説明

インプラントのアングルによる安定的な固定システム及び方法

本発明は、骨にインプラントのアングルにより安定的に固定するシステム及び方法を提供する。その方法は、骨用ドリルにより骨に少なくとも1つの孔を作るステップと、骨の所望の場所にインプラントを位置付けるステップと、インプラントが取り付けられた位置で回転しないように、インプラントを骨に接合するステップとを有する。更に、本発明は、上記の方法で用いるシステムを提供する。前記システムは、骨用ドリル(40)と、インプラント(20)と、骨(10)にインプラントをアングルにより安定的に固定するためのソノトロード(50)とを有する。そのシステムは、インプラントを骨と接合する接合要素(60)を更に有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨にインプラントを固定するシステム及び方法に関する。本発明は、特に、骨にインプラントをアングルにより安定的に固定するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折の複数部分は、壊れた複数の骨を固定することにより処置されることが一般に知られている。骨の個々の部分は互いに対して並べられ、分離した複数の部分を再び一緒に成長させることが可能である。それらの部分は、治療を可能にする時間期間に亘って互いに対して比較的安定に保たれることが必要である。多くの場合、体の損傷した部分の外側における石膏ギブスのような硬いギブスにより骨折した骨の小部分を固定することが可能である。壊れた骨の小部分は、互いに位置合わせされて、硬いギブスにより所定位置に維持される。一部の場合には、特により複雑な骨折について、個々の壊れた骨の小部分を互いに直接接続する必要がある。それらの場合、骨折部分は、侵襲的手順により固定され又は緩和され、インプラントがねじ又はネイルにより体内に装着される。
【0003】
しかしながら、固定された骨の複数部分は、望まれるようには必ずしも一緒に成長しないことが理解されてきた。更に、骨折部分についての従来の侵襲的方法は、比較的大きい損傷及び血液損失を伴う。更に、インプラントの最近接の人工装着物周囲の骨折部分の固定のための装置に対する要請が存在している。
【0004】
上記の方法で用いるために、固定プレートが提案されてきた。複数のプレートが、先ず、患者の外部の個別の骨折の状況に従って予め形成され、次いで、ネイル又はねじにより骨折した骨又は骨の骨折した複数部分への処置を介して接続される。それらのプレートは、特に小さい複数の小部分を固定し、骨折部分を安定化することができる付加的な有利点を有する。このように、より複雑な骨折の複数部分の場合には、骨折した複数の小部分は、互いに又は複数の小部分と高信頼性を有して接続されることが可能である。
【0005】
しかしながら、固定プレートを理想的に固定することはできない。特に、骨折部分が筋骨格系を有し、骨折した複数の小部分は動きの過程で異なる剪断力を受ける。従って、筋骨格系を有する骨折部分についての改善された固定を伴うインプラントに対する要請が存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリマー材料から成るインプラントプレート、骨用ドリル及びソノトロードを有するシステムを提供する。そのシステムは更に、ポリマー材料から成るピンを有し、そのピンは、インプラントプレートを骨と接合するように与えられる。そのピンは、ピン、円錐状ピン、プラグ、スプリングを有するアップフックプラグ、複数の歯を有するプラグ、ねじ、円錐状ねじ、段階的ピン、2つのピン、三角形状又は対称的ピン、又は大きい頭部を有するピンを有する群から選択されることが可能である。ポリマーから成るピンがインプラントと共に融解される場合、インプラント材料は、ポリマーから成るピンの材料と同じである、又は少なくとも類似している必要がある。
【0007】
例示としての実施形態に従って、本発明は、形成された開口を有するプレートを有するシステムを提供する。その開口は、回転非対称である。そのシステムはまた、ドリルを有する。そのドリルは、プレートに隣接する骨において開口及び孔を形成するように設定されている。そのシステムは、開口内に挿入可能なピンを更に有する。ソノトロードがまた、そのシステムに含まれる。ソノトロードは、ピンの少なくとも一部を融解し、それにより、プレートが回転運動しないようにプレートに対して及び骨においてそのピンを取り付けるために、ピンにエネルギーを与えるように設定されている。
【0008】
しかし、本発明の他の実施形態においては、骨折部分の固定のためのアングルによる安定的なインプラントが提供される。そのインプラントは、骨に取り付けるように設定されたプレートを有する。プレート及び骨は、第1開口及び第2開口のそれぞれを有する。第1開口及び第2開口は実質的に位置合わせされ、回転非対称形状を有する。第1開口及び第2開口内に挿入されるようになっている形状の、そして受けるエネルギーがピンの少なくとも一部を融解することを可能にするピンが与えられる。融解されたピンの材料は、骨に対して回転しない、アングルによる安定的なインプラントを形成するようにプレート及び骨に対してピンを融解するために第1開口及び第2開口内で凝固することが可能である。
【0009】
本発明はまた、一般に、次の複数のステップ、即ち、皮質骨において少なくとも1つの孔を作るステップと、皮質骨における所望の位置に骨アングルによりインプラントを安定的に接続するステップと、インプラントを最終的に位置付けするステップとを有する方法を有する。例示としての実施形態に従って、骨において少なくとも1つの孔を骨又はリード手段において確立し、そのリード手段の助けにより、インプラントは骨アングルに安定して固定される、方法において治具が用いられることが可能である。他の例示としての実施形態に従って、マーキングが設定されることが可能であり、そのマーキングは、先ず、骨において少なくとも1つの孔を調整するために、骨に治具又はマトリクスを並べ、次いで、そのマーキングと位置合わせされ、それ故、インプラントを正確に位置付ける役割を果たす。本発明に従った方法の他の例示としての実施形態に従って、インプラント材料が、少なくとも1つの孔内に流れ、また、骨に位置付けられたインプラントをアングルにより安定的に固定するように、インプラント材料に超音波エネルギーを与えることによりそのインプラント材料は液化される。超音波エネルギーによりまた、接合要素は液化されることが可能であり、その接合要素は、インプラントを貫いて且つ骨において形成された孔内に位置付けされ、それ故、一方で、骨において高信頼性を有して確立され、他方で、その後端においてインプラント材料と共に融解される。
【0010】
他の実施形態に従って、本発明はまた、骨折部分の固定方法であって、インプラントが骨に位置付けられ、そのインプラントは、インプラントの上部表面に対して垂直な第1鉛直軸を有する。第1孔及び第2孔が骨にドリルで孔開けされ、第1孔及び第2孔は、その鉛直軸を伴って、第1アングル及び第2アングルを構成する。インプラントの少なくとも一部は融解され、第1孔及び第2孔内に押し出される。その融解されたインプラント材料は、骨へのインプラントのアングルにより安定的に取り付けられるように、第1孔及び第2孔内に凝結されるようにされる。
【0011】
他の骨折部分の固定方法においては、骨にプレートを位置付け、そのプレート及び骨に少なくとも1つの開口を形成することが教示される。その開口は回転非対称である。ピンがその開口に挿入され、ピンの少なくとも一部を融解するようにエネルギーがピンに与えられ、それにより、プレートの回転運動が起こらないように、骨内に且つプレートに対してそのピンが取り付けられる。
【0012】
他の骨折部分の固定方法においては、骨上にプレートを位置付け、そのプレートはプレートの厚さを貫いて延びている鉛直軸を有することが教示される。骨内に、その軸を有する第1アングルにおける第1開口及び鉛直軸を有する第2アングルにおいて第2開口が形成される。エネルギーを与えることによりプレートを融解し、凝結時にプレートと骨との間のアングルによる安定的な接続を構成するように第1開口及び第2開口内に融解したプレート材料を流し込む。
【0013】
本発明の目的は、骨にインプラントプレートを固定するシステム及び方法であって、インプラントプレートがアングルによる安定的な様式で骨と接続される、システム及び方法を提供することである。
【0014】
この目的は、同時提出の特許請求の範囲における各々の独立請求項の主題により達成できる。それぞれの従属請求項において更なる実施形態について記載されている。
【0015】
添付図を参照して以下に例示としての本発明の実施形態について詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の例示としての実施形態に従った、骨上のインプラントのアングルによる安定的な固定方法を、4つのフレームで模式的に示す図である。
【図2】本発明に従った方法の第2の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図3】本発明に従った方法の第3の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図4】本発明に従った方法の第4の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図5】本発明に従った方法の第5の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図6】本発明に従った方法の第6の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図7】本発明に従った方法の第7の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図8】本発明に従った方法の第8の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図9】本発明に従った方法の第9の例示としての実施形態模式的に示す図である。
【図10】本発明に従った方法の第10の例示としての実施形態模式的に示す図であ
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、皮質骨10上に直接取り付けられたインプラントプレート20を示している。インプラントプレート20は、医療グレードのプラスチック等の材料から、例えば、ポリラクチド材料(PLLA、PLDLA)から成ることが可能である。使用済み材料を使用することが可能である。図1乃至10の各々は、それらの図の各々に示されている方法においては複数のステップを示す4つのフレームを有する。インプラントプレート20及び皮質骨10は、ドリルで孔開けされた開口11及び12が互いに交差するように、キルシュナーワイヤ40の助けによりドリルにより孔開けされる。ドリルにより孔開けされた開口11及び12は、好適には、インプラントプレート20及び皮質骨10の界面で交差する必要がある。ドリル治具30又は他の適切な案内装置が、交差点がインプラントプレート20及び皮質骨10の界面にあることを保証するように用いられる。図1のフレームに示しているように、インプラントプレート20は皮質骨10上に位置付けられる。治具30はインプラントプレート20上に位置付けられる。治具30は2つのチャネル31及び32を有し、それらのチャネルを通ってキルシュナーワイヤが、又は代替としてドリルが、開口11及び12をドリルで孔開けするように進められることが可能である。更に、治具30は、ソノトロードを受け入れて案内する貫通孔33を有する。
【0018】
先ず、キルシュナーワイヤ40は、インプラントプレート20及び皮質骨10の両方を貫く第1開口11を形成するように治具30のチャネル31を通して前後に移動される。次に、キルシュナーワイヤ40は、図1のフレーム2に示されているように、第2開口12がインプラントプレート20及び皮質骨10内に形成されるように、治具30の第2チャネルを通して前後に移動される。それらの2つの開口11及び12は、インプラントプレート20と皮質骨10との間の界面において交差している。
【0019】
図1のフレーム3に示しているように、治具30はインプラントプレート20上に置かれる。次に、貫通孔33内に導かれたソノトロード50により、圧力F及び振動Uが与えられ、それ故、インプラントプレート20のインプラント材料がドリルにより孔開けされた開口11、12の領域内で液化され、そのインプラント材料の一部はそれらの開口内に流れ込む。開口11及び12内を流れる材料により、プレート20は、フレーム4に示すように、皮質骨10に対して固定される。上記のように、皮質骨10に対して固定されたプレート20は、アングルにより安定化され、即ち、プレートは回転することができない。治具30内のチャネル31、32の傾斜は、インプラントプレート20の厚さに依存する。インプラントプレート20は、顎内の歯の根のような骨10内で受け入れられる。本発明のこの例示としての実施形態の変形は、2つの反対方向へのドリルによる孔開けに代えて、互いから90°に位置付けられる4つのドリルによる孔開け/開口を有することが可能である。プレート20の厚さは、要求に応じて、より厚く又は薄くされることが可能である。このように、より多くのポリマーが、皮質骨10における開口11及び12内を流れることが可能である。その目的は、圧力F及び超音波振動Uの効果によりプレート20の十分な融解が起こった後に、十分なプレートの厚さを残すようにすることである。これにより、剪断応力は、後の負荷において回避されることが可能である。
【0020】
図2は、本発明の第2の例示としての実施形態を示している。ここで、インプラントプレート20は、アングルにより安定化するように皮質骨10と接続される。フレーム1は、皮質骨10上に位置付けられるドリル治具30を示している。次いで、図2のフレーム2に示すように、ねじ孔13がスクリュードリル40により皮質骨10に開けられる。スクリュードリル40が、皮質骨10においてねじ孔13を形成するように治具30における開口35内に挿入されて、その開口により案内される。マーキング15が、その場合、所望の位置において治具30と共にインプラントプレート20を位置付けるように用いられる。次に、ソノトロード50が、スクリュードリル40を用いて孔13を開けるために既に用いられた治具30における開口35と位置合わせされる。図2におけるフレーム3は、インプラントプレート20の材料を融解して(即ち、液化して)、皮質骨10におけるねじ孔13内に融解した材料を流すように、ソノトロード50を用いることを示している。その融解は、ソノトロード50を介してインプラントプレート20に圧力F及び振動Uを与えることにより行われる。図2のフレーム4は、図2に示している方法を用いて皮質骨10に取り付けられたインプラントプレート20を示している。
【0021】
第1の例示としての実施形態と異なり、開口/ホールがインプラントプレート20自体に開けられ、従って、ポリマーが破片になることが回避される。ここでは、皮質骨10のみが、ねじ孔13を備えている。ドリルにより孔開けされる点及びソノトロード50が取り付けられる点は、マーキング15と位置合わせされる治具30により規定される。上記の処理は、2つ以上の孔を形成するために繰り返されることが可能であり、インプラント材料は、その場合、それらの孔内を流れて硬化する。ソノトロード50は、ねじ孔13の領域内でインプラント材料を液化するのに適切である力F及び超音波振動Uによりエネルギーを生成する。ねじ孔13の位置は、ソノトロード50がインプラントプレート20と接するインプラントプレート20における僅かな窪みとして視認可能である。ソノトロードのそれぞれの着弾点においてインプラントプレート20の材料を増強することにより、この窪み25は無効にされる、又は少なくともその窪みの発現は低減される。
【0022】
図3は、本発明に従った方法を示す第3の例示としての実施形態を示している。その第3の実施形態は、予め形成されたインプラントプレート20を用いる。そのインプラントプレート20は、他の例示としての実施形態におけるポリマーから成るピンの機能を十分に果たす幾何学的構成を有する。その第3の例示としての実施形態のインプラントプレート20は、皮質骨10における孔13にスライドさせるように寸法合わせされた凸部22を有する。インプラントプレート20における凸部22の位置は、皮質骨10におけるねじ孔13のかなり正確で一致する位置決めを必要とする。これは、例えば、治具30によりうまく処理されることが可能である。
【0023】
図3のフレーム1に示すように、先ず、治具30が皮質骨10上に位置付けられる。次に、ねじ山付き開口13が、スクリュータップ40を用いて皮質骨10に形成される。治具30におけるホール35が、開口13の形成中にねじタップ40を案内するように用いられる。次に、インプラントプレート20が、凸部22が各々のドリルにより孔開けされたホール(即ち、開口)13内に突き出るように、皮質骨10上に位置付けられる。インプラント材料は、ここで、凸部22内に挿入される尖った先端部により構成されるソノトロード50により液化される。これは、図3のフレーム2及び3に示すように、融解され、材料皮質骨10における開口13内に形成されたねじ山に適合したインプラント材料をもたらす。この第3の例示としての実施形態においては、インプラントプレート20の凸部22を皮質骨10における開口13内に挿入することにより、破砕の事前安定化を得ることができる。凸部22は、中央の貫通孔23を有する円錐形状に形成されることが可能である、即ち、貫通孔23が、インプラントプレート20を通って且つ凸部22を貫いて長く形成されることが可能である。ソノトロード50の先端はこの孔23内に適合される。その先端は、インプラントプレートにおける開口より径が大きく、皮質骨10におけるねじ山付き開口13内の軸方向ばかりでなく径方向にインプラント材料に対して圧力を与え、それ故、その材料は、皮質骨10におけるねじ山の方に確実に流れる。第3実施形態のインプラントプレート20は、単独の構成要素のみを有するために、かなり安定的なシステムとなっている。
【0024】
以下で説明する例示としての実施形態においては、付加的な接合要素を用いる。接合要素60は、インプラントプレート20を皮質骨10と接続するように用いられる。本発明の第4の例示としての実施形態について、図4の第4フレームに模式的に示されている。インプラントプレート20において、同時に皮質骨10を貫いて円錐状のねじ山付きホールを作る円錐状のねじタップ40が、図4のフレーム1に示されている。次に、フレーム2において、孔13内に挿入される円錐状のピン60が示されている。液化されたピン60の材料が、ねじ山付き開口13におけるキャビティに膨ませ、また、インプラントプレート20のインプラント材料と共に液化される。ねじタップ40の貫通深さはそのインプラントプレート20の厚さに依存し、従って、ストップ41により規定される。ねじ山付き開口13は、皮質骨10の構造化のための簡単な可能性を提供し、同時に、高い局所的なエネルギー密度を所定箇所に生成することにより融解処理をサポートする。
【0025】
図5は、本発明の第5の例示としての実施形態の連続的なフレームを示している。第4の例示としての実施形態と同様に、ここでも、ホール(開口ともいう)13が、インプラントプレート20を貫いて及び、同時に、皮質骨10を貫いて、ねじタップ40により孔開けされる。ねじ60がこのホール13内に挿入される。このようにして、インプラントプレート20は、皮質骨10において予め安定化される。皮質骨10へのインプラントの最終的な尖った安定した装着は、ソノトロード50によりねじ60に力F及び超音波振動Uを加えることにより達成される。それにより、ねじ60のねじ山は液化され、その液化された材料の成型物は、皮質骨10のホール13内のねじ山に倣う。更に、ねじ頭部61は、インプラントプレート20の適合面と共に融解される。
【0026】
挿入されたねじ60の材料は、超音波振動U及び力Fを加えることにより液化するために、挿入されたねじのシャフトは、この実施形態の変形においては平坦に作られることが可能である、即ち、ねじ山付きピンのねじ山は任意である。更に、インプラントプレート20及び皮質骨10の処理は、ドリルとタップの組み合わせにより行うことが可能である。前タップ部分43は皮質骨10におけるねじ山付きホール13を形成し、ドリルとタップの組み合わせにおける後続するドリル部分42は、インプラントプレート20において平坦なホールを形成する。融解され、次いでねじ山付きホール13内で硬化されるポリマーから成るピン60の材料は、皮質骨10へのインプラントプレート20の良好な固定を提供する。ピン頭部61又はねじ頭部61と共にインプラントプレート20を溶接することにより、皮質骨10内のインプラントのアングルによる安定的な固定が保証される。
【0027】
本発明の第6の例示としての実施形態が図6に示されている。第6実施形態を用いて実行されるこの方法は、第5の例示としての実施形態に従った方法と類似している。それらの違いは、ここでは、ねじ山付きホール13の代わりに、貫通孔14が皮質骨10において形成されることである。貫通孔14は、インプラントプレート20と皮質骨10の皮質部分とを貫いてドリルにより孔開けされる。皮質骨10及びインプラントプレート20を調整するための簡単な手順は、この解決方法の主な有利点を表している。平坦な貫通孔14を作るこの簡単な手順は、図6のフレーム1に示すようにドリル40を用いて実行される。次に、外科医が、貫通孔14内にポリマーから成るピン60を挿入し、ソノトロード50により押圧する。ポリマーから成るピン60の直径は、皮質骨10の貫通孔14の直径より僅かに大きい。その直径の差は、理想的には、約0.1乃至0.2mmである。
【0028】
ソノトロード50を介する超音波エネルギーの適用により、ピン60が皮質骨10と接するようになる場合に、ピン60の材料が融解される。融解された材料は、貫通孔を貫いて且つ皮質骨10の皮質部分の下方へのピン60の移動により運ばれる。その融解された材料は、そこで再び硬化し、皮質骨10の皮質部分の下方で大きくなった部分62を与え、その結果、高信頼性を有する固定が得られる。ポリマーから成るピン60はまた、インプラントプレート20の開口及びポリマーから成るピン60の頭部61が円錐状であり、締まり嵌めを形成し、超音波エネルギーの作用により共に溶接される。
【0029】
本発明の第7の例示としての実施形態が図7に示されている。第7実施形態においては、上記実施形態におけるポリマーから成るピン又はねじに代えて、プラグ60が用いられる。図7のフレーム1に示すように、貫通孔14が、インプラントプレート20及び皮質骨10に対して同時に形成される。ドリル40が貫通孔14を形成するように用いられる。プラグ60が、図7のフレーム2に示すように、貫通孔14に挿入される。最初は、プラグ60の先端に形成されたラッチ63が、プラグのシャフト64に対して押圧される。その先端が皮質骨10の皮質部分を貫通するとすぐ、ラッチ63がシャフト64から広がり、皮質骨10においてプラグを固定する。
【0030】
図7のフレーム3に示すように、プラグ60の後端は、その場合、ソノトロード50を介して超音波エネルギーの影響下に置かれることにより液化され、それにより、インプラント材料にそのプラグの後端を溶接するが可能である。その結果、インプラントプレート20の皮質骨10の皮質部分とのスナップによる接続が得られる。ポリマーのプラグ60が、溶接処理中に押圧されないように、従って皮質骨10においてゆるくならないように、プラグに一体化されたコード(図示せず)が備えられることが可能である。コードを用いる場合、プラグ60は、溶接処理中にソノトロード50の方に引き寄せられることが可能である。このように、プラグ60は、弾力性のあるラッチがプラグ60の先端で皮質骨10の皮質部分に対して張力を維持するように、用いられることが可能である。
【0031】
図8は、本発明の第8の例示としての実施形態を示している。第8の例示としての実施形態においては、プラグ60は、皮質骨10上にインプラントプレート20を固定するために用いられる。この場合、プラグ60は、プラグ60のシャフト部分の表面上に歯65を有する。プラグ60のシャフトは、そのシャフトが径方向に押圧されるように長手方向のスリットを有する。これは、プラグ60が、非圧縮状態においてはプラグ60のシャフトの直径より直径が小さい貫通孔14を貫いて押圧されるようにする。
【0032】
理想的には、円錐状骨用ドリルによりインプラントプレート20及び皮質骨10の両方に貫通孔が孔開けされる。そのドリル40におけるストップ41は、貫通孔14の深さを制限し、貫通孔が皮質骨10において深過ぎるように形成されないようにする。インプラントプレート20は、貫通孔14に対してプラグ60を深く挿入することにより皮質骨10に固定される。プラグ60の頭部に隣接して位置付けられる歯65は、皮質骨10の内側に隣接するフックの役割を果たす。他方、シャフトに沿って形成された歯が、ドリルによる孔開け14においては皮質骨内に引っ掛かる。貫通孔14の円錐形状は、貫通孔14内にプラグを固定するようにする。プラグ60の固定のための、適切に適合する歯65又はラメラ構造の幾何学的形状は、ソノトロード50がインプラントプレート20と共に溶接されるようにプラグ60に押圧されるときに生じる可能性がある作用を低減することが可能である。
【0033】
図9は、本発明の第9の例示としての実施形態を模式的に示している。この実施形態の1つの特徴は、皮質骨10において形成された三角形状の孔16である。回転対称性のない且つその三角形状の孔16より大きい孔がインプラントプレート20において形成される。代替として、何れかの他の形状にある非回転対称性の孔が、インプラントプレート20及び皮質孔10において形成されることが可能である。非回転対称性孔(又は、代替として、回転可能な非対称性孔)は、相補的な形状のピンがピンとその孔の形状及び適合する大きさにより回転可能でないという孔である。回転可能な非対称性孔の例は、長円形状孔又は三角形状孔である。適合するピンは、長円形又は三角形のそれぞれであり、その孔における締まり嵌めであるようにサイズ合わせされている。それらの孔は、例えば、図9のフレーム1に示すように、一方側が研磨されたドリル40により形成される。当業者が利用可能である他の既知の方法を、それらの孔を作るために用いることも可能である。ポリマーから成るピン60は、その場合、孔16の断面に対して類似する断面を伴って、孔16に入れられる。ポリマーから成るピン60は、ピン60の中央部分において長手方向に延びているねじ山付き孔66を有する。ソノトロード50の適切に形成された先端はねじ山付き孔6に接続される。ポリマーから成るピン60は、それ以上ねじ込まれないように、ソノトロードの先端に完全にねじ込まれる。
【0034】
更に、ピン60の長さは、ピン60が皮質骨の層を越えるようにその皮質骨10内に突き出るようになっている。この位置において、ソノトロード50からの超音波振動Uと共にトルクが与えられ、ソノトロードのアセンブリ及びポリマーから成るピンは約60°だけ回転される。ここでは、ソノトロード及びドリルによるツールの組み合わせが想定されている。
【0035】
最終的には、ピン60は、皮質骨10の皮質骨層内の領域で融解する。しかしながら、ポリマーから成るピンは、両端で皮質骨10の皮質層を越えて延びるピン60の領域における回転に対してかなり小さい抵抗しか受けない。ピン60の先端は、皮質骨層の隣に位置付けられた皮質骨のより軟らかい部分にあるため、ソノトロード50及びピン60のアセンブリの回転は、より軟らかい骨において位置付けられ、図9のフレームにおいてみられるピン部分の移動(dislocation)をもたらす。同様に、インプラントプレート20において位置付けられたピン60の部分はまた、皮質骨10の皮質部分に隣接するピン60の部分に関して移動される(dislocated)。このように、ポリマーから成るピン60は、皮質骨層の下からインプラントプレート20における上端まで係止される。従って、ピン60は、皮質骨10から離れないようにされる。ポリマーから成るピン60の更なる固定は、インプラントプレート20の材料と共にピン60を融解することにより達成される。その結果、インプラントプレート20のアングルによる安定的な接続が得られる。
【0036】
図9のフレーム1は、孔16がインプラントプレート20及び皮質骨10において形成される方法のステップを示している。詳細図Aには、孔16の断面を示されている。ストップまでの全部に亘ってソノトロードの先端に対してねじ孔が開けられ、孔16に入れられるポリマーから成るピン60が、図9のフレーム2に示されている。詳細図Bには、挿入されたポリマーから成るピン60を有する孔16の断面を示されている。図9のフレーム3は、トルクMがソノトロード50により与えられた後のポリマーから成るピン60の状態を示している。中央領域に対するピン60の本体の先端領域の歪みが、インプラントプレート20の領域に及び皮質骨10の皮質部分の下でみられる。詳細図Cには、孔16に対して60°だけねじられたポリマーから成るピン60の先端についての下方からの平面図が示されている。図9のフレーム4は、インプラントプレート20と共に溶接されたポリマーから成るピン60の最終的な位置を示している。
【0037】
図10は、本発明の第10の例示としての実施形態を示している。上記の実施形態とは対照的に、第10実施形態の開口13は、対として形成される。図10は、1:1の変換関係を有する1レベルのギア伝達により反対に同期された2つの並列のドリルを有する手段40を示している。インプラントプレート20及び皮質骨10を貫く開口13を同時に作るようにドリルが用いられる。それらのドリルは、ストップ41がインプラントプレート20に接して、ドリルが更に進まないようになるまで、皮質骨10内に挿入される。開口13はねじ山形成されることが可能である。次に、ブリッジ68により結合された2つの円筒形アーム67を有するピン60が開口13に挿入される。アーム67は、開口13への挿入のためにサイズ合わせされる。次に、ソノトロード50が、ポリマーから成るピン60と接するように進められる。
【0038】
ソノトロード50は、図10のフレーム3に示されているように、ポリマーから成るピン60に対して力F及び超音波振動Uを与える。超音波エネルギーは、ブラケット60の材料を融解し、その融解された材料は、皮質骨10において形成されたねじ山付き孔13内に流れ込む。そのピンはまた、ピン60とインプラントプレート20との間の界面において融解する。インプラントプレート20と共にピン60を融解することにより、皮質骨10における2重の固定により安定したシステムが形成される。融解処理を促進するように、スパイク69がブリッジ68に備えられている。そのスパイクは、高エネルギー密度をもたらし、それにより、融解を促進する。
【0039】
本発明に従った方法及びシステムは骨折部分の安定化を可能にし、インプラントプレートが皮質骨上に取り付けられる。インプラントプレートは、アングルにより安定的に、即ち、インプラントプレート20は、装着箇所の周囲を回転しないように装着される。本発明のシステム及び方法を用いる骨折部分の安定化が、侵襲性が最小である技術の使用と組み合わせて実行されることが可能である。比較的小さい操作損傷、少ない血液損失及び骨粗鬆症の骨における高信頼性の固定が、皮質骨上のインプラントプレートのアングルによる安定的な固定により達成できる。インプラントは、骨粗鬆症の骨における骨折部分の治癒が完了するまで、複雑な破壊の場合に遭遇する好ましくない条件にも拘わらず、保持力を保つ。インプラント、接合要素及び皮質骨間の確固たるアングルによる安定的な接続は、かなり高い一次安定性及びより低いレートの弛緩に寄与する。
【0040】
一実施形態に記載されている本発明のシステム及び方法の種々の特徴はまた、明白に記載されていないシステム及び方法の他の実施形態と組み合わせて用いられることが可能であることに留意する必要がある。皮質骨は、骨折の状態及びインプラントプレートの大きさに依存して1つ、2つ、3つ又はそれ以上の孔を備えることが可能である。インプラントプレートの位置決めを制御するマークの使用、並びに/若しくはインプラントプレート上における又は皮質骨上における直接の治具の使用は、上記の例示としての実施形態の各々に主に組み込まれることが可能である。更に、インプラントプレート及び皮質骨におけるドリルによる孔開けの様式(又は、形状)、並びにその様式と連携されるインプラントプレート自体の又はポリマーから成るピンの様式(又は、形状)の変形は、上記の例示としての実施形態の各々において自由に選んで(想定して)よい。ボア(又は、ホール又は開口又はドリルにより形成された孔)は、それ故、ポリマーから成るピンの形式(又は、形状)は、円錐状、段付き、直線的、ねじ山付き、平坦、又はそれらの組み合わせであることが可能である。各々の実施形態におけるインプラントプレート及びピンの材料は再吸収性であることが可能である。更に、その材料は、ポリラクチド材料系、例えば、PLLA又はPLDLAから選択されることが可能である。
【0041】
本発明については、上記の点で、特定の実施形態を参照して説明しているが、それらの実施形態は、本発明の原理及びアプリケーションを単に例示するものであることが理解される必要がある。従って、例示としての実施形態に対して多くの修正が行われることが可能であり、そして同時提出の特許請求の範囲に記載している本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、他の構成が考え出されることが可能であることが理解される必要がある。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨に対するインプラントのアングルによる安定的な固定のためのシステムであって:
前記骨において少なくとも1つの孔を作るツール;
ソノトロード;及び
前記骨にインプラントをアングルにより安定的に固定するように、前記ソノトロードにより流動化可能である材料を有するインプラント;
を有するシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記ツールは、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、2つの骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択される、システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムであって、前記システムは、所望の位置に前記少なくとも1つの孔を作るように前記ツールのための及び/又は前記ソノトロードのための治具を更に有する、システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のシステムであって、前記システムは、前記インプラントを皮質と接合する接合要素を更に有する、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、前記接合要素は、ピン、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、2つのピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択される、システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のシステムであって、前記接合要素は、前記ソノトロードにより流動化可能である材料を有する、システム。
【請求項7】
請求項4乃至6の何れか一項に記載のシステムであって、前記接合要素の前記材料はPLLA材料又はPLDLA材料から選択される、システム。
【請求項8】
骨折部分固定のためのシステムであって:
プレートであって、該プレートは開口を有し、前記開口は骨において孔と位置合わせするように設定され、前記開口は回転非対称である、プレート;
前記開口及び前記孔に挿入可能であるピン;及び
ソノトロードであって、該ソノトロードは、前記ピンの少なくとも一部を融解するように、前記ピンにエネルギーを与え、それにより、前記プレートの回転運動が起こらないように前記ピンを前記骨内に且つ前記プレートに対して取り付けるように、設定されている、ソノトロード;
を有するシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって:
ドリルであって、該ドリルは、前記プレートに隣接して前記骨において前記開口及び前記孔を形成するように設定されている、ドリル;並びに
治具であって、該治具は前記ドリルを案内するように設定されている、治具;
を更に有する、システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のシステムであって、前記プレートはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、システム。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピンはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、システム。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピンは、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、2つのピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択される、システム。
【請求項13】
請求項8乃至12の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピンは、前記ピンの長手方向の軸に沿ってボアを有する、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記ボアはねじ山付きであり、前記ソノトロードのねじ山付き先端を受け入れるように設定されている、システム。
【請求項15】
請求項8乃至14の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピンは頭部及び本体を有し、前記本体の少なくとも一部は円錐状であり、前記本体の少なくとも第2部分は円筒状である、システム。
【請求項16】
請求項8乃至15の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピンは頭部及び本体を有し、前記本体の少なくとも一部は突き出ている、システム。
【請求項17】
請求項8乃至16の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピンの前記本体においてスロットが形成されている、システム。
【請求項18】
請求項8乃至17の何れか一項に記載のシステムであって、前記ピン及び前記孔の形状は相補的であり、前記ピンは、前記孔と締まり嵌めの状態にあるようにサイズ合わせされている、システム。
【請求項19】
請求項9乃至18の何れか一項に記載のシステムであって、前記ドリル及び前記ソノトロードは、単一のハンドヘルド型装置に組み合わされている、システム。
【請求項20】
請求項9乃至19の何れか一項に記載のシステムであって、前記ドリルは、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、2つの骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択される、システム。
【請求項21】
骨折部分の固定のための継ぎ手接合による安定的なインプラントであって:
骨に取り付けるように設定されたプレートであって、該プレート及び前記骨は第1開口及び第2開口のそれぞれを有し、前記第1開口及び前記第2開口は実質的に位置合わせされ、回転非対称形状を有する、プレート;並びに
前記第1開口及び前記第2開口に挿入されるように形作られるピンであって、該ピンの少なくとも一部を融解するエネルギーを受け入れることが可能である、ピン;
を有する、インプラントであり、
前記ピンの融解された材料は、前記骨に対して回転できない継ぎ手接合による安定的なインプラントを形成するように、前記骨及び前記プレートに対して前記ピンを融解して前記第1開口及び前記第2開口内で凝結することが可能である;
インプラント。
【請求項22】
請求項21に記載のインプラントであって、前記プレートはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、インプラント。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のインプラントであって、前記ピンはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、インプラント。
【請求項24】
請求項21乃至23の何れか一項に記載のインプラントであって、前記ピンは、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、2つのピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択される、インプラント。
【請求項25】
請求項21乃至24の何れか一項に記載のインプラントであって、前記ピンは、前記ピンの長手方向に沿ってボアを有する、インプラント。
【請求項26】
請求項25に記載のインプラントであって、前記ボアはねじ山付きであり、前記ソノトロードのねじ山付き先端を受け入れるように設定されている、インプラント。
【請求項27】
請求項21乃至26の何れか一項に記載のインプラントであって、前記ピンは頭部及び本体を有し、前記本体の少なくとも一部は円錐状であり、前記本体の少なくとも第2部分は円筒状である、インプラント。
【請求項28】
請求項21乃至27の何れか一項に記載のインプラントであって、前記ピンは頭部及び本体を有し、前記本体の少なくとも一部は突き出ている、インプラント。
【請求項29】
請求項27又は28に記載のインプラントであって、前記ピンの前記本体においてスロットが形成されている、インプラント。
【請求項30】
請求項21乃至29の何れか一項に記載のインプラントであって、前記ピン並びに前記第1及び第2開口の形状は相補的であり、前記ピンは、前記第1及び第2開口と締まり嵌めの状態にあるようにサイズ合わせされている、インプラント。
【請求項31】
骨に対するインプラントのアングルによる安定的な固定のための方法であって:
前記骨において少なくとも1つの孔を作るステップ;
前記骨における所望の位置にインプラントプレートを位置付けるステップ;及び
前記インプラントプレートを前記骨とアングルにより安定的に接合するステップ;
を有する方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記骨において前記少なくとも1つの孔を作る治具を用いるステップを更に有する、方法。
【請求項33】
請求項31又は32に記載の方法であって、前記インプラントプレートを前記骨とアングルにより安定的に接合するリード手段に対して前記治具を用いるステップを更に有する、方法。
【請求項34】
請求項31乃至33の何れか一項に記載の方法であって、前記骨において前記インプラントプレートの前記所望の位置を規定するようにマークを設定するステップを更に有する、方法。
【請求項35】
請求項31乃至34の何れか一項に記載の方法であって、前記インプラントプレートが前記骨と接合するように、前記インプラントプレートの材料が前記骨における前記少なくとも1つの孔に流れ込むように、前記インプラントプレートの材料を流動化させるステップを更に有する、方法。
【請求項36】
請求項31乃至35の何れか一項に記載の方法であって、前記インプラントプレートが前記骨と接合するように、前記インプラントプレートを貫いて且つ前記骨における前記少なくとも1つの孔に接合要素を挿入するステップを更に有する、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、前記インプラントプレート及び前記接合要素を共に融解するステップを更に有する、方法。
【請求項38】
請求項31乃至37の何れか一項に記載の方法であって、前記骨における前記少なくとも1つの孔と同時に前記インプラントプレートにおける少なくとも1つの貫通孔を作るステップを更に有する、方法。
【請求項39】
請求項31に記載の方法であって、前記少なくとも1つの孔は、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、2つの骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択されるツールにより作られる、方法。
【請求項40】
請求項38に記載の方法であって、前記同時に作られる孔は、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、2つの骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択されるツールにより作られる、方法。
【請求項41】
請求項33に記載の方法であって、前記インプラントプレートを前記骨とアングルにより安定的に接合する前記手段はソノトロードである、方法。
【請求項42】
請求項35に記載の方法であって、前記インプラントプレートの材料はソノトロードにより流動化される、方法。
【請求項43】
請求項37に記載の方法であって、前記インプラントプレート及び前記接合要素はソノトロードにより共に融解される、方法。
【請求項44】
請求項36に記載の方法であって、前記接合要素は、ピン、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、2つのピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択される、方法。
【請求項45】
骨折部分を固定する方法であって:
骨においてインプラントを位置付けるステップであって、前記インプラントは前記インプラントの上部面に対して垂直な第1鉛直軸を有する、ステップ;
前記骨において第1孔及び第2孔をドリルにより孔開けするステップであって、前記第1孔及び前記第2孔は前記第1鉛直軸を伴って第1アングル及び第2アングルのそれぞれを構成する、ステップ;
前記インプラントの少なくとも一部を融解するステップ;
前記第1孔及び前記第2孔内に前記融解したインプラントの材料を押し出すステップ;並びに
前記骨への前記インプラントのアングルによる安定的な取り付けを得るように、前記第1孔及び前記第2孔内で前記融解したインプラントの材料が凝結するようにするステップ;
を有する方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法であって、前記インプラントはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、方法。
【請求項47】
請求項45又は46に記載の方法であって、前記ドリルにより孔開けするステップは、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、2つの骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択されたドリルを用いて行われる、方法。
【請求項48】
請求項45乃至47の何れか一項に記載の方法であって、前記融解するステップは、超音波エネルギー及び熱エネルギーを有する群から選択されたエネルギーを与えることにより行われる、方法。
【請求項49】
請求項45乃至48の何れか一項に記載の方法であって、前記押し出すステップは、前記エネルギーを加える装置により及ぼされる力によって実行される、方法。
【請求項50】
骨折部分を固定する方法であって:
骨にプレートを位置付けるステップ;
前記プレート及び前記骨に少なくとも1つの開口を形成するステップであって、前記開口は回転非対称である、ステップ;
ピンを開口に挿入するステップ;並びに
前記ピンの少なくとも一部を融解するように前記ピンにエネルギーを与えるステップであって、それにより、前記プレートの回転運動が起こらないように、前記プレートに対して且つ前記骨において前記ピンを取り付ける、ステップ;
を有する方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって:
前記開口を形成するようにドリルを案内するように前記プレートに治具を位置付けるステップ;及び
前記プレートに前記治具を位置付けるように前記骨にマークを付けるステップ;
を更に有する、方法。
【請求項52】
請求項50又は51に記載の方法であって、前記プレートはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、方法。
【請求項53】
請求項50乃至52の何れか一項に記載の方法であって、前記開口は、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、2つの骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択されたドリルを用いて形成される、方法。
【請求項54】
請求項50乃至53の何れか一項に記載の方法であって、前記エネルギーは、超音波エネルギー及び熱エネルギーの形で与えられる、方法。
【請求項55】
請求項50乃至54の何れか一項に記載の方法であって、前記ピンは、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、2つのピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択される、方法。
【請求項56】
請求項50乃至55の何れか一項に記載の方法であって、前記ピンは、前記ピンの長手方向の軸に沿ってボアを有する、方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、前記ボアはねじ山付きであり、前記ソノトロードのねじ山付き先端を受け入れるように設定されている、方法。
【請求項58】
請求項50乃至57の何れか一項に記載の方法であって、前記ピンは頭部及び本体を有し、前記本体の少なくとも一部は円錐状であり、前記本体の少なくとも第2部分は円筒状である、方法。
【請求項59】
請求項50乃至58の何れか一項に記載の方法であって、前記ピンは頭部及び本体を有し、前記本体の少なくとも一部は突き出ている、方法。
【請求項60】
請求項58又は59に記載の方法であって、前記ピンの前記本体においてスロットが形成されている、方法。
【請求項61】
請求項50乃至60の何れか一項に記載の方法であって、前記ピン及び前記孔の形状は相補的であり、前記ピンは、前記孔と締まり嵌めの状態にあるようにサイズ合わせされている、方法。
【請求項62】
骨折部分を固定する方法であって:
骨にプレートを位置付けるステップ;
骨にねじ山付き開口を形成するステップ;
エネルギーを与えることにより前記プレートを融解するステップ;
凝結時に前記プレートと前記骨との間のアングルによる安定的な接続を形成するように第1開口及び第2開口内に前記プレートの融解された材料を流れ込ませるステップ;
を有する方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法であって、前記プレートはPLLA又はPLDLAから選択された材料から成る、方法。
【請求項64】
請求項62又は63に記載の方法であって、前記開口は、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル及び段付き骨用ドリルを有する群から選択されたドリルを用いて形成される、方法。
【請求項65】
請求項62乃至64の何れか一項に記載の方法であって、前記融解するステップは、超音波エネルギー及び熱エネルギーを有する群から選択されたエネルギーを与えることにより行われる、方法。
【請求項66】
請求項62乃至65の何れか一項に記載の方法であって、前記流れ込ませるステップは、前記エネルギーを加える装置により及ぼされる力によって実行される、方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−538712(P2010−538712A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524358(P2010−524358)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008130
【国際公開番号】WO2009/036783
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(507015952)ストライカー トラウマ ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】