説明

インターホン装置

【課題】2線の信号線を経由して接続される端末間において伝送信号の一方向の伝送動作を行うにあたり、受信側の端末で正常にデータ受信ができた場合であっても、2線の接続状態の異常検出及びその報知を可能とする。
【解決手段】信号線Laを経由して接続される第1の端末1a及び第2の端末2aのうち、第1の端末の送信側平衡/不平衡変換回路11aは、インピーダンスの整合を図り信号線に映像データや制御データ等の伝送信号を重畳する。第2の端末の平衡/不平衡変換回路20aは、インピーダンスの整合を図り信号線に重畳された第1の端末からの伝送信号を受信し、信号線を構成する2線にそれぞれ接続される平衡検出部22aは、2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成して警報制御回路23aに送出することにより、この信号を検出した警報制御回路は、2線の接続状態が異常であることを報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン装置に係り、特に、2線から構成される信号線を経由して接続された端末間において映像データや制御データ等の伝送信号の一方向の伝送動作又は双方向の伝送動作を行うインターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のインターホン装置として、幹線と居室機間の電気的絶縁をとり、かつ待受時のインピーダンスは高く、通話時は伝送線路のインピーダンス特性に対応した終端回路を接続することにより、分岐線路による影響を軽減でき双方向の音声信号とデータ信号を伝送できる幹線を実現でき、またノイズに強いシステムを得ることができる共通線式インターホン装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−69882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術に記載した特許文献1の共通線式インターホン装置においては、幹線と居室機間の電気的絶縁をとることができるものの、例えば、幹線の片側が正常に接続されていない場合であっても受信側の居室機では音声信号とデータの受信が可能であるため、正常な動作しているように判断されることがあり、幹線の接続状態の異常検出及びその報知ができない難点があった。
【0005】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、2線から構成される信号線を経由して接続された端末間において映像データや制御データ等の伝送信号の一方向の伝送動作又は双方向の伝送動作を行うにあたり、受信側の端末で正常にデータ受信ができた場合であっても、2線の接続状態の異常検出及びその報知が可能なインターホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインターホン装置は、第1の端末から信号線を経由して第2の端末に映像データや制御データ等の伝送信号を送出するインターホン装置である。第1の端末は、インピーダンスの整合を図り信号線に伝送信号を重畳するための送信側平衡/不平衡変換回路を備えている。第2の端末は、インピーダンスの整合を図り信号線に重畳された送信側の端末からの伝送信号を受信するための受信側平衡/不平衡変換回路と、信号線を構成する2線にそれぞれ接続され、2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部と、平衡検出部からの不平衡検出信号により2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路とを備えている。
【0007】
また、本発明の第2の態様であるインターホン装置は、信号線を経由して第1の端末及び第2の端末間で映像データや制御データ等の伝送信号を送受信するインターホン装置である。第1の端末及び第2の端末のうち送信側の端末は、インピーダンスの整合を図り信号線に伝送信号を重畳するための送信側平衡/不平衡変換回路を備えている。第1の端末及び第2の端末のうち受信側の端末は、インピーダンスの整合を図り信号線に重畳された送信側の端末からの伝送信号を受信するための受信側平衡/不平衡変換回路と、信号線を構成する2線にそれぞれ接続され、2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部と、平衡検出部からの不平衡検出信号により2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路とを備えている。
【0008】
また、本発明の第3の態様であるインターホン装置は、第1の端末から信号線を経由して第2の端末に映像データや制御データ等の伝送信号を送出するインターホン装置である。第1の端末は、信号線との間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り信号線に伝送信号を重畳するための送信トランスを備えている。第2の端末は、信号線との間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り信号線に重畳された送信側の端末からの伝送信号を受信するための受信トランスと、信号線を構成する2線にそれぞれ接続され、2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部と、平衡検出部からの不平衡検出信号により2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路とを備えている。
【0009】
また、本発明の第4の態様であるインターホン装置は、信号線を経由して第1の端末及び第2の端末間で映像データや制御データ等の伝送信号を送受信するインターホン装置である。第1の端末及び第2の端末のうち送信側の端末は、信号線との間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り信号線に伝送信号を重畳するための送信トランスを備えている。第1の端末及び第2の端末のうち受信側の端末は、信号線との間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り信号線に重畳された送信側の端末からの伝送信号を受信するための受信トランスと、信号線を構成する2線にそれぞれ接続され、2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部と、平衡検出部からの不平衡検出信号により2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路とを備えている。
【0010】
また、本発明の第5の態様であるインターホン装置は、本発明の第1の態様乃至第4の態様のうち何れか1の態様において、平衡検出部は、信号線を構成する2線にそれぞれ対応して直列に設けられ、伝送信号が有する所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線から取出すためのバッファ回路、バッファ回路にて取出された伝送信号のうち所定の周波数帯域のみを通過させるためのフィルタ回路、フィルタ回路の出力信号を直流レベルに変換するためのレベル変換回路と、レベル変換回路の出力信号の直流レベルと所定の閾値レベルとを比較して信号線を構成する2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出回路とを有している。
【0011】
また、本発明の第6の態様であるインターホン装置は、本発明の第5の態様において、平衡検出回路は、レベル変換回路の出力側に接続されるコンパレータと、コンパレータの出力側に接続されるAND回路とを有し、コンパレータは、信号線を構成する2線にそれぞれ対応して設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインターホン装置によれば、2線から構成される信号線を経由して接続された端末間において映像データや制御データ等の伝送信号の一方向の伝送動作又は双方向の伝送動作を行うにあたり、受信側の端末において2線の平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に2線の接続状態が異常であることを報知することができる。これにより、受信側の端末で正常にデータ受信ができた場合であっても、2線の接続状態の異常検出及びその報知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例によるインターホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施例によるインターホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の第3の実施例によるインターホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第4の実施例によるインターホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のインターホン装置を適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0015】
最初に、本発明の第1の実施例によるインターホン装置について、図1の回路ブロック図を参照して説明する。
【0016】
図1に示すインターホン装置は、第1の端末1a及び第2の端末2aが2線L1a、L2aから構成される信号線Laを経由して接続され、この信号線Laを経由して第1の端末1aから第2の端末2aに映像データや制御データ等の伝送信号を送出する当該装置である。ここで、信号線Laを構成する2線L1a、L2aとしては、例えば、2線平衡ケーブルが好適とされる。
【0017】
第1の端末1aには、映像データや制御データ等の伝送信号を送出するためのデータ送出(バッファ)部10aと、インピーダンスの整合を図り、データ送出部10aから送出された伝送信号を信号線Laに重畳するための送信側平衡/不平衡変換回路11aとを備えている。
【0018】
第2の端末2aには、インピーダンスの整合を図り、信号線Laに重畳された第1の端末1aからの伝送信号を受信するための受信側平衡/不平衡変換回路20aと、受信側平衡/不平衡変換回路20aにて受信された伝送信号を検出するためのデータ検出(バッファ)部21aと、信号線Laを構成する2線L1a、L2aにそれぞれ接続され、2線L1a、L2aの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部22aと、平衡検出部22aにて生成された不平衡検出信号により2線L1a、L2aの接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路23aとを備えている。なお、警報制御回路23aは、通常、データ検出部21aにおける伝送信号の検出の有無を確認することができる。
【0019】
この第2の端末2aにおいて、平衡検出部22aは、信号線Laを構成する2線L1a、L2aに接続される第1の端末1aの送信側平衡/不平衡変換回路11aと受信側平衡/不平衡変換回路20aの間から分岐して設けられ、第1の端末1aからの伝送信号が有する所定の周波数帯域、例えば、映像データであれば6〜18MHz、制御データであれば1.8〜2.0MHzにおいて当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線Laから取出すためのバッファ回路220a、221aと、バッファ回路220a、221aにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させるためのフィルタ回路222a、223aと、フィルタ回路222a、223aの出力信号を直流レベルに変換するためのレベル変換回路224a、225aと、レベル変換回路224a、225aの出力信号の直流レベルと所定の閾値レベルとを比較して信号線Laを構成する2線L1a、L2aの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成して警報制御回路23aに送出するための平衡検出回路226aとを有している。
【0020】
また、第2の端末2aの平衡検出部22aにおいて、平衡検出回路226aは、(−)側がレベル変換回路224a、225aの出力側に、(+)側が(予め設定されている閾値の直流レベルである)基準電位点V0にそれぞれ接続され、信号線Laを構成する2線L1a、L2aにそれぞれ対応して設けられるコンパレータ260a、261aと、コンパレータ260a、261aの出力側に接続されるAND回路262aとを有しており、このAND回路262aの出力側には警報制御回路23aが接続されている。
【0021】
このように構成された本発明の第1の実施例によるインターホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
【0022】
図1に示す第1の端末1aの送信側平衡/不平衡変換回路11aは、データ送出部10aからの映像データや制御データ等の伝送信号についてインピーダンスの整合を図った状態で信号線Laを構成する2線L1a、L2aに重畳させ、第2の端末2aに平衡伝送する。
【0023】
第2の端末2aでは、信号線Laを構成する2線L1a、L2aに重畳されて第1の端末1aから平衡伝送されてきた伝送信号を受信側平衡/不平衡変換回路20aにて受信することにより、この伝送信号は、データ検出部21aに送出される。
【0024】
ここで、第2の端末2aの平衡検出部22aにおいて、バッファ回路220a、221aはそれぞれ、信号線Laを構成する2線L1a、L2aに重畳されて第1の端末1aから平衡伝送されてきた伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線から取出す、例えば、信号線Laのインピーダンスが75Ωの場合、それよりも大きい値の1MΩで取出し、フィルタ回路222a、223aに送出する。このフィルタ回路222a、223aはそれぞれ、バッファ回路220a、221aにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させた後、レベル変換回路224a、225aに送出することにより、当該レベル変換回路を経由して直流レベルに変換された直流レベル信号S1a、S2aが平衡検出回路226aを構成するコンパレータ260a、261aの(−)側に入力される。
【0025】
また、第2の端末2aの平衡検出部22aにおいて、平衡検出回路226aを構成するコンパレータ260a、261aはそれぞれ、(−)側に入力された直流レベル信号S1a、S2aの当該直流レベルと予め設定されている閾値の直流レベルV0とを比較し、その比較結果の電気信号をAND回路262aに送出する。このAND回路262aでは、コンパレータ260a、261aからのそれぞれの電気信号として、「S1a>V0、S2a>V0」の関係を有していれば、信号線Laを構成する2線L1a、L2aが平衡状態であると判断する一方、「S1a≦V0、S2a>V0」又は「S1a>V0、S2a≦V0」の関係を有していれば、2線L1a、L2aが不平衡状態であると判断して不平衡検出信号を生成し、警報制御回路23aに送出する。
【0026】
すなわち、第2の端末2aによれば、受信側平衡/不平衡変換回路20aを経由して信号線Laを構成する2線L1a、L2aに接続されるデータ検出部21aにて第1の端末1aからの伝送信号を正常に検出できた場合であっても、これを確認することが可能な警報制御回路23aにて不平衡検出信号が検出された場合には、2線L1a、L2aの接続状態が異常であると判断し、その旨の報知、例えば、音響出力手段や映像表示手段を利用した警報報知を行うことができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施例によるインターホン装置について、図2の回路ブロック図を参照して説明する。
【0028】
図2に示すインターホン装置は、第1の端末1b及び第2の端末2bが2線L1b、L2bから構成される信号線Lbを経由して接続され、この信号線Lbを経由して第1の端末1b及び第2の端末2b間で映像データや制御データ等の伝送信号を送受信する当該装置である。ここで、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bとしては、例えば、2線平衡ケーブルが好適とされる。
【0029】
第1の端末1b及び第2の端末2bは同様な構成であり、映像データや制御データ等の伝送信号を送出するためのデータ送出(バッファ)部10b、20bと、インピーダンスの整合を図り、データ送出部10b、20bから送出された伝送信号を信号線Lbに重畳するとともに、信号線Lbに重畳されて送信側の当該端末から伝送されてくる信号(伝送信号)を受信するための(送信側/受信側)平衡/不平衡変換回路11b、21bと、(受信側)平衡/不平衡変換回路11b、21bにて受信された伝送信号を検出するためのデータ検出(バッファ)部12b、22bと、データ送出部10b、20bからの伝送信号が有する所定の周波数帯域、例えば、映像データであれば6〜18MHz、制御データであれば1.8〜2.0MHzのみを通過させ、データ検出部12b、22bへのデータ帰還を防止するための(送信側)フィルタ回路13b、23bと、(受信側)平衡/不平衡変換回路11b、21bにて受信された伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域のみを通過させてデータ検出部12b、22bに送出する一方、(送信側)フィルタ回路13b、23bからデータ検出部12b、22bへのデータ帰還を防止するための(受信側)フィルタ回路14b、24bと、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bにそれぞれ接続され、2線L1b、L2bの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部15b、25bと、平衡検出部15b、25bからの不平衡検出信号により2線L1b、L2bの接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路16b、26bとを備えている。なお、警報制御回路16b、26bは、通常、データ検出部12b、22bにおける伝送信号の検出の有無を確認することができる。
【0030】
この第1の端末1b及び第2の端末2bにおいて、平衡検出部15b、25bは、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bに接続される第1の端末1bの(送信側/受信側)平衡/不平衡変換回路11bと(送信側/受信側)平衡/不平衡変換回路21bの間から分岐して設けられ、送信側の当該端末からの伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線Lbから取出すためのバッファ回路150b、151b、250b、251bと、バッファ回路150b、151b、250b、251bにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させるためのフィルタ回路152b、153b、252b、253bと、フィルタ回路152b、153b、252b、253bの出力信号を直流レベルに変換するためのレベル変換回路154b、155b、254b、255bと、レベル変換回路154b、155b、254b、255bの出力信号の直流レベルと所定の閾値レベルとを比較して信号線Lbを構成する2線L1b、L2bの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成して警報制御回路16b、26bに送出するための平衡検出回路156b、256bとを有している。
【0031】
また、第1の端末1b及び第2の端末2bの平衡検出部15b、25bにおいて、平衡検出回路156b、256bは、(−)側がレベル変換回路154b、155b、254b、255bの出力側に、(+)側が(予め設定されている閾値の直流レベルである)基準電位点V0にそれぞれ接続され、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bにそれぞれ対応して設けられるコンパレータ160b、161b、260b、261bと、コンパレータ160b、161b、260b、261bの出力側に接続されるAND回路162b、262bとを有しており、このAND回路162b、262bの出力側には警報制御回路16b、26bが接続されている。
【0032】
このように構成された本発明の第2の実施例によるインターホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
【0033】
図2に示す第1の端末1b及び第2の端末2bのうち、ここでは、第2の端末2bを送信側の当該端末として適用するにあたり、第2の端末2bの(送信側)平衡/不平衡変換回路21bは、(送信側)フィルタ回路23bを経由してデータ送出部20bから伝送されてくる映像データや制御データ等の伝送信号についてインピーダンスの整合を図った状態で信号線Lbを構成する2線L1b、L2bに重畳させ、第1の端末1bに平衡伝送する。
【0034】
第1の端末1bでは、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bに重畳されて第2の端末2bから平衡伝送されてきた伝送信号を(受信側)平衡/不平衡変換回路11bにて受信することにより、この伝送信号は、(受信側)フィルタ回路14bを経由してデータ検出部12bに送出される。
【0035】
ここで、第1の端末1bの平衡検出部15bにおいて、バッファ回路150b、151bはそれぞれ、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bに重畳されて第2の端末2bから平衡伝送されてきた伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線から取出す、例えば、信号線Lbのインピーダンスが75Ωの場合、それよりも大きい値の1MΩで取出し、フィルタ回路152b、153bに送出する。このフィルタ回路152b、153bはそれぞれ、バッファ回路150b、151bにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させた後、レベル変換回路154b、155bに送出することにより、当該レベル変換回路を経由して直流レベルに変換された直流レベル信号S1b、S2bが平衡検出回路156bを構成するコンパレータ160b、161bの(−)側に入力される。
【0036】
また、第1の端末1bの平衡検出部15bにおいて、平衡検出回路156bを構成するコンパレータ160b、161bはそれぞれ、(−)側に入力された直流レベル信号S1b、S2bの当該直流レベルと予め設定されている閾値の直流レベルV0とを比較し、その比較結果の電気信号をAND回路162bに送出する。このAND回路162bでは、コンパレータ160b、161bからのそれぞれの電気信号として、「S1b>V0、S2b>V0」の関係を有していれば、信号線Lbを構成する2線L1b、L2bが平衡状態であると判断する一方、「S1b≦V0、S2b>V0」又は「S1b>V0、S2b≦V0」の関係を有していれば、2線L1b、L2bが不平衡状態であると判断して不平衡検出信号を生成し、警報制御回路16bに送出する。
【0037】
すなわち、第1の端末1bによれば、(受信側)フィルタ回路14b、(受信側)平衡/不平衡変換回路11bを経由して信号線Lbを構成する2線L1b、L2bに接続されるデータ検出部12bにて第2の端末2bからの伝送信号を正常に検出できた場合であっても、これを確認することが可能な警報制御回路16bにて不平衡検出信号が検出された場合には、2線L1b、L2bの接続状態が異常であると判断し、その旨の報知、例えば、音響出力手段や映像表示手段を利用した警報報知を行うことができる。
【0038】
なお、本発明の第2の実施例によれば、図2に示す第1の端末1b及び第2の端末2bのうち、第2の端末2bを送信側の当該端末として適用した場合の動作について説明したが、この態様に限定されるものではない。すなわち、第1の端末1b及び第2の端末2bは同様な構成であるため、第1の端末1bを送信側の当該端末として適用することもできる。この態様において、受信側の第2の端末2bによれば、(受信側)フィルタ回路24b、(受信側)平衡/不平衡変換回路21bを経由して信号線Lbを構成する2線L1b、L2bに接続されるデータ検出部22bにて第1の端末1bからの伝送信号を正常に検出できた場合であっても、これを確認することが可能な警報制御回路26bにて不平衡検出信号が検出された場合には、2線L1b、L2bの接続状態が異常であると判断し、その旨の報知、例えば、音響出力手段や映像表示手段を利用した警報報知を行うことができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施例によるインターホン装置について、図3の回路ブロック図を参照して説明する。
【0040】
図3に示すインターホン装置は、第1の端末1c及び第2の端末2cが2線L1c、L2cから構成される信号線Lcを経由して接続され、この信号線Lcを経由して第1の端末1cから第2の端末2cに映像データや制御データ等の伝送信号を送出する当該装置である。ここで、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cとしては、例えば、2線平衡ケーブルが好適とされる。
【0041】
第1の端末1cには、映像データや制御データ等の伝送信号を送出するためのデータ送出(バッファ)部10cと、信号線Lcとの間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り、データ送出部10cから送出された伝送信号を信号線Lcに重畳するための送信トランス11cと、当該第1の子機の電源V1cを電源供給するための電源部12cとを備えている。この電源部12cには、電源V1cに対応する基準電位点G1cが接続されている。また、送信トランス11cにおいて、データ送出部10c側の当該巻線には、同様な基準電位点G1cが接続されている。
【0042】
第2の端末2cには、信号線Lcとの間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り、信号線Lcに重畳された第1の端末2cからの伝送信号を受信するための受信トランス20cと、受信トランス20cにて受信された伝送信号を検出するためのデータ検出(バッファ)部21cと、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cにそれぞれ接続され、2線L1c、L2cの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部22cと、平衡検出部22cからの不平衡検出信号により2線L1c、L2cの接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路23cと、平衡検出部22c及び警報制御回路23c間のアイソレーションを確保するためのアイソレーション回路24cと、受信トランス20cにおける信号線Lcを構成する2線L1c、L2c側の当該巻線及びデータ検出部21c側の当該巻線間を絶縁するとともに、アイソレーション回路24cを構成するフォトカプラ240cの発光/受光素子間を絶縁するにあたって、データ検出部21c側の当該巻線及びフォトカプラ240cの受光素子への第1の電源V2c、2線L1c、L2cに接続される平衡検出部22c及びフォトカプラ240cの発光素子への第2の電源V3cをそれぞれ電源供給するための電源絶縁部25cとを備えている。この電源絶縁部25cには、第1、第2の電源V2c、V3cにそれぞれ対応する基準電位点G2c、G3cが接続されている。また、受信トランス20cにおけるデータ検出部21c側の当該巻線、アイソレーション回路24cを構成するフォトカプラ240cの受光素子には、第1の電源V2cに対応する基準電位点G2cが接続されている。さらに、アイソレーション回路24cを構成するフォトカプラ240cの発光素子には、第2の電源V3cに対応する基準電位点G3cが接続されている。なお、警報制御回路23cは、通常、データ検出部21cにおける伝送信号の検出の有無を確認することができる。
【0043】
この第2の端末2cにおいて、平衡検出部22cは、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cに接続される第1の端末1cの送信トランス11cと受信トランス20cの間から分岐して設けられ、第1の端末1cからの伝送信号が有する所定の周波数帯域、例えば、映像データであれば6〜18MHz、制御データであれば1.8〜2.0MHzにおいて当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線Lcから取出すためのバッファ回路220c、221cと、バッファ回路220c、221cにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させるためのフィルタ回路222c、223cと、フィルタ回路222c、223cの出力信号を直流レベルに変換するためのレベル変換回路224c、225cと、レベル変換回路224c、225cの出力信号の直流レベルと所定の閾値レベルとを比較して信号線Lcを構成する2線L1c、L2cの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成し、アイソレーション回路24cを経由して警報制御回路23cに送出するための平衡検出回路226cとを有している。
【0044】
また、第2の端末2cの平衡検出部22cにおいて、平衡検出回路226cは、(−)側がレベル変換回路224c、225aの出力側に、(+)側が(予め設定されている閾値の直流レベルである)基準電位点V0にそれぞれ接続され、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cにそれぞれ対応して設けられる第2の電源V3cが動作電源となるコンパレータ260c、261cと、コンパレータ260c、261cの出力側に接続されるAND回路262cとを有しており、このAND回路262cの出力側には、アイソレーション回路24cを経由して警報制御回路23cが接続されている。
【0045】
このように構成された本発明の第3の実施例によるインターホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
【0046】
図3に示す第1の端末1cの送信トランス11cは、データ送出部10cからの映像データや制御データ等の伝送信号について信号線Lcを構成する2線L1c、L2cに重畳させるにあたり、データ送出部10a側の当該巻線と信号線Lc側の当該巻線とが、異なる電源V1c、第2の電源V3c(及び基準電位点G1c、G3c)により絶縁されアイソレーションが確保されているため、このようにアイソレーションが確保されインピーダンスの整合を図った状態で第2の端末2cに平衡伝送される。
【0047】
また、第2の端末2cの受信トランス20cは、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cに重畳されて第1の端末1cから平衡伝送されてきた伝送信号を受信するにあたり、データ検出部20c側の当該巻線と信号線Lc側の当該巻線とが、異なる第1、第2の電源V2c、V3c(及び基準電位点G2c、G3c)により絶縁されアイソレーションが確保されているため、このようにアイソレーションが確保されインピーダンスの整合を図った状態で受信してデータ検出部21cに送出する。
【0048】
ここで、第2の端末2cの平衡検出部22cにおいて、バッファ回路220c、221cはそれぞれ、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cに重畳されて第1の端末1cから平衡伝送されてきた伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線から取出す、例えば、信号線Lcのインピーダンスが75Ωの場合、それよりも大きい値の1MΩで取出し、フィルタ回路222c、223cに送出する。このフィルタ回路222c、223cはそれぞれ、バッファ回路220c、221cにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させた後、レベル変換回路224c、225cに送出することにより、当該レベル変換回路を経由して直流レベルに変換された直流レベル信号S1c、S2cが平衡検出回路226cを構成するコンパレータ260c、261cの(−)側に入力される。
【0049】
また、第2の端末2cの平衡検出部22cにおいて、平衡検出回路226cを構成するコンパレータ260c、261cはそれぞれ、(−)側に入力された直流レベル信号S1c、S2cの当該直流レベルと予め設定されている閾値の直流レベルV0とを比較し、その比較結果の電気信号をAND回路262cに送出する。このAND回路262cでは、コンパレータ260c、261cからのそれぞれの電気信号として、「S1c>V0、S2c>V0」の関係を有していれば、信号線Lcを構成する2線L1c、L2cが平衡状態であると判断する一方、「S1c≦V0、S2c>V0」又は「S1c>V0、S2c≦V0」の関係を有していれば、線L1c、L2cが不平衡状態であると判断して不平衡検出信号を生成し、アイソレーション回路24cを経由して警報制御回路23cに送出する。ここで、アイソレーション回路24cによれば、フォトカプラ240cを構成する警報制御回路23c側の受光素子と平衡検出部22c側の発光素子とが異なる第1、第2の電源V2c、V3c(及び基準電位点G2c、G3c)により絶縁されアイソレーションが確保されているため、このようにアイソレーションが確保された状態で不平衡検出信号を伝送することができる。
【0050】
すなわち、第2の端末2cによれば、受信トランス20cを経由して信号線Lcを構成する2線L1c、L2cに接続されるデータ検出部21cにて第1の端末1cからの伝送信号を正常に検出できた場合であっても、これを確認することが可能な警報制御回路23cにて不平衡検出信号が検出された場合には、2線L1c、L2cの接続状態が異常であると判断し、その旨の報知、例えば、音響出力手段や映像表示手段を利用した警報報知を行うことができる。
【0051】
次に、本発明の第4の実施例によるインターホン装置について、図4の回路ブロック図を参照して説明する。
【0052】
図4に示すインターホン装置は、第1の端末1d及び第2の端末2dが2線L1d、L2dから構成される信号線Ldを経由して接続され、この信号線Ldを経由して第1の端末1d及び第2の端末2d間で映像データや制御データ等の伝送信号を送受信する当該装置である。ここで、信号線Ldを構成する2線L1d、L2dとしては、例えば、2線平衡ケーブルが好適とされる。
【0053】
第1の端末1d及び第2の端末2dは同様な構成であり、映像データや制御データ等の伝送信号を送出するためのデータ送出(バッファ)部10d、20dと、信号線Ldとの間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り、データ送出部10d、20dから送出された伝送信号を信号線Ldに重畳するとともに、同様に信号線Ldとの間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り、信号線Ldに重畳されて送信側の当該端末から伝送されてくる信号(伝送信号)を受信するための(送信/受信)トランス11d、21dと、(受信)トランス11d、21dにて受信された伝送信号を検出するためのデータ検出(バッファ)部12d、22dと、データ送出部10d、20dからの伝送信号が有する所定の周波数帯域、例えば、映像データであれば6〜18MHz、制御データであれば1.8〜2.0MHzのみを通過させ、データ検出部12d、22dへのデータ帰還を防止するための(送信側)フィルタ回路13d、23dと、(受信)トランス11d、21dにて受信された伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域のみを通過させてデータ検出部12d、22dに送出する一方、(送信側)フィルタ回路13d、23dからデータ検出部12d、22dへのデータ帰還を防止するための(受信側)フィルタ回路14d、24dと、信号線Ldを構成する2線L1d、L2dにそれぞれ接続され、2線L1d、L2dの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部15d、25dと、平衡検出部15d、25dからの不平衡検出信号により2線L1d、L2dの接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路16d、26dと、平衡検出部15d、25d及び警報制御回路16d、26d間のアイソレーションを確保するためのアイソレーション回路17d、27dと、(送信/受信)トランス11d、21dにおける信号線Ldを構成する2線L1d、L2d側の当該巻線及び(送信側/受信側)フィルタ回路13d、14d、23d、24d側の当該巻線間を絶縁するとともに、アイソレーション回路17d、27dを構成するフォトカプラ170d、270dの発光/受光素子間を絶縁するにあたって、(送信側/受信側)フィルタ回路13d、14d、23d、24d側の当該巻線及びフォトカプラ170d、270dの受光素子への第1の電源V11d、V21d、2線L1d、L2dに接続される平衡検出部15d、25d及びフォトカプラ170d、270dの発光素子への第2の電源V12d、V22dをそれぞれ電源供給するための電源絶縁部18d、28dとを備えている。この電源絶縁部18d、28dには、第1、第2の電源V11d、V21d、V12d、V22dにそれぞれ対応する基準電位点G11d、G21d、G12d、G22dが接続されている。また、(送信/受信)トランス11d、21dにおける(送信側/受信側)フィルタ回路13d、14d、23d、24d側の当該巻線、アイソレーション回路17d、27dを構成するフォトカプラ170d、270dの受光素子には、第1の電源V11d、V21dに対応する基準電位点G11d、G21dが接続されている。さらに、アイソレーション回路17d、27dを構成するフォトカプラ170d、270dの発光素子には、第2の電源V12d、V22dに対応する基準電位点G12d、G22dが接続されている。なお、警報制御回路16d、26dは、通常、データ検出部12d、22dにおける伝送信号の検出の有無を確認することができる。
【0054】
また、第1の端末1d及び第2の端末2dの平衡検出部15d、25dにおいて、平衡検出回路156d、256dは、(−)側がレベル変換回路154d、155d、254d、255dの出力側に、(+)側が(予め設定されている閾値の直流レベルである)基準電位点V0にそれぞれ接続され、信号線Ldを構成する2線L1d、L2dにそれぞれ対応して設けられるコンパレータ160d、161d、260d、261dと、コンパレータ160d、161d、260d、261dの出力側に接続されるAND回路162d、262dとを有しており、このAND回路162d、262dの出力側には、アイソレーション回路17d、27dを経由して警報制御回路16d、26dが接続されている。
【0055】
このように構成された本発明の第4の実施例によるインターホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
【0056】
図4に示す第1の端末1d及び第2の端末2dのうち、ここでは、第2の端末2dを送信側の当該端末として適用するにあたり、第2の端末2bの(送信)トランス21dは、(送信側)フィルタ回路23dを経由したデータ送出部20dからの映像データや制御データ等の伝送信号について信号線Ldを構成する2線L1d、L2dに重畳させるにあたり、(送信/受信)フィルタ回路23d、24d側の当該巻線と信号線Ld側の当該巻線とが異なる第1、第2の電源V21d、V22d(及び基準電位点G21d、G22d)により絶縁されアイソレーションが確保されているため、このようにアイソレーションが確保されインピーダンスの整合を図った状態で第1の端末1dに平衡伝送される。
【0057】
また、第1の端末1dの(受信)トランス11dは、信号線Ldを構成する2線L1d、L2dに重畳されて第2の端末2dから平衡伝送されてきた伝送信号を受信するにあたり、(送信/受信)フィルタ回路13d、14d側の当該巻線と信号線Ld側の当該巻線とが異なる第1、第2の電源V11d、V12d(及び基準電位点G11d、G12d)により絶縁されアイソレーションが確保されているため、このようにアイソレーションが確保されインピーダンスの整合を図った状態で受信し、(受信側)フィルタ回路14dを経由してデータ検出部12dに送出する。
【0058】
ここで、第1の端末1dの平衡検出部15dにおいて、バッファ回路150d、151dはそれぞれ、信号線Ldを構成する2線L1d、L2dに重畳されて第2の端末2dから平衡伝送されてきた伝送信号が有する前述の所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで信号線から取出す、例えば、信号線Ldのインピーダンスが75Ωの場合、それよりも大きい値の1MΩで取出し、フィルタ回路152d、153dに送出する。このフィルタ回路152d、153dはそれぞれ、バッファ回路150d、151dにて取出された伝送信号のうち前述の所定の周波数帯域のみを通過させた後、レベル変換回路154d、155dに送出することにより、当該レベル変換回路を経由して直流レベルに変換された直流レベル信号S1d、S2dが平衡検出回路156dを構成するコンパレータ160d、161dの(−)側に入力される。
【0059】
また、第1の端末1dの平衡検出部15dにおいて、平衡検出回路156dを構成するコンパレータ160d、161dはそれぞれ、(−)側に入力された直流レベル信号S1d、S2dの当該直流レベルと予め設定されている閾値の直流レベルV0とを比較し、その比較結果の電気信号をAND回路162dに送出する。このAND回路162dでは、コンパレータ160d、161dからのそれぞれの電気信号として、「S1d>V0、S2d>V0」の関係を有していれば、信号線Ldを構成する2線L1d、L2dが平衡状態であると判断する一方、「S1d≦V0、S2d>V0」又は「S1d>V0、S2d≦V0」の関係を有していれば、2線L1d、L2dが不平衡状態であると判断して不平衡検出信号を生成し、アイソレーション回路17dを経由して警報制御回路16dに送出する。ここで、アイソレーション回路17dによれば、フォトカプラ170dを構成する警報制御回路16d側の受光素子と平衡検出部15d側の発光素子とが、異なる第1、第2の電源V11d、V12d(及び基準電位点G11d、G12d)により絶縁されアイソレーションが確保されているため、このようにアイソレーションが確保された状態で不平衡検出信号を伝送することができる。
【0060】
すなわち、第1の端末1dによれば、(受信側)フィルタ回路14d、(受信)トランス11dを経由して信号線Ldを構成する2線L1d、L2dに接続されるデータ検出部12dにて第2の端末1dからの伝送信号を正常に検出できた場合であっても、これを確認することが可能な警報制御回路16dにて不平衡検出信号が検出された場合には、2線L1d、L2dの接続状態が異常であると判断し、その旨の報知、例えば、音響出力手段や映像表示手段を利用した警報報知を行うことができる。
【0061】
なお、本発明の第4の実施例によれば、図4に示す第1の端末1d及び第2の端末2dのうち、第2の端末2dを送信側の当該端末として適用した場合の動作について説明したが、この態様に限定されるものではない。すなわち、第1の端末1d及び第2の端末2dは同様な構成であるため、第1の端末1dを送信側の当該端末として適用することもできる。この態様において、受信側の第2の端末2dによれば、(受信側)フィルタ回路24d、(受信)トランス21dを経由して信号線Ldを構成する2線L1d、L2dに接続されるデータ検出部22dにて第1の端末1dからの伝送信号を正常に検出できた場合であっても、これを確認することが可能な警報制御回路26dにて不平衡検出信号が検出された場合には、2線L1d、L2dの接続状態が異常であると判断し、その旨の報知、例えば、音響出力手段や映像表示手段を利用した警報報知を行うことができる。
【0062】
前述までの説明から明らかなように、本発明の第1乃至第4の実施例によるインターホン装置においては、2線L1a、L2a、L1b、L2b、L1c、L2c、L1d、L2dから構成される信号線La、Lb、Lc、Ldを経由して接続された第1の端末1a、1b、1c、1d及び第2の端末2a、2b、2c、2d間において映像データや制御データ等の伝送信号の一方向の伝送動作又は双方向の伝送動作を行うにあたり、当該受信側の端末において2線L1a、L2a、L1b、L2b、L1c、L2c、L1d、L2dの平衡状態の有無を検出し、平衡状態でないと検出された場合に2線L1a、L2a、L1b、L2b、L1c、L2c、L1d、L2dの接続状態が異常であることを報知することができる。これにより、当該受信側の端末で正常にデータ受信ができた場合であっても、2線L1a、L2a、L1b、L2b、L1c、L2c、L1d、L2dの接続状態の異常検出及びその報知が可能となる。
【0063】
本発明のインターホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0064】
1a、1b、1c、1d……第1の端末
2a、2b、2c、2d……第2の端末
11a、20a、11b、21b……(送信側/受信側)平衡/不平衡変換回路
11c、20c、11d、21d……(送信/受信)トランス
22a、15b、25b、22c、15d、25d……平衡検出部
220a、221a、150b、151b、250b、251b、220c、
221c、150d、151d、250d、251d……バッファ回路
222a、223a、152b、153b、252b、253b、222c、
223c、152d、153d、252d、253d……フィルタ回路
224a、225a、154b、155b、254b、255b、224c、
225c、154d、155d、254d、255d……レベル変換回路
226a、156b、256b、226c、156d、256d……平衡検出回路
260a、261a、160b、161b、260b、261b、260c、
261c、160d、161d、260d、261d……コンパレータ
262a、162b、262b、262c、162d、262d……AND回路
La、Lb、Lc、Ld……信号線
L1a、L2a、L1b、L2b、L1c、L2c、L1d、L2d……2線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末(1a)から信号線(La)を経由して第2の端末(2a)に映像データや制御データ等の伝送信号を送出するインターホン装置であって、
前記第1の端末は、インピーダンスの整合を図り前記信号線に前記伝送信号を重畳するための送信側平衡/不平衡変換回路(11a)を備え、
前記第2の端末は、前記インピーダンスの整合を図り前記信号線に重畳された前記送信側の端末からの前記伝送信号を受信するための受信側平衡/不平衡変換回路(20a)と、前記信号線を構成する2線(L1a、L2a)にそれぞれ接続され、前記2線の平衡状態の有無を検出し、前記平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部(22a)と、前記平衡検出部からの前記不平衡検出信号により前記2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路(23a)とを備えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項2】
信号線(Lb)を経由して第1の端末(1b)及び第2の端末(2b)間で映像データや制御データ等の伝送信号を送受信するインターホン装置であって、
前記第1の端末及び第2の端末のうち送信側の端末は、インピーダンスの整合を図り前記信号線に前記伝送信号を重畳するための送信側平衡/不平衡変換回路(11b、21b)を備え、
前記第1の端末及び第2の端末のうち受信側の端末は、前記インピーダンスの整合を図り前記信号線に重畳された前記送信側の端末からの前記伝送信号を受信するための受信側平衡/不平衡変換回路(12b、22b)と、前記信号線を構成する2線(L1b、L2b)にそれぞれ接続され、前記2線の平衡状態の有無を検出し、前記平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部(15b、25b)と、前記平衡検出部からの前記不平衡検出信号により前記2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路(16b、26b)とを備えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項3】
第1の端末(1c)から信号線(Lc)を経由して第2の端末(2c)に映像データや制御データ等の伝送信号を送出するインターホン装置であって、
前記第1の端末は、前記信号線との間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り前記信号線に前記伝送信号を重畳するための送信トランス(11c)を備え、
前記第2の端末は、前記信号線との間の前記アイソレーションを確保して前記インピーダンスの整合を図り前記信号線に重畳された前記送信側の端末からの前記伝送信号を受信するための受信トランス(20c)と、前記信号線を構成する2線(L1c、L2c)にそれぞれ接続され、前記2線の平衡状態の有無を検出し、前記平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部(22c)と、前記平衡検出部からの前記不平衡検出信号により前記2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路(23c)とを備えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項4】
信号線(Ld)を経由して第1の端末(1d)及び第2の端末(2d)間で映像データや制御データ等の伝送信号を送受信するインターホン装置であって、
前記第1の端末及び第2の端末のうち送信側の端末は、前記信号線との間のアイソレーションを確保してインピーダンスの整合を図り前記信号線に前記伝送信号を重畳するための送信トランス(11d、21d)を備え、
前記第1の端末及び第2の端末のうち受信側の端末は、前記信号線との間の前記アイソレーションを確保して前記インピーダンスの整合を図り前記信号線に重畳された前記送信側の端末からの前記伝送信号を受信するための受信トランス(11d、21d)と、前記信号線を構成する2線(L1d、L2d)にそれぞれ接続され、前記2線の平衡状態の有無を検出し、前記平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出部(15d、25d)と、前記平衡検出部からの前記不平衡検出信号により前記2線の接続状態が異常であることを報知するための警報制御回路(16d、26d)とを備えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項5】
前記平衡検出部は、前記信号線を構成する前記2線にそれぞれ対応して直列に設けられ、前記伝送信号が有する所定の周波数帯域において当該伝送信号をハイインピーダンスで前記信号線から取出すためのバッファ回路(220a、221a、150b、151b、250b、251b、220c、221c、150d、151d、250d、251d)、前記バッファ回路にて取出された前記伝送信号のうち前記所定の周波数帯域のみを通過させるためのフィルタ回路(222a、223a、152b、153b、252b、253b、222c、223c、152d、153d、252d、253d)、前記フィルタ回路の出力信号を直流レベルに変換するためのレベル変換回路(224a、225a、154b、155b、254b、255b、224c、225c、154d、155d、254d、255d)と、前記レベル変換回路の出力信号の直流レベルと所定の閾値レベルとを比較して前記信号線を構成する前記2線の平衡状態の有無を検出し、前記平衡状態でないと検出された場合に不平衡検出信号を生成するための平衡検出回路(226a、156b、256b、226c、156d、256d)とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち何れか1項記載のインターホン装置。
【請求項6】
前記平衡検出回路は、前記レベル変換回路の出力側に接続されるコンパレータ(260a、261a、160b、161b、260b、261b、260c、261c、160d、161d、260d、261d)と、前記コンパレータの出力側に接続されるAND回路(262a、162b、262b、262c、162d、262d)とを有し、
前記コンパレータは、前記信号線を構成する前記2線にそれぞれ対応して設けられることを特徴とする請求項5記載のインターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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