説明

インターロック構造

【課題】配線にヒューズ及び断路器を設けた保安装置において、ヒューズ交換時の人為的な操作ミスによる感電事故を確実に防止する。
【解決手段】ヒューズの着脱を阻止する着脱不能位置と着脱を許容する着脱許容位置との間で移動可能なカバー部材3、その着脱不能位置からの移動を阻止する第一回転位置と当該移動を許容する第二回転位置との間で回転移動可能にカバー部材に取り付けた回転部材4、これに固定され、カバー部材の移動操作時及び回転部材の回転操作時に把持する回転操作部材5、断路器SW1,SW2のON操作を規制する切換規制位置と前記ON操作を許容する切換許容位置との間で直線移動可能なスライド部材6、カバー部材を着脱許容位置に配した状態でスライド部材の切換規制位置からの移動を阻止するスライド阻止部材、及び、回転部材の回転移動をスライド部材の直線移動に変換するカム機構、を備えるインターロック構造2を保安装置1に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヒューズ交換用のインターロック構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電源装置から蓄電池、あるいは、蓄電池から負荷装置に電力供給するための回路のうち、電源装置と蓄電池の間の配線や蓄電池と負荷装置の間の配線には、配線を保護するためのヒューズが着脱可能に設けられている(例えば特許文献1参照)。このような構成において、負荷装置の出力が低電圧(例えば安全電位の直流48V)である場合には、上記配線を通電状態としたままでヒューズを交換することができる。一方、負荷装置の出力が高電圧(例えば危険電位の直流380V)である場合にヒューズの交換を行う際には、感電防止のためヒューズよりも電源装置側の配線、及び、蓄電池側の配線の両方を非導通状態(無電位)とする必要がある。
そこで、従来では、ヒューズに直列に接続されて配線の導通/非導通状態を切り換える断路器を設けることが考えられている。このような構成であれば、断路器を操作して配線を非導通状態とすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−39319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、断路器の操作やヒューズの交換は作業者が行うため、単に断路器を設けるだけでは、人為的な操作ミスによる感電事故を招く虞がある。特に、操作すべき断路器が複数ある場合には、ヒューズ交換の手順が複雑となるため、操作ミスが特に生じ易い。
【0005】
本願発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ヒューズ交換時の人為的な操作ミスによる感電事故を確実に防ぐことが可能なインターロック構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明のインターロック構造は、電源装置から蓄電池あるいは蓄電池から負荷装置に電力供給するための回路のうち、電源装置と蓄電池の間の配線や蓄電池と負荷装置の間の配線に着脱自在に設けられる過電流防止用のヒューズと、当該ヒューズに直列に接続されて前記配線の導通/非導通状態を切り換える断路器と、を備える保安装置に設けられるものであって、前記ヒューズの着脱を阻止する着脱不能位置と、前記ヒューズの着脱を許容する着脱許容位置との間で移動可能とされたカバー部材と、当該カバー部材に対して回転可能に取り付けられ、前記カバー部材の前記着脱不能位置から前記着脱許容位置への移動を阻止する第一回転位置と、前記着脱許容位置への移動を許容する第二回転位置との間で回転移動可能とされた回転部材と、前記回転部材に一体に固定されて、前記カバー部材の移動操作時及び前記回転部材の回転操作時に把持する回転操作部材と、前記配線を非導通状態から導通状態に切り換える前記断路器の切り換え操作を規制する切換規制位置と、当該断路器の切り換え操作を許容する切換許容位置との間で直線移動可能なスライド部材と、前記カバー部材を前記着脱許容位置に配した状態で前記スライド部材の前記切換規制位置から前記切換許容位置への移動を阻止するスライド阻止部材と、前記カバー部材を前記着脱不能位置に配した状態において、前記回転部材の前記第一回転位置から前記第二回転位置への回転移動を、前記スライド部材の前記切換許容位置から前記切換規制位置への直線移動に変換するカム機構と、を備え、前記配線が導通状態のときに、前記断路器が前記スライド部材の前記切換許容位置から前記切換規制位置への移動を阻止することを特徴とする。
【0007】
上記インターロック構造を設けた保安装置によって、電源装置から蓄電池あるいは蓄電池から負荷装置に電流を供給する場合には、断路器をONにして配線を通電状態とすればよい。この通電状態においては、カバー部材が着脱不能位置に配され、回転部材が第一回転位置に配されている。また、スライド部材は、切換許容位置に配され、断路器によって切換規制位置への移動が規制されている。さらに、カバー部材を着脱不能位置に配した状態では回転部材がカム機構を介してスライド部材に連結されているため、回転部材が第一回転位置から第二回転位置に向けて回転移動することも規制される。そして、回転部材が第一回転位置に配されていることで、カバー部材を着脱不能位置から移動させることが阻止されている。したがって、配線が通電状態である場合には、ヒューズを着脱することはできない。
【0008】
そして、上記インターロック構造を設けた保安装置において、ヒューズを着脱するためには、はじめに断路器をOFFにして配線を非導通状態とした後、回転操作部材を把持して回転部材を第一回転位置から第二回転位置に向けて回転移動させればよい。この回転移動の際には、カム機構によってスライド部材が切換許容位置から切換規制位置に直線移動する。このように回転部材及びスライド部材を移動させた状態では、カバー部材の着脱許容位置への移動が許容される。
【0009】
その後、回転操作部材を把持したままでカバー部材を着脱許容位置に移動させることで、ヒューズの着脱が可能となる。また、カバー部材を着脱許容位置に配した状態では、スライド阻止部材によってスライド部材の切換規制位置から切換許容位置への移動が規制されているため、断路器をONにすることを確実に防止できる。
【0010】
そして、前記インターロック構造においては、前記カム機構が、前記回転部材に形成され、当該回転部材の回転軸線回りに延在する楕円弧状のカム軌道と、前記カバー部材が着脱不能位置に配された状態で前記カム軌道に係合し、前記カム軌道に係合した状態で前記回転部材の回転移動に伴って前記カム軌道に対してその長手方向に摺動可能なフォロワ部と、を備えて構成されているとよい。
【0011】
この構成では、カム軌道が回転部材の回転軸線を中心とした楕円弧状に形成されていることで、フォロワ部がカム軌道に係合した状態において、回転部材を回転させる力を効率よくスライド部材に伝達し、スライド部材を滑らかに直線移動させることができる。言い換えれば、フォロワ部をカム軌道に係合させた状態であっても、回転部材を滑らかに回転させることができる。
【0012】
さらに、前記インターロック構造において、前記カム軌道が、前記回転部材に窪んで形成されるカム溝であり、前記フォロワ部が、前記スライド部材に突出して形成された突起であり、当該突起は、前記スライド部材が前記切換規制位置に配された状態で、前記カバー部材の前記着脱許容位置と前記着脱不能位置との間の移動に伴って、前記第二回転位置に配された前記回転部材の前記カム溝に対して挿抜されるとさらによい。
【0013】
また、前記インターロック構造において、前記突起が、その突出方向基端側から先端側に向けて漸次細くなる先細り形状に形成され、少なくとも前記突起の突出方向先端部の径寸法が、前記カム溝の幅寸法よりも小さく設定されていると、より好ましい。
なお、突起の先細り形状の具体例としては、円錐台形状や円錐形状などが挙げられる。
【0014】
このように突起が上述した先細り形状となっていることで、突起をその先端部からカム溝に挿入する際に、カム溝と突起との相対位置が多少ずれていたとしても、確実に突起をカム溝に挿入することが可能となる。
また、上記相対位置にズレが生じていても、突起の基端部の寸法が先端部よりも大きく設定されているため、カム溝に対する突起の挿入度合いが進むにつれて、カム溝と突起との相対的な位置ずれを直すことができる。
【0015】
さらに、前記インターロック構造においては、前記カム溝が、前記回転部材を貫通するように形成されて前記突起を挿通可能とし、当該突起の突出方向基端側には、前記突起の外周面から窪む括れ部が形成され、前記回転部材を前記第一回転位置に配した状態で、前記カム溝の周縁部が前記突起の括れ部に入り込むように、かつ、前記回転部材を前記第二回転位置に配した状態で、前記カム溝の周縁部が前記括れ部から抜け出るように、前記カム溝の幅寸法が設定され、前記カム溝の周縁部が前記突起の括れ部に入り込むことで、前記カバー部材の前記着脱不能位置から前記着脱許容位置への移動が阻止されることが好ましい。
【0016】
また、前記インターロック構造においては、前記保安装置に一体に形成されて、前記第一回転位置に配された前記回転部材と係合することで、前記カバー部材の前記着脱不能位置から前記着脱許容位置への移動を阻止する係合部を備え、前記回転部材を前記第一回転位置から前記第二回転位置に向けて回転移動させることで、前記係合部と前記回転部材の係合状態が解除されてもよい。
【0017】
これらインターロック構造のように、カバー部材の着脱許容位置への移動を阻止する機構として、回転部材を利用することにより、この機構を構成する部品点数を少なく抑えることができる。特に、カバー部材の移動を阻止する機構が、突起及びカム溝のみによって構成される場合には、上記機構を構成するための新たな部材や形状が不要となるため、上記機構を構成する部品点数を最小限に抑えることができる。
【0018】
さらに、前記インターロック構造では、前記スライド部材を前記直線移動させる機構が、前記スライド部材に形成されて当該スライド部材の前記直線移動方向に延びる長孔と、前記保安装置に一体に形成されて、前記長孔に挿入されることで当該長孔に対してその長手方向に摺動可能とされた摺動用ピンと、を備えて構成され、前記長孔及び摺動用ピンが、互いに間隔をあけるように複数組設けられているとよい。
【0019】
この構成では、スライド部材を直線移動方向に移動させるための長孔及び摺動用ピンが複数組設けられることで、回転部材を回転させる力をカム機構によってスライド部材を直線移動させる力に変換する際、この力によってスライド部材がその直線移動方向に対して傾いてしまうことを確実に防ぐことが可能となる。言い換えれば、スライド部材を安定した状態で直線移動させることができる。
【0020】
また、前記インターロック構造においては、前記スライド部材が平板状に形成され、前記フォロワ部が、前記スライド部材の主面の周縁部に形成され、前記スライド部材を直線移動させる機構が、前記スライド部材に形成されて当該スライド部材の前記直線移動方向に延びる長孔と、前記保安装置に一体に形成されて、前記長孔に挿入されることで当該長孔に対してその長手方向に摺動可能とされた摺動用ピンと、を備えて構成され、前記長孔及び摺動用ピンが、互いに間隔をあけるように少なくとも三組設けられ、前記カバー部材を前記着脱不能位置に配した状態で、少なくとも二つの前記長孔が、前記フォロワ部に対して前記スライド部材の直線移動方向に隣り合うように配列されているとよい。
【0021】
上記構成のように、三組以上の長孔及び摺動用ピンを設けた場合には、回転軸線と長孔及び摺動用ピンとの相対位置に関わらず、回転部材を回転させる力をカム機構によってスライド部材に伝達する際にスライド部材にかかる応力を低減して、回転部材を回転させる力を、より効率よくスライド部材を直線移動させる力に変換することができる。すなわち、より安定した状態でスライド部材を直線移動させることができる。
また、二つの長孔及び突起を一列に配列することで、これら二つの長孔及び突起同士の間隔を短く設定することが可能となる。このため、回転部材をカバー部材と共に着脱不能位置に移動させてフォロワ部をカム軌道に係合させようとする際に、フォロワ部に回転部材が押し付けられたとしても、この押付力によって板状のスライド部材に撓み変形が生じることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、断路器をOFFとした状態(配線の非通電状態)でのみ、スライド部材を切換規制位置に移動させることができ、さらにカバー部材を着脱許容位置に移動させることができるため、通電状態でのヒューズの着脱を防ぐことができる。すなわち、ヒューズ交換時の人為的な操作ミスによる感電事故を防ぐことができる。
特に、作業者は同一の回転操作部材を把持した状態でスライド部材及びカバー部材の両方を移動させることができるため、作業者がスライド部材に直接触れてスライド部材を直線移動させる必要が無くなり、その結果として、スライド部材の配置について人為的なミスが生じることを防止できる。
また、本発明によれば、作業者が同一の回転操作部材を把持した状態でスライド部材及びカバー部材の両方を移動させることができるため、短時間で容易にヒューズ交換を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施形態に係るインターロック構造を設ける保安装置の回路構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るインターロック構造を設けた保安装置の一部を示す概略斜視図である。
【図3】図2の状態におけるインターロック構造を示す概略正断面図である。
【図4】図2,3の状態におけるインターロック構造及び保安装置の一部を示す概略側断面図である。
【図5】図2〜4に示すインターロック構造において、回転部材を第一回転位置から第二回転位置に回転移動させた後の状態を示す概略正断面図である。
【図6】図5に示すインターロック構造において、カバー部材を着脱不能位置から着脱許容位置まで移動させた後の状態を示す概略斜視図である。
【図7】図6の状態におけるインターロック構造及び保安装置の一部を示す概略側断面図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係るインターロック構造を構成するカム機構のカム溝と突起との関係を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係るインターロック構造を示しており、(a)はインターロック構造の概略正断面図であり、(b)は(a)におけるカム機構のカム溝と突起との関係を示す拡大断面図である。
【図10】図9に示すインターロック構造において、回転部材を第一回転位置から第二回転位置に回転移動させた後の状態を示しており、(a)はインターロック構造の概略正断面図であり、(b)は(a)におけるカム機構のカム溝と突起との関係を示す拡大断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るインターロック構造、及び、これを設けた保安装置の一部を示す概略側断面図である。
【図12】図11に示すインターロック構造において、カバー部材を着脱不能位置から着脱許容位置まで移動させた後の状態を示す概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第一実施形態〕
以下、図1〜7を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
本実施形態に係るインターロック構造は、保安装置に設けられるものである。
図1に示すように、この実施形態に係る保安装置1は、電源装置100から蓄電池200あるいは蓄電池200から電源装置100を介して負荷装置300に電力供給するための回路のうち、電源装置100と蓄電池200の間の配線11に、着脱自在に設けられた過電流防止用のヒューズ12と、ヒューズ12に直列に接続されて配線の導通/非導通状態を切り換える二つの断路器SW1,SW2とを設けた回路構成を有している。
この回路構成において、配線11の両端には、電源装置100及び蓄電池200にそれぞれ接続するための電源装置側端子13及び蓄電池側端子14が設けられている。また、二つの断路器SW1,SW2は、それぞれ電源装置側端子13とヒューズ12との間、及び、ヒューズ12と蓄電池側端子14との間にそれぞれ設けられている。
【0025】
上記回路構成を有する保安装置1は、図2〜7に示すように、前述の配線11に接続された状態で筐体15の内部にヒューズ12を収容すると共に、外部に突出するように二つの断路器SW1,SW2を筐体15に取り付けて大略構成されている。
より具体的に説明すれば、ヒューズ12は、筐体15の外壁をなす平板状の操作パネル板16に形成された正面視矩形状の開口部17を通じて筐体15の外部に露出するように配されている。そして、ヒューズ12が開口部17を通じて外部に露出している状態においては、ヒューズ12を筐体15の内外に出し入れする(配線11に対して着脱する)ことができる。(特に図6,7参照。)
【0026】
一方、二つの断路器SW1,SW2は、操作パネル板16の外面16aから突出するように操作パネル板16に接して配されている。これら二つの断路器SW1,SW2は、開口部17を挟み込むように操作パネル板16の外面16aに沿う一方向(図示例におけるX軸方向。以下、左右方向とも呼ぶ。)に配列されている。また、各断路器SW1,SW2の上下方向位置は、開口部17の上下方向のほぼ中間位置に合うように設定されている。なお、上下方向とは、操作パネル板16の外面16aに沿って前記一方向に直交する方向(図示例におけるZ軸方向。)を示している。
【0027】
そして、各断路器SW1,SW2は、上下方向にスライドすることで、配線11の導通/非導通状態が切り換えられる所謂スライドスイッチを呈している。そして、本実施形態では、各断路器SW1,SW2の切り換え操作の方向が、各断路器SW1,SW2を下方向にスライドした状態(OFFにした状態)で配線が非導通状態となり、各断路器SW1,SW2を上方向にスライドした状態(ONにした状態)で配線が導通状態となるように、設定されているものとして説明するが、これに限ることは無い。例えば、各断路器SW1,SW2の切り換え操作の方向は、上述のものと逆向きであってもよい。また、二つの断路器SW1,SW2の切り換え操作の方向は、同一方向に設定されていてもよいが、例えば逆向きに設定されていてもよい。
【0028】
また、この保安装置1の筐体15においては、操作パネル板16の外面16aから突出するように操作パネル板16に対して折り曲げられてなる段差板部18が形成されている。段差板部18は、開口部17の下側(Z軸負方向側)に間隔をあけて位置しており、その外面が上方向に向いている。この段差板部18には、その厚さ方向に貫通して、左右方向に延びるスリット状の係合孔(係合部)19が形成されている。
【0029】
本実施形態に係るインターロック構造2は、カバー部材3、回転部材4、回転操作部材5、及び、スライド部材6を備えて、大略構成されている。
カバー部材3は、平面視矩形状に形成される平板部31と、平板部の周縁全体から平板部の厚さ方向に突出する側板部32とを一体に形成して、浅底の箱状の外観を呈している。このカバー部材3は、操作パネル板16の外面16a側に配され、蝶番等により、操作パネル板16の開口部17の上端縁においてX軸方向(操作パネル板16の左右方向)に延びる回動軸線A1を中心として、操作パネル板16に対して回動可能に取り付けられている。具体的には、カバー部材3は、開口部17を操作パネル板16の外面16a側から覆う着脱不能位置(特に図3参照)と、開口部17から離れて筐体15内部に収容されたヒューズ12を外方に露出させる着脱許容位置(特に図7参照)との間で回動可能とされている。
【0030】
カバー部材3の配置について詳細に説明すれば、図2〜5に示すように、カバー部材3が着脱不能位置に配された状態では、その平板部31が開口部17に対向すると共に、側板部32の突出方向先端が操作パネル板16の外面16aのうち開口部17の周縁部分に当接する。この状態においては、ヒューズ12を筐体15の内外に出し入れすることができない。すなわち、カバー部材3がヒューズ12の着脱を阻止する。
一方、図6,7に示すように、カバー部材3が着脱許容位置に配された状態では、その平板部31が操作パネル板16の外面16aから垂直に延びるように配されることで、開口部17が外方に露出され、ヒューズ12を筐体15の内外に出し入れすることができる。すなわち、カバー部材3がヒューズ12の着脱を許容する。
【0031】
また、上記カバー部材3の側板部32のうち、図2〜4に示すように、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態で各断路器SW1,SW2に対向する部分には、側板部32の突出方向先端部から窪むように形成された切欠状の挿通口33がそれぞれ形成されている。
さらに、上記カバー部材3の側板部32のうち、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態で段差板部18に対向する部分には、側板部32の厚さ方向に貫通して左右方向に延びるスリット状の開口孔34が形成されている。この開口孔34は、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態で、段差板部18の係合孔19に対向配置される。
【0032】
さらに、上述したカバー部材3と筐体15とは、図3〜7に示すように、着脱不能位置から着脱許容位置に至るカバー部材3の回動範囲を規定するリンク機構7によって連結されている。このリンク機構7は、筐体15側に揺動可能に取り付けられた第一揺動アーム71、及び、カバー部材3側に揺動可能に取り付けられた第二揺動アーム72を、ピン結合により互いに揺動可能に連結して構成されている。これら第一揺動アーム71及び第二揺動アーム72は、カバー部材3を着脱不能位置と着脱許容位置との間の移動に応じて、開口部17を通じて筐体15内外に出し入れされる。
【0033】
具体的に説明すれば、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態においては、第一揺動アーム71と第二揺動アーム72とが互いに重なるように折り曲げられ、筐体15内部に収容される(特に図4参照)。一方、カバー部材3を着脱許容位置に配した状態においては、第一揺動アーム71が開口部17から筐体15外部に突出し、第一揺動アーム71及び第二揺動アーム72がその長手方向に配列される(特に図6,7参照)。この配列状態では、作業者がカバー部材3から手を離しても、第一揺動アーム71及び第二揺動アーム72によってカバー部材3を着脱許容位置に保持することができる。
以上のように構成されるリンク機構7は、操作パネル板16の開口部17やカバー部材3のうち、左右方向(X軸方向)の両端部に一対設けられている(特に図3,5参照)。
【0034】
回転部材4は、平板状に形成されており、カバー部材3の平板部31に対して回転軸線A2を中心に回転可能に取り付けられている。なお、図示例の回転部材4は、正面視で扁平な八角形状を呈しているが、これに限ることは無く、正面視多角形状あるいは楕円形状等の任意形状を呈していてよい。
この回転部材4は、箱状のカバー部材3の内側に収容されるように、開口部17側に向く平板部31の内面側に重ねて配されている。また、回転軸線A2は、平面視した回転部材4の中心を通るように、カバー部材3の平板部31及び回転部材4の厚さ方向に延びている。さらに、回転軸線A2は、カバー部材3の上下方向の中間位置よりも下側に寄せて位置している。言い換えれば、回転軸線A2は、カバー部材3の上下方向の中間位置を基準に、回動軸線A1が位置するカバー部材3の上端縁とは反対側(下側)に寄せて配置されている。
【0035】
この回転部材4は、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態において、回転部材4がカバー部材3の開口孔34から突出して筐体15の係合孔19に挿入される第一回転位置(特に図2,3参照)と、回転部材4が係合孔19から抜き出されて開口孔34に没入される第二回転位置(特に図5参照)との間で、回転移動可能となっている。本実施形態では、後述する回転部材4のカム溝41とスライド部材6の突起67との関係によって、第一回転位置と第二回転位置との間で回転移動する回転部材4の回転角度が90度に設定されている。
以上のようにして設けられる上記回転部材4が、図2,3に示すように、筐体15の係合孔19に挿入されて係合した状態では、カバー部材3の着脱不能位置から着脱許容位置への移動が阻止される。一方、図5に示すように、回転部材4が係合孔19から抜き出されて回転部材4と係合孔19との係合状態が解除された状態では、カバー部材3の着脱不能位置から着脱許容位置への移動が許容される。
【0036】
また、回転部材4には、図3,5に示すように、その厚さ方向に貫通して回転軸線A2回りに延在する楕円弧状のカム溝(カム軌道)41が形成されている。そして、回転軸線A2からカム溝41までの距離は、カム溝41の延在方向の一端部41Aから他端部41Bに向かうにしたがって、漸次長くなるように設定されている。言い換えれば、回転軸線A2からカム溝41の一端部41Aまでの距離が、回転軸線A2からカム溝41の他端部41Bまでの距離と比較して、短くなるように設定されている。そして、本実施形態でのカム溝41は90度の楕円弧状に形成されている。
【0037】
さらに、カム溝41の一端部41Aは、回転部材4を第一回転位置に配した状態で回転軸線A2からX軸方向にずらした位置に配される(特に図3参照)。一方、カム溝41の他端部41Bは、回転部材4を第二回転位置に配した状態で回転軸線A2からX軸方向にずらした位置に配される(特に図5参照)。
以上のように形成されるカム溝41は、回転軸線A2を基準として互いに点対称となる位置に一対形成されている。すなわち、回転部材4が第一回転位置に配された状態では、二つのカム溝41の一端部41Aが回転軸線A2を挟み込むように左右方向に配列される(特に図3参照)。一方、回転部材4が第二回転位置に配された状態では、二つのカム溝41の他端部41Bが回転軸線A2を挟み込むように左右方向に配列される(特に図5参照)。
【0038】
回転操作部材5は、上記回転部材4に一体に固定されている、すなわち、回転部材4と共にカバー部材3に対して回転可能に取り付けられている。この回転操作部材5は、カバー部材3の回動操作時、及び、回転部材4の回転操作時に作業者が把持するものであり、カバー部材3の平板部31の外面側に配置されている。
なお、本実施形態では、回転操作部材5の把持部51が、棒状に形成されている。また、把持部51は、その長手方向の一端部が回転軸線A2に重なるように位置し、かつ、回転軸線A2から離れるようにカバー部材3の外面に沿う方向に延びている。すなわち、本実施形態の回転操作部材5は、所謂舟形ハンドルの形状を呈している。このように回転操作部材5が構成されていることで、回転部材4の回転位置を把持部51の向きによって容易に把握することが可能となる。
【0039】
スライド部材6は、平板状に形成され、各断路器SW1,SW2をOFFからONにする断路器SW1,SW2の切り換え操作(断路器SW1,SW2の上方向へのスライド操作)を規制する切換規制位置(特に図5,6参照)と、断路器SW1,SW2の切り換え操作を許容する切換許容位置(特に図2,3参照)との間でX軸方向に直線移動できるように、操作パネル板16の外面16aに取り付けられている。本実施形態では、二つの断路器SW1,SW2に対して個別に対応するように、スライド部材6が二つ設けられている。
【0040】
各スライド部材6には、その厚さ方向に貫通してスライド部材6の移動方向(X軸方向)に延びる長孔61が形成されている。一方、操作パネル板16には、その外面から突出して長孔61に挿入される摺動用ピン62が形成されている。この摺動用ピン62は、長孔61に挿入された状態で長孔61の長手方向に摺動可能となっている。これによって、スライド部材6がX軸方向に移動可能となっている。また、摺動用ピン62の突出方向の先端部は、長孔61から外側に突出すると共に長孔61内に配される摺動用ピン62の基端部よりも拡径されており、これによって、スライド部材6が不意に操作パネル板16から外れてしまうことを防止している。これら長孔61及び摺動用ピン62は、同一のスライド部材6において互いに間隔をあけるように複数組(本実施形態では三組)設けられている。
【0041】
そして、以上のように取り付けられたスライド部材6の切換規制位置から切換許容位置への移動方向は、断路器SW1,SW2側から開口部17側に向かう方向に設定されている。
本実施形態におけるスライド部材6の切換規制位置の具体的な位置は、図5に示すように、スライド部材6の本体板部63が、OFFとされた断路器SW1,SW2の上側に隣接して配される位置である。このため、スライド部材6が切換規制位置に配された状態では、断路器SW1,SW2が本体板部63に当接してしまうため、断路器SW1,SW2をOFFからONに切り換えることができない。
【0042】
一方、スライド部材6の切換許容位置の具体的な位置は、図3に示すように、スライド部材6の本体板部63が、ONに位置する断路器SW1,SW2と開口部17との間に配される位置である。このため、スライド部材6が切換許容位置に配され、かつ、断路器SW1,SW2をONとした状態では、本体板部63が断路器SW1,SW2に当接してしまうため、スライド部材6を切換許容位置から切換規制位置に移動させることができない。すなわち、配線11が導通状態のときには、断路器SW1,SW2がスライド部材6の切換許容位置から切換規制位置への移動を阻止する。
【0043】
このスライド部材6には、カバー部材3が着脱不能位置に配された状態において回転部材4のカム溝41に挿入されて係合する突起(フォロワ部)67が一体に形成されている。突起67は、カバー部材3の着脱許容位置と着脱不能位置との間の移動に伴って、カム溝41に対して挿抜される(例えば図2,6参照)。なお、突起67は、回転軸線A2からX軸方向にずらした位置においてカム溝41に挿入されて係合する(例えば図3,5参照)。
突起67は、カム溝41に係合した状態において、回転部材4の回転移動に伴ってカム溝41に対してその延在方向に摺動可能となる。ただし、突起67はX軸方向のみに直線移動するスライド部材6に形成されているため、回転部材4を回転移動させた際には、スライド部材6がX軸方向に直線移動することになる。
【0044】
より具体的に説明すれば、突起67は、回転部材4を第一回転位置から第二回転位置まで回転移動させた際に、カム溝41の延在方向の一端部41Aから他端部41Bまで摺動する。そして、図3に示すように、突起67がカム溝41の一端部41Aに位置する状態では、スライド部材6が切換許容位置に配される。また、図5に示すように、突起67がカム溝41の他端部41Bに位置する状態では、スライド部材6が切換規制位置に配される。
したがって、回転部材4に形成されたカム溝41及びスライド部材6に形成された突起67は、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態で、回転部材4の第一回転位置から第二回転位置への回転移動を、スライド部材6の切換許容位置から切換規制位置への直線移動に変換するカム機構8が構成されている。
【0045】
なお、本実施形態においては、カム溝41に対する突起67の摺動長さが、90度の楕円弧状とされたカム溝41の一端部41Aから他端部41Bまでの長さとなるため、回転部材4の回転可能な角度範囲が90度となる。また、回転部材4の回転移動に伴う突起67(スライド部材6)のX軸方向への移動長さは、回転軸線A2からカム溝41の一端部41Aまでの距離と、回転軸線A2からカム溝41の他端部41Bまでの距離との差分となる。
【0046】
上述したカム溝41と突起67との係合は、図2,3,5に示すように、操作パネル板16の開口部17とこれに対向するカバー部材3の平板部31の内面との間において行われる。このため、突起67は、回転軸線から離れるようにX軸方向に延びるスライド部材6の第一延長板部64の主面のうち、開口部17の周縁から内側まで延出する一端部(スライド部材6の周縁部)においてその厚さ方向に突出して形成されている。なお、第一延長板部64の一端部は、着脱不能位置に配されたカバー部材3の挿通口33を介して、カバー部材3の内外に挿通される。
そして、回転部材4の回転軸線A2及び断路器SW1,SW2は、互いに上下方向にずれて位置しているため、スライド部材6の本体板部63と第一延長板部64とは、互いに上下方向に間隔をあけて配されると共に、上下方向に延びる連結板部65によって一体に連結されている。なお、連結板部65は、第一延長板部64の長手方向の中途部に連結されている。また、連結板部65は、スライド部材6の直線移動に伴い、カバー部材3の挿通口33を介してカバー部材3の内外に挿通可能となっている(特に図2,3参照)。
【0047】
さらに、スライド部材6には、連結板部65から開口部17側に向けてX軸方向に延出する第二延長板部66も形成されている。
この第二延長板部66は、第一延長板部64の上方側(Z軸正方向側)に間隔をあけて配され、スライド部材6の切換規制位置から切換許容位置に向けて移動させる際に、開口部17周縁から内側に向けて突出するようになっている。また、第二延長板部66は、第一延長板部64や連結板部65と同様に、スライド部材6の直線移動に伴って、カバー部材3の挿通口33を介してカバー部材3の内外に挿通可能となっている。
そして、第二延長板部66は、図3,4に示すように、カバー部材3を着脱不能位置に配し、かつ、スライド部材6を切換許容位置に配した状態において、リンク機構7とY軸方向(操作パネル板16の厚さ方向)に重なるように配される。この状態では、カバー部材3を着脱不能位置から着脱許容位置に移動させようとしても、リンク機構7(特に第二揺動アーム72)が第二延長板部66に当接するため、カバー部材3の着脱不能位置から着脱許容位置への移動を阻止することができる。
【0048】
一方、図6,7に示すように、カバー部材3を着脱許容位置に配し、かつ、スライド部材6を切換規制位置に配した状態では、第二延長板部66が、リンク機構7の第一揺動アーム71とX軸方向に重なるように配される。この状態では、スライド部材6を切換規制位置から切換許容位置に移動させようとしても、第二延長板部66が第一揺動アーム71に当接するため、スライド部材6の切換規制位置から切換許容位置への移動を阻止することができる。
言い換えれば、リンク機構7(特に第一揺動アーム71)が、カバー部材3を着脱許容位置に配した状態で、スライド部材6の切換規制位置から切換許容位置への移動を阻止するスライド阻止部材として機能する。
【0049】
以上のように構成される本実施形態の各スライド部材6において、摺動用ピン62を挿通させる三つの長孔61A,61B,61Cは、以下のように配置されている。
三つのうち二つの長孔61A,61Bは、回転軸線A2及び突起67に対してX軸方向に隣り合うように、帯板状の第一延長板部64の長手方向の中途部及び他端部に配されている。特に、一つの長孔61Aは、第一延長板部64のうち連結板部65との連結部分よりも突起67に近い側に位置している。
一方、残り一つの長孔61Cは、前述した二つの長孔61A,61Bよりも上方向(Z軸正方向)側にずれて位置している。より具体的に説明すれば、残り一つの長孔61Cは、第一延長板部64よりもZ軸正方向側に位置する本体板部63及び第二延長板部66(あるいはこれらの近傍)に形成されている。
【0050】
以上のように構成されたインターロック構造2を有する保安装置1の取り扱いについて説明する。
保安装置1により、電源装置100から蓄電池200あるいは蓄電池200から電源装置100を介して負荷装置300に電流を供給する場合には、両方の断路器SW1,SW2をONにして配線11を通電状態とすればよい。この通電状態においては、図2〜4に示すように、カバー部材3が着脱不能位置に配され、回転部材4が第一回転位置に配されている。また、各スライド部材6は、それぞれ切換許容位置に配され、断路器SW1,SW2によって切換規制位置への移動が規制されている。さらに、カバー部材3が着脱不能位置に配されていることで、回転部材4がカム機構8を介してスライド部材6に連結されているため、回転部材4が第一回転位置から第二回転位置に向けて回転移動することも規制されている。さらに、回転部材4は第一回転位置に配されている状態で筐体15の係合孔19に係合していることで、カバー部材3を着脱不能位置から移動させることが阻止されている。なお、本実施形態では、スライド部材6の第二延長板部66がリンク機構7とY軸方向に重ねて配されることでも、カバー部材3を着脱不能位置から移動させることが阻止されている。
以上のように、配線11が通電状態である場合には、カバー部材3を着脱不能位置から移動させることができないため、ヒューズ12を着脱することはできない。
【0051】
ヒューズ12を着脱するためには、はじめに断路器SW1,SW2をOFFにして配線11を非導通状態とした後、図5に示すように、回転操作部材5を把持して回転部材4を第一回転位置から第二回転位置まで回転移動させればよい。この回転移動の際には、カム機構8によってスライド部材6が切換許容位置から切換規制位置までX軸方向に直線移動する。
このように回転部材4及びスライド部材6を移動させた状態では、回転部材4と係合孔19との係合状態が解除されるため、また、第二延長板部66もリンク機構7に重ならないため、カバー部材3の着脱許容位置への移動が許容される。
【0052】
その後、図6,7に示すように、回転操作部材5を把持したままでカバー部材3を着脱許容位置に移動させることで、ヒューズ12の着脱が可能となる。また、カバー部材3を着脱許容位置に配した状態では、リンク機構7の第一揺動アーム71によってスライド部材6の切換規制位置から切換許容位置への移動が規制されているため、断路器SW1,SW2をONにすることを確実に防止できる。
【0053】
以上説明したように、第一実施形態のインターロック構造2によれば、断路器SW1,SW2をOFFとした状態でのみ、スライド部材6を切換規制位置に移動させることができ、さらにカバー部材3を着脱許容位置に移動させることができるため、通電状態でのヒューズ12の着脱を防ぐことができる。すなわち、ヒューズ12交換時の人為的な操作ミスによる感電事故を防ぐことができる。
特に、作業者は同一の回転操作部材5を把持した状態でスライド部材6及びカバー部材3の両方を移動させることができるため、作業者がスライド部材6に直接触れてスライド部材6を直線移動させる必要が無くなり、その結果として、スライド部材6の配置について人為的なミスが生じることを防止できる。
また、作業者が同一の回転操作部材5を把持した状態でスライド部材6及びカバー部材3の両方を移動させることができるため、短時間で容易にヒューズ12交換を行うことが可能となる。
【0054】
また、本実施形態のインターロック構造2では、カム溝41が回転部材4の回転軸線A2を中心とした楕円弧状に形成されているため、突起67がカム溝41に係合した状態において、回転部材4を回転させる力を効率よくスライド部材6に伝達し、スライド部材6を滑らかに直線移動させることができる。言い換えれば、突起67をカム軌道に係合させた状態であっても、回転部材4を滑らかに回転させることができる。
さらに、カム機構8を構成するカム溝41に対する突起67の挿抜方向が、着脱不能位置近傍におけるカバー部材3の移動方向に一致しているため、カム溝41と突起67との係合状態の切り換えを容易に行うことができる。
また、カバー部材3の着脱許容位置への移動を阻止する機構として、回転部材4を採用することにより、この機構を構成する部品点数を少なく抑えることができる。
【0055】
さらに、本実施形態のインターロック構造2では、スライド部材6を直線移動方向に移動させるための長孔61及び摺動用ピン62が複数組設けられているため、回転部材4を回転させる力をカム機構8によってスライド部材6を直線移動させる力に変換する際、この力によってスライド部材6がその直線移動方向に対して傾いてしまうことを確実に防ぐことができる。言い換えれば、スライド部材6を安定した状態で直線移動させることが可能となる。
特に、本実施形態のように、長孔61及び摺動用ピン62が三組以上設けられる場合には、回転軸線A2と長孔61及び摺動用ピン62との相対位置に関わらず、回転部材4を回転させる力をカム機構8によってスライド部材6に伝達する際にスライド部材6にかかる応力を低減して、回転部材4を回転させる力を、より効率よくスライド部材6を直線移動させる力に変換することができる。すなわち、より安定した状態でスライド部材6を直線移動させることができる。
【0056】
さらに、本実施形態のスライド部材6では、二つの長孔61A,61B及び突起67を一列に配することで、一つの長孔61Aと突起67との間隔が短く設定されているため、回転部材4をカバー部材3と共に着脱不能位置に移動させて突起67をカム溝41に係合させようとする際に、突起67に回転部材4が押し付けられたとしても、この押付力によって板状のスライド部材6(特に第一延長板部64)に撓み変形が生じることを抑制することができる。
【0057】
なお、上記第一実施形態では、回転部材4に係合させてカバー部材3の着脱許容位置への移動を阻止する係合部として、段差板部18に形成される係合孔19を採用しているが、これに限ることは無く、例えば、操作パネル板16の外面16aから突出して第一回転位置に配された回転部材4と係合する鉤状の突出部を採用してもよい。
また、第一実施形態では、カバー部材3の着脱許容位置への移動を阻止する機構として、回転部材4と筐体15に形成される係合部とを組み合わせたもの、及び、スライド部材6の第二延長板部66とリンク機構7との組み合わせたもの、の両方が設けられているが、少なくとも一方が設けられていればよい。
【0058】
〔第二実施形態〕
次に、図8を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態に係るインターロック構造では、図8に示すように、スライド部材6に突出して設けられる突起67が、その突出方向基端側から先端側に向けて漸次細くなる先細り形状に形成されている。また、突起67の突出方向先端部の径寸法は、カム溝41の幅寸法よりも小さく設定されている。なお、図示例では、円錐台形状に形成されているが、これに限ることは無く、例えば円錐形状、角錐形状などの形状に形成されていてよい。
【0059】
本実施形態のインターロック構造では、突起67が先細り形状となっていることで、突起67をその先端部からカム溝41に挿入する際に、カム溝41と突起67との相対位置が多少ずれていたとしても、確実に突起67をカム溝41に挿入することができる。
また、上記相対位置にズレが生じていても、突起67の突出方向基端部の寸法が先端部よりも大きく設定されているため、カム溝41に対する突起67の挿入度合いが進むにつれて、カム溝41と突起67との相対的な位置ずれを直すことができる。
【0060】
〔第三実施形態〕
次に、図9,10を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
この実施形態に係るインターロック構造では、図9(b),10(b)に示すように、突起67の突出方向基端側に、突起67の外周面から窪む括れ部68が形成されている。なお、図示例では、突起67が円柱状(あるいは角柱状)に形成されているが、例えば第二実施形態の場合と同様の先細り形状に形成されていてもよい。
【0061】
一方、回転部材4に形成されるカム溝41は、上記実施形態と同様に回転部材4の厚さ方向に貫通し、回転軸線A2回りに延在する楕円弧状に形成されている。ただし、本実施形態では、図9(b)に示すように、カム溝41の延在方向の一端部41Aにおける幅寸法は、カム溝41の幅方向端部(周縁部)が突起67の括れ部68に入り込むように、突起67の突出方向基端部の径寸法よりも狭く設定されている。一方、図10(b)に示すように、カム溝41の延在方向の他端部41Bにおける幅寸法は、突起67の突出方向基端部の径寸法と同等あるいは広く設定されている。すなわち、カム溝41の延在方向の他端部41Bにおけるカム溝41の幅方向端部(周縁部)は、突起67の括れ部68に入り込むことは無い。
なお、本実施形態では、図9(a),10(a)に示すように、カム溝41の延在方向の一端部41Aから他端部41Bに向けて、カム溝41の幅寸法が漸次広くなっているが、これに限ることは無く、例えばカム溝41の一端部41Aと他端部41Bとの間の中途部における幅寸法が、一端部41Aあるいは他端部41Bのいずれか一方の幅寸法と同等であってもよい。
【0062】
本実施形態のインターロック構造では、図9に示すように、回転部材4を第一回転位置に配した状態において、カム溝41の幅方向端部が突起67の括れ部68に入り込むことで、回転部材4が突起67に係止される。この係止状態では、突起67を設けたスライド部材6がX軸方向のみに移動可能となっているため、X軸方向に延びる回動軸線A1を中心として回動可能とされたカバー部材3の着脱不能位置から着脱許容位置への移動が阻止されることになる。
一方、図10に示すように、回転部材4を第二回転位置に配した状態では、カム溝41の幅方向端部が突起67の括れ部68から抜け出て、回転部材4が突起67に係止されないため、カバー部材3の着脱不能位置から着脱許容位置への移動が許容される。
【0063】
以上のように、本実施形態のインターロック構造によれば、カバー部材3の移動を阻止する機構を、回転部材4のカム溝41及びスライド部材6の突起67のみによって構成することができる。言い換えれば、第一実施形態のように保安装置に回転部材4を係合させるための係合孔19が不要となり、この機構を構成する部品点数を最小限に抑えることができる。
【0064】
以上、本発明の第一〜第三実施形態により本発明の詳細ついて説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、カバー部材3を着脱許容位置に配した状態でスライド部材6の切換規制位置から切換許容位置への移動を阻止するスライド阻止部材は、第一実施形態のようにリンク機構7によって構成されることに限らず、図11,12に示すように、カバー部材3に一体に固定される平板状の板状部材9によって構成されてもよい。
なお、図示例では、板状部材9が回動軸線A1を中心とした90度の扇状に形成されているが、これに限ることは無い。また、板状部材9は、例えばカバー部材3の側板部32のうちX軸方向の両端部において一体に形成されてもよいし、例えばカバー部材3と別個に形成した上でカバー部材3の側板部32の両端部に固定されてもよい。
【0065】
この板状部材9は、リンク機構7の場合と同様に、図11に示すように、カバー部材3を着脱不能位置に配した状態において、筐体15内部に収容される。なお、この状態において、スライド部材6を切換許容位置に配した場合には、スライド部材6の第二延長板部66と板状部材9とがY軸方向に重なるように配される。このため、カバー部材3を着脱不能位置から着脱許容位置に移動させようとしても、板状部材9が第二延長板部66に当接するため、カバー部材3の着脱不能位置から着脱許容位置への移動を阻止することができる。言い換えれば、カバー部材3を着脱不能位置から着脱許容位置に移動させるためには、スライド部材6を切換規制位置に配する必要がある。
【0066】
一方、図12に示すように、スライド部材6を切換規制位置に配した上で、カバー部材3を着脱許容位置に配した状態においては、板状部材9が開口部17から筐体15外部に突出し、スライド部材6の第二延長板部66とX軸方向に重なるように配される。このため、スライド部材6を切換規制位置から切換許容位置に移動させようとしても、第二延長板部66が板状部材9に当接するため、スライド部材6の切換規制位置から切換許容位置への移動を阻止することができる。
【0067】
また、スライド部材6を直線移動させるための長孔61及び摺動用ピン62は、三組設けられるとしたが、任意の組数であってよく、例えば二組設けられてもよい。
ただし、同一のスライド部材6に二組の長孔61及び摺動用ピン62を設ける場合、二つの長孔61は、カバー部材3と共に着脱不能位置に配された回転部材4の回転軸線A2に対して、それぞれ上方向(Z軸正方向)、及び、下方向(Z軸負方向)に等距離だけずらした位置に配することがより好ましい。言い換えれば、二つの長孔61は、着脱不能位置に配された回転部材4の回転軸線A2、及び、スライド部材6の直線移動方向に直交する方向(Z軸方向)に配列されると共に、回転軸線A2からの距離が互いに等しくなる位置に配されることが好ましい。
このように二つの長孔61を配列した場合には、上記実施形態のように三つの長孔61を設けた場合と同様に、回転部材4を回転させる力をカム機構8によってスライド部材6に伝達する際にスライド部材6にかかる応力を低減し、回転部材4を回転させる力を、効率よくスライド部材6を直線移動させる力に変換することができる。すなわち、安定した状態でスライド部材6を直線移動させることができる。
【0068】
また、回転部材4のカム溝41は、第三実施形態の場合を除き、回転部材4の厚さ方向に貫通することに限らず、少なくとも突起67を挿入できるように、例えば、開口部17に対向する回転部材4の外面から窪む有底形状に形成されてもよい。この場合、カム溝41は、上記実施形態のような90度の楕円弧状に限らず、例えば360度の楕円弧状(楕円形状)に形成されてもよい。
さらに、カム機構8は、カム溝41と突起67とによって構成されることに限らず、少なくとも回転部材4の回転移動をスライド部材6の直線移動に変換できるように構成されていればよい。例えば、カム溝41の代わりに、回転部材4の外面から突出して回転軸線A2回りに延在する楕円弧状のカム凸部(カム軌道)を回転部材4に形成し、突起67の代わりにカム凸部の延在方向の一部をその幅方向から挟み込むことでカム凸部に係合する狭持部(フォロワ部)をスライド部材6に形成してもよい。
また、カム機構8をなすカム溝41やカム凸部等のカム軌道は、楕円弧状に形成されることに限らず、少なくとも回転軸線A2からカム軌道の延在方向の一端部までの距離が、回転軸線A2からカム軌道の他端部までの距離よりも短く設定されていればよい。したがって、カム軌道は例えば直線状に形成されてもよい。
【0069】
さらに、カバー部材3は、操作パネル板16の開口部17の上端縁に取り付けられることに限らず、少なくともインターロック構造2を構成する各部材が機能すれば、任意の位置に取り付られてよい。したがって、カバー部材3は、例えば上記実施形態とは逆に、操作パネル板16の開口部17の下端縁においてX軸方向に延びる回動軸線を中心として、操作パネル板16に対して回動可能に取り付けられても構わない。
また、カバー部材3は、操作パネル板16の開口部17を覆う位置と開口部17を外方に露出させる位置との間で回動可能とされることに限らず、少なくともヒューズ12の着脱を阻止する着脱不能位置と、ヒューズ12の着脱を許容する着脱許容位置との間で移動可能となっていればよい。例えば、カバー部材3は、ヒューズ12を押さえつける位置(着脱不能位置)と、ヒューズ12の押さえつけを解除した位置(着脱許容位置)との間で回動、回転あるいは直線移動するように設定されてもよい。
【0070】
さらに、断路器SW1,SW2は、スライドスイッチに限らず、少なくともスライド部材6を切換規制位置に配した状態で、断路器SW1,SW2のONへの切り換え操作が阻止されるように構成されていれば、例えば回転型のスイッチや押ボタン等であってもよい。
また、保安装置1に備える配線11、ヒューズ12及び断路器SW1,SW2の数は、任意であってよい。例えば一つのヒューズ12に対して一つの断路器SW1,SW2だけが直接に接続されていてもよい。この場合、カム機構8によって回転部材4に連結されるスライド部材6を一つだけ設ければよい。さらに、保安装置1に複数の配線11が設けられる場合、複数のヒューズ12を設け、三つ以上の断路器SW1,SW2を設けてもよい。この場合、カム機構8によって回転部材4に連結されるスライド部材6を例えば三つ以上設けるなどしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、蓄電池200と負荷装置300とが電源装置100を介して電気接続された構成について述べたが、本発明のインターロック構造を設けた保安装置は、例えば、蓄電池200と負荷装置300とを直接電気接続した構成にも適用可能である。すなわち、蓄電池200と負荷装置300との間の配線に、上記実施形態と同様のヒューズ12及び二つの断路器SW1,SW2からなる保安装置を設け、この保安装置に本発明のインターロック構造を設けてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 保安装置
11 配線
12 ヒューズ
15 筐体
19 係合孔(係合部)
SW1,SW2 断路器
2 インターロック構造
3 カバー部材
4 回転部材
41 カム溝(カム軌道)
5 回転操作部材
6 スライド部材
61,61A,61B,61C 長孔
62 摺動用ピン
67 突起(フォロワ部)
68 括れ部
7 リンク機構(スライド阻止部材)
71 第一揺動アーム
8 カム機構
9 板状部材(スライド阻止部材)
100 電源装置
200 蓄電池
300 負荷装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置から蓄電池あるいは蓄電池から負荷装置に電力供給するための回路のうち、電源装置と蓄電池の間の配線や蓄電池と負荷装置の間の配線に着脱自在に設けられる過電流防止用のヒューズと、当該ヒューズに直列に接続されて前記配線の導通/非導通状態を切り換える断路器と、を備える保安装置に設けられるインターロック構造であって、
前記ヒューズの着脱を阻止する着脱不能位置と、前記ヒューズの着脱を許容する着脱許容位置との間で移動可能とされたカバー部材と、
当該カバー部材に対して回転可能に取り付けられ、前記カバー部材の前記着脱不能位置から前記着脱許容位置への移動を阻止する第一回転位置と、前記着脱許容位置への移動を許容する第二回転位置との間で回転移動可能とされた回転部材と、
前記回転部材に一体に固定されて、前記カバー部材の移動操作時及び前記回転部材の回転操作時に把持する回転操作部材と、
前記配線を非導通状態から導通状態に切り換える前記断路器の切り換え操作を規制する切換規制位置と、当該断路器の切り換え操作を許容する切換許容位置との間で直線移動可能なスライド部材と、
前記カバー部材を前記着脱許容位置に配した状態で前記スライド部材の前記切換規制位置から前記切換許容位置への移動を阻止するスライド阻止部材と、
前記カバー部材を前記着脱不能位置に配した状態において、前記回転部材の前記第一回転位置から前記第二回転位置への回転移動を、前記スライド部材の前記切換許容位置から前記切換規制位置への直線移動に変換するカム機構と、を備え、
前記配線が導通状態のときに、前記断路器が前記スライド部材の前記切換許容位置から前記切換規制位置への移動を阻止することを特徴とするインターロック構造。
【請求項2】
前記カム機構が、前記回転部材に形成され、当該回転部材の回転軸線回りに延在する楕円弧状のカム軌道と、前記カバー部材が着脱不能位置に配された状態で前記カム軌道に係合し、前記カム軌道に係合した状態で前記回転部材の回転移動に伴って前記カム軌道に対してその長手方向に摺動可能なフォロワ部と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインターロック構造。
【請求項3】
前記カム軌道が、前記回転部材に窪んで形成されるカム溝であり、
前記フォロワ部が、前記スライド部材に突出して形成された突起であり、
当該突起は、前記スライド部材が前記切換規制位置に配された状態で、前記カバー部材の前記着脱許容位置と前記着脱不能位置との間の移動に伴って、前記第二回転位置に配された前記回転部材の前記カム溝に対して挿抜されることを特徴とする請求項2に記載のインターロック構造。
【請求項4】
前記突起が、その突出方向基端側から先端側に向けて漸次細くなる先細り形状に形成され、
少なくとも前記突起の突出方向先端部の径寸法が、前記カム溝の幅寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項3に記載のインターロック構造。
【請求項5】
前記カム溝が、前記回転部材を貫通するように形成されて前記突起を挿通可能とし、
当該突起の突出方向基端側には、前記突起の外周面から窪む括れ部が形成され、
前記回転部材を前記第一回転位置に配した状態で、前記カム溝の周縁部が前記突起の括れ部に入り込むように、かつ、前記回転部材を前記第二回転位置に配した状態で、前記カム溝の周縁部が前記括れ部から抜け出るように、前記カム溝の幅寸法が設定され、
前記カム溝の周縁部が前記突起の括れ部に入り込むことで、前記カバー部材の前記着脱不能位置から前記着脱許容位置への移動が阻止されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のインターロック構造。
【請求項6】
前記保安装置に一体に形成されて、前記第一回転位置に配された前記回転部材と係合することで、前記カバー部材の前記着脱不能位置から前記着脱許容位置への移動を阻止する係合部を備え、
前記回転部材を前記第一回転位置から前記第二回転位置に向けて回転移動させることで、前記係合部と前記回転部材の係合状態が解除されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインターロック構造。
【請求項7】
前記スライド部材を前記直線移動させる機構が、前記スライド部材に形成されて当該スライド部材の前記直線移動方向に延びる長孔と、前記保安装置に一体に形成されて、前記長孔に挿入されることで当該長孔に対してその長手方向に摺動可能とされた摺動用ピンと、を備えて構成され、
前記長孔及び摺動用ピンが、互いに間隔をあけるように複数組設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインターロック構造。
【請求項8】
前記スライド部材が平板状に形成され、
前記フォロワ部が、前記スライド部材の主面の周縁部に形成され、
前記スライド部材を直線移動させる機構が、前記スライド部材に形成されて当該スライド部材の前記直線移動方向に延びる長孔と、前記保安装置に一体に形成されて、前記長孔に挿入されることで当該長孔に対してその長手方向に摺動可能とされた摺動用ピンと、を備えて構成され、
前記長孔及び摺動用ピンが、互いに間隔をあけるように少なくとも三組設けられ、
前記カバー部材を前記着脱不能位置に配した状態で、少なくとも二つの前記長孔が、前記フォロワ部に対して前記スライド部材の直線移動方向に隣り合うように配列されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のインターロック構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−90468(P2013−90468A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229534(P2011−229534)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】