説明

インバータ装置

【課題】大出力のインバータにおいてもエミッタセンス端子を利用して電流検出できる小型の電流検出装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係るインバータ装置は、直流電源に接続され、エミッタセンス端子ES〜ESを備えたスイッチング素子S〜Sおよび還流ダイオードD〜Dを含み、前記スイッチング素子のオン/オフ制御によって直流電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に変換し、負荷105に交流電力を供給するインバータと、前記インバータを制御する制御手段と、前記エミッタセンス端子に発生している電圧信号を第1PWM信号に変換する変換手段と、前記第1PWM信号を絶縁し第2PWM信号として前記制御手段に伝送する絶縁手段と、を具備し、
前記制御手段は、前記第2PWM信号から前記インバータの相電流を推定する推定手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、直流電力を所望の周波数及び大きさの交流電力に変換し、電動機を駆動するインバータ装置に関し、詳細にはインバータ出力電流の大きさを検出する電流検出システムの小型化に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電力を交流電力に変換して負荷を駆動する際に、インバータが用いられる。特に、電気自動車やハイブリッド自動車においては、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換し、電動機を駆動すると共にその回転を制御する目的でインバータが使用される。インバータはIGBTやMOSFETなどのスイッチング素子で構成されており、スイッチング素子をオン/オフさせることにより電力を変換している。
【0003】
電気自動車やハイブリッド自動車においては、搭乗スペースの確保やバッテリ体積の増大により、インバータの小型化が望まれている。インバータを構成するものにはスイッチング素子、コンデンサ、スイッチング素子駆動基板などがある。
【0004】
電動機などの負荷を目的の回転数あるいはトルクに制御するときや、過大な電流が流れないようにインバータを保護するためには、インバータから負荷へ流れる相電流を検出する必要がある。
【0005】
ホール素子を使用し、電流から発生する磁界の強度を電気信号に変換することによって、電流を検出する方法が一般的に普及している。ホール素子を使った電流センサは、非接触で電流値を検出できるので、高出力電圧のインバータと制御回路との絶縁を簡単にとれる点でメリットが大きい。
【0006】
しかし、電気自動車やハイブリッド自動車の高出力化が進み、それに伴って検出する電流範囲が広くなっている。上述した電流センサは大電流を検出するためには、大型のものが必要となり、インバータの小型化に対する課題となっている。
【0007】
従来システムには、インバータのローサイドアームを構成する3つのスイッチング素子のエミッタセンス端子と、直流入力部に設置した電流センサを用いてインバータの相電流を推定するシステムがある。このエミッタセンス端子は、インバータを構成するスイッチング素子のエミッタ電流を検出するために、スイッチング素子に追加された端子である。このエミッタセンス端子とエミッタ端子とを抵抗等で接続すると、エミッタセンス端子には、エミッタ電流に比例する電流が流れる。このようなシステムでは、エミッタセンス端子に流れる電流を抵抗により電圧に変換し、マイコンなどのコントローラに電流検出値として入力する。マイコンは、入力された電流検出値に基づいて電動機を制御する。
【0008】
上記したようなシステムは、高価な非接触電流センサが不要となり、スイッチング素子の駆動基板上に電流検出システムを実装できるため、低コスト、小型化に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−159346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
容量が小さいインバータでは、ローサイドアームの基準電圧(エミッタ電圧)の変動が小さいので、電圧検出信号を絶縁せずにコントローラに直接入力しても問題は起きない。しかし、出力が大きい電気自動車やハイブリッド自動車のインバータにおいては、スイッチング素子のエミッタ間に大電流が流れ、寄生インダクタンスや抵抗成分により電圧降下が生じ、基準電圧が変動してしまうことが課題であった。
【0011】
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、大出力のインバータにおいてもエミッタセンス端子を利用して電流検出できる小型の電流検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態に係るインバータ装置は、直流電源に接続され、エミッタセンス端子を備えたスイッチング素子および還流ダイオードを含み、前記スイッチング素子のオン/オフ制御によって直流電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に変換し、負荷に交流電力を供給するインバータと、前記インバータを制御する制御手段と、前記エミッタセンス端子に発生している電圧信号を第1PWM信号に変換する変換手段と、前記第1PWM信号を絶縁し第2PWM信号として前記制御手段に伝送する絶縁手段と、を具備し、前記制御手段は、前記第2PWM信号から前記インバータの相電流を推定する推定手段を備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るインバータ装置の回路構成図。
【図2】第1実施形態に係る絶縁回路の詳細構成図。
【図3】第1実施形態に係る電圧信号の波形図。
【図4】第2実施形態の回路ブロック図。
【図5】第2実施形態に係る電圧信号の波形図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るスイッチング素子駆動回路の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
[第1実施形態]
[構成]
先ず、図1を用いて第1実施形態の構成を説明する。
【0016】
図1は本発明によるインバータ装置を電気自動車に適用したときの実施形態の構成例を示す図である。本実施形態に係るインバータ装置は、電気自動車のみならずハイブリッド車、電気推進船等にも適用できる。
【0017】
このインバータ装置102は、アクセル装置101からトルク指令値Trq103を入力し、トルク指令値Tq103に応じて、バッテリなどの直流電圧源104の出力電力を所望の交流電力に変換し、電動機105を駆動して車輪106の回転を制御する。
【0018】
インバータ100は、直流電圧を平滑化するコンデンサ107が入力段に設けられ、スイッチング素子によりU相、V相、W相のブリッジ回路を構成している。U相のブリッジ回路は、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sの接続点が電動機5のU相巻線に接続されている。スイッチング素子Sとスイッチング素子Sには還流ダイオードDとDがそれぞれ逆並列に接続されている。
【0019】
スイッチング素子SとS,還流ダイオードDとDで構成されるV相のブリッジ回路、スイッチング素子SとS,還流ダイオードDとDで構成されるW相のブリッジ回路も同様に構成されている。
【0020】
スイッチング素子S、S、S、S、S、Sは、それぞれエミッタセンス端子ES、ES、ES、ES、ES、ESを有し、当該コレクタからエミッタへ流れる主電流を分流した電流が、エミッタセンス端子ES〜ESに流れる構造となっている。エミッタセンス端子ES〜ESは抵抗を通してスイッチング素子のエミッタに接続され、抵抗R〜Rの両端には主電流に比例した電圧降下VE〜VEが生じる(図2参照)。電圧VE〜VEは絶縁回路108を通して制御演算装置109に入力される。
【0021】
制御演算装置109は、図1のように相電流推定部110と電流制御部111で構成される。相電流推定部110は、電圧VE〜VEを基にして絶縁回路108から得られるPWM(Pulse Width Modulation)信号(後述される)と、電圧指令値を基に相電流I、I、Iを推定する。
【0022】
電流制御部111には、トルク指令値Trq103と、相電流推定部110にて推定された相電流112と、電動機の角度検出器113から得られた電気角114が入力される。電流制御部111はトルク指令値Trq103、電気角114及び相電流112に基づいて電動機のベクトル制御を行い、所望の電動機電流を得るようなゲート信号115を生成しゲート駆動回路116に出力する。ゲート駆動回路116はスイッチング素子S〜Sが有するゲートの全てに接続され、制御演算装置110から入力されたゲート信号115を電力増幅し、スイッチング素子S〜Sのオン・オフの切り替えを行う。
【0023】
制御演算装置109、絶縁回路108及びゲート駆動回路116は、インバータ制御手段を構成する。従ってインバータ装置102は、インバータ100及びインバータ制御手段(108、109、116)から構成される。
【0024】
以下、絶縁回路108について、スイッチング素子Sのエミッタセンス端子ESを例として、図2を用いて説明する。抵抗Rに生じた電圧VEUは、オペアンプ201を通して電圧信号202に増幅され、コンパレータ204にて三角波発生回路203の出力三角波と比較され、PWM信号205に変換される。オペアンプ入力の丸印は、反転端子であることを示す。ここで、三角波発生回路203の三角波周波数は、エミッタ電流の周波数に比べ遥かに高い(例えば数百倍)。PWM信号205は振幅が等しいパルス列であって、各パルスの幅(デューティ比)は、電圧VEUの振幅に実質的に比例しており、三角波の1周期に1パルス生成される。PWM信号205はフォトトランジスタなどの絶縁素子206を通して制御演算装置109へ入力される。
【0025】
三角波発生回路203および絶縁素子206はスイッチング素子S〜Sにもそれぞれ設置され、当該PWM信号が制御演算装置109へ伝達される。なお、スイッチング素子S、S、Sにおいては互いに基準電位が等しいので、それら素子S、S、Sについて三角波発生回路203は共通に使用することができる。
【0026】
以上がインバータ装置全体の構成である。
【0027】
[作用]
上述したように構成された本実施形態の作用を詳細に説明する。
【0028】
図3は各部の電流波形を示し、(a)はU相電流I、(b)はコレクタ電流IC、IC、(c)は(b)のコレクタ電流の被検出期間T(後述される)を補償した場合の電流波形である。尚図3(b)において、1つのパルス状波形は、複数(例えば数十)のPWMパルスのパルス幅に基づく複数の演算値で構成されている。以下、U相電流を例として相電流Iの推定方法を述べる。
【0029】
U相電流を推定するのに、スイッチング素子Sおよびスイッチング素子Sのエミッタセンス電流を使用する。U相電流Iが図1のように正方向のときは、スイッチング素子Sのエミッタセンス電流を用い、負方向のときはスイッチング素子Sのエミッタセンス電流を用いる。
【0030】
スイッチング素子Sに流れるコレクタ電流ICに比例した電流がエミッタセンス端子に流れる。よって、エミッタセンス端子ESとエミッタ間に接続した抵抗Rには、コレクタ電流ICに比例した電圧が発生する。
【0031】
スイッチング素子Sは、ある周波数でオン/オフを繰り返しており、オン期間のみコレクタ電流ICが流れる。しかし負荷回路のインダクタンス成分により、U相電流Iはスイッチング素子Sのオフ期間も還流ダイオードDを通して流れているため、U相電流Iの非検出期間Tが生じる。スイッチング素子Sについても同様で、オン期間にはコレクタ電流ICが流れるが、オフ期間には還流ダイオードDを通して電流が流れるため、非検出期間Tが生じる。
【0032】
抵抗Rに生じた電圧VEを制御演算装置109に伝送する必要があるが、スイッチング素子Sのエミッタ電圧は、スイッチング素子Sがオンするときには直流入力電圧104と同一の高電圧になるる。そのため、スイッチング素子側と低電圧で動作する制御演算装置109は絶縁する必要がある。
【0033】
そこで、三角波発生回路203の出力三角波と、オペアンプで電圧VEUを増幅した信号202とをコンパレータ204で比較することで、電圧VEUをPWM信号205に変換し、フォトトランジスタなどの絶縁素子206を通して制御演算装置109に伝送する。
【0034】
制御演算装置内109には、相電流推定部110が設けられている。相電流推定部110は、入力されたPWM信号205を読み取り、相電流Iを推定する。
【0035】
非検出期間Tにおける電流値は、非検出期間Tの直前の検出期間の最後のサンプリングで得られた電流値と同値とし、電圧信号VEUを復元してICと同等の信号302を得る。スイッチング素子Sについても同様に、図3(c)のように補償した信号が得られ、相電流Iの負電流期間の値が推定できる。
【0036】
このようにしてU相電流が推定できるが、V、W相電流も同様の方法で推定できる。また、3相の電流を加算するとゼロになるため、例えばU、W相電流の2相だけ推定しても、V相電流は以下の式で求められる。
【数1】

【0037】
[効果]
従来例においては、エミッタセンス端子の信号を直接制御演算装置に入力している為、インバータ100に大電流が流れると基準電位が変動し、相電流の推定精度が悪化する。最悪の場合、制御側回路が破壊することもある。
【0038】
本実施例によれば、絶縁をして検出信号を伝送するので、インバータ100の基準電位変動の影響を受けず、精度よく相電流を推定できる上、制御側回路の信頼性も向上する。
【0039】
さらに、絶縁によって上アームを構成するスイッチング素子S、S、Sの電流も検出できるため、従来のような直流電流センサが無くても相電流が推定できる。このため、非接触電流センサやシャント抵抗を全く用いずに電流検出システムを構成でき、システム全体の小型化、低コスト化に寄与する。
【0040】
[第2実施形態]
[構成]
次に、本発明に係るインバータ装置の第2実施形態を説明する。なお第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0041】
前述した第1実施形態では、スイッチング素子をオン/オフする周波数(以下、スイッチング周波数という)が高くなると、コレクタ電流1周期の間にPWMで伝送できる電流振幅値のサンプル数が少なくなる。スイッチング周波数が三角波発生回路203の出力三角波の周波数付近にまで高くなると、コレクタ電流振幅を制御演算装置109で正確に復元することができなくなる。第2実施形態では、スイッチング周波数が高いときに、第1実施形態で説明したPWM絶縁方式が使用できなくなることを回避する。
【0042】
第1実施形態と同様、スイッチング素子Sを例として第2実施形態の構成を図4を参照して説明する。本実施形態に係るインバータ装置102は、フィルタ回路401、絶縁回路108を含み、絶縁回路108は図2で示す回路203〜206を含む回路に対応する。すなわち本実施形態の構成は、図2のオペアンプ201の代わりにフィルタ回路401を設けた構成である。
【0043】
抵抗Rに生じた電圧VEはフィルタ回路401を通して連続した電圧信号402に変換される。電圧信号402を第1実施形態と同様、絶縁回路108を通してPWM信号403に変換し、制御演算装置109へ入力する。
【0044】
フィルタ回路401および絶縁回路108はスイッチング素子S〜Sにもそれぞれ設置され、PWM信号が制御演算装置109へ伝達される。
【0045】
[作用]
上述したように構成された本実施形態の作用を図5を参照して説明する。図5の(a)はU相電流I、(b)はコレクタ電流IC、ICを示すエミッタセンス端子の電圧VEU、(c)はフィルタ回路401の出力電圧波形、(d)は(a)に示すコレクタ電流の位相遅れ信号波形である。
【0046】
フィルタ回路401は、図5(b)のようなエミッタセンス端子の電圧VEUを、図5(c)のように連続した信号402に変換する。フィルタ回路401の時定数は、スイッチング素子のスイッチング周期より大きく、コレクタ電流Iの周期すなわち出力交流電圧の周期より小さくする必要がある。また時定数は、出力交流電圧の周波数に応じて変化させてもよい。エミッタセンス端子の電圧VEUをこのような連続した信号にすることで、PWM信号に変換でき絶縁が実現できる。ただし、フィルタ回路401の出力信号402は非検出期間とフィルタ回路401の周波数特性の影響で、振幅のピーク値が基の信号ICより小さくなっている。さらに、フィルタ回路401では位相遅れδが生じる。
【0047】
第1実施形態と同様に、三角波発生回路出力信号と信号402をコンパレータで比較してPWM信号403を生成し、フォトトランジスタなどの絶縁素子を通して制御演算装置109に伝送する。相電流推定部110は、PWM信号403のデューティ比に基づいて信号を復元する。
【0048】
復元した信号も前述したように、フィルタ回路401によって基の相電流に比べて振幅が減衰し、位相遅れδが生じている。相電流推定部110は、減衰した振幅を予め分かっているフィルタの周波数特性を利用して補償し、図5(d)の信号501とする。信号501は非検出期間とフィルタによる振幅の減衰が補償されているが、相電流Iに対して位相が遅れている点が異なる。相電流I、Iについても位相がδ遅れた相電流推定値を求める。
【0049】
位相遅れδの補償は電流制御部111において、ベクトル制御に用いる三相→dq変換時に行う。三相→dq変換は下記の式で示される。
【数2】

【0050】
ここで、θは静止座標と回転座標間の角度であり、特に電動機が永久磁石電動機の場合には、磁界の回転角度を表す。フィルタ回路401の周波数特性は予めわかっているので、位相遅れδは求められる。検出した相電流の位相はδだけ遅れているので、dq軸電流を求めるには下記の式を用いる。
【数3】

【0051】
このようにしてdq軸電流を求め、フィルタ回路によって生じた位相遅れを補償できる。
【0052】
[効果]
スイッチング素子の高速化により、スイッチング周波数は年々高まってきている。PWM信号の周波数、すなわち三角波発生回路の出力三角波の周波数をスイッチング周波数より十分高くすれば絶縁は実現できるが、制御演算装置のデューティ比演算の速度には限界がある。さらに、三角波発生回路やフォトトランジスタのバラツキにより、PWM信号の精度が著しく悪化する。
【0053】
第2実施形態のようにフィルタ回路を使用して連続した信号に変換することで、スイッチング周波数に関わらずPWM信号の周波数を決定でき、精度を悪化させずに相電流を推定できる。
【0054】
以上の説明はこの発明の実施の形態であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができるものである。例えば、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。
【符号の説明】
【0055】
100…インバータ、101…アクセル装置、102…インバータ装置、103…トルク指令値、104…直流電源、105…電動機、106…車輪、107…平滑コンデンサ、108…絶縁回路、109…制御演算装置、110…相電流推定部、111…電流制御部、112…推定相電流、113…角度センサ、114…電気角、115…ゲート信号、116…ゲート駆動回路、201…オペアンプ、202…増幅信号、203…三角波発生回路、204…コンパレータ、205…PWM信号、206…絶縁素子、301…コレクタ電流ICに準ずる信号、302…非検出期間補償信号、401…フィルタ回路、402…連続信号、403…PWM信号、501…位相遅れ信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源に接続され、エミッタセンス端子を備えたスイッチング素子および還流ダイオードを含み、前記スイッチング素子のオン/オフ制御によって直流電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に変換し、負荷に交流電力を供給するインバータと、
前記インバータを制御する制御手段と、
前記エミッタセンス端子に発生している電圧信号を第1PWM信号に変換する変換手段と、
前記第1PWM信号を絶縁し第2PWM信号として前記制御手段に伝送する絶縁手段と、を具備し、
前記制御手段は、前記第2PWM信号から前記インバータの相電流を推定する推定手段を備えるインバータ装置。
【請求項2】
前記推定手段は、前記エミッタセンス端子の非電流検出期間の電流値を、該非電流検出期間直前の電流推定値と同値とし、前記非電流検出期間を補償することを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
直流電源に接続され、エミッタセンス端子を備えたスイッチング素子および還流ダイオードを含み、前記スイッチング素子のオン/オフ制御によって直流電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に変換し、負荷に交流電力を供給するインバータと、
前記インバータを制御する制御手段と、
前記エミッタセンス端子に発生している電圧信号をフィルタ処理し連続した信号を生成するフィルタ処理手段と、
前記連続した電圧信号を第1PWM信号に変換する変換手段と、
前記第1PWM信号を絶縁し第2PWM信号として前記制御手段に伝送する絶縁手段と、を具備し、
前記制御手段は、前記第2PWM信号から前記インバータの相電流を推定する推定手段を備えるインバータ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記フィルタ処理において生じた減衰および位相遅れを補償する手段を具備することを特徴とする請求項3に記載のインバータ装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記位相遅れ補償をベクトル制御における三相→dq変換時に行うことを特徴とする請求項4記載のインバータ装置。
【請求項6】
前記フィルタ処理手段は、フィルタ時定数を前記スイッチング素子のスイッチング周期より長く、前記交流電圧の周期より短い値に設定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のインバータ装置。
【請求項7】
前記フィルタ処理手段は、前記交流電圧の周波数に応じて時定数を変化させることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のインバータ装置。
【請求項8】
エミッタセンス端子を備えたスイッチング素子を含み、前記スイッチング素子のオン/オフを制御して、直流電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に変換するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
前記エミッタセンス端子に発生している電圧信号を第1PWM信号に変換する変換手段と、
前記第1PWM信号を絶縁し第2PWM信号として前記制御手段に伝送する絶縁手段と、
前記第2PWM信号から前記インバータの相電流を推定する手段と、
を備えるインバータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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