説明

ウェーハ露光設備のチップレベリング装置

【課題】 ウェーハをチップ単位に露光する前にチップレベリングするためにウェーハに照射される光の直径をチップサイズにより可変適用することにより正確なレベリングがなされるよう改善させたチップレベリング装置を提供する。
【解決手段】 ウェーハ60の露光フィールドに特定光を傾むいて照射し、露光フィ−ルドで反射する光を位置検出素子56で検出し、その結果によりウェーハ60を縮小投影レンズの軸について整列するチップレベリング装置であり、光がウェーハ60に到達する前の経路中に絞り62を設けてウェーハ60のフィールドに達するビームの直径を調節することにより、直径が調節された光の反射光を用いて正確なチップレベリングを行うよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウェーハ露光設備のチップレベリング(chip leveling) 装置に係り、さらに詳しくはウェーハをチップ単位に露光する前にレベリングするためにウェーハに照射される光の直径をチップサイズにより可変適用することにより正確なレベリングが行えるよう改善したウェーハ露光設備のチップレベリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ウェーハはステッパーで露光される。ステッパーには縮小投影レンズが露光を行うための基本要素として設けられており、縮小投影レンズはレティクルの所定パターンを露光するウェーハで光学的に縮小して伝達する役割を果たしている。レティクルのパターンが露光により理想的にウェーハ上に形成されるためには、縮小投影レンズの光軸に対してウェーハ面が垂直状態にセットされるべきである。しかし、実際に工程を進む過程または設備の点検または補修などの過程で縮小投影レンズの光軸の方向が微小に変化する。また、ウェーハの平面条件が表面位置別に違ってウェーハ表面が部分的に光軸について偏差が発生する。前述した理由により、ウェーハ面が縮小投影レンズの光軸について垂直条件を満たせない問題点があった。
【0003】したがって、前述の問題点を解決するため、従来のステッパーにはチップレベリング装置が構成され、チップレベリングは露光前にチップ単位になされる。ここで、ウェーハのチップレベリングとは、露光がなされるウェーハのチップ毎に表面の傾斜面が縮小投影レンズの光軸と直角となるよう調整する動作である。前述のような従来のチップレベリング装置は、図1のように、レベリングセンサーアセンブリとウェーハレベリングステージを含めて構成されており、レベリングセンサアセンブリはウェーハ露光フィールド表面の平均的な傾斜を光学的に測定する。
【0004】発光ダイオード10から発生した光はコリメータレンズ(Collimator Lens)12を通過して平行光となってウェーハ14上に照射される。ビームの中心は露光フィールドの中心と一致し、ウェーハ14の表面から反射されるビームは集束レンズ16を通過してから位置検出素子18で集束される。位置検出素子18は、通常は4分割光センサーが用いられ、4分割光センサーは光をセンシングする円形面が十字形分割線により正確に四つの領域に分割されており、ウェーハの表面の傾きは分割された表面に形成されるスポットの位置により4分割光センサーで各分割領域別に相違に出力される電流量の対比により計測される。
【0005】前述した方法で計測された結果によるウェーハレベリングステージ20の調整は図2のようなシステムにより行われる。すなわち、露光する光を縮小およびフォーカシングする縮小投影レンズ(図示せず)についてZ軸方向にウェーハレベリングステージ20が設けられ、ウェーハレベリングステージ20には一つの固定点22と二つの移動点24、26が形成されている。固定点22は支持軸28により支持されており、移動点24、26の下部の支持軸30はステップモーター32の駆動軸に結合され直線運動を行うコーン(cone)形カム34に支持されている。
【0006】前述のように構成されることにより、4分割光センサー、すなわち位置検出素子18に形成されるスポットに対する電気的な信号がフォーカス部36に入力され、フォーカス部36は入力される電気的信号を変換してウェーハの露光フィールドの傾斜を判別するための信号に変換して出力し、その信号がステージ制御部38に入力されステップモーター32を駆動するための信号に変換され、ステップモーター32を駆動するための信号がステージ制御部38から増幅部40を通してステップモーター32に印加され、それによりステップモーター32が駆動する。
【0007】ステップモーター32が駆動すると、軸の回転方向によりコーン形カム34が直線両方向のうちいずれか一方向に移動され、支持軸30に連結された移動点24は上下に選択的に移動される。ウェーハレベリングステージ20は前述のように、移動点24、26の位置が調節されることによりその傾斜が可変される。ウェーハレベリングステージ20の傾斜調節でウェーハ14の露光するフィールドの傾斜が調節され縮小投影レンズの光軸についてウェーハ露光フィールドがZ軸に垂直となる。前述のウェーハチップレベリング動作において位置検出素子である4分割光センサーの正確なスポットの検出はきわめて重要である。チップレベリングが完了されれば、図3のようにウェーハ14から反射された光のビームが集束され4分割光センサーの中央にスポットが位置する。これは、図4のように4分割光センサーのいずれか特定分割領域に位置したものをレベリング動作で調整したことである。
【0008】4分割光センサー、すなわち位置検出素子18から出力される信号を用いて各移動点24、26のステップモーター32が駆動されウェーハレベリングステージ20の傾斜を調節し、それにより位置検出素子18の4分割光センサーに形成されるスポットの位置は4分割光センサーの4分割面中央に位置される。従来のウェーハチップレベリング装置はビーム直径が一定サイズに固定されていた。したがって、一定したビームの直径を用いて多様な口径のウェーハとそれに形成される多様なサイズのチップに対する露光前レベリングがなされている。しかし、これはチップサイズ別に正確なレベリングに限界点を有する問題点が発生した。
【0009】具体的に、図5のようにレベリングのためのフィールドの領域がビーム幅より遥かに少ない場合、ビームが特定フィールドを含めた広領域に対する照射および反射が起こるので、実際露光する領域に限った正確なウェーハチップレベリングが困難であった。
【0010】一方、図6を参照すれば、ウェーハの辺部に形成されるチップを露光する前にチップレベリングにおいて、ウェーハ辺部に形成されるチップフィールドはウェーハの内部に形成されるチップフィールドのように完全な領域を確保できず、不完全なフィールドを有しているので、反射されるビームは照射されるビームのうち一部に該当され、この不完全な反射ビームを用いては4分割光センサー、すなわち位置検出素子のセンシングエラーが誘発され、誤動作が発生する問題点があった。前述のように従来のウェーハチップレベリング装置は固定された直径のビームを以てチップレベリング動作がなされたので、多様な口径のウェーハおよび多様なチップサイズに能動的に対処できない限界点を有する問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、その目的はウェーハに露光するフィールドのサイズによりレベリングのために走査される光のビーム幅を選択的に調節できるウェーハ露光設備のチップレベリング装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、露光工程の行われるウェーハが安着され、傾斜調節自在なウェーハレベリングステージと、ステージの一側に設けられステージの傾斜を調節するステージ駆動部と、ウェーハの露光フィールドに特定の平行光を傾いて照射する光照射部と、露光フィールドから反射された光を集束してウェーハの傾きを検出する位置検出部と、位置検出部から入力されたウェーハ傾きを判断し、ステージ駆動部を制御してステージの傾斜を調節するステージ制御部と、光照射部から照射される平行光の直径を可変する照射光直径可変手段とを備えている。
【0013】本発明の請求項2に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、照射光直径可変手段は、照射光の直径より小径の窓が中心に形成された絞りと、絞りを支持しつつ他の位置から光の照射経路中に絞りを配置させる移送手段とを備えている。
【0014】本発明の請求項3〜8に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、絞りは透明材質板を備えており、透明材質板の中心部に所定直径に光を通過させる窓が遮光物のコーティングで形成されている。遮光物は、透明材質板の両面または一面にコーティングされている。透明材質板はガラス板で、遮光物はクロムである。絞りは、円形の透明材質板が窓を形成し、その辺部に遮光板が結合されているものでもよい。
【0015】本発明の請求項9および10に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、移送手段は、ステッピング動作前絞りの配置のために制御信号を出力する駆動制御手段と、ロードの端部に絞りを支持する固定部が形成されており、ロードを引張及び収縮させるエアシリンダーと、制御信号に応じてエアシリンダーを駆動するためにエアの供給および排出を調節するエア供給手段とを備えている。エアシリンダーの固定部には凹形溝が形成され、凹形溝が上部開放され絞りを上部に装着させるよう構成されている。
【0016】本発明の請求項11に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、絞りの光照射経路上配置をセンシングするセンシング手段と、センシング手段のセンシング信号と移送手段の移送状態とを比較してエラー状態を判断するエラー判別手段と、エラー判別手段でエラーと判別した信号が印加されれば警報動作を行う警報手段とをさらに備えている。
【0017】本発明の請求項12に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、センシング手段は、受光素子と発光素子を備え、光の照射経路に配置される絞りの端部を光学的に検出できる。本発明の請求項13に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、エラー判別手段は、移送手段の信号とセンシング信号とを比較して絞りの位置と移送手段の駆動状態が一致しなければエラー信号を出力する排他的論理和ゲートを備えている。
【0018】本発明の請求項14に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、移送手段は、端部に絞りを支持する固定部が形成されているロードと、ロードの他側に連結されロードの前後進動作を行うモーター部と、ステッピング動作前絞りを配置するためにの制御信号を出力してモーター部の駆動を制御するモーター駆動制御手段とを備えている。
【0019】本発明の請求項15および16に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、絞りの光照射経路上配置をセンシングするセンシング手段と、センシング手段のセンシング信号と移送手段の移送状態を比較してエラー状態を判断するエラー判別手段と、エラー判別手段でエラーと判別した信号が印加されれば警報動作を行う警報手段とをさらに備えている。また、エラー判別手段は移送手段の信号とセンシング信号とを比較して絞りの位置と移送手段の駆動状態が一致しなければ、エラー信号を出力する排他的論理和ゲートを備えている。
【0020】本発明の請求項17〜19に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、照射光直径可変手段は、光のウェーハ到達前経路にウェーハの露光フィールドに照射される光の直径を可変させうる絞りで構成されている。ウェーハに照射される光の面積は、絞りを手動動作により調節される。絞りは、内管を有する固定部と回転部が回転自在に結合され、固定部と回転部の結合された間に羽根の広がりと縮まりにより、中心窓のサイズが可変される絞り膜が結合され、回転部の回転程度により窓のサイズが可変される。
【0021】本発明の請求項20〜22に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、絞りの固定部と回転部の外面に所定認識マークを形成することにより、認識マークを用いて窓の直径を調節するよう構成され、固定部の外面に形成された認識マークには回転部の外面に形成された認識マークを感知するセンサーが備えられている。ウェーハに照射される光の面積は、絞りに設けられる絞り駆動手段により自動に調節される。
【0022】本発明の請求項23および24に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置によると、絞り駆動手段は、ウェーハに形成されたチップサイズを判別するチップサイズ判別部と、チップサイズ判別部に連結され絞り駆動信号および露光信号を出力する制御部と、制御部の絞り駆動信号を印加され、絞りに連結され絞りを回転させる絞り駆動部とを備えている。絞りを装着する固定部がさらに備えられ、所定直径の透光窓を有する複数個の絞りを固定部に選択的に固定させ、照射光の直径を調節する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳しく説明する。本発明は、ウェーハチップレベリングのためのコリメータレンズとウェーハとの間の光路に絞りを設けたものであり、これにより発光ダイオードから照射されコリメータレンズを経てウェーハに照射される光のビーム直径が、露光するフィールド領域に合わせて選択的に可変させることができる。本発明は多様な方法で絞りの設置が図れ、固定された直径の窓を有する絞りをエアシリンダーの駆動を用いて設けられ、窓のサイズを可変できる絞りを固着して手動で操作することとチップサイズの感知により自動的に絞りを操作できる。
【0024】図7に示すように、固定された直径の窓を有する絞りをエアシリンダーにより駆動させる場合、チップレベリングのために発光ダイオード50、コリメータレンズ52、集束レンズ54および位置検出素子56が設けられており、その下部のウェーハレベリングステージ58の上面にウェーハ60が設けられる。発光ダイオード50とコリメータレンズ52は発光された光をコリメータレンズ52で平行光に変形させてからウェーハ60に照射するよう構成されており、ウェーハ60の所定フィールドに照射された光が反射される経路には集束レンズ54と位置検出素子56が配置されている。それにより、反射光は集束レンズ54で集束され位置検出素子56でスポットを形成する。
【0025】さらに、コリメータレンズ52とウェーハ60との光路の所定位置に絞り62が配置される。絞り62は、エアシリンダー64のロード66の端部に構成される固定部68に形成された凹形溝に挿入され移動自在に設けられ、エアシリンダー64のロード66は、直線往復運動により絞り62を取り替えるための第1位置とビーム直径変換のための第2位置との間を移動する。
【0026】エアシリンダー64は、ウェーハレベリング動作を制御する制御部69のビーム直径を変更するためのスイッチング信号SWの状態により駆動され、ハイ/ローレベルのスイッチング信号SWが制御部69でスイッチング駆動回路70に印加されれば、スイッチング駆動回路70はエアバルブ72、74にそれぞれハイレベルとローレベルに相異なる状態の制御信号A、Bを出力してエアシリンダー64に空気圧または真空を提供するように構成された配管76に設けられたエアバルブ72、74を駆動させる。エアバルブ72、74の切換状態によりエアシリンダー64に空気圧または真空が提供されることによりエアシリンダー64のロード66が駆動され、絞り62の位置が第1位置または第2位置側に移動する。
【0027】第2位置に絞り62が位置した時、その辺部をセンシングするためにセンサーアセンブリ78が設けられ、センサーアセンブリ78はエラー判別部80にセンシング信号Dを印加するよう構成されている。エラー判別部80はセンサーアセンブリ78からセンシング信号Dが印加され、また制御部69からスイッチング信号SWが印加されるよう構成されており、エラー判別部80はスイッチング信号SWおよびエラー信号Dを判別した後、それによるエラー信号ERを警報部82に印加するよう構成されている。
【0028】図8に示すように、スイッチング駆動回路70はスイッチング信号SWが並列に連結された抵抗R1、R2を通してそれぞれトランジスタQ1、Q2のベースに印加するよう構成されており、トランジスタQ1、Q2はNPN形とPNP形のトランジスタである。トランジスタQ1のコレクターとトランジスタQ2のエミッターには定電圧Vccが印加されており、エミッターにスイッチング状態によるハイ/ローの制御信号を該当エアバルブ72、74に印加するよう構成されている。エラー判別部80は排他的論理和ゲート84で構成され、排他的論理和ゲート84の入力側にスイッチング信号SWとセンシング信号Dが印加された後、論理組み合わせされ、エラー信号ERとして警報部82に印加するよう構成されている。
【0029】前述したように構成された本発明による実施例の動作を説明する。正確なウェーハチップレベリング動作のためにウェーハに照射されるビーム直径を可変させる必要がある場合、第1位置で該当する直径のウィンドウを有する絞り62をエアシリンダー64のロード66の端部固定部68に設け、絞り62を第2位置であるビーム経路に位置するよう駆動させる。
【0030】絞り62の駆動は、ローレベル状態にスイッチング駆動回路70およびエラー判別部80に印加される制御部69のスイッチング信号SWをハイレベル状態に変換させることによりなされる。すなわち、スイッチング駆動回路70はハイレベルのスイッチング信号SWが印加されれば、内部トランジスタQ1、Q2のターンオンおよびターンオフ状態が変換されながらエアバルブ72へはハイレベル信号が印加され、エアバルブ74へはローレベル信号が印加されることにより、それぞれのエアバルブ72、74の開閉状態が変わる。すると、エアシリンダー64に空気が供給され、よってロード66が引き出され、ロード66の端部に位置した絞り62はビーム経路である第2位置に配置される。
【0031】絞り62が第2位置に配置されれば、コリメータレンズ52を通過した平行光のビーム幅は絞り62に形成された窓により直径が変換される。すなわち、通過が許される直径の平行光がウェーハ60に進み、それにより元のコリメータレンズ52を通過した直径より小径のビームがウェーハ60に照射され、よってフィールド面から光が反射され集束レンズ54を通して位置検出素子56に集束される。位置検出素子50で形成されたスポットの位置について出力される電気的信号を用いて正確なチップレベリング動作がなされる。ここで、絞りは透明材質板(ガラス板)を備え、板の中心部に所定の直径に光を通過させる窓が板上に遮光物のコーティングで形成される。遮光物は、板の両面および一面にコーティングでき、遮光物は遮光性の良好なクロムが用いられる。また、絞りは前述したものとは異なり、円形の透明材質板が窓を形成し、その辺部に遮光板を結合させ構成することができる。
【0032】一方、絞り62を交換するためには制御部69のスイッチング信号SWをロー状態に変換させる。すると、エアバルブ72およびエアバルブ74の開閉状態が変換されエアシリンダー64へは真空が供給され、ロード66が内部に挿入される。すると、絞り62が第1位置に移動されるので、手作業で第1位置で該当直径の窓を有する絞り62を固定部68に固定して、エアシリンダー64を再駆動して配置する。
【0033】前述したように、固定された直径の窓を有する絞り62をエアシリンダー64の駆動を用いて設ける場合、絞り62を変更させながら多様なチップサイズに応ずるチップレベリング動作が可能である。また、エアシリンダー64を用いず、モーターを用いて固定体68を駆動して絞り62を変更させながらチップレベリングが可能である。すなわち、エアシリンダー64の代わりに所定電流の印加状態により正回転および逆転してロード66の位置を変更させる。この場合においては、エアバルブ72、74は必要とせず、スイッチング駆動回路70にモーターが連結されて駆動される。
【0034】図9に示した本発明による窓のサイズを可変できる絞りを固定設置して手動で操作する場合、およびチップサイズの感知により自動に絞りを操作する場合の例は、固定用絞り90をコリメータレンズ52とウェーハとのビーム経路上に配置してフレーム(図示せず)に固定させており、絞り90の拡大斜視図が図10に示されている。また、図11にはチップサイズによる絞りの自動操作を可能にする構成が示されている。すなわち、絞り90は固定部92と回転部94が回転自在に結合されており、固定部92と回転部94との間には、回転部94の回転により回転羽根の広がりと縮まりにより中心部に光を通過する窓が形成される絞り膜96が構成されている。固定部92と回転部94の外面には調節しやすい認識符号として基準マーク97と寸法マーク98が形成されている。
【0035】また、図11によれば、絞り90を自動に調節するための構成は、チップサイズを感知するセンサー100がチップサイズ判別部102を通して絞り制御部104に連結されている。絞り制御部104には、絞り90を駆動する絞り駆動部106が連結されており、絞り90の寸法マーク98a、98b、98cにそれぞれ連結されたマーク感知部108が連結され、露光がなされる露光部110が連結され構成される。
【0036】このような構成によりセンサー100を通してウェーハに形成されたチップサイズが感知されれば、チップサイズ判別部102を通してチップサイズが判別され判別信号が絞り制御部104に印加される。すると、絞り制御部104はマーク感知部108の信号に応じて絞り駆動部106を制御し、絞り90を調節する必要がなければ露光部110に露光信号を出力する。
【0037】この際、それぞれの寸法マーク98a、98b、98cには基準マーク97を感知するセンサーが備えられ、マーク感知部108に連結されており、絞り駆動部106の操作によりビーム照射半径が決定される。前述したように、窓のサイズを可変できる絞りを固定設置する場合は、必要に応じて絞り90を調節してビームが通過する窓のサイズが手動および自動で調節されることにより必要な直径にビームがウェーハ60へ照射されることを調節し、調節された直径のビームがウェーハ60へ照射および反射された後チップレベリング動作が行われる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ウェーハ上で具現できる多様なサイズのチップ、すなわち多様なサイズに露光されるフィールドに対するチップレベリングが正確になされうる。特に、次第にウェーハ上に高集積化されている半導体製品を生産するためには正確で微細なパターンに対する露光能力が求められており、これに本発明によるチップレベリング方法は微細なパターンに露光するためのチップ領域に多様に適用できて設備の活用度が極大化される。
【0039】以上、本発明は記載された具体例についてのみ詳述されたが、本発明の技術思想範囲内で多様な変形および修正が可能なことは当業者にとって明らかであり、この変形および修正は特許請求の範囲に属することは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のウェーハ露光設備のチップレベリング装置を示す概略斜視図である。
【図2】従来のウェーハ露光設備のチップレベリング装置を示すブロック図である。
【図3】正常なレベリング状態を示す図である。
【図4】レベリング前に反射されたビームがフォーカスされる状態を示す図である。
【図5】チップサイズより直径の大きいビームによるレベリング状態を示す図である。
【図6】直径が大きいビームによるウェーハ辺部のレベリング状態を示す図である。
【図7】本発明によるウェーハ露光設備のチップレベリング装置の第1実施例を示す図である。
【図8】図4のスイッチング回路とエラー判別部の詳細回路図である。
【図9】本発明によるウェーハ露光設備のチップレベリング装置の第2実施例を示す図である。
【図10】図6の絞りの拡大斜視図である。
【図11】図6の絞りを自動に調節するための構成を示す図である。
【符号の説明】
10、50 発光ダイオード
12、52 コリメータレンズ
14、60 ウェーハ
16、54 集束レンズ
18、56 位置検出素子
20、58 ウェーハレベリングステージ
22 固定点
24、26 移動点
28、30 支持軸
32 ステップモーター
34 コーン形カム
36 フォーカス部
38 ステージ制御部
40 増幅部
62、90 絞り
64 エアシリンダー
66 ロード
68 固定部
69 制御部
70 スイッチング駆動回路
72、74 エアバルブ
76 配管
78 センサーアセンブリ
80 エラー判別部
82 警報部
84 排他的論理和ゲート
92 固定部
94 回転部
96 絞り膜
97 基準マーク
98 寸法マーク
100 チップセンサー
102 チップサイズ判別部
104 絞り制御部
106 絞り駆動部
108 マーク感知部
110 露光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 露光工程の行われるウェーハが安着され、傾斜調節自在なウェーハレベリングステージと、前記ステージの一方側に設けられステージの傾斜を調節するステージ駆動部と、ウェーハの露光フィールドに特定の平行光を傾いて照射する光照射部と、前記露光フィールドから反射された光を集束してウェーハの傾きを検出する位置検出部と、前記位置検出部から入力されたウェーハ傾きを判断し、前記ステージ駆動部を制御してステージの傾斜を調節するステージ制御部と、前記光照射部から照射される平行光の直径を可変する照射光直径可変手段と、を備えることを特徴とするウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項2】 前記照射光直径可変手段は、前記照射光の直径より小径の窓が中心に形成された絞りと、前記絞りを支持しつつ他の位置から前記照射光の照射経路中に前記絞りを配置させる移送手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項3】 前記絞りは透明材質板を備え、前記透明材質板の中心部に所定直径に光を通過させる窓が前記板上に遮光物のコーティングで形成されることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項4】 前記遮光物は、前記透明材質板の両面にコーティングされることを特徴とする請求項3に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項5】 前記遮光物は、前記透明材質板の一方の面にコーティングされることを特徴とする請求項3に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項6】 前記透明材質板は、ガラス板であることを特徴とする請求項3に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項7】 前記遮光物は、クロムであることを特徴とする請求項6に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項8】 前記絞りは、円形の透明材質板が窓を形成し、その辺部に遮光板が結合され構成されることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項9】 前記移送手段は、ステッピング動作前絞りを配置するための制御信号を出力する駆動制御手段と、ロードの端部に前記絞りを支持する固定部が形成されており、ロードを引張及び収縮させるエアシリンダーと、前記制御信号に応じて前記エアシリンダーを駆動するエアの供給および排出を調節するエア供給手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項10】 前記エアシリンダーの固定部には凹形溝が形成され、前記凹形溝の上部は開放され、前記絞りを上部に装着させるよう構成されることを特徴とする請求項9に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項11】 前記絞りの前記照射光経路上の配置をセンシングするセンシング手段と、前記センシング手段のセンシング信号と前記移送手段の移送状態とを比較してエラー状態を判断するエラー判別手段と、前記エラー判別手段でエラーと判別することによる信号が印加されれば警報動作を行う警報手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項12】 前記センシング手段は受光手段と発光手段を備え、前記照射光の照射経路に配置される前記絞りの端部を光学的に検出することを特徴とする請求項11に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項13】 前記エラー判別手段は、前記移送手段の信号と前記センシング信号とを比較して前記絞りの位置と移送手段の駆動状態が一致しなければエラー信号を出力する排他的論理和ゲートを備えることを特徴とする請求項11に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項14】 前記移送手段は、端部に前記絞りを支持する固定部が形成されているロードと、前記ロードの他側に連結され前記ロードの前後進動作を行うモーター部と、ステッピング動作前絞りを配置するための制御信号を出力し、前記モーター部の駆動を制御するモーター駆動制御手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項15】 前記絞りの前記照射光の照射経路上配置をセンシングするセンシング手段と、前記センシング手段のセンシング信号と前記移送手段の移送状態を比較してエラー状態を判断するエラー判別手段と、前記エラー判別手段でエラーと判別することによる信号が印加されれば警報動作を行う警報手段とをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項16】 前記エラー判別手段は、前記移送手段の信号と前記センシング信号とを比較して前記絞りの位置と移送手段の駆動状態が一致しなければエラー信号を出力する排他的論理和ゲートを備えることを特徴とする請求項15に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項17】 前記照射光直径可変手段は、前記光のウェーハ到達前経路に前記ウェーハの露光フィールドに照射される光の直径を可変させうる絞りで構成されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項18】 前記ウェーハに照射される光の面積は、前記絞りを手動動作により調節されることを特徴とする請求項17に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項19】 前記絞りは、内管を有する固定部と回転部が回転自在に結合され、前記固定部と回転部の結合された間に羽根の広がりと縮まりにより中心窓のサイズが可変される絞り膜が結合され、前記回転部の回転程度により窓のサイズが可変されることを特徴とする請求項17に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項20】 前記絞りの前記固定部と回転部の外面に所定認識マークを形成することにより、前記認識マークを用いて前記窓の直径を調節するよう構成されることを特徴とする請求項19に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項21】 前記固定部の外面に形成された前記認識マークには、前記回転部の外面に形成された前記認識マークを感知するセンサーが備えられることを特徴とする請求項20に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項22】 前記ウェーハに照射される光の面積は、前記絞りに設けられる絞り駆動手段により自動に調節されることを特徴とする請求項17に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項23】 前記絞り駆動手段は、ウェーハに形成されたチップサイズを判別するチップサイズ判別部と、前記チップサイズ判別部に連結され絞り駆動信号および露光信号を出力する制御部と、前記制御部の絞り駆動信号を印加され、絞りに連結され絞りを回転させる絞り駆動部とを備えることを特徴とする請求項22に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。
【請求項24】 前記絞りを装着する固定部が備えられ、所定直径の透光窓を有する複数個の絞りを前記固定部に選択的に固定させ照射光の直径を調節することを特徴とする請求項22に記載のウェーハ露光設備のチップレベリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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