説明

イーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置、OAMフレーム処理方法および処理プログラム

【課題】結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを使用してトラフィックの減少を図ると共に不要なOAMフレームへの処理による負荷の増大を防止したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置、OAMフレーム処理方法および処理プログラムを得ること。
【解決手段】受信フレーム判別手段11は、受信したフレームが自装置宛であるかを判別する。自装置宛の場合、単一フレーム処理内容実行手段14は、そのフレームの示す処理内容を実行する。通過フレーム送信手段15は、受信フレーム判別手段11が自装置宛ではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イーサネット(登録商標)−OAMフレームを用いたOAMフレーム用通信装置、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法およびイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークの管理や保守を行う機能はOAM(operations,administration,maintenance)と呼ばれている。イーサネット(登録商標)−OAMは、イーサネット(登録商標)網の管理や保守を行う機能である。
【0003】
近年、トラフィックの膨大な増加と共に、サービス事業者のネットワーク構成が大規模化している。サービス事業者は、加入者に対して常に安定したサービスを提供する必要がある。このため、遠隔からネットワークを構成する各接続線路の運用、保守ならびに管理を行っている。
【0004】
これとは別に、すべての通信をIP(Internet Protocol)化する動きがある。しかしながら、レイヤ2スイッチは信頼性に欠ける部分がある。そこで、イーサネット(登録商標)網についてOAM化が行われることになった。ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)Y.1731とIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.1agでは、イーサネット(登録商標)−OAMのフレームが各種規定されている。
【0005】
たとえば接続先までの通信ネットワークが連続して繋がっているかを調べるためのイーサネット(登録商標)−OAMフレームとしてイーサネット(登録商標)CC(Continuity Check)フレームという障害管理機能を備えたフレームが規定されている。接続先までフレームを送ったとき、このフレームが送信元に戻っているかを調べるイーサネット(登録商標)LB(Loop back)フレームや、各スイッチでフレームの確認応答を行うイーサネット(登録商標)LT(link trace)フレームも規定されている。このようなイーサネット(登録商標)−OAMフレームは、OAMの機能が追加されていくと共にますます増加していく傾向がある。
【0006】
一般にイーサネット(登録商標)−OAMフレームの種類が多くなれば、ネットワークの管理や保守を行う機能はそれに応じて充実する。ところが、この一方で、複数のイーサネット(登録商標)−OAMフレームがネットワーク上を頻繁に行き交うようになる。この結果、(1)通信装置の入出力ポートでの負荷が大きくなってしまうという問題を発生させる。また、(2)トラフィックの量も増大してしまうことになる。特に、イーサネット(登録商標)CCでは、定期間隔でフレームを流すため、トラフィックの量も膨大になってしまう。このように、イーサネット(登録商標)−OAMの機能を併用すると、それだけで帯域を大幅に消費してしまう問題がある。
【0007】
網の管理や保守を行う通常のイーサネット(登録商標)パケット同士を結合(アグリゲーション)することが、本発明の第1の関連技術として提案されている(たとえば特許文献1参照)。この第1の関連技術では、通信相手装置に対するフィードバック情報を含まない場合に限定して、送信データをペイロードに含むMAC(Media Access Control)フレームを他のMACフレームとアグリゲーションし、結合フレームとして送信する。この関連技術を使用すると、パケット同士を結合することで、通信装置の入出力ポートでの負荷の軽減と、トラフィックの減少を図ることができる。
【0008】
しかしながら、単純にイーサネット(登録商標)−OAMフレームを結合して通信ネットワークに送出すると、通信装置側では、これを1つのフレームとして判別する。これにより、個々のOAMフレームとしての管理や保守を行う機能を実現することができない。
【0009】
そこで本発明者は、受信したOAMフレームが、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームである場合には単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに分割する通信装置を第2の関連技術として提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−147786号公報(第0035段落、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この第2の関連技術によれば、通信装置は受信したOAMフレームが結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるときはこれを単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに分割する。したがって、従来、複数のOAMフレームとして送信していたOAMフレームの数を減少させてトラフィックの減少を図ることができる。
【0012】
また、第2の関連技術では、結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを受信した通信装置は、分割して得られた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを結合して次の通信装置に送出することができるようにした。これにより、通信ネットワークを構成する各通信装置を結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームが次々と伝送されていくとき、各通信装置の間で効率的な通信が可能になる。
【0013】
ところで、通信ネットワークを構成する各通信装置は、結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを受信したとき、分割後の複数のOAMフレームの中から自装置に必要なOAMフレームを選択して使用する。このため、通信装置によっては受信した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームの中に使用対象のOAMフレームが存在しない場合もある。
【0014】
ところが第2の関連技術で各通信装置は、結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを受信すると、これを必ず個々のOAMフレームに分割するという手法を採用していた。このため、自装置が使用しないOAMフレームのみから構成される結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを受信した通信装置は、単一のOAMフレームを受信する場合と比べて分割という無駄な処理を行うことになった。また、この場合、通信装置は分割後の単一のOAMフレームを使用しなかっただけでなく、トラフィックの減少のために再び結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームに結合して伝送路に送出する必要があった。したがって、単一のOAMフレームを入出力する場合に比べて通信装置の入出力ポートでの負荷が大きくなるという問題があった。
【0015】
そこで本発明の目的は、結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを使用してトラフィックの減少を図ると共に不要なOAMフレームへの処理による負荷の増大を防止したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置、OAMフレーム処理方法および処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明では、(イ)通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別手段と、(ロ)この受信フレーム判別手段が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別手段と、(ハ)このOAMフレーム形態判別手段で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段と、(ニ)この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記したOAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行手段と、(ホ)前記した受信フレーム判別手段が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信手段とをイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置が具備する。
【0017】
また、本発明では、(イ) 通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別ステップと、(ロ)この受信フレーム判別ステップで自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別ステップと、(ハ)このOAMフレーム形態判別ステップで結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップと、(ニ)この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップで生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記したOAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行ステップと、(ホ)前記した受信フレーム判別ステップで自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信ステップとをイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法が具備する。
【0018】
更に本発明では、コンピュータに、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラムとして、(イ)通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別処理と、(ロ)この受信フレーム判別処理で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別処理と、(ハ)このOAMフレーム形態判別処理で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理と、(ニ)この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記したOAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行処理と、(ホ)前記した受信フレーム判別処理で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別し、自装置宛でない場合にはフレームを次の送信先にそのまま送出することにした。これにより、イーサネット(登録商標)−OAMフレームが複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームである場合であっても、自装置宛でなければ、自装置内で単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに戻す処理が不要であり、自装置の処理負荷を軽減することができる。また、この一方で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを処理の対象とすることで単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームだけを入出力する場合と比べて通信ネットワークのトラフィックの量を軽減し、帯域を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置のクレーム対応図である。
【図2】本発明のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法のクレーム対応図である。
【図3】本発明のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラムのクレーム対応図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の通信システムの原理的な構成を示したシステム構成図である。
【図5】本実施の形態における第2のフレーム結合通信装置の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図6】本実施の形態における受信の対象となる単一OAMフレームの構成を表わした説明図である。
【図7】本実施の形態における受信の対象となる結合OAMフレームの構成を表わした説明図である。
【図8】図5に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部の具体的な構成を示したブロック図である。
【図9】図5に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部の具体的な構成を表わしたブロック図である。
【図10】本実施の形態でイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部の結合条件に関する設定処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】本実施の形態でイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部によるフレーム結合処理の様子を表わした流れ図である。
【図12】本実施の形態の受信フレーム判定部におけるフレーム判定指定処理の様子を表わした流れ図である。
【図13】本実施の形態の受信フレーム判定部における解析処理の様子を表わした流れ図である。
【図14】本実施の形態におけるイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部の処理の様子を表わした流れ図である。
【図15】本発明の変形例における第2のフレーム結合通信装置の構成を表わしたブロック図である。
【図16】この変形例における受信の対象となる結合OAMフレームの構成を表わした説明図である。
【図17】この変形例におけるイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部の処理の様子を表わした流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレーム用通信装置のクレーム対応図を示したものである。本発明のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置10は、受信フレーム判別手段11と、OAMフレーム形態判別手段12と、単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段13と、単一フレーム処理内容実行手段14と、通過フレーム送信手段15を備えている。ここで、受信フレーム判別手段11は、通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別する。OAMフレーム形態判別手段12は、自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが次のOAMフレームのいずれであるかを判別する。すなわち、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別する。単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段13は、OAMフレーム形態判別手段12で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する。単一フレーム処理内容実行手段14は、単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段13で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいはOAMフレーム形態判別手段12で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する。通過フレーム送信手段15は、受信フレーム判別手段11が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する。
【0022】
図2は、本発明のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレーム処理方法のクレーム対応図を示したものである。本発明のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法20は、受信フレーム判別ステップ21と、OAMフレーム形態判別ステップ22と、単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップ23と、単一フレーム処理内容実行ステップ24と、通過フレーム送信ステップ25を備えている。ここで、受信フレーム判別ステップ21では、通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別する。OAMフレーム形態判別ステップ22では、受信フレーム判別ステップ21で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、次のOAMフレームのいずれであるかを判別する。すなわち、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別する。単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップ23では、OAMフレーム形態判別ステップ22で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する。単一フレーム処理内容実行ステップ24では、単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップ23で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいはOAMフレーム形態判別ステップ22で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する。通過フレーム送信ステップ25では、受信フレーム判別ステップ21で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する。
【0023】
図3は、本発明のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレーム処理プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラム30は、コンピュータに、受信フレーム判別処理31と、OAMフレーム形態判別処理32と、単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理33と、単一フレーム処理内容実行処理34と、通過フレーム送信処理35を実行させるようにしている。ここで、受信フレーム判別処理31では、通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別する。OAMフレーム形態判別処理32では、受信フレーム判別処理31で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、次のOAMフレームのいずれであるかを判別する。すなわち、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別する。単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理33では、OAMフレーム形態判別処理32で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する。単一フレーム処理内容実行処理34では、単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理33で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいはOAMフレーム形態判別処理32で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する。通過フレーム送信処理35では、受信フレーム判別処理31で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する。
【0024】
<発明の第1の実施の形態>
【0025】
次に本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0026】
図4は、本発明の第1の実施の形態の通信システムの原理的な構成を示したものである。通信ネットワーク100上に第1〜第3のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置(以下、フレーム結合通信装置と略称する。)101〜103が配置されているものとする。第1のフレーム結合通信装置101は、イーサネット(登録商標)フレーム111を、第2のフレーム結合通信装置102を経由して第3のフレーム結合通信装置103に送出するものとする。
【0027】
このイーサネット(登録商標)フレーム111は、通常の単一のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム(以下、単に単一OAMフレームという。)である場合もあれば、単一OAMフレームを実質的に幾つか結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレーム(以下、単に結合OAMフレームという。)である場合もある。また、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム以外の通常のイーサネット(登録商標)フレームの場合もある。
【0028】
第1のフレーム結合通信装置101は、結合OAMフレームを自装置で作成するものであってもよいし、他の図示しない装置から受信し、この結合OAMフレームを転送するものであってもよい。第1〜第3のフレーム結合通信装置101〜103の間には、イーサネット(登録商標)網を形成する伝送路1121、1122が配置されている。
【0029】
ところで、イーサネット(登録商標)フレーム111が結合OAMフレームの場合には、たとえば単一OAMフレーム121〜123を結合して1つのフレームにしたものである。この図4に示した例の場合、第2のフレーム結合通信装置102は、結合OAMフレームである特定のイーサネット(登録商標)フレーム111を受信すると、これに自装置が必要とする単一OAMフレームが含まれていなければ、分割処理を加えずそのまま通過させる。
【0030】
第2のフレーム結合通信装置102から送り出された結合OAMフレームとしてのイーサネット(登録商標)フレーム111は、第3のフレーム結合通信装置103に送られる。第3のフレーム結合通信装置103は、自装置が必要とする単一OAMフレームが含まれていれば、受信したイーサネット(登録商標)フレーム111を分割する。そして、配下の通信装置104〜106に、それぞれ対応する単一OAMフレーム121〜123を送出する。
【0031】
このように本実施の形態の通信システム100では、第2のフレーム結合通信装置102として例示した装置がイーサネット(登録商標)フレーム111として特定の結合OAMフレームを受信した場合、自装置が必要とする単一OAMフレームが含まれていなければ、このイーサネット(登録商標)フレーム111を分割処理することはない。第2のフレーム結合通信装置102が、これ以外の結合OAMフレームをイーサネット(登録商標)フレーム111として受信した場合には単一OAMフレームに分割する処理を行う。この場合、分割後の単一OAMフレーム121〜123は再度結合して、イーサネット(登録商標)フレーム111として第3のフレーム結合通信装置103に向けて送出される。
【0032】
以上のように本実施の形態で使用される第2または第3のフレーム結合通信装置1032、1033は、イーサネット(登録商標)フレーム111を受信したとき、これが単一OAMフレームであるか結合OAMフレームであるかを判別する。そして、結合OAMフレームである場合には自装置が必要とする単一OAMフレームが含まれていれば、結合OAMフレームを単一OAMフレームに分割する処理を行う。イーサネット(登録商標)フレーム111に自装置が必要とする単一OAMフレームが含まれていなければ、そのイーサネット(登録商標)フレーム111の分割を行わずに、そのまま次の通信装置にその結合OAMフレームを転送する処理を行う。
【0033】
図5は、第2のフレーム結合通信装置の構成の概要を表わしたものである。図4に示した第1のフレーム結合通信装置101および第3のフレーム結合通信装置103も基本的に第2のフレーム結合通信装置102と同一の構成となっている。そこで、第1および第3のフレーム結合通信装置101、103の具体的な構成の図示および説明は省略する。図4と共に説明する。
【0034】
第2のフレーム結合通信装置102は、受信フレーム判定部131を備えている。受信フレーム判定部131は、伝送路1121を伝送するイーサネット(登録商標)フレーム111を受信する。
【0035】
受信フレーム判定部131は、受信したイーサネット(登録商標)フレーム111が以下の(1)〜(4)のいずれであるかを解析し、解析結果に応じてこれらを分別して出力する。ただし、本実施の形態では通常フレーム132と前記した特定のイーサネット(登録商標)フレーム111(以下、設定OAMフレーム133という。)は同一の経路から出力されるようになっている。
(1)通常フレーム132
(2)設定OAMフレーム133
(3)結合OAMフレーム134
(4)単一OAMフレーム135
【0036】
ここで通常フレーム132とは、OAMフレーム以外のフレームをいう。設定OAMフレーム133とは、たとえば「宛先のフレーム結合通信装置以外のフレーム結合通信装置では通過処理する」と第1のフレーム結合通信装置101(図4)内で設定したOAMフレームである。この例の場合の設定OAMフレーム133の宛先は第3のフレーム結合通信装置103なので、設定OAMフレーム133を第2のフレーム結合通信装置102が受信すると、自装置宛の設定OAMフレーム133ではない。そこで受信フレーム判定部131はこの設定OAMフレーム133をそのまま伝送路1122に送出する。単一OAMフレーム135とは、単一のイーサネット(登録商標)−OAMフレームである。結合OAMフレーム134とは、単一OAMフレーム135を複数結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームである。
【0037】
もちろん、イーサネット(登録商標)フレームではそのフレームの宛先を宛先MACアドレスとして指定するようにしている。したがって、たとえば第2のフレーム結合通信装置102が受信したOAMフレームの宛先MACアドレスにこの第2のフレーム結合通信装置102が指定されていなければ、第2のフレーム結合通信装置102はこの処理をパスしてこれを伝送路1122に送出する。したがって、このような場合の受信フレームを設定OAMフレーム133と判別してよい。
【0038】
受信フレーム判定部131で通常フレーム132あるいは設定OAMフレーム133と判別されたイーサネット(登録商標)フレーム111は、そのまま図4に示す伝送路1122に送出される。受信フレーム判定部131で結合OAMフレーム134と判別されたイーサネット(登録商標)フレーム111は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136に送られて、ここで単一OAMフレームに分割される。分割後の単一OAMフレーム137はイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138に入力される。
【0039】
受信フレーム判定部131で単一OAMフレーム135と判別されたイーサネット(登録商標)フレーム111は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138に入力される。イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138は入力された単一OAMフレーム135、137における後に説明するデータ部を読み取る。そして、この内容に従ってイーサネット(登録商標)−OAMとしての所定の管理あるいは保守のための処理を実行する。また、イーサネット(登録商標)−OAMの機能を実行するためのイーサネット(登録商標)−OAMフレームを新たに生成する。処理後の単一OAMフレーム139はイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141に入力される。
【0040】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138で生成されたフレームを受信する。イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141は、この受信したイーサネット(登録商標)−OAMフレームの結合条件を判断した後、これを満たすフレームを結合する。結合されたフレームは、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141から結合OAMフレーム142として送信される。また、結合の条件を満たさなかったフレームは単一OAMフレーム143としてイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141から同様に送信される。
【0041】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141は、先に説明した設定OAMフレーム133を結合の対象としていない。このように本実施の形態では単一OAMフレーム以外の結合OAMフレームでも、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136で分割処理が行われることなく第2のフレーム結合通信装置102を通過させることができる。この結果、図4に示した通信ネットワーク100におけるトラフィックのコントロールが可能になる。
【0042】
以上のような構成の第2のフレーム結合通信装置102は、CPU(Central Processing Unit)146と、所定の制御プログラムを格納したメモリ147を備えた制御部148を有している。第2のフレーム結合通信装置102内の受信フレーム判定部131等の各部の少なくとも一部は、CPU146がメモリ147に格納された制御プログラムを実行することでソフトウェア的に実現されるものであってもよい。
【0043】
ところで本実施の形態の通信ネットワーク100を伝送されるOAMフレームは、受信フレーム判定部131で結合OAMフレーム134と単一OAMフレーム135に大別される。そこで、結合OAMフレーム134と単一OAMフレーム135の構成の違いを次に説明する。
【0044】
図6は、本実施の形態における受信の対象となる単一OAMフレームの構成を表わしたものである。図5に示した単一OAMフレーム135は、従来から用いられているOAMフレームとその構成が同一である。
【0045】
単一OAMフレーム135は、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、Ethernet(登録商標)TYPE、データ部およびFCS(Frame Check Sequence)から構成されている。この構成自体は、通常のイーサネット(登録商標)フレームと同一である。Ethernet(登録商標)TYPEとは、上位層のプロトコルを識別するための番号情報である。このEthernet(登録商標)TYPEの値をチェックすることで、図5に示した受信フレーム判定部131は、受信したイーサネット(登録商標)フレーム111が結合OAMフレームか、それ以外のフレームとしての通常フレームであるかを判別することができる。
【0046】
データ部は、MA LEVEL、Version、OpCode(Operation Code)、Flags、TLV Offset(TYPE/Length/Value Offset)、TLV(TYPE/Length/Value)、End TLVから構成される。このうちの「Version」はITUT(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)の規格で、常に「0」となっている。
【0047】
図7は、本実施の形態における受信の対象となる結合OAMフレームの構成を表わしたものである。結合OAMフレーム134も、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、Ethernet(登録商標)TYPE、データ部およびFCSから構成されている。
【0048】
結合OAMフレーム134のデータ部には、図6の単一OAMフレーム135と比較すると、Combination TYPE部とCombination DATA部が追加されている。DATA部におけるCombination DATA部の残りの領域には、第1〜第nの小データ部1511〜151nが順に配置されている。
【0049】
Combination TYPE部は、単一OAMフレーム135(図6)のデータ部に存在せず、結合OAMフレーム134に独自のものである。そこでCombination TYPE部はイーサネット(登録商標)−OAMフレームが結合されているかの判別に使用される。
【0050】
Combination DATA部は、結合したフレームの数等のデータの内容を示す。本実施の形態では、Combination DATA部によってn個の単一OAMフレーム135のデータが第1〜第nの小データ部1511〜151nとして組み込まれることを示している。これにより、単一OAMフレーム135のn個分のデータ部(図6)を結合し、これらのイーサネット(登録商標)−OAM機能を統合することができる。
【0051】
第1〜第nの小データ部1511〜151nは、それぞれ図6に示した単一OAMフレーム135のデータ部と同様の構成である。たとえば第1の小データ部1511は、MA LEVEL(1)、Version(1)、OpCode(1)、Flags(1)、TLV Offset(1)、TLV(1)およびEnd TLV(1)から構成される。
【0052】
ただし、このうちの「Version」は図6に示した単一OAMフレーム135の場合、ITUTの規格で、常に「0」となっているが、図7の結合OAMフレーム134の場合にはこれ以外の値となっている。そこで、「Version」をチェックすることで結合フレームか単一フレームかを識別することができる。
【0053】
図8は、図5に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部の具体的な構成を示したものである。イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141は、単一OAMフレーム139を入力して、その宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLAN(Virtual Local Area Network)タグ、TYPE、データ部に示されるデータ等の情報を読み取る読取部161を備えている。読取部161の読取結果162は結合指定部163に送られる他に、メモリ部164にも入力されて記憶される。
【0054】
結合指定部163では、受信した単一OAMフレーム139における宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLANタグ、TYPE、データ、最大結合数、最大フレーム長に対する指定された結合条件に基づき、フレームの結合処理を指定する。たとえば、イーサネット(登録商標)−OAM試験において、イーサネット(登録商標)−CC(Continuity Check)とEthernet(登録商標)−APS(Automatic Protection Switching)を結合させる等のように、結合のための条件を指定する。結合の指定があれば、その結合指定条件をメモリ部164に保持する。
【0055】
読取部161はメモリ部164に保持された結合指定条件と受信したフレームの内容を確認する。この結果、結合指定条件に合致する場合には、図7におけるCombination DATA部を書き換えて、結合指定部163へ送信する。たとえば、受信したときのCombination DATA部はすべて「0」となっている。2バイト構成のCombination DATA部のうちの上位1バイトは最大結合数と最大フレーム長を示し、下位1バイトは結合指定条件を示すようになっている。
【0056】
読取部161から送られてきたイーサネット(登録商標)−OAMフレームのCombination DATA部が書き換えられていれば、そのOAMフレームをメモリ部164に保持する。Combination DATA部が書き換えられていなければ、単一フレームとしてそのまま送信する。書込部165では、メモリ部164に保持されたフレームの結合指定条件、最大結合数および最大フレーム長、結合先頭フレーム、結合末尾フレーム等の結合指定条件を確認して、結合処理を行う。
【0057】
図9は、図5に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部の具体的な構成を表わしたものである。イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136は、結合OAMフレーム134を入力する解析部171を備えている。解析部171は、受信したイーサネット(登録商標)−OAM結合フレームのCombination DATA部を読み取って、その内部の図示しないメモリにこの情報を保持する。
【0058】
分割部172は、解析部171に保持された情報を読み取って、第1〜第nの小データ部1511〜151nを単位として分割処理を行う。分割後の単一OAMフレーム137は、分割部172から図5に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138に送信される。
【0059】
以上、第2のフレーム結合通信装置102の構成を説明した。図5に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138や、図6に示した単一OAMフレーム135の構成は、従来から当業者によってよく知られている。また、本実施の形態における第1〜第3のフレーム結合通信装置101〜103や、これらを使用した通信ネットワーク100の特質を理解する上で、特に説明すべき箇所は存在しない。そこで、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138および単一OAMフレーム135についての具体的な説明は省略する。
【0060】
図10は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部の結合条件に関する設定処理の様子を表わしたものである。図5および図8と共に説明する。
【0061】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141は、図4に示した個々のフレーム結合通信装置101〜103の特性に応じて、結合条件を指定する(ステップS201)。ここでは、第2のフレーム結合通信装置102を例に採って説明を行う。第2のフレーム結合通信装置102の結合条件の指定はその工場出荷時に行ってもよいし、通信ネットワーク100の管理あるいは保守を行う管理者が第2のフレーム結合通信装置102を操作することで行ってもよい。
【0062】
ステップS201の結合条件の指定処理では、結合するイーサネット(登録商標)−OAMフレームの宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLANタグ、TYPE、DATA、最大結合数、最大フレーム長に対する結合条件を結合指定部163で指定する。最大フレーム長が指定された場合には、そのフレーム長との関係でOAMフレームの結合数が制限されることになる。
【0063】
結合条件に関する指定が終了したら(ステップS202:Y)、結合指定部163は指定された条件内容をメモリ部164に保持する(ステップS203)。これにより、結合条件の指定処理が終了する(エンド)。
【0064】
図11は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部によるフレーム結合処理の様子を表わしたものである。図5および図8と共に説明する。
【0065】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138から単一OAMフレーム139が送られてくるのを待機している(ステップS221)。単一OAMフレーム139を受信したら(Y)、読取部161はこのフレームの宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLANタグ、TYPE、データ部に示されるデータ等の情報を読み取り、これらの内容を確認する(ステップS222)。
【0066】
次に読取部161は読み取ったこれらの情報と、メモリ部164に保持されている結合条件の内容と比較を行い、受信した単一OAMフレーム139が指定された結合対象であるかを判断する(ステップS223)。この結果、その単一OAMフレーム139が結合対象のフレームでないと判断した場合には(N)、何も処理を加えずこの単一OAMフレーム139を単一OAMフレーム143として送信する(ステップS224)。この後、処理をステップS221の受信待機状態に戻す(リターン)。
【0067】
一方、読取部161は今回受信した単一OAMフレーム139を結合対象のフレームであると判別した場合(ステップS223:Y)、このフレームに関するデータをメモリ部164に保持する(ステップS225)。そして、この保持した単一OAMフレーム139に関するデータと結合の対象となる他のフレームがすでにメモリ部164内に存在しているかをチェックする(ステップS226)。
【0068】
結合の対象となる他のフレームがメモリ部164内に存在していない場合、すなわち結合に関する先頭フレームを受信した場合には(ステップS226:N)、フレーム結合の上限値に到達していない(ステップS227:N)。したがってこの場合には、フレーム結合の処理を行うことなく、ステップS221に戻って次の単一OAMフレーム139の受信を待機することになる(リターン)。
【0069】
これに対して、メモリ部164内に結合の対象となる他のフレームが存在していた場合には(ステップS226:Y)、対象となる「他のフレーム」を読み出す(ステップS228)。そして、ステップS225でメモリに今回保持した単一OAMフレーム139と、今読み出した「他のフレーム」を結合する(ステップS229)。ここで、「他のフレーム」とは単一OAMフレームであるとは限らず、複数の単一OAMフレームが既に結合されたものである場合もある。
【0070】
次に、ステップS229で結合されたフレームについて、図10のステップS201で指定した結合条件におけるフレーム結合の上限値に到達したかの判別が行われる(ステップS227)。上限値に到達していなければ(N)、単一OAMフレーム139の受信を更に待機してフレームの結合を行った方が効率的である。そこで、この場合には(ステップS227:N)、再びステップS221に戻って次の単一OAMフレーム139の受信を待機することになる(リターン)。
【0071】
これとは異なり、ステップS229で結合されたフレームが結合の上限値に到達した場合には(ステップS227:Y)、これ以上の結合を行うことができない。そこで、ステップS228で結合したフレームを結合OAMフレーム142としてイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141から送信することになる(ステップS230)。この後、ステップS221に処理が戻って、次の単一OAMフレーム139の受信が待機される(リターン)。
【0072】
図12は、受信フレーム判定部におけるフレーム判定指定処理の様子を表わしたものである。図4に示す第2のフレーム結合通信装置102を例にとって、図4および図5と共に説明する。
【0073】
受信フレーム判定部131は、既に説明したように受信したイーサネット(登録商標)フレーム111を解析して、これらを幾つかのタイプに判定し、判定結果に応じて出力経路を切り替える。このために判定内容の指定を事前に行っておく必要がある。そこで、通信ネットワーク100のシステム管理者あるいは第2のフレーム結合通信装置102のオペレータは、受信フレーム判定部131の判定条件を予め指定する(ステップS241)。具体的には、イーサネット(登録商標)−OAMフレームについて、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLANタグ、TYPE、DATA等の組み合わせによって定められる判定対象ごとに、イーサネット(登録商標)フレーム111の送信処理を指定する。
【0074】
結合OAMフレーム134であっても、第2のフレーム結合通信装置102を素通りして他のフレーム結合通信装置へと送信される設定OAMフレーム133である場合がある。このような設定OAMフレーム133については、ステップS241で個別に指定することができる。
【0075】
システム管理者やオペレータによる指定が終了したら(ステップS242:Y)、指定した条件の内容は、メモリ147等の所定の記憶領域に保持する(ステップS243)。結合指定条件の場合にはメモリ部164に保持してもよい。このようにして指定内容の記憶が終了したら、受信フレーム判定部のフレーム判定指定処理が終了する(エンド)。
【0076】
図13は、受信フレーム判定部の解析処理の様子を表わしたものである。図5〜図7と共に説明する。
【0077】
受信フレーム判定部131はイーサネット(登録商標)フレーム111を待機している(ステップS261)。フレームが受信されると(Y)、これがOAMフレームであるかを判別する(ステップS262)。OAMフレームであると判別した場合(Y)、受信フレーム判定部131はこれが設定OAMフレーム133であるかをチェックする(ステップS263)。
【0078】
イーサネット(登録商標)フレーム111が設定OAMフレーム133であれば(ステップS263:Y)、これを第2のフレーム結合通信装置102から伝送路1122に送出する(ステップS264)。すなわち、イーサネット(登録商標)フレーム111が何らの処理も行われることなく、設定OAMフレーム133として出力される。そして、受信フレーム判定部131は、この後、ステップS261に戻って次のイーサネット(登録商標)フレーム111の受信を待機する(リターン)。
【0079】
一方、ステップS263で設定OAMフレーム133とは異なると判別した場合(N)、受信フレーム判定部131はフレームのデータ部にCombination TYPE部が存在するかをチェックする(ステップS265)。図6の単一OAMフレーム135はCombination TYPE部が存在せず、図7の結合OAMフレーム134はこれが存在している。そこで、Combination TYPE部が存在する場合(Y)、受信フレーム判定部131はそのイーサネット(登録商標)フレーム111を結合OAMフレーム134と判別する。そこで受信フレーム判定部131は、この結合OAMフレーム134をイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136へ送信する(ステップS266)。そして、受信フレーム判定部131は処理をステップS261に戻す(リターン)。
【0080】
これに対して、受信フレーム判定部131がイーサネット(登録商標)フレーム111にCombination TYPE部が存在しないと判別した場合(ステップS265:N)、受信フレーム判定部131はそのイーサネット(登録商標)フレーム111を単一OAMフレーム135と判別する。そこで受信フレーム判定部131は、この単一OAMフレーム135をイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138へ送信する(ステップS267)。そして、受信フレーム判定部131は処理をステップS261に戻す(リターン)。
【0081】
図14は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部の処理の様子を表わしたものである。図5、図7および図9と共に説明する。
【0082】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136の解析部171は、受信フレーム判定部131から結合OAMフレーム134を受信すると(ステップS281:Y)、これを解析する(ステップS282)。そして、結合OAMフレーム134におけるCombination DATA部を読み取って、これを解析部171内の図示しないメモリに保持する(ステップS283)。
【0083】
分割部172は、Combination DATA部の分割のためのパラメータmを「1」に初期化する(ステップS284)。そして、前記したメモリに保持されたCombination DATA部を構成する第1〜第nの小データ部1511〜151nにおけるmが「1」の第1の小データ部1511を読み取って(ステップS285)、これを単一フレームに構成する(ステップS286)。この単一OAMフレーム137は、分割部172からイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138に送信される(ステップS287)。なお、分割部172が第1の小データ部1511を読み取る代わりに解析部171が第1の小データ部1511を分割部172に送出するようにしてもよい。
【0084】
このようにして第1の小データ部1511についての処理が終了すると、分割部172は現在までに分割した数mが分割を指定した数としての指定分割数に到達したかをチェックする(ステップS288)。この数に到達していない場合(N)、分割部172は、パラメータmを「1」だけ加算する(ステップS289)。そして、ステップS285に進む。この結果、ステップS285では、パラメータmが「2」となったので、前記したメモリに保持されたCombination DATA部の第2の小データ部1512の読み取りが行われる。これにより、第2の小データ部1512が単一フレームに構成されて(ステップS286)、分割部172からイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138に送信される(ステップS287)。
【0085】
以下、同様にして分割した数mが指定分割数に到達するまで同様の処理が繰り返される。分割した数mが指定分割数に到達したら(ステップS288:Y)、ステップS281に戻って解析部171が結合OAMフレーム134の受信を待機することになる(リターン)。
【0086】
以上説明した本発明の実施の形態による効果の第1は、イーサネット(登録商標)−OAMフレームを結合することにより、イーサネット(登録商標)−OAM機能を統合できることである。たとえば、規格化されているイーサネット(登録商標)−OAM機能としてのイーサネット(登録商標)−CCと、イーサネット(登録商標)−APSを統合したとする。すると、これにより運用保守の効率が大幅に上昇する。
【0087】
この第1の効果の生じる理由を説明する。イーサネット(登録商標)−CCでは定期的に障害通知を行うだけである。このためサービスを提供しているシステムの管理者は、障害通知があると、障害を回避するための経路の切替操作を行う必要がある。イーサネット(登録商標)−CCとイーサネット(登録商標)−APSを統合すると、定期的に障害を通知しながら、障害発生時には通知と同時に障害を回避するための経路の切替操作が可能になる。このため、ネットワークに流れるトラフィックが途切れることがなくなる。このように、機能を統合することによって、独自のイーサネット(登録商標)−OAMの機能を追加することが可能になる。
【0088】
本発明の実施の形態による効果の第2は、イーサネット(登録商標)−OAMフレームを結合することにより、機能の併用時に、ネットワーク上に流れるイーサネット(登録商標)−OAMフレームをまとめることができることである。イーサネット(登録商標)−OAMフレームをまとめることにより、ネットワーク上に流れるトラフィックを減少させることができる。これに伴って、通信装置の入出力ポートの負荷を軽減すると共に、帯域を有効に活用することができる。更に、宛先によってフレームを判定することで、たとえOAMフレームであっても、自装置宛てではない結合フレームを自装置内で分割したり、分割後の再結合といった無駄な処理を回避することができる。すなわち、自装置で分割や結合を必要とするイーサネット(登録商標)−OAMフレームだけを処理することができるので、自装置の負荷を軽減させることができる。
【0089】
本発明の実施の形態による効果の第3は、結合OAMフレームが既存の単一OAMフレームと混入して使用可能な構造を持っているので、通信における接続元と接続先の互いの終端の間でこの結合OAMフレームを自在に組み込むことができる。結合OAMフレームは、従来から使用された単一OAMフレームと比べると、新たにフィールドをデータ部に追加した構成となっている。このため、通信ネットワークに存在するすべてのOAMフレーム用通信装置を本実施の形態のフレーム結合通信装置に変更する必要がなく、分割や結合を行う必要のあるOAMフレーム用通信装置のみを本実施の形態のフレーム結合通信装置に変更すれば足りる。また、本実施の形態の発明を実施しても、既存のネットワークに干渉を与えない。更に、OAMフレームに対して自由に結合と分割を指定することができるので、トラフィックのコントロールが格段にやりやすくなるというメリットがある。
【0090】
<発明の変形可能性>
【0091】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではない。たとえば本実施の形態では、通常フレームとイーサネット(登録商標)−OAMフレームの送信口を、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141から2方向に切り分けている。これを1つの送信口として、結合OAMフレーム142と単一OAMフレーム143から共通して出力するようにしてもよい。本実施の形態では、図8の構成から分かるように書込部165から結合OAMフレーム142が送出されており、結合指定部163から単一OAMフレーム143が送出されている。したがって、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141の1つの送信口から結合OAMフレーム142と単一OAMフレーム143を出力するためには、次の2つの手法のいずれかを選択することになる。
【0092】
第1の手法では、図8に示す書込部165から結合指定部163に至る内部経路を設けて、結合OAMフレーム142を結合指定部163に送出するようにする。これにより、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141の1つの送信口(結合指定部163の送信口)から結合OAMフレーム142と単一OAMフレーム143が外部に送出されることになる。
【0093】
第2の手法では、図8に示す結合指定部163から書込部165に至る内部経路を使用して、単一OAMフレーム143を書込部165に送出するようにする。これにより、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141の1つの送信口(書込部165の送信口)から結合OAMフレーム142と単一OAMフレーム143が外部に送出されることになる。
【0094】
また、本実施の形態では設定OAMフレーム133以外の結合したOAMフレームを第2のフレーム結合通信装置102等のフレーム結合通信装置で小データ部151ごとの単一OAMフレーム143に分割することにしたが、これに限るものではない。設定OAMフレーム133以外の結合したOAMフレーム同士を更にフレーム結合通信装置内部で結合して、新たな結合OAMフレームとして伝送路に送信することも可能である。この場合には、OAMフレームの分割の制限やOAMフレーム同士の結合を指定する分割・結合指定部をフレーム結合通信装置に設けることも可能である。
【0095】
また、本実施の形態では図7に示したイーサネット(登録商標)−OAMフレームのデータ部に、Combination TYPE部とCombination DATA部を配置したが、これらデータ部内の構成を変化させることは自由である。
【0096】
更に本実施の形態では、第2のフレーム結合通信装置102等のフレーム結合通信装置内にイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141を配置したが、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141の配置は必ずしも必要とされない。たとえば、通信ネットワーク100を構成するフレーム結合通信装置の全部または一部をイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136のみで構成することも可能である。
【0097】
同様に、第2のフレーム結合通信装置102内にイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141が備えられていれば、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136を備えることは必ずしも必要ない。たとえば単一OAMフレームおよび結合OAMフレームをイーサネット(登録商標)フレーム111として受信して、このうちの単一OAMフレームを処理し、単一OAMフレームおよび結合OAMフレームを所定の条件で結合して結合OAMフレームとして出力する構成であってもよい。
【0098】
また、実施の形態では第2のフレーム結合通信装置102内にイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136とイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141を設けたが、これらを統合してもよい。この場合に統合後のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割・結合部は、たとえばOAMフレームを分割した後に自装置で処理するものだけを図示しないポートからイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138に送出する。残りのOAMフレームは、結合する条件に合うものを結合OAMフレームとして装置外に出力し、それ以外を単一OAMフレームとして装置外に出力すればよい。
【0099】
更に、実施の形態では第2のフレーム結合通信装置102内のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136の送信口を1ポートとした。これは受信フレーム判定部131から出力される結合OAMフレーム134をイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136が、図7に示す第1〜第nの小データ部1511〜151nごとにすべて分割してn個の単一OAMフレーム137を同一のポートから出力する構成としたからである。この代わりに、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136ではイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138で処理する小データ部151のみを分割して単一OAMフレームとして1つ目のポートから出力し、残りのOAMフレームを2つ目のポートから出力してイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141に直接入力するようにしてもよい。
【0100】
<OAMフレームの抽出処理>
【0101】
次に本発明の変形例の1つとして、イーサネット(登録商標)−OAMフレームの抽出処理について説明する。この変形例では、実施の形態の図5で示したイーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部136の代わりにイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部を使用している。
【0102】
図15は、この変形例における第2のフレーム結合通信装置の構成を表わしたものである。この図15で図5と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0103】
第2のフレーム結合通信装置102Aは、受信フレーム判定部131から出力される結合OAMフレーム134Aを入力するイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336を備えている。このイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336から出力されるOAMフレーム337はイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138Aに入力される。このOAMフレーム337は、第2のフレーム結合通信装置102Aを宛先とする単一OAMフレームと、これを抽出した残りの結合OAMフレームから構成されている。
【0104】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138Aは、入力されたOAMフレーム337のうちの第2のフレーム結合通信装置102Aを宛先とする単一OAMフレームと、受信フレーム判定部131から入力される同じく第2のフレーム結合通信装置102Aを宛先とする単一OAMフレーム135の処理を行う。そして、入力されたOAMフレーム337のうち、抽出した残りの結合OAMフレームと他のフレーム結合通信装置を宛先とする単一OAMフレーム135をOAMフレーム339としてイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141Aに送出する。イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141Aは結合したOAMフレームを結合OAMフレーム142として出力すると共に、これ以外のOAMフレームを単一OAMフレーム143として出力することになる。
【0105】
第2のフレーム結合通信装置102Aの制御部148Aは、このような処理を実現するための制御プログラムをメモリ147Aに格納している。CPU146はこのメモリ147Aに格納した制御プログラムを実行することになる。
【0106】
図16は、この変形例における受信の対象となる結合OAMフレームの構成を表わしたものである。なお、この図16で図7と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0107】
この変形例の結合OAMフレーム134Aには、データ部を構成する第1〜第nの小データ部1511A〜151nAに、それぞれの元となる単一OAMフレームにおける宛先MACアドレスが格納されている。このため、結合OAMフレーム134Aを構成する第1〜第nの小データ部1511A〜151nAの宛先MACアドレスがマルチキャストアドレスであり、かつこれらのアドレスが完全には一致しない場合に、それぞれの宛先MACアドレスを確認できる。
【0108】
図17は、この変形例におけるイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部の処理の様子を表わしたものである。なお、この図17で図14と同一部分には同一のステップ番号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、図15および図16と共に説明する。
【0109】
イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部337は、受信フレーム判定部131から結合OAMフレーム134Aを受信すると(ステップS281:Y)、これを解析する(ステップS282)。そして、結合OAMフレーム134Aにおける第1〜第nの小データ部1511A〜151nAに個別に記載されている宛先MACアドレスのうちで第2のフレーム結合通信装置102Aを宛先とするもののみを抽出する(ステップS401)。そして、これらの小データ部151Aの内容を図示しないメモリに保持する(ステップS283)。
【0110】
次に、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336は、抽出したこれら小データ部151Aの内容を順に単一OAMフレームに構成するためのパラメータmを「1」に初期化する(ステップS284)。そして、前記したメモリに保持された最初の小データ部151Aを読み取って(ステップS285)、これを単一フレームに構成する(ステップS286)。この単一OAMフレーム337は、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部337からイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138Aに送信される(ステップS287)。
【0111】
このようにして最初の小データ部151Aについての処理が終了すると、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336は現在までに抽出処理を行った数mが第1〜第nの小データ部1511A〜151nAに個別に記載されている宛先MACアドレスのうちの自装置を宛先MACアドレスとしている総数に一致したかをチェックする(ステップS402)。この数に到達していない場合(N)、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336は、パラメータmを「1」だけ加算する(ステップS289)。そして、ステップS285に進む。この結果、ステップS285では、パラメータmが「2」となったので、前記したメモリに保持された2番目の小データ部151Aの読み取りが行われる。これにより、この2番目の小データ部151Aの内容が単一フレームに構成されて(ステップS286)、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336からイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138Aに送信される(ステップS287)。
【0112】
以下、同様にして抽出処理を行った数mが第1〜第nの小データ部1511A〜151nAに個別に記載されている宛先MACアドレスのうちの自装置を宛先MACアドレスとしている総数に到達するまで同様の処理が繰り返される。抽出処理を行った数mが第1〜第nの小データ部1511A〜151nAに個別に記載されている宛先MACアドレスのうちの自装置を宛先MACアドレスとしている総数に到達したら(ステップS402:Y)、抽出の対象とならなかった他の結合OAMフレームがOAMフレーム337として、イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部138Aに送信される(ステップS403)。その後、ステップS281に戻ってイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336は次の結合OAMフレーム134Aの受信を待機することになる(リターン)。
【0113】
この変形例によれば、たとえば結合OAMフレーム134Aが10個の小データ部1511A〜15110Aで構成されていた場合で、そのうちの1個の小データ部151Aのみが自装置を宛先MACアドレスとしていたとき、この1個の小データ部151Aのみを抽出すればよい。したがって、機械的に10個の小データ部1511A〜15110Aを10個の単一OAMフレームに生成する処理を行う必要がないので、処理の効率化を図ることができる。
【0114】
なお、以上説明した変形例では、ステップS403の処理としてイーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部336の受信した結合OAMフレーム134Aをそのまま結合OAMフレームとして出力することができる。この場合、後続のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部141の構成を簡略化することができる。
【0115】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0116】
(付記1)
通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別手段と、
この受信フレーム判別手段が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別手段と、
このOAMフレーム形態判別手段で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段と、
この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記OAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行手段と、
前記受信フレーム判別手段が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信手段
とを具備することを特徴とするイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0117】
(付記2)
通信ネットワークを介して受信したフレームがイーサネット(登録商標)−OAMフレーム以外のフレームとしての通常フレームであるかを判別する通常フレーム判別手段を備え、
前記通過フレーム送信手段は、この通常フレーム判別手段で通常フレームと判別された前記受信したフレームを次の送信先にそのまま送出することを特徴とする付記1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0118】
(付記3)
前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段は、前記結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを構成するそれぞれの単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに分割する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割手段であることを特徴とする付記1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0119】
(付記4)
前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段は、前記結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに関するデータを抽出して、これから自装置を宛先とする単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成することを特徴とする付記1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0120】
(付記5)
前記単一フレーム処理内容実行手段によって処理内容を実行した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームの複数の結合が所定の結合条件を満足するときこれらのフレームを結合した形態の結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一フレーム結合手段を具備することを特徴とする付記1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0121】
(付記6)
単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームのうちから1つのイーサネット(登録商標)−OAMフレームとしての結合条件を満足するものを判別する結合条件判別手段と、
この結合条件判別手段によって結合条件を満足するとされたイーサネット(登録商標)−OAMフレームを結合するフレーム結合手段
とを更に具備することを特徴とする付記1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0122】
(付記7)
前記フレーム結合手段は、前記1つのイーサネット(登録商標)−OAMフレームとしての結合条件を満足する限り、所定の結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを更に他の結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを用いて結合する手段であることを特徴とする付記6記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0123】
(付記8)
前記結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームと結合が行われなかった前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームとを前記フレーム結合手段の共通した1つのポートから出力することを特徴とする付記6記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0124】
(付記9)
前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割手段によって単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに分割した後のフレームを結合して結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成することを特徴とする付記3記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【0125】
(付記10)
通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別ステップと、
この受信フレーム判別ステップで自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別ステップと、
このOAMフレーム形態判別ステップで結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップと、
この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップで生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記OAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行ステップと、
前記受信フレーム判別ステップで自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信ステップ
とを具備することを特徴とするイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法。
【0126】
(付記11)
コンピュータに、
通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別処理と、
この受信フレーム判別処理で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別処理と、
このOAMフレーム形態判別処理で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理と、
この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記OAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行処理と、
前記受信フレーム判別処理で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信処理
とを具備することを特徴とするイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラム。
【符号の説明】
【0127】
10 イーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置
11 受信フレーム判別手段
12 OAMフレーム形態判別手段
13 単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段
14 単一フレーム処理内容実行手段
15 通過フレーム送信手段
20 イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法
21 受信フレーム判別ステップ
22 OAMフレーム形態判別ステップ
23 単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップ
24 単一フレーム処理内容実行ステップ
25 通過フレーム送信ステップ
30 イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラム
31 受信フレーム判別処理
32 OAMフレーム形態判別処理
33 単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理
34 単一フレーム処理内容実行処理
35 通過フレーム送信処理
100 通信システム
101 第1のフレーム結合通信装置
102、102A 第2のフレーム結合通信装置
103 第3のフレーム結合通信装置
104〜106 通信装置
111 イーサネット(登録商標)フレーム
121〜123、135 単一OAMフレーム
131 受信フレーム判定部
132 通常フレーム
133 設定OAMフレーム
134、142 結合OAMフレーム
136 イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割部
138、138A イーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理部
141、141A イーサネット(登録商標)−OAMフレーム結合部
143 単一OAMフレーム
146 CPU
147、147A メモリ
148、148A 制御部
151、151A 小データ部
161 読取部
163 結合指定部
164 メモリ部
165 書込部
171 解析部
172 分割部
336 イーサネット(登録商標)−OAMフレーム抽出部
337、339 OAMフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別手段と、
この受信フレーム判別手段が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別手段と、
このOAMフレーム形態判別手段で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段と、
この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記OAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行手段と、
前記受信フレーム判別手段が自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信手段
とを具備することを特徴とするイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項2】
通信ネットワークを介して受信したフレームがイーサネット(登録商標)−OAMフレーム以外のフレームとしての通常フレームであるかを判別する通常フレーム判別手段を備え、
前記通過フレーム送信手段は、この通常フレーム判別手段で通常フレームと判別された前記受信したフレームを次の送信先にそのまま送出することを特徴とする請求項1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項3】
前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段は、前記結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを構成するそれぞれの単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに分割する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム分割手段であることを特徴とする請求項1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項4】
前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成手段は、前記結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームに関するデータを抽出して、これから自装置を宛先とする単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成することを特徴とする請求項1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項5】
前記単一フレーム処理内容実行手段によって処理内容を実行した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームの複数の結合が所定の結合条件を満足するときこれらのフレームを結合した形態の結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一フレーム結合手段を具備することを特徴とする請求項1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項6】
単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームのうちから1つのイーサネット(登録商標)−OAMフレームとしての結合条件を満足するものを判別する結合条件判別手段と、
この結合条件判別手段によって結合条件を満足されるとされたイーサネット(登録商標)−OAMフレームを結合するフレーム結合手段
とを更に具備することを特徴とする請求項1記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項7】
前記フレーム結合手段は、前記1つのイーサネット(登録商標)−OAMフレームとしての結合条件を満足する限り、所定の結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームを更に他の結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを用いて結合する手段であることを特徴とする請求項6記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項8】
前記結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームと結合が行われなかった前記単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームとを前記フレーム結合手段の共通した1つのポートから出力することを特徴とする請求項6記載のイーサネット(登録商標)−OAMフレーム用通信装置。
【請求項9】
通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別ステップと、
この受信フレーム判別ステップで自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別ステップと、
このOAMフレーム形態判別ステップで結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップと、
この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成ステップで生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記OAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行ステップと、
前記受信フレーム判別ステップで自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信ステップ
とを具備することを特徴とするイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
通信ネットワークを介して受信したフレームが自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAM(operations,administration,maintenance)フレームであるかを判別する受信フレーム判別処理と、
この受信フレーム判別処理で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームが、単一のOAM機能を備えた単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるか、複数のOAM機能を結合した結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであるかを判別するOAMフレーム形態判別処理と、
このOAMフレーム形態判別処理で結合イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したときこれから自装置に必要な単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームを生成する単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理と、
この単一イーサネット(登録商標)−OAMフレーム生成処理で生成した後の単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームあるいは前記OAMフレーム形態判別手段で単一イーサネット(登録商標)−OAMフレームであると判別したフレームの示す処理内容を実行する単一フレーム処理内容実行処理と、
前記受信フレーム判別処理で自装置宛のイーサネット(登録商標)−OAMフレームではないと判別したフレームを次の送信先にそのまま送出する通過フレーム送信処理
とを具備することを特徴とするイーサネット(登録商標)−OAMフレーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−223496(P2011−223496A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93033(P2010−93033)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】