説明

インパルス発生装置,通信装置,及びインパルス制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体

【課題】インパルスの出力値を簡素な構成によって可変制御できるようにする。
【解決手段】インパルスを発生するインパルス発生部50と、このインパルス発生部50に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、インパルス発生部50から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部40とをそなえて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インパルス信号を発生させる際に、インパルスの出力値を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インパルス信号(インパルス波形)を積極的に用いたインパルス方式超広帯域(UWB:Ultra WideBand)無線通信方式の実用化検討が多くなされている。
このインパルス方式UWB無線通信は、搬送波を用いずに非常に短いインパルスを使用して通信する方式であり、インパルスを用いることで非常に広帯域のスペクトルになるが、スペクトル密度が低いので、他のシステムに干渉を与えにくいという特徴がある。
【0003】
さらに、インパルス方式UWB無線通信は、搬送波を用いた通信とは異なり、インパルス送信時以外は電力送信しないので、低消費電力が可能であるという特徴もある。
インパルスの発生には、例えば、ステップリカバリダイオード(スナップオフダイオードとも呼ばれる)を用いた回路が使われる。このステップリカバリダイオードに順方向電圧を加えた状態から逆方向電圧が加わるようにすることにより、数GHz以上(最大で20GHz程度)の高い周波数成分を含む鋭い立ち上がりの電圧波形を得ることができ、この電圧波形を微分、波形整形することでインパルスを得ることができる。
【0004】
なお、従来から、インパルス方式のUWB無線通信方式では、インパルス発生回路の後段にディジタル制御減衰器(ディジタル可変減衰器;例えば、アッテネータ)を設けて、インパルス発生回路から発生されるインパルスの出力を調整する技術(例えば、下記特許文献1参照)や、フィードバック制御によってインパルス発生回路からの出力を一定にする技術(例えば、下記特許文献2参照)がある。
【特許文献1】特表2003−515974号公報
【特許文献2】特表2003−529273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、UWB無線通信における許容放射電力は、インパルス信号のピーク放射電力と平均放射電力とが特定の値を超えないことで規定される。例えば、米国連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)では、UWBの場合には、3.1GHz〜10.6GHzにおいて、インパルスの平均放射電力を−41.3dBm/MHz以下になるように、また、ピーク放射電力は−33.98dBm/MHz(50MHz分解能で+0dBm/MHzと規定されており1MHz分解能では換算式によりこの値となる)以下になるように規定している。これをFCCマスクという。
【0006】
したがって、遠距離通信などでインパルスの出力値(波高値;以下、単に出力ともいう)を上げる場合には、平均放射電力の規定値を順守するために、インパルスの放射頻度を減らす必要がある。一方、近距離通信などで通信速度を上げるためにインパルスの放射頻度を増やす場合には、平均放射電力の規定値を順守するために、インパルスの出力値を下げる必要がある。
【0007】
換言すると、例えば、FCCマスクのような規制の下、ピーク値制限を満たしながらインパルス出力を上げるときには、インパルスの放射頻度を減らすことによって、通信距離を伸ばすことができる。逆に、通信距離が近い場合には、インパルスの放射頻度を増やして個々のインパルス出力を下げることによって高速通信が可能になる。
また、UWBの周波数帯域は、他の無線通信システムでも使用されており、お互いの干渉回避のために、不必要な大きさの電力を放射することは極力避けることが望ましい。
【0008】
このように、インパルス方式のUWB無線通信方式では、インパルスの放射頻度とともに、インパルスの出力値を変更する必要性が高く、インパルスの出力を積極的に可変する機構を、できるだけ安価で簡素な構成で実現することが望まれている。
しかしながら、上述した従来の技術では、ディジタル制御減衰器など比較的高価な電子部品が必要である。しかも、ディジタル制御減衰器などは、これを制御するためのインタフェース(もしくは制御回路)も別途用意しなければならず、製造コストがさらに嵩んでしまうとともに、構成も複雑化してしまう。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、インパルスの出力値を簡素な構成によって可変制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、インパルス発生装置は、インパルスを発生するインパルス発生部と、このインパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部とをそなえて構成されていることを特徴としている(請求項1)。
なお、前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することが好ましい(請求項2)。
【0011】
さらに、前記制御部が、前記入力信号の電圧を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することが好ましい(請求項3)。
また、上記目的を達成するために、本発明の通信装置は、インパルス方式のUWB(Ultra WideBand)無線通信方式によって無線通信を行なう無線通信システムに用いられるものであって、前記無線通信に用いるインパルスを発生するインパルス発生部と、このインパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部とをそなえて構成されていることを特徴としている(請求項4)。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体は、インパルスを発生するインパルス発生部をそなえたインパルス発生装置において、このインパルス発生装置によって発生されるインパルスの出力値を制御する機能をコンピュータに実現させるためのインパルス制御プログラムを記録したものであって、このインパルス制御プログラムが、前記インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部として、前記コンピュータを機能させることを特徴としている(請求項5)。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明によれば、制御部が、インパルス発生部に入力される入力信号を変化させることによってインパルス発生部から発生されるインパルスの出力値を制御するので、インパルス発生部の出力調整をインパルス発生部の前段で、しかもその入力信号を変更するだけで実行することができる。したがって、例えばディジタル制御減衰器のような、インパルス発生部の出力を調整するための機構を、インパルス発生部の後段にそなえる必要が一切なく、非常に簡素な構成でインパルスの出力値の制御を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
〔1〕本発明の一実施形態について
まず、図1に示すブロック図を参照しながら、本発明の一実施形態としての通信装置の構成について説明する。この図1に示すように、本通信装置(インパルス方式UWB(Ultra WideBand)無線通信装置)1は、パルス周波数源10,PN(Pseudo Noise)系列発生部11,PPM(Pulse Position Modulation)データ変調部12,インパルス生成器(インパルス発生装置)30,BPF(Band Pass Filter)13,PA(Power Amplifier)14,送信アンテナ15,受信アンテナ16,BPF17,LNA(Low Noise Amplifier:低雑音アンプ)18,パルス検出部19,相関器20,及びPPMデータ復調部21をそなえて構成されている。
【0015】
これらパルス周波数源10,PN系列発生部11,PPMデータ変調部12,インパルス生成器30,BPF13,PA14,及び送信アンテナ15は、データを送信するための送信機構であり、受信アンテナ16,BPF17,LNA18,パルス検出部19,相関器20,及びPPMデータ復調部21はデータを受信するための受信機構である。
本通信装置1は、本通信装置1と同一もしくは略同一に構成された他の通信装置とインパルス方式のUWB無線通信方式によって互いに無線通信可能に接続される。つまり、本通信装置1は、かかる他の通信装置との間で、インパルス信号(以下、単にインパルスともいう)を用いたデータの送受信が可能である。
【0016】
ここで、図2を参照しながら、本通信装置1のインパルスを用いたデータ送受信方法(インパルス方式のUWB無線通信方式)について説明する。
図2に示すように、通信装置1が送信する送信データは、例えば、PN系列の一種である8値(つまり、0〜7の8つの値)のRS(Reed-Solomon;リードソロモン)系列でタイムホッピングされており、さらに、パルス位置変調(PPM)でデータ変調されている。
【0017】
パルス位置を変更しうる最小時間単位である1チップが100nsの場合、RS系列として例えば“5763421”を使用すると、送信されるデータ(THデータ)のうちの、同期用のデータ無変調のプリアンブル部は、1シンボル(7μs)のうちの7つのパルス区間(1パルス区間は1μs)のそれぞれにおいて、最初のパルスは500nsの位置にタイムホッピングされ、次のパルスは700nsの位置に、その次のパルスは600nsの位置に、その次のパルスは300nsの位置に、その次のパルスは400nsの位置に、その次のパルスは200nsの位置に、その次のパルスは100nsの位置に、それぞれタイムホッピングされる。
【0018】
なお、図2では、図の簡略化のため、プリアンブル部の最前部(図中左端)から4〜6番目のシンボルは省略している。さらに、図2において、縦の太実線が、パルスがタイムホッピングされていることを示している。
そして、プリアンブル部に後続するデータ部(通信データ)も、プリアンブル部と同様にRS系列でタイムホッピングされるが、このデータ部の各パルス区間において“1”を示す場合には、パルスをプリアンブル部でタイムホッピングされた位置よりも1チップ分後段にずらす、いわゆるパルス位置変調を行なっており、これによって“1”のデータを表している。このように、インパルス方式のUWB無線通信方式(本通信装置1)では、パルス位置変調されたデータ部を送受信することによって、インパルスを用いたデータの送受信を実現しているのである。
【0019】
具体的には、例えば、データ部が“0110000”を示す場合、プリアンブル部が示す“5763421”のRS系列が、データ部では“5873421”に変調され、7つのパルス区間のそれぞれにおいて、最初のパルスは500nsの位置に、その次のパルスは800nsの位置に、その次のパルスは700nsの位置に、その次のパルスは300nsの位置に、その次のパルスは400nsの位置に、その次のパルスは200nsの位置に、その次のパルスは100nsの位置に、それぞれタイムホッピングされる。
【0020】
つまり、データ部において“1”を示す2番目のパルス区間では、プリアンブル部では700nsの位置でパルスがホッピングされるのに対して、データ部ではその1チップ分後段の800nsの位置でパルスがホッピングされる。また、同じく“1”を示す3番目のパルス区間でも、プリアンブル部では600nsの位置でパルスがホッピングされるのに対して、データ部では700nsの位置でパルスがホッピングされる。なお、図2では、図の簡略化のためデータ部の最前部から5〜7番目のシンボルは省略している。
【0021】
ここで、図1を参照しながら、本通信装置1の各構成要素について詳細に説明すると、
パルス発生源10は、クロックを発生するものであり、例えば制御回路等(図示略)によって制御されて、発生するインパルスの1チップの時間が所望の時間になるようにクロックを発生する。
PN系列発生部11は、上述したようなRS系列を発生するものである。
【0022】
PPMデータ変調部12は、送信データ(つまり、データの“1”,“0”)に応じてPPM変調を実行するものである。
インパルス生成器30は、ステップリカバリダイオード51(後述する図3参照)により、パルスの立ち上がり部で非常に細かいインパルスを生成するものであり、PPMデータ変調部12によって変調されたデータに基づくパルス入力信号と、制御回路等(図示略)からのインパルスの出力値(波高値;振幅)を制御するための制御信号とに基づいて、インパルスを生成する。
【0023】
BPF13は、インパルス生成器30によって生成されたインパルスの所定成分を除去するものである。
インパルス生成器30によって生成されたインパルスは、非常に広い帯域を有しているが、例えば、FCCマスクに適合させる場合には、3.1GHz〜10.6GHzのBPF13を用いることによって、インパルス生成器30によって生成されたインパルスをかかるBPF13に通すことで、3.1GHzよりも低い不要な成分や10.6GHzよりも高い不要な成分を除去することができる。
【0024】
そして、本通信装置1では、BPF13を通過したインパルスは、PA14によって増幅され、送信アンテナ15から発信される。
次に、本通信装置1の受信系の各構成要素について説明すると、他の通信装置から発信されたインパルスを、受信アンテナ16が受信すると、BPF17が余分な成分を除去する。
【0025】
LNA18は、受信したインパルスを増幅するものである。
パルス検出部19は、LNA18によって増幅されたインパルスを受信データとして検出するものである。具体的には、パルス検出部19は、例えば、ダイオードによる包絡線検波回路(図示略)と、コンパレータ(図示略)とをそなえて構成されており、これら包絡線検波回路やコンパレータによってパルス検出する。
【0026】
相関器20は、パルス検出部19によって検出されたパルスからプリアンブル部を検出するものであり、例えば、デジタルマッチドフィルタ(図示略)をそなえ、パルス検出部19で検出されたパルスと、PN系列発生部11によって発生されたRS系列とを比較することによって、かかるパルスとRS系列との一致(相関)をみて、かかるパルスからプリアンブル部を抽出する。
【0027】
PPMデータ復調部21は、相関器20によってプリアンブル部が検出されると、同期が確立されたとして、プリアンブル部の後段のデータ部のPPMを復調して受信データを生成するものである。
なお、本通信装置1では、送信アンテナ15と受信アンテナ16とを別に設けたが、アンテナを一つだけそなえ、送信アンテナと受信アンテナとを同一のアンテナで兼用するように構成してもよい。また、BPF13,17を送信系と受信系とで別途そなえているが、BPFについても一つのもので送受信時に兼用するようにしてもよい。
【0028】
ここで、図3に示すブロック図を参照しながら、本通信装置1のインパルス生成器30の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、インパルス生成器30は、制御部40と、インパルス発生部50とをそなえて構成されている。
制御部40は、インパルスを発生するインパルス発生部50に入力される、インパルスを発生させるためのパルス入力信号(入力信号;入力パルス)を変化させることによって、インパルス発生部50から出力されるインパルスの出力値(波高値)を制御するものである。
【0029】
つまり、制御部40は、制御回路等(図示略)からの、所望のインパルスの出力値を示す制御信号に基づいて、PPMデータ変調部12によって変調されたパルス入力信号のオン/オフ時間と電圧との少なくともいずれかを変化させることにより、インパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値を制御するものである。
なお、制御部40が変化させるパルス入力信号のオン/オフ時間は、所定時間単位(つまり、インパルス発生する最小時間単位である1チップの時間)におけるオン時間もしくはオフ時間のことをいう。したがって、オン時間を指定することによってオフ時間も指定されることになるので、以下の説明においては、オン/オフ時間のことを単にオン時間という。
【0030】
ここで、図4,図5を参照しながら、制御部40によって変更されるパルス入力信号のオン時間及び電圧と、インパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値との関係について説明する。なお、図4,図5に示す関係は、インパルス発生部50が200nsecおきにインパルスを出力する場合のものである。
図4は、パルス入力信号の電圧(入力パルス電圧)が3Vの場合、及び、1.2Vの場合のそれぞれにおいて、オン時間(入力パルスオン時間)を150〜180nsecの範囲で変化させたときのインパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値を示すものであり、図5は、パルス入力信号の電圧を0.8〜1.2Vの範囲で変化させたときのインパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値を示すものである。
【0031】
図4に示すごとく、本インパルス生成器30のインパルス発生部50(具体的には、後述の図7に示す回路構成)によれば、電圧が3Vの場合も1.2Vの場合も、パルス入力信号のオン時間が長くなるほど、発生するインパルスの出力値は低下する。
また、図5に示すごとく、インパルス発生部50によれば、パルス入力信号の電圧が0.8VからαVまでの間は、電圧を上げるとインパルスの出力値も上昇するが、αV以降は、パルス入力信号の電圧が上昇してもインパルスの出力値は上昇せずに一定値βをとる。
【0032】
このようなインパルス発生部50に入力されるパルス入力信号のオン時間及び電圧と、インパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値との間の関係を利用して、制御部40は、パルス入力信号のオン時間及び/または電圧を変化させることによって、インパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値を制御するのである。
具体的には、図3に示すように、制御部40は、テーブル41及びD/A(Digital/Analog)コンバータ42をそなえて構成されている。
【0033】
テーブル41は、図6に示すごとく構成されており、インパルス発生部50からのインパルスの出力値と、入力信号(図中“入力パルス設定”と表記)のオン時間及び電圧との対応を示している。なお、図6に示すテーブル41は、インパルス発生部50が200nsecおきにインパルスを出力する場合のものである。
そして、制御部40は、所望のインパルスの出力値を示す制御信号を入力されると、PPMデータ変調部12からのパルス入力信号のオン時間及び/又は電圧を、テーブル41に基づいて変更して、インパルス発生部50に入力するパルス入力信号を生成する。
【0034】
具体的には、かかる制御信号がインパルスの出力値を2.9Vにすべく制御部40に入力されたものであれば、制御部40はテーブル41に基づいて、パルス入力信号のオン時間を100nsecに設定するとともに、電圧を3Vに設定する。
また、制御信号がインパルスの出力値を2.06Vにすべく制御部40に入力されたものであれば、制御部40はテーブル41に基づいて、パルス入力信号のオン時間を180nsecに設定するとともに、電圧を3Vに設定する。
【0035】
さらに、制御信号がインパルスの出力値を1.46Vにすべく制御部40に入力されたものであれば、制御部40はテーブル41に基づいて、パルス入力信号のオン時間を180nsecに設定するとともに、電圧を1.32Vに設定する。
また、制御信号がインパルスの出力値を1.03Vにすべく制御部40に入力されたものであれば、制御部40はテーブル41に基づいて、パルス入力信号のオン時間を180nsecに設定するとともに、電圧を1.13Vに設定する。
【0036】
さらに、制御信号がインパルスの出力値を0.73Vにすべく制御部40に入力されたものであれば、制御部40はテーブル41に基づいて、パルス入力信号のオン時間を180nsecに設定するとともに、電圧を1.05Vに設定する。
また、制御信号がインパルスの出力値を0.52Vにすべく制御部40に入力されたものであれば、制御部40はテーブル41に基づいて、パルス入力信号のオン時間を180nsecに設定するとともに、電圧を1.00Vに設定する。
【0037】
D/Aコンバータ42は、制御部40がテーブル41に基づいて設定したパルス入力信号をインパルス発生部50に入力すべく、ディジタルデータからアナログデータに変換するものである。
インパルス発生部50は、制御部40から入力されるパルス入力信号に基づいて、インパルスを発生するものであり、例えば、ステップリカバリダイオード51と、変更部52とをそなえている。
【0038】
つまり、インパルス発生部50は、ステップリカバリダイオード51に順方向電圧を加えた状態(順方向バイアス印加)から逆方向電圧を加えることにより、非常に高い周波数成分を含む鋭い立ち上がりの電圧波形を得て、これを微分、波形整形することによってインパルスを得る。
変更部52は、ステップリカバリダイオード51の順方向バイアス印加から逆方向バイアス印加へのスイッチ時に入力される逆方向電圧を、制御部40から入力されるパルス入力信号(特に、当該パルス入力信号のオン時間及び電圧)に応じて変更するものである。
【0039】
図7にステップリカバリダイオード51及び変更部52を含むインパルス発生部50の回路構成を示す。この図7に示すように、インパルス発生部50は、電源電圧Vcc,抵抗R1〜R5,コンデンサC1〜C3,トランジスタQ,及びステップリカバリダイオード51をそなえて構成されている。
ここで、インパルス発生部50に入力されるパルス入力信号のオン時間が100nsec、電源電圧Vccが3Vである場合の、本回路の動作を説明する。また、図8(a)〜(d)に、この場合の図7に示すA〜D点のそれぞれにおける電圧変化を示し、この図8(a)〜(d)も用いて本回路の動作を説明する。
【0040】
なお、図8(a)はA点での電圧変化を示し、図8(b)はB点での電圧変化を示し、図8(c)はC点での電圧変化(つまり、ステップリカバリダイオード51に印加される逆方向電圧の変化)を示し、図8(d)はD点での電圧変化(つまり、インパルス発生部50から出力されるインパルスの出力値の変化)を示している。
図7のA点の入力Vaが3Vから0Vに変わると(図8(a)参照)、電源電圧(トランジスタ)Vccより抵抗R3を通して電流が流れ、コンデンサC2に電荷が蓄積し、その結果、B点の電位Vbが上昇していく(図8(b)参照)。
【0041】
一方、C点の電位Vcは、電源電圧Vccと抵抗R5とステップリカバリダイオード51自身の特性で決まる、略一定の電圧Vbiasがかかった状態となる(図8(c)参照)。
そして、適当なタイミングで入力Vaが3Vに変化すると(図8(a)の時間x参照)、B点の電圧Vbは略0Vまで下がり(図8(b)の時間x参照)、C点の電位VcもB点と同じ電圧変化を起こす(図8(c)の時間x参照)。
【0042】
この結果、ステップリカバリダイオード51に逆バイアス電圧がかかる。
このとき、ステップリカバリダイオード51には一旦逆電流が流れ、その後、このステップリカバリダイオード51の特性から非常に短時間に電流の流れが止まる。このときにGHzオーダもしくはそれ以上の周波数成分を持つ非常に急峻な電圧変化が生じる(図8(d)の時間x参照)。
【0043】
これをコンデンサC3で直流成分を除去し、波形整形することにより非常に鋭いインパルスを得ることができる。
なお、このときコンデンサC2に蓄えられる電荷をトランジスタQのオン/オフ時間の比率で調整することによって、インパルス出力の波高値(インパルスの出力値)を変化させることができる。
【0044】
このように、インパルス発生部50では、A点の入力波形(入力パルス)のオンオフのデューティと電圧値とにより、D点の出力が変化する。
また、図9(a)〜(d)にパルス入力信号のオン時間が180nsec、電圧が3Vの場合のA〜D点のそれぞれにおける電圧変化を示し、図10(a)〜(d)にパルス入力信号のオン時間が180nsec、電圧が1.2Vの場合のA〜D点のそれぞれにおける電圧変化を示す。なお、図9(a),図10(a)はA点での電圧変化を示し、図9(b),図10(b)はB点での電圧変化を示し、図9(c),図10(c)C点での電圧変化(つまり、ステップリカバリダイオード51に印加される逆方向電圧の変化)を示し、図9(d),図10(d)はD点での電圧変化(つまり、インパルス発生部50から出力されるインパルスの出力値の変化)を示している。
【0045】
これら図9(a)〜(d)及び図10(a)〜(d)にも示すように、インパルス発生部50に入力される、制御部40によって設定変更されたパルス入力信号のオン時間及び電圧の違いによって(図9(a)及び図10(a)参照)、インパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値は変化する(図9(d)及び図10(d)参照)。
ここでは、パルス入力信号の電圧が低い図10(a)〜(d)に示す例の方が、図9(a)〜(d)に示す例よりもインパルスの出力値が低くなる(図9(d)及び図10(d)参照)。
【0046】
このように、インパルス発生部50によれば、制御部40がテーブル41に基づいてパルス入力信号のオン時間及び電圧を設定変更することによって、パルス入力信号のオン時間及び電圧に対応する、所望の出力値のインパルスを得ることができる。
すなわち、制御部40は、テーブル41に基づいてインパルス発生部50から所望の出力値のインパルスが得られるようなパルス入力信号を生成することができる。
【0047】
このように、本発明の一実施形態としての通信装置1(インパルス生成器30)によれば、制御部40がインパルス発生部50に入力されるパルス入力信号を変更することによってインパルス発生部50から発生されるインパルスの出力値を制御するので、インパルス発生部50の出力調整を、インパルス発生部50の前段で実行することができる。したがって、本通信装置1では、上述した従来技術のように、インパルス発生部50の後段にディジタル制御減衰器等のインパルス発生部50の出力を調整する機構を一切必要とせず、さらに、ディジタル制御減衰器を制御するためのインタフェース(ポート等)や制御回路等も必要としないので、非常に簡素な構成でインパルスの出力値の制御を実現することができる。
しかも、高価なディジタル制御減衰器や、これを制御するためのインタフェース及び制御回路が不要なので、製造コストも省コスト化することができる。
【0048】
〔2〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、制御部40がテーブル41に基づいて、インパルス発生部50に入力されるパルス入力信号のオン/オフ時間及び電圧を変更するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、制御部40が、インパルスの出力値とパルス入力信号のオン/オフ時間との対応を示すテーブルをそなえ、このテーブルに基づいて制御部40がパルス入力信号のオン/オフ時間のみを変更するように構成してもよい。また、制御部40が、インパルスの出力値とパルス入力信号の電圧との対応を示すテーブルをそなえ、このテーブルに基づいて制御部40がパルス入力信号の電圧のみを変更するように構成してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態の変形例として、制御部40の機能をFPGA(Field Programmable Gate Array)によって実現するように構成してもよい。つまり、図11に示すごとく、インパルス生成器30´の制御部40´を、FPGA(Field Programmable Gate Array)60によって実現する。このとき、FPGA60内に予め必要なインパルス出力が得られるようなオン/オフ時間幅を設定しておき、その一定ロジックレベルのパルス入力信号を、インパルス発生部50に加えることにより、所望の(必要な)出力値のインパルスを得ることができるようにしてもよい。
【0050】
さらに、上述した実施形態では、インパルス生成器30をインパルス方式のUWB無線通信方式を採用した通信装置1に適用した例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本インパルス生成器30は、インパルス信号を用いるあらゆるシステムに適用することができる。
なお、上述した制御部40(制御部40´)としての機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(インパルス制御プログラム)を実行することによって実現されてもよい。
【0051】
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からインパルス制御プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0052】
ここで、コンピュータとは、ハードウェアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
【0053】
上記インパルス制御プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、制御部40としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
なお、本実施形態としての記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【0054】
〔3〕付記
(付記1)
インパルスを発生するインパルス発生部と、
該インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部とをそなえて構成されていることを特徴とする、インパルス発生装置。
【0055】
(付記2)
前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、付記1記載のインパルス発生装置。
(付記3)
前記インパルス発生部から発生される前記インパルスの出力値と前記入力信号のオン/オフ時間との対応を示すテーブルをそなえ、
前記制御部が、前記テーブルに基づいて前記入力信号のオン/オフ時間を変化させることを特徴とする、付記2記載のインパルス発生装置。
【0056】
(付記4)
前記制御部が、前記入力信号の電圧を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、付記1記載のインパルス発生装置。
(付記5)
前記インパルス発生部から発生される前記インパルスの出力値と前記入力信号の電圧との対応を示すテーブルをそなえ、
前記制御部が、前記テーブルに基づいて前記入力信号を変化させることを特徴とする、付記4記載のインパルス発生装置。
【0057】
(付記6)
前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間及び電圧を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、付記1記載のインパルス発生装置。
(付記7)
前記インパルス発生部から発生される前記インパルスの出力値と、前記入力信号のオン/オフ時間及び電圧の組み合わせとの対応を示すテーブルをそなえ、
前記制御部が、前記テーブルに基づいて前記入力信号を変化させることを特徴とする、付記6記載のインパルス発生装置。
【0058】
(付記8)
前記インパルス発生部が、
インパルスを発生するステップリカバリダイオードと、
該ステップリカバリダイオードの順方向バイアス印加から逆方向バイアス印加へのスイッチ時に該ステップリカバリダイオードに入力される逆方向電圧を、前記制御部によって変化される入力信号に応じて変更する変更部とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記1記載のインパルス発生装置。
【0059】
(付記9)
前記制御部が、FPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されていることを特徴とする、付記1記載のインパルス発生装置。
(付記10)
インパルス方式のUWB(Ultra WideBand)無線通信方式によって無線通信を行なう無線通信システムに用いられる通信装置であって、
前記無線通信に用いるインパルスを発生するインパルス発生部と、
該インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部とをそなえて構成されていることを特徴とする、通信装置。
【0060】
(付記11)
前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、付記10記載の通信装置。
(付記12)
前記インパルス発生部から発生される前記インパルスの出力値と前記入力信号のオン/オフ時間との対応を示すテーブルをそなえ、
前記制御部が、前記テーブルに基づいて前記入力信号のオン/オフ時間を変化させることを特徴とする、付記11記載の通信装置。
【0061】
(付記13)
前記制御部が、前記入力信号の電圧を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、付記10記載の通信装置。
(付記14)
前記インパルス発生部から発生される前記インパルスの出力値と前記入力信号の電圧との対応を示すテーブルをそなえ、
前記制御部が、前記テーブルに基づいて前記入力信号を変化させることを特徴とする、付記13記載の通信装置。
【0062】
(付記15)
前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間及び電圧を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、付記10記載の通信装置。
(付記16)
前記インパルス発生部から発生される前記インパルスの出力値と、前記入力信号のオン/オフ時間及び電圧の組み合わせとの対応を示すテーブルをそなえ、
前記制御部が、前記テーブルに基づいて前記入力信号を変化させることを特徴とする、付記15記載の通信装置。
【0063】
(付記17)
前記インパルス発生部が、
インパルスを発生するステップリカバリダイオードと、
該ステップリカバリダイオードの順方向バイアス印加から逆方向バイアス印加へのスイッチ時に該ステップリカバリダイオードに入力される逆方向電圧を、前記制御部によって変化される入力信号に応じて変更する変更部とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記10記載の通信装置。
【0064】
(付記18)
前記制御部が、FPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されていることを特徴とする、付記10記載の通信装置。
(付記19)
インパルスを発生するインパルス発生部をそなえたインパルス発生装置において、該インパルス発生装置によって発生されるインパルスの出力値を制御する機能をコンピュータに実現させるためのインパルス制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記インパルス制御プログラムが、
前記インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする、インパルス制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0065】
(付記20)
前記インパルス制御プログラムが、
前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間と電圧との少なくとも一方を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御するように、前記コンピュータを機能させることを特徴とする、付記19記載のインパルス制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態としての通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての通信装置によるインパルス信号を用いた無線通信処理を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態としての通信装置のインパルス生成器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての通信装置のインパルス発生部に入力されるパルス入力信号のオン時間の変化に応じた、当該インパルス発生部から発生されるインパルスの出力値を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態としての通信装置のインパルス発生部に入力されるパルス入力信号の電圧の変化に応じた、当該インパルス発生部から発生されるインパルスの出力値を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態としての通信装置のインパルス生成器の制御部が保持するテーブルを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態としての通信装置のインパルス生成器のインパルス発生部の回路構成を示す図である。
【図8】図7に示す回路におけるパルス入力信号に応じた継時的な電圧変化を示す図であり、(a)はかかる回路におけるA点での電圧変化を示す図であり、(b)はかかる回路におけるB点での電圧変化を示す図であり、(c)はかかる回路におけるC点での電圧変化を示す図であり、(d)はかかる回路におけるD点での電圧変化を示す図である。
【図9】図7に示す回路におけるパルス入力信号に応じた継時的な電圧変化を示す図であり、(a)はかかる回路におけるA点での電圧変化を示す図であり、(b)はかかる回路におけるB点での電圧変化を示す図であり、(c)はかかる回路におけるC点での電圧変化を示す図であり、(d)はかかる回路におけるD点での電圧変化を示す図である。
【図10】図7に示す回路におけるパルス入力信号に応じた継時的な電圧変化を示す図であり、(a)はかかる回路におけるA点での電圧変化を示す図であり、(b)はかかる回路におけるB点での電圧変化を示す図であり、(c)はかかる回路におけるC点での電圧変化を示す図であり、(d)はかかる回路におけるD点での電圧変化を示す図である。
【図11】本発明の変形例としての通信装置のインパルス発生器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0067】
1 通信装置
10 パルス周波数源
11 PN(Pseudo Noise)系列発生部
12 PPM(Pulse Position Modulation)データ変調部
13,17 BPF(Band Pass Filter)
14 PA(Power Amplifier)
15 送信アンテナ
16 受信アンテナ
18 LNA(Low Noise Amplifier)
19 パルス検出部
20 相関器
21 PPMデータ復調部
30 インパルス生成器(インパルス発生装置)
40,40´ 制御部
41 テーブル
42 D/A(Digital/Analog)コンバータ
50 インパルス発生部
51 ステップリカバリダイオード
52 変更部
60 FPGA

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インパルスを発生するインパルス発生部と、
該インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部とをそなえて構成されていることを特徴とする、インパルス発生装置。
【請求項2】
前記制御部が、前記入力信号のオン/オフ時間を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、請求項1記載のインパルス発生装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記入力信号の電圧を変化させることによって、前記インパルスの出力値を制御することを特徴とする、請求項1または請求項2記載のインパルス発生装置。
【請求項4】
インパルス方式のUWB(Ultra WideBand)無線通信方式によって無線通信を行なう無線通信システムに用いられる通信装置であって、
前記無線通信に用いるインパルスを発生するインパルス発生部と、
該インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部とをそなえて構成されていることを特徴とする、通信装置。
【請求項5】
インパルスを発生するインパルス発生部をそなえたインパルス発生装置において、該インパルス発生装置によって発生されるインパルスの出力値を制御する機能をコンピュータに実現させるためのインパルス制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記インパルス制御プログラムが、
前記インパルス発生部に入力される、インパルスを発生させるための入力信号を変化させることによって、前記インパルス発生部から出力されるインパルスの出力値を制御する制御部として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする、インパルス制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−142720(P2007−142720A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332700(P2005−332700)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、総務省、「UWBインテリジェント測位センサーネットワークの研究開発と医療・ホーム・オフィスへの応用」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】