説明

インターホンシステム

【課題】コストアップを抑えつつ、建物内に居ながら車両情報を取得可能なインターホンシステムを提供する。
【解決手段】インターホンシステムは、住宅100内に設置されて通話子器4との間で通話を行うインターホン装置2と、電動車両3の蓄電部31への充電を制御する充電制御装置1とを具備する。充電制御装置1は、電動車両3から車両情報を取得するとともに、取得した車両情報をインターホン装置2に送信する第1通信部12を備える。また、インターホン装置2は、充電制御装置1から送信される車両情報を受信する第2通信部24と、報知動作を行う報知部29と、第2通信部24で受信した車両情報を報知部29から報知させる第1制御部21とを備える。このインターホンシステムによれば、充電制御装置1から送信される車両情報を報知部29により報知するので、住人は住宅100内に居ながら電動車両3の車両情報を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に予め搭載された情報取得機器(例えば、センサやカメラ、レーダなど)を利用したセキュリティシステムが提供されている(例えば特許文献1参照)。このセキュリティシステムは、車両側に設けられた車両側通信制御装置との間で電力線通信を行い、上記情報取得機器からの情報を取得する宅側通信制御装置と、宅側通信制御装置に家庭内LANを介して接続されたホームセキュリティ端末とを備える。
【0003】
このセキュリティシステムでは、ホームセキュリティ端末に情報表示部が設けられており、上記情報取得機器からの情報により自宅の敷地内への不法侵入や車両盗難などが検出された場合には、警備会社に通報すると同時に、上記情報表示部に異常を表示して宅内のユーザーに異常を知らせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−72686号公報(段落[0014]−段落[0030]、及び、第1図−第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に示したセキュリティシステムでは、車両の状態や宅外の様子などを宅内に居ながら知ることができるものの、宅側通信制御装置やホームセキュリティ端末といった専用の機器を設置する必要があるため、コストアップになるものであった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コストアップを抑えつつ、建物内に居ながら車両情報を取得可能なインターホンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のインターホンシステムは、通話子器との間で通話を行うインターホン装置と、電動車両の蓄電部への充電を制御する充電制御装置とを具備し、充電制御装置は、電動車両から車両情報を取得する車両情報取得部と、取得した車両情報をインターホン装置に送信する第1通信部とを備え、インターホン装置は、充電制御装置から送信される車両情報を受信する第2通信部と、報知動作を行う報知部と、第2通信部で受信した車両情報を報知部から報知させる第1制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このインターホンシステムにおいて、車両情報取得部は、電動車両のメンテナンス情報を車両情報として取得し、第1制御部は、第2通信部で受信したメンテナンス情報を報知部から報知させるのが好ましい。
【0009】
また、このインターホンシステムにおいて、車両情報取得部は、電動車両に搭載されたカメラの映像データを車両情報として取得し、第1制御部は、第2通信部で受信した映像データを報知部が備えるモニタに表示させる又はインターホン装置が備える記憶部に記憶させるのうち少なくとも何れか一方を行うのも好ましい。
【0010】
さらに、このインターホンシステムにおいて、車両情報取得部は、電動車両に搭載された雨滴センサからの雨検知情報を車両情報として取得し、第1制御部は、第2通信部で受信した雨検知情報に基づいて報知部から降雨状態を報知させるのも好ましい。
【0011】
また、このインターホンシステムにおいて、車両情報取得部は、電動車両に搭載された防犯センサからの異常検知情報を車両情報として取得し、第1制御部は、第2通信部で受信した異常検知情報に基づいて報知部から電動車両の異常を報知させるのも好ましい。
【0012】
さらに、このインターホンシステムにおいて、充電制御装置は、蓄電部への充電を制御する第2制御部を備え、インターホン装置は、充電制御装置の車両情報取得部が取得した車両情報をもとに認証を行う認証処理部を備え、電動車両に対して充電を開始する際には、車両情報取得部が電動車両から車両情報を取得するとともに、取得した車両情報を第1通信部から送信し、第1通信部から送信された車両情報を第2通信部が受信すると、認証処理部が車両情報をもとに認証を行い、認証処理部による認証が成立すると、充電を許可する充電許可信号を第2通信部から送信し、第2通信部から送信された充電許可信号を第1通信部が受信すると、受信した充電許可信号に基づいて第2制御部が蓄電部への充電を開始するのも好ましい。
【0013】
また、このインターホンシステムにおいて、充電制御装置は、電動車両に接続することで電動車両の蓄電部に電力を供給する充電ケーブルを備え、車両情報取得部は、充電ケーブルに設けられた通信線を介して車両情報を取得するのも好ましい。
【発明の効果】
【0014】
コストアップを抑えつつ、建物内に居ながら車両情報を取得可能なインターホンシステムを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1のインターホンシステムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】同上を構成する充電制御装置の一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】同上を構成する充電制御装置の他の例を示す外観斜視図である。
【図4】同上を構成する充電制御装置を用いた概略システム図である。
【図5】同上の動作を説明するシーケンス図である。
【図6】同上の別の動作を説明するシーケンス図である。
【図7】同上のさらに別の動作を説明するシーケンス図である。
【図8】同上のさらにまた別の動作を説明するシーケンス図である。
【図9】同上のまたさらに別の動作を説明するシーケンス図である。
【図10】実施形態2のインターホンシステムの一例を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、インターホンシステムの実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1は本実施形態のインターホンシステムの一例を示すシステム構成図である。このインターホンシステムは、戸建て住宅100に適用されたものであり、宅外(例えば玄関付近)に設置された通話子器4との間で内線通話を行うインターホン装置2と、電動車両3の蓄電部31への充電を制御する充電制御装置1とを備えている。
【0018】
電動車両3には、例えば動力源として電動機のみを備えた電気自動車(EV)や、動力源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。電動車両3は、例えばリチウムイオン二次電池からなる蓄電部31を備え、蓄電部31を充電するための回路として、制御部32と、充電処理部33と、車両情報記憶部34と、第3通信部36とを備えている。また、電動車両3は、操作部35と、映像処理部37と、表示部38と、センサ部39と、カメラ部40とを備えている。
【0019】
制御部32は、例えばマイクロコンピュータからなり、電動車両3での充電動作を制御する。充電処理部33は、充電制御装置1を介して電力供給を受け、蓄電部31を充電するものであり、蓄電部31に蓄電された電力によって電動機(図示せず)が駆動される。電動車両3の車両情報記憶部34には、電動車両3の認証に用いる車両情報(例えば車台番号)が予め登録されている。第3通信部36は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、充電制御装置1との間で無線通信を行う。
【0020】
センサ部39は、電動車両3に搭載された雨滴センサや防犯センサなどで構成され、雨滴センサでは雨滴量を検出し、防犯センサでは電動車両3の異常の有無を検出する。映像処理部37は、電動車両3に搭載されたカメラ部40で撮影した映像データを取り込むとともに制御部32に出力し、制御部32は、カメラ部40で撮影した映像を操作部35の操作に応じて表示部38に表示させる。
【0021】
また、本実施形態では、宅内に設けられた分電盤5から電動車両3への充電電力が供給されるが、この分電盤5には、外部に設けられた交流電源9からの交流出力と、太陽電池6や蓄電池7からの直流出力をパワーコンディショナー8により変換した交流出力とが供給されるようになっている(図1参照)。
【0022】
インターホン装置2は、第1制御部21と、通話処理部22と、映像処理部23と、第2通信部24と、表示部25と、操作部26と、認証処理部27と、映像記憶部28とを主要な構成として備えている。
【0023】
第1制御部21は、例えばマイクロコンピュータからなり、インターホン装置2の全体的な制御を行う。
【0024】
通話処理部22は、スピーカ22a及びマイクロホン22bを有し、通話子器4との間で内線通話を行う。
【0025】
映像処理部23は、第1制御部21から入力される映像データをもとに、液晶ディスプレイからなる表示部25の表示を制御する。本実施形態では、電動車両3に搭載されたカメラ部40で撮影した映像データがインターホン装置2へ送信され、映像処理部23は、この映像データをもとにカメラ部40で撮影した映像を表示部25に表示させる。また、通話子器4がカメラを備えている場合には、通話子器4からの呼出時には通話子器4のカメラで撮影した映像データがインターホン装置2へ送信され、映像処理部23は、この映像データをもとにカメラで撮影した映像を表示部25に表示させる。
【0026】
操作部26は、インターホン装置2の筐体に設けられた1乃至複数の操作釦(図示せず)からなり、住人によって操作部26が操作されると、操作に応じた信号が操作部26から第1制御部21に出力される。なお、表示部25がタッチセンサ付きの液晶ディスプレイからなる場合、表示部25のタッチセンサで操作部26を構成してもよい。
【0027】
第2通信部24は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、充電制御装置1との間で無線通信を行う。なお、第2通信部24と充電制御装置1との間の通信方式は無線通信に限定されるものではなく、有線通信(例えば、専用の通信線を介した通信、電力線を通じた電力線搬送通信など)でもよい。
【0028】
認証処理部27には、充電を許可する電動車両3の車両情報(例えば電動車両3の車台番号)が予め登録されている。認証処理部27は、充電制御装置1に接続された電動車両3の車両情報が充電制御装置1から送られてくると、この車両情報が予め登録されている車両情報に一致するか否かを判定することで、電動車両3の認証を行う。
【0029】
映像記憶部28には、電動車両3に搭載されたカメラ部40で撮影された映像データや、通話子器4がカメラを備えている場合には当該カメラで撮影した映像データなどが蓄積される。
【0030】
また、本実施形態では、住宅100の住人に対して音声による報知や視覚的な報知(例えば文字、図記号、映像、発光など)を行う報知部29を備えており、この報知部29は通話処理部22が備えるスピーカ22aと表示部25とで構成されている。
【0031】
充電制御装置1は、電源(交流電源9、又は、太陽電池6及び蓄電池7)から電動車両3に電力を供給する状態と、電動車両3への電力供給を遮断する状態とを切り替えるものである。充電制御装置1は、第2制御部11と、第1通信部12と、表示部13と、リレー14と、操作部15とを主要な構成として備えている。
【0032】
第2制御部11は、例えばマイクロコンピュータからなり、充電制御装置1の全体的な制御を行う。
【0033】
第1通信部12は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、インターホン装置2及び電動車両3との間で無線通信を行う。ここに、第1通信部12は、電動車両3から送られてくる車両情報を取得するとともに、取得した車両情報をインターホン装置2に送信する機能を有しており、本実施形態では、第1通信部12により車両情報取得部及び第1通信部が構成されている。
【0034】
表示部13は、充電制御装置1の動作状態を報知するためのものであり、本実施形態では後述する複数の発光ダイオードLD1〜LD3で構成されている。
【0035】
リレー14は、住宅100内に設置された分電盤5からの電源ケーブルCB1と、電動車両3に接続される充電ケーブルCB2との間に接点が接続され、第2制御部11からの制御によって接点のオン/オフが切り替わる。
【0036】
操作部15は、電動車両3への充電を開始する充電開始ボタンや、電動車両3への充電を強制的に停止させる充電停止ボタンなどからなり、住人によって操作されると操作に応じた信号を第2制御部11に出力する。
【0037】
図2は充電制御装置1の一例を示す正面図及び側面図であり、この充電制御装置1は、縦長の直方体状に形成された合成樹脂製の装置本体70と、装置本体70から導出する充電ケーブルCB2の先端に設けられ、電動車両3の充電コネクタ41に着脱自在に接続される充電プラグ60とを備え、壁などに取り付けられて使用される。装置本体70の前面と下面の角部には開口が設けられ、この開口に臨むようにして、非充電時に充電プラグ60の一部が収納される収納部71が設けられている。また、装置本体70の前面には、表示部13を構成する複数(図2(a)では3個)の発光ダイオードLD1〜LD3が上下方向に並べて設けられている。
【0038】
一方、充電プラグ60は、電動車両3の充電コネクタ41に差込接続される円筒状の充電接続部61を先端側に備えるとともに、充電コネクタ41に設けられた凹所に係合するロック爪62を備えている。また、充電プラグ60の後部側には手で把持するための取っ手63が設けられている。そして、充電プラグ60のロック爪62を、装置本体70のプラグ保持体72に保持させることで、図2(a)及び図2(b)に示すように充電プラグ60が装置本体70に保持される。なお、図2(a)中のCB1は分電盤5に接続される電源ケーブルである。
【0039】
なお、図2(a)(b)に示す充電制御装置1は壁取付型のものであるが、図3及び図4に示すような可搬型のものでもよい。この充電制御装置1は、一面が開口した直方体状のボディ81と、ボディ81の開口を塞ぐようにボディ81に取り付けられるカバー82とで構成されるハウジング80を備える。カバー82の長手方向一端側には、ボディ81よりも外側に突出する支持部83が設けられ、この支持部83には引掛孔83aが設けられている。したがって、ハウジング80は、壁などに設けたピンを引掛孔83aに引っ掛けることによって、壁面などに吊り下げられた状態で支持される。また、ボディ81の長手方向一端側(図4中の左側)の側壁からは、電源コンセント20に接続される電源プラグ84が先端に設けられた電源ケーブルCB1がハウジング80の外側に導出され、ボディ80の長手方向他端側(図4中の右側)の側壁からは、電動車両3に接続される充電プラグ85が先端に設けられた充電ケーブルCB2がハウジング80の外側に導出されている。
【0040】
次に、本実施形態のインターホンシステムの各動作について、図5〜図9を参照しながら順次説明する。
【0041】
図5は充電制御装置1が接続された電動車両3の車両情報(例えばメンテナンス情報)をインターホン装置2の表示部25に表示させる際のシーケンス図である。充電制御装置1の装置本体70から取り外した充電プラグ60を電動車両3の充電コネクタ41に接続した後、操作部15の充電開始ボタンを押すと(ステップS1)、操作部15から第1通信部12にプラグ接続信号が出力される(ステップS2)。第1通信部12は電動車両3の第3通信部36に向けてプラグ接続信号を送信し(ステップS3)、第3通信部36は受信したプラグ接続信号を制御部32に出力する(ステップS4)。制御部32はプラグ接続信号を受け取ると車両情報記憶部34に対して車両情報を要求し(ステップS5)、車両情報記憶部34は制御部32に車両情報を出力する(ステップS6)。
【0042】
車両情報を受け取った制御部32は、車両情報を第3通信部36に出力するとともに、第3通信部36から充電制御装置1の第1通信部12に送信させる(ステップS7)。第1通信部12は受信した車両情報を第2制御部11に出力し(ステップS8)、第2制御部11は第1通信部12からインターホン装置2の第2通信部24に車両情報を送信させる(ステップS9)。第2通信部24は受信した車両情報を第1制御部21に出力し(ステップS10)、第1制御部21は車両情報を映像処理部23に出力して(ステップS11)、表示部25に車両情報を表示させる(ステップS12)。ここに、上記のメンテナンス情報としてはオイル交換や車検の時期、走行距離などが挙げられ、オイル交換や車検の時期を表示部25に表示させることで、オイル交換や車検の時期を住人に知らせることができ、オイル交換や車検を忘れることなく確実に行うことができる。
【0043】
なお、上記のステップS1では、充電制御装置1の充電プラグ60を電動車両3の充電コネクタ41に接続した後、操作部15の充電開始ボタンを押すことで充電が開始されるようになっているが、充電プラグ60を充電コネクタ41に接続することで充電が開始されるようになっていてもよい。
【0044】
図6は電動車両3に搭載されたカメラ部40で撮影した映像をインターホン装置2の表示部25に表示させる際のシーケンス図である。なお、図6では映像処理部23の図示を省略しているが、実際には第1制御部21から出力された映像データは映像処理部23を介して表示部25に表示される。
【0045】
電動車両3が備えるセンサ部39により電動車両3の異常が検出されると(ステップS21)、センサ部39は制御部32に異常検知信号を出力する(ステップS22)。制御部32は映像処理部37を介してカメラ部40を起動させ(ステップS23)、カメラ部40で撮影した映像データを取り込む(ステップS24)。また、制御部32は取り込んだ映像データを第3通信部36に出力し、第3通信部36から充電制御装置1の第1通信部12に送信させる(ステップS25)。
【0046】
第1通信部12は受信した映像データを第2制御部11に出力し(ステップS26)、第2制御部11は第1通信部12からインターホン装置2の第2通信部24に映像データを送信させる(ステップS27)。第2通信部24は受信した映像データを第1制御部21に出力し(ステップS28)、第1制御部21は映像データを映像処理部23に出力して(ステップS29)、表示部25にカメラ部40で撮影した映像を表示させるとともに(ステップS30)、映像記憶部28に映像データを保存させる(ステップS31)。
【0047】
上記のステップS24〜S31までの動作を繰り返して行い、一定時間が経過すると(ステップS32)、電動車両3の制御部32は映像処理部37を介してカメラ部40を停止させるとともに(ステップS33)、第3通信部36から充電制御装置1の第1通信部12に映像終了信号を送信させる(ステップS34)。第1通信部12は受信した映像終了信号を第2制御部11に出力し(ステップS35)、第2制御部11は第1通信部12からインターホン装置2の第2通信部24に映像終了信号を送信させる(ステップS36)。第2通信部24は受信した映像終了信号を第1制御部21に出力し(ステップS37)、第1制御部21は映像終了信号を映像処理部23に出力して表示部25への表示を停止させるとともに(ステップS38)、映像記憶部28への保存を停止させる(ステップS39)。
【0048】
このように、電動車両3に搭載されたカメラ部40で撮影した映像をインターホン装置2の表示部25に表示させることで、宅内に居ながら宅外の様子を確認することができ、特に車両盗難や盗電などの防止に役立ち、しかも宅外の様子を撮影するための専用のカメラを別途設ける必要がないという利点がある。また、カメラ部40で撮影した映像データをインターホン装置2の映像記憶部28に保存することで、カメラ部40で撮影した映像を後からチェックすることもできる。
【0049】
図7は電動車両3のセンサ部39を構成する雨滴センサの検出結果に基づいてインターホン装置2の報知部29から降雨状態を報知させる際のシーケンス図である。なお、図7では通話処理部22及び映像処理部23の図示を省略しているが、実際には第1制御部21から出力される音声信号は通話処理部22を介してスピーカ22aから出力され、第1制御部12から出力される表示データは映像処理部23を介して表示部25に表示される。
【0050】
雨滴センサにより雨滴が検出されると(ステップS41)、雨滴センサは制御部32に雨滴検出信号を出力する(ステップS42)。制御部32は受け取った雨滴検出信号を第3通信部36から充電制御装置1の第1通信部12に送信させ(ステップS43)、第1通信部12は受信した雨滴検出信号を第2制御部11に出力する(ステップS44)。
【0051】
第2制御部11は第1通信部12からインターホン装置2の第2通信部24に雨滴検出信号を送信させ(ステップS45)、第2通信部24は第1制御部21に雨滴検出信号を出力する(ステップS46)。第1制御部21は受信した雨滴検出信号に基づいて通話処理部22及び映像処理部23を制御し(ステップS47)、スピーカ22a及び表示部25から雨が降り始めたことを報知させる(ステップS48)。なお、報知部29から報知させる降雨状態は雨が降り始めたことに限定されるものではなく、例えば降水量や降水時間などを報知してもよく、本構成により宅内に居ながら降雨状態を知ることができる。
【0052】
図8は電動車両3のセンサ部39を構成する防犯センサの検出結果に基づいてインターホン装置2の報知部29から電動車両3の異常を報知させる際のシーケンス図である。なお、図8では通話処理部22及び映像処理部23の図示を省略しているが、実際には第1制御部21から出力される音声信号は通話処理部22を介してスピーカ22aから出力され、第1制御部12から出力される表示データは映像処理部23を介して表示部25に表示される。
【0053】
防犯センサにより電動車両3の異常が検出されると(ステップS51)、防犯センサは制御部32に異常検出信号を出力する(ステップS52)。制御部32は受け取った異常検出信号を第3通信部36から充電制御装置1の第1通信部12に送信させ(ステップS53)、第1通信部12は受信した異常検出信号を第2制御部11に出力する(ステップS54)。
【0054】
第2制御部11は第1通信部12からインターホン装置2の第2通信部24に異常検出信号を送信させ(ステップS55)、第2通信部24は第1制御部21に異常検出信号を出力する(ステップS56)。第1制御部21は受信した異常検出信号に基づいて通話処理部22及び映像処理部23を制御し(ステップS57)、スピーカ22a及び表示部25から電動車両3の異常を報知させる(ステップS58)。その結果、宅内に居ながら電動車両3の異常を知ることができる。
【0055】
図9は電動車両3へ充電を開始する際に行われる認証動作のシーケンス図である。充電制御装置1の装置本体70から取り外した充電プラグ60を電動車両3の充電コネクタ41に接続した後、操作部15の充電開始ボタンを押すと(ステップS61)、操作部15から第2制御部11に充電開始要求信号が出力される(ステップS62)。なおこのとき、リレー14は開状態にあり、電動車両3には電力が供給されていない。第2制御部11は充電開始要求信号を受け取ると、第1通信部12から電動車両3の第3通信部36に車両情報要求信号を送信させ(ステップS63)、第3通信部36は受信した車両情報要求信号を制御部32に出力する(ステップS64)。制御部32は車両情報要求信号を受け取ると車両情報記憶部34に対して車両情報を要求し(ステップS65)、車両情報記憶部34は制御部32に車両情報を出力する(ステップS66)。
【0056】
車両情報を受け取った制御部32は、車両情報を第3通信部36に出力するとともに、第3通信部36から充電制御装置1の第1通信部12に送信させる(ステップS67)。第1通信部12は受信した車両情報を第2制御部11に出力し(ステップS68)、第2制御部11は第1通信部12からインターホン装置2の第2通信部24に電動車両3の認証要求及び車両情報を送信させる(ステップS69)。第2通信部24は受信した認証要求及び車両情報を第1制御部21に出力し(ステップS70)、第1制御部21は認証要求及び車両情報を認証処理部27に出力して認証を行わせる(ステップS71)。
【0057】
認証処理部27は、予め登録されている車両情報と、第1制御部21から入力された認証対象の車両情報とを比較することで認証を行い、認証結果を第1制御部21に出力する(ステップS72)。ここで、認証対象の車両情報が予め登録されていれば(認証成立)、第1制御部21は、当該電動車両3の充電を許可する信号を第2通信部24から充電制御装置1の第1通信部12に送信させる(ステップS73)。第1通信部12は受信した許可信号を第2制御部11に出力し(ステップS74)、第2制御部11はリレー14を閉状態にして電動車両3への充電を開始させる(ステップS75、S76)。
【0058】
なお、認証処理部27による認証の結果、認証対象の車両情報が登録されていなければ(認証不成立)、第1制御部21は当該電動車両3の充電を許可しないので、車両情報が未登録の電動車両3に対して電力が供給されることはない。このように、電動車両3へ充電を開始する際に認証動作を行うことで、認証処理部27による認証が成立しない電動車両3に充電されることはないから、充電制御装置1に他人の電動車両3が無断で接続されて、盗電されるのを防止することができる。
【0059】
而して、本実施形態によれば、宅内に設置されるインターホン装置2に車両情報を報知する報知部29を設けているので、住人は充電場所まで行くことなく宅内に居ながら車両情報を知ることができ、しかも報知部29をインターホン装置2に設けていることから、従来例のように専用の機器を設置しなくてもよく、コストアップを抑えることができる。
【0060】
(実施形態2)
インターホンシステムの実施形態2を図10に基づいて説明する。上述の実施形態1では、充電制御装置1の第1通信部12と電動車両3の第3通信部36との間の無線通信により電動車両3の車両情報を伝送しているが、本実施形態では、充電ケーブルCB2に設けられた通信線L1を介して電動車両3の車両情報を充電制御装置1に伝送している点で異なっている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態のインターホンシステムは、充電制御装置1とインターホン装置2とを備えている。
【0062】
ここに、電動車両3は、例えばリチウムイオン二次電池からなる蓄電部31を備え、蓄電部31を充電するための回路として、制御部32と、充電処理部33と、車両情報記憶部34と、第3通信部36と、CPLT通信部42とを備えている。
【0063】
CPLT通信部42は、充電ケーブルCB2に設けられた通信線L1を介して充電制御装置1のCPLT通信部16に接続され、CPLT通信部16との間で動作状態を相互に通知するパイロット信号(SAE(米国自動車技術会)規格で規定されたCPLT信号)を授受する。また、本実施形態では、この通信線L1を利用して車両情報を電動車両3から取得する。ここに、本実施形態では、CPLT通信部16により車両情報取得部が構成されている。
【0064】
而して、本実施形態によれば、電動車両3の蓄電部31に電力を供給する充電ケーブルCB2の通信線L1を利用して電動車両3の車両情報を取得しているので、車両情報を取得するための通信線を別に設けなくてもよく、また無線通信を行う必要がない。
【0065】
なお、通信線L1とは別に車両情報伝送用の専用線を充電ケーブル内に別途設けてもよい。また、上述の実施形態1,2では、戸建て住宅に適用されたインターホンシステムについて説明したが、上述の実施形態1,2で説明したインターホンシステムを集合住宅や事業所などの建物に適用してもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0066】
1 充電制御装置
2 インターホン装置
3 電動車両
4 通話子器
12 第1通信部(第1通信部、車両情報取得部)
21 第1制御部
24 第2通信部
29 報知部
31 蓄電部
100 住宅(建物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話子器との間で通話を行うインターホン装置と、電動車両の蓄電部への充電を制御する充電制御装置とを具備し、前記充電制御装置は、前記電動車両から車両情報を取得する車両情報取得部と、取得した前記車両情報を前記インターホン装置に送信する第1通信部とを備え、前記インターホン装置は、前記充電制御装置から送信される前記車両情報を受信する第2通信部と、報知動作を行う報知部と、前記第2通信部で受信した前記車両情報を前記報知部から報知させる第1制御部とを備えることを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記車両情報取得部は、前記電動車両のメンテナンス情報を前記車両情報として取得し、前記第1制御部は、前記第2通信部で受信した前記メンテナンス情報を前記報知部から報知させることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記車両情報取得部は、前記電動車両に搭載されたカメラの映像データを前記車両情報として取得し、前記第1制御部は、前記第2通信部で受信した前記映像データを前記報知部が備えるモニタに表示させる又は前記インターホン装置が備える記憶部に記憶させるのうち少なくとも何れか一方を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記車両情報取得部は、前記電動車両に搭載された雨滴センサからの雨検知情報を前記車両情報として取得し、前記第1制御部は、前記第2通信部で受信した前記雨検知情報に基づいて前記報知部から降雨状態を報知させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記車両情報取得部は、前記電動車両に搭載された防犯センサからの異常検知情報を前記車両情報として取得し、前記第1制御部は、前記第2通信部で受信した前記異常検知情報に基づいて前記報知部から前記電動車両の異常を報知させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記充電制御装置は、前記蓄電部への充電を制御する第2制御部を備え、前記インターホン装置は、前記充電制御装置の前記車両情報取得部が取得した前記車両情報をもとに認証を行う認証処理部を備え、前記電動車両に対して充電を開始する際には、前記車両情報取得部が前記電動車両から前記車両情報を取得するとともに、取得した前記車両情報を前記第1通信部から送信し、前記第1通信部から送信された前記車両情報を前記第2通信部が受信すると、前記認証処理部が前記車両情報をもとに認証を行い、前記認証処理部による認証が成立すると、充電を許可する充電許可信号を前記第2通信部から送信し、前記第2通信部から送信された前記充電許可信号を前記第1通信部が受信すると、受信した前記充電許可信号に基づいて前記第2制御部が前記蓄電部への充電を開始することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記充電制御装置は、前記電動車両に接続することで前記電動車両の蓄電部に電力を供給する充電ケーブルを備え、前記車両情報取得部は、前記充電ケーブルに設けられた通信線を介して前記車両情報を取得することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−227790(P2012−227790A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94438(P2011−94438)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】