説明

インダクタ

【課題】 電源要求値に応じられるインダクタンスと結合係数の調整幅が広い、カップリング方式を用いるDC−DCコンバータに好適なインダクタを提供する。
【解決手段】 2つのI型磁性コア7a、7dにより、導体7bを複数本挟み込み、導体7bを挟んだことにより形成される、2つのI型磁性コア間の空隙に、I型磁性コアに用いた磁性材料とは異なる透磁率を有する磁性粉末を含有してなる磁性接着剤7g、7h、7iを介して接合し構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の電源回路を構成するインダクタに関し、特にDC−DCコンバータに好適なインダクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CPUなどの大規模集積回路(以下、LSIと表記)は、低電圧大電流化が進み、素子に必要となる所要電流が数十アンペアにまで達するようになるとともに、小型で低背の電源回路が求められている。大電流化により素子の大型化は避けられないため、電流を2系統に分散させた電力変換の後、合成することで出力を取り出すマルチフェーズ方式が電源方式の主流として使われてきた。
【0003】
以下、マルチフェーズ方式について、出力20Aの2フェーズのDC−DCコンバータを用いた場合を例に説明する。
【0004】
図1は、マルチフェーズ方式を説明する図で、図1(a)は2フェーズのDC−DCコンバータの回路図、図1(b)はその波形図を示す。なお、波形図上段は電圧波形を示し、横軸は時間、縦軸は電圧を示している。また、波形図下段は電流波形を示し、横軸は時間、縦軸は電流を示している。また、波形1hは電界効果トランジスタ1cのゲート電圧の波形を示し、波形1iは電界効果トランジスタ1eのゲート電圧の波形を示し、波形1jは、インダクタ1aの電流の波形を示し、波形1kはインダクタ1bの波形を示し、波形1lはマルチフェーズ方式における合成電流波形を示す。
【0005】
入力された電流を2つに分流させ、10Aの容量を持つ電界効果トランジスタ(以下、FETとも表記)1c、1d、およびインダクタ1aで構成される第1の系統と、電界効果トランジスタ1e、1fとインダクタ1bで構成される第2の系統の、2系統の回路によって各々電力変換を行い、変換された電流を合成し、平滑コンデンサ1gに入力することで直流の出力を得る。
【0006】
ここで図1(b)の波形図上段に示したように、各々のFETにおけるONとOFFのタイミングは互いに半周期ずらして行われるため、下段に示したように、波形1jと波形1kを合成することにより、平滑コンデンサにはスイッチング周波数の、2倍の三角波、すなわち波形1lが入力されることになる。
【0007】
マルチフェーズ方式ではFET、インダクタ、平滑コンデンサに流れる電流の負荷を各々低減させることができるが、平滑コンデンサ以外の部品点数がフェーズ数だけ増加することになるために実装面積が増大し、また製造コストも増大するという問題がある。また、近年は消費電力の低減も求められるようになり、軽負荷時には電流の軽減、即ち消費電力の抑制が図られるが、結果として軽負荷状態から高負荷状態への切り替わりに伴う電流変動への追従性であるトランジェントレスポンスが重要になってきた。
【0008】
なお、電流の追従性が悪い場合は、瞬時的な電圧降下を引き起こし、低電圧駆動が進んでいるLSIの誤作動原因となる。
従って、トランジェントレスポンスは、低電圧化が進んでいる電源技術においても、重要な要素となっている。
【0009】
これに対応した電源方式として、カップリング方式がある。この方式に用いられるインダクタは、複数のコイルがある値で結合された1つのインダクタで駆動される。これに使用されるインダクタを特にカップリングインダクタと呼ぶ。
【0010】
図2はカップリング方式を説明する図で、図2(a)は2フェーズのDC−DCコンバータの回路図、図2(b)は、その波形図を示す。なお、波形図上段は電圧波形を示し、横軸は時間、縦軸は電圧を示している。また、波形図下段は電流波形を示し、横軸は時間、縦軸は電流を示している。また、波形2hは電界効果トランジスタ2cのゲート電圧の波形を示し、波形2iは電界効果トランジスタ2eのゲート電圧の波形を示し、波形2jは、インダクタ2aの電流の波形を示し、波形2kはインダクタ2bの波形を示し、波形2lはカップリング方式における合成電流波形を示す。
【0011】
出力20A、2フェーズのカップリングインダクタを用いたDC−DCコンバータを用いて説明する。入力された電流を2つに分流させ、10Aの容量を持つ電界効果トランジスタ2c、2d、インダクタ2aに入力される第1の系統と、電界効果トランジスタ2e、2f、インダクタ2bに入力する第2の系統とする。ここで、インダクタ2aおよび2bは便宜上、2つの異なるインダクタのように表記したが、実際は、2つのコイルを有する1つのインダクタ、すなわちカップリングインダクタである。該インダクタにおいて、分流された電流は合成され、平滑コンデンサ2gを経由して直流の出力を得る。ここで波形図に波形2hおよび波形2iとして示したように、各々のFETにおけるONとOFFのタイミングは、マルチフェーズ方式と同じく互いに半周期ずらして行われる。
【0012】
しかし、このように2つのコイルを持つカップリングインダクタは、各々のコイルが磁気的に特定の値で結合しているため、一方のコイルに電流が流れている際、他方のコイルにも相互誘導により電流が流れる。すなわち、波形2jで示した電流が流れると、波形2kで示した電流が流れる。その結果、カップリングインダクタを通過し、平滑コンデンサ2gに流れる電流波形2lが、スイッチング周波数の2倍となり平滑コンデンサ2gに入力される。このような電源方式は例えば、非特許文献1に開示されている。
【0013】
このように、カップリング式DC−DCコンバータに使われるインダクタは、平滑用途のインダクタのように単一のコイルではなく、分割数に応じた複数のコイルを内蔵し、各々のコイルを、電源要求に応じた結合係数に調整する必要がある。従って、自己インダクタンスだけではなく、相互インダクタンスやリーケージインダクタンスの調整が重要になる。
【0014】
また、近年、低電圧化に伴う電圧制御の安定化を図るため、配線の短縮、即ち回路の小型化と、スィッチング周波数の高周波化が進み、インダクタには、100nH以下の低いインダクタンスと小型化が求められている。
【0015】
図3は、従来のインダクタを説明する図で、図3(a)は分解斜視図、図3(b)は外観斜視図を示す。2つの導電巻コイル3b、3eを、絶縁材3cを挟んで重ね合わせるように配置し、外層として、磁性コア3a、3fを装着し、インダクタを構成している。絶縁材3cの厚みを調整することにより、結合係数を調整している。このようなインダクタは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0016】
図4は、従来の他のインダクタを説明する断面図である。柱状の磁性コア4aに貫通口を設けて導体4bを配置しインダクタを構成している。スリット4cのようにギャップを設けることにより、インダクタンスを調整する。
【0017】
図5は、従来の他のインダクタを説明する断面図である。断面E型の磁性コア5fに貫通口を設けて導体5eを配置しインダクタを構成している。板状の低い透磁率を有する磁性体5dを取り付けることによりインダクタンスを調整する。これらのインダクタは、例えば、特許文献2に開示されている。
【0018】
図6は、従来の他のインダクタを説明する断面図である。E型磁性コア6aとI型磁性コア6bを組み合わせ、E型磁性コア6aの磁脚の間を貫通するように導体6cを配置し、E型磁性コア6aの脚部にギャップ6dを設けている。ギャップ6dを調整することによりインダクタンスと結合係数を調整する。このようなインダクタは例えば、非特許文献1に開示されている。
【0019】
【非特許文献1】Pit-Leong Wong, Peng Xu, Bo Yang, and Fred C. Lee, IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS,VOL.16 NO.4 P.499-507, 2001 ,Performance Improvements of Interleaving VRMs With Coupling Inductors
【特許文献1】特開2005−129588号公報
【特許文献2】特開2005−183928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、図3に示したインダクタは、導電巻コイルを使用しているため、大電流対応に求められる直流抵抗の低減が図れず、損失が大きい。また、結合係数が高くなりやすいのでリーケージインダクタンスが低くなり、その結果、負荷変動時における電流の立ち上がりが急峻になり、電流のオーバーシュートが大きくなる。
【0021】
一方、リーケージインダクタンスを高くするには、コイル間の絶縁材を厚くし、コイル間の距離を広げる必要がある。しかしながら、このように構成すると、インダクタ全体が大きくなり、小型、低背化の要求を満たさない。
【0022】
図4に示したインダクタは磁性コア4aに後加工でスリット4cを施す必要があるが、低背化により磁性コア4aの肉厚は薄く、破損しやすいため、歩留まりが極めて悪くなり、結果としてコストが増加する。また、磁性コア4aの外脚部にのみギャップを施すために、結合係数は低く、結果としてリーケージインダクタンスは高くなり、トランジェントレスポンスなどが悪くなる問題が生じる。
【0023】
図5に示したインダクタも、同様に結合係数が低いという問題がある。
【0024】
図6に示したインダクタは、中磁脚部のギャップを調整し、インダクタンスと結合係数を調整するが、電源の高周波数化が進み、求められるインダクタンスが低下してきているため、ギャップは100μm以下と微小になっている。このように微小なギャップを形成するために、製造におけるバラツキが大きくなり、歩留まり悪化、コスト増加の問題が生じている。
【0025】
従って、本発明の目的は、カップリング方式を用いるDC−DCコンバータに使用されるインダクタにおける上記の問題を解決し、低電圧、大電流、高周波駆動に対応しながらも、小型で安価なインダクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、板状の断面がI型のI型磁性コアを2つ用いて構成されるカップリング方式のインダクタに関する。
【0027】
本発明のインダクタは、2つのI型磁性コアにより、帯状の導体を複数本挟み込み、導体を挟んだことにより形成される、2つのI型磁性コア間の空隙に、磁性粉末を含有してなる磁性体層を介して接合し構成する。このとき、磁性体層には、I型磁性コアに用いた磁性材料とは異なる透磁率を有する磁性粉末を選択して用い、インダクタ全体のインダクタンスおよび結合係数を微調整する。
【0028】
2つのI型磁性コアと複数の導体によって生じた複数の空隙のすべてに同一の透磁率を有する磁性体層を設けても良い。
【0029】
2つのI型磁性コアと複数の導体によって生じた複数の空隙のうち、少なくとも1つの空隙に第1の透磁率を有する磁性体層を設け、他の空隙には第2の透磁率を有する磁性体層を設けても良い。
【0030】
前記、複数の磁性体層の、透磁率の種類、組み合わせ、配置は、目的とするインダクタンスおよび結合係数を得るものであれば、どのように設定しても良い。
【0031】
帯状の導体は、2フェーズ対応の場合は、2本必要であるが、対応するフェーズ数によって何本用いても良い。実用上は、2本以上10本以下が好ましい。
【0032】
導体の厚みは、2つのI型コア間の幅、すなわち空隙幅を決定し、インダクタ全体のインダクタンスおよび結合係数に影響するので、磁性体層の透磁率とともに適宜選択するのがよい。
【0033】
導体の両端部は、2つのI型磁性コア間から、外部に引き出し、端部を例えばコの字形状に折り曲げ加工するなどして外部端子とするのが好ましい。外部端子の形状は一般的な形状であればいずれでも良い。
【0034】
I型磁性コアの一方には、一体型の端子台を設けても良い。小型、低背化のためには、端子台を用いないのが好ましい。
【0035】
I型磁性コアは、一般的なMn−Znフェライトや、Ni−Znフェライトを用いるのが良い。上述の端子台を用いない構成とする場合は、Ni−Znフェライトを用いるのが好ましい。
【0036】
磁性体層は、I型磁性コアを接着するよう磁性接着剤を塗布、硬化して形成するのが好ましい。
【0037】
磁性接着剤は、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂のような一般的に用いられる接着剤用の樹脂に、Mn−Zn系やNi−Zn系などのフェライト粉末、アモルファス粉末、Fe系磁性合金粉末などの軟磁性粉末を混練して得るのが良い。
【0038】
本発明によれば、2つの板状のI型磁性コアで、複数の導体を挟み、前記導体の両端部は、前記I型磁性コアの外部に引き出されて端子を形成してなるインダクタであって、前記I型磁性コアと前記導体によって形成された複数の空隙の少なくとも1以上に、前記I型磁性コアの透磁率と異なる、固有の透磁率を有する磁性体層が配されてなることを特徴とするインダクタが得られる。
【0039】
本発明によれば、前記固有の透磁率は、前記空隙毎に異なる2種類以上の値を有することを特徴とするインダクタが得られる。
【0040】
本発明によれば、前記磁性体層は、磁性粉末と樹脂を混入した磁性接着剤を塗布、硬化して形成してなることを特徴とするインダクタが得られる。
【0041】
本発明によれば、前記磁性体層は、磁性粉末を全体の40体積%以下(0を含まず)含有することを特徴とするインダクタが得られる。
【発明の効果】
【0042】
上記構成とすることにより、I型磁性コアの透磁率や、導体の厚さ、すなわち空隙幅によって決定されるインダクタ全体のインダクタンスや結合係数を、簡便な手段によって調整した、小型、低背で高周波化対応のインダクタの提供が可能となった。
【0043】
すなわち、複雑な形状であるE型磁性コアを用いないので、製造が容易であるとともに、E型磁性コアの脚部を削る、シートを挿入する等の複雑かつ調整が困難なギャップ形成手段を用いないので、精度よく所望のギャップを形成することが可能となり、工数およびコストの削減をも実現した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明によるインダクタは、2つのI型磁性コアを少なくとも2つ以上の導体を挟んで組み合わせることで空隙部を形成し、樹脂と磁性粉を混練した磁性接着剤を空隙部に配することにより、必要なインダクタンスと結合係数に調整する。
【0045】
従来のように、E型磁性コアの脚部を削ることでギャップを形成する工法や、シートを挟み込むことによるギャップ形成する工法とは異なり、加工工数や部材点数を増やすことなく、最小構成に磁性接着剤を組み合わせることにより必要なインダクタを形作るため、コストを削減することが出来るとともに、電源の高周波駆動に対応した低いインダクタンスで小型な製品を作ることも容易とすることが出来る。
【0046】
2つのI型磁性コアを挟み合わせる最小構成ながらも、形成される空隙部に、磁性粉末と樹脂からなる磁性接着剤の配合比率を調整し注入することで、カップリング方式の電源要求に応じて幅広くインダクタンスや結合係数を調整することができる。
【0047】
コイルとなる導体部は巻線することなく磁性コア間の間隙に挿入し、端部を例えばコの字状に折り曲げて直接実装端子とする構造を採用することにより、カップリングインダクタとして機能するため、大電流化に対応した低直流抵抗を実現し、電源効率に大きく寄与する。
【実施例】
【0048】
本発明を実施するための最良の形態を、図面および実施例を用いて詳細に説明する。
【0049】
図7は、本発明のインダクタを説明する図で、図7(a)は分解斜視図、図7(b)は完成品の斜視図、図7(c)は完成品の断面図であり、導体7bの長さ方向に直交する方向の断面を示す。2つのI型磁性コア7aおよび7dで、導体7bを挟み込んで重ね合わせ、導体7bの厚みにより生じる空隙部に、磁性接着剤7g、7h、7iを配し、接着してインダクタを構成する。
【0050】
導体7bの両端は、実装端子7fとして機能するよう、I型磁性コア7aおよび7dと重ね合わせた後、コの字状に曲げ加工を施す。
【0051】
Ni−Zn系フェライト粉末をプレス、焼結して得た2つのI型磁性コアと、2本の導体および磁性接着剤を用意し、図7に示したインダクタを得た。なお、I型磁性コア7aは面積5×5mm2で厚みが0.9mmのものを使用し、導体7bは幅が1mmで、厚みは0.14mmから0.06mmのものを各々使用し、磁性接着剤7g、7h、7iは、エポキシ樹脂に平均粒径12μmのアモルファス系金属磁性粉末を混入し、透磁率が1.5から10のものを各々使用した。
【0052】
(実施例1)
導体7bの厚みを0.1mm、磁性接着剤7hの透磁率を1.5、磁性接着剤7g及び7iの透磁率を10、8、6、4、2としたインダクタの自己インダクタンスと結合係数を得た。
【0053】
(実施例2)
導体7bの厚みを0.1mm、磁性接着剤7g及び7iの透磁率を3、磁性接着剤7hの透磁率を5、4、3、2、1としたインダクタの自己インダクタンスと結合係数を得た。
【0054】
(実施例3)
磁性接着剤7g及び7iの透磁率を8、磁性接着剤7hの透磁率を4、導体7bの厚みを0.14mm、0.12mm、0.10mm、0.08mm、0.06mmとしたときの自己インダクタンスと結合係数を得た。
【0055】
図8は、磁性体層の透磁率変化に対する自己インダクタンスの変化を示すグラフであり、グラフ8aは実施例1によるインダクタの測定値、グラフ8bは実施例2の測定値、グラフ8cは実施例3による測定値を示す。なお、図中のK値は、測定した自己インダクタンスLsとリーケージインダクタンスLkから式(1)を用いて算出した結合係数を示す。
【0056】
K=(Ls−Lk)/Ls・・・・・・・・(1)
【0057】
グラフ8a、8bから磁性体層の透磁率を調整することで、インダクタンスおよび結合係数を増減可能なことがわかる。
【0058】
また、グラフ8cから、導体の厚みの変化、すなわち空隙幅による、インダクタンスおよび結合係数の変化を、磁性体層の透磁率を調整することで補填可能なことがわかる。
【0059】
以上より、本発明によるインダクタは、導体の厚み、磁性接着剤の透磁率と位置を変化させることで、電源要求に応じた特性の幅広い調整が可能になる。また、従来技術のように加工工数や部品点数を増やすことなく、安価なインダクタの製造が可能となった。
【0060】
以上、図面および実施例を用いて、この発明を説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明のカップリングインダクタを用いることにより、カップリング方式を用いる、パーソナルコンピュータをはじめとする各種小型電子機器電源を低価格で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】マルチフェーズ方式を示す図、図1(a)は2フェーズのDC−DCコンバータの回路図、図1(b)は波形図。
【図2】カップリング方式を示す図、図2(a)は2フェーズのDC−DCコンバータの回路図、図2(b)は波形図。
【図3】従来のインダクタを説明する図、図3(a)は分解斜視図、図3(b)は外観斜視。
【図4】従来のインダクタを説明する断面図。
【図5】従来のインダクタを説明する断面図。
【図6】従来のインダクタを説明する断面図。
【図7】本発明のインダクタを説明する図、図7(a)は分解斜視図、図7(b)は完成品の外観斜視図、図7(c)は完成品の断面図。
【図8】磁性体層の透磁率変化に対する自己インダクタンスの変化を示すグラフ。
【符号の説明】
【0063】
1a、1b、2a、2b、3g インダクタ
1c、1d、1e、1f、2c、2d、2e、2f 電界効果トランジスタ
1g、2g 平滑コンデンサ
1h、1i、1j、1k、1l、2h、2i、2j、2k、2l 波形
3a、3f、4a、5f 磁性コア
3b、3e 導電巻コイル
3c 絶縁材
4b、5e、6c、7b、7j 導体
4c スリット
5d 磁性体
6a E型磁性コア
6b、7a、7d I型磁性コア
6d ギャップ
7g、7h、7i 磁性接着剤
7f 実装端子
8a、8b、8c グラフ
K 結合係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの板状のI型磁性コアで、複数の導体を挟み、前記導体の両端部は、前記I型磁性コアの外部に引き出されて端子を形成してなるインダクタであって、前記I型磁性コアと前記導体によって形成された空隙に、前記I型磁性コアの透磁率と異なる、固有の透磁率を有する磁性体層が配されてなることを特徴とするインダクタ。
【請求項2】
前記固有の透磁率は、前記空隙毎に異なる2種類以上の値を有することを特徴とする請求項1記載のインダクタ。
【請求項3】
前記磁性体層は、磁性粉末と樹脂を混入した磁性接着剤を塗布、硬化して形成してなることを特徴とする請求項1または2記載のインダクタ。
【請求項4】
前記磁性体層は、磁性粉末を全体の40体積%以下(0を含まず)含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインダクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−129937(P2009−129937A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299967(P2007−299967)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】