,sは,それぞれ1〜10の整数であり,
は,O,N,S,またはPであり,
は,O,N,S,またはPであり,
Yは,O,N,S,またはPであり,
lは,1〜10の整数であり,
pは,1〜9の整数であり,
mは,1〜9の整数であり,
nは,1〜6の整数である。
【請求項8】
前記着色剤類似添加剤が,
下記化学式15−a〜15−dで表示される少なくとも一つ以上のヘテロ原子を含むC4−C12である単環または多環芳香族化合物であることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

は,一置換または多置換の置換基であり,一つ以上のH,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,C1−C20のアルコキシ,ハロゲン,NO,ニトリル,置換または非置換の一級,二級,三級アミン,アンモニウム塩,置換または非置換のアミドまたはイミン,カルボン酸,リン酸,硫酸及びその塩であり,
は,一置換または多置換の置換基であり,H,C1−C8の環またはC4−C20の脂環族,C1−C20のアルキル,C2−C20のアルケニル,C2−C20のアルキニル,(エチレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール),(エチレングリコール)(プロピレングリコール)(エチレングリコール)であり,
前記Rは,H,COOH,SOH及びその塩,アミノ基及びその塩であり,q,r,sは,それぞれ1〜10の整数であり,
は,O,N,S,またはPである。
【請求項9】
前記着色剤類似添加剤の含量は,着色剤100質量部を基準として,20〜2000質量部であることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項10】
前記液体運搬体の含量は,着色剤100質量部を基準として,200〜9000質量部であることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項11】
アルコール系溶媒,ケトン系溶媒,エステル系溶媒,多価アルコール系溶媒,含窒素系溶媒,及び含硫黄系溶媒からなる群から選択された一つ以上の有機溶媒がさらに含まれることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項12】
前記有機溶媒の含量は,着色剤100質量部を基準として,7〜4000質量部であることを特徴とする,請求項11に記載のインク組成物。
【請求項13】
前記着色剤100質量部を基準として,0.07〜1000質量部の界面活性剤がさらに含まれることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項14】
前記液体運搬体は,水を含むことを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項15】
前記インク組成物の初期粘度は,1〜7cpsであることを特徴とする,請求項1に記載のインク組成物。
【請求項16】
請求項1〜13のうちいずれか一項に記載のインク組成物を含有するインクジェットプリンタカートリッジ。
【請求項17】
請求項1〜13のうちいずれか一項に記載のインク組成物を含有するインクジェットプリンタカートリッジを備えるインクジェット記録装置。
【請求項18】
前記インクジェット記録装置は,アレイ型プリンタであることを特徴とする,請求項17に記載のインクジェット記録装置。
【請求項19】
一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と,
一つ以上の前記マクロ発色団含有着色剤と相互作用する一つ以上の着色剤類似添加剤と,
液体運搬体と,
を含むことを特徴とする,インク組成物。
【請求項20】
前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤との間の相互作用が疏水性相互作用であることを特徴とする,請求項19に記載のインク組成物。
【請求項21】
前記一つ以上の着色剤類似添加剤は,前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と構造的特徴を共有する一つ以上の疎水性基を含み,前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤と前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤との間の相互作用を向上させることを特徴とする,請求項19に記載のインク組成物。
【請求項22】
前記一つ以上の着色剤類似添加剤は,複数の着色剤類似添加剤を含むことを特徴とする,請求項19に記載のインク組成物。
【請求項23】
前記複数の着色剤類似添加剤は,互いに同じものであることを特徴とする,請求項22に記載のインク組成物。
【請求項24】
前記着色剤類似添加剤のうち少なくとも二つ以上が相異なることを特徴とする,請求項22に記載のインク組成物。
【請求項25】
前記インク組成物内の前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤に対する前記一つ以上の着色剤類似添加剤の比は,1:5〜20:1であることを特徴とする,請求項19に記載のインク組成物。
【請求項26】
前記インク組成物内の前記一つ以上のマクロ発色団含有着色剤に対する前記一つ以上の着色剤類似添加剤の比は,4:5〜10:1であることを特徴とする,請求項19に記載のインク組成物。
【請求項27】
一つ以上のマクロ発色団含有着色剤,一つ以上の前記マクロ発色団含有着色剤と相互作用する一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体を含む第1インク組成物と;
前記第1インク組成物と異なる第2インク組成物と;
を含むことを特徴とする,インク混合物。
【請求項28】
一つ以上のマクロ発色団含有着色剤,一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体を混合して均質混合物を形成する段階と,
前記均質混合物を濾過する段階と,
を含むことを特徴とする,インク組成物の製造方法。
【請求項29】
前記均質混合物を濾過する前に,有機溶媒,湿潤剤,界面活性剤,分散剤及び粘度調節剤のうち一つ以上を,一つ以上のマクロ発色団含有着色剤,一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体と混合する段階をさらに含むことを特徴とする,請求項28に記載のインク組成物の製造方法。
【請求項30】
一つ以上のマクロ発色団含有着色剤,一つ以上の着色剤類似添加剤,及び液体運搬体を含むインク組成物を画像形成装置に統合する段階と,
インク組成物の液滴を基材上に画像方式パターンに吐出する段階と,
を含むことを特徴とする,画像形成方法。
【請求項31】
前記画像形成装置は,熱インクジェット方式を使用し,前記熱インクジェット方式において画像形成装置のノズル内のインク組成物は,画像方式パターンに選択的に加熱することによって,前記インク組成物の液滴が画像方式パターンに吐出されることを特徴とする,請求項30に記載の画像形成方法。
【請求項32】
前記画像形成装置が,圧電インクジェット方式を使用し,前記インク組成物の液滴が圧電装置によって,画像方式パターンに吐出されることを特徴とする,請求項30に記載の画像形成方法。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−307221(P2006−307221A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124459(P2006−124459)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】