説明

ウォータジェット加工装置による孔加工方法

【課題】実装基板などの被加工物に貫通孔を形成する方法において、エロージョンの発生を抑え、被加工物に損傷を与えることなく貫通孔を形成する孔加工方法を提供する。
【解決手段】ウォータジェット加工装置を用いて、貫通孔形成工程とトリム加工工程とを行い、基板1に貫通孔2を形成する。基板1を保持テーブルに保持するとともに移動機構を動かし孔加工位置を合わせる。このとき、噴射口13aと、基板1の加工面1aとの間隔を初期設定距離になるように位置を合わせる。次いで、加工水供給手段を動かしてウォータジェットを基板1へ噴射し、基板1に貫通孔2を形成する。貫通孔2が形成されたら、Z軸移動機構を動かし、噴射口13aと加工面1aとの間隔を初期設定距離より近付けた距離h2に合わせる。次いで、X軸移動機構およびY軸移動機構を動かし、貫通孔2の縁にトリム加工を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装基板等の被加工物に貫通孔を形成する方法に係り、特に高圧の加工水を被加工物に噴射して貫通孔を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ等のデバイスは、ウェーハの表面に区画された多数の格子状の矩形領域にICやLSI等の電子回路を形成し、それら矩形領域の境界を切断することにより個片化されている。個片化されたデバイスは、実装基板に実装される。この実装基板は、デバイスの他に抵抗器やコンデンサなどの電子部品が実装され、それら部品間を電子回路で接続してパソコンや携帯電話などの電子機器内に組み込まれる。実装基板は、基材に対して絶縁性のある樹脂が含浸され、その基材表面に銅箔などの導電体を貼着されることで回路配線が形成されている。実装基板の種類としては、ガラス繊維製の布を重ねたものにエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板、切り揃えたガラス繊維を重ねてエポキシ樹脂を含浸させたガラスコンポジット基板や、絶縁材にテフロン(登録商標)を用いたテフロン基板などがある。
【0003】
これら実装基板には基板表面にデバイスを実装させるために、小径の貫通孔を形成し、この貫通孔の内周面に銅などの鍍金を施したスルーホールが形成される。このスルーホールは、実装基板の表面にデバイスを接続させるだけではなく、ウエハース状に絶縁体と回路を積み重ねた多層基板において層間を接続するためにも用いられる。スルーホールの貫通孔の形成方法として、例えば特許文献1に記載のルータを用いた方法がある。この方法では、棒状の研削用砥石などをルータの先端に装着し、砥石を回転させながら基板に押し当てることで貫通孔を形成している。
【0004】
しかしながら、上記文献のようにルータで貫通孔を形成すると、貫通孔の縁にバリが発生する場合が多い。そのため、貫通孔の切断面をきれいに形成することができず、品質の低下を招いてしまう。また、ルータによる方法以外にも、金型によるパンチング、ドリルやレーザ光照射による方法が一般に知られている。パンチングやドリルで実装基板に貫通孔を形成すると、ルータと同様に貫通孔の縁にバリが発生してしまう。レーザ光照射で実装基板に貫通孔を形成する方法では、実装基板を溶融して貫通孔を形成させるため、溶融した基板材料が貫通孔周辺に残留してしまう。また、レーザ光照射による製造装置では、他の装置に比べ多額の費用がかかるため、生産コストの上昇を招いてしまう。
【0005】
【特許文献1】特開平8−307051公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、高圧の加工水を噴射するウォータジェット装置を用いて貫通孔を形成するといった方策が考えられ、実用化もされている。ところが、ウォータジェット加工装置で貫通孔を形成すると、バリの発生は抑えられるが、加工水の噴射を受ける面の貫通孔周辺に、エロージョンと呼ばれる腐食が発生していた。このエロージョンは、砥粒が含まれている加工水が貫通孔周辺にも飛散するため、加工水中の砥粒や、削られた粒状の基板材料などが実装基板に付着することで発生するものである。また、これら砥粒や粒状になった基板材料は、貫通孔周辺に傷を付けてしまい実装基板に損傷を与えてしまう。これらの結果、貫通孔形成後の実装基板の品質が低下するといった問題を抱えている。
【0007】
よって本発明は、実装基板などの被加工物に貫通孔を形成する方法において、貫通孔周辺のバリの発生を抑え、被加工物に損傷を与えることなく貫通孔を形成することのできる孔加工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工水を噴射する加工水噴射ノズルを備えた加工水噴射手段と、保持手段と加工水噴射手段とを相対移動させて、被加工物に対する加工水の水平方向の噴射位置および垂直方向の噴射距離を可変とする移動手段とを具備するウォータジェット加工装置によって被加工物に貫通孔を形成する孔加工方法であって、加工水噴射ノズルから高圧の加工水を噴射することによって、保持手段に保持された被加工物に貫通孔を形成する孔貫通工程と、移動手段によって、被加工物と加工水噴射ノズルとの噴射距離を孔貫通工程における噴射距離より近付けてから、さらに移動手段によって被加工物と加工水噴射ノズルとを相対的に水平方向に移動させることにより噴射位置を変化させ、孔貫通工程で形成された貫通孔の縁の全周に加工水を噴射して、貫通孔の縁の全周をトリム加工するトリム加工工程とを備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の孔加工方法は、第1段階の孔貫通工程で貫通孔を形成し、この後の第2段階のトリム加工で貫通孔の縁の全周をトリム加工するものである。このような手順で貫通孔を形成することにより、第1段階の工程で発生したエロージョンや傷が第2段階の工程で除去されるとともに、貫通孔をきれいな円状に整えることできる。また、貫通孔形成時に被加工物と加工水噴射ノズルとの間を一定の距離(例えば3mm程度)にすることで、エロージョンや傷の発生を貫通孔周辺だけに抑えることができる。これにより、貫通孔形成後にトリム加工を行うだけで、エロージョンや傷を容易に除去することができる。その結果、貫通孔形成後の被加工物に、貫通孔の形成による損傷が残らないため、被加工物の品質の向上が図られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被加工物に貫通孔を形成することで発生していたバリやエロージョンを効果的に除去することができるとともに、貫通孔の縁をきれいに形成することができる。その結果、貫通孔形成後の被加工物の品質を向上させることができるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]実装基板
図1の符合1は、図2に示す一実施形態のウォータジェット加工装置によって貫通孔が形成される板状の実装基板(以下基板と略称)を示している。この基板1は、例えばガラスエポキシ基板であって、半導体チップや抵抗器が実装される貫通孔2が形成される。この貫通孔2には、銅などで鍍金が施される。鍍金が施された貫通孔2には、半導体チップや抵抗器などの電極が挿入され、それら電極は半田などで基板1に固定される。このようにして半導体チップや抵抗器が実装された基板1は、パソコンや携帯電話などの電子機器内に組み込まれる。
【0012】
[2]ウォータジェット加工装置の構成
一実施形態のウォータジェット加工装置を示す図2には、互いに直交する水平なX方向・Y方向と、鉛直方向であるZ方向を矢印で示している。このウォータジェット加工装置10は、X・Y・Z方向に移動自在とされた保持テーブル(保持手段)11に基板1を保持し、保持した基板1に向けて噴射ノズル13からウォータジェット(水に砥粒が混合された高圧の加工水)を噴射して孔開け加工するものである。
【0013】
保持テーブル11は、Y方向に延びる直方体状の固定ベース20に対して、Y軸移動ベース30、Z軸移動ベース40およびX軸移動ベース50からなるX・Y・Z移動機構60を介して取り付けられている。固定ベース20の一側面には長手方向(Y方向)に延びる一対のガイドレール21が形成されており、これらガイドレール21に、Y軸移動ベース30がY方向に摺動自在に取り付けられている。
【0014】
Y軸移動ベース30は、Y軸移動機構31によりガイドレール21に沿ってY方向に移動させられる。Y軸移動機構31は、ガイドレール21間に配され、固定ベース20に回転可能に支持されたY方向に延びるねじロッド32と、このねじロッド32を正逆回転させるパルスモータ33とで構成されている。ねじロッド32はY軸移動ベース30に螺合して貫通しており、また、回転自在ではあるが軸方向には移動不能とされている。Y軸移動ベース30は、Y軸移動機構31のパルスモータ33が作動してねじロッド32が回転すると、その回転方向に応じたY方向に、ガイドレール21に沿って移動するようになっている。
【0015】
Z軸移動ベース40はY軸移動ベース30に、また、X軸移動ベース50はZ軸移動ベース40に、それぞれ取り付けられているが、取り付け構造は、Y軸移動ベース30が固定ベース20に取り付けられている構造と同様であり、そして移動機構も同様の構造である。
【0016】
Z軸移動ベース40は、Y軸移動ベース30に形成されたZ方向に延びる一対のガイドレール34に摺動自在に取り付けられ、Z軸移動機構41によりガイドレール34に沿ってZ方向に昇降させられる。Z軸移動機構41は、Y軸移動ベース30に回転可能に支持され、Z軸移動ベース40に螺合して貫通するZ方向に延びるねじロッド42と、このねじロッド42を正逆回転させるパルスモータ43とで構成され、パルスモータ43によってねじロッド42が回転すると、その回転方向に応じたZ方向にZ軸移動ベース40が移動(昇降)するようになっている。
【0017】
X軸移動ベース50は、Z軸移動ベース40に形成されたX方向に延びる一対のガイドレール44に摺動自在に取り付けられ、X軸移動機構51によりガイドレール44に沿ってX方向に移動させられる。X軸移動機構51は、Z軸移動ベース40に回転可能に支持され、X軸移動ベース50に螺合して貫通するY方向に延びるねじロッド(図示省略)と、このねじロッドを正逆回転させるパルスモータ53とで構成され、パルスモータ53によってねじロッドが回転すると、その回転方向に応じたX方向にX軸移動ベース50が移動(昇降)するようになされている。
【0018】
X軸移動ベース50の、Z軸移動ベース40への取り付け側とは反対側の面には、Y方向に延びる平板状の上記保持テーブル11が取り付けられている。保持テーブル11の先端側には、Y方向に長い長方形状の装着口11aが開口しており、この装着口11aの周囲の四隅には、上方に突出する位置決めピン12が設けられている。保持テーブル11には、位置決めピン12を利用して基板1が位置決めされ、基板1は保持テーブル11ごと、上記X・Y・Z移動機構60によってX方向、Y方向およびZ方向に移動させられる。基板1の位置決めは、基板1を保持し、位置決めピン12に着脱可能に装着される図示せぬ治具が用いられる。
【0019】
保持テーブル11の上方には、上記噴射ノズル13がウォータジェットの噴射方向を鉛直下方に向けた状態で配設されている。この噴射ノズル13は、加工水供給手段14に接続されており、この加工水供給手段14から高圧の加工水が供給され、保持テーブル11に保持された基板1へウォータジェットを噴射する。また、噴射ノズル13の周囲には、水平方向に長く延びたドーム形状で保持テーブル11側に開口しているダクト部15が配設されている。このダクト部15には、噴射ノズル13と並ぶようにしてダクト管16が配設されている。このダクト管16は、吸引手段17に接続されている。吸引手段17は、ウォータジェットが周囲に拡散してミスト状になった加工水を、ダクト部15からダクト管16を経由して吸引する。噴射ノズル13とダクト部15とは、ブラケット18とノズル支持アーム19とを介して固定ベース20に固定されている。
【0020】
X軸移動機構51やY軸移動機構31を作動させて保持テーブル11をX・Y方向に移動させることで、保持テーブル11に保持された基板1に対する噴射ノズル13からのウォータジェットの噴射位置が調整可能になっている。一方、Z軸移動機構41を作動させて保持テーブル11をZ方向に昇降させることで、保持テーブル11に保持された基板1に対する噴射ノズル13からのウォータジェットの噴射距離が調整可能になっている。
【0021】
保持テーブル11の下方には、噴射ノズル13から噴射されるウォータジェットを受け止める緩衝槽80が配設されている。この緩衝槽80の中には、ウォータジェットの水勢を減衰させるための水が貯留されている。緩衝槽80内の水は、図示しない排水手段により排水され、常に一定の量になるようにされている。
【0022】
[3]ウォータジェット加工装置による孔加工方法
以上がウォータジェット加工装置10の構成であり、続いて、本実施形態のウォータジェット加工装置10による孔加工方法を図2〜図4を用いて説明する。
【0023】
(I)孔貫通工程
基板1を位置決めピン12により位置を合わせ、保持テーブル11上にセットする。次に、X・Y・Z移動機構60のY軸移動ベース30およびX軸移動ベース50をそれぞれ適宜に移動させることにより、基板1を噴射ノズル13の下方の加工領域に移動させ、さらに噴射ノズル13から噴射するウォータジェットのターゲットに基板1の孔加工位置を合わせる。そして図3に示すように、Z軸移動ベース40を上昇させて噴射ノズル13の先端の噴射口13aと基板1との間隔を孔貫通工程距離h1(例えば3mm程度)に調整する。
【0024】
次いで、加工水供給手段14を作動させて噴射ノズル13から所定圧力で加工水を噴射させ、加工水の噴射状態であるウォータジェットを基板1の孔加工位置に当て、基板1に貫通孔2を形成する。このとき、吸引手段17を同時に作動させ、ウォータジェットが周囲に拡散してミスト状になった加工水や削られて粒状になった基板材料を、ダクト部15から吸引する。孔貫通工程では距離h1の間隔を開けるため、ウォータジェットが加工径d1より拡散してしまう。その結果、図3bに示すように、ウォータジェットの噴射を受ける基板1の加工面1aの貫通孔2周辺であるd2の領域に、エロージョンなどの損傷領域3が発生する。
【0025】
(II)トリム加工工程
貫通孔2が形成されたら、X方向、Y方向の位置はそのままで、Z軸移動機構41を動かし、基板1を上昇させて噴射ノズル13に近付け、図4に示すように噴射口13aと基板1との間隔をトリム加工距離h2(例えば0.2mm程度)に調整する。間隔の調整が終了したら、ウォータジェットが貫通孔2の縁に当たるようにY軸移動ベース30とX軸移動ベース50との細かな往復移動を組み合わせて保持テーブル11を円運動させることにより、貫通孔2の縁の全周にウォータジェットを噴射してトリム加工する。このトリム加工では、図4(b)に示すように、損傷領域3の除去を行うとともに、貫通孔2をきれいな真円状に整える。このとき、孔貫通工程と同様に吸引手段17を同時に作動させ、ウォータジェットが周囲に拡散してミスト状になった加工水や削られて粒状になった基板材料を、ダクト部15から吸引して、二次的損傷を防ぐ。このようにして、孔加工を繰り返し行い、基板1の所定位置に複数の貫通孔2が形成されたら、X・Y・Z移動機構60によりX・Y・Z方向にそれぞれ移動させ、基板1を待機領域に移動させる。以上が本発明のウォータジェット加工装置10による孔加工方法であり、この孔加工方法が繰り返し行われて、所定の貫通孔2が形成された基板1が多数得られる。なお、X・Y・Z移動機構60の動作や噴射ノズル13からのウォータジェットの噴射等の動作は、予め必要データが記憶されて、それに基づき制御を行う制御手段(図示省略)によって適宜に制御される。
【0026】
図6は、基板1の加工面1aと噴射口13aとの間隔を変化させて各工程を行い、各工程後のエロージョンや傷の出方を示したものである。なお、図6では、基板1に厚さ3.0mmのソーダガラスを用いている。加工面1aと噴射口13aとの間隔は、Aの例では孔貫通工程・トリム加工工程ともに0.2mm、Bの例では孔貫通工程3.0mm、トリム加工工程0.2mmである。中心の円形状が貫通孔2であり、その周囲で黒色に変色している領域がエロージョンや傷などの損傷領域3である。Aの孔貫通工程では、図5に示すようにウォータジェットの噴射距離が近い(図5のh2)ため、基板1に噴射された加工水が噴射ノズル13に勢いよく跳ね返り、さらにその加工水が基板1に再度跳ね返って貫通孔2周辺の広範囲、例えば直径10mm程度の範囲にエロージョンと呼ばれる腐食や傷などのダメージ領域を形成してしまう。一方、Bの孔貫通工程では、ウォータジェットの噴射距離が適宜離れている(図3のh1)ため、噴射ノズル13の噴射口13aから加工水が飛散した範囲、例えば貫通孔2の周囲で直径1mm以内程度の範囲(図3のd2)にエロージョンが発生するが、加工水が噴射ノズル13に跳ね返り、さらにその加工水が基板1に再度跳ね返ることは回避される。
【0027】
図6のAに示すトリム加工工程では、上記のようにエロージョンや傷が広範囲に及んでいるため、除去しきれずに残ってしまった損傷が目立っている。また、図6のBに示すトリム加工工程では、上記のようにエロージョンや傷が貫通孔2の一定の周辺にのみ発生しているため、ほぼ完全に除去されている。ひとたび貫通孔2が形成されれば、ウォータジェットの余分な加工水が貫通孔2に流れるため、加工面1aと噴射口13aの距離を近づけてトリム加工を行っても、貫通孔2の周囲への損傷を抑えることができる。そのため、Bでは、加工面1aと噴射口13aとの距離を孔貫通工程より近付けてトリム加工工程を行っても、基板1への損傷が目立っていない。
【0028】
本実施形態によれば、孔貫通工程とトリム加工工程とを行うことで、きれいな円形状の貫通孔を形成することできる。上記のように、孔貫通工程で基板1と噴射口13aとの間隔を一定の距離にすることで、エロージョンや傷の発生を貫通孔2周辺だけに抑えることができる。これにより、トリム加工工程で噴射口13aと基板1の加工面1aの距離を孔貫通工程時より近付けてトリム加工を行うだけで、エロージョンや傷を容易に除去することができ、かつ貫通孔2をきれいな円形状に整えることが出来る。その結果、貫通孔形成後の基板1に、貫通孔の形成による損傷が残らないため、基板1の品質の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態で孔加工が施される基板の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るウォータジェット加工装置の斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の一実施形態での孔貫通工程の様子を示した側面図、(b)は、孔貫通工程で基板に形成された貫通孔および貫通孔周辺を示した平面図である。
【図4】(a)は、本発明の一実施形態でのトリム加工工程の様子を示した側面図、(b)は、トリム加工工程で基板に形成された貫通孔を示した平面図である。
【図5】(a)は、孔貫通工程の様子を示した側面図、(b)は、その孔貫通工程で基板に形成された貫通孔と貫通孔周辺とを示した平面図である。
【図6】本発明の孔加工方法を各工程で噴射口と基板との距離を変えて行い、各工程後の貫通孔および貫通孔周辺の様子を示した表である。
【符号の説明】
【0030】
1…実装基板(被加工物)
2…貫通孔
10…ウォータジェット加工装置
11…保持テーブル(保持手段)
13…噴射ノズル(加工水噴射ノズル)
14…加工水噴射手段
60…X・Y・Z移動機構(移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持する保持手段と、
該保持手段に保持された被加工物に加工水を噴射する加工水噴射ノズルを備えた加工水噴射手段と、
前記保持手段と前記加工水噴射手段とを相対移動させて、被加工物に対する加工水の水平方向の噴射位置および垂直方向の噴射距離を可変とする移動手段とを具備するウォータジェット加工装置によって被加工物に貫通孔を形成する孔加工方法であって、
前記加工水噴射ノズルから高圧の加工水を噴射することによって、前記保持手段に保持された被加工物に貫通孔を形成する孔貫通工程と、
前記移動手段によって、被加工物と加工水噴射ノズルとの噴射距離を前記孔貫通工程における噴射距離より近付けてから、さらに移動手段によって被加工物と加工水噴射ノズルとを相対的に水平方向に移動させることにより噴射位置を変化させ、前記孔貫通工程で形成された貫通孔の縁の全周に加工水を噴射して、該孔の縁の全周をトリム加工するトリム加工工程とを備えることを特徴とするウォータジェット加工装置による孔加工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate