説明

ウォッシャタンク

【課題】タンク本体内のウォッシャ液の具体的な液量を確認することが可能なウォッシャタンクを提供する。
【解決手段】タンク本体にウォッシャ液6を注ぎ込むための注水口3と、該注水口3を閉じる蓋体4と、該蓋体4の裏面に一体的に取り付けられて前記蓋体4の閉時にタンク本体内に垂下し且つウォッシャ液6の液面下に下部を浸漬してウォッシャ液6の液量を確認し得るようにした液量確認ゲージ8とを備えたウォッシャタンクに関し、前記液量確認ゲージ8にウォッシャ液6の液膜を表面張力により保持可能な大きさの窓部7を長手方向に所要の間隔で複数備え、該各窓部7に対応する位置にウォッシャ液6の残量又は補充可能量を数値で記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッシャタンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のウォッシャタンクの形式は様々であるが、タンク本体にウォッシャ液を注ぎ込むための注水口は、周辺の機器類とのレイアウト上の制約により前記タンク本体の直上に配置できないことが多く、図3に示す如く、タンク本体1から斜め上方に延びるインレットパイプ2を介して前記タンク本体1の直上からずれた位置に注水口3を配置したものが多い。
【0003】
このため、前記注水口3を閉じる蓋体4の裏面に、インレットパイプ2の形状に沿って変形し得る長尺な液量確認ゲージ5の基端を一体的に取り付け、前記蓋体4の閉時に前記液量確認ゲージ5の先端側をインレットパイプ2を介しタンク本体1内に垂下させてウォッシャ液6の液面下に下部を浸漬させ、必要時に前記蓋体4を開けて液量確認ゲージ5を抜き出し、該液量確認ゲージ5の液面下に浸漬していた部分を確認することでウォッシャ液6の液量を確認できるようにしたものがある。
【0004】
この種の液量確認ゲージ5は、粘性の高いエンジンオイルを付着させるオイルレベルゲージ等とは異なり、粘性の低いウォッシャ液6を付着させなければならないため、図4に拡大して示すように、ウォッシャ液6の液膜を表面張力により保持可能な大きさの窓部7を長手方向に所要の間隔で複数備えており、これらの窓部7の液膜の有無を確認することで液面下に浸漬していた部分が判るようになっている。
【0005】
尚、この種の液量確認ゲージ5を備えたウォッシャタンクに関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開2002−310774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のウォッシャタンクに備えられていた液量確認ゲージ5は、先の図4に示されている通り、UPR(アッパ)−LWR(ロア)等といった大まかな表示しかなく、ウォッシャ液6の具体的な液量を確認することができなかっため、実際にウォッシャ液6を補充しようとした際に、あと何リットル補充することができるかを予測することが難しく、ウォッシャ液6を入れ過ぎて溢れさせてしまうことがあり、また、次の補充を行うまでにどのくらいの猶予期間が見込めるのかを判断し難いという不便さもあった。
【0008】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、タンク本体内のウォッシャ液の具体的な液量を確認することが可能なウォッシャタンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、タンク本体にウォッシャ液を注ぎ込むための注水口と、該注水口を閉じる蓋体と、該蓋体の裏面に一体的に取り付けられて前記蓋体の閉時にタンク本体内に垂下し且つウォッシャ液の液面下に下部を浸漬してウォッシャ液の液量を確認し得るようにした液量確認ゲージとを備えたウォッシャタンクであって、前記液量確認ゲージは、ウォッシャ液の液膜を表面張力により保持可能な大きさの窓部を長手方向に所要の間隔で複数備え且つ該各窓部に対応する位置にウォッシャ液の残量又は補充可能量を数値で記載していることを特徴とするものである。
【0010】
而して、このようにした場合に、蓋体を開けて液量確認ゲージをタンク本体内から抜き出し、その液量確認ゲージの液面下に浸漬していた部分を確認し、ウォッシャ液の液膜が張られている最も高い位置の窓部に対応した数値を読み取ると、タンク本体内のウォッシャ液の具体的な液量が残量又は補充可能量として数値で確認されるので、満タンまでにウォッシャ液をあと何リットル補充することができるかを予測することが可能となると共に、次の補充を行うまでにどのくらいの猶予期間が見込めるのかを判断することも可能となる。
【0011】
また、本発明においては、液量確認ゲージの一方の面の各窓部に対応する位置にウォッシャ液の残量を数値で記載し且つ他方の面の各窓部に対応する位置にウォッシャ液の補充可能量を数値で記載することが好ましく、このようにすれば、液量確認ゲージの両面を確認することで現在のウォッシャ液の残量と補充可能量とを同時に確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明のウォッシャタンクによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0013】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、ウォッシャ液の液膜が張られている最も高い位置の窓部に対応した数値を読み取ることによって、タンク本体内のウォッシャ液の具体的な液量を残量又は補充可能量として数値で確認することができるので、満タンまでにウォッシャ液をあと何リットル補充することができるかを予測することができ、例えば、購入したボトル入りウォッシャ液が全て入りきるのか否かを判断することができるので、ウォッシャ液を入れ過ぎて溢れさせてしまうような事態を未然に回避することができ、しかも、次の補充を行うまでにどのくらいの猶予期間が見込めるのかを判断することもできるので、適切なタイミングでウォッシャ液の液量を確認して補充を行うことができる。
【0014】
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、液量確認ゲージの両面を確認することで現在のウォッシャ液の残量と補充可能量とを同時に確認することができるので、ウォッシャ液の補充の要否と、補充が必要な場合のウォッシャ液の投入量とを一度に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す正面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】従来例を示す概略図である。
【図4】図3の液量確認ゲージの詳細を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図3及び図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0018】
図1及び図2に示す如く、本形態例においては、先の図3及び図4で説明した従来例の場合と同様に、タンク本体(図3参照)の注水口3を閉じる蓋体4の裏面に、該蓋体4の閉時にタンク本体1(図3参照)内に垂下し且つウォッシャ液6の液面下に下部を浸漬してウォッシャ液6の液量を確認し得るようにした液量確認ゲージ8が一体的に取り付けられており、この液量確認ゲージ8には、ウォッシャ液6の液膜を表面張力により保持可能な大きさの窓部7が長手方向に所要の間隔で複数備えられている。
【0019】
ただし、図1に示す液量確認ゲージ8の一方の面における各窓部7に対応する位置には、ウォッシャ液6の残量が単位と共に数値で記載されており、図2に示す液量確認ゲージ8の他方の面における各窓部7に対応する位置には、ウォッシャ液6の補充可能量が単位と共に数値で記載されている。この際、前記数値及び単位については、液量確認ゲージ8の地の色に対し目立つ色を付して記載しておくことが好ましい。
【0020】
而して、このようにした場合に、蓋体4を開けて液量確認ゲージ8をタンク本体1(図3参照)内から抜き出し、その液量確認ゲージ8の液面下に浸漬していた部分を確認し、ウォッシャ液6の液膜が張られている最も高い位置の窓部7に対応した数値を読み取ると、タンク本体1(図3参照)内のウォッシャ液6の具体的な液量が残量又は補充可能量として数値で確認されるので、満タンまでにウォッシャ液6をあと何リットル補充することができるかを予測することが可能となると共に、次の補充を行うまでにどのくらいの猶予期間が見込めるのかを判断することも可能となる。
【0021】
また、特に本形態例のように、液量確認ゲージ8の一方の面の各窓部7に対応する位置にウォッシャ液6の残量を数値で記載し且つ他方の面の各窓部7に対応する位置にウォッシャ液6の補充可能量を数値で記載しておけば、液量確認ゲージ8の両面を確認することで現在のウォッシャ液6の残量と補充可能量とを同時に確認することが可能となる。
【0022】
従って、上記形態例によれば、ウォッシャ液6の液膜が張られている最も高い位置の窓部7に対応した数値を読み取ることによって、タンク本体1(図3参照)内のウォッシャ液6の具体的な液量を残量又は補充可能量として数値で確認することができるので、満タンまでにウォッシャ液6をあと何リットル補充することができるかを予測することができ、例えば、購入したボトル入りウォッシャ液6が全て入りきるのか否かを判断することができるので、ウォッシャ液6を入れ過ぎて溢れさせてしまうような事態を未然に回避することができ、しかも、次の補充を行うまでにどのくらいの猶予期間が見込めるのかを判断することもできるので、適切なタイミングでウォッシャ液6の液量を確認して補充を行うことができる。
【0023】
また、液量確認ゲージ8の両面を確認することで現在のウォッシャ液6の残量と補充可能量とを同時に確認することができるので、ウォッシャ液6の補充の要否と、補充が必要な場合のウォッシャ液6の投入量とを一度に判断することができる。
【0024】
尚、本発明のウォッシャタンクは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
1 タンク本体
3 注水口
4 蓋体
6 ウォッシャ液
7 窓部
8 液量確認ゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体にウォッシャ液を注ぎ込むための注水口と、該注水口を閉じる蓋体と、該蓋体の裏面に一体的に取り付けられて前記蓋体の閉時にタンク本体内に垂下し且つウォッシャ液の液面下に下部を浸漬してウォッシャ液の液量を確認し得るようにした液量確認ゲージとを備えたウォッシャタンクであって、前記液量確認ゲージは、ウォッシャ液の液膜を表面張力により保持可能な大きさの窓部を長手方向に所要の間隔で複数備え且つ該各窓部に対応する位置にウォッシャ液の残量又は補充可能量を数値で記載していることを特徴とするウォッシャタンク。
【請求項2】
液量確認ゲージの一方の面の各窓部に対応する位置にウォッシャ液の残量を数値で記載し且つ他方の面の各窓部に対応する位置にウォッシャ液の補充可能量を数値で記載したことを特徴とする請求項1に記載のウォッシャタンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−224143(P2012−224143A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91859(P2011−91859)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】