説明

ウイルス回復培地、その使用、及びウイルス回復培地を具えるウイルス診断キット

本発明は、ウイルス回復培地及びウイルス回復培地を具えるウイルス診断キットに関する。このウイルス回復培地は、ホルモンと酵素とが補充される。このホルモンは、好ましくは、グルココルチコイドホルモン、より好ましくはデキサメタゾンである。この酵素は、好ましくはプロテアーゼ、より好ましくはトリプシンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ウイルス回復培地、その使用、及びウイルス回復培地を具えるウイルス診断キットに関する。より具体的には、本発明は、デキサメタゾン等のホルモン、及びトリプシン等の酵素を投与したウイルス回復培地に関する。
【0002】
ウイルスを同定する従来の診断手順は、ある種のウイルスに対する感受性について選択された特定の細胞株を有するコンテナに播種するステップと、次いで、ウイルスを含有すると推定される生物学的サンプルを細胞培地に接種するステップとを含む。このような生物学的サンプルには、特に、唾液、尿、糞便、脳脊髄液(CSF)、呼吸流体、及び口、鼻腔、喉、肌、及び性器等からのぬぐい液が挙げられる。次いで、接種した細胞培地をインキュベートし、ウイルスによって誘発された細胞変性効果について、細胞を検査する。ある種のウイルスは、ある種の細胞でのみ成長するので、細胞変性効果(CPE)を誘発する、或いは、細胞変性効果を誘発しない細胞型に基づいて、ウイルスを同定することができる。
【0003】
ウイルス調製液を接種した細胞を除去するステップと、この細胞をトリプシン処理するステップと、フルオレセイン(FITC)分子等のレポータ分子で標識されたウイルス誘発ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体によってウイルスを検出するステップと、を含むこの手順に対する多数の代替のプロトコルがある。更なる代替は、細胞の回復を促進するために、培養チューブ内にカバースリップを具えることである。
【0004】
従来のチューブ(又は、伝統的には−ドラム)法は、適切な細胞株を播種したスクリューキャップチューブを用いる。約80%の細胞密度に到達後、チューブに適切な試料が接種され、最大3週間、CPEについてモニタする。第1週は、CPEを毎日モニタする必要がある。第2週及び第3週はモニタ頻度を少なくする必要がある。多くの場合、ウイルス回復を促進するために、盲目継代が必要とされる。
【0005】
従来のチューブ法の一つの欠点は、チューブを毎日モニタする必要があるので、時間及び労働集約的であることである。一般的に、2人の人が、光学顕微鏡によって、CPEに関して同じチューブを検査して、主観を避けるようにしている。加えて、全てのウイルスが、目で見えるCPEを生じるとは限らず、これらのウイルスは、この方法によって検出されることができない。更に、従来のチューブ法でモニタされるCPE形成は、細胞株の感受性及び可視CPEを生成するウイルスの能力に高く依存している。また、試料の毒性は、不都合にも、誤った結果を与えるウイルスCPEに類似した変化を生成することがある。また、いくつかのウイルスは、長期間経過後にのみCPEを生成する(例えば、サイトメガロウイルス(CMV))。従って、従来のチューブ法によって得られる結果は、主にCPE検出を基礎としており、別の方法によってルーチン的に確かめられないので、不正確な診断が生じることがある。
【0006】
従来のチューブ法を用いては、結果としてチューブが溜まってしまうため、試料当たり2又は3以上のチューブを用いることも事実上不可能である(第1週だけで、1日当たり40の試料で500のチューブができる)。
【0007】
シェルバイアル法は、当業者がウイルス回復に用いている、現在最も進んだ方法である。このシェルバイアル法は、半透明のふたが付いた5mlのプラスチックバイアル(直径16mm)を用いる。適切な処理に続いて、円形(13mm)のカバースリップがバイアル内に挿入される。このバイアルに感受性細胞株が接種され、この株が、カバースリップ上で単一層に育つ。この単一層の密集度が、80−90%に達すると、この培地を廃棄して、バイアルに、患者の試料を接種する。次いで、インキュベートしたバイアルを、CPEについてモニタし、次いで、カバースリップを除去する。次いで、このスリップを、顕微鏡スライドに固定して、モノクローナル抗体によって染色することができる。
【0008】
シェルバイアル法の利点は、播種後遠心分離にかけることによって、ウイルス回復が促進されることである。早ければ2−3日で結果を得るのにかかる時間を短縮することができる。更に、このシェルバイアル法を用いると、可視CPEを待つ必要がない。カバースリップを第2日目、第3日目で除去して、結果、適当なモノクローナル抗体(特異的CPE)を染色することができ、抗体−抗原染色を用いることによって確認できる。
【0009】
しかし、このシェルバイアル法も多数の欠点を有している。カバースリップが、特定の処理:洗剤とアセトンで複数回洗浄した後、蒸留水での洗浄及び殺菌を必要とするので、時間がかかる。また、カバースリップを、バイアルに手動で挿入しなければならない。
【0010】
シェルバイアル法のもう1つの欠点は、従来のチューブ法のように、CPEについて毎日観察することが必要なことである。更に、免疫蛍光染色が必要である場合、必要な手順は複雑で時間がかかる。シェルバイアル由来の培地は廃棄しなければならず、カバースリップは(特定の鉗子を用いて)手動で除去し、気燥して、顕微鏡スライドに(真空グリースを用いて)固定する。カバースリップは雑な取扱によって破壊されたり、或いは、非意図的に回転して、単一層を有する顕微鏡スライドに逆さまに取り付けられることがあるので、カバースリップの除去は面倒である。もう1つの複雑さは、カバースリップの底で成長し、従ってバイアルに固定している播種した細胞に起因して起こる。このようなカバースリップの除去は、非常に手間がかかる。
【0011】
実際、チューブが蓄積するため、このシェルバイアル法を用いて、試料毎に2又は3以上のチューブを用いることは不可能である(1日当たり40の試料で、1週間当たり500のシェルバイアルができる)。更に、円形の13mmのカバースリップをカバーするためには、免疫蛍光染色に大量のモノクローナル抗体を必要とする。
【0012】
96ウエルプレート法は、同じ細胞株で増殖する複数のウイルス(例えば、ウエルをパラインフルエンザのLLC−MK2細胞株回復で播種され、インフルエンザウイルスの播種も可能である場合)の回復用の限定したケースでのみ用いられる別の方法である。モノクローナル抗体は、96ウエルプレートと共に診断に用いられる。
【0013】
この方法は、細胞株を用いて播種した場合、サンプルが比較的容易に操作でき:多数の試料を、同じプレート上に接種することができ;遠心分離による促進が可能であり;少量の培地を必要とするのみであり(シェルバイアルで用いられる1−1.5mLの代わりに0.2mLのみ);結果の確認に抗原−抗体技術を用いることができ;この方法は、CPEのモニタを「読む」ことが容易である:という利点がある。
【0014】
しかし、96ウエルプレート法は、一般的に実用的ではない抗原−抗体検出に全体のプレートを用いる必要がある。また、試料数がプレート全体に必要な数よりも少ない場合でさえ、全プレートを同日に用いなければならない。これは、毎日、別の新しいプレートセットを用いられなければならないことを意味している。更に、一般的に、1つ又は2つの異なる細胞株を、プレート毎に用いることができるだけである(同じタイプの試料をこのプレート上に播種する)。このように、ウイルスの検出を確認する方法を、全プレート上で同時に行わなければならない。これは、検出が完了すると、誤りがある場合、又はインキュベート時間が長引いた後に、繰り返しの手順に利用できる残りの細胞がないという状況となり、不利である。
【0015】
上記の方法では、使用される細胞培地に、しばしば改良したウイルス回復を可能にする添加剤が投与される。ホルモンと酵素の双方を投与した細胞培地が、細胞株の感受性を最大に維持し、細胞壁へのウイルスの付着、及びいくつかのケースでは、結果を得るのにかかる時間の低減を助けることによってウイルス回復を有利に最適化することを、本発明者が発見した。これは、以下に記載されているように、細胞培養に好適な全てのウイルスの回復に有利に用いられることができる本発明のウイルス回復培地につながっている。
【0016】
本発明はまた、公知のマイクロ滴定トレイアッセンブリの欠点を多少なりとも解決し、好ましくは、実施する特定の診断に応じて、容易に変更される強化したウイルス回復を提供する、迅速で、効率的かつ安価な手段を容易にするキットを提供することを目的とする。また、本発明は、本発明のウイルス回復培地を用いたウイルス検出方法に関する。有利なことに、本発明は、今まで知られていなかった使用の選択枝の融通性を提供する。
【0017】
従って、本発明は、少なくとも一のホルモンと少なくとも一の酵素を添加した細胞培地を含むウイルス回復培地を提供する。
【0018】
本明細書で用いられているように、用語「ウイルス回復培地」、又は「複数のウイルス回復培地」は、ウイルス増殖及び単離に用いられる培地又は複数の培地をいう。例えば、ウイルス回復培地は、維持培地を含む。
【0019】
細胞培地に加える酵素は、特に限定されないが、当業者は好適な酵素を同定できる。いくつかの実施例では、用語「酵素」は、タンパク質分解酵素をいう。これらの実施例では、この酵素は、好ましくは、セリン又はアスパラギン酸プロテアーゼである。例示の酵素は、トリプシン、キモトリプシン、又はペプシンを含む。好ましい実施例では、この酵素はトリプシンである。
【0020】
細胞培地に加えるホルモンは、特に限定されないが、当業者は好適なホルモンを同定できる。いくつかの実施例では、用語「ホルモン」は、副腎皮質ステロイド、好ましくはグルココルチコイドをいう。より好ましくは、このホルモンは、デキサメタゾン、ハイドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン(DOCA)、及びアルドステロンから選択される。好ましい実施例では、このホルモンは、デキサメタゾンである。このホルモンは、合成されたものでも天然に産出するものでも良い。
【0021】
ホルモンと酵素の組み合わせは、最も好ましい実施例であるが、代替的に、DMSO(ジメチルスルホキシド)とDEAE(デキストラン)も有用であることが分かっている。
【0022】
培地に加える酵素の量は、好ましくは、1−5μg/mlの範囲内であり、好ましくは、約2.5μg/mlである。培地中のホルモンの濃度は、好ましくは10−4M−10−6Mの範囲内であり、好ましくは、約10−5Mである。しかし、好ましいデキサメタゾンとトリプシンの場合、約10−5Mの濃度で約2.5μg/mlのトリプシンとデキサメタゾンを補充した細胞培地が、最適な結果を与えることが分かった。
【0023】
従って、本発明の特定の実施例は、約10−5Mの濃度で2.5μg/mlのトリプシンとデキサメタゾンを補充した細胞培地を具えるウイルス回復培地を提供する。
【0024】
本発明によって用いられる細胞培地は、特に限定されない。例えば、これらは、培地−199、DMEM、RPMI−1640又はMEM−EAGLEを含んでいてもよい。しかし、既に認識されているように、細胞の増殖を支持し、当業者が容易に利用可能である幅広い種類の様々な培地がある。しかし、好ましい実施例によれば、細胞培地は、MEM−EAGLEである。
【0025】
細胞培地には、細胞とウイルスの増殖を支持する添加剤が補充され、このような添加剤は、当業者に公知である。特定の細胞株及び/又はウイルスは、最適な増殖及び生存率のために特定の添加剤が必要であることが知られている。例示的添加剤は、L−グルタミン酸、アミノ酸、抗生物質、血清、ハンクス平衡塩、D−グルコースのような糖類、無機塩類、ビタミン類、フェニルレッド(phenyl red)、HEPES等の緩衝液、及びTween80等の界面活性剤を含む。
【0026】
上記のウイルス回復培地は、従来のチューブ法及びシェルバイアル法等のウイルスを同定する従来の診断手順に用いることができる。代替的に、ウイルス回復培地を以下に述べる方法に用いることができる。
【0027】
本発明の別の実施例によれば、ウイルス検出方法に上記のウイルス回復培地を使用することが提供されている。
【0028】
従って、ウイルス検出方法が提供されており、この方法は:
(i) ウイルス播種に好適な細胞株を提供するステップと;
(ii) 試料に特定の前処理を行って検出されるウイルスを潜在的に含むサンプルを得るステップと;
(iii)検出されるウイルスを潜在的に含むサンプルを細胞に播種するステップと;
(iv) 播種した細胞をインキュベートするステップと;
(v) 試料培地を、少なくとも一のホルモンと、少なくとも一の酵素を補填した細胞培地を具えるウイルス回復培地で交換するステップと;
(vi) (iv)で得たサンプルをインキュベートするステップと;
(vii)前記ウイルスを検出するステップと;
を具える。
【0029】
この細胞株は、特定のウイルスの増殖及び単離に好適であるように選択することができる。例えば、細胞株LLC−MK2はパラインフルエンザウイルス類の検出に好適であり、インフルエンザウイルス類についてはMDCK;呼吸器合胞体ウイルス(RSV)についてはHEP−2、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、エンテロウイルス及びライノウイルスについてはMRC−5が好適である。当業者は、与えられたウイルスの増殖及び単離用の適切な細胞株を選択することができるであろう。
【0030】
本明細書で用いられているように、用語「検出するウイルスを潜在的に含むサンプル」は、ウイルスに感染している、又はしていない対象から得たサンプル試料を含む。従って、このサンプルは、検出可能なウイルスを含んでいてもよく、ウイルスを含んでいなくてもよい。好適なサンプルは、唾液、血清、尿、糞便、脳脊髄液(CSF)、気管支肺胞洗浄及び鼻咽頭吸引物等の呼吸器液、及び口、鼻腔、喉、肌、及び性器由来のぬぐい液等から得ることができる。サンプル試料は、細胞株とウイルスに適合する好適な培地で希釈して使用するように調製してもよい。
【0031】
対象は、ウイルスに感染しているかもしれないあらゆる種の動物である。例えば、対象は鳥類、魚類、又はほ乳類であってよい。いくつかの実施例では、対象が、ほ乳類である。好適なほ乳類には、ヒツジ、ウシ、ブタ、シカ等の家畜、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット等のペット、マウス、ラット、サル等の実験動物、動物園で飼育されている動物のような捕獲動物、及びヒトが挙げられる。好ましいほ乳類はヒトである。その他の実施例では、対象は、鳥類、特に鶏類や七面鳥類等の家禽である。ウイルス検出に好適なサンプルを得るための試料の特定の前処理方法は、当業者に公知であり、限定はされないが、超音波処理及び遠心分離が挙げられる。
【0032】
本発明によるウイルス回復培地は、細胞培養に好適である多くの様々なウイルスの回復に用いられることができる。当業者は、このようなウイルスに、限定はされないが、呼吸器系ウイルス類であるパラインフルエンザウイルス1、2、3、4(PI 1、2、3、4)、インフルエンザA、B(Inf A、B)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、アデノウイルス(AD)、ライノウイルス(RH)、サイトメガロウイルス(CMV)、及びエコーウイルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス及びポリオウイルスから成るエンテロウイルス群(ENT)由来のウイルス群、及び、限定されないが、単純ヘルペスウイルス(HSV)1、2、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、お多福風邪、麻疹(Measels)、ロタウイルス、及びポリオーマウイルス等の非呼吸器系ウイルスが含まれることを認識している。
【0033】
本発明の方法では、播種した細胞を、公知の条件を用いて、サンプルと共にインキュベートする。例えば、播種した細胞は、細胞がウイルスに感染する45乃至90分、特に60分、といった時間、37℃でインキュベートする。インキュベートはインキュベータで行ってもよく、或いは、遠心分離を用いて実施してもよい。
【0034】
免疫蛍光、染色、CPEの可視化等の免疫検出技術、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、及び核酸配列ベース増幅(nucleic acid sequence based amplification)(NASBA)等の一般的に用いられている分子技術等の公知の一般的な検出方法を用いて、ウイルスを検出することができる。
【0035】
本発明によるウイルス回復培地は、マルチウエルマイクロ滴定トレイアセンブリで、比較的容易に有利に用いられることができる。しかし、容易に認識されるように、幅広い種類の様々な細胞培養トレイアッセンブリが存在し、これらは、当業者に容易に入手可能である。例えば、マルチプルウエルを含むマイクロタイタープレートがよく知られている。一の実施例では、豪州国イノベーション特許第2001100242号に記載されているトレイアッセンブリを用いてもよい。代替的に、また、好ましい実施例によれば、このマイクロ滴定トレイアセンブリは、各々が複数のレセプタクルを有する第1、第2、及び第3のトレイユニットと;このレセプタクルを相補の複数のサンプルウエルであって、各ウエルが、複数のレセプタクルのそれぞれのレセプタクル内に個別に分離して保持できると共に、それぞれのレセプタクルから取り除くことができるサンプルウエルと;を具え、第2、及び第3のトレイユニットは、各々、第1のトレイユニットと、第2のトレイユニット、及び/又は第3のトレイユニットから成るマイクロ滴定トレイのアッセンブリを可能にする第1のトレイユニットを脱着可能に係合するように構成されている。
【0036】
当然のことながら、長方形のトレイユニットが一般的に好ましいが、第1、第2、及び第3の各トレイユニットは、任意の好適な形状を取ってもよい。レセプタクルの種々のアレイを提供して、サンプルウエルに分析される溶液を収容するために、好ましい実施例では、第1のユニットトレイは、6×8行列の48レセプタクルのアレイを具え、第2のユニットトレイは、6×8行列の48レセプタクルのアレイを具え、第3のユニットトレイは、2×8行列の16レセプタクルのアレイを具える。従って、6×8の2倍(即ち、12×8)のマイクロ滴定トレイを、第1のトレイユニットと、第2のトレイユニットを用いて形成することができ、8×8マイクロ滴定トレイを、第1のトレイユニットと第3のトレイユニットを用いて形成することができ、14×8マイクロ滴定トレイを、3つのトレイユニット全てを用いて形成することができる。当然のことであるが、追加で挿入したトレイユニットを含めて、所望するようにレセプタクル又はウエルの部材を拡張することができる。
【0037】
第1のトレイへの第2、及び第3のトレイユニットの取付は、好適な手段によって行われる。例えば、これには、スナップ嵌め係合等が挙げられる。好ましい実施例によれば、第2、及び第3のトレイユニットは、第1のトレイユニットと係合するときに、第1のトレイユニットの両側に隣接させる。好ましくは、第2、及び第3のトレイユニットは、第1のトレイユニットの両側に相補的スリーブを脱着可能に係合する周囲アームを具える。
【0038】
好ましい実施例では、各ウエルは、個々のレセプタクル内で、弾性的に保持できる。例えば、各ウエルは、摩擦係合によって、個々のレセプタクル内で、弾性的に保持できる。即ち、各ウエルは、テーパ型であり、ウエルの底部を個々のレセプタクル内に挿入することができるが、ウエルの直径が増大することによって、ウエルが、その個々のレセプタクル内に留まる。その他の代替は、当業者によって、容易に決めることができる。例えば、各ウエルは、その外側面に、摩擦係合を引き起こす第1、第2、及び/又は第3のトレイユニットの各レセプタクルの内壁に係合する少なくとも一のリッジを具えていてもよい。
【0039】
好ましくは、少なくとも一のトレイユニットに、レセプタクルに保持されているサンプルウエルを同定する同定手段が設けられている。具体的には、この同定手段は基準グリッドを具えていてもよく、複数のレセプタクルの各列に、相当するコード文字を設け、複数のレセプタクルの各行に、相当するコード番号が設けられている。
【0040】
第1、第2、及び第3のトレイユニット、又はこれらの任意の組み合わせに、好ましくは、各サンプルウエルに個々のカバーを設けるように構成した相補的カバーを設けることができる。具体的には、このカバーが各サンプルウエルの開口部を囲み、それぞれトレイユニットに配置されるときに、ウエルに保持されているサンプルを実質的に封入する。各リッジは、このカバーが複数の環状リッジを具えることが好ましい。
【0041】
別の実施例では、このサンプルウエルは個別に分離して保持されておらず、むしろサンプルウエルの小ユニットとして保持されている。このサンプルウエルユニットは小さく、好ましくは、4つまでのサンプルウエルを含む。
【0042】
従って、好ましくは、マイクロ滴定トレイアッセンブリは、各々が複数のレセプタクルを有する第1、第2、及び第3のトレイユニットと;複数のサンプルウエルユニットであって、各サンプルウエルユニットが、各レセプタクルと相補的である4つまでのサンプルウエルとを具え、各サンプルウエルユニットは、サンプルウエルユニットのサンプルウエルの数に相当する複数のレセプタクルの多数のレセプタクル内でユニットとして維持でき、多数のレセプタクルから取り外すことができ;第2、及び第3の各トレイユニットが、第1のトレイユニットに脱着可能に係合して、第1のトレイユニット及び第2のトレイユニット、及び/又は第3のトレイユニットから成るマイクロ滴定トレイのアッセンブリを可能にするように構成されている複数のサンプルウエルユニットを具える。
【0043】
この実施例によれば、4つまでのサンプルウエルを含むサンプルウエルユニットは、実施される特定の診断に応じて構成することができる。例えば、二重アッセイを実施するように、サンプルを二重に与えることが望ましい。ある実施例では、このトレイユニットは、アッセンブリの各列又は各行のレセプタクルの数が、各サンプルウエルユニットのサンプルウエルの数に相当するように構成されている。
【0044】
サンプルウエルユニットは、所望のように製造できる。その際に、各サンプルウエルユニットのサンプルウエルは、一体的に形成されるか、或いは、互いに脱着可能として個々のサンプルウエルを形成するようにしてもよい。これらの2つの選択枝の後者では、個々のサンプルウエルの連結が、小さいプラスチック製品を相互に脱着可能に連結するのに用いられる任意の手段を用いて達成できると理解するべきである。
【0045】
本発明の更に別の態様によれば、本発明のウイルス回復培地と、上記のマイクロ滴定トレイアッセンブリと、選択的に、マイクロタイタープレートからサンプルウエル又はサンプルウエルユニットを取り除くことを容易にするように構成した鉗子と、を具えるウイルス診断キットが提供されている。
【0046】
この鉗子は、4つまでのサンプルウエルを含む個々のサンプルウエル又はサンプルウエルユニットの安全な保持を容易にするのであれば、どのような好適な形状を取ってもよい。好ましい実施例では、この鉗子は、この目的のために特に構成されており、ウエルに挿入される第1の部分と、第1の部分と連携し、ウエルの外表面をつかむ第2の部分を具える。第1の部分は、好ましくは、断面円形であり、ウエルに挿入するときに、ウエルの内壁から最小クリアランスのみを提供するようなサイズである。
【0047】
上記のアッセンブリ及びウイルス回復培地は、現在利用できる公知の方法及びアッセンブリを越えた特に有利な点を提供することができる。具体的には、このアッセンブリ及び溶液は、同じ試料に対して5つ又はそれ以上の非常に特異的な細胞株を用いて、感受性を強化することができる。また、遠心分離による強化を利用可能である。その際、遠心力は、ウイルスのケースで最大10倍までウイルスの吸収を強化し、ウイルス検出時間を短くする。加えて、8−16の試料を1つのプレートに播種して、1人のオペレータによって扱われる試料をより多くすることができる。更に、第1、第2、及び第3のトレイユニットによってアッセンブリのデザインのフレキシビリティが大きくなる。
【0048】
蛍光又は酵素標識による即時検出技術を用いて、1−2日で入手できる確かな結果(一般的なウイルスの80%)を作るアッセンブリ及び溶液を用いた方法によって高い客観性が得られる。その際、このアッセンブリは、最大14の異なる細胞株を用いることができ、異なるモノクローナル抗体の組み合わせを用いて広範囲のウイルスの検出を可能にする点で、用途が広い。また、CPEをモニタすることもできる。更に、試料は、異なる細胞株内に播種することができるので、種々のモノクローナルを種々の細胞株に、異なる時間フレーム内で用いることができる。誤りが生じた場合、播種した試料を有する別のウエルを、利用して、追加の試験を行うことができる。
【0049】
また、このアッセンブリと溶液の使用を取り入れた方法は、結果を1−3日で入手できるようにすることによって、時間削減効果も提供することができる。このような方法は、実務を大きく助ける。また、アッセンブリは、例えば、一のテストに少量のモノクローナル抗体のみが必要であるといった、費用対効果の高い試験を可能にする(シェルバイアル法を用いた一の試験に必要とされる60−80μlのモノクローナル抗体と比較して20μlを要する)。
【0050】
使用時には、プレートに、複数の細胞株を播種する。検出に用いる細胞株の選択は、試料のタイプ及び予想されるウイルスの存在に依存している。例えば、本発明を特定の細胞株に限定することなく、LLC−MK2細胞株は、パラインフルエンザウイルス類;インフルエンザウイルス類用のMDCK;RSV用のHEP−2、及びCMV、HSV、エンテロウイルス、及びライノウイルスの単離用のMRC−5細胞株の検出に用いることができる。播種に続いて、各試料を、プレートの異なる列に播種することができる。例えば、このプレートが8×12の場合、8つの異なる試料を、各プレートに接種することができ、各試料が、最大12の異なる細胞株上の所定の列の12ウエルに接種される。これは、少なくとも12のウイルスの検出を有利に促進する。しかし、この96ウエルプレート構成を、特定の診断の必要性によって変えることができることが認識されよう。これは、検出するウイルスに対する特殊性を維持するために、単純に細胞株選択に対して適切な変形を必要とする。
【0051】
本発明を、次の非限定的図面、及び/又は例を参照して、更に詳述する。
【0052】
図1を参照すると、第1のトレイユニット11と、第2のトレイユニット12と、第3のトレイユニット13と、を具えるトレイアッセンブリ10が設けられている。このトレイユニット11、12、及び13は各々、個々のサンプルウエル(図5参照)、又は4つまでの個々のサンプルウエルから形成されているサンプルユニットを受けるように構成されている複数のレセプタクル14を具える。
【0053】
第1のトレイユニット11は、その外縁に沿ってスリーブ15を具える。スリーブ15は、一方の側で、第2のトレイユニットの周囲アーム16を、反対側で、第3のトレイユニットの周囲アーム17を受けるように構成されている。このように、第2の、及び第3のトレイユニット12、13は、周囲アーム16、17を第1のトレイユニット11のスリーブ15内に摺動させることによって、図2に最もよく示されているように、第1のトレイユニット11と着脱可能に係合することができる。第1、及び第2のトレイユニットの係合は、図3に特によく示されている。
【0054】
図5を参照すると、各サンプルウエル50は、テーパ体51と、ベース52と、ウエル50の開口部を規定する環状リップ53を有利に具える。この構成を用いて、各ウエルは、第1、第2、又は第3のトレイユニットの各レセプタクル内に弾力的に保持され、必要に応じて取り除かれる。
【0055】
図6は、検出するウイルス、関連する細胞株及び各株についての除去日数のリストを含む、典型的な12×8のウエルプレート構成(即ち、2×6×8)の一例を示す。
【0056】
図6から分かるように、このプレートは、次の順で種々の細胞株を播種することができる:
行1−3 LLC−MK2
行4,5 MDCK
行6 Hep2
行7 A549
行8 RKl3
行9−12 MRC−5
【0057】
この方法でセットアップしたプレートは、例えば、限定はされることなく、呼吸器系ウイルスであるパラインフルエンザ1、2、3、4(PI 1、2、3、4)、インフルエンザA、B(Inf A、B)RSV、アデノウイルス(AD)、ライノウイルス(RH)、サイトメガロウイルス(CMV)、及びエコーウイルス(Eco)、コクサッキーウイルス(cox)、エンテロウイルス(Ent)及びポリオウイルス(Polio)から成るエンテロウイルス群(ENT)由来のウイルス群の選択が可能であり、同様に、限定されることなく、非呼吸器系ウイルスである単純ヘルペスウイルス(HSV)1、2、及び水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の選択が可能である。
【0058】
更なる例では、6×8ウエルプレートの構成は、次の順で播種された細胞株でできているものでもよい:
行1−3 A549
行4−6 MRC−5
これは、例えば、CMV、HSV1、2、VZV、AD等のウイルス、及びエンテロウイルス群等のウイルスの検出を可能にするであろう。
【0059】
最後に、14×8ウエルの構成は、PI1、2、3、4;Inf A、B;RSV;AD;RH;ENT(Echo、cox、Ent、Polio);HSV1、2;VZV;風疹;お多福風邪;麻疹(Measels);ロタウイルス;ポリオーマウイルスのような病原体の検出を最終的に可能にし、他にも適切な細胞株を用いた病原体ウイルスの検出も可能にする。
【0060】
ウエルの個々の性質に起因する細胞株の除去は、問題になっている特定のウイルス検出に適切な時間スケジュールに応じて選択できる。具体的には、PI1−4の検出が必要な場合、列Aを例に取ると、2日目に、ウエルA1からA3が取り除かれる。同様に、Inf A、Bの検出が必要な場合、2日目に、ウエルA4及びA5が取り除かれる。しかし、エンテロの検出が必要な場合、適切な日(1−3)に、ウエルA11が取り除かれる。個々のウエルの特定の性質は、この選択的除去とウイルス検出を容易にする。
【0061】
ここで、本発明の一の態様のキットを用いて続いて行われる、次の具体的な手順を参照すると、これらの多くのステップが選択的であり、決して本発明を限定していると考えるべきではない。
【0062】
真空無菌のガラスパスツールピペットを用いて、培地を、接種する全部のウエルから吸引する。大きなシャープスコンテナのパスツールピペットの処理は、有利に促進される。
【0063】
使い捨てのピペットを用いて、ウエルプレートの適切な数のウエルは、1ウエル当たりほぼ150−200μlの試料を接種する。残りの試料は、−70℃で保存する。次いで蓋がプレート上に置かれ、日付を、プレートの接種したウエルの上に書く。
【0064】
次いで、このプレートの重量を、電子天秤で量り、全プレートが等しい重量となり(+/−0.5g)遠心分離機内で平衡を保つことができるまで、バランスプレートとカードでバランスを取る。遠心分離機を約37℃、3500rpmで60分間作動させる。真空で無菌のパスツールピペットを用いて、各試料を、各ウエルから吸引し、各試料に、新しい使い捨てのピペットを用いて、各ウエルを、本発明のウイルス回復培地で満たす。
【0065】
次いで、COインキュベータ内にプレートを注意深く置き、最後の試料の接種後7日までの間、試料を37℃でインキュベートすることによって、COインキュベータ(5%)で37℃に加湿した環境でインキュベートする。
【0066】
免疫蛍光染色は、特異的モノクローナル抗体を用いて、シングルウエル内の特定のウイルスの検出に有利に用いられる。一般的に、次の手順に従う:真空吸引を用いて、培地を適切なウエルから取り除き、特別な鉗子を用いて、このウエルをプレートから取り除き、別の容器に移す。次いで、これらを5分間空気乾燥させる。次いで、300μlの冷アセトンを各ウエルに添加し、−20℃で15分間固定させる。次いで、固定液を捨てて、サンプルを再び2−3分間空気乾燥させる。特異的モノクローナル抗体(一次)を各ウエルに添加し、カバープレートを適所に置いて、サンプルを37℃で30分間インキュベートする。次いで、このサンプルをインキュベータから取り除き、各ウエルをPBSで満たす。次いで、PBSを捨てる。このプロセスを4回以上繰り返す。二次抗体を各ウエルに添加した後、このサンプルを再度5分間、空気乾燥させる。この後、再び、サンプルのインキュベートを実施し、次いで、上述したようにPBSで繰り返し処理し、蒸留水で2回最終的な洗浄をする。次いで、少量(1滴)の特別に調製した封入剤を添加し、結果物を蛍光顕微鏡下で観察する。
【0067】
本明細書、及びこれに続く特許請求の範囲を通して、このコンテキストが他に要求しない限り、用語「具える(comprise)」及び「具える(comprises)」や「具える(comprising)」等の変形は、規されている完全体の完全体群、又はステップ群を包含することを意味するが、別の完全体、又は完全体群又はステップ群を除外することを意味するものではないことが理解される。
【0068】
当業者には、本明細書に記載された発明が、特に記載されているもの以外の変形例及び変更例に影響を受けやすいことは自明である。本発明は、このような変形例及び変更例を全て含むと理解されるべきである。また、本発明は、本明細書で個別に又は集合的に参照されている、又は示されている全てのステップ、特徴、組成物、及び化合物、前記ステップ又は特徴の2つ又はそれ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0069】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の一の態様のキットに用いるウイルス回復培地に有用なトレイの実施例を示す。
【0070】
【図1】図1は、分解した形状の第1、第2、及び第3のトレイユニットを示す。
【図2】図2は、組み立てた形状の第1、第2、及び第3のトレイユニットを示す。
【図3】図3は、半組み立て形状の第1、及び第2のトレイユニットを示す。
【図4】図4は、組み立てた形状の第1、及び第3のトレイユニットを示す。
【図5】図5は、複数のサンプルウエルを示す。
【図6】図6は、12×8行列の一般的なウエル構成を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一のホルモンと、少なくとも一の酵素を補充した細胞培地を具えることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項2】
請求項1に記載のウイルス回復培地において、前記ホルモンが、グルココルチコイドホルモンであることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項3】
請求項2に記載のウイルス回復培地において、前記ホルモンが、デキサメタゾン、ハイドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン(DOCA)、及びアルドステロンから選択されることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項4】
請求項3に記載のウイルス回復培地において、前記ホルモンが、デキサメタゾンであることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項5】
請求項1に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、セリン又はアスパラギン酸プロテアーゼであることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項6】
請求項5に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、トリプシン、キモトリプシン及びペプシンから選択されることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項7】
請求項6に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、トリプシンであることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項8】
請求項1に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、1から5μg/mLの範囲の量で、特に2.5μg/mLの量で存在することを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項9】
請求項1に記載のウイルス回復培地において、前記ホルモンが、10−4から10−6Mの濃度で、特に約10−5Mの濃度で存在することを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項10】
ウイルス検出方法において:
(i) ウイルス接種に好適な細胞株を提供するステップと;
(ii) 試料に特定の前処理を行って、検出するウイルスを潜在的に含むサンプルを得るステップと;
(iii)検出するウイルスを潜在的に含む試料を細胞に接種するステップと;
(iv) 前記接種した細胞をインキュベートするステップと;
(v) 前記サンプル培地を少なくとも一のホルモンと、少なくとも一の酵素を補充した細胞培地を具えるウイルス回復培地と交換するステップと;
(vi) (iv)で得た前記サンプルをインキュベートするステップと;
(vii)前記ウイルスを検出するステップと;
を具えることを特徴とするウイルス検出方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記ホルモンが、グルココルチコイドホルモンであることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記ホルモンが、デキサメタゾン、ハイドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン(DOCA)、及びアルドステロンから選択されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記ホルモンが、デキサメタゾンであることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法において、前記酵素が、セリン又はアスパラギン酸プロテアーゼであることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、トリプシン、キモトリプシン、及びペプシンから選択されることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項16】
請求項15に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、トリプシンであることを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項17】
請求項10に記載のウイルス回復培地において、前記酵素が、1から5μg/mLの範囲の量で、特に2.5μg/mLの量で存在することを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項18】
請求項10に記載のウイルス回復培地において、前記ホルモンが、10−4から10−6Mの濃度で、特に約10−5Mの濃度で存在することを特徴とするウイルス回復培地。
【請求項19】
ウイルス診断キットにおいて:
(i) 少なくとも一のホルモンと、少なくとも一の酵素を補充した細胞培地を具えるウイルス回復培地と;
(ii)マイクロ滴定トレイアセンブリと;
を具えることを特徴とするウイルス診断キット。
【請求項20】
請求項19に記載のウイルス診断キットにおいて、前記マイクロ滴定トレイアセンブリが、複数の相互接続しているが、取り外し可能なマイクロ滴定トレイを具えることを特徴とするウイルス診断キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−526239(P2008−526239A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550642(P2007−550642)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000044
【国際公開番号】WO2006/074524
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(507233268)
【Fターム(参考)】