説明

インスリン様成長因子−1産生促進剤

【課題】本発明は、皮膚の厚みと弾力性を増加させ、老化による皮膚のしわ、たるみを軽減させる作用を有するインスリン様成長因子−1産生促進剤を提供することを目的とする。
【解決手段】α−D−グルコピラノシルグリセロールを含有することを特徴とするインスリン様成長因子−1産生促進剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスリン様成長因子−1産生促進剤に関するものである。さらに詳しくはα−D−グルコピラノシルグリセロールを有効成分とすることを特徴とするインスリン様成長因子−1産生促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリン様成長因子(insulin-like growth factor;以下、IGFと略記することもある。)はインスリンとアミノ酸配列が非常に良く似た構造を持つポリペプチドで、IGF−1とIGF−2が知られている(非特許文献1参照)。IGF−2は、胎児の成長を制御する因子で、胎児では脳を除くほぼすべての組織で発現している。
【0003】
一方、IGF−1は、成長ホルモン(GH)の刺激により肝臓や骨格筋等から分泌され、成長が止まった後も分泌が継続する。IGF−1とGHの働きとしては、細胞のアミノ酸の受け渡し、取り込み、同化等がある。ヒトの殆どの細胞はIGF−1の影響を受け、特に筋肉、骨、肝臓、腎臓、神経、皮膚および肺で顕著である。IGF−1の作用は、インスリン様の血糖値降下作用に加え、心血管系の保護作用、細胞のアポトーシス抑制作用、海馬βアミロイドペプチドの除去作用等が知られている。
【0004】
IGF−1はGHと同様に若さや健康の維持に関与し、それらのレベルは30歳頃から明らかに低下する。IGF−1は細胞の分化を促し、細胞の増殖を助ける等、積極的に細胞を健康な状態に維持し(非特許文献2、3参照)、皮膚の厚みと弾力性を増加させ、老化による皮膚のしわ、たるみの軽減する作用等を有するため(特許文献1参照)、近年IGF−1の抗加齢作用が注目されている。
【0005】
本発明に係るα−D−グルコピラノシルグリセロールは、既知の物質であり、低褐変性、低メイラード反応性、加熱安定性、非う食性、難消化性、高い保湿性を有し、食品、化成品、医薬品に利用できることが報告されている(特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。また、α−D−グルコピラノシルグリセロールは、血管内皮細胞増殖促進因子産生促進作用(特許文献5参照)、血糖値上昇抑制作用(特許文献6参照)、抗菌作用(特許文献7参照)、細胞賦活作用(特許文献8参照)、コラーゲン産生促進作用(特許文献9参照)、中性脂肪蓄積抑制作用(特許文献10参照)、皮膚刺激低減作用(特許文献11参照)、皮膚洗浄後のつっぱり感やきしみ感を抑える作用(特許文献12)、アディポネクチン産生促進作用(特許文献13参照)、抗アレルギー作用(特許文献14参照)、がん細胞増殖抑制作用(特許文献15参照)、メラニン産生抑制作用(特許文献16参照)が報告されている。しかしながら、α−D−グルコピラノシルグリセロールのIGF−1産生促進作用に関してはこれまで全く知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2006−298944号公報
【特許文献2】特許第3569432号
【特許文献3】特許第3732501号
【特許文献4】特開2006−8703号公報
【特許文献5】特許第3996543号
【特許文献6】特開2004−331576号公報
【特許文献7】特開2004−331577号公報
【特許文献8】特開2004−331578号公報
【特許文献9】特開2004−331579号公報
【特許文献10】特開2004−331580号公報
【特許文献11】特開2004−331582号公報
【特許文献12】特開2004−331583号公報
【特許文献13】特開2006−290744号公報
【特許文献14】特開2007−137862号公報
【特許文献15】特開2007−262023号公報
【特許文献16】特許第3770884号
【非特許文献1】グッドマン・ギルマン薬理書[下] 薬物治療の基礎と臨床―第10版―;第61章 インスリン、経口血糖降下薬と膵臓内分泌の薬理学 2003、p2144 監訳:高折修二、福田英臣、赤池昭紀 東京廣川書店発行
【非特許文献2】コーン・ケー・ジェイ(Conn KJ)外6名,ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)1996年、第271巻、第46号、p.28853−28860
【非特許文献3】ブラハム・シー(Braham C)外4名,デルマトロジー(Dermatology)、2002年、第204巻、第4号、p.325−329
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はIGF−1産生促進剤を提供し、皮膚の厚みと弾力性を増加させ、老化による皮膚のしわ、たるみの軽減を図ることを目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、α−D−グルコピラノシルグリセロールが優れたIGF−1産生促進作用を有することを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
[1] α−D−グルコピラノシルグリセロールを含有することを特徴とするインスリン様成長因子−1産生促進剤、
[2] α−D−グルコピラノシルグリセロールが、式(1)
【化1】

で示される(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、式(2)
【化2】

で示される(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、および式(3)
【化3】

で示される2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロールからなる群から選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする前記[1]に記載のインスリン様成長因子−1産生促進剤、
[3] α−D−グルコピラノシルグリセロールを0.1〜90重量%含有する前記[1]または[2]に記載のインスリン様成長因子−1産生促進剤、および
[4] 皮膚外用剤である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のインスリン様成長因子−1分泌促進剤、
[5] 前記[1]または[2]に記載のα−D−グルコピラノシルグリセロールを含有してなるインスリン様成長因子−1分泌促進用食品添加物、
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のIGF−1産生促進剤は、皮膚の厚みと弾力性を増加させ、老化による皮膚のしわ、たるみを軽減させるという特長を有する。また、本発明のIGF−1産生促進剤を種々の組成物に配合することにより、IGF−1産生促進作用に優れた組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に用いられるα−D−グルコピラノシルグリセロールには、下記式(1):
【化4】

で示される(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、下記式(2):
【化5】

で示される(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、または下記式(3):
【化6】

で示される2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロールの3成分が知られており、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
【0012】
本発明に用いられるα−D−グルコピラノシルグリセロールは、常法に従い、例えば、清酒、味噌、味醂から抽出や精製等の公知の手段を用いて製造してもよい。また、特許文献2に記載のような酵素反応を用いた方法により製造してもよい。
【0013】
本発明のIGF−1産生促進剤は、上記α−D−グルコピラノシルグリセロールのみから構成されていてもよく、上記α−D−グルコピラノシルグリセロールに加えて、添加物を添加されていてもよい。
該IGF−1産生促進剤の形態としては、固形状(例えば錠剤状、粒状、粉状、カプセル状等)、ゾル状、ゲル状および液状のいずれであってもよい。
【0014】
該IGF−1産生促進剤の製造に用いられる添加物としては、例えば賦形剤(乳糖、白糖、水飴、デキストリン、コーンスターチ、結晶セルロース等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等)、結合剤(デンプン糊液、ヒドロキシプロピルセルロース液、アラビアゴム液等)、溶解補助剤(アラビアゴム、ポリソルベート80等)、甘味料(砂糖、果糖・ブドウ糖液糖、ハチミツ、アスパルテーム等)、着色料(β−カロテン、食用タール色素、リボフラビン等)、保存料(ソルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、亜硫酸ナトリウム等)、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等)、酸化防止剤(BHT、BHA、アスコルビン酸、トコフェロール等)、香料(ハッカ、ストロベリー香料等)、酸味料(クエン酸、乳酸、DL−りんご酸等)、調味料(DL−アラニン、5’−イノシン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)、pH調整剤(クエン酸、クエン酸三ナトリウム等)、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類等を使用することができる。
【0015】
該IGF−1産生促進剤は、医薬製剤として、あるいは飲食品用添加物や香粧品用添加物として使用することができる。
【0016】
該IGF−1産生促進剤を医薬製剤として用いる場合、有効成分の投与量は、摂取する人の性別、年齢、健康状態等によって異なるので一概には言えないが、例えば外用剤として用いる場合、投与する皮膚面積に応じて、適宜選択することができ、通常、適用部位の面積約1cmに対して、1日につき、約1〜1000mg、好ましくは約10〜500mg、さらに好ましくは約50〜100mgであるのが望ましく、これにより所望の効果が得られる。前記の投与用量を、1日あたり、1回または数回に分けて適用すると良い。
【0017】
該IGF−1産生促進剤を飲食品用添加物として用いる場合、適用される飲食品としては、清涼飲料、ドロップ、キャンディ、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリー菓子、クッキー、マーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等が挙げられる。
該IGF−1産生促進剤を飲食品用添加物として用いる場合、該IGF−1産生促進剤の飲食品への配合量は、飲食品の種類によっても異なるが、通常、有効成分として、約0.1〜90重量%、好ましくは約1〜70重量%である。
【0018】
該IGF−1産生促進剤を香粧品用添加物として用いる場合、適用される香粧品としては、化粧水(例えば、ローション、ジェル等)、化粧クリーム、乳液、ファンデーション、口紅、整髪料、ヘアトニック、シャンプー、リンス、浴用剤といった非口中用の香粧品や、歯磨き類、洗口液、うがい薬、口腔香料といった口中用の香粧品が挙げられる。
該IGF−1産生促進剤を香粧品用添加物として用いる場合、該IGF−1産生促進剤の香粧品への配合量は、香粧品の種類によっても異なるが、通常、有効成分として、約0.005〜50重量%、好ましくは約0.01〜30重量%である。
【0019】
これらの香粧品は、例えば、植物油等の油脂類、ラノリン(還元ラノリン)やミツロウ等のロウ類、炭化水素類(例えばワセリン、流動パラフィン、スクワラン)、脂肪酸、高級アルコール類(例えばセタノール、ステアリン酸)、エステル類(例えばグリセル脂肪酸エステル、親油性グリセルモノステアリン酸エステル)、種々の界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレン(10E.O)モノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレン(20E.O)ソルビタンモノラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムまたはヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の非イオン系界面活性剤)、溶剤(例えばエタノール等のアルコール)、色素、香料、ビタミン類、植物・動物抽出成分、紫外線吸収剤(メトキシケイヒ酸オクチル、オキシベンゾン)、抗酸化剤(酢酸トコフェロール等のトコフェロール類)、防腐・殺菌剤(例えばパラオキシ安息香酸メチル、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム)、増粘剤(例えばカルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース)、アルカリ剤(例えば、トリエタノールアミン)、保湿剤(例えば尿素、ヒアルロン酸、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)、カチオン化ポリマー(例えばカチオン化セルロース)、pH調整剤(例えば水酸化カリウム)、パール化剤(例えばジステアリン酸エチレングリコール)等、通常の香粧品原料として使用されている添加剤を適宜配合して、常法に従って得ることができる。
【実施例】
【0020】
以下に製造例、試験例、適用例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
[製造例1]
マルトース5%、グリセロール35%の水溶液1000mlに、0.125U/ml(1UはpH5.0、37℃で、5mMのp−ニトロフェニル−α−グルコシドから1分間に1μmolのp−ニトロフェノールを遊離する酵素量)のAspergillus niger由来の酵素であるα−グルコシダーゼ(トランスグルコシダーゼL−アマノ、天野エンザイム製)を加え、40℃、反応pH5.0の条件で24時間反応させ、その後マルトースを24時間毎に10回連続的に添加し、反応させた。得られた反応液を活性炭クロマトグラフィーにより精製し、α−D−グルコピラノシルグリセロール140gを得た。得られたα−D−グルコピラノシルグリセロールをガスクロマトグラフ質量分析(Gas Chromatograph Mass Spectrometer:GC−MS分析)により確認すると、(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロールの3成分の混合物であった。
【0022】
[製造例2]
清酒1000mlをShim−pack SCR−101(N)(7.9×300mm)カラム(カラム温度;50℃、溶離液;水、流速;0.6ml/min)により分画し、α−D−グルコピラノシルグリセロール3gを得た。得られたα−D−グルコピラノシルグリセロールをGC−MS分析により確認すると、(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロールの3成分の混合物であった。
【0023】
[製造例3]
清酒1000mlをShim−pack SCR−101(N)(7.9×300mm)カラム(カラム温度;50℃、溶離液;水、流速;0.6ml/min)により分画し、α−D−グルコピラノシルグリセロール3gを得た。得られたα−D−グルコピラノシルグリセロールをGC−MS分析により確認すると、(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロールの3成分の混合物であった。
【0024】
[試験例]
6週齢のヘアレスマウス(雄)の背部に、製造例1のα−D−グルコピラノシルグリセロールを生理食塩水で0.01%に希釈した溶液を塗布し、30分後に皮膚を採取した。採取した皮膚を、ディスパーゼ溶液を用いて表皮と真皮に分離し、各々を1N酢酸溶液中でホモジネートし、遠心分離後の上清中のIGF−1濃度をDiagnostic Systems Laboratories社製EIAキットを用いて測定した。ブランク(試料未添加)のIGF−1濃度と比較した評価結果を図1に示す。
【0025】
図1よりα−D−グルコピラノシルグリセロールを添加した場合は、ブランクに比べIGF−1の産生が有意に促進されていることが分かった。このことから、α−D−グルコピラノシルグリセロールは、IGF−1産生促進作用を有することが明らかとなった。この薬理試験は、経皮での作用を調べたものであるが、α−D−グルコピラノシルグリセロールを経口摂取した場合でも、IGF−1産生促進作用を有することを示唆する試験結果である。
【0026】
続いて、α−D−グルコピラノシルグリセロールを有効成分とするIGF−1産生促進剤を配合したIGF−1産生促進用組成物の適用例を以下に記載する。なお、下記処方は特に限定されるものではなく、製法は常法に従った。
【0027】
[適用例1:外用ローション]
【表1】

【0028】
上記表1に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、エタノール、ヒドロキシエチルセルロース、パラオキシ安息香酸メチルおよび精製水を混合し、外用ローション剤を製造した。
【0029】
[適用例2:外用乳液]
【表2】

【0030】
上記表2に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、ステアリン酸、セタノール、ワセリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、酢酸トコフェロール、グリセリン、パラオキシ安息香酸メチル、トリエタノールアミンおよび精製水を混合し、外用乳液を製造した。
【0031】
[適用例3:外用クリーム]
【表3】

【0032】
上記表3に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、ミツロウ、セタノール、還元ラノリン、スクワレン、グリセル脂肪酸エステル、親油性グリセルモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20E.O)ソルビタンモノラウリル酸エステル、プロピレングリコール、パラオキシ安息香メチルおよび精製水を混合し、外用クリームを製造した。
【0033】
[適用例4:外用ジェル]
【表4】

【0034】
上記表4に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、ジプロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー、水酸化カリウム、パラオキシ安息香酸メチルおよび精製水を混合し、外用ジェルを製造した。
【0035】
[適用例5:浴用剤]
【表5】

【0036】
上記表5に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムおよび香料を混合し、浴用剤を製造した。
【0037】
[適用例6:シャンプー]
【表6】

【0038】
上記表6に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、カチオン化セルロース、ジステアリン酸エチレングリコール、グリセリン、パラオキシ安息香酸メチル、クエン酸、香料、および精製水を混合し、シャンプーを得た。
【0039】
[適用例7:飲料]
【表7】

【0040】
上記表7に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、果汁、クエン酸、ビタミンC、香料および精製水を混合し、飲料を得た。
【0041】
[適用例8:キャンディ]
【表8】

【0042】
上記表8に示す処方に従って、α−D−グルコピラノシルグリセロール、白糖、水飴および香料を混合し、キャンディを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明により、α−D−グルコピラノシルグリセロールを有効成分とするIGF−1産生促進作用に優れたIGF−1産生促進剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】α−D−グルコピラノシルグリセロール(図中、αGGで示す。)による表皮および真皮からのIGF−1産生促進効果を示す図である。上図は表皮、下図は真皮、縦軸はそれぞれのIGF−1レベル、横軸のコントロールはα−D−グルコピラノシルグリセロールの無添加試験結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−D−グルコピラノシルグリセロールを含有することを特徴とするインスリン様成長因子−1産生促進剤。
【請求項2】
α−D−グルコピラノシルグリセロールが、
式(1)
【化1】

で示される(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、式(2)
【化2】

で示される(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール、および式(3)
【化3】

で示される2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロールからなる群から選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1に記載のインスリン様成長因子−1産生促進剤。
【請求項3】
α−D−グルコピラノシルグリセロールを0.1〜90重量%含有する請求項1または2に記載のインスリン様成長因子−1産生促進剤。
【請求項4】
皮膚外用剤である請求項1〜3のいずれかに記載のインスリン様成長因子−1分泌促進剤。
【請求項5】
請求項1または2に記載のα−D−グルコピラノシルグリセロールを含有してなるインスリン様成長因子−1分泌促進用食品添加物。

【図1】
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【公開番号】特開2009−161475(P2009−161475A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163(P2008−163)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【出願人】(594027616)辰馬本家酒造株式会社 (7)
【Fターム(参考)】