説明

ウエハ収納治具の搬送方法

【構成】半導体製造工程で、ウエハ収納治具6を複数の製造装置の間で走行して搬送する、ウエハ搬送ロボットにおいて、走行装置9の上に、三ないし六個のウエハ収納治具が田の字型等の配置に並ぶように置き台を設置し、ロボットハンド8を手首より奥へ突出させたハンドとし、三種類のウエハ収納治具6の姿勢の持ち替えを、走行装置9の上で行う。
【効果】三ないし六個のウエハ収納治具を走行装置の上に乗せる事が出来て搬送効率が高く、かつ、三種類の姿勢のウエハ収納治具について搬送する事が出来、かつ、スルーザウオールの製造装置にも搬送でき、自動化ラインに自由に最新の高性能製造装置を導入することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の半導体ウエハを収納したウエハ収納治具を、複数の半導体製造装置の間で走行して搬送するのに好適なウエハ収納治具の搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造において製品の歩留りの向上のためクリーン化が必要である。このため作業者より発生する塵挨が問題とされ、製造装置の自動化、並びに、半導体ウエハ搬送の無人化が行われている。
【0003】生産ラインには複数の製造装置が配置され、半導体ウエハは各製造装置に、順次、または選択的に搬送されて製造される。製造装置への半導体ウエハの供給は、25枚の半導体ウエハをカセットと称するウエハ収納治具に整列収納して、ウエハ収納治具を製造装置に搬送する事により行われるのが一般的である。装置内でウエハを一枚ずつ処理する場合もあるが、25〜100枚を一度に処理するバッチ処理もある。この場合には製造装置に2〜4個のウエハ収納治具を同時に搬送する方が、装置が搬送を待つ時間が減り効率がよい。
【0004】このウエハ収納治具を搬送するためのウエハ搬送ロボットは、複数の製造装置相互の間を走行する走行装置と、走行装置に搭載した三次元移動が可能なアーム部と、アーム部の先端に備えられウエハ収納治具の向きを所定の方向に向ける手首部と、ウエハ収納治具を把持するハンドを具備してなり、ある製造装置からウエハ収納治具をハンドで把持して取り出し、別の製造装置へ走行してウエハ収納治具を供給する。ウエハ搬送ロボットが走行する時の振動により、ウエハ収納治具内のウエハに損傷を与えるのを防止するため、走行時は、ウエハ収納治具をウエハ搬送ロボットの走行装置の上に設けた防震機能を持たせたウエハ収納治具置き台の上に置いて、ハンドを開いて、ハンドと手首部をウエハ収納治具から離す。
【0005】ウエハ収納治具一個あたりの走行時間を減らすために、ウエハ搬送ロボットの走行装置の上に複数のウエハ収納治具を乗せるのが好ましく、2〜6個を乗せるのが一般に行われている。Robot No.55(1987−1)90〜94ページには、Nikon・FMS自動搬送システムが、ウエハ収納治具六個を乗せられるウエハ収納治具置き台を備えている様子が述べられている。また、省力と自動化1991年2月号の表表紙には、無軌道無人搬送車が、ウエハ収納治具四個を乗せられるウエハ収納治具置き台を備えている様子が記載されている。
【0006】なお、ウエハ収納治具は、開口面を持つ箱状の構成であり、その外面角部にはウエハ搬送ロボットがハンドで把持するための鍔部が形成され、その内部には多数の収納溝が形成されていて、各収納溝にウエハが引き抜き自在に挿入されている。そして、ウエハが収納されたウエハ収納治具の姿勢は、開口面を横に向け、かつ、ウエハが水平で表面が上となるような状態で製造装置に装填される場合、開口面の向きが、製造装置のウエハ収納治具搬送側(搬送ロボットの搬送車が存在する側)より見て、奥,手前,左、または右となる四種類の姿勢がある。以後、これらのウエハ収納治具の姿勢を、各々、ウエハ水平出口奥、ウエハ水平出口手前、ウエハ水平出口左、または、ウエハ水平出口右、と呼ぶことにする。また、ウエハ収納治具が、その開口面を上に向けウエハが垂直となる様な状態で、製造装置に装填される場合、ウエハ収納治具の姿勢は、ウエハの表面が、製造装置のウエハ収納治具搬送側(搬送ロボットの搬送車が存在する側)よりみて、奥,手前,左,または右となる4種類の姿勢がある。以後、これらのウエハ収納治具の姿勢を、各々、ウエハ垂直表奥、ウエハ垂直表手前、ウエハ垂直表左、または、ウエハ垂直表右と呼ぶことにする。
【0007】製造装置に装填されたウエハ収納治具の姿勢の種類は、治具に収納されたウエハが水平の場合と垂直の場合とで、合計八種類の姿勢があり、個々の製造装置によって、まちまちであるが、そのうち、ウエハ水平出口奥の場合と、ウエハ垂直表手前の場合との二種類が多い。ロボットによるウエハ収納治具の搬送を行うためにウエハ収納治具の姿勢を統一する傾向になっているが、同じウエハ搬送ロボットが搬送するべき生産ラインの装置を一種類の姿勢に統一するのは困難であり、少なくとも前記の二種類の姿勢は必要である。
【0008】近年、半導体素子の構造が微細化するにつれ、半導体製造装置を設置するクリーンルームのクリーン度も、より高度のものが必要となり、設置コストが増え、製造装置の床面積をより小さくすることが必要になっている。また、製造装置の機能もより高度のものが必要となり、その体積が増大している。そのため、製造装置に装填したウエハ収納治具の周辺に近接して装置の制御装置等を配置して空間を有効利用し、ウエハ収納治具の供給取り出しの経路はウエハ収納治具の手前側のみに限定される様になっている。また、さらに製造装置が大型になると、図9に示す様に、製造装置本体1はクリーンルーム2に隣接したメンテナンスエリア3内に設置し、ウエハを取り扱う高度のクリーン度を要する部分4のみを隔離して隣接したクリーンルームに接続し、クリーンルームとメンテナンスルームの境界の壁5に開けた孔を通して、ウエハ収納治具6の供給取り出しを行う、いわゆる、スルーザウオール方式の製造装置が開発されている。この場合、ウエハ収納治具の上方にロボットの手首7が入るスペースが無いものがある。この場合にはロボットの手首はウエハ収納治具の手前にとどめ、ハンド8を手首より奥へ突出させて、ウエハ収納治具を把持する必要がある。このように、ウエハ収納治具の上方にロボット手首が入るスペースがなく、手首の位置がウエハ収納治具の手前側に限定される場合、ロボット手首を回転させる事によって、ウエハ収納治具の姿勢を、変えることが出来なくなるので、製造装置に装填するウエハ収納治具の姿勢を変える際には、ハンドから見たウエハ収納治具の姿勢を変えるため、ウエハ収納治具を持ち替える必要がある。
【0009】防震のため及び走行効率向上のため、ウエハ収納治具を走行装置上に乗せるので、この時、ウエハ収納治具の持ち替えを行う事により、持ち替えのためのロボットの動作を省略でき、搬送効率が向上する。
【0010】特開平1−155640号公報には、走行装置上に前述の二種類のウエハ収納治具の姿勢の持ち替えを行う、姿勢変換機構を備えた搬送ロボットについてのべてある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の公報ではウエハ収納治具の上方にロボット手首が入るスペースが無い場合について考慮されていない。また、ウエハ搬送ロボットの走行装置の上に複数のウエハ収納治具を乗せる場合についても考慮されていない。また、Nikon・FMS自動搬送システムでは、ウエハ収納治具の姿勢が二種類ある場合について考慮されていない。また、無軌道無人搬送車では、スルーザウオール方式の製造装置でウエハ収納治具の上方にロボットの手首が入るスペースが無い場合について考慮されていない。
【0012】そのため、走行装置上に乗せるウエハ収納治具の数を二個以下にする必要があり、走行の搬送効率が低下する。もしくは、走行装置以外の場所でウエハ収納治具の持ち替えを行う必要があり、ロボットの搬送効率が低下する。もしくは、同じウエハ搬送ロボットが搬送するべき生産ラインの装置を、一種類のウエハ収納治具の姿勢に統一する必要があり、または、スルーザウオールの製造装置に搬送できない等、自動化ラインに自由に最新の高性能製造装置を導入することが出来ない可能性が高い。
【0013】本発明の目的は、三ないし六個のウエハ収納治具をウエハ搬送ロボットの走行装置の上に乗せる事が出来て搬送効率が高く、かつ、多くの製造装置で採用されている前述の二種類の姿勢と、ロボット搬送に適した別の一種類の姿勢の計三種類の姿勢のウエハ収納治具について、走行装置の上で持ち替えして搬送する事が出来るように、かつ、スルーザウオールの製造装置にも搬送できるようにして、自動化ラインに自由に最新の高性能製造装置を導入することができるようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、ウエハ搬送ロボットの走行装置の上に、ウエハ収納治具が田の字型等の配置に並ぶように置き台を設置し、ロボットハンドを手首より奥へ突出させたハンドとし、ウエハ水平出口奥とウエハ水平出口手前とウエハ垂直表手前の三種類の姿勢の持ち替えを、ウエハ搬送ロボットの走行装置の上で行うようにした。
【0015】
【作用】三ないし六個のウエハ収納治具をウエハ搬送ロボットの走行装置の上に乗せる事が出来て搬送効率が高く、かつ、三種類の姿勢のウエハ収納治具について搬送する事が出来、かつ、スルーザウオールの製造装置にも搬送でき、自動化ラインに自由に最新の高性能製造装置を導入することができる。
【0016】
【実施例】図1ないし図8に本発明のウエハ収納治具の搬送方法の一実施例を示す。
【0017】図1ないし図4に本発明に用いるウエハ搬送ロボットの構成を示す。
【0018】製造装置相互の間を走行するようになした走行装置9の上に、六軸ロボット10及びウエハ収納治具6の防震機能をもたせた置き台11を乗せる。
【0019】図2にリンク図を示す様に六軸ロボット10は、搬送車の上面14に固定されロボットコラム13を鉛直軸で回転させる、第一軸17、ロボットコラム13に固定されアーム15を水平軸で回転させる、第二軸18、アーム15に固定されアーム16を水平軸で回転させる、第三軸19、アーム16に固定され互いに略直角方向に連結されてハンド8の方向を自由に変える機能を持ち、手首7を構成する、第四軸20、第五軸21、第六軸22、より成る。
【0020】図1に戻り、六軸ロボット10の手首7の先端にハンド開閉機構12とハンド8を取り付ける。ハンド8にウエハ収納治具の姿勢がウエハ垂直表手前の場合の鍔部を把持する為のクランプ爪26と、ウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口奥の場合の鍔部を把持する為のクランプ爪27と、ウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口手前の場合の鍔部を把持する為のクランプ爪28とを付ける。
【0021】この時、製造装置に装填された状態のウエハ収納治具を把持したとき、手首7の先の第六軸22は、略鉛直方向を向く様にする。また、ハンド8の上部は空間にし、ロボットの手首7はその横に配置する。
【0022】図3に示すようにウエハ収納治具は、ウエハが垂直になる様に置いた場合の上部23と、ウエハが水平になる様に置いた場合の上部24とに、鍔部を設け、それぞれの鍔部に対応したハンドのクランプ爪で、ウエハ水平出口奥の場合と、ウエハ水平出口手前の場合と、ウエハ垂直表手前の場合の、三つの姿勢のウエハ収納治具を掴める様にする。
【0023】置き台11は、ウエハ収納治具6の中のウエハが水平の状態から、開口面側が上になる方向に5ないし35度傾け、ウエハの表面がウエハ収納治具6の溝に触れないように、かつ、ウエハが振動で外へこぼれないようにする。また、二個のウエハ収納治具がウエハの出口が略向かい合わせになるように配置し、これを二組組み合わせて、図4に示すように田の字型の配置に並べる。ロボットコラム13を二個のウエハ収納治具の合わせ面25上に配置する。
【0024】図5に手首7から見たウエハ収納治具6の姿勢がウエハ垂直表手前となるように、ウエハ搬送ロボットの走行装置9上のウエハ収納治具6を把持した状態の一例を示す。手首7の位置をウエハ収納治具のウエハ表側でかつウエハ出口側の方向に置き、手首7の先の第六軸22を図のように水平から、ウエハ収納治具内のウエハが水平から傾いている分だけ回転させた状態にし、ハンド8に設けたクランプ爪26で鍔23を把持する。
【0025】図6に手首7から見たウエハ収納治具6の姿勢がウエハ水平出口奥となるように、ウエハ搬送ロボットの走行装置9上のウエハ収納治具6を把持した状態の一例を示す。手首7の位置をウエハ収納治具のウエハ出口側の反対方向でかつウエハ表側に置き、手首7の先の第六軸22を図のように垂直から、ウエハ収納治具内のウエハが水平から傾いている分だけ、ウエハ収納治具を持ち上げる方向に回転させた状態にし、ハンド8に設けたクランプ爪27で鍔24を把持する。
【0026】図7に手首7から見たウエハ収納治具6の姿勢がウエハ水平出口手前となるように、ウエハ搬送ロボットの走行装置9上のウエハ収納治具6を把持した状態の一例を示す。手首7の位置をウエハ収納治具のウエハ出口側の方向でかつウエハ表側に置き、手首7の先の第六軸22を図のように垂直から、ウエハ収納治具内のウエハが水平から傾いている分だけ、ウエハ収納治具を下げる方向に回転させた状態にし、ハンド8に設けたクランプ爪28で鍔24を把持する。
【0027】つぎに、ウエハ収納治具の姿勢がウエハ垂直表手前であるウエハ収納治具の倉庫(以後、これをストッカと呼ぶことにする、入出庫口のウエハ収納治具の装填場所が二箇所)から、ウエハ水平出口奥の製造装置(ウエハ収納治具の装填場所が四箇所)へ、ウエハ収納治具を搬送する場合について、本発明の搬送方法を述べる。
【0028】まず、ストッカの前に搬送車を走行させる。次に六軸ロボットを動作させて、ハンドをストッカのウエハ収納治具の第一の装填場所のウエハ収納治具6の鍔部23を把持できる位置へ移動させる。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、走行装置上の置き台11の内の一ヵ所に載せる。このときのロボットの姿勢はストッカのウエハ収納治具の姿勢がウエハ垂直表手前であるので図5に示す姿勢とする。次にハンドを開き、六軸ロボットを、ストッカのウエハ収納治具の第二の装填場所のウエハ収納治具6の鍔部23を把持できる位置へ移動させる。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、走行装置上の置き台11の内の次の一ヵ所に載せる。このときのロボットの姿勢はストッカのウエハ収納治具の姿勢がウエハ垂直表手前であるので図5に示す姿勢と類似の姿勢とする。この間に、ストッカの内部の搬送装置がストッカの棚から、ストッカのウエハ収納治具の第一の装填場所へ、新しいウエハ収納治具を搬送する。これを繰り返して四個のウエハ収納治具を走行装置へ乗せる。次に、ハンドを開き、六軸ロボットを走行装置の走行に適した姿勢にする。
【0029】次に走行装置を走行させ、製造装置の前に止める。次に六軸ロボットを動作させて、ハンドを走行装置上の置き台11上のウエハ収納治具の内の一ヵ所の鍔24を把持できる位置へ移動させる。このときのロボットの姿勢は製造装置のウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口奥であるので図6に示す姿勢とする。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、製造装置のウエハ収納治具の装填場所の内の一ヵ所に載せる。次にハンドを開き、六軸ロボットを動作させて、ハンドを走行装置上の置き台11上のウエハ収納治具の内の次の一ヵ所の鍔24を把持できる位置へ移動させる。このときのロボットの姿勢は製造装置のウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口奥であるので図6に示す姿勢と類似の姿勢とする。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、製造装置のウエハ収納治具の装填場所の内の次の一ヵ所に載せる。これを繰り返して四個のウエハ収納治具を製造装置へ乗せる。次に、ハンドを開き、六軸ロボットを走行装置の走行に適した姿勢にして次の搬送要求があるまで待機する。
【0030】つぎに、ストッカから未処理のウエハ収納治具を乗せて、ウエハ水平出口手前の製造装置A(ウエハ収納治具の装填場所が二箇所)へ走行し、ここで処理Aを完了したウエハ収納治具と未処理のウエハ収納治具を交換し、次にウエハ水平出口奥の製造装置B(ウエハ収納治具の装填場所が二箇所)へ走行し、処理Aを完了したウエハ収納治具を製造装置Bへ装填する場合に付いて、本発明の搬送方法を述べる。
【0031】まず、ストッカの前に搬送車を走行させる。次に六軸ロボットを動作させて、ハンドをストッカのウエハ収納治具の第一の装填場所のウエハ収納治具6の鍔部23を把持できる位置へ移動させる。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、走行装置上の置き台11の内の一番目に乗せる。このときのロボットの姿勢はストッカのウエハ収納治具の姿勢がウエハ垂直表手前であるので図5に示す姿勢とする。次にハンドを開き、六軸ロボットを、ストッカのウエハ収納治具の第二の装填場所のウエハ収納治具6の鍔部23を把持できる位置へ移動させる。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、走行装置上の置き台11の内の二番目に載せる。このときのロボットの姿勢はストッカのウエハ収納治具の姿勢がウエハ垂直表手前であるので図5に示す姿勢に類似の姿勢とする。次に、ハンドを開き、六軸ロボットを走行装置の走行に適した姿勢にする。
【0032】次に走行装置を走行させ、製造装置Aの前に止める。次に六軸ロボットを動作させて、ハンドを製造装置Aのウエハ収納治具の第一の装填場所のウエハ収納治具6の鍔部24を把持できる位置へ移動させる。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、走行装置上の置き台11の内の三番目に載せる。このときのロボットの姿勢は製造装置Aのウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口手前であるので図7に示す姿勢に類似の姿勢とする。次にハンドを開き、六軸ロボットを、製造装置Aのウエハ収納治具の第二の装填場所のウエハ収納治具6の鍔部24を把持できる位置へ移動させる。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、走行装置上の置き台11の内の四番目に載せる。このときのロボットの姿勢は製造装置Aのウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口手前であるので図7に示す姿勢と類似の姿勢とする。このとき、走行装置上の置き台11は四個のウエハ収納治具を乗せた状態になる。次にハンドを開き、六軸ロボットを動作させて、走行装置上の置き台11の内の一番目の上のウエハ収納治具の鍔24を把持できる位置へ移動させる。このときのロボットの姿勢は製造装置Aのウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口手前であるので図7に示す姿勢とする。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、製造装置Aのウエハ収納治具の第一の装填場所に載せる。次にハンドを開き、六軸ロボットを動作させて、ハンドを走行装置上の置き台11の内の二番目の上のウエハ収納治具の鍔24を把持できる位置へ移動させる。このときのロボットの姿勢は製造装置Aのウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口手前であるので図7に示す姿勢と類似の姿勢とする。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、製造装置Aのウエハ収納治具の第二の装填場所に載せる。次に、ハンドを開き、六軸ロボットを走行装置の走行に適した姿勢にする。
【0033】次に走行装置を走行させ、製造装置Bの前に止める。次に六軸ロボットを動作させて、ハンドを走行装置上の置き台11の内の三番目の上のウエハ収納治具の鍔24を把持できる位置へ移動させる。このときのロボットの姿勢は製造装置Bのウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口奥であるので図6に示す姿勢とする。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、製造装置Bのウエハ収納治具の第一の装填場所に載せる。次にハンドを開き、六軸ロボットを動作させて、ハンドを走行装置上の置き台11の内の四番目の上のウエハ収納治具の鍔24を把持できる位置へ移動させる。このときのロボットの姿勢は製造装置Bのウエハ収納治具の姿勢がウエハ水平出口奥であるので図6に示す姿勢と類似の姿勢とする。次にハンドを閉じてウエハ収納治具を把持して持ち上げ、製造装置Bのウエハ収納治具の第二の装填場所に載せる。次に、ハンドを開き、六軸ロボットを走行装置の走行に適した姿勢にして次の搬送要求があるまで待機する。
【0034】上記搬送方法では走行時には二個のウエハ収納治具を走行装置に乗せるのみであるが、製造装置Aの前でウエハ収納治具を交換するときに四ヵ所の置き場を必要とする。
【0035】上記実施例では、搬送車の上にウエハ収納治具を四個載せるようにしたが、本発明はこれに限定されるものでは無く、三個ないし六個を図8の様に並べてもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明では、三ないし六個のウエハ収納治具をウエハ搬送ロボットの走行装置の上に乗せる事が出来て搬送効率が高く、かつ、三種類の姿勢のウエハ収納治具について搬送する事が出来、かつ、スルーザウオールの製造装置にも搬送でき、自動化ラインに自由に最新の高性能製造装置を導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で使用するウエハ搬送ロボットの側面図である。
【図2】本発明の一実施例で使用するロボットのリンク図である。
【図3】本発明の一実施例で使用するウエハ搬送ロボットの正面図である。
【図4】本発明の一実施例で使用するウエハ搬送ロボットの平面図である。
【図5】本発明の一実施例のウエハ収納治具の把持状態を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例のウエハ収納治具の把持状態を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施例のウエハ収納治具の把持状態を示す説明図である。
【図8】本発明の別の一実施例であるウエハ搬送ロボットの平面図である。
【図9】製造装置の一例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
6…ウエハ収納治具、7…ロボット手首、8…ロボットハンド、9…走行装置、10…六軸ロボット、11…置き台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】走行装置、前記走行装置上に載せられ、六軸をもつロボット、前記ロボットの手首に取り付けられ、ウエハ収納治具を把持するハンド、及び前記走行装置上に設けられた、三ないし六個のウエハ収納治具を置く置き台からなるウエハ収納治具搬送ロボットを使用するウエハ収納治具の搬送方法において、前記ハンドが製造装置に装填された状態の前記ウエハ収納治具を把持したとき、前記手首の先端の第六軸は、略鉛直方向を向く様にし、前記手首は、前記ウエハ収納治具の手前の端に立てた鉛直面よりも手前側にある様になし、前記手首から見た前記ウエハ収納治具の姿勢が三種類の異なる姿勢で、前記置き台に載せた任意の前記ウエハ収納治具を把持できるように、前記置き台とロボットを配置し、走行装置の上で前記ウエハ収納治具の持ち替えを行うことを特徴とするウエハ収納治具の搬送方法。
【請求項2】請求項1において、前記ウエハ収納治具の姿勢が、その内部に収納したウエハが水平で、表が上で、前記ウエハの出入口が奥側にある場合の姿勢と、その内部に収納したウエハが水平で、表が上で、前記ウエハの出入口が手前側にある場合の姿勢と、その内部に収納した前記ウエハが垂直で、表が手前側で、前記ウエハの出入り口が上側にある場合の姿勢、の三種類であって、置き台の配置が二個の前記ウエハ収納治具が前記ウエハの出口が略向かい合わせになるように配置し、これを三組、前記二個のウエハ収納治具の向かい合わせ面が一致するように並列に並べた配置から、任意の三個ないし六個の前記ウエハ収納治具を取りだした配置であって、前記ロボットのコラムを前記向かい合わせ面上に配置したことを特徴とするウエハ収納治具の搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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