説明

インターホン装置

【課題】テレビドアホンにおいて、犬等の動物を人物と誤って認識してしまい、誤動作によって無駄な報知や録画が発生していた。また、人物を正しく認識した際にも、設置条件によっては来客の映像が逆光で真っ黒になってしまい、人物の確認が困難になることがあった。
【解決手段】人物と人物以外の物体を識別する識別部を備えて、人物識別時に識別した人物の範囲を補正対象としてカメラで逆光補正を行なうことにより、識別力の高い画像を出画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを備えたインターホン装置に係り、特に人物を検出するシステムが組み込まれているインターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人物検出を行うインターホン装置には、画像内の人物を検出し、検出した人物を選択することで、その人物にズームし録画する機能を持つものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−181220号公報
【特許文献2】特開2010−81160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの技術では、インターホン装置で人物を検出し、利用者の操作により人物の動きを確認する機能までは自動で行なうことができるが、その人物の存在を確認して撮像状態を改善させる機能は実装されていなかった。
本発明では、検出した人物の撮像状態を把握して、照明制御、逆光補正等の撮像改善手段により撮像状態を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインターホン装置は、人物と人物以外の物体を識別する識別部を搭載し、識別した人物の撮像状態を把握して、逆光補正を行うカメラ、あるいは識別した人物を照明する照明部、外灯を備えた。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、人物と人物以外を識別し、識別した人物に対してカメラが逆光補正を行うため、正確な範囲で逆行補正を行なうことができ、人物を的確に撮像することができる。
請求項2の発明によれば、人物と人物以外を識別し、識別した人物に対して報知部が報知動作を行なうため、誤報を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、人物と人物以外を識別し、識別した人物に対して録画部が録画動作を行なうため、動物等による無駄な録画を防ぐことができる。
請求項4の発明によれば、人物と人物以外を識別し、識別した人物に対して逆光が強すぎる、あるいは光量が少ない等の理由で逆光補正の結果が不十分であると判断した場合にのみ照明部が照明動作を行なうため、人物を的確に撮像することができるとともに無駄な照明を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、人物と人物以外を識別し、識別した人物に対して逆光が強すぎる、あるいは光量が少ない等の理由で逆光補正の結果が不十分であると判断した場合のみ外灯が点灯するため、人物を的確に撮像することができるとともに無駄な照明を抑制することができる。
請求項6の発明によれば、人物と人物以外を識別し、識別した人物に対して映像処理部が画像サイズ変換を行なうため、人物を的確に撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1はインターホン装置の一例を示す構成図である。
【図2】図2はインターホン装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のインターホン装置を適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の実施例によるインターホン装置の一例を示すシステム構成図であり、居室親機2には玄関子機1と、玄関近傍を照明する外灯3が接続されている。
図2は、本発明の実施例によるインターホン装置の一例を示すブロック図である。
玄関子機1は、当該玄関子機前面に設置されて玄関先の来訪者を撮像するカメラ101と、居住者と会話するための子機音響部103と、居室親機2を呼び出すための呼出ボタン102と、玄関子機近傍を上方から照明する照明部104と、居室親機2と通信するための子機I/F105で構成されている
居室親機2は、玄関子機1から呼び出されたときに応答するための通話ボタン207と、来訪者と会話するための親機音響部208と、玄関子機1から送られてきた映像信号を表示するモニタ205と、撮像された映像より人物と人物以外を識別する識別部201と、識別部201で識別した人物の存在を報知する報知部202と、識別部201で識別した人物を録画する録画部204と、撮像された映像の画質を加工する等の映像の処理を行なう映像処理部203と、居室親機2の各部を制御するCPU206と、玄関子機1と通信するための親機I/F209で構成されている。
【0010】
以下、動作について説明する。
玄関子機1に備えられたカメラ101は常時作動しており、連続して玄関の画像を撮像している。撮像された画像は玄関子機1の子機I/F104から居室親機2の識別部201に伝送される。識別部201は人物の有無を識別する。なお、識別部201における、人物とその他の物体との区別を可能とする詳細な動作については省略するが、先行技術としては、一例として、特許文献1である特開2009−181220号公報に記載の方法を使用することができる。
【0011】
識別部201が人物を識別すると、報知部202及び映像処理部203に対して人物が存在することをそれぞれ通報する。通報を受けた報知部202は、親機音響部208で報知音を鳴動させて居室親機近傍に人物接近を報知するとともに、玄関子機1の子機音響部103で警報音を鳴動させ、さらに、カメラ101で識別した人物の範囲を対象範囲として逆光補正を行なうよう指示する。
さらに、識別部201は、逆光が強すぎる、あるいは光量が少ない等の理由で逆光補正の結果が不十分であると判断した場合には照明部104または外灯3を点灯させ、あるいは光量を増加させて画像の鮮明度を向上させる。
また、通報を受けた映像処理部203は、必要に応じて識別した人物の範囲を対象範囲としてズームやパンチルト等の画像変換を行なう。例えば、識別した人物の画像が小さい場合にはズームによる人物画像の拡大を行ない、識別した人物の画像が中央から極端に偏っている場合にはパンチルトによる人物画像の中心への移動を行なう。
映像処理部203で画像変換された人物画像は、モニタ205に表示を行なうとともに、録画部204によって記録される。
【0012】
これにより、玄関近傍の人物が検知されたことを明確に玄関及び室内で報知して不審人物の侵入を防ぐとともに、出画、録画の際に視認性を向上させ、さらに人物以外の例えば猫、タヌキ等が移動した時には識別部201が識別しないことから、誤報を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本実施例では、カメラ101は常時作動しているように説明したが、この限りでなく、例えば、不審人物の録画を目的とせず、訪問者の画像の画質向上が目的であれば、呼出ボタン102の操作によってカメラ101が画像の撮像を開始してもよい。
また、本実施例では、照明部104及び外灯3を点灯させていたが、少なくともいずれか1つあれば本実施例の機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0014】
1・・・・玄関子機
101・・・カメラ
102・・・呼出ボタン
103・・・子機音響部
104・・・照明部
105・・・子機I/F
2・・・・室内親機
201・・・識別部
202・・・報知部
203・・・映像処理部
204・・・録画部
205・・・モニタ
206・・・CPU
207・・・通話ボタン
208・・・親機音響部
209・・・親機I/F
3・・・・外灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物と人物以外の物体を識別する識別部(201)と、前記識別部で識別した人物を対象とし、逆光補正を行うカメラ(101)とを備えたことを特徴とするインターホン装置。
【請求項2】
人物と人物以外の物体を識別する識別部(201)と、前記識別部が人物を識別したことを検知して作動する報知部(202)とを備えたことを特徴とするインターホン装置。
【請求項3】
人物と人物以外の物体を識別する識別部(201)と、前記識別部が人物以外のみを検知した場合には作動せず、人物を識別したことを検知して作動する録画部(204)とを備えたことを特徴とするインターホン装置。
【請求項4】
人物と人物以外の物体を識別する識別部(201)と、前記識別部が人物以外のみを検知した場合には作動せず、人物を識別したことを検知して逆光が強すぎる、あるいは光量が少ない等の理由で逆光補正の結果が不十分であると判断した場合に作動する照明部(104)とを備えたことを特徴とするインターホン装置。
【請求項5】
人物と人物以外の物体を識別する識別部(201)と、前記識別部が人物以外のみを検知した場合には作動せず、人物を識別したことを検知して逆光が強すぎる、あるいは光量が少ない等の理由で逆光補正の結果が不十分であると判断した場合に作動する外灯(4)を備えたことを特徴とするインターホン装置。
【請求項6】
人物と人物以外の物体を識別する識別部(201)と、前記識別部が人物以外のみを検知した場合には作動せず、人物を識別したことを検知してズームやパンチルト等の画像変換を行う映像処理部(205)とを備えたことを特徴とするインターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−74955(P2012−74955A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218804(P2010−218804)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】