説明

ウェハーレベルにおいて半導体をパッケージングするための方法

半導体ウェハーの表面部分に形成される複数の半導体デバイスをパッケージングするための方法である。該方法は、半導体ウェハーの表面部分に配置される第1のリソグラフィ処理可能材料内に、デバイスを露出させるデバイス露出開口部と、デバイスのための電気接点パッドを露出させる電気接点パッド開口部とをリソグラフィによって形成すること、及び支持体をマウントすることを含み、その支持体の選択された部分の上に硬質の誘電体層が形成され、そのような硬質の誘電体層は第2のリソグラフィ処理可能材料を含み、そのような硬質の材料はデバイス露出開口部上に懸架され、第1のリソグラフィ処理可能材料内の電気接点パッド開口部上に配置される支持体の部分から除去される。該支持体は、第2のリソグラフィ処理可能材料から剥離され、除去され、第2のリソグラフィ処理可能材料は第1のリソグラフィ処理可能材料に結合されたままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には半導体をパッケージングする(すなわち、封入する)ための方法に関し、より詳細には、ウェハーレベルにおいて半導体をパッケージングする(すなわち、ウェハーレベルパッケージング)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において知られているように、これまでマイクロエレクトロニクス業界では、電気デバイスは、ウェハー上に製造され、その後、個々のチップにダイシングされる。その後、環境的及び機械的に保護するために、それらのベアチップは他の部品と共に組み合わされ、1つのパッケージにされる。商業用途では、それらのチップは一般的に、組み合わされてプラスチックパッケージにされる。一般的に電子機器がより過酷な環境に晒される軍事用途では、部品は一般的に気密モジュールに収容される。その後、そのようなパッケージ又はモジュールは回路基板及びシステム上でさらに組み合わされる。しかしながら、電子システムが進歩するのに応じて、構成要素及びサブシステムを小型化し、かつそのコストを削減しながら、機能を高める必要がある。
【0003】
小型化し、かつコストを削減する1つの方法は、ウェハーレベルにおいてパッケージを作製し、その後、そのウェハーをダイシングして、パッケージングされた個々の半導体にすること(すなわち、ウェハーレベルパッケージング)である。ウェハーレベルパッケージを形成するために、数多くの方法が提案されてきた。ウェハーボンディングと呼ばれる1つの方法は、予めキャビティが形成されたウェハーをデバイスウェハー上にボンディングすることである。そのボンディングは、サーマルボンディング、接着又ははんだ接合を通じて成し遂げることができる。たとえば、非特許文献1及び非特許文献2を参照されたい。
【0004】
しかしながら、この方法は、工程を著しく複雑にし、問題を引き起こす。サーマルボンディングは一般的に、400℃を超える非常に高い温度において実行される。接着は、それよりも低い温度で実行することができるが、接着剤のガス抜きが問題である。それゆえ、ウェハーボンディングは、用途によっては、費用対効果がある適切な方法ではない。
【0005】
別の手法は液晶ポリマー(LCP)を使用することである。液晶ポリマーは、その電気的、機械的及び環境的特性が優れていることに起因して、最近になって、種々のパッケージング手法のための代表的な候補になってきた。その材料はロールの形で提供され、ウェハー上に薄膜として積層することができる。一般的な方法は、LCPの複数のスタックを用いることである。LCPの層内に個々の穴が形成され、それらの穴を通じてデバイス又はFETが露出するように、該穴はウェハー上に積層される。LCPのこの第1の層はキャビティの側壁を形成する。その後、LCPの第2の層がウェハー全体にわたって積層され、それにより、キャビティが密閉される。非特許文献3を参照されたい。LCPの単一のスタックを用いることもできるが、それでも、ウェハー上に積層する前に、材料上にキャビティが形成されなければならない。非特許文献4及び非特許文献5を参照されたい。上記の従来技術は、最初にキャビティ材料上にパターンを形成し、その後、デバイスウェハーにボンディングすることを含む。いくつかの不都合がある。第一に、これは複雑で、面倒な工程である。パターン形成及びウェハーボンディングの際にに極めて正確な位置合わせを確保しなければならない。第二に、位置合わせが難しいことに起因して、それらのキャビティは一般的に大きく、チップ全体を覆う。能動デバイス及び個々の受動部品だけを覆うキャビティを形成するほどの自由度はない。一般的に、キャビティが大きくなるほど、機械的な損傷を受ける危険性が大きくなるだけでなく、パッケージの環境的保護も劣化する。非特許文献6を参照されたい。従来の方法が抱えるこれらの問題は、パッケージの製造可能性及び性能を制限する。
【0006】
小型化し、かつコストを削減することに加えて、ウェハーレベルパッケージは、従来のパッケージと同じレベルの環境的保護も提供する必要がある。それらのパッケージは一般的に、MIL−STD−883Method1014による漏れ検出試験及びJEDEC標準規格No.22−A101−Bによる湿度試験に合格することを要求される。デバイスを保護する1つの方法は、気密コーティングを塗布することによる。非特許文献7を参照されたい。しかし、特定の半導体デバイス上にコーティングを直に塗布することによって、性能が劣化するおそれがある。
【0007】
別の方法はパッケージ自体を気密にすることである。一般的に、シリコン又はガラスを融合させるウェハーボンディング方法が気密性能を成し遂げることができる。LCP及びBCBのようなプラスチックパッケージは、MIL−Std883Method1014によって規定されるような初期気密性試験に合格することはできるが、ガラス及び金属と比較したこれらの材料内の拡散速度に起因して、準気密とみなされる。非特許文献2及び非特許文献4を参照されたい。
【0008】
マルチチップモジュールパッケージング手法では、チップ全体にわたって誘電体薄膜をスピニングするか、又は積層することによってチップがパッケージングされる。従来技術は、カプトンE、BCB、SPIE等の種々の組み合わせを用いて行なわれてきた。非特許文献8を参照されたい。これは処理の複雑度を低減するが、能動デバイス上に空洞がないので、性能は劣化する。トランジスタの上に直に誘電体薄膜を堆積すると、寄生容量が増加することに起因して、一般的に性能が劣化する。マルチチップモジュールパッケージングは、ウェハーレベル手法ではなく、むしろチップレベルである。
【0009】
別のウェハーレベルパッケージング手法では、個々のチップを覆うように、LCP、ガラス等の異なる材料から形成されるキャップがウェハー上に置かれる。それらのキャップは、接着剤を用いて所定の位置に封止される。ここでも、これは、ピック・アンド・プレース工程によって個々のチップ上にキャップを配置する複雑な工程である。非特許文献9を参照されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Rainer Pelzer、Herwig Kirchberger、Paul Kettner著「Wafer-to Wafer Bonding Techniques :From MEMS Packaging to IC Integration Applications」(6th IEEE International Conference on Electronic Packaging Technology 2005)
【非特許文献2】A. Jourdain、P. De Moor、S. Pamidighantam、H. A. C. Tilmans著「Investigation of the Hermeticity of BCB-Sealed Cavities For Housing RF-MEMS Devices」(IEEE Electronic Article, 2002)
【非特許文献3】Dane. C. Thompson、Manos M. Tentzeris、John Papapolymerou著「Packaging of MMICs in Multilayer of LCP Substrates」(IEEE Microwave and Wireless Components Letters, vol. 16, No. 7, July 2006)
【非特許文献4】Dane. C. Thompson、Nickolas Kinglsley、Guoan Wang、John Papapolymerou、Manos M. Tentzeris著「RF Characteristics of Thin Film Liquid Crystal Polymer (LCP) Packages for RF MEMS and MMIC Integration」(Microwave Symposium Digest, 2005 IEEE MTT-S International, 12-17 June 2005 Page(s): 4 pp.)
【非特許文献5】Mogan Jikang Chen、Anh-Vu H. Pham、Nicole Andrea Evers, Chris Kapusta、Joseph Iannotti、William Kornrumpf、John J. Maciel、Nafiz Karabudak著「Design and Development of a Package Using LCP for RF/Microwave MEMS Switches」(IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol. 54, No. 11, Nov. 2006)
【非特許文献6】Aaron Dermarderosian著「Behavior of Moisture in Sealed Electronic Enclosures」(International IMAPS conference in San Diego, Oct of 2006)
【非特許文献7】M. D. Groner、S. M. George、R. S. Mclean及びP. F. Carcia著「Gas diffusion barriers on polymers using Al2O3 atomic layer deposition」(Applied Physics Letters, 88, 051907 (2006))
【非特許文献8】Vikram B. Krishnamurthy、H. S. Cole、T. Sitnik-Nieters著「Use of BCB in High Frequency MCM Interconnects」(IEEE Transactions on Components, Packaging, and Manufacturing Technology-Part B, vol. 19, No.1, Feb. 1996)
【非特許文献9】George Riley著「Wafer Level Hermetic Cavity Packaging」(http://www.flipchips.com/tutorial43.html)
【発明の概要】
【0011】
本発明によれば、半導体ウェハーの表面部分に形成される複数の半導体デバイスをパッケージングするための方法が提供される。該方法は、
前記表面部分に配置される第1のリソグラフィ処理可能材料内に、前記デバイスを露出させるデバイス露出開口部と、電気接点パッド開口部とをリソグラフィによって形成すること、及び
支持体をマウントすることであって、該支持体の選択された部分の上に第2のリソグラフィ処理可能材料から成る硬質の誘電体層が形成され、該硬質の材料は前記デバイス露出開口部(すなわち、キャビティ)上に懸架されると共に、前記材料内の前記電気接点パッド開口部から除去される、マウントすることを含む。
【0012】
1つの実施の形態では、前記第1のリソグラフィ処理可能材料及び前記第2のリソグラフィ処理可能材料は同じタイプの材料を含む。
【0013】
1つの実施の形態では、前記第1のリソグラフィ可能材料及び前記第2のリソグラフィ可能材料はBCBを含む。
【0014】
1つの実施の形態では、 前記硬質の誘電体層を形成することは、
支持体上に前記第2のリソグラフィ処理可能材料を堆積すること、
前記第2の材料をリソグラフィ処理することであって、前記支持体上に前記第2のリソグラフィ処理可能材料の所望の領域を設け、該第2のリソグラフィ処理可能材料の不要な部分は前記支持体から除去される、リソグラフィ処理すること、
前記支持体上の前記第2のリソグラフィ処理可能材料の前記所望の領域を前記デバイス露出開口部上にマウントすることであって、前記デバイス露出開口部上の前記領域は、前記第2のリソグラフィ処理可能材料から、不要な部分が除去されたものである、該マウントすること、
前記第2のリソグラフィ処理可能材料の前記所望の領域を前記第1のリソグラフィ処理可能材料と結合すること、及び
前記第2のリソグラフィ処理可能材料を前記第1のリソグラフィ処理可能材料に結合したまま、前記支持体を除去することを含む。
【0015】
そのような方法によれば、前記第1のリソグラフィ処理可能材料に被着される前に、前記硬質の誘電体層の全画像形成(又はパターニング)工程が実行される。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、半導体ウェハーの表面部分に形成される半導体デバイス用のパッケージが提供される。そのパッケージは、
前記半導体ウェハーの前記表面部分に配置され、その中に前記デバイスを露出させる開口部と、電気接点パッドを露出させる開口部とを有する、第1のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料と;
支持体と;
前記支持体の選択された領域上に配置され、前記支持体の他の領域には存在しない第2のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料から成る硬質の誘電体層とを備え、
前記第2のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料から成るそのような硬質の誘電体層は、第1のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料に結合され、そのような硬質の材料は、前記デバイス露出開口部上に懸架され、前記支持体の前記他の領域は、前記第1のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料内の前記電気接点パッド開口部上に配置される。
【0017】
本明細書において記述される方法は、FETの性能に影響を及ぼさないBCBコーティングキャビティを開けるために開発された。基板レベルにおいて組み立てられるとき、III−V MMICデバイスに、再びデバイス性能に影響を及ぼすコーティング又はアンダーフィルが塗布され、それにより性能を劣化させる、開けられているキャビティを埋める。
【0018】
現在、塗布されるコーティングからデバイスFETを保護するために、1の空気誘電率を保持しながら、BCB内に形成されるエアポケットを覆うか、エアポケットに蓋をするか、又はエアポケットを塞ぐ必要がある。これは、塗布されるコーティングがデバイスの性能に及ぼす影響を最小限に抑える。キャビティ内に形成される空隙の必要な高さは、トポロジ及び動作周波数に依存する。
【0019】
当該業界において、ダイ全体を覆うことは一般的になりつつあるが、開けられているI/Oに容易に、直に又はワイヤボンディングで接続できるようにして、FET空洞だけを塞ぐための方法は、本発明者らが知る限りでは新規である。
【0020】
新規の処理において、キャリアウェハーを容易に位置合わせし、除去する方法も検討される。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施形態の細部が添付の図面及び以下の説明において述べられる。本発明の他の特徴、目的及び利点は、その説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図2】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図3】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図4】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図5】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図6】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図7】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図8】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図9】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図10】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図11】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図12】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【図13】その内部にデバイスを有し、本発明に従ってパッケージングされる半導体ウェハーを、そのようなパッケージングの一つの段階において示す図である。
【0023】
種々の図面における類似の参照符号は類似の要素を指示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで図1を参照すると、半導体ウェハー10が示されており、その表面部分、ここでは、上側表面部分に複数の半導体デバイス12が形成されている。デバイス12のうちの1つの例示的なデバイスが図2に示される。ここで、ウェハーは、たとえばGaAs又はSiCウェハー10であり、デバイスは、たとえば電界効果トランジスタ(FET)であり、図に示されるように、それぞれ伝送線路20、22を通じてボンディングパッド16、18に接続される。
【0025】
次に、図3に示されるように、半導体ウェハー10の上側表面部分上に、リソグラフィによって処理することができるエッチング可能材料30が堆積される。ここで、たとえばリソグラフィによって処理することができるエッチング可能材料30は、従来のリソグラフィ及びエッチング工程を用いてウェハー上で容易にパターニングされて、説明されるキャビティの側壁を形成することができる有機又は無機材料とすることができる。一実施形態では、優れた電気的特性を有する誘電体材料であるベンゾシクロブタン(BCB)が用いられる。BCBは、誘電体コーティング、3D相互接続及びパッケージングに関する数多くの用途において用いられてきた。たとえば、Kenjiro Nishikawa、Suehiro Sugitani、Koh Inoue、Kenji Kamogawa、Tsuneo Tokumitsu、Ichihiko Toyoda、Masayoshi Tanaka著「A Compact V-Band 3-D MMIC Single-Chip Down-Converter Using Photosensitive BCB Dielectric Film」(IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol. 47, No. 12, Dec. 1999)及びRainer Pelzer、Viorel Dragoi、Bart Swinnen、Philippe Soussan、Thorsten Matthias著「Wafer-Scale BCB Resist-Processing Technologies for High Density Integration and Electronic Packaging」(2005 International Symposium on Electronics Materials and Packaging, Dec. 11-14)を参照されたい。
【0026】
BCB材料30は、全て従来の半導体製造装置を用いて液体として計量分配、回転塗布、露光、現像、及び硬化することができる。BCBは従来のフォトリソグラフィ技法によってパターニングすることができるので、フォトレジストと同じような位置合わせ公差及び限界寸法を達成することができる(膜厚によって制限される)。機械的な観点及び工程を簡単にする観点から、積層工程(LCPの場合の工程のような)よりもスピンオン工程が好ましい。スピンオン工程は、エアーブリッジのような機械的脆弱構造の場合に特に、ウェハーに対して導入される応力が小さく、複雑な回路トポロジ上でのセルフレベリングの能力が高い。
【0027】
次に、図4に示されるように、デバイス12及び接点パッド16、18上に配置される窓35を有するマスク31を用いて、材料30がフォトリソグラフィによって処理される。BCB材料30の露出した部分が現像され、除去された後に、図5に示されるように、その中にデバイス12を露出させるためのデバイス開口部32及びその中に電気接点パッド16、18を露出させるための電気接点パッド開口部34が生成される。
【0028】
BCB材料30上にパターンが形成された後に、BCB材料30への良好な接着を有する機械的に強い、すなわち硬質の自立層40を用いて、開口部又はキャビティ32が封止される。より詳細には、第2のリソグラフィ処理可能材料40から成る硬質の誘電体層40が、形成された第1のリソグラフィ処理可能材料上に設けられ、そのような硬質の材料40は材料30内のデバイス露出開口部32、34(すなわち、キャビティ)上に懸架される。
【0029】
ここでは、第1のリソグラフィ処理可能材料30及び第2のリソグラフィ処理可能材料40は同じタイプの材料を含む。この実施形態において、第1のリソグラフィ処理可能材料30及び第2のリソグラフィ処理可能材料40は、たとえば、ここでは、約17マイクロメートルの厚みを有するBCBを含む。
【0030】
より詳細には、硬質の自立層40の形成は、図6に示されるように、その上側表面上に、ここでは従来のリフトオフ材料(たとえば、ここでは、Shipley、Marlborough MAによって製造されるLOL1000リフトオフ材料)から成るコーティング又は剥離層44を配置された支持体又は基板42、たとえば、ここでは、透明な石英又は薄いシリコン又は他の可撓性基板と、図に示されるように、剥離層44上、ここでは、剥離層44上に回転塗布される第2のリソグラフィ処理可能材料40から成る層40とを設けることによって開始される。
【0031】
次に、図7を参照すると、図に示されるように、第2のリソグラフィ処理可能材料40の選択されたマスクされない領域40’を、フォトマスク51内の開口部45を通り抜けるように示されるUV放射に露光することによって、第2のリソグラフィ処理可能材料、すなわち層40がリソグラフィ処理される。こうして、図8に示されるように、その構造体を現像液に浸漬した後に、第2のリソグラフィ処理可能材料40の露光されない部分40”が支持体42から除去される。このようにして、第2のリソグラフィ処理可能材料40が設けられ、第2のリソグラフィ処理可能材料40の所望の領域40’は支持体42上に残り、その不要な部分40”は支持体42から除去される。したがって、図8に示されるように、所望の領域40’は、層44及び支持体42上にある島である。
【0032】
次に、図9を参照すると、支持体42上の第2のリソグラフィ処理可能材料が反転された後に、透明石英又は薄いシリコン又は他の可撓性基板に応じて、たとえば、IRを利用するEVG−620アライナー/ボンダーのような従来の接点位置合わせツールを利用して、又は目視による位置合わせを利用して、図9に示されるように、図5に示される構造体と位置合わせされる。こうして、支持体上の第2のリソグラフィ処理可能材料の所望の領域40が、デバイス露出開口部32上にマウントされ、その後、加熱及び加圧され(図10において矢印によって示される)、図10に示されるように、第2のリソグラフィ処理可能材料40の所望の領域が第1のリソグラフィ処理可能材料30に結合される。次に、図11において矢印によって示されるように、支持体42が、たとえば、ここでは、Clariant、Somerville、NJ.によって製造されるAZ400K現像剤を用いて、第2のリソグラフィ処理可能材料40から剥離され、除去され、第2のリソグラフィ処理可能材料40は第1のリソグラフィ処理可能材料30に結合されたままである。
【0033】
その後、たとえば、ウェハーの背面を薄くし、デバイスを個別の部分、ここではパッケージングされたチップにダイシングすることによって、その工程は従来通りに続けられる。
【0034】
次に、保護されたデバイス12は、図12に示されるように、ワイヤボンディング50及び最後の組立のための準備ができている。または、図12に示される構造体には、反転して組み立てるために、図13に示されるようにはんだボール52が設けられる。
【0035】
本発明の複数の実施形態が説明されてきた。たとえば、BCB以外の、SU_8のような材料を用いることができる。それにもかかわらず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変更を加えることができることは理解されよう。したがって、他の実施形態は添付の特許請求の範囲の中にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハーの表面部分に形成される複数の半導体デバイスをパッケージングするための方法であって、
前記半導体ウェハーの前記表面部分に配置される第1のリソグラフィ処理可能材料内に、前記デバイスを露出させるデバイス露出開口部と、前記デバイスのための電気接点パッドを露出させる電気接点パッド開口部とをリソグラフィによって形成すること、及び
支持体をマウントすることであって、該支持体の選択された部分の上に硬質の誘電体層が形成され、該硬質の誘電体層は第2のリソグラフィ処理可能材料を含み、該硬質の材料は前記デバイス露出開口部上に懸架されると共に、前記第1のリソグラフィ処理可能材料内の前記電気接点パッド開口部上に配置される前記支持体の部分から除去される、マウントすることを含む、半導体ウェハーの表面部分に形成される複数の半導体デバイスをパッケージングするための方法。
【請求項2】
半導体ウェハーの表面部分に形成される半導体デバイス用のパッケージであって、
前記半導体ウェハーの前記表面部分上に配置され、前記デバイスを露出させるデバイス露出開口部と、前記デバイスのための電気接点パッドを露出させる電気接点パッド開口部とを有する、第1のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料と、
支持体と、
前記支持体の選択された領域上に配置され、前記支持体の他の領域には存在しない第2のリソグラフィ処理可能材料を含む硬質の誘電体層であって、該第2のリソグラフィ処理可能材料は前記第1のリソグラフィ処理可能なエッチング可能材料内の、前記デバイスを露出させる開口部上に懸架される、硬質の誘電体層とを備え、
前記支持体の前記他の領域は前記電気接点パッドを露出させる前記開口部上に配置される、半導体ウェハーの表面部分に形成される半導体デバイス用のパッケージ。
【請求項3】
前記第1のリソグラフィによって処理可能なエッチング可能材料はBCBである、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記第2のリソグラフィによって処理可能なエッチング可能材料はBCBである、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記第2のリソグラフィによって処理可能なエッチング可能材料はBCBである、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項6】
半導体ウェハーの表面部分に形成される複数の半導体デバイスをパッケージングするための方法であって、
前記表面部分に配置される第1のリソグラフィ処理可能材料内に、前記デバイスを露出させるデバイス露出開口部と、電気接点パッド開口部とをリソグラフィによって形成すること、並びに
前記形成された第1のリソグラフィ処理可能材料上に第2のリソグラフィ処理可能材料から成る硬質の誘電体層を形成することであって、
支持体上に前記第2のリソグラフィ処理可能材料を堆積すること、
前記第2の材料をリソグラフィ処理することであって、前記支持体上に前記第2のリソグラフィ処理可能材料の所望の領域を設け、該第2のリソグラフィ処理可能材料の不要な部分は前記支持体から除去される、リソグラフィ処理すること、
前記支持体上の前記第2のリソグラフィ処理可能材料の前記所望の領域を前記デバイス露出開口部上にマウントすることであって、前記デバイス露出開口部上の前記領域は、前記第2のリソグラフィ処理可能材料から、前記不要な部分が除去されたものである、マウントすること、及び
前記第2のリソグラフィ処理可能材料の前記所望の領域を前記第1のリソグラフィ処理可能材料とボンディングすること、及び
前記第2のリソグラフィ処理可能材料を前記第1のリソグラフィ処理可能材料にボンディングしたまま、前記支持体を除去することを含む、形成すること、を含む半導体ウェハーの表面部分に形成される複数の半導体デバイスをパッケージングするための方法。
【請求項7】
前記第1のリソグラフィ処理可能材料及び前記第2のリソグラフィ処理可能材料は同じタイプの材料を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のリソグラフィ処理可能材料及び前記第1のリソグラフィ処理可能材料はBCBを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記硬質の誘電体層を形成することは、
支持体上に前記第2のリソグラフィ処理可能材料を堆積すること、
前記第2の材料をリソグラフィ処理することであって、前記支持体上に前記第2のリソグラフィ処理可能材料の所望の領域を設け、該第2のリソグラフィ処理可能材料の不要な部分は前記支持体から除去される、リソグラフィ処理すること、
前記支持体上の前記第2のリソグラフィ処理可能材料の前記所望の領域を前記デバイス露出開口部上にマウントすることであって、前記デバイス露出開口部上の前記領域は、前記第2のリソグラフィ処理可能材料から、不要な部分が除去されたものである、該マウントすること、
前記第2のリソグラフィ処理可能材料の前記所望の領域を前記第1のリソグラフィ処理可能材料と結合すること、及び
前記第2のリソグラフィ処理可能材料を前記第1のリソグラフィ処理可能材料に結合したまま、前記支持体を除去することを含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−528851(P2011−528851A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518765(P2011−518765)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/048079
【国際公開番号】WO2010/008781
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)