説明

インダクタ対の磁気結合を利用したシリアルデータ伝送装置

【課題】 低消費電力化とEMIの低減を同時に実現できる高速シリアルデータ伝送装置を提供する。
【解決手段】 送信回路11を第1半導体チップ内に集積してなる第1半導体集積回路10と受信回路21を第2半導体チップ内に集積してなる第2半導体集積回路20を備え、第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20が伝送線路3を介して相互に接続されてなるシリアルデータ伝送装置1であって、送信回路11と伝送線路3間が送信側インダクタ対12、13の電磁結合によって、受信回路21と伝送線路3間が受信側インダクタ対22、23の電磁結合によって、夫々非接触に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速シリアルデータ伝送装置に関し、特にインダクタ対の磁気結合を利用することで、低消費電力及び電磁干渉(Electromagnetic Interference;EMI)の低減を同時に実現できるシリアルデータ伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
数100Mbpsから1Gbps程度までの伝送速度で、且つ、低消費電力分野向けのシリアルインタフェースの規格にLVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅差動信号、例えば特許文献1参照)がある。そのブロック図を図10に示す。LVDSでは、送信回路のドライバ回路50で差動伝送線路53上の電流の向きを切り替えて送信信号を作る。受信回路51では、差動伝送線路53の終端抵抗を用いて電流−電圧変換を行って、受信信号を得る。従って、受信信号の感度に相当する伝達インピーダンスは終端抵抗そのものであり、感度を上げて低消費電力化を狙うには、終端抵抗を大きくする必要がある。
【0003】
一方、伝送線路による高速信号伝送では、反射による誤り率の低下を抑えるため、伝送線路の特性インピーダンスと終端抵抗を整合させる必要がある。そのため、終端抵抗の上限は伝送線路の特性インピーダンスで制限される。プリント配線基板上の伝送線路の特性インピーダンスは、マイクロストリップ等の構造から200Ω程度が上限である。一方、差動信号伝送はEMI低減に有効とされるが、それは、伝送線路の構造において差動線路間が密に結合している場合に限られる。大きな特性インピーダンスを得るためには、差動線路間を離して疎にしなければならず、結果としてEMIを劣化させる。EMIの低減には、差動線路間をより密にすることが重要であるが、これは特性インピーダンスの低下につながり、LVDSのような終端抵抗で伝達インピーダンス、即ち受信感度が定まる装置構成の場合、低消費電力化とEMIの低減は相反する要求である。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5471498号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、LVDS方式で原理的に生じる低消費電力化とEMIの低減に関するトレードオフを解消する。即ち、本発明は、低消費電力化とEMIの低減を同時に実現できる高速シリアルデータ伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係るシリアルデータ伝送装置は、送信回路を第1半導体チップ内に集積してなる第1半導体集積回路と受信回路を第2半導体チップ内に集積してなる第2半導体集積回路を備え、前記第1半導体集積回路と前記第2半導体集積回路が伝送線路を介して相互に接続されてなるシリアルデータ伝送装置であって、前記受信回路と前記伝送線路間が受信側インダクタ対の電磁結合によって非接触に接続していることを第1の特徴とする。
【0007】
尚、上記第1の特徴のシリアルデータ伝送装置は、好ましくは、前記受信側インダクタ対が前記第2半導体チップ内に形成され構成されているか、或いは、前記受信側インダクタ対の1次側インダクタが前記第2半導体チップ内に形成され、前記受信側インダクタ対の2次側インダクタが前記第2半導体集積回路のパッケージ基板または前記第2半導体集積回路を搭載するプリント配線基板上に形成され構成されている。
【0008】
上記第1の特徴のシリアルデータ伝送装置は、更に、前記送信回路と前記伝送線路間が送信側インダクタ対の電磁結合によって非接触に接続していることを第2の特徴とする。
【0009】
尚、上記第2の特徴のシリアルデータ伝送装置は、好ましくは、前記送信側インダクタ対が前記第1半導体チップ内に形成され、前記受信側インダクタ対が前記第2半導体チップ内に形成され構成されているか、或いは、前記送信側インダクタ対の1次側インダクタが前記第1半導体チップ内に形成され、前記送信側インダクタ対の2次側インダクタが前記第1半導体集積回路のパッケージ基板または前記第1半導体集積回路を搭載するプリント配線基板上に形成され、前記受信側インダクタ対の1次側インダクタが前記第2半導体チップ内に形成され、前記受信側インダクタ対の2次側インダクタが前記第2半導体集積回路のパッケージ基板または前記第2半導体集積回路を搭載するプリント配線基板上に形成され構成されている。
【0010】
上記第2の特徴のシリアルデータ伝送装置は、更に、前記送信回路側から前記送信側インダクタ対の自己共振による減衰振動パルスを利用して前記伝送線路に送信信号を出力することを第3の特徴とする。更に、当該第3の特徴のシリアルデータ伝送装置において、前記送信回路から前記送信側インダクタ対の1次側インダクタに入力される電流パルスの立ち上がり時における前記送信側インダクタ対の2次側インダクタで発生する前記減衰振動パルスの立ち上がり時ピークと、前記電流パルスの立ち下がり時における前記送信側インダクタ対の2次側インダクタで発生する前記減衰振動パルスの立ち下がり時ピークが同極性で重なり合って前記送信信号の信号振幅が増大するように、前記送信パルスのパルス幅が設定されていることが好ましい。
【0011】
上記第2または第3の特徴のシリアルデータ伝送装置は、更に、前記第1半導体チップ内と前記第2半導体チップ内の夫々に、前記送信回路と前記受信回路が切り替え動作可能に集積されてなり、前記第1半導体集積回路と前記第2半導体集積回路が夫々、送受信回路として機能することを第4の特徴とする。
【0012】
上記何れかの特徴のシリアルデータ伝送装置は、更に、前記受信回路が、前記伝送線路の受信端に接続する前記受信側インダクタ対を介して受信した減衰振動パルスの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出して単安定な受信検出パルスを発生する回路を備え、タイミングクロックなしに受信信号を非同期検出することを第5の特徴とする。更に、当該第5の特徴のシリアルデータ伝送装置において、前記受信回路が、前記受信側インダクタ対を介して受信した減衰振動パルスの立ち上がりまたは立ち下がりエッジを検出した後、前記受信側インダクタ対の前記受信回路側に接続する1次側インダクタの両端を前記受信検出パルスの発生期間中に一時的に短絡して符号間干渉を抑制する回路を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
LVDS方式では、入力インピーダンスと伝達インピーダンスが等しいために、低消費電力化とEMIの低減の両立が困難であった。上記何れかの特徴のシリアルデータ伝送装置によれば、少なくとも受信回路と伝送線路間が、受信側インダクタ対の電磁結合により非接触に結合しているので、入力インピーダンスと伝達インピーダンスを独立に設計できるため、低消費電力化とEMIの低減を同時に実現できる。即ち、EMIの低減のため入力インピーダンスを低く保ったまま、受信感度を上げるべく伝達インピーダンスを大きくすることができる。
【0014】
また、LVDSでは電源から直流的に送信電流が流れているが、更に、送信回路と伝送線路間も送信側インダクタ対の電磁結合により非接触に結合することで、電源からの送信電流はパルス的に流れ、且つ、パルス幅も短いため、平均電源電流を極めて小さくできる。また、送信側インダクタ対は同相差動変換器としても動作しており、その同相除去比は非常に大きい。そのため、EMIが生じるもうひとつの原因である同相信号が伝送線路上に伝わることがなく、EMI低減に非常に有効である。加えて、非接触接続のため、ICチップに静電気破壊防止回路(ESD保護回路)が必要なく、広帯域化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明に係るシリアルデータ伝送装置(適宜、「本発明装置」と称する)の一実施形態における構成及び動作について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1に、本発明装置の概略の構成例を模式的に示す。図1に示すように、本発明装置1は、プリント配線基板2上の離間した位置に夫々フリップチップ実装された第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20を備え、第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20が、プリント配線基板2上に形成された2本のストリップ線路からなる伝送線路3を介して相互に接続されて構成される。
【0017】
また、図2に、本発明装置1の概略のブロック構成を模式的に示す。図2に示すように、第1半導体集積回路10は、シリアルデータの送信回路11と1対の送信側インダクタ対(トランス)12、13を共通の第1半導体チップ内に集積して構成されている。また、第2半導体集積回路20は、シリアルデータの受信回路21と1対の受信側インダクタ対(トランス)22、23を共通の第2半導体チップ内に集積して構成されている。送信側インダクタ対の1次側インダクタ12は送信回路11に接続し、送信側インダクタ対の2次側インダクタ13は第1半導体チップの2つの電極パッド14、15に接続し、当該2つの電極パッド14、15が夫々伝送線路3の送信側の2つの終端部とフリップチップ実装により電気的に接続している。また、受信側インダクタ対の1次側インダクタ22は受信回路21に接続し、受信側インダクタ対の2次側インダクタ23は第2半導体チップの2つの電極パッド24、25に接続し、当該2つの電極パッド24、25が夫々伝送線路3の受信側の2つの終端部とフリップチップ実装により電気的に接続している。これにより、送信回路11と伝送線路3間が送信側インダクタ対12、13の電磁結合(トランス結合)によって、受信回路21と伝送線路3間が受信側インダクタ対22、23の電磁結合(トランス結合)によって非接触に接続している。これにより、本発明装置1によって第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20間のポイント−ポイント接続のチップ間伝送網が構築される。
【0018】
送信側インダクタ対12、13と受信側インダクタ対22、23は、夫々第1半導体チップと第2半導体チップにおいて夫々の金属配線層を用いて形成される。図3に示すように、例えば、多層金属配線を利用する場合には、送信側インダクタ対の2次側インダクタ13が最上層の金属配線を用いて開ループ或いはスパイラル状に形成され、送信側インダクタ対の1次側インダクタ12が最上層より下位の1層以上の金属配線を用いて、2次側インダクタ13の下方に開ループ或いはスパイラル状に形成される。受信側インダクタ対22、23についても送信側インダクタ対12、13と同様に形成される。このように半導体チップの金属配線層を用いて形成された各インダクタ対は、半導体製造技術による加工精度で実現できるため、インダクタ素子としての再現性が良く、また、1次側と2次側インダクタ間に1に近い理想的な結合係数が得られる。
【0019】
図4に、第1半導体集積回路10の送信回路11の回路構成例を、送信側インダクタ対12、13の等価回路とともに示す。図4中のCとRは、1次側インダクタ12の寄生容量、寄生抵抗であり、インダクタンスLと寄生抵抗Rと寄生容量Cの直並列回路によって1次側インダクタ12の等価回路が表される。1次側インダクタ12の一方端12aは電源に接続され、他方端12bはスイッチとして動作するNMOSFET16を介して接地される。NMOSFET16をオンオフすることで、1次側インダクタ12に流れる電流を制御する。
【0020】
NMOSFET16のゲート端子17に入力する送信パルスVinを図5上段の電圧波形で制御した場合を考える。1次側及び2次側の自己インダクタンスを夫々L1、L2とする。L2=L1/n(nは巻き線比、n>5程度)を実現すると、NMOSFET16をオンした場合の1次側インダクタ12に流れる電流i1T(t)は、以下の数1で表される。
【0021】
【数1】

【0022】
但し、E、R、Ron、tは、夫々、電源電圧、1次側インダクタ12の寄生抵抗、NMOSFET16のオン抵抗、時間を表す。1次側インダクタ12に流れる電流i1T(t)の電流波形を図5中段に示す。図5中段に示すように、NMOSFET16をオンすると、1次側インダクタ電流i1T(t)は時間tの経過とともにE/(R+Ron)で表される電流値に飽和する。引き続き、MOSFET8をオフすると、2次側インダクタ13に流れる電流i2T(t)は、以下の数2で表される。
【0023】
【数2】

【0024】
但し、k、RTL、C、toffは、夫々、送信側インダクタ対12、13間の結合係数、伝送線路3の特性インピーダンス、1次側インダクタ12の寄生容量、NMOSFET16がオフした時刻を表す。2次側インダクタ電流i2T(t)の電流波形を図5下段に示す。図5下段に示すように、2次側インダクタ13に誘導される電流は減衰振動波形であり、その周波数ωは1次側インダクタ12の自己共振周波数に等しい。
【0025】
また、以上の解析から1次側インダクタ電流i1T(t)は飽和電流値E/(R+Ron)に達すれば十分であり、言い換えれば、飽和電流値に達した以降に電源から供給される電力は伝送線路3上には伝達されず、NMOSFET16のオン抵抗及び1次側インダクタ12の寄生抵抗Rで無駄に消費される。電力効率を考えると、飽和電流値に達するまでの短パルスでNMOSFET16のゲート電圧を制御することで、電流が流れる時間を小さくして、消費電力を抑えることができる。
【0026】
更に、図6に示すように、NMOSFET16のゲート端子17に入力する送信パルスVin(図6上段)のパルス幅を共振周波数の周期の1/2に設定し、送信パルスVinの立ち上がり時と立ち下がり時(つまり、1次側インダクタ電流i1T(t)の立ち上がり時と立ち下がり時)における2次側インダクタ13の端子間の減衰振動パルスV2T(図6下段)の電圧波形の同極性のピークを重ね合わせることにより、大きな信号振幅を得ることができる。つまり、立ち上がり時ピークと立ち下がり時ピークの重ね合わせにより、送信側インダクタ対に流れる電流を抑えたまま伝送線路3の受信端での受信信号振幅を大きくできるため、低消費電力化が図れる。尚、図6中段には、2次側インダクタ電流i2T(t)を示す。
【0027】
図7に、受信側インダクタ対22、23の等価回路を示す。送信側インダクタ対と同様に、図7中のCとRは、1次側インダクタ22の寄生容量、寄生抵抗であり、インダクタンスLと寄生抵抗Rと寄生容量Cの直並列回路によって1次側インダクタ22の等価回路が表される。巻き線比n、受信側インダクタ対22、23間の結合係数k、及び、各回路定数L,C,Rは、送信側インダクタ対と同じである場合を想定する。電流源12は伝送線路3上を伝播してきた電流パルスiTLをモデル化している。解析を簡単にするため電流パルスiTLをステップパルスで近似すると、1次側インダクタ22の両端(オープン端)に生じる受信電圧V1R(t)は、以下の数3で表される。
【0028】
【数3】

【0029】
送信側インダクタ対の1次側インダクタ12に流れる電流i1T(t)と受信側インダクタ対の1次側インダクタ22に生じる受信電圧波形V1R(t)の振幅比が等価的な伝達インピーダンスZeqである。以上の結果から、この伝達インピーダンスZeqを導出すると、以下の数4に示すようになる。
【0030】
【数4】

【0031】
一方、図8に示す受信側インダクタ対22、23の伝送線路3側から見た入力インピーダンスZinは、以下の数5に示すようになる。
【0032】
【数5】

【0033】
尚、入力インピーダンスZinに虚数部を生じるが、数5の第2式で表される係数mを大きく設計することで、実数部に対する相対値を小さくできる。以上のように、本発明装置では、受信感度である伝達インピーダンスZeqと入力インピーダンスZinを独立に設計可能である。
【0034】
送信側及び受信側インダクタ対の等価回路における上記の各パラメータ値は電磁界シミュレータを用いることによって解析することができる。受信側インダクタ対の入力インピーダンスZinが自己共振周波数ω上で、R+jX=38+15j[Ω]であるような伝送回路のシミュレーション結果を、図9の左列に示す。伝送線路3はプリント配線基板2上の長さ30cmの差動伝送線路をモデル化している。図9左列の最上段から順番に、送信回路11のNMOSFET16のゲート入力信号(送信パルス)Vin、送信側インダクタ対の1次側インダクタ電流i1T(t)、送信側インダクタ対の2次側インダクタ電流i2T(t)、受信側インダクタ対の1次側での受信電圧波形V1R(t)を表す。シミュレーション結果から伝達インピーダンスZeqは200Ωであり、入力インピーダンスZinと伝達インピーダンスZeqが独立に実現されていることがわかる。即ち、入力インピーダンスが38Ωとなり、伝達インピーダンスが200Ωとなる。従って、伝送線路3の特性インピーダンスを38Ωと小さく設定でき、差動線路間を密に接近させEMIを低く抑えることができる。一方、受信感度である伝達インピーダンスは200Ωと大きく、送信電流を小さく抑えても、大きな受信電圧信号が得られるため、低消費電力化も同時に実現できる。
【0035】
図9左列の受信電圧波形V1R(t)に注目すると、最大振幅に比して、0.3倍程度の反射波形が生じている。減衰振動パルスの振動周波数上でインピーダンス整合しているが、減衰振動パルスのパワースペクトラムが広がりを持つので、整合条件は完全には満たされていないためである。反射信号を抑えるには、図9右列の上部の回路図に示すように、数Ω程度の抵抗を直列に挿入する。このような低抵抗は、2次側インダクタ23と電極パッド24、25間に形成する配線抵抗によって容易に実現できる。5Ωの抵抗を挿入した場合のシミュレーション結果を図9右列の各段に示す。伝達インピーダンスZeqは160Ωに低下するが、反射信号は0.1倍未満に抑制されている。
【0036】
1Gbpsの伝送速度を仮定した場合のLVDSと本発明装置1の送信回路11が必要とする平均電源電流の比較を行う。先のシミュレーションから、本発明装置1における送信パルスを含む1nsの時間範囲で電源電流を平均化すると、0.4mAであった。即ち、1Gbpsの伝送速度では、送信回路は平均0.4mAの電源電流を必要とする。これに対して、LVDSの規格では、最も小さい場合でも、送信回路は3.5mAの電源電流が必要である。一方、受信電圧信号に注目すると、LVDSの場合は3.5mAの送信電流に対して 350mVである。図9に示すように、本発明装置1では、明らかに350mV以上の振幅が得られているにも拘らず、送信電流は9分の1に低減できている。本発明装置1では、送信電流は送信側インダクタ対の1次側インダクタに流れる電流であり、図9に示すように、この電流はパルス幅0.25nsのパルス電流である。伝達インピーダンスは200Ωであり、LVDSの規格である100Ωに対して2倍の改善に留まるが、LVDSの送信電流が直流的に常に流れているのに対して、本発明装置1ではパルス幅0.25nsのパルス電流を1nsの時間範囲で平均化できるため、全体として9分の1に低減できる。
【0037】
次に、EMIについてLVDSと本発明装置1の比較を行う。図10に示すようなLVDSのドライバ回路50を駆動するためには、相補的にゲートを制御する差動制御信号52が必要である。図11に示すように、これらの差動制御信号にペア内スキューが生じる、或いは、エッジレートが不揃いになると差動伝送線路上に同相信号が重畳する。差動伝送線路上の同相信号は大きな遠方電磁界を生じさせ、EMIを劣化させる。本発明装置1の場合、図4に示すように、送信回路11の制御信号(入力パルスVin)はシングルエンドであり、原理的にペア内スキューやエッジレートの不揃いが生じない。斯かるシングルエンドのドライバにも拘らず、伝送線路3上に同相信号が重畳しないのは、送信側インダクタ対が同相差動変換器として動作しており、更に、その同相除去比が極めて大きいからである。即ち、本発明装置1はEMIを劣化させる同相信号の除去能力が高く、EMI低減に大きな効果がある。
【0038】
次に、第2半導体集積回路20の受信回路21の回路構成例とその回路動作について説明する。
【0039】
受信側インダクタ対22,23を介して受信回路21に入力される受信電圧波形は数GHzの振動減衰波形である。従って、図12に示すように、通常のラッチ・コンパレータ54で信号検出を行う場合、タイミング精度は、伝送速度とは無関係に減衰振動波形の周波数で定まり、タイミングクロックに対するタイミング余裕Tmが狭くタイミング設計は非常に難しい。そこで、本実施形態では、信号検出にタイミングクロックを必要としない非同期検出法を導入する。即ち、受信回路21を図13に示す回路構成とし、受信した減衰振動パルスをタイミングクロックなしに電源電圧レベルの振幅のパルス列に再生する。
【0040】
以下、図13に示す受信回路21の回路動作を説明する。動作時の各節点の電圧波形を図14に示す。受信側インダクタ対の1次側インダクタ22の一方端を接地すると、他方端に中心電位0Vの減衰振動パルスV1Rが励起される。この減衰振動パルスV1Rを、コンデンサCc、抵抗Ro、及び、バイアス回路30によってレベルシフトして、中心電位がVbnの振動波形V3R(図14上段)をNMOSFET31のゲート端子に入力する。図15に、バイアス回路30の回路構成例を示す。図15に示すバイアス回路30の出力Bias−pが抵抗Roに接続している。尚、図15中のPMOSFET37は、バイアス動作中はオフしている。
【0041】
図13の受信回路21において、NMOSFET31のドレイン端子にPMOSFET33のドレイン端子が接続して中間ノードN1となり、NMOSFET31のソース端子を接地し、PMOSFET33のソース端子を電源に接続して、中間ノードN1をダイナミックに充放電されるノードとする。中間ノードN1が電源電圧VDDに充電されている場合に、NMOSFET31のゲート端子に入力する振動波形V3RによってNMOSFET31が導通して、中間ノードN1が接地電圧(0V)まで放電される。中間ノードN1の当該電源電圧VDDから接地電圧までの電圧遷移が2段のインバータで構成される遅延回路32を介して一定時間遅延してPMOSFET33のゲート端子に伝達する(図14中段の電圧パルスV4R)。そうすると、PMOSFET33が導通して、再び中間ノードN1が電源電圧VDDに充電される。以上の自己プリチャージ動作により受信した減衰振動パルスV1Rを、例えばノードN2において電源電圧レベルの振幅の電圧パルスV5Rとして再生できる(図14下段)。
【0042】
図13に示す受信回路21において、符号間干渉を抑制するために受信した振動波形V1Rの減衰率が大きくなるように、中間ノードN1の放電により上記自己プリチャージ動作を開始した後、受信側インダクタ対の1次側インダクタ22の両端を短絡することで保持している電磁エネルギーを開放する。具体的には、1次側インダクタ22の両端に接続するNMOSFET34のゲート端子に再生された電圧パルスV5Rと同相のパルス信号を例えばノードN3から入力する。
【0043】
ここで、図13のNMOSFET31のリーク電流により中間ノードN1が徐々に放電して、振動波形V3Rを誤検出して電圧パルスV5Rを発生する虞がある。従って、本実施形態では、例えば図16に示すようなリーク電流補償回路35を中間ノードN1に接続して、当該リーク電流による放電を防止している。
【0044】
また、本発明装置1では、送信回路11と伝送線路3間及び受信回路21と伝送線路3間がインダクタ対によるトランス結合であるため、シリアルデータの伝送はパルス伝送が基本となる。図13に示すように、送信回路11のNMOSFET16のゲート端子17に入力する前に、NRZ信号をパルス変換回路18でパルス信号に変換する。図17に示すように、パルス変換回路18は、NRZ信号が立ち上がり時に2回、立ち下がり時に1回、夫々短パルスを出力する。図18に、当該パルス信号に変換する回路構成例を示す。
【0045】
一方、受信回路21側では、再生したパルス信号V5RをNRZ信号VNRZに変換するために逆変換回路36を設けている。図19に示すように、逆変換回路36では、パルス信号V5Rにおいて短パルスが2回連続する場合に高レベルを出力し、1回だけの場合に低レベルを出力する。斯かる逆変換処理により送信時のNRZ信号が再現できる。図20に、再生したパルス信号V5RをNRZ信号VNRZに逆変換する回路構成例を示す。
【0046】
次に、本発明に係るシリアルデータ伝送装置の別実施形態について説明する。
【0047】
〈1〉上記実施形態では、図2に示すように、送信側インダクタ対12、13と受信側インダクタ対22、23は、夫々の半導体チップ内に1次側と2次側の両方のインダクタを形成する構成を例示したが、各インダクタ対の伝送線路3と接続する2次側インダクタを夫々、半導体チップ外に取り出して形成するようにしても構わない。
【0048】
例えば、図21に模式的に示すように、各2次側インダクタ13,23を、夫々プリント配線基板2上に形成する。ここで、2次側インダクタ13,23の各一方端を1本の伝送線路3に接続し、各他方端を夫々接地するようにしても良い。尚、送信側インダクタ対の1次側インダクタ12は、送信回路11とともに第1半導体チップ内に集積し、受信側インダクタ対の1次側インダクタ22は、受信回路21とともに第2半導体チップ内に集積する。つまり、第1半導体集積回路10は、シリアルデータの送信回路11と送信側インダクタ対の1次側インダクタ12を共通の第1半導体チップ内に集積して構成され、第2半導体集積回路20は、シリアルデータの受信回路21と受信側インダクタ対の1次側インダクタ22を共通の第2半導体チップ内に集積して構成されている。第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20は、夫々プリント配線基板2上に、フリップチップ実装または接着剤等で貼付されるが、このとき、送信側インダクタ対の第1半導体チップ側の1次側インダクタ12とプリント配線基板2側の2次側インダクタ13が対向して重なり合うように位置合わせし、受信側インダクタ対の第2半導体チップ側の1次側インダクタ22とプリント配線基板2側の2次側インダクタ23が対向して重なり合うように位置合わせする。
【0049】
本別実施形態では、フリップチップ実装で必要なバンプ形成やバンプ・パッド間の接合が、少なくとも伝送線路3に対して不要となるため、実装作業が簡単化できる。
【0050】
更に、第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20を個別のパッケージに実装してからプリント配線基板2上に搭載するようにしてもよい。この場合には、各2次側インダクタ13,23を、夫々のパッケージ基板に上記要領で形成するようにしても構わない。
【0051】
〈2〉上記実施形態では、第1半導体集積回路10内に送信回路11に設け、第2半導体集積回路20内に受信回路21を設け、第1半導体集積回路10側から第2半導体集積回路20に伝送線路3を介して一方向にシリアルデータ伝送する場合を想定したが、送信回路11と受信回路21を一体化した送受信回路40を、第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20内に夫々集積するのも好ましい。これにより、第1半導体集積回路10と第2半導体集積回路20間で双方向のシリアルデータ伝送が可能となる。
【0052】
具体的には、図22に示すように、送受信回路40内に、PMOSFET41を1次側インダクタLの一方端と電源の間に追加し、送信回路部分と受信回路部分を切り替えて活性化させる切り替え信号Tx/Rxを用いて、PMOSFET41とパルス変換回路18を切り替え信号Tx/Rxで送信動作時にのみ活性化させ、バイアス回路30を切り替え信号Tx/Rxで受信動作時にのみ活性化させる構成とすることで、送信回路部分と受信回路部分を切り替え動作可能に構成する。図22中の1次側インダクタLは、送信回路11として機能する場合は、送信側インダクタ対の1次側インダクタ12となり、受信回路21として機能する場合は、受信側インダクタ対の1次側インダクタ22となる。尚、送信回路11と受信回路21を一体化して送受信回路40とする回路構成は、図22に示す回路構成に限定されるものではない。
【0053】
〈3〉上記実施形態では、送信回路11と伝送線路3間、及び、受信回路21と伝送線路3間の両方をインダクタ対によるトランス結合で非接触接続としたが、図23に示すように、受信回路21と伝送線路3間だけをトランス結合による非接触接続とし、送信回路11と伝送線路3間はLVDSのように電流を直接切り替える方式にすることも可能である。
【0054】
〈4〉上記実施形態では、伝送線路3は、プリント配線基板2上に形成されたストリップ線路を想定したが、ストリップ線路に限定されるものではなく、例えば同軸ケーブルであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るシリアルデータ伝送装置は、プリント配線基板上のストリップ線路や同軸線路等の伝送線路で結合された半導体集積回路間の高速シリアルデータ伝送に利用でき、特に、高速性とともに、低消費電力化とEMIの低減に有効である。従って、低消費電力化と同時にEMIの低減が重要な携帯電話等では、装置内の大容量データ伝送、例えば画像データ伝送等に対して大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明装置の一実施形態における概略の構成例を模式的に示す断面図
【図2】本発明装置の一実施形態における概略のブロック構成図
【図3】本発明装置で使用するインダクタ対の概略の構成例を模式的に示す図
【図4】本発明装置で使用する送信回路の回路構成例を示す回路図
【図5】図4に示す送信回路における送信パルスの電圧波形、送信側インダクタ対の1次側インダクタと2次側インダクタの各電流波形の一例を示す波形図
【図6】図4に示す送信回路における送信パルス幅の調整前後における、送信パルスの電圧波形、送信側インダクタ対の2次側インダクタの電圧波形と電流波形の一例を示す波形図
【図7】本発明装置で使用する受信側インダクタ対と伝送線路の受信端における等価回路を示す回路図
【図8】本発明装置で使用する受信側インダクタ対の入力インピーダンスを説明するための回路図
【図9】本発明装置によるシリアルデータ伝送のシミュレーションによる送信パルス電圧、送信側インダクタ対の1次側インダクタ電流と2次側インダクタ電流、受信側インダクタ対の1次側での受信電圧を、反射信号抑制措置の前後において夫々示す波形図
【図10】従来のLVDS方式の概略構成を示すブロック図
【図11】図10に示すLVDS方式における同相信号発生の原因を説明する模式図
【図12】従来のラッチ・コンパレータを用いたデータ検出を説明するブロック図とタイミング波形図
【図13】本発明装置の一実施形態における非同期検出とNRZ信号をパルス信号に変換して送受信可能な回路構成例を模式的に示す回路ブロック図
【図14】図13に示す受信回路の受信動作時の各節点の電圧波形図
【図15】図13に示す受信回路で使用するバイアス回路の回路構成例を示す回路図
【図16】図13に示す受信回路で使用するリーク電流補償回路の回路構成例を示す回路図
【図17】本発明装置の送信回路に入力するNRZ信号を短パルス列に変換する様子を示す波形図
【図18】本発明装置の送信回路に入力するNRZ信号を短パルス列に変換するパルス変換回路の回路構成例を示す回路図
【図19】本発明装置の受信回路で再生された短パルス列をNRZ信号に逆変換して再現する様子を示す波形図
【図20】本発明装置の受信回路で再生された短パルス列をNRZ信号に変換する逆変換回路の回路構成例を示す回路図
【図21】本発明装置の別実施形態における概略の構成例を模式的に示すブロック図
【図22】本発明装置の送信回路と受信回路を一体化した送受信回路の回路構成例を模式的に示す回路図
【図23】LVDS送信回路を利用した本発明装置の別実施形態を示す概略のブロック構成図
【符号の説明】
【0057】
1: 本発明に係るシリアルデータ伝送装置
2: プリント配線基板
3: 伝送線路
12: 伝送される電流パルスをモデル化した電流源
10: 第1半導体集積回路
11: 送信回路
12: 送信側インダクタ対の1次側インダクタ
12a: 送信側インダクタ対の1次側インダクタの一方端
12b: 送信側インダクタ対の1次側インダクタの他方端
13: 送信側インダクタ対の2次側インダクタ
14: 第1半導体チップの電極パッド
15: 第1半導体チップの電極パッド
16: 送信回路の駆動用NMOSFET
17: 送信回路のNMOSFETのゲート端子
18: パルス変換回路
20: 第2半導体集積回路
21: 受信回路
22: 受信側インダクタ対の1次側インダクタ
23: 受信側インダクタ対の2次側インダクタ
24: 第2半導体チップの電極パッド
25: 第2半導体チップの電極パッド
30: バイアス回路
31: 受信回路の受信電圧波形検出用のNMOSFET
32: 受信回路の自己プリチャージ動作用の遅延回路
33: 受信回路の自己プリチャージ動作用のPMOSFET
34: 符号間干渉を抑制するためのNMOSFET
35: リーク電流補償回路
36: 逆変換回路
37: バイアス回路内のモード切替用のPMOSFET
40: 送受信回路
41: 送受信回路の送受信を切替用のPMOSFET
50: LVDSのドライバ回路
51: LVDSの受信回路
52: LVDSの差動制御信号
53: 差動伝送線路
54: ラッチ・コンパレータ
Bias−n: バイアス回路の中間電圧出力
Bias−p: バイアス回路の中間電圧出力
C: 1次側インダクタの寄生容量
Cc: 受信回路のレベルシフト用コンデンサ
1T: 送信側インダクタ対の1次側インダクタ電流
2T: 送信側インダクタ対の2次側インダクタ電流
L: 1次側インダクタのインダクタンス
N1〜N3: 受信回路内のノード
R: 1次側インダクタの寄生抵抗
Ro: 受信回路のレベルシフト用抵抗
Tm: タイミング余裕
Tx/Rx: 切り替え信号
VDD: 電源電圧
Vin: 送信パルス
2T: 送信側インダクタ対の2次側インダクタの端子間に生じる減衰振動パルス
1R: 受信側インダクタ対の1次側インダクタの端子間に生じる受信電圧
3R: レベルシフト後の受信電圧
4R: 自己プリチャージを起動する電圧パルス
5R: 再現された電圧パルス
NRZ: 再生されたNRZ信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信回路を第1半導体チップ内に集積してなる第1半導体集積回路と受信回路を第2半導体チップ内に集積してなる第2半導体集積回路を備え、前記第1半導体集積回路と前記第2半導体集積回路が伝送線路を介して相互に接続されてなるシリアルデータ伝送装置であって、
前記受信回路と前記伝送線路間が受信側インダクタ対の電磁結合によって非接触に接続していることを特徴とするシリアルデータ伝送装置。
【請求項2】
前記受信側インダクタ対が前記第2半導体チップ内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項3】
前記受信側インダクタ対の1次側インダクタが前記第2半導体チップ内に形成され、前記受信側インダクタ対の2次側インダクタが前記第2半導体集積回路のパッケージ基板または前記第2半導体集積回路を搭載するプリント配線基板上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項4】
前記送信回路と前記伝送線路間が送信側インダクタ対の電磁結合によって非接触に接続していることを特徴とする請求項1に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項5】
前記送信側インダクタ対が前記第1半導体チップ内に形成され、前記受信側インダクタ対が前記第2半導体チップ内に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項6】
前記送信側インダクタ対の1次側インダクタが前記第1半導体チップ内に形成され、前記送信側インダクタ対の2次側インダクタが前記第1半導体集積回路のパッケージ基板または前記第1半導体集積回路を搭載するプリント配線基板上に形成され、
前記受信側インダクタ対の1次側インダクタが前記第2半導体チップ内に形成され、前記受信側インダクタ対の2次側インダクタが前記第2半導体集積回路のパッケージ基板または前記第2半導体集積回路を搭載するプリント配線基板上に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項7】
前記送信回路側から前記送信側インダクタ対の自己共振による減衰振動パルスを利用して前記伝送線路に送信信号を出力することを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項8】
前記送信回路から前記送信側インダクタ対の1次側インダクタに入力される電流パルスの立ち上がり時における前記送信側インダクタ対の2次側インダクタで発生する前記減衰振動パルスの立ち上がり時ピークと、前記電流パルスの立ち下がり時における前記送信側インダクタ対の2次側インダクタで発生する前記減衰振動パルスの立ち下がり時ピークが同極性で重なり合って前記送信信号の信号振幅が増大するように、前記送信パルスのパルス幅が設定されていることを特徴とする請求項7に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項9】
前記第1半導体チップ内と前記第2半導体チップ内の夫々に、前記送信回路と前記受信回路が切り替え動作可能に集積されてなり、
前記第1半導体集積回路と前記第2半導体集積回路が夫々、送受信回路として機能することを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項10】
前記受信回路が、前記伝送線路から前記受信側インダクタ対を介して受信した減衰振動パルスの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出して単安定な受信検出パルスを発生する回路を備え、タイミングクロックなしに受信信号を非同期検出することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項11】
前記受信回路が、前記受信側インダクタ対を介して受信した減衰振動パルスの立ち上がりまたは立ち下がりエッジを検出した後、前記受信側インダクタ対の前記受信回路側に接続する1次側インダクタの両端を前記受信検出パルスの発生期間中に一時的に短絡して符号間干渉を抑制する回路を備えることを特徴とする請求項10に記載のシリアルデータ伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図12】
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【図14】
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【図17】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−113093(P2008−113093A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293338(P2006−293338)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名:社団法人 電子情報通信学会 刊行物名:電子情報通信学会技術研究報告 巻数:Vol.106 号数:No.207 発行年月日:平成18年8月10日
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】