説明

インターネットプロトコルテレビジョン高速チャネル変更のためのピクチャインピクチャストリームの使用

【課題】 IPTV高速チャネル変更のためのPIPストリームの使用を提供する。
【解決手段】インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御し、このチャネル変更がネットワークデバイスに結合されたセットトップボックスによって開始される方法及び装置を記載する。ネットワークデバイスは、下流デバイスからの高解像度マルチメディアストリームについての要求をセットトップボックスから受信し、高解像度マルチメディアストリーム要求の代わりに低解像度マルチメディアストリームを上流に送信する。ネットワークデバイスは、低解像度マルチメディアストリームを受信し、この低解像度ストリームを要求側のセットトップボックスに転送する。セットトップは、低解像度ストリームを受信し、このストリームを表示する。更に、ネットワークデバイスは、高解像度マルチメディアストリーム要求を送信し、高解像度マルチメディアストリームを受信する。セットトップボックスは、高解像度マルチメディアストリームを受信し、このストリームを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ネットワークトラフィックの処理の分野に関し、更に具体的には、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV:Internet Protocol Television)高速チャネル変更のためのピクチャインピクチャ(picture-in-picture)ストリームの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)は、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク上でテレビ(TV)番組の視聴を可能とする。多くのIPTV設備において、IPネットワークは、コンテンツを配信するためのマルチキャストプロトコルを用いる。IPTVによってコンテンツが表示されると、セットトップボックス(STB)は、要求したTV番組を受信するために要求メッセージをマルチキャストルータに送信する。この要求によってルータの状態が変更され、ルータは、要求されたTV番組に関連した要求されたIPTVトラフィックストリームを転送してセットトップボックスのバッファを一杯にする。バッファ内のデータは復号され、復号データからのコンテンツがユーザに表示される。
【0003】
典型的に、IPTVシステムにおいては、チャネルを変更するために1.3〜2.0秒を要する。チャネル変更時間は、セットトップボックスがマルチメディアストリームについての要求(例えばテレビ番組のマルチメディアストリームを受信するための要求)を行った時点から、セットトップボックスが受信したマルチメディアストリームの表示を開始した時点までとして定義される。当技術分野には、このチャネル変更時間を改善することを試みる他の解決策が知られている。1つの高速チャネル変更解決策では、チャネル変更時間が0.8〜1.1秒まで短縮される。この解決策は、所望のTV番組をキャッシュする別個のキャッシングサーバを有することによって機能する。IPTVマルチメディアストリームについての要求があると、ルータはIフレームから開始してそのストリームをキャッシングサーバから転送する。当技術分野において既知のように、Iフレームは「イントラ符号化ピクチャ(intra-coded picture)」であり、従来の静止画像と同様に、完全に規定されたピクチャである。ホストに結合されたディスプレイの画面上で正しいピクチャを復号し構築するためには、セットトップボックスデコーダができる限り早くIフレームを受信することが重要である。ルータによってチャネル変更要求が受信されると、Iフレームで開始するそのチャネルのためのバッファされたストリーム。更に、最初のIフレームのコンテンツを復号し表示することができるように、キャッシングサーバは通常のレートよりも高速に送信されてホストのバッファを一杯にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この標準的な方法及び高速チャネル変更の欠点は、これらの方法ではチャネルを変更するためになお約1秒以上を要するということである。更に、高速チャネル変更方法では、キャッシングサーバ上の大きいバッファが、高速チャネル変更をサポートするために充分なデータを記憶する必要がある。更に、低速のチャネル変更によって、IPTV経験の全体的な品質が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御し、このチャネル変更がネットワークデバイスに結合されたセットトップボックスによって開始される方法及び装置を記載する。ネットワークデバイスは、下流デバイスからの高解像度マルチメディアストリームについての要求をセットトップボックスから受信し、高解像度マルチメディアストリーム要求の代わりに低解像度マルチメディアストリームを上流に送信する。ネットワークデバイスは、低解像度マルチメディアストリームを受信し、この低解像度ストリームを要求側のセットトップボックスに転送する。セットトップは、低解像度ストリームを受信し、このストリームを表示する。更に、ネットワークデバイスは、高解像度マルチメディアストリーム要求を送信し、高解像度マルチメディアストリームを受信する。セットトップボックスは、高解像度マルチメディアストリームを受信し、このストリームを表示する。
【0006】
一実施形態において、この方法は、セットトップボックスから第1のマルチメディアストリームについての要求を受信することによって動作する。この方法は更に、ネットワークデバイスによって第2のマルチメディアストリームについての要求を送信する。第2のマルチメディアストリームは第1のマルチメディアストリームと同じIPTVチャネルに対応し、第2のマルチメディアストリームは第1のマルチメディアストリームより低い解像度を有する。この方法は、第2のマルチメディアストリームを受信し、第2のマルチメディアストリームをセットトップボックスに送信する。更に、この方法は、第1のマルチメディアストリームについての要求を送信し、第1のマルチメディアストリームを受信する。
【0007】
別の実施形態において、ネットワークは、セットトップボックス及びネットワークデバイスを含む。セットトップボックスは、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームを受信するための要求を用いて、第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を要求する。
【0008】
ネットワーク要素は、セットトップボックスに結合されており、マルチメディアストリーム受信構成要素と、低解像度要求構成要素と、低解像度受信構成要素と、低解像度送信構成要素と、高解像度要求構成要素と、高解像度受信構成要素と、切り換え構成要素と、を含む。マルチメディアストリーム受信構成要素は、セットトップボックスから第1のマルチメディアストリームについての要求を受信する。低解像度要求構成要素は、第2のマルチメディアストリームについての要求を送信する。この第2のマルチメディアストリームは第1のマルチメディアストリームと同じIPTVチャネルに対応し、第2のマルチメディアストリームは第1のマルチメディアストリームより低い解像度を有する。低解像度受信構成要素は、構成要素を受信し第2のマルチメディアストリームを受信する。低解像度受信構成要素は、低解像度マルチメディアストリームを受信する。低解像度送信構成要素は、第2のマルチメディアストリームをセットトップボックスに送信する。高解像度要求構成要素は、第1のマルチメディアストリームについての要求を送信する。高解像度要求構成要素は、第1のマルチメディアストリームを受信する。
【0009】
別の実施形態において、ネットワーク要素は、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するセットトップボックスによるアクセスを制御するように適合されている。セットトップボックスは、ネットワーク要素に結合され、第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を開始する。
【0010】
ネットワーク要素は、マルチメディアストリーム受信構成要素と、低解像度要求構成要素と、低解像度受信構成要素と、低解像度送信構成要素と、高解像度要求構成要素と、高解像度受信構成要素と、切り換え構成要素と、を含む。マルチメディアストリーム受信構成要素は、セットトップボックスから第1のマルチメディアストリームについての要求を受信するためのものである。低解像度要求構成要素は、第2のマルチメディアストリームについての要求を送信するためのものである。第2のマルチメディアストリームは第1のマルチメディアストリームと同じIPTVチャネルに対応し、第2のマルチメディアストリームは第1のマルチメディアストリームより低い解像度を有する。低解像度受信要素は、第2のマルチメディアストリームを受信するためのものである。低解像度送信構成要素は、第2のマルチメディアストリームをセットトップボックスに送信するためのものである。高解像度要求構成要素は、第1のマルチメディアストリームについての要求を送信するためのものである。高解像度受信構成要素は、第1のマルチメディアストリームを受信するためのものである。
【0011】
本発明は、以下の説明及び本発明の実施形態を例示するために用いられる添付図面を参照することによって、最良に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に従った、IPTVサービスをホストに配信することができるネットワークを示す。
【図2】(従来技術)IPTVの標準的な実施についてチャネル変更のタイムラインを示す。
【図3】(従来技術)IPTVの高速チャネル変更についてチャネル変更を示す。
【図4】本発明の一実施形態に従った、IPTVの改良した高速チャネル変更を示す。
【図5】本発明の一実施形態に従って、トラフィックの2つのマルチメディアストリームを用いてIPTVチャネル変更を実施する例示的なフロー図を示す。
【図6】本発明の一実施形態に従って、図1において用いたようなトラフィックの2つのマルチメディアストリームを用いてIPTVチャネル変更を実施することができる例示的なネットワーク要素を示すブロック図である。
【図7】このシステムの一実施形態に従って、図4において用いたIPTVチャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御することができる例示的なネットワーク要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御する方法及び装置を記載する。この場合、チャネル変更はネットワークデバイスに結合されたセットトップボックスによって開始される。以下の記載では、本発明の更に完全な理解を得るため、論理実施、操作符号、オペランドを指定するための手段、リソース分割/共有/複製実施、システム構成要素の種類及び相互関係、及び論理分割/統合選択等の多数の具体的な詳細事項を記載する。しかしながら、かかる詳細事項がなくても本発明を実施可能であることは当業者によって認められよう。他の例では、本発明を曖昧にしないため、制御構造、ゲートレベルの回路、及び全体的なソフトウェア命令シーケンスは詳細には示さない。当業者は、ここに含まれる記載によって、必要以上の実験なしで適切な機能性を実施することができる。
【0014】
本明細書において、「一実施形態」、「ある実施形態」、「一例の実施形態」等という言及は、記載する実施形態が特定の特徴、構造、又は特徴を含むことができるが、全ての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特徴を必ずしも含むわけではない場合があることを示す。更に、かかる語句は、必ずしも同一の実施形態を示していない。更に、ある実施形態に関連付けて特定の特徴、構造、又は特徴を記載した場合、明示的に記載されていてもいなくても、かかる特徴、構造、又は特徴を他の実施形態と関連付けて実施することは当業者の知識内であることが提示される。
【0015】
以下の記載及び特許請求の範囲において、「結合された」及び「接続された」という言葉を、それらの派生語と共に、用いる場合がある。これらの言葉は相互に同義語として意図されないことは理解されよう。「結合された」は、相互に直接物理的又は電気的に接触している場合もしていない場合もある2つ以上の要素が、相互に協働又は相互作用することを示すために用いられる。「接続された」は、相互に結合された2つ以上の要素間での通信の確立を示すために用いられる。
【0016】
これ及び他のフロー図の動作を、他の図の例示的な実施形態を参照して記載する。しかしながら、フロー図の動作は、これらの他の図を参照して論じるもの以外の本発明の実施形態によって実施可能であり、これらの他の図を参照して論じる本発明の実施形態は、フロー図を参照して論じるものとは異なる動作を実行可能であることは理解されよう。
【0017】
図面に示す技法は、1つ以上の電子デバイス(例えばエンドステーション、ネットワーク要素等)上で記憶及び実行されるコード及びデータを用いて実施可能である。かかる電子デバイスは、機械読み取り可能記憶媒体(例えば磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリ)、及び機械読み取り可能通信媒体(例えば電気、光、音響又は、搬送波、赤外信号、デジタル信号等の他の形態の伝播信号)等の機械読み取り可能媒体を用いて、コード及びデータを(内部で及び/又はネットワークを介して他の電子デバイスにより)記憶及び通信する。更に、かかる電子デバイスは典型的に、1つ以上の記憶デバイス、ユーザ入力/出力デバイス(例えばキーボード、タッチスクリーン、及び/又はディスプレイ)、並びにネットワーク接続等の1つ以上の他の構成要素に結合された1つ以上のプロセッサセットを含む。プロセッサセットと他の構成要素との結合は、典型的には1つ以上のバス及びブリッジ(バスコントローラとも呼ばれる)を介して行われる。ネットワークトラフィックを搬送する記憶デバイス及び信号は、それぞれ1つ以上の機械読み取り可能記憶媒体及び機械読み取り可能通信媒体を表す。このため、所与の電子デバイスの記憶デバイスは典型的に、その電子デバイスの1つ以上のプロセッサセット上で実行するためのコード及び/又はデータを記憶する。むろん、本発明の一実施形態の1つ以上の部分は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの異なる組み合わせを用いて実施することも可能である。
【0018】
本明細書において用いる場合、ネットワーク要素(例えばルータ、スイッチ、ブリッジ、境界ゲートウェイ機能を有するルータ、住居用ゲートウェイ、メディアゲートウェイ等)は、1台のネットワーク機器であり、ネットワーク上の他の機器(例えば他のネットワーク要素、エンドステーション等)と通信的に相互接続するハードウェア及びソフトウェアを含む。いくつかのネットワーク要素は、「多サービスネットワーク要素」であり、多数のネットワーク機能のサポートを提供し(例えばルーティング、ブリッジング、スイッチング、レイヤ2アグリゲーション、セッション境界制御、サービス品質、及び/又は加入者管理)、及び/又は多数のアプリケーションサービスのサポートを提供する(例えばデータ、音声、及び映像)。加入者エンドステーション(例えばサーバ、ワークステーション、ラップトップ機、パームトップ機、移動電話、スマートフォン、マルチメディアフォン、VOIP(Voice Over Internet Protocol)電話、携帯型メディアプレーヤ、GPSユニット、ゲームシステム、セットトップボックス等)は、インターネットを介して提供されたコンテンツ/サービス、及び/又はインターネット上にオーバーレイされた仮想プライベートネットワーク(VPN)上で提供されたコンテンツ/サービスにアクセスする。コンテンツ及び/又はサービスは典型的に、サービスもしくはコンテンツプロバイダに属している1つ以上のエンドステーション(例えばサーバエンドステーション)、又はピアツーピアサービスに参加しているエンドステーションによって提供され、公共ウェブページ(フリーコンテンツ、ストアフロント、サーチサービス等)、私設ウェブページ(例えば電子メールサービスを提供するユーザ名/パスワードによってアクセスされるウェブページ等)、VPNを介した企業ネットワーク等を含むことができる。典型的に、加入者エンドステーションは、(例えばアクセスネットワークに結合されたカスタマ構内機器を介して(有線又は無線で))エッジネットワーク要素に結合され、これらは他のエッジネットワーク要素に(例えば1つ以上のコアネットワーク要素を介して)結合され、これらは他のエンドステーション(例えばサーバエンドステーション)に結合されている。
【0019】
ネットワーク要素は一般に、制御プレーン及びデータプレーン(転送プレーン又はメディアプレーンと称されることもある)に分かれている。ネットワーク要素がルータである(又はルーティング機能を実施している)場合、制御プレーンは典型的に、どのようにデータ(例えばパケット)をルーティングするかを決定する。例えば、制御プレーンは典型的に、1つ以上のルーティングプロトコル(例えば境界ゲートウェイプロトコル(BGP))、内部ゲートウェイプロトコル(IGP)(例えば開放型最短経路優先(OSPF:Open Shortest Path First)、ルーティング情報プロトコル(RIP)、中間システム間連携(IS−IS:Intermediate System to Intermediate System)等)、ラベル配布プロトコル(LDP:Label Distribution Protocol)、リソース予約プロトコル(RSVP:Resource Reservation Protocol)等を含み、他のネットワーク要素と通信を行って1つ以上のルーティング基準に基づいてルートを交換しそれらのルートを選択する。
【0020】
制御プレーン上の1つ以上のルーティング構造(例えばルーティング情報ベース(RIB)、ラベル情報ベース(LIB)、1つ以上の隣接構造等)に、ルート及び隣接が記憶されている。制御プレーンは、ルーティング構造(複数の構造)に基づいて、情報(例えば隣接及びルート情報)によってデータプレーンをプログラミングする。例えば、制御プレーンは、隣接及びルート情報を、データプレーン上の1つ以上の転送構造(例えば転送情報ベース(FIB)、ラベル情報ベース(LFIB)、及び1つ以上の隣接構造)にプログラミングする。データプレーンは、トラフィックを転送する場合に、これらの転送及び隣接構造を用いる。
【0021】
ルーティングプロトコルの各々は、ある一定のルート基準に基づいて(この基準は異なるルーティングプロトコルでは異なる場合がある)、ルートエントリをメインRIBにダウンロードする。ルーティングプロトコルの各々は、メインRIBにダウンロードされていないルートエントリを含むルートエントリを、ローカルRIB(例えばOSPFローカルRIB)に記憶することができる。メインRIBを管理するRIBモジュールは、(基準セットに基づいて)ルーティングプロトコルによってダウンロードされたルートからルートを選択し、それらの選択したルート(アクティブルート基準と称することもある)をデータプレーンにダウンロードする。また、RIBモジュールは、ルーティングプロトコル間でルートを再分配することができる。
【0022】
レイヤ2転送では、ネットワーク要素は1つ以上のブリッジングテーブルを記憶することができ、これらを用いてデータ内のレイヤ2情報に基づいてこのデータを転送する。
【0023】
典型的に、ネットワーク要素は、1つ以上のラインカードセット、1つ以上の制御カードセット、及び任意に1つ以上のサービスカードセット(リソースカードと称されることもある)を含む。これらのカードは1つ以上の機構を介して共に結合される(例えば第1のフルメッシュがラインカードを結合し、第2のフルメッシュがカード全てを結合する)。ラインカードセットはデータプレーンを構成する。制御カードセットは、制御プレーンを提供し、ラインカードを介して外部ネットワーク要素とパケットを交換する。サービスカードセットは、特殊化処理(例えばレイヤ4からレイヤ7のサービス(例えばファイヤウォール、IPsec、IDS、P2P)、VoIPセッション境界コントローラ、モバイルワイヤレスゲートウェイ(GGSN、EPS(Evolved Packet System)ゲートウェイ)等)を提供することができる。一例として、サービスカードを用いて、IPsecトンネルを終了させ、付随的な認証及び暗号化アルゴリズムを実行することができる。
【0024】
インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御する方法及び装置について、ネットワークデバイスに結合されたセットトップボックスによってチャネル変更が開始される場合を説明する。ネットワークデバイスは、下流デバイスからの高解像度マルチメディアストリームの要求をセットトップボックスから受信し、高解像度マルチメディアストリーム要求の代わりに低解像度マルチメディアストリームを上流に送信する。ネットワークデバイスは、低解像度マルチメディアストリームを受信し、低解像度ストリームを要求側のセットトプボックスに転送する。セットトップは低解像度ストリームを受信し、このストリームを表示する。更に、ネットワークデバイスは、高解像度マルチメディアストリーム要求を送信し、高解像度マルチメディアストリームを受信する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に従った、セットトップボックスにIPTVサービスを送出することができるネットワーク100を示す。図1において、セットトップボックス102A〜Bは各々、ネットワーク100からマルチメディアストリーム又はキャッシュされたピクチャインピクチャストリーム120を受信することができる。一実施形態において、各セットトップボックス102A〜Bは、テレビ又は他のディスプレイ及び外部信号源(例えばIPTVコンテンツ)に結合されたデバイスであり、受信信号を、テレビ又は他のディスプレイ上で表示可能なコンテンツに変換する。代替的な実施形態では、セットトップボックス102A〜Bは、マルチメディア及び/又はキャッシュされたピクチャインピクチャストリームを受信可能なデバイスを表す(例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップ機、モバイルメディアプレーヤ、携帯電話、スマートフォン、テレビ、デジタル映像レコーダ、ゲームコンソール、メディアブリッジ等)。本明細書において用いる場合、下流とは、セットトップボックス102A〜Bに向かうデータトラフィック方向を指す。上流とは、IPTVコンテンツ源(例えばストリーミングサーバ112又はキャッシュ114)に向かうデータトラフィック方向を指す。
【0026】
一実施形態において、セットトップボックス102A〜Bは、住居用ゲートウェイ104からマルチメディアストリーム/キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム120を受信する。一実施形態では、マルチメディアストリーム116は、ネットワークを介して伝送されたマルチキャストマルチメディアストリームである。一実施形態では、マルチメディアストリーム116はIPTVサービスのためのマルチキャスト映像ストリームであり(標準精細映像、高精細映像、ピクチャインピクチャ映像等)、代替的な実施形態では、マルチメディアストリーム116は異なるマルチメディアサービスとすることができる(ビデオオンデマンド、オーディオ、ウェブキャスト、当技術分野において既知の別のマルチメディアサービス、及び/又はそれらの組み合わせ)。更に、マルチメディアストリーム116は、当技術分野において既知のマルチメディアデータを伝送するためのプロトコル(MPEG(Motion Pictures Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4、h.264、最先端の映像圧縮等)を用いて伝送することができる。一実施形態では、キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム118は、キャッシュ114上にキャッシュされた対応する高精細又は標準精細ストリームの低解像度のバージョンである。キャッシュ114については以下で更に論じる。一実施形態では、キャッシュされたピクチャインピクチャ118は、ユニキャスト又はマルチキャストのピクチャインピクチャストリームとすることができる。例えば、一実施形態では、キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム118は、対応する標準精細ストリーム(例えば5Mbpsストリーム)又は高精細ストリーム(例えば10Mbpsストリーム)のビットレートの約10パーセントのストリームである。代替的な実施形態では、キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム118、標準精細ストリーム、及び高精細ストリームは、もっと高いか又は低いデータレートを有する場合がある。
【0027】
上述のように、セットトップボックス102A〜Bは、住居用ゲートウェイ104からマルチメディアストリーム又はキャッシュされたピクチャインピクチャストリーム120を受信する。一実施形態では、住居用ゲートウェイ104はカスタマ構内機器(CPE)であり、構内の他のデバイスにサービスを提供する。一実施形態では、住居用ゲートウェイ104は、マルチメディアストリーム/キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム120をセットトップボックス102A〜Bに転送する。セットトップボックス102A〜Bに転送されたマルチメディアストリーム/キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム120は、同一又は異なるストリームとすることができる。例えば、一実施形態では、セットトップボックス102Aは映画を見ることができ、セットトップボックス102Bはスポーツイベントを見ることができる。
【0028】
各セットトップボックス102A〜Bは、マルチメディアストリーム(例えばIPTVマルチメディアストリーム)を見るための要求をルータ110に送信することによって、そのストリームを要求する。一実施形態では、送信された要求は住居用ゲートウェイ104を介してデジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(DSLAM)106に送信される。DSLAM106は要求をスイッチ108に転送し、これは次いで要求をエッジルータ110に転送する。一実施形態では、エッジルータ110は、サービスプロバイダネットワークのエッジにあるルータである。例えば一実施形態では、エッジルータ110は、ネットワークサービスプロバイダをIPTVサービスプロバイダに結合するルータである。
【0029】
一実施形態では、エッジルータ110は、キャッシュ114及びストリーミングサーバ112を結合する。この実施形態では、エッジルータ110は、キャッシュ114からのキャッシュされたピクチャインピクチャストリーム118又はストリーミングサービス112からの要求されたマルチメディアストリームのいずれかを転送することによって、サービスの要求を満たすことができる。この実施形態では、ストリーミングサーバ112は、IPTVコンテンツ(IPTVチャネル、標準精細マルチメディアストリーム、高精細マルチメディアストリーム、ピクチャインピクチャマルチメディアストリーム、ビデオオンデマンド等)を提供する1つ以上のサーバである。一実施形態では、ストリーミングサーバ112は、IPTVサービスによってサポートされるマルチメディアストリームのいくつか又は全てをエッジルータ110に流す。この実施形態では、エッジルータ110は、これらのマルチメディアストリームをセットトップボックス102A〜Bへと下流に転送するか否かを決定する。
【0030】
キャッシュ114は、IPTVの高速チャネル変更をサポートするために用いられるコンテンツをキャッシュするサーバである。一実施形態では、キャッシュ116は、ストリーミングサーバ112がサポートするマルチメディアストリームの全セットをキャッシュする。この実施形態では、キャッシュ114は大量のリソース(例えば処理パワー、ディスク空間)を必要とする。なぜなら、このマルチメディアストリームの全セットの記憶は、リソース集約型タスクであるからである。完全にキャッシュされたマルチメディアストリームの使用については、以下で図3において更に説明する。
【0031】
代替的な実施形態においては、キャッシュは、ストリーミングサーバ112が提供するマルチメディアストリームに対応するピクチャインピクチャをキャッシュする。この実施形態では、キャッシュ114のリソース要求は小さくなる。なぜなら、ピクチャインピクチャマルチメディアストリームは、対応するマルチメディアストリームのサイズの約10パーセントのビットストリームであるからである。一実施形態では、キャッシュ114はエッジルータ110上の記憶装置である。キャッシュされたピクチャインピクチャストリームの使用については、以下で図4及び図5において更に説明する。
【0032】
上述のように、2つの異なる種類のストリームをセットトップボックス102A〜Bに送信することができる。すなわち、キャッシュされたピクチャインピクチャストリーム118又はマルチメディアストリーム116である。どのストリームをセットトップボックスに送信するかは、セットトップボックス102A〜Bが送信した要求について行われる行為の種類に応じて異なる。一実施形態では、要求されたマルチメディアストリームがセットトップボックス102A〜Bに送出される。別の実施形態では、キャッシュされたマルチメディアストリームが最初にセットトップボックス102A〜Bに送出され、その後に要求されたマルチメディアストリームが続く。例えば、一実施形態において、住居用ゲートウェイ104、DSLAM106、スイッチ108、及びエッジルータ110の1つ(又はそれ以上)が、2つのストリームのうちどちらを要求側のセットトップボックス102A〜Bに送信するかを選択することができる。
【0033】
どのように2つの異なるストリームをセットトップボックス102A〜Bのために選択するかを論じる前に、どのようにセットトップボックスがIPTVサービスからのマルチメディアストリームを要求し表示するかについて論じる。図2(従来技術)は、標準的なIPTV実施についてチャネル変更のタイムラインを示す。この例では、チャネル変更の測定は、セットトップボックスがマルチメディアストリームについての要求(例えばテレビ番組のマルチメディアストリームを受信するための要求)を行った時点から、セットトップボックスがこのセットトップボックスに結合されたディスプレイに受信したマルチメディアストリームの表示を開始した時点まで行われる。以下に与える例でのチャネル変更時間は、1秒分のマルチメディアデータの映像バッファ及び2分の1秒の長さのピクチャ群を有するセットトップボックスに基づいている。映像バッファ及び/又はピクチャ群がこれより大きいか又は小さいと、チャネル変更時間を短縮又は延長することができる。図2において、セットトップボックスは、マルチメディアストリームを要求するコマンドを上流に送信する(202)。要求の送信によって、チャネル変更時間のための測定が開始する。一実施形態では、このマルチメディアストリームは、上述したようなストリーム又はキャッシュされたピクチャインピクチャストリームとすることができる。このコマンドは、ルータ(例えば上述の図1のエッジルータ110)によって処理され(204)、ルータは、マルチメディアストリームをセットトップに送信する(206)。(206)において、新しいマルチメディアストリームへのチューニングが完了する。
【0034】
短時間の遅れ(平均で100ミリ秒、最悪の場合には最大で200ミリ秒)の後、セットトップボックスはマルチメディアストリームのパケット識別子(PID)を判定する。セットトップボックスがマルチメディアストリームの処理を開始するためには、セットトップがマルチメディアストリームの最初のIフレームを検出する必要がある。当技術分野において既知のように、Iフレームはイントラ符号化ピクチャフレームであり、他のフレームに依存しない。セットトップボックスは典型的に、Iフレームがマルチメディアストリーム内で現れるまで、他の符号化フレームタイプを無視する。最初のIフレームの検出(210)は、平均で250ミリ秒を要し、これは最大で500ミリ秒となる場合がある。
【0035】
更に、セットトップボックスが表示のためにマルチメディアストリームの復号を開始することが可能となる前に、典型的にマルチメディアデータのバッファが必要となる。この例では、セットトップボックスは平均700ミリ秒でそのバッファを一杯にする(212)が、この動作は最大で1000ミリ秒を要する場合がある。いったんバッファが一杯になると、セットトップボックスはバッファを復号する(212)。この動作は平均で250ミリ秒を要することがある。バッファが復号されると、チャネル変更は完了する。この例では、チャネル変更は1.3〜2.0秒を要する。
【0036】
1秒を超えるチャネル変更は、IPTVシステムのユーザにとって長い時間である可能性がある。チャネル変更時間を短縮するための1つの方法は、異なるマルチメディアストリームをキャッシュすることである。図3(従来技術)は、マルチメディアストリームをキャッシュ(例えば上述の図1のキャッシュ114)にキャッシュすることによってチャネル変更を軽減するIPTVの高速チャネル変更についてのチャネル変更を示す。この例では、コマンド送信ステップ(302)、コマンド処理ステップ(304)、チューニング完了ステップ(306)、及びPID検出(308)は、上述の図2で説明したようなステップ202、204、206、及び208とそれぞれ同一である。以下に与える例におけるチャネル変更時間は、1秒分のマルチメディアデータの映像バッファ及び2分の1秒の長さのピクチャ群を有するセットトップボックスに基づいている。映像バッファ及び/又はピクチャ群がこれより大きいか又は小さいと、チャネル変更時間を短縮又は延長することができる。しかしながら、この例では、単に上述の図2に示したようにストリーミングサーバからマルチメディアストリームを転送するのではなく、エッジルータが、キャッシュ(例えば上述の図1のキャッシュ114)からのキャッシュされたマルチメディアストリームの転送をIフレームから開始する。キャッシュからIフレームでこのマルチメディアストリームを開始することによって、セットトップボックスがマルチメディアストリームの開始の最初のIフレームを検出する(208)ために要する時間は、上述の図2における250〜500ミリ秒に対して、ゼロミリ秒まで短縮される(310)。更に、ルータは、流したマルチメディアストリームでルータが通常行うよりも高いビットレートで、キャッシュされたマルチメディアストリームを送信することができる。これによって、セットトップボックスは、図2におけるよりも迅速にバッファを一杯にする(320)ことができる。例えば、ルータが通常よりも最大で30パーセント高速にキャッシュされたマルチメディアストリームを送信することによって、セットトップボックスは平均約450ミリ秒でバッファを一杯にし、これは最大650ミリ秒となり得る。セットトップボックスは、上述の図2のステップ212と同じ時間でバッファマルチメディアストリームを復号する(312)。上述のように、この例では、完全なIフレームを記憶するために用いられるキャッシュは、リソース要求が大きい。
【0037】
概して、高速チャネル変更のチャネル変更は0.8〜1.1秒である。一実施形態において、チャネル変更時間を短縮するための方法は、セットトップボックスによって要求されたマルチメディアストリームに対応するピクチャインピクチャマルチメディアストリームを利用する。一実施形態において、IPTVプロバイダは、ピクチャインピクチャサービスを提供するために、各マルチメディアストリームについてピクチャインピクチャストリームを有する。上述のように、ピクチャインピクチャストリームは、対応するマルチメディアストリームよりもはるかに小さいビットストリームである。例えば、一実施形態では、ピクチャインピクチャストリームは、対応するマルチメディアストリーム(例えば5〜10Mbps)のサイズの約10パーセントである。ピクチャインピクチャストリームは小さいビットストリームであるので、ピクチャインピクチャストリームの処理は、対応するマルチメディアストリームの処理に比べて必要な時間及びリソースが少ない。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態に従った、ピクチャインピクチャマルチメディアストリームを用いるIPTVの改良した高速チャネル変更を示す。図4では、コマンド送信ステップ(402)、コマンド処理ステップ(404)、チューニング完了ステップ(406)、及びPID検出(408)は、上述の図2で説明したステップ202、204、206、及び208とそれぞれ同一である。以下に与える例のチャネル変更時間は、1秒分のマルチメディアデータの映像バッファ及び2分の1秒の長さのピクチャ群を有するセットトップボックスに基づいている。映像バッファ及び/又はピクチャ群がこれより大きいか又は小さいと、チャネル変更時間を短縮又は延長することができる。上述のステップ318と同様、ステップ418において、エッジルータ(上述の図1のエッジルータ110)は、キャッシュされたマルチメディアストリームの最初のIフレームを送信する。しかしながら、この実施形態では、エッジルータは、セットトップボックスが要求したマルチメディアストリームに対応するピクチャインピクチャのIフレームに送信する。以下で、セットトップボックスへのピクチャストリームを、要求されたマルチメディアストリームから対応するピクチャインピクチャストリームにどのように切り換えるかについて、図5で論じる。セットトップボックスは、この最初のIフレームを受信し、これがマルチメディア処理を開始させる(410)。上述のように、セットトップボックスは、ストリームの表示を開始するためにバッファを一杯にする。セットトップボックスは、高ビットレートのマルチメディアストリームでなく低ビットレートのピクチャインピクチャストリームを受信するので、セットトップボックスは図3におけるよりも迅速にバッファを一杯にする。別の実施形態では、ルータは、通常ピクチャインピクチャサービスから流されるピクチャインピクチャマルチメディアストリームによって送信されるよりも高いビットレートで、キャッシュされたピクチャインピクチャストリームを送信することができる。例えば、一実施形態では、セットトップボックスは平均45ミリ秒でバッファを一杯にし、これは最大65ミリ秒となり得る。この例では、ピクチャインピクチャストリームを用いることによって、対応するマルチメディアストリームを用いるよりもほぼ1オーダー高速でバッファを一杯にすることができる。別の実施形態では、キャッシュされたピクチャインピクチャストリームは、図3において用いたキャッシュされたマルチメディアストリームよりもはるかに小さいストリームであるので、ルータは、このキャッシュされたピクチャインピクチャストリームをはるかに高速で送信することができ、セットトップボックスのバッファを一杯にするために要する時間を10ミリ秒とする可能性もある。セットトップボックスは、平均約250ミリ秒でピクチャインピクチャストリームを復号する(412)。概して、一実施形態では、チャネル変更の時間は約0.4〜0.5秒である。これは、上述の図2及び図3に示したチャネル変更時間に比べて0.3〜1.6秒の改善である。
【0039】
上述のように、特定の要求されたマルチメディアストリームについて、図4の改良した高速チャネル変更を達成するため、最初にピクチャインピクチャストリームをセットトップボックスに送信する。要求されたマルチメディアストリームもセットトップボックスに送信されると、セットトップボックスはピクチャインピクチャストリームを復号して短時間表示する。一実施形態では、これは、セットトップボックスとエッジルータとの間のデバイスが、IPTVチャネル変更中にどのストリームをセットトップボックスに送信するかを制御することによって達成される。図5は、本発明の一実施形態に従った、トラフィックの2つのマルチメディアストリームを用いてIPTVチャネル変更を実施する方法500の例示的なフロー図を示す。一実施形態においては、住居用ゲートウェイがこの方法500を実行することができ、代替的な実施形態では、セットトップボックス、DSLAM、スイッチ、及び/又はエッジルータが方法500を実行することができる。例えば、一実施形態では、図1のセットトップボックス102A〜B、住居用ゲートウェイ104、DSLAM106、スイッチ108、及びエッジルータ112の1つが方法500を実行することができる。
【0040】
図5において、方法500は、ブロック502で、ネットワークデバイスの下流インタフェース上で、IPTVチャネルの高解像度マルチメディアストリームについての要求を受信する。この実施形態では、下流インタフェースは、下流データトラフィックを送信/受信することができるインタフェースである。一実施形態では、高解像度マルチメディアストリームは、ピクチャインピクチャストリーム(例えば標準精細又は高精細マルチメディアストリーム)より高い解像度のストリームである。一実施形態では、マルチメディアストリームは、IPTVサービスのためのマルチキャスト映像ストリーム(標準精細映像、高精細映像等)であり、他の実施形態では、マルチメディアストリームは異なるマルチメディアサービスとすることができる(ビデオオンデマンド、オーディオ、ウェブキャスト、当技術分野において既知の別のマルチメディアサービス、及び/又はそれらの組み合わせ)。一実施形態では、要求は、マルチメディアストリームを要求するための当技術分野において既知のプロトコルに基づいている(例えばインターネットグループ管理プロトコル(IGMP)リポート、MLD(Multicast Listener Directory)、PIM(Protocol Independent Multicast)join等)。一実施形態では、方法500は、図1において記載したようなセットトップボックス102A〜B等のセットトップボックスから要求を受信する。
【0041】
ブロック504において、方法500は、上流インタフェース上でIPTVチャネルの低解像度マルチメディアストリームについての要求を送信する。この実施形態では、上流インタフェースは、上流データトラフィックを送信/受信することができるインタフェースである。一実施形態では、方法500は、IGMPリポート、MLD、PIMjoin等についての要求、又は、ブロック502で要求したマルチメディアストリームに対応するピクチャインピクチャマルチメディアストリームについての他の種類の要求を送信する。例えば、一実施形態では、セットトップボックスが、IPTVサービスのチャネル2で高精細マルチメディアストリームを受信するための要求を送信する。この実施形態では、方法500を実行するデバイス(住居用ゲートウェイ、DSLAM、スイッチ、エッジルータ等)が、この要求を受信し、IPTVチャネル2の対応するピクチャインピクチャマルチメディアストリームについての要求を送信する。
【0042】
一実施形態において、方法500は、ピクチャインピクチャマルチメディアストリームについての要求をエッジルータに送信する。この実施形態では、ピクチャインピクチャマルチメディアストリームは、キャッシュ(例えば図1のキャッシュ114)に記憶される。一実施形態では、キャッシュはエッジルータの構成要素であり、代替的な実施形態では、キャッシュはエッジルータとは別個である(例えばエッジルータに結合されたキャッシングサーバ、ストリーミングサービスの一部であるサービス等)。
【0043】
ブロック506において、方法500は、上流インタフェース上で低解像度マルチメディアストリームを受信する。一実施形態においては、方法500は、上述のブロック504で要求したピクチャインピクチャマルチメディアストリームを受信する。方法500は、ブロック508において、この受信した低解像度マルチメディアストリームを下流インタフェースから送信する。例えば、一実施形態では、方法500は、ブロック502で方法500が最初の要求を受信した下流インタフェースから、ピクチャインピクチャマルチメディアストリームを要求側のセットトップボックスに送信する。この実施形態では、要求側のセットトップボックスは、低解像度マルチメディアストリームを受信し、このストリームをバッファ、復号、及び表示することができる。
【0044】
この時点で、セットトップボックスは表示するマルチメディアストリームを有するが、方法500は更に、要求された本来のマルチメディアストリームに切り換えなければならない。概して、方法500はこの切り換えを達成するため、低解像度マルチメディアストリームの送信を停止し、高解像度マルチメディアストリームを要求側セットトップボックスに送信し始める。ブロック510では、方法500は、高解像度マルチメディアストリームへの切り換えを実行するか否かを判定する。一実施形態において、方法500は、最初の高解像度マルチメディア要求受信からの時間期間、セットトップボックスの能力、送信した低解像度Iフレームの数、送信した低解像度ピクチャ群の数、送信した低解像度バイト数等に基づいて、この判定を行うことができる。例えば一実施形態において、方法500は、2秒の時間期間の後に、低解像度から高解像度のマルチメディアストリーム送信に切り換える。方法500が高解像度ストリームに切り換えない場合、実行はブロック508に進む。
【0045】
方法500が高解像度ストリームに切り換えない場合、ブロック512において、方法500は上流インタフェース上で高解像度マルチメディアストリームについての要求を送信する。一実施形態では、方法500は、上述のブロック502で要求したものと同じ高解像度についての要求を送信する。例えば、一実施形態では、方法500がIPTVチャネル2の高解像度マルチメディアストリームについての要求を受信した場合、方法500はこの要求を送信する。方法500は、ブロック514において高解像度マルチメディアストリームを受信する。
【0046】
ブロック516において、方法500は、上流インタフェース上で低解像度マルチメディアストリームをドロップするための要求を送信する。一実施形態では、方法500は、IGMP/MLDドロップをエッジルータに送信し、次いでこのエッジルータが要求されたピクチャインピクチャマルチメディアストリームの送信を停止する。方法500は、ブロック518において、受信した高解像度マルチメディアストリームを下流インタフェースから送信する。
【0047】
どのように方法500が低解像度から高解像度のマルチメディアストリームに送信を切り換えるかは、様々な方法で実行することができる。一実施形態では、方法500は、上述のブロック512〜516をいずれかの順序で実行する。低解像度マルチメディアストリームを送信しながら、高解像度マルチメディアストリームについての要求を送信し、これを受信することによって、方法500は2つのストリームを重複させることができる。あるいは、方法は、低解像度マルチメディアストリームをドロップし(ブロック516)、その後で高解像度マルチメディアストリームを要求/送信する(ブロック512〜514)ことができる。
【0048】
一実施形態では、低解像度マルチメディアストリームが高解像度マルチメディアストリームよりもはるかに小さいので、方法500は双方のマルチメディアストリームを共に受信し、低解像度から高解像度へのマルチメディアストリーム送信切り換えで起こり得る混乱を最小限に抑えることができる。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態による、図1において用いたようなトラフィックの2つのマルチメディアストリームを用いてIPTVチャネル変更を実施することができる例示的なネットワーク要素600を示すブロック図である。図6において、ネットワーク要素600は、マルチメディアストリーム受信構成要素602、低解像度要求構成要素604、低解像度受信構成要素606、低解像度送信構成要素608、低解像度ドロップ構成要素610、高解像度要求構成要素612、高解像度受信構成要素614、切り換え構成要素616、及び高解像度送信構成要素618を含む。マルチメディアストリーム受信構成要素602は、図5のブロック502に記載したようにセットトップボックスから高解像度要求を受信する。低解像度要求構成要素604は、図5のブロック504に記載したように低解像度要求を送信する。低解像度受信構成要素606は、図5のブロック506に記載したように低解像度マルチメディアストリームを受信する。低解像度送信構成要素608は、図5のブロック508に記載したように低解像度マルチメディアストリームを送信する。低解像度ロップ構成要素610は、図5のブロック516に示したように低解像度マルチメディアストリームをドロップするための要求を送信する。高解像度要求構成要素612は、図5のブロック512に記載したように高解像度マルチメディアストリームについての要求を送信する。高解像度受信構成要素614は、図5のブロック514に示したように高解像度マルチメディアストリームを受信する。切り換え構成要素616は、図5のブロック510に記載したように高解像度マルチメディアストリームの送信に切り換えるか否かを判定する。高解像度送信構成要素618は、図5のブロック518に示したように高解像度マルチメディアストリームを送信する。
【0050】
図7は、システムの一実施形態に従った、図4において用いたIPTVチャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御することができる例示的なネットワーク要素を示すブロック図である。図7において、バックプレーン706は、ラインカード702A〜N及びコントローラカード704A〜Bを結合する。一実施形態では、コントローラカード704A〜Bは、ラインカード702A〜Nによってトラフィックの処理を制御し、代替的な実施形態では、コントローラカード704A〜Bは、同一の及び/又は異なる機能を実行する(IPTVチャネル変更を制御する等)。ラインカード702A〜Nは、コントローラカード704A〜Bから受信したポリシに従ってトラフィックを処理し転送する。一実施形態では、ラインカード702A〜Nは、図4〜6に記載したようなデータを処理する。別の実施形態では、ラインカード702A〜Nは、図5に記載したようなIPTVチャネル変更を制御する。図7に示すネットワーク要素700のアーキテクチャは例示であり、本発明の他の実施形態ではカードの異なる組み合わせも使用可能であることは理解されよう。
【0051】
代替的な実施形態
IPTVチャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御するための例示の実施形態を、ネットワークインフラストラクチャに存在する住居用ゲートウェイ等のネットワーク要素に関連付けて示した。しかしながら、本発明の実施形態は、住居用ゲートウェイによってIPTVチャネル変更を制御することに限定されない。代替的な実施形態は、他のデバイス(DSLAM、スイッチ、エッジルータ等)においてIPTVチャネル変更を行うことができる。あるいは、別個のデバイスが、上述したようなチャネル変更を制御することも可能である。
【0052】
例えば、図面におけるフロー図は、本発明のいくつかの実施形態によって実行される動作の特定の順序を示すが、かかる順序は例示的なものであることは理解されよう(例えば代替的な実施形態ではこれらの動作を異なる順序で実行可能であり、いくつかの動作を組み合わせることができ、いくつかの動作を重複させることができる等である)。
【0053】
本発明についていくつかの実施形態の観点で記載したが、本発明は記載した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内の変更及び変形を用いて実施可能であることは、当業者には認められよう。従って、この記載は限定でなく例示として見なされるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマルチキャストストリームへのアクセスを提供するネットワークデバイスによって、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を制御する方法であって、前記チャネル変更が前記ネットワークデバイスに結合されたセットトップボックスによって開始され、
前記セットトップボックスから前記第1のマルチメディアストリームについての要求を受信するステップと、
前記ネットワークデバイスによって第2のマルチメディアストリームについての要求を送信するステップであって、
前記第2のマルチメディアストリームが前記第1のマルチメディアストリームと同じIPTVチャネルに対応し、前記第2のマルチメディアストリームが前記第1のマルチメディアストリームより低い解像度を有する、ステップと、
前記第2のマルチメディアストリームを受信するステップと、
前記第2のマルチメディアストリームを前記セットトップボックスに送信するステップと、
前記第1のマルチメディアストリームについての要求を送信するステップと、
前記第1のマルチメディアストリームを受信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2のマルチメディアストリームをドロップするための要求を送信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のマルチメディアストリームがキャッシングネットワークデバイスにキャッシュされている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のマルチメディアストリームがピクチャインピクチャマルチメディアストリームである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のマルチメディアストリームが、高精細マルチメディアストリーム及び標準精細マルチメディアストリームから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワーク要素が、マルチキャストスヌーピングスイッチ及びマルチキャストルータから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のマルチメディアストリームが、マルチキャストストリーム及びユニキャストストリームから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ネットワークデバイスが前記セットトップボックスである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のマルチメディアデバイスを送信する前記ステップが、
前記第2のマルチメディアストリームをバッファするステップと、
前記バッファした第2のマルチメディアストリームを復号するステップと、
前記復号した第2のマルチメディアストリームを前記セットトップボックスに結合された表示デバイスに出力するステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のマルチメディアストリームの最初の受信フレームがIフレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームを受信するための要求を用いて、前記第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を要求するセットトップボックスと、
前記セットトップボックスに結合され、前記第1のマルチメディアストリームへのアクセスを制御するネットワークデバイスであって、前記ネットワーク要素が、
マルチメディアストリーム要求構成要素であって、前記セットトップボックスから前記第1のマルチメディアストリームについての前記要求を受信する、前記マルチメディアストリーム要求構成要素と、
前記マルチメディアストリーム要求構成要素に結合され、第2のマルチメディアストリームについての要求を送信する低解像度要求構成要素であって、前記第2のマルチメディアストリームが前記第1のマルチメディアストリームと同じIPTVチャネルに対応し、前記第2のマルチメディアストリームが前記第1のマルチメディアストリームより低い解像度を有する、前記低解像度要求構成要素と、
低解像度受信構成要素であって、前記低解像度要求構成要素に結合され、前記第2のマルチメディアストリームを受信する、前記低解像度受信構成要素と、
低解像度送信構成要素であって、前記低解像度受信構成要素に結合され、前記第2のマルチメディアストリームを前記セットトップボックスに送信する、前記低解像度送信構成要素と、
高解像度要求構成要素であって、前記低解像度送信構成要素に結合され、前記第1のマルチメディアストリームについての要求を送信する、前記高解像度要求構成要素と、
高解像度受信構成要素であって、前記高解像度要求構成要素に結合され、前記第1のマルチメディアストリームを受信する、前記高解像度受信構成要素と、
を含む、前記ネットワークデバイスと、
を含む、ネットワーク。
【請求項12】
前記第2のマルチメディアストリームがキャッシングネットワークデバイスにキャッシュされている、請求項12に記載のネットワーク。
【請求項13】
前記第2のマルチメディアストリームがピクチャインピクチャマルチメディアストリームである、請求項12に記載のネットワーク。
【請求項14】
前記第1のマルチメディアストリームが、高精細マルチメディアストリーム及び標準精細マルチメディアストリームから成る群から選択される、請求項12に記載のネットワーク。
【請求項15】
前記第1のネットワーク要素が、マルチキャストスヌーピングスイッチ及びマルチキャストルータから成る群から選択される、請求項12に記載のネットワーク。
【請求項16】
前記第2のマルチメディアストリームの最初の受信フレームがIフレームである、請求項12に記載のネットワーク。
【請求項17】
インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)チャネルの第1のマルチメディアストリームに対するセットトップボックスによるアクセスを制御するように適合されたネットワーク要素であって、前記セットトップボックスが、前記ネットワーク要素に結合され、前記第1のマルチメディアストリームに対するIPTVチャネル変更を開始し、
前記セットトップボックスから前記第1のマルチメディアストリームについての前記要求を受信するためのマルチメディアストリーム要求構成要素と、
第2のマルチメディアストリームについての要求を送信するための低解像度要求構成要素であって、前記第2のマルチメディアストリームが前記第1のマルチメディアストリームと同じIPTVチャネルに対応し、前記第2のマルチメディアストリームが前記第1のマルチメディアストリームより低い解像度を有する、前記低解像度要求構成要素と、
前記第2のマルチメディアストリームを受信するための低解像度受信構成要素と、
前記第2のマルチメディアストリームを前記セットトップボックスに送信するための低解像度送信構成要素と、
前記第1のマルチメディアストリームについての要求を送信するための高解像度要求構成要素と、
前記第1のマルチメディアストリームを受信するための高解像度受信構成要素と、
を含む、ネットワーク要素。
【請求項18】
前記第2のマルチメディアストリームがキャッシングネットワークデバイスにキャッシュされている、請求項18に記載のネットワーク要素。
【請求項19】
前記第2のマルチメディアストリームがピクチャインピクチャマルチメディアストリームである、請求項18に記載のネットワーク要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−519284(P2013−519284A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551708(P2012−551708)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050162
【国際公開番号】WO2011/095903
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】