説明

インプラント受注製造システム、インプラント受注出荷システム及び管理サーバ

【課題】インプラントの販売を効率良く行うとともに、病院側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図る。
【解決手段】インプラント受注製造システム100であって、管理サーバ4は、病院端末1から送信された、予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データに基づいて特定された患者の所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を受信すると、当該インプラントの製造指示情報を、インプラントの製造業者Mにより使用される製造業者端末2に送信する。そして、製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定の製造装置により製造された後、管理サーバは、製造業者端末から送信された、当該インプラントの製造完了情報を受信すると、当該インプラントの代金の請求情報を病院端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の体内に取付けられる整形外科用のインプラントの受注製造を管理するインプラント受注製造システム、インプラント受注出荷システム及び当該システムを構成する管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、膝関節や股関節などを金属やセラミックス製の人工関節に置き換える置換手術が知られている。また、脊椎の固定、矯正及び安定化等のために脊椎ケージや人工椎体などを取付け固定する外科手術も知られている。
【0003】
整形外科用のインプラントを体内の所定位置に取付け固定する場合、患者に最適の形状及び寸法のものを最適の角度で設置することが重要である。即ち、患者のインプラントの取付部位の骨の形状や骨密度や軟部組織の状態等を精確に把握した上で、当該取付部位に最適の形状及び寸法のインプラントを特定する必要がある。そこで、近年では、手術の術前計画にて、患者のインプラントの取付部位の二次元画像に代えて当該取付部位の三次元画像を利用することで、取付け予定のインプラントの形状や寸法や取付角度、また、必要に応じて骨切り量や骨切り位置をシミュレーションにより特定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−82444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、インプラントは、患者毎に最適の形状や寸法が異なるが、インプラントの販売業者は、病院側からの手術に使用される所定の形状や寸法のインプラントの発注に対応するために、予め複数の形状や寸法のインプラントを在庫として確保しておく必要がある。また、現状では、病院側からの発注に対して、手術に使用される所定の寸法のインプラントの他に、その前後の寸法のインプラントを出荷するため、同様に、予め複数の寸法のインプラントを在庫として確保しておかなければならない。このため、インプラントの販売業者にとっては、実際に手術に使用されない形状や寸法のインプラントも用意しておかなければならず、販売効率の低下が生じている。
また、病院側にあっても、同様に、手術に使用される所定の形状や寸法のインプラントに加えて、これ以外の形状や寸法の手術に不要なインプラントも販売業者から送られてくることから、手術で使用されるまで保管しなければならないインプラントの数が増大し、より広い保管スペースを確保しなければならないといった問題がある。さらに、手術で使用されないインプラントも含めて全てのインプラントを滅菌しなければならないため、滅菌点数の増大を招き、当該滅菌作業に関わる作業員(例えば、看護師等)の増大に伴ってコストも増大してしまう。
【0006】
なお、上記特許文献1のように、手術の術前計画にて、インプラントの取付部位の三次元画像を利用することにより、患者のインプラントの取付部位の形状をほぼ精確に把握することができるものの、患者の身体的特徴によっては、当該取付部位に最適の形状及び寸法のインプラントを用意することができない場合がある。
即ち、患者にとっては、インプラントの取付部位に最適の形状及び寸法のインプラントを症例毎に個別に特定して用意するのが好ましいが、現在の我が国の法制度上では、時間的にも費用的にも実現性が乏しい。これに対して、手術の術前計画にて、予め規定されている複数の形状や寸法のインプラントの中から、最も高い精度で取付け可能な形状及び寸法のインプラントをシミュレーションして特定するようになっているが、当該術前計画にて特定可能なインプラント自体は、我が国の国民の人種、年齢、性別等の身体的特徴を考慮したものとなっていない。そのため、最適の形状及び寸法のインプラントとして特定したものが実際には手術に使用できない場合があり、当該インプラントの他に、その前後の寸法のインプラントを出荷しなければならなくなる。
つまり、三次元画像を用いたシミュレーションにより患者のインプラントの取付部位の形状をほぼ精確に把握することができたとしても、依然として、インプラントの販売者は、予め複数の形状や寸法のインプラントを在庫として確保しておかなければならず、病院側にあっても、インプラントの保管数や滅菌点数が増大してしまうといった問題はある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、インプラントの販売を効率良く行うことができるとともに、病院側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図ることができるインプラント受注製造システム、インプラント受注出荷システム及び管理サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
少なくとも一の病院に設置された病院端末と、所定の種類のインプラントの製造業者により使用される製造業者端末と、前記病院端末及び前記製造業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、前記病院で使用されるインプラントの受注製造を管理する管理サーバと、を備えるインプラント受注製造システムであって、
前記病院端末は、
予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データ、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データに基づいて、前記複数のインプラントの中から特定された前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を前記管理サーバに送信する注文情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、
前記注文情報送信手段から送信された前記注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する製造指示生成手段と、
この製造指示生成手段により生成された前記製造指示情報を前記製造業者端末に送信する製造指示送信手段と、を備え、
前記製造業者端末は、
前記製造指示送信手段から送信された前記製造指示情報を受信する製造指示受信手段と、
この製造指示受信手段により受信された前記製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定の製造装置により製造された後、当該インプラントの製造完了情報を前記管理サーバに送信する完了情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記完了情報送信手段から送信された前記製造完了情報を受信する完了情報受信手段と、
この完了情報受信手段により前記製造完了情報が受信された後、前記所定の製造装置により製造された前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を更に備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインプラント受注製造システムにおいて、
前記製造業者端末は、
互いに異なる複数の種類のインプラントを各種類毎に製造する複数の製造業者の各々に応じて複数設けられ、
前記病院端末の前記注文情報送信手段は、前記複数の種類のインプラントのうち、前記患者の前記所定部位に取付け予定の所定の種類のインプラントについて、前記注文情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記複数の種類のインプラントの各々について、当該インプラントの製造業者を各種類毎に特定するための製造業者情報を記憶する製造業者情報記憶手段と、
この製造業者情報記憶手段に記憶されている前記製造業者情報に基づいて、前記複数の製造業者の中から前記注文情報受信手段により受信された前記注文情報に係る所定の種類のインプラントの製造業者を特定する製造業者特定手段と、を更に備え、
前記製造指示送信手段は、
前記複数の製造業者端末のうち、前記製造業者特定手段により特定された前記製造業者により使用される製造業者端末に対して、前記製造指示生成手段により生成された前記製造指示情報を送信することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインプラント受注製造システムにおいて、
前記身体的特徴とは、人種、年齢及び性別のうち、少なくとも何れか一を含むことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のインプラント受注製造システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記所定の製造装置により製造されたインプラントを前記製造業者から集荷して前記病院に配達する集配業者により使用される集配業者端末と所定の通信回線を介して接続され、
前記完了情報受信手段による前記製造完了情報の受信に基づいて、前記インプラントの前記集配業者による集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成手段と、
この集配指示生成手段により生成された前記集配指示情報を前記集配業者端末に送信する集配指示送信手段を更に備え、
前記集配業者端末は、
前記集配指示送信手段から送信された前記集配指示情報を受信する集配指示受信手段と、
この集配指示受信手段により受信された前記集配指示情報に係るインプラントが前記集配業者により前記病院に配達された後、当該インプラントの配達完了情報を前記管理サーバに送信する配達完了情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記配達完了情報送信手段から送信された前記配達完了情報を受信する配達完了情報受信手段を更に備え、
前記請求情報生成手段は、前記配達完了情報受信手段による前記配達完了情報の受信後に、前記請求情報を生成することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインプラント受注製造システムにおいて、
前記病院端末は、
前記集配業者により配達された前記インプラントが当該病院で使用された後、当該インプラントの使用済情報を前記管理サーバに送信する使用済情報送信手段を更に備え、
前記管理サーバは、
前記使用済情報送信手段から送信された前記使用済情報を受信する使用済情報受信手段を更に備え、
前記請求情報生成手段は、更に、前記使用済情報受信手段による前記使用済情報の受信後に、前記請求情報を生成することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、
少なくとも一の病院に設置された病院端末と、インプラントを販売業者から集荷して前記病院に配達する集配業者により使用される集配業者端末と、前記病院端末及び前記集配業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、前記病院で使用されるインプラントの受注出荷を管理する管理サーバと、を備えるインプラント受注出荷システムであって、
前記病院端末は、
予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データ、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データに基づいて、前記複数のインプラントの中から特定された前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を前記管理サーバに送信する注文情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、
前記注文情報送信手段から送信された前記注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、予め製造済みの形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中で、当該注文情報に係る形状及び寸法のインプラントの前記販売業者から前記病院への前記集配業者による集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成手段と、
この集配指示生成手段により生成された前記集配指示情報を前記集配業者端末に送信する集配指示送信手段と、を備え、
前記集配業者端末は、
前記集配指示送信手段から送信された前記集配指示情報を受信する集配指示受信手段と、
この集配指示受信手段により受信された前記集配指示情報に係るインプラントが前記集配業者により前記病院に配達された後、当該インプラントの配達完了情報を前記管理サーバに送信する配達完了情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記配達完了情報送信手段から送信された前記配達完了情報を受信する配達完了情報受信手段と、
この配達完了情報受信手段による前記配達完了情報の受信後に、前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を更に備えることを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインプラント受注出荷システムにおいて、
前記身体的特徴とは、人種、年齢及び性別のうち、少なくとも何れか一を含むことを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、
少なくとも一の病院で使用されるインプラントの受注製造を管理する管理サーバであって、
前記病院に設置された病院端末、及び、互いに異なる複数の種類のインプラントを各種類毎に製造する複数の製造業者の各々により使用される複数の製造業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、
前記病院端末から送信された、前記複数の種類のインプラントのうちの所定の種類のインプラントに係り、予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中から特定された患者の骨の所定部位に取付け予定の当該インプラントの注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する製造指示生成手段と、
前記複数の種類のインプラントの各々について、当該インプラントの製造業者を各種類毎に特定するための製造業者情報を記憶する製造業者情報記憶手段と、
この製造業者情報記憶手段に記憶されている前記製造業者情報に基づいて、前記複数の製造業者の中から前記注文情報受信手段により受信された前記注文情報に係る所定の種類のインプラントの製造業者を特定する製造業者特定手段と、
前記複数の製造業者端末のうち、前記製造業者特定手段により特定された前記製造業者により使用される製造業者端末に対して、前記製造指示生成手段により生成された前記製造指示情報を送信する製造指示送信手段と、
前記製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定の製造装置により製造された後、前記製造業者端末から送信された、当該インプラントの製造完了情報を受信する完了情報受信手段と、
この完了情報受信手段により前記製造完了情報が受信された後、前記所定の製造装置により製造された前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、
少なくとも一の病院で使用されるインプラントの受注出荷を管理する管理サーバであって、
病院に設置された病院端末、及び、インプラントを販売業者から集荷して前記病院に配達する集配業者により使用される集配業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、
前記病院端末から送信された、予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データ、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データに基づいて、前記複数のインプラントの中から特定された前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、予め製造済みの形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中で、当該注文情報に係る形状及び寸法のインプラントの前記販売業者から前記病院への前記集配業者による集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成手段と、
この集配指示生成手段により生成された前記集配指示情報を前記集配業者端末に送信する集配指示送信手段と、
前記集配指示情報に係るインプラントが前記集配業者により前記病院に配達された後、集配行者端末から送信された、当該インプラントの配達完了情報を受信する配達完了情報受信手段と、
この配達完了情報受信手段による前記配達完了情報の受信後に、前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、整形外科的手術にて使用予定の一のインプラントの販売を効率良く行うことができるとともに、病院側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した好適な一実施形態として例示するインプラント受注製造システムの概略構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のインプラント受注製造システムを構成する病院端末を示すブロック図である。
【図3】図1のインプラント受注製造システムを構成する手術支援装置を示すブロック図である。
【図4】図3の手術支援装置に記憶されているインプラント形状データを模式的に示す図である。
【図5】図1のインプラント受注製造システムを構成する管理サーバを示すブロック図である。
【図6】図1のインプラント受注製造システムを構成する製造業者端末を示すブロック図である。
【図7】図1のインプラント受注製造システムを構成する集配業者端末を示すブロック図である。
【図8】図1のインプラント受注製造システムによるインプラント受注製造処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のインプラント受注製造処理の続きを示すフローチャートである。
【図10】本発明を適用した好適な一実施形態として例示するインプラント受注出荷システムによるインプラント受注出荷処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】インプラントの一例としての人工股関節システムの出荷状態を説明するための図である。
【図12】図11の続きを表し、人工股関節システムの出荷状態を説明するための図である。
【図13】インプラントの一例としての人工膝関節システムの出荷状態を説明するための図である。
【図14】図13の続きを表し、人工膝関節システムの出荷状態を説明するための図である。
【図15】本発明に係るインプラントの一例としての人工膝関節システムの出荷状態を説明するための図である。
【図16】図15の続きを表し、人工膝関節システムの出荷状態を説明するための図である。
【図17】本発明に係るインプラントの一例としての脊椎システムの出荷状態を説明するための図である。
【図18】図17の脊椎システムの術前計画と使用結果との対応関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した好適な一実施形態として例示するインプラント受注製造システム100の概略構成を模式的に示す図である。
【0020】
本実施形態のインプラント受注製造システム100は、病院Hで使用されるインプラントを受注して当該インプラントの製造業者Mによる製造を管理するシステムである。具体的には、図1に示すように、インプラント受注製造システム100は、複数の病院H(例えば、第1及び第2病院H1、H2等)に設置された複数の病院端末1、…と、互いに異なる複数の種類のインプラントの製造業者M(例えば、第1及び第2製造業者M1、M2等)により使用される複数の製造業者端末2、…と、インプラントの集配サービス業者Sにより使用される集配業者端末3と、当該システム100の管理会社Cにより使用される管理サーバ4と、を備えている。そして、複数の病院端末1、…と、複数の製造業者端末2、…と、集配業者端末3と、管理サーバ4とは、例えばインターネット等の外部ネットワーク(通信回線)N1を介して情報通信可能に接続されている。
なお、図1にあっては、複数の病院H、…として、第1及び第2病院H1、H2を例示し、複数の製造業者M、…として、第1及び第2製造業者M1、M2を例示したが、病院Hや製造業者Mの数は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0021】
先ず、病院端末1について、図2を参照して詳細に説明する。
図2は、病院端末1の概略構成を示すブロック図である。
病院端末1は、複数の病院H、…の各々に設置され、各病院端末1は、略同様の構成をなしている。具体的には、図2に示すように、各病院端末1は、中央制御部11と、メモリ12と、プログラムメモリ13と、通信制御部14と、表示部15と、表示制御部16と、操作入力部17とを備えている。
【0022】
中央制御部11は、病院端末1の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部11は、CPU(Central Processing Unit;図示略)を備え、病院端末1用の各種処理
プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0023】
メモリ12は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部11、通信制御部14、表示制御部16等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0024】
プログラムメモリ13は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)やHDD(Hard Disc Drive)等により構成され、中央制御部11の動作に必要な各種プログラムやデータ(図示略)を記憶している。具体的には、プログラムメモリ13には、注文情報生成プログラム13a、使用済情報生成プログラム13bが記憶されている。
【0025】
注文情報生成プログラム13aは、手術支援装置10にて特定されたインプラントの注文情報を生成する注文情報生成処理に係る機能を中央制御部11のCPUに実現させるためのプログラムである。即ち、手術支援装置10(後述)にて、整形外科的手術に使用されるインプラントの種類、形状及び寸法が特定された後、手術支援装置10から院内ネットワークN2を介して送信された当該インプラントに係るインプラント特定情報(後述)が通信制御部14により受信されると、中央制御部11のCPUは、ユーザによる操作入力部17の所定操作に従って、プログラムメモリ13から注文情報生成プログラム13aを読み出して当該プログラムを実行し、受信したインプラント特定情報に係るインプラントの注文情報を生成する処理を実行する。
【0026】
使用済情報生成プログラム13bは、病院Hで使用されたインプラントの使用済情報を生成する使用済情報生成処理に係る機能を中央制御部11のCPUに実現させるためのプログラムである。即ち、製造業者Mにより製造され集配サービス業者Sにより配達されたインプラントが病院Hで整形外科的手術に使用された後、中央制御部11のCPUは、ユーザによる操作入力部17の所定操作に従って、プログラムメモリ13から使用済情報生成プログラム13bを読み出して当該プログラムを実行し、インプラントの使用済情報を生成する処理を実行する。
【0027】
通信制御部14は、例えば、モデム(MODEM:Modulater/DEModulater)、ターミナルア
ダプタ(Terminal Adapter)等によって構成され、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4等の外部機器との間で情報の通信制御を行うとともに、院内ネットワークN2を介して手術支援装置10との間で情報の通信制御を行う。
即ち、通信制御部14は、注文情報送信手段として、注文情報生成処理にて生成されたインプラントの注文情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する。具体的には、通信制御部14は、複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)のうち、患者の患部の所定部位に取付け予定の所定の種類のインプラントについて、手術支援装置10により特定された所定形状及び寸法のインプラントの特定情報が手術支援装置10から院内ネットワークN2を介して送信されると、当該インプラントの特定情報を受信する。そして、通信制御部14は、インプラントの特定情報の受信に基づいて、中央制御部11のCPUによる注文情報生成処理にて生成されたインプラントの注文情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する。
【0028】
また、通信制御部14は、使用済情報送信手段として、使用済情報生成処理にて生成されたインプラントの使用済情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する。具体的には、通信制御部14は、製造業者Mにより製造され集配サービス業者Sにより配達されたインプラントが病院Hで手術に使用された後、中央制御部11のCPUによる使用済情報生成処理にて生成されたインプラントの使用済情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する。
【0029】
なお、外部ネットワークN1は、当該システム100を構成する病院端末1、製造業者端末2、集配業者端末3、管理サーバ4を無線基地局やゲートウェイサーバ(共に図示略)等を介して接続する通信ネットワークである。この外部ネットワークN1としては、具体的には、WAN(Wide Area Network)等の回線形態を適用することが可能である。
また、院内ネットワークN2は、各病院H毎に構築され、病院端末1と手術支援装置10とを無線基地局やゲートウェイサーバ(共に図示略)等を介して接続する通信ネットワークである。この院内ネットワークN2としては、具体的には、LAN(Local Area Network)等の回線形態を適用することが可能である。
また、外部ネットワークN1や院内ネットワークN2は、専用線や既存の一般公衆回線を利用可能であり、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信ネットワーク網と、IPネットワーク、VoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ、インターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
【0030】
表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイから構成され、表示制御部16の制御下にて各種情報を表示画面に表示する。
【0031】
表示制御部16は、表示用データを生成して表示部15の表示画面に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部16は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)やVRAM(Video Random Access Memory)等を具備するビデオカード(図示略)を備えている。そして、表示制御部16は、中央制御部11からの表示指示に従って、例えば、インプラントの注文情報画面等の所定の画像の表示用データをビデオカードによる描画処理によって生成し、表示部15に出力する。
【0032】
操作入力部17は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウス等の操作部(図示略)を備え、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部11に出力する。
【0033】
また、病院端末1は、通信制御部14及び院内ネットワークN2を介して手術支援装置10と情報通信可能に接続されている。
手術支援装置10は、複数の病院H、…の各々に設置され、各手術支援装置10は、略同様の構成をなしている。この手術支援装置10は、手術の術前計画にて、患者の患部に取り付けられるインプラントの種類、形状及び寸法を解析してシミュレーションにより特定したり、術中に、インプラントの実際の取付位置や取付角度等、必要に応じて患部の骨切り量や骨切り位置などを画面表示等を用いて指示することにより、整形外科的手術を支援する。
なお、手術支援装置10は、互いに異なる複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)について、各種類毎に設けられても良く、例えば、第1病院H1には、人工膝関節の整形外科的手術に係る手術支援装置10が設けられ、一方、第2病院H2には、人工椎体の整形外科的手術に係る手術支援装置10が設けられても良いし、また、一の病院H(例えば、第1病院H1)内に、人工膝関節の整形外科的手術に係る手術支援装置10と、人工椎体の整形外科的手術に係る手術支援装置10がそれぞれ別個に設けられても良い。
【0034】
以下に、手術支援装置10について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
図3は、手術支援装置10の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、手術支援装置10は、中央制御部101と、メモリ102と、プログラムメモリ103と、通信制御部104と、表示部105と、表示制御部106と、操作入力部107と、データ記憶部108と、データ取得部109とを備えている。
【0035】
中央制御部101は、手術支援装置10の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部101は、CPU(図示略)を備え、手術支援装置10用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0036】
メモリ102は、例えば、DRAM等により構成され、中央制御部101、データ記憶部108、データ取得部109、通信制御部104、表示制御部106等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0037】
プログラムメモリ103は、例えば、不揮発性メモリやHDD等により構成され、中央制御部101の動作に必要な各種プログラムやデータ(図示略)を記憶している。具体的には、プログラムメモリ103には、インプラント特定プログラム103a、術中支援プログラム103bが記憶されている。
【0038】
インプラント特定プログラム103aは、複数のインプラントの中から患者の患部の所定部位に取付け予定のインプラントを特定する処理に係る機能を中央制御部101のCPUに実現させるためのプログラムである。即ち、中央制御部101のCPUは、ユーザによる操作入力部107の所定操作に従って、プログラムメモリ103からインプラント特定プログラム103aを読み出して当該プログラムを実行し、手術の術前計画にて、データ取得部109により取得された患者の骨形状データ109a及びデータ記憶部108に記憶されている複数のインプラント形状データd(図4参照;後述)に基づいて、複数のインプラントの中で患者の所定部位に取付け予定のインプラントを解析してシミュレーションにより特定する。
具体的には、中央制御部101のCPUは、インプラント特定プログラム103aの実行に基づいて、複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)の中から、患者の患部に取付け予定の所定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節等)を特定するとともに、患者の患部に取り付けられるインプラントの形状(例えば、大腿骨側関節構成部材と脛骨側関節構成部材の摺動面の形状や、骨側となる内部の形状等)及び寸法(解剖学的正位を基準とした前後方向及び左右方向の幅等)をシミュレーションにより特定して、当該インプラントの特定情報を生成する。このとき、必要に応じて、患部の取付け部位の骨切り量や骨切り位置を解析してシミュレーションにより特定しても良い。
なお、インプラント特定プログラム103aは、複数の種類のインプラントについて、各種類毎に設けられていても良い。この場合には、複数のプログラムの中で、ユーザ(医者等)により選択された所定の種類のインプラントに係るプログラムが中央制御部101のCPUにより実行されることで、当該所定の種類のインプラントの形状及び寸法を解析してシミュレーションにより特定する。
【0039】
術中支援プログラム103bは、インプラント特定処理にて特定されたインプラントの患部の取付部位に対する取付け固定を支援する処理に係る機能を中央制御部101のCPUに実現させるためのプログラムである。即ち、中央制御部101のCPUは、ユーザによる操作入力部107の所定操作に従って、プログラムメモリ103から術中支援プログラム103bを読み出して当該プログラムを実行し、術中に、インプラントの実際の取付位置や取付角度等、また、必要に応じて患部の骨切り量や骨切り位置などを、表示制御部106を制御して表示部105に画面表示させて指示する。
【0040】
データ記憶部108は、複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)の各々について、複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データd(図4参照)を記憶する。
ここで、インプラントとしては、例えば、人工膝関節、人工股関節などの人工関節や、骨折した脊椎を固定したり矯正や安定化等するための脊椎ケージや人工椎体などなどが挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。そして、インプラント形状データdは、複数の種類のインプラントの各々について、予め人種、年齢及び性別などの人の身体的特徴を基準として、外形及び寸法のうちの少なくとも一方を異ならせて設計されたインプラントの三次元形状に係るデータである。例えば、図4に示すように、インプラント形状データdは、解剖学的正位を基準として、インプラントの前後方向(顔が向いている方を前側とし、背側を後側とする方向)の寸法(前後幅)及び左右方向(観察者から向かって左右となる方向)の寸法(左右幅)を異ならせたものが複数規定されている。具体的には、例えば、前後幅(mm)としてx1〜x5が規定されるとともに左右幅(mm)としてy1〜y5が規定されており、当該前後幅及び左右幅に応じて、インプラントの寸法がA1〜A5、B1〜B5、C1〜C5、D1〜D5、E1〜E5に細分化されている。
なお、インプラント形状データdとして、解剖学的正位を基準として、前後方向及び左右方向の寸法について複数規定したものを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、前後方向及び左右方向に加えて上下方向(頭がある方を上側とし、足がある方を下側とする方向)の寸法についても複数規定しても良いし、前後方向及び左右方向のうち、何れか一方の方向と上下方向の寸法について複数規定しても良いし、前後方向、左右方向及び上下方向のうち、何れか一の方向の寸法についてのみ規定しても良い。
【0041】
また、インプラント形状データdは、前後方向、左右方向、上下方向等の寸法の他に、外形や内形などの形状を複数異ならせて規定しても良い。即ち、インプラント形状データdに係るインプラントは、その外形や内形などの形状は、略同一の形状を有しているが、例えば、内側(取り付けられる骨側)に窪みや空間部を有する人工関節の場合、当該人工関節の外寸、窪みや空間部の内寸の少なくとも一方の寸法を異ならせるようにしても良い。
【0042】
データ取得部109は、患者の患部(骨)のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データ109aを取得する。即ち、データ取得部109は、例えば、X線CT装置あるいはMRI装置などの医療用断層画像診断装置により撮像された患者の患部の取付部位の二次元断層画像データに基づいて生成された当該取付部位の三次元形状の骨形状データ109aを取得する。なお、三次元形状の骨形状データ109aの生成は、当該手術支援装置10にて行っても良いし、外部の図示しないデータ生成装置により行っても良い。
【0043】
通信制御部104は、例えば、モデム、ターミナルアダプタ等によって構成され、院内ネットワークN2を介して病院端末1との間で情報の通信制御を行う。
具体的には、通信制御部104は、当該手術支援装置10にて特定されたインプラントの特定情報を院内ネットワークN2を介して病院端末1に送信する。
【0044】
表示部105は、例えば、LCD、CRT等のディスプレイから構成され、表示制御部106の制御下にて各種情報を表示画面に表示する。
【0045】
表示制御部106は、表示用データを生成して表示部105の表示画面に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部106は、例えば、GPUやVRAM等を具備するビデオカード(図示略)を備えている。そして、表示制御部106は、中央制御部101からの表示指示に従って、例えば、インプラントの特定用画面等の所定の画像の表示用データをビデオカードによる描画処理によって生成し、表示部105に出力する。
【0046】
操作入力部107は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウス等の操作部(図示略)を備え、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部101に出力する。
【0047】
次に、管理サーバ4について、図5を参照して説明する。
図5は、管理サーバ4の概略構成を示すブロック図である。
管理サーバ4は、複数の病院H、…で使用されるインプラントの受注製造を管理するものであり、例えば、パーソナルコンピュータ等から構成されている。具体的には、図5に示すように、管理サーバ4は、中央制御部41と、メモリ42と、プログラムメモリ43と、通信制御部44と、表示部45と、表示制御部46と、操作入力部47と、データ記憶部48とを備えている。
【0048】
中央制御部41は、管理サーバ4の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部41は、CPU(図示略)を備え、管理サーバ4用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0049】
メモリ42は、例えば、DRAM等により構成され、中央制御部41、データ記憶部48、通信制御部44、表示制御部46等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0050】
プログラムメモリ43は、例えば、不揮発性メモリやHDD等により構成され、中央制御部41の動作に必要な各種プログラムやデータ(図示略)を記憶している。具体的には、プログラムメモリ43には、製造業者特定プログラム43a、製造指示情報生成プログラム43b、集配指示情報生成プログラム43c、請求情報生成プログラム43dが記憶されている。
【0051】
製造業者特定プログラム43aは、中央制御部41のCPUを製造業者特定手段として機能させるものである。即ち、製造業者特定プログラム43aは、複数の製造業者M、…の中から、インプラントの注文情報に係る所定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節等)の製造業者Mを特定する製造業者特定処理に係る機能を中央制御部41のCPUに実現させるためのプログラムである。
具体的には、中央制御部41のCPUは、病院端末1(例えば、第1病院H1に設置された病院端末1等)から送信されたインプラントの注文情報が通信制御部44により受信されると、プログラムメモリ43から製造業者特定プログラム43aを読み出して当該プログラムを実行し、データ記憶部48に記憶されている製造業者情報48aに基づいて、複数の製造業者M、…の中からインプラントの注文情報に係る所定の種類のインプラントと対応付けられている製造業者M(例えば、第1製造業者M1等)を特定する。
【0052】
製造指示情報生成プログラム43bは、中央制御部41のCPUを製造指示生成手段として機能させるものである。即ち、製造指示情報生成プログラム43bは、患者の患部の所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する製造指示情報生成処理に係る機能を中央制御部41のCPUに実現させるためのプログラムである。
具体的には、中央制御部41のCPUは、病院端末1から送信されたインプラントの注文情報が通信制御部44により受信されると、プログラムメモリ43から製造指示情報生成プログラム43bを読み出して当該プログラムを実行し、注文情報に基づいて患者の患部の所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する。
【0053】
集配指示情報生成プログラム43cは、中央制御部41のCPUを集配指示生成手段として機能させるものである。即ち、集配指示情報生成プログラム43cは、インプラントの集配サービス業者Sによる集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成処理に係る機能を中央制御部41のCPUに実現させるためのプログラムである。
具体的には、中央制御部41のCPUは、製造業者端末2から送信されたインプラントの製造完了情報が通信制御部44により受信されると、プログラムメモリ43から集配指示情報生成プログラム43cを読み出して当該プログラムを実行し、インプラントを製造業者M(例えば、第1製造業者M1等)から集荷して発注元である病院H(例えば、第1病院H1等)に対する配達を指示する集配指示情報を生成する。
【0054】
請求情報生成プログラム43dは、中央制御部41のCPUを請求情報生成手段として機能させるものである。即ち、請求情報生成プログラム43dは、所定の製造業者Mにより使用されるインプラント製造装置20により製造されたインプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成処理に係る機能を中央制御部41のCPUに実現させるためのプログラムである。
具体的には、中央制御部41のCPUは、製造業者端末2(例えば、第1製造業者M1により使用される製造業者端末2等)から送信されたインプラントの製造完了情報が通信制御部44により受信された後、集配業者端末3から送信されたインプラントの配達完了情報の通信制御部44による受信後に、プログラムメモリ43から請求情報生成プログラム43dを読み出して当該プログラムを実行し、インプラントの代金の請求情報を生成する。より具体的には、中央制御部41のCPUは、製造業者端末2から送信されたインプラントの製造完了情報が通信制御部44により受信された後、病院端末1(例えば、第1病院H1に設置された病院端末1等)から送信されたインプラントの使用済情報の通信制御部44による受信後に、プログラムメモリ43から請求情報生成プログラム43dを読み出して当該プログラムを実行し、インプラントの代金の請求情報を生成する。
なお、中央制御部41のCPUによるインプラントの代金の請求情報の生成タイミングを、集配業者端末3から送信されたインプラントの配達完了情報の通信制御部44による受信後であって、病院端末1から送信されたインプラントの使用済情報の通信制御部44による受信後としたが、これに限られるものではなく、製造業者端末2から送信されたインプラントの製造完了情報が通信制御部44により受信された後であれば如何なるタイミングであっても良い。
【0055】
データ記憶部48は、インプラントの製造業者Mを当該インプラントの種類毎に特定するための製造業者情報48aを記憶している。
製造業者情報48aは、例えば、複数の種類のインプラントについて、インプラントの各々の種類と、製造業者Mとが対応付けられて規定されている。具体的には、図示は省略するが、例えば、人工膝関節と第1製造業者M1とが対応付けられ、人工椎体と第2製造業者Mとが対応付けられている。
ここで、データ記憶部48は、複数の種類のインプラントの各々について、当該インプラントの製造業者Mを各種類毎に特定するための製造業者情報48aを記憶する製造業者情報48a記憶手段を構成している。
【0056】
通信制御部44は、例えば、モデム、ターミナルアダプタ等によって構成され、外部ネットワークN1を介して病院端末1や製造業者端末2等との間で情報の通信制御を行う。
具体的には、通信制御部44は、注文情報受信手段として、病院端末1(例えば、第1病院H1に設置された病院端末1等)の通信制御部14(注文情報送信手段)から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの注文情報を受信する。
【0057】
また、通信制御部44は、製造指示送信手段として、製造指示情報生成処理にて生成されたインプラントの製造指示情報を外部ネットワークN1を介して製造業者端末2に送信する。具体的には、通信制御部44は、複数の製造業者端末2、…のうち、製造業者特定処理により特定された製造業者M(例えば、第1製造業者M1等)により使用される製造業者端末2に対して、所定の種類のインプラントの製造指示情報を送信する。
【0058】
また、通信制御部44は、完了情報受信手段として、製造業者端末2の通信制御部24(完了情報送信手段)から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの製造完了情報を受信する。具体的には、通信制御部44は、インプラントの製造指示情報により指示されたインプラントが製造業者M(例えば、第1製造業者M1等)の所定のインプラント製造装置20により製造された後、当該製造業者Mにより使用される製造業者端末2の通信制御部24から送信されたインプラントの製造完了情報を受信する。
【0059】
また、通信制御部44は、集配指示送信手段として、製造業者Mにより製造されたインプラントの集配指示情報を集配サービス業者Sにより使用される集配業者端末3に外部ネットワークN1を介して送信する。具体的には、通信制御部44は、インプラントの製造完了情報の受信に基づいて、集配指示情報生成処理にて生成された当該インプラントの集配指示情報を集配業者端末3に送信する。
【0060】
また、通信制御部44は、配達完了情報受信手段として、集配業者端末3の通信制御部34(配達完了情報送信手段)から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの配達完了情報を受信する。具体的には、通信制御部44は、集配サービス業者Sによってインプラントが発注元の病院H(例えば、第1病院H1等)に配達された後、ユーザによる集配業者端末3の操作入力部37の所定操作に基づいて通信制御部34から送信されたインプラントの配達完了情報を受信する。
【0061】
また、通信制御部44は、使用済情報受信手段として、病院端末1の通信制御部14(使用済情報送信手段)から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの使用済情報を受信する。具体的には、通信制御部44は、集配サービス業者Sにより配達されたインプラントが発注元の病院H(例えば、第1病院H1等)で使用された後、ユーザによる病院端末1(例えば、第1病院H1に設置された病院端末1等)の操作入力部17の所定操作に基づいて通信制御部14から送信されたインプラントの使用済情報を受信する。
【0062】
また、通信制御部44は、請求情報送信手段として、請求情報生成処理にて生成されたインプラントの代金の請求情報を外部ネットワークN1を介して病院端末1に送信する。具体的には、通信制御部44は、集配業者端末3から送信されたインプラントの配達完了情報の受信後に、請求情報生成処理にて生成されたインプラントの代金の請求情報を病院端末1(例えば、第1病院H1に設置された病院端末1等)に送信する。より具体的には、通信制御部44は、病院端末1から送信されたインプラントの使用済情報の受信後に、請求情報生成処理にて生成されたインプラントの代金の請求情報を病院端末1に送信する。
【0063】
表示部45は、例えば、LCD、CRT等のディスプレイから構成され、表示制御部46の制御下にて各種情報を表示画面に表示する。
【0064】
表示制御部46は、表示用データを生成して表示部45の表示画面に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部46は、例えば、GPUやVRAM等を具備するビデオカード(図示略)を備えている。そして、表示制御部46は、中央制御部41からの表示指示に従って、例えば、インプラントの受注製造の管理用画面等の所定の画像の表示用データをビデオカードによる描画処理によって生成し、表示部45に出力する。
【0065】
操作入力部47は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウス等の操作部(図示略)を備え、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部41に出力する。
【0066】
次に、製造業者端末2ついて、図6を参照して説明する。
図6は、製造業者端末2の概略構成を示すブロック図である。
【0067】
製造業者端末2は、互いに異なる複数の種類のインプラントを各種類毎に製造する複数の製造業者M、…(例えば、第1及び第2製造業者M1、M2等)の各々に応じて複数設けられている。即ち、複数の製造業者M、…の各々は、互いに異なる複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)のうち、所定の種類のインプラントのみを製造し、例えば、第1製造業者M1は、人工膝関節を製造し、一方、第2製造業者Mは、人工椎体を製造する。
また、各製造業者端末2は、略同様の構成をなし、例えば、パーソナルコンピュータ等から構成されている。具体的には、図6に示すように、製造業者端末2は、中央制御部21と、メモリ22と、プログラムメモリ23と、通信制御部24と、表示部25と、表示制御部26と、操作入力部27とを備えている。
【0068】
中央制御部21は、製造業者端末2の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部21は、CPU(図示略)を備え、製造業者端末2用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0069】
メモリ22は、例えば、DRAM等により構成され、中央制御部21、通信制御部24、表示制御部26等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0070】
プログラムメモリ23は、例えば、不揮発性メモリやHDD等により構成され、中央制御部21の動作に必要な各種プログラムやデータ(図示略)を記憶している。
【0071】
通信制御部24は、例えば、モデム、ターミナルアダプタ等によって構成され、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4等との間で情報の通信制御を行う。
具体的には、通信制御部24は、製造指示受信手段として、管理サーバ4の通信制御部44(製造指示送信手段)から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの製造指示情報を受信する。
また、通信制御部24は、完了情報送信手段として、製造指示情報に係るインプラントの製造完了情報を外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する。具体的には、通信制御部24は、受信されたインプラントの製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定のインプラント製造装置20により製造された後、当該インプラントの製造完了情報を管理サーバ4に送信する。
【0072】
表示部25は、例えば、LCD、CRT等のディスプレイから構成され、表示制御部26の制御下にて各種情報を表示画面に表示する。
【0073】
表示制御部26は、表示用データを生成して表示部25の表示画面に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部26は、例えば、GPUやVRAM等を具備するビデオカード(図示略)を備えている。そして、表示制御部26は、中央制御部21からの表示指示に従って、例えば、インプラントの製造指示情報の受信画面等の所定の画像の表示用データをビデオカードによる描画処理によって生成し、表示部25に出力する。
【0074】
操作入力部27は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウス等の操作部(図示略)を備え、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部21に出力する。
【0075】
なお、インプラント製造装置20は、互いに異なる複数の種類のインプラントのうち、所定の種類のインプラントを製造するための加工装置であり、複数の製造業者M、…の各々に応じて複数設けられている。そして、インプラント製造装置20は、製造業者端末2により受信されたインプラントの製造指示情報に従って、所定の形状及び寸法のインプラントを製造する。具体的には、インプラント製造装置20には、手術支援装置10に記憶されている所定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節等)の三次元形状に係るインプラント形状データdと略同等のデータが記憶されており、当該インプラント形状データdを利用して、病院Hから発注された整形外科的手術に使用予定の所定の形状及び寸法のインプラントを一つ製造する。
なお、インプラントは、例えば、チタン等を所定の比率で含む合金やステンレス等の医療用材料から構成されている。
【0076】
次に、集配業者端末3ついて、図7を参照して説明する。
図7は、集配業者端末3の概略構成を示すブロック図である。
集配業者端末3は、所定のインプラント製造装置20により製造されたインプラントを製造業者M(例えば、第1製造業者M1等)から集荷して発注元の病院H(例えば、第1病院H1等)に配達する集配サービス業者Sにより使用されるものであり、例えば、パーソナルコンピュータ等から構成されている。具体的には、図7に示すように、集配業者端末3は、中央制御部31と、メモリ32と、プログラムメモリ33と、通信制御部34と、表示部35と、表示制御部36と、操作入力部37と、伝票作成部38とを備えている。
【0077】
中央制御部31は、集配業者端末3の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部31は、CPU(図示略)を備え、集配業者端末3用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0078】
メモリ32は、例えば、DRAM等により構成され、中央制御部31、通信制御部34、表示制御部36、伝票作成部38等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0079】
プログラムメモリ33は、例えば、不揮発性メモリやHDD等により構成され、中央制御部31の動作に必要な各種プログラムやデータ(図示略)を記憶している。
【0080】
伝票作成部38は、中央制御部31のCPUの制御下にて作動して、伝票の原紙に各種情報をプリントして、インプラントの集配に係る伝票(図示略)を作成する。即ち、伝票作成部38は、通信制御部34により受信したインプラントの集配指示情報に基づいて、集配者によるインプラントの集荷及び配達に用いられる伝票を作成する。
ここで、伝票にプリントされる各種情報には、例えば、配達先となるインプラントの発注元の病院名(例えば、第1病院名等)や住所、インプラントの製造元(集荷先)である製造業者名(例えば、第1製造業者名等)や住所、集配物であるインプラント名、個数等が挙げられる。
【0081】
また、伝票には、例えば、インプラントの集配管理用の情報が、集配者により使用される集配者端末30のスキャナなどにより読取可能なバーコード(一次元コード)や二次元コードなどの形態でプリントされても良い。そして、インプラントが病院Hに配達された後、集配者による集配者端末30の所定操作に基づいて、インプラントの集配管理用の情報が読み取られると、当該集配者端末30は、インプラントの配達完了情報を外部ネットワークN1を介して集配業者端末3に送信する。
【0082】
通信制御部34は、例えば、モデム、ターミナルアダプタ等によって構成され、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4等との間で情報の通信制御を行う。
具体的には、通信制御部34は、集配指示受信手段として、管理サーバ4の通信制御部44(集配指示送信手段)から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの集配指示情報を受信する。
また、通信制御部34は、配達完了情報送信手段として、インプラントの配達完了情報を外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する。具体的には、通信制御部34は、受信されたインプラントの集配指示情報に係るインプラントが集配者により病院H(例えば、第1病院H1等)に配達された後、集配者による集配者端末30の所定操作に基づいて当該集配者端末30から送信された配達完了情報を受信すると、インプラントの配達完了情報を管理サーバ4に送信する。
なお、集配者端末30は、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話等の情報通信端末に構成されている。
【0083】
表示部35は、例えば、LCD、CRT等のディスプレイから構成され、表示制御部36の制御下にて各種情報を表示画面に表示する。
【0084】
表示制御部36は、表示用データを生成して表示部35の表示画面に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部36は、例えば、GPUやVRAM等を具備するビデオカード(図示略)を備えている。そして、表示制御部36は、中央制御部31からの表示指示に従って、例えば、インプラントの集配指示情報の受信画面等の所定の画像の表示用データをビデオカードによる描画処理によって生成し、表示部35に出力する。
【0085】
操作入力部37は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウス等の操作部(図示略)を備え、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部31に出力する。
【0086】
次に、インプラント受注製造処理について、図8及び図9を参照して説明する。
図8及び図9は、インプラント受注製造システム100によるインプラント受注製造処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、以下に説明するインプラント受注製造処理にあっては、例えば、第1病院H1にて整形外科的手術が行われ、当該整形外科的手術に使用されるインプラントとして、第1製造業者M1により製造される人工膝関節を例示して説明する。
【0087】
図8に示すように、先ず、第1病院H1に設置された手術支援装置10にあっては、中央制御部101のCPUは、手術の術前計画にて、インプラント特定処理を行う(ステップS1)。具体的には、中央制御部101のCPUは、ユーザによる操作入力部107の所定操作に従って、プログラムメモリ103からインプラント特定プログラム103aを読み出して当該プログラムを実行し、データ取得部109により取得された患者の骨形状データ109a及びデータ記憶部108に記憶されている複数のインプラント形状データdに基づいて、複数のインプラントの中で患者の所定部位に取付け予定のインプラントを解析してシミュレーションにより特定する。具体的には、複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)のうち、患者の患部に取付け予定の人工膝関節の形状(例えば、大腿骨側関節構成部材と脛骨側関節構成部材の摺動面の形状や、骨側となる内部の形状等)及び寸法(解剖学的正位を基準とした前後方向及び左右方向の幅等)を解析してシミュレーションにより特定して、当該インプラントの特定情報を生成する。
続けて、通信制御部104は、インプラント特定処理にて特定されたインプラントの特定情報を院内ネットワークN2を介して病院端末1に送信する(ステップS2)。
【0088】
病院端末1にあっては、手術支援装置10から院内ネットワークN2を介して送信されたインプラント特定情報が通信制御部14により受信されると(ステップS3)、中央制御部11のCPUは、インプラントの注文情報を生成する注文情報生成処理を行う(ステップS4)。具体的には、中央制御部11のCPUは、ユーザによる操作入力部17の所定操作に従って、プログラムメモリ13から注文情報生成プログラム13aを読み出して当該プログラムを実行し、受信したインプラント特定情報に係るインプラントの注文情報を生成する。
その後、通信制御部14は、注文情報生成処理にて生成されたインプラントの注文情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS5)。
【0089】
管理サーバ4にあっては、病院端末1から送信されたインプラントの注文情報が通信制御部44により受信されると(ステップS6)、中央制御部41のCPUは、インプラントの注文情報に係る所定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節等)の製造業者Mを特定する製造業者特定処理を行う(ステップS7)。具体的には、中央制御部41のCPUは、プログラムメモリ43から製造業者特定プログラム43aを読み出して当該プログラムを実行し、データ記憶部48に記憶されている製造業者情報48aに基づいて、複数の製造業者M、…の中からインプラントの注文情報に係る所定の種類のインプラントと対応付けられている製造業者M(例えば、第1製造業者M1等)を特定する。
【0090】
続けて、中央制御部41のCPUは、患者の患部の所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する製造指示情報生成処理を行う(ステップS8)。具体的には、中央制御部41のCPUは、プログラムメモリ43から製造指示情報生成プログラム43bを読み出して当該プログラムを実行し、病院端末1から送信され通信制御部44により受信されたインプラントの注文情報に基づいて、患者の患部の所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する。
その後、通信制御部44は、製造指示情報生成処理にて生成されたインプラントの製造指示情報を、製造業者特定処理により特定された第1製造業者M1により使用される製造業者端末2に対して外部ネットワークN1を介して送信する(ステップS9)。
【0091】
第1製造業者M1により使用される製造業者端末2にあっては、通信制御部24は、管理サーバ4から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの製造指示情報を受信する(ステップS10)。
これにより、第1製造業者M1に設置されたインプラント製造装置20は、インプラントの製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントを製造する。具体的には、インプラント製造装置20は、手術支援装置10に記憶されている所定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節等)の三次元形状に係るインプラント形状データdと略同等のデータを利用して、病院Hから発注された整形外科的手術に使用予定の所定の形状及び寸法のインプラントを一つ製造する。
その後、通信制御部24は、インプラントの製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントの製造完了情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS11)。
【0092】
図9に示すように、管理サーバ4にあっては、製造業者端末2から送信されたインプラントの製造完了情報が通信制御部44により受信されると(ステップS12)、中央制御部41のCPUは、集配サービス業者Sによるインプラントの集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成処理を行う(ステップS13)。具体的には、中央制御部41のCPUは、プログラムメモリ43から集配指示情報生成プログラム43cを読み出して当該プログラムを実行し、製造されたインプラントを第1製造業者M1から集荷して発注元である第1病院H1に対する配達を指示する集配指示情報を生成する。
その後、通信制御部44は、集配指示情報生成処理にて生成されたインプラントの集配指示情報を、外部ネットワークN1を介して集配業者端末3に送信する(ステップS14)。
【0093】
集配業者端末3にあっては、管理サーバ4から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの集配指示情報が通信制御部34により受信されると(ステップS15)、伝票作成部38は、中央制御部31の制御下にて、受信されたインプラントの集配指示情報に基づいて、配達先となるインプラントの発注元の第1病院名や住所、インプラントの製造元である第1製造業者名や住所、集配物であるインプラント名、個数等の各種情報を伝票の原紙にプリントして、集配者によるインプラントの集荷及び配達に用いられる伝票を作成する(ステップS16)。
その後、作成された伝票を利用して、集配者によりインプラントの集配指示情報に係るインプラントが第1製造業者M1から集荷されて第1病院H1に配達された後、通信制御部34は、集配者により使用される集配者端末30から送信された配達完了情報を受信すると、ユーザによる集配業者端末3の操作入力部37の所定操作に基づいて、インプラントの配達完了情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS17)。
【0094】
管理サーバ4にあっては、通信制御部44は、集配業者端末3から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの配達完了情報を受信する(ステップS18)。
【0095】
その後、第1病院H1にて、手術支援装置10を利用して、即ち、中央制御部101のCPUが術中支援プログラム103bを実行することで、インプラントの実際の取付位置や取付角度等、また、必要に応じて患部の骨切り量や骨切り位置などを、表示制御部106を制御して表示部105に画面表示させて指示した状態で、患者の患部にインプラントを取付け固定する整形外科的手術が行われると、病院端末1にあっては、通信制御部14は、中央制御部11のCPUによる使用済情報生成プログラム13bの実行に基づいて生成されたインプラントの使用済情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS19)。
【0096】
管理サーバ4にあっては、病院端末1から送信されたインプラントの使用済情報が通信制御部44により受信されると(ステップS20)、中央制御部41のCPUは、プログラムメモリ43から請求情報生成プログラム43dを読み出して当該プログラムを実行し、第1製造業者M1により製造されたインプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成処理を行う(ステップS21)。
その後、通信制御部44は、請求情報生成処理にて生成されたインプラントの代金の請求情報を外部ネットワークN1を介して病院端末1に送信する(ステップS22)。
【0097】
病院端末1にあっては、通信制御部14は、管理サーバ4から外部ネットワークN1を介して送信された請求情報を受信して(ステップS23)、当該インプラント受注製造処理を終了する。
【0098】
以上のように、本実施形態のインプラント受注製造システム100によれば、管理サーバ4は、病院端末1から送信された、予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法の異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データd、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データ109aに基づいて特定された患者の所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を受信すると、当該インプラントの製造指示情報を、インプラントの製造業者Mにより使用される製造業者端末2に送信する。そして、製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定の製造装置により製造された後、管理サーバ4は、製造業者端末2から送信された、当該インプラントの製造完了情報を受信すると、当該インプラントの代金の請求情報を病院端末1に送信する。
即ち、手術の術前計画にて、三次元のインプラント形状データd及び骨形状データ109aを利用して解析(シミュレーション)することにより、患者の所定部位に取付け予定のインプラントの形状及び寸法を精確に特定することができる。特に、インプラント自体は、例えば、人種、年齢、性別等の身体的特徴を考慮して設計されていることから、最適の形状及び寸法を具備する一のインプラントを特定することができる。そして、製造業者Mは、病院Hからの発注後に、当該一のインプラントのみを製造すれば良いので、病院での整形外科的手術に対応するために予め複数の形状や寸法のインプラントを在庫として確保する必要がなくなる。
なお、術前計画にて、三次元のインプラント形状データd及び骨形状データ109aを利用した解析(シミュレーション)により特定されるインプラントの形状及び寸法の正確性は、「日整会誌(J. Jpn. Orthop. Assoc.)84(4)2010」に記載の「人工膝関節置換術における大腿骨後顆でのover-hangに関する検討−3D術前計画ソフトウェアAthenaを用いて−」や、「TKAにおける2D、2D digital, 3D templatingの正確性について」や、「人工膝関節の三次元術前計画と術後設置評価」などに、実際の手術に使用されるインプラントの形状及び寸法と誤差が小さいことが明示されている。また、今後の術前計画解析装置(支援装置)の改良・発展により更に正確性が高まるものと考えられる。
また、従来のように、使用予定の寸法のインプラントの他に、その前後の寸法のインプラントを出荷する場合に必要な検品作業を行わなくて良いため、製造業者Mから病院Hへのインプラントの配送の中間段階で生じていたコストを大幅に低減することもできる。
さらに、製造業者Mから病院Hへの出荷点数を大幅に削減することができ、病院H側にとっては、手術で使用されるまで保管しなければならないインプラントの数を減少させて、当該インプラントの保管スペースの削減を図ることができるだけでなく、インプラントの滅菌点数を減少させて、当該滅菌作業に関わる人的コストを削減することができる。
このように、整形外科的手術にて使用予定の一のインプラントのみを病院Hからの発注後に製造業者Mに製造させることができ、インプラントの製造効率及び販売効率の向上を図ることができる。この結果、インプラントの販売を効率良く行うことができるとともに、病院H側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図ることができる。
【0099】
また、複数の製造業者M、…が、互いに異なる複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)を各種類毎に製造する場合であっても、管理サーバ4は、これら複数の製造業者M、…の中から病院Hが発注した使用予定の特定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節)の製造業者Mを特定するので、病院H側で使用予定のインプラントを製造する製造業者Mを特定する必要がなくなる。即ち、インプラントの製造業者Mの中には、特定の種類のインプラントのみを専門的に取り扱う企業もあるが、病院Hにて使用予定のインプラントの種類に応じて連絡先が異なると業務効率の低下を招いてしまう。しかしながら、本実施形態のインプラント受注製造システム100にあっては、複数の製造業者M、…による複数の種類のインプラントの受注製造を管理サーバ4によって管理することができるので、手術の術前計画から実際の手術の終了まで窓口を一元化することができ、病院Hでの業務効率の向上を図ることができる。
【0100】
また、管理サーバ4は、インプラントの製造業者端末2から送信されたインプラントの製造完了情報が受信された後、集配業者端末3から送信されたインプラントの配達完了情報の受信後に、インプラントの代金の請求情報を生成する。より具体的には、管理サーバ4は、製造業者端末2から送信されたインプラントの製造完了情報が受信された後、病院端末1から送信されたインプラントの使用済情報の受信後に、インプラントの代金の請求情報を生成する。従って、製造業者Mにより製造されたインプラントの代金の請求を適正なタイミングで行うことができ、インプラントの受注製造の管理に係る業務効率の向上を図ることができる。
なお、管理サーバ4は、製造業者Mにより製造されたインプラントの代金や集配サービス業者Sによる集配サービスに係る代金等について、病院Hから所定の銀行口座への入金を管理する出納管理手段を備える構成としても良く、これにより、インプラントの受注製造の管理に係る業務効率の更なる向上を図ることができる。
【0101】
なお、上記実施形態にあっては、使用予定の一のインプラントを病院Hからの発注後に製造業者Mが製造するようにしたが、製造業者Mは、病院Hからの発注前に、予め複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)の各々について、外形及び寸法のうちの少なくとも一方を異ならせたインプラントを複数製造しておき、病院Hからの発注後に所望の外形及び寸法のインプラントを直ちに出荷するようにしても良い。
【0102】
以下に、本発明を適用した好適な一実施形態として例示するインプラント受注出荷システムについて説明する。
なお、インプラント受注出荷システムは、以下に説明する以外の点で、上記実施形態のインプラント受注製造システムと略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0103】
製造業者Mのインプラント製造装置20は、複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)の各々について、複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データd(図4参照)と略同等のデータに基づいて、予め人種、年齢及び性別などの人の身体的特徴を基準として、外形及び寸法のうちの少なくとも一方を異ならせた複数のインプラントを製造しておく。なお、インプラントの製造方法は、上記実施形態と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
そして、製造業者Mの製造業者端末2は、管理サーバ4の通信制御部44から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの注文情報を通信制御部24により受信する。すると、製造業者Mは、当該注文情報に係る形状及び寸法のインプラントの病院Hへの出荷準備を行う。
そして、当該注文情報に係る形状及び寸法のインプラントは、集配サービス業者Sにより製造業者Mから病院Hに集配される。
ここで、製造業者Mは、インプラントの販売業者として機能する。
【0104】
次に、インプラント受注出荷処理について、図10を参照して説明する。
図10は、インプラント受注出荷システムによるインプラント受注出荷処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、インプラント受注出荷処理は、以下に説明する以外の点で、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0105】
図10に示すように、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、先ず、第1病院H1に設置された手術支援装置10にあっては、中央制御部101のCPUは、手術の術前計画にて、インプラント特定処理を行う(ステップS1)。続けて、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部104は、インプラント特定処理にて特定されたインプラントの特定情報を院内ネットワークN2を介して病院端末1に送信する(ステップS2)。
【0106】
病院端末1にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、手術支援装置10から院内ネットワークN2を介して送信されたインプラント特定情報が通信制御部14により受信されると(ステップS3)、中央制御部11のCPUは、インプラントの注文情報を生成する注文情報生成処理を行う(ステップS4)。
その後、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部14は、注文情報生成処理にて生成されたインプラントの注文情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS5)。
【0107】
管理サーバ4にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、病院端末1から送信されたインプラントの注文情報が通信制御部44により受信されると(ステップS6)、中央制御部41のCPUは、インプラントの注文情報に係る所定の種類のインプラント(例えば、人工膝関節等)の製造業者M(例えば、第1製造業者M1)を特定する製造業者特定処理を行う(ステップS7)。
続けて、通信制御部44は、病院端末1から送信されたインプラントの注文情報を、製造業者特定処理により特定された第1製造業者M1により使用される製造業者端末2に対して外部ネットワークN1を介して送信する(ステップS51)。
【0108】
第1製造業者M1により使用される製造業者端末2にあっては、通信制御部24は、管理サーバ4から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの注文情報を受信する(ステップS52)。
これにより、第1製造業者M1は、予めインプラント製造装置20により外形及び寸法のうちの少なくとも一方を異ならせて製造されている複数のインプラントの中で、インプラントの注文情報に係る形状及び寸法のインプラントを特定して、当該インプラントの病院Hへの出荷準備を行う。
【0109】
その後、管理サーバ4にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、中央制御部41のCPUは、集配サービス業者Sによるインプラントの集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成処理を行う(ステップS13)。
なお、集配指示生成処理は、製造業者特定処理(ステップS7)にて製造業者Mの特定を行なう必要がない場合には、ステップS6におけるインプラントの注文情報の受信後に直ちに行われても良い。
その後、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部44は、集配指示情報生成処理にて生成されたインプラントの集配指示情報を、外部ネットワークN1を介して集配業者端末3に送信する(ステップS14)。
【0110】
集配業者端末3にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、管理サーバ4から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの集配指示情報が通信制御部34により受信されると(ステップS15)、伝票作成部38は、中央制御部31の制御下にて、受信されたインプラントの集配指示情報に基づいて、配達先となるインプラントの発注元の第1病院名や住所、インプラントの販売元である第1製造業者名や住所、集配物であるインプラント名、個数等の各種情報を伝票の原紙にプリントして、集配者によるインプラントの集荷及び配達に用いられる伝票を作成する(ステップS16)。
その後、作成された伝票を利用して、集配者によりインプラントの集配指示情報に係るインプラントが第1製造業者M1から集荷されて第1病院H1に配達された後、通信制御部34は、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、集配者により使用される集配者端末30から送信された配達完了情報を受信すると、ユーザによる集配業者端末3の操作入力部37の所定操作に基づいて、インプラントの配達完了情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS17)。
【0111】
その後、管理サーバ4にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部44は、集配業者端末3から外部ネットワークN1を介して送信されたインプラントの配達完了情報を受信する(ステップS18)。
【0112】
その後、第1病院H1にて、手術支援装置10を利用して、即ち、中央制御部101のCPUが術中支援プログラム103bを実行することで、インプラントの実際の取付位置や取付角度等、また、必要に応じて患部の骨切り量や骨切り位置などを、表示制御部106を制御して表示部105に画面表示させて指示した状態で、患者の患部にインプラントを取付け固定する整形外科的手術が行われる。
病院端末1にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部14は、中央制御部11のCPUによる使用済情報生成プログラム13bの実行に基づいて生成されたインプラントの使用済情報を、外部ネットワークN1を介して管理サーバ4に送信する(ステップS19)。
【0113】
管理サーバ4にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、病院端末1から送信されたインプラントの使用済情報が通信制御部44により受信されると(ステップS20)、中央制御部41のCPUは、プログラムメモリ43から請求情報生成プログラム43dを読み出して当該プログラムを実行し、第1製造業者M1により製造されたインプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成処理を行う(ステップS21)。
なお、請求情報生成処理は、ステップS20におけるインプラントの使用済情報の受信前に行われても良い。
その後、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部44は、請求情報生成処理にて生成されたインプラントの代金の請求情報を外部ネットワークN1を介して病院端末1に送信する(ステップS22)。
【0114】
病院端末1にあっては、上記実施形態のインプラント受注製造処理と略同様に、通信制御部14は、管理サーバ4から外部ネットワークN1を介して送信された請求情報を受信して(ステップS23)、当該インプラント受注出荷処理を終了する。
【0115】
従って、製造業者Mにより予め製造済みの形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中で、患者に取付け予定のインプラントの注文情報に係る形状及び寸法の一のインプラントを販売業者から病院に配達することができる。
これにより、従来のように、使用予定の寸法のインプラントの他に、その前後の寸法のインプラントを出荷する場合に必要な検品作業を行わなくて良いため、製造業者Mから病院Hへのインプラントの配送の中間段階で生じていたコストを大幅に低減することもできる。
さらに、製造業者Mから病院Hへの出荷点数を大幅に削減することができ、病院H側にとっては、手術で使用されるまで保管しなければならないインプラントの数を減少させて、当該インプラントの保管スペースの削減を図ることができるだけでなく、インプラントの滅菌点数を減少させて、当該滅菌作業に関わる人的コストを削減することができる。
このように、整形外科的手術にて使用予定の一のインプラントのみを出荷することができ、インプラントの販売を効率良く行うことができるとともに、病院H側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図ることができる。
【0116】
次に、図11〜図14を参照して、インプラントの従来の出荷状態について説明する。
図11及び図12は、インプラントの一例としての人工股関節システムの従来の出荷状態を説明するための図である。また、図13及び図14は、インプラントの一例としての人工膝関節システムの従来の出荷状態を説明するための図である。
【0117】
<人工股関節システム>
先ず、図11及び図12を参照して、患者のインプラントの取付部位の二次元画像(例えば、レントゲン画像等)を用いて手術の術前計画を行った場合における、人工股関節システムの出荷状態について説明する。
なお、図11及び図12中、最上段のカラムの「A」〜「J」は、何れか一の病院で行われた一回の手術に対応するものである。また、カラム内の数値は、部品点数を表している。また、背景にドットを付して表されているカラムが、術前計画にて想定された部品の種類(サイズ)であり、ドット数がより多いものが実際に手術で使用された部品の種類を表している。
【0118】
図11及び図12に示すように、人工股関節システムは、複数種(例えば、8つ)の部品を含んで構成され、具体的には、「バイポーラインサート」、「バイポーラアセンブリー」、「バイポーラヘッド」、「大腿骨ステム・カラー付きノンポーラス」、「ディスタルセントラライザー」、「大腿骨ステム・カラー付きポーラス」、「大腿骨ステム・カラー無しポーラス」、「大腿骨ヘッド/CoCr」等がある。
これら複数種の部品は、それぞれ形状やサイズを異ならせたものが複数あり、製品番号(カタログ番号)と対応付けて規定されている。具体的には、当該人工股関節システムは、コンセンサスオーソペディックス、インク(米国)により製造された「販売名:コンセンサス人工股関節システム」(承認番号:20900BZY00951000)と「販売名:コンセンサス大腿骨ステム」(承認番号:20900BZY00992000)に対応する。
【0119】
「バイポーラインサート」は、具体的には、例えば、適合ヘッドサイズを異ならせたものが3種類ある。
また、「バイポーラアセンブリー」は、具体的には、例えば、外径、ヘッド径及びネック長のうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが33種類ある。
また、「バイポーラヘッド」は、具体的には、例えば、外径を異ならせたものが8種類ある。
また、「大腿骨ステム・カラー付きノンポーラス」は、具体的には、例えば、ステム径、ステム長、ネック長及びオフセット長のうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが9種類ある。
また、「ディスタルセントラライザー」は、具体的には、例えば、規格を異ならせたものが6種類ある。
また、「大腿骨ステム・カラー付きポーラス」は、具体的には、例えば、ステム径、ステム長、ネック長及びオフセット長のうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが9種類ある。
また、「大腿骨ステム・カラー無しポーラス」は、具体的には、例えば、ステム径、ステム長、ネック長及びオフセット長のうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが8種類ある。
また、「大腿骨ヘッド/CoCr」は、具体的には、例えば、外径及びネックサイズのうちの少なくとも一方を異ならせたものが3種類ある。
これらは人工股関節システムを構成する部品の一例であって、これらに限られるものではないが、上記したものだけでも総計すると部品は79種類となる。
【0120】
そして、例えば、手術「A」の場合、「バイポーラインサート」を3種類、「バイポーラアセンブリー」を33種類、「バイポーラヘッド」を8種類、「大腿骨ステム・カラー付きノンポーラス」を9種類、「ディスタルセントラライザー」を6種類、「大腿骨ステム・カラー無しポーラス」を8種類、「大腿骨ヘッド/CoCr」を3種類の総計70点の部品を病院側に出荷している。
このうち、「バイポーラアセンブリー」は、術前計画にて部品の種類(サイズ)が9種類に限定されているものの、当該術前計画では二次元画像を用いているために精度が悪く、実際には33種類全ての部品を出荷する必要が生じている。
同様に、「大腿骨ステム・カラー無しポーラス」についても、術前計画にて部品の種類(サイズ)が3種類に限定されているものの、実際には8種類全ての部品を出荷する必要が生じている。
【0121】
また、他の手術「B」〜「J」についても、詳細な説明は省略するが、同様に、術前計画にて部品の種類(サイズ)を所定数に限定しているものの、当該術前計画では二次元画像を用いているために精度が悪く、実際に使用される部品数よりも多い数の部品を出荷する必要が生じている。
【0122】
この結果、製造業者(販売業者)側にとっては、人工股関節システム(インプラント)の販売効率の低下を招き、病院側にとっては、当該インプラントの保管及び滅菌作業に係る効率の低下を招いている。
【0123】
<人工膝関節システム>
次に、図13及び図14を参照して、患者のインプラントの取付部位の二次元画像(例えば、レントゲン画像等)を用いて手術の術前計画を行った場合における、人工膝関節システムの出荷状態について説明する。
なお、図13及び図14中、最上段のカラムの「K」〜「U」は、何れか一の病院で行われた一回の手術に対応するものである。また、カラム内の数値は、部品点数を表している。また、背景にドットを付して表されているカラムが、術前計画にて想定された部品の種類(サイズ)であり、ドット数がより多いものが実際に手術で使用された部品の種類を表している。
【0124】
図13及び図14に示すように、人工膝関節システムは、複数種(例えば、11つ)の部品を含んで構成され、具体的には、「P/S大腿骨コンポーネントノンポーラス」、「PS/脛骨インサート」、「キャンセラスボーンスクリュー」、「パテラコンポーネントオールポリ/10mm」、「パテラコンポーネントオールポリ/7.5mm」、「大腿骨コンポーネントノンポーラス」、「大腿骨コンポーネントポーラス」、「脛骨インサート」、「脛骨ベースプレート・ステム付きノンポーラス」、「脛骨ベースプレートCoCr(ステム付きノンポーラス)」、「脛骨ベースプレート・ステム付きポーラス」等がある。
これら複数種の部品は、それぞれ形状やサイズを異ならせたものが複数あり、製品番号(カタログ番号)と対応付けて規定されている。具体的には、当該人工膝関節システムは、コンセンサスオーソペディックス、インク(米国)により製造された「販売名:コンセンサス人工膝関節システム」(承認番号:20900BZY00148000)に対応する。
【0125】
「P/S大腿骨コンポーネントノンポーラス」は、具体的には、例えば、左右、A−P、M−L及びBOXのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが8種類ある。
また、「PS/脛骨インサート」は、具体的には、例えば、左右、厚さ及びサイズのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが16種類ある。
また、「キャンセラスボーンスクリュー」は、具体的には、例えば、サイズを異ならせたものが8種類ある。
また、「パテラコンポーネントオールポリ/10mm」は、具体的には、例えば、サイズを異ならせたものが2種類ある。
また、「パテラコンポーネントオールポリ/7.5mm」は、具体的には、例えば、サイズを異ならせたものが2種類ある。
また、「大腿骨コンポーネントノンポーラス」は、具体的には、例えば、左右、A−P、M−L及びBOXのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが8種類ある。
また、「大腿骨コンポーネントポーラス」は、具体的には、例えば、左右、A−P、M−L及びBOXのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが12種類ある。
また、「脛骨インサート」は、具体的には、例えば、左右、厚さ及びサイズのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが24種類ある。
また、「脛骨ベースプレート・ステム付きノンポーラス」は、具体的には、例えば、左右、A−P及びM−Lのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが8種類ある。
また、「脛骨ベースプレートCoCr(ステム付きノンポーラス)」は、具体的には、例えば、左右、A−P及びM−Lのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが8種類ある。
また、「脛骨ベースプレート・ステム付きポーラス」は、具体的には、例えば、左右、A−P及びM−Lのうちの少なくとも何れか一を異ならせたものが12種類ある。
これらは人工膝関節システムを構成する部品の一例であって、これらに限られるものではないが、上記したものだけでも総計すると部品は108種類となる。
【0126】
そして、例えば、手術「M」の場合、「キャンセラスボーンスクリュー」を8種類(16個)、「パテラコンポーネントオールポリ/10mm」を2種類、「パテラコンポーネントオールポリ/7.5mm」を2種類、「大腿骨コンポーネントポーラス」を6種類、「脛骨インサート」を12種類、「脛骨ベースプレート・ステム付きポーラス」を6種類の総計44点の部品を病院側に出荷している。
このうち、「キャンセラスボーンスクリュー」は、術前計画にて部品の種類(サイズ)が3種類(6個)に限定されているものの、当該術前計画では二次元画像を用いているために精度が悪く、実際には8種類(16個)全ての部品を出荷する必要が生じている。
同様に、「大腿骨コンポーネントポーラス」についても、術前計画にて部品の種類(サイズ)が3種類に限定されているものの、実際には6種類の部品を出荷する必要が生じている。
また、同様に、「脛骨インサート」についても、術前計画にて部品の種類(サイズ)が6種類に限定されているものの、実際には12種類の部品を出荷する必要が生じている。
また、同様に、「脛骨ベースプレート・ステム付きポーラス」についても、術前計画にて部品の種類(サイズ)が3種類に限定されているものの、実際には6種類の部品を出荷する必要が生じている。
さらに、「パテラコンポーネントオールポリ/10mm」に至っては、術前計画にて「パテラコンポーネントオールポリ/7.5mm」の使用が想定されているにも拘わらず、当該部品の出荷が行われている。
【0127】
また、他の手術「K」、「L」、「N」〜「U」についても、詳細な説明は省略するが、同様に、術前計画にて部品の種類(サイズ)を所定数に限定しているものの、当該術前計画では二次元画像を用いているために精度が悪く、実際に使用される部品数よりも多い数の部品を出荷する必要が生じている。
【0128】
この結果、製造業者(販売業者)側にとっては、人工膝関節システム(インプラント)の販売効率の低下を招き、病院側にとっては、当該インプラントの保管及び滅菌作業に係る効率の低下を招いている。
【0129】
次に、図15〜図18を参照して、本発明を適用して、術前計画にてインプラント形状データdを用いた解析(シミュレーション)により、患者の所定部位に取付け予定のインプラントを特定した場合の出荷状態について説明する。
【0130】
<人工膝関節システム>
先ず、図15及び図16を参照して、人工膝関節システムの出荷状態について説明する。
図15及び図16は、本発明に係るインプラントの一例としての人工膝関節システムの出荷状態を説明するための図である。
なお、図15及び図16中、左側のカラムには、術前計画にて想定された部品の種類(サイズ)を背景にドットを付して表すとともに、上記した図13及び図14と同様に従来の態様で出荷した場合の部品点数の出荷状態(通常出荷)を表している。また、右側のカラムには、術前計画にて想定された部品の種類(サイズ)の正確性を考慮して、出荷される部品の種類(サイズ)を限定した場合の出荷状態(限定出荷)を表すとともに、実際に使用された部品の種類(サイズ)を背景にドットを付して表している。
また、人工膝関節システムを構成する部品は、上記した図13及び図14と同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0131】
図15及び図16に示すように、「パテラコンポーネントオールポリ/10mm」、「大腿骨コンポーネントノンポーラス」、「脛骨ベースプレート・ステム付きノンポーラス」については、術前計画で想定された部品の種類(サイズ)と実際に使用された部品の種類との間に相違が全くなく、「脛骨インサート」についても術前計画で想定された部品の種類(サイズ)の範囲内となっている。
つまり、本発明に係る三次元のインプラント形状データdを利用した解析により特定されるインプラントの形状及び寸法の正確性、即ち、コンピュータによるシミュレーションの正確性が高いため、術前計画で想定した部品の種類(サイズ)と実際に使用された部品の種類との間の相違が小さいと考えられる。これにより、販売業者は、部品の種類(サイズ)を限定して(部品の出荷点数を減少させて)出荷することができ、インプラントの販売を効率良く行うことができるとともに、病院側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図ることができる。
【0132】
<脊椎システム>
次に、図17及び図18を参照して、脊椎システムの出荷状態について説明する。
図17は、本発明に係るインプラントの一例としての脊椎システムの出荷状態を説明するための図である。また、図18は、脊椎システムの術前計画と使用結果との対応関係を説明するための図である。
なお、図17中、最上段のカラムの「V」は、出荷する部品点数を制限しない場合の出荷状態(通常出荷)を表し、「W」〜「Y」は、何れか一の病院で行われた一回の手術に対応し、出荷される部品の種類(サイズ)を限定した場合の出荷状態(限定出荷)を表している。また、カラム内の数値は、部品点数を表している。また、背景にドットを付して表されているカラムが術前計画にて想定された部品の種類(サイズ)を表している。
また、図18中、「T」は胸椎を、「L」は腰椎を表し、「T」や「L」に連続して記載された数値(例えば、「T9」のうち、「9」等)は、各椎骨の番号を表している。
【0133】
図17に示すように、脊椎システムは、複数種(例えば、2つ)の部品を含んで構成され、具体的には、「Tiクローズド・スクリュー」、「トップローディングモノアクシャルスクリュー」等がある。
これら複数種の部品は、それぞれ形状やサイズを異ならせたものが複数あり、製品番号(カタログ番号)と対応付けて規定されている。具体的には、当該脊椎システムは、株式会社ロバート・リード商会により製造された「販売名:KAPSS スパイナルシステム」(承認番号:21200BZZ00724000)、「販売名:KAPSS トップローディングモノアクシャルスクリュー」(承認番号:22300BZX00011000)に対応する。
【0134】
「Tiクローズド・スクリュー」は、具体的には、例えば、ヘッド径及びネック長のうちの少なくとも一方を異ならせたものが12種類ある。
また、「トップローディングモノアクシャルスクリュー」は、具体的には、例えば、ヘッド径及びネック長のうちの少なくとも一方を異ならせたものが18種類ある。なお、「トップローディングモノアクシャルスクリュー」は、「Tiクローズド・スクリュー」の予備的な部品に相当する。
これらは脊椎システムを構成する部品の一例であって、これらに限られるものではないが、上記したものだけでも総計すると部品は30種類(192個)となる。
【0135】
そして、例えば、手術「W」の場合、「Tiクローズド・スクリュー」を5種類(36個)、「トップローディングモノアクシャルスクリュー」を8種類(54個)の総計90点の部品を病院側に出荷している。即ち、通常出荷:「V」の部品点数に比べて、出荷される部品点数が1/2を下回っている。
また、他の手術「X」、「Y」についても、詳細な説明は省略するが、同様に、通常出荷:「V」の部品点数に比べて、出荷される部品点数が約1/2となっている。
【0136】
つまり、本発明に係る三次元のインプラント形状データdを利用した解析により特定されるインプラントの形状及び寸法の正確性、即ち、コンピュータによるシミュレーションの正確性が高いため、術前計画で想定した部品の種類(サイズ)と実際に使用された部品の種類との間の相違が小さいと考えられる。例えば、図18に示すように、手術「W」において、左側の胸椎「T10」についてのみ(背景にドットを付して表すカラム)、術前計画と使用結果との間に相違があったが、手術「X」、「Y」については相違が全く生じていない。
これにより、図17に示すように、販売業者が部品の種類(サイズ)を限定して(部品の出荷点数を減少させて)出荷しても、手術に支障をきたす可能性は非常に低いと考えられる。また、今後の術前計画解析装置の改良・発展により更に正確性が高まるものと考えられる。
従って、販売業者は、インプラントの販売を効率良く行うことができるとともに、病院側におけるインプラントの保管及び滅菌作業の効率化を図ることができる。
【0137】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態にあっては、インプラントの製造業者Mと管理会社Cとを分けるようにしたが、当該システム100の管理業務を一の製造業者Mが行っても良い。即ち、製造業者端末2のプログラムメモリ23に、管理サーバ4に係る所定の機能を実現するための所定の管理用プログラムを記憶しておき、中央制御部21のCPUが、当該管理用プログラムを読み出して実行することで、管理サーバ4としての所定の機能を実現させるようにしても良い。
【0138】
また、複数の製造業者M、…は、互いに異なる複数の種類のインプラント(例えば、人工膝関節や人工椎体等)を各種類毎に製造する構成としたが、同じ種類のインプラントを製造するようにしても良く、かかる場合には、管理サーバ4は、これら複数の製造業者M、…の中から、例えば、発注元の病院Hまでの時間的距離や物理的距離、インプラントの代金、インプラントの受注状況などを考慮して、何れか一の製造業者Mを特定するようにしても良い。
【0139】
さらに、病院端末1、管理サーバ4、製造業者端末2、集配業者端末3などの構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これらに限られるものではない。例えば、病院端末1と手術支援装置10とが別個の装置で構成されたものを例示したが、これらの装置は一体となって構成されていても良い。また、病院端末1と手術支援装置10とが院内ネットワークN2を介して情報通信可能に接続されたものを例示したが、必ずしもこれらの装置が情報通信可能に接続されている必要はない。
【0140】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0141】
100 インプラント受注製造システム(インプラント受注出荷システム)
1 病院端末
10 手術支援装置
11 中央制御部
14 通信制御部
2 製造業者端末
20 インプラント製造装置
21 中央制御部
24 通信制御部
3 集配業者端末
31 中央制御部
34 通信制御部
4 管理サーバ
41 中央制御部
44 通信制御部
N1 外部ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一の病院に設置された病院端末と、所定の種類のインプラントの製造業者により使用される製造業者端末と、前記病院端末及び前記製造業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、前記病院で使用されるインプラントの受注製造を管理する管理サーバと、を備えるインプラント受注製造システムであって、
前記病院端末は、
予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データ、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データに基づいて、前記複数のインプラントの中から特定された前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を前記管理サーバに送信する注文情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、
前記注文情報送信手段から送信された前記注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する製造指示生成手段と、
この製造指示生成手段により生成された前記製造指示情報を前記製造業者端末に送信する製造指示送信手段と、を備え、
前記製造業者端末は、
前記製造指示送信手段から送信された前記製造指示情報を受信する製造指示受信手段と、
この製造指示受信手段により受信された前記製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定の製造装置により製造された後、当該インプラントの製造完了情報を前記管理サーバに送信する完了情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記完了情報送信手段から送信された前記製造完了情報を受信する完了情報受信手段と、
この完了情報受信手段により前記製造完了情報が受信された後、前記所定の製造装置により製造された前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を更に備えることを特徴とするインプラント受注製造システム。
【請求項2】
前記製造業者端末は、
互いに異なる複数の種類のインプラントを各種類毎に製造する複数の製造業者の各々に応じて複数設けられ、
前記病院端末の前記注文情報送信手段は、前記複数の種類のインプラントのうち、前記患者の前記所定部位に取付け予定の所定の種類のインプラントについて、前記注文情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記複数の種類のインプラントの各々について、当該インプラントの製造業者を各種類毎に特定するための製造業者情報を記憶する製造業者情報記憶手段と、
この製造業者情報記憶手段に記憶されている前記製造業者情報に基づいて、前記複数の製造業者の中から前記注文情報受信手段により受信された前記注文情報に係る所定の種類のインプラントの製造業者を特定する製造業者特定手段と、を更に備え、
前記製造指示送信手段は、
前記複数の製造業者端末のうち、前記製造業者特定手段により特定された前記製造業者により使用される製造業者端末に対して、前記製造指示生成手段により生成された前記製造指示情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のインプラント受注製造システム。
【請求項3】
前記身体的特徴とは、人種、年齢及び性別のうち、少なくとも何れか一を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント受注製造システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、
前記所定の製造装置により製造されたインプラントを前記製造業者から集荷して前記病院に配達する集配業者により使用される集配業者端末と所定の通信回線を介して接続され、
前記完了情報受信手段による前記製造完了情報の受信に基づいて、前記インプラントの前記集配業者による集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成手段と、
この集配指示生成手段により生成された前記集配指示情報を前記集配業者端末に送信する集配指示送信手段を更に備え、
前記集配業者端末は、
前記集配指示送信手段から送信された前記集配指示情報を受信する集配指示受信手段と、
この集配指示受信手段により受信された前記集配指示情報に係るインプラントが前記集配業者により前記病院に配達された後、当該インプラントの配達完了情報を前記管理サーバに送信する配達完了情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記配達完了情報送信手段から送信された前記配達完了情報を受信する配達完了情報受信手段を更に備え、
前記請求情報生成手段は、前記配達完了情報受信手段による前記配達完了情報の受信後に、前記請求情報を生成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインプラント受注製造システム。
【請求項5】
前記病院端末は、
前記集配業者により配達された前記インプラントが当該病院で使用された後、当該インプラントの使用済情報を前記管理サーバに送信する使用済情報送信手段を更に備え、
前記管理サーバは、
前記使用済情報送信手段から送信された前記使用済情報を受信する使用済情報受信手段を更に備え、
前記請求情報生成手段は、更に、前記使用済情報受信手段による前記使用済情報の受信後に、前記請求情報を生成することを特徴とする請求項4に記載のインプラント受注製造システム。
【請求項6】
少なくとも一の病院に設置された病院端末と、インプラントを販売業者から集荷して前記病院に配達する集配業者により使用される集配業者端末と、前記病院端末及び前記集配業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、前記病院で使用されるインプラントの受注出荷を管理する管理サーバと、を備えるインプラント受注出荷システムであって、
前記病院端末は、
予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データ、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データに基づいて、前記複数のインプラントの中から特定された前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を前記管理サーバに送信する注文情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、
前記注文情報送信手段から送信された前記注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、予め製造済みの形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中で、当該注文情報に係る形状及び寸法のインプラントの前記販売業者から前記病院への前記集配業者による集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成手段と、
この集配指示生成手段により生成された前記集配指示情報を前記集配業者端末に送信する集配指示送信手段と、を備え、
前記集配業者端末は、
前記集配指示送信手段から送信された前記集配指示情報を受信する集配指示受信手段と、
この集配指示受信手段により受信された前記集配指示情報に係るインプラントが前記集配業者により前記病院に配達された後、当該インプラントの配達完了情報を前記管理サーバに送信する配達完了情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記配達完了情報送信手段から送信された前記配達完了情報を受信する配達完了情報受信手段と、
この配達完了情報受信手段による前記配達完了情報の受信後に、前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を更に備えることを特徴とするインプラント受注出荷システム。
【請求項7】
前記身体的特徴とは、人種、年齢及び性別のうち、少なくとも何れか一を含むことを特徴とする請求項6に記載のインプラント受注出荷システム。
【請求項8】
少なくとも一の病院で使用されるインプラントの受注製造を管理する管理サーバであって、
前記病院に設置された病院端末、及び、互いに異なる複数の種類のインプラントを各種類毎に製造する複数の製造業者の各々により使用される複数の製造業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、
前記病院端末から送信された、前記複数の種類のインプラントのうちの所定の種類のインプラントに係り、予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中から特定された患者の骨の所定部位に取付け予定の当該インプラントの注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの製造指示情報を生成する製造指示生成手段と、
前記複数の種類のインプラントの各々について、当該インプラントの製造業者を各種類毎に特定するための製造業者情報を記憶する製造業者情報記憶手段と、
この製造業者情報記憶手段に記憶されている前記製造業者情報に基づいて、前記複数の製造業者の中から前記注文情報受信手段により受信された前記注文情報に係る所定の種類のインプラントの製造業者を特定する製造業者特定手段と、
前記複数の製造業者端末のうち、前記製造業者特定手段により特定された前記製造業者により使用される製造業者端末に対して、前記製造指示生成手段により生成された前記製造指示情報を送信する製造指示送信手段と、
前記製造指示情報に係る形状及び寸法のインプラントが所定の製造装置により製造された後、前記製造業者端末から送信された、当該インプラントの製造完了情報を受信する完了情報受信手段と、
この完了情報受信手段により前記製造完了情報が受信された後、前記所定の製造装置により製造された前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項9】
少なくとも一の病院で使用されるインプラントの受注出荷を管理する管理サーバであって、
病院に設置された病院端末、及び、インプラントを販売業者から集荷して前記病院に配達する集配業者により使用される集配業者端末と所定の通信回線を介してそれぞれ接続され、
前記病院端末から送信された、予め人の身体的特徴を基準として設計された形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの三次元形状に係る複数のインプラント形状データ、及び、患者の骨のインプラントが取付けられる所定部位の三次元形状に係る骨形状データに基づいて、前記複数のインプラントの中から特定された前記患者の前記所定部位に取付け予定のインプラントの注文情報を受信する注文情報受信手段と、
この注文情報受信手段による前記注文情報の受信に基づいて、予め製造済みの形状及び寸法のうちの少なくとも一方が異なる複数のインプラントの中で、当該注文情報に係る形状及び寸法のインプラントの前記販売業者から前記病院への前記集配業者による集配を指示する集配指示情報を生成する集配指示生成手段と、
この集配指示生成手段により生成された前記集配指示情報を前記集配業者端末に送信する集配指示送信手段と、
前記集配指示情報に係るインプラントが前記集配業者により前記病院に配達された後、集配行者端末から送信された、当該インプラントの配達完了情報を受信する配達完了情報受信手段と、
この配達完了情報受信手段による前記配達完了情報の受信後に、前記インプラントの代金の請求情報を生成する請求情報生成手段と、
この請求情報生成手段により生成された前記請求情報を前記病院端末に送信する請求情報送信手段と、を備えることを特徴とする管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−33161(P2012−33161A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148742(P2011−148742)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(395014275)株式会社ロバート・リード商会 (3)
【Fターム(参考)】