エアバッグ・ファスナ組立体
【課題】エアバッグを含む自動車車両の構成部品を本体パネルに接合するためのファスナ組立体を提供すること。
【解決手段】ファスナ組立体が、それらの間に受けスロットを定める2つのフランジ部分を有する金属の第1の部品と、組み立てられた位置において受けスロット内に受けられるポリマーの部品とを含む。90度回転されたとき、第2の部品は、第1の部品の第1及び第2の撓み可能ウィングを延長された位置に外方に移動させる。
【解決手段】ファスナ組立体が、それらの間に受けスロットを定める2つのフランジ部分を有する金属の第1の部品と、組み立てられた位置において受けスロット内に受けられるポリマーの部品とを含む。90度回転されたとき、第2の部品は、第1の部品の第1及び第2の撓み可能ウィングを延長された位置に外方に移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアバッグを含む自動車車両の構成部品を本体パネルに接合するためのファスナ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
この項目は、本開示に関連する背景情報を与えるものであって、必ずしも従来技術であるとは限らない。
【0003】
自動車用途においては、エアバッグ組立体のような部品を自動車の区域又は金属本体部分に接合するために、ファスナが用いられる。これらのファスナに関する要求事項は、これらのファスナが、自動車の開口部内に挿入可能であり、かつ、エアバッグを保持するだけでなく、展開するエアバッグの力に耐えるための最小の引き抜き保持力も与えるという要件を満たすことである。エアバッグが展開されたために、エアバッグ及び/又はエアバッグを支持するトリム部品の交換が必要となった場合には、ファスナを除去する必要もある。一般的なファスナ設計は正反対の位置にある可撓性ウィングを含んでおり、該ウイングはファスナの挿入時に内方に撓み、ばね力によって拡張して、ファスナを自動車の矩形スロット内に保持する。他のファスナ設計はねじ付きコネクタを備えるものであり、このねじ付きコネクタは、所定の位置に回転挿入し、正しい取り付けを確実にするために、所定のトルク値までトルクを上げる必要がある。これらの設計は、多くの場合、第1の取り付けステーションで取り付けられる第1のファスナ部品と、第2又はその後のステーションで取り付けられ、トルク付与するファスナとを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に用いられているファスナの幾つかの欠点は、ファスナの取り付けに必要とされる時間、及び、ファスナに不適切なトルクを与える可能性である。既存の設計のさらなる欠点は、ねじなどの別個の部品在庫を保持すること、ねじと金属との間の機能不良問題、必要とされる取り付け作業、金属/ねじに必要以上の力を与えるドライバ工具、高い工具費、及び部品の緩みを引き起こす不適切な取り付けを含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この項目は、本開示の全体的な概要を与えるものであり、その全範囲又はその特徴の全ての包括的開示ではない。
【0006】
本発明の幾つかの実施形態によると、ファスナ組立体は、それらの間にキャビティを定める対向する第1及び第2の脚部と、各々が第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、それから自由に延びる第1及び第2の撓み可能ウィングとを有する第1及び第2の部品を含む。第1の撓み可能ウィングは、第2の撓み可能ウィングに対して反対側に延びる。第2の部品は、第1の部品のキャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材を有する。取り付けフランジが、これに均一に結合された係合部材を有する。取り付けフランジは、係合部材に対して実質的に横方向に延びる。第1及び第2の部品の組み立てられた位置では、係合部材がキャビティ内に摺動可能に配置される。第1及び第2の部品の延長された位置は、第2の部品が組み立てられた位置から約90度回転されており、そこで、係合部材は、第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させる。
【0007】
他の実施形態によると、ファスナ組立体は、互いから分離され、それらの間に係合部材受けスロットを定める、均一に結合された2つのフランジ部分を有する金属の第1の部品を含む。フランジ部分の各々は、互いから分離され、それらの間にキャビティを定める第1及び第2の脚部の1つを有する。第1のアームが、第1の脚部に対して横方向に配向され、該第1のアームから自由に延びる第1の撓み可能ウィングを有する。第2のアームが、第2の脚部に対して横方向に配向され、該第2のアームから自由に延びる第2の撓み可能ウィングを有する。ポリマーの第2の部品は、第1又は第2の撓み可能ウィングに接触することなく第1の部品のキャビティ内に受けられるように適合された係合部材を含み、第1及び第2の部品の組み立てられた位置を定める。取り付けフランジは、係合部材がそれに均一に結合されている。取り付けフランジは、係合部材に対して実質的に横方向に、かつ、第1及び第2の脚部に対して平行に延びる。第1及び第2の部品の延長された位置は、第2の部品が組み立てられた位置から約90度回転されている。係合部材は、延長された位置において、第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させるように作働する。
【0008】
更に別の実施形態によると、エアバッグを車両パネルに結合するように適合されたファスナ組立体が、同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分に結合された支持壁を有する第1の部品を含む。固定アームが、フランジ部分の1つから支持壁に対して平行に延びる。対向する第1及び第2の脚部は、それらの間にキャビティを定める。第1の脚部は支持壁に結合され、第2の脚部は固定アームに結合される。第1及び第2の撓み可能ウィングの各々は、第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、かつ、それから自由に延びる。第2の部品は、第1の部品のキャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材を有する。取り付けフランジは、係合部材がこれに均一に結合されている。取り付けフランジは、係合部材に対して実質的に横方向に延びる。支持壁、固定アーム、第1及び第2の脚部、並びに第1及び第2の撓み可能ウィングが、エアバッグの開口部及び車両パネルの開口部の両方の中に摺動可能に受けられるように適合された挿入部分を定める。
【0009】
さらなる適用可能分野は、ここに与えられる説明から明らかになるであろう。この概要における説明及び特定の例は、説明することのみを意図しており、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0010】
ここに記載される図面は、選択された実施形態を説明するためだけのものであり、全ての可能な実施というわけではなく、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の部品と、第1の部品によって受けられる第2の部品とを有するファスナ組立体の上部斜視図である。
【図2】図1の第1の部品の側部立面斜視図である。
【図3】図2の第1の部品の上部平面図である。
【図4】図2の第1の部品の前部立面図である。
【図5】図2の第1の部品の端部立面図である。
【図6】図1の第2の部品の上部斜視図である。
【図7】図6の第2の部品の前部立面図である。
【図8】図6の第2の部品の端部立面図である。
【図9】図6の第2の部品の上部平面図である。
【図10】図1のファスナ組立体の後部斜視図である。
【図11】図10のファスナ組立体の下部平面図である。
【図12】図1のファスナ組立体の前部立面図である。
【図13】図1のファスナ組立体の端部立面図である。
【図14】図1のファスナ組立体を受けるように適合された本体パネルを通って生成された開口部の上部平面図である。
【図15】図14の本体パネルへの、エアバッグと併せた図1のファスナ組立体の組み立ての上部平面図である。
【図16】本体パネルに係合された図15の組立体の下部平面図である。
【図17】図15の組立体に取り付けるように適合されたクリップ部材の前部立面斜視図である。
【図18】図17のクリップ部材を付加するように変更された図15の組立体の上部平面図である。
【図19】図18の組立体の下部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面の幾つかの図を通して、対応する参照番号は対応する部分を示す。
【0013】
ここで、添付の図面を参照して、例示的な実施形態がより完全に説明されるであろう。
【0014】
図1を参照すると、本開示のファスナ組立体10が、嵌合により第2の部品14を受ける第1の部品12を含み、第2の部品14は、第1の部品12内で回転されたとき、第1の部品の要素を撓ませ、完成したロック組立体を生成する。幾つかの実施形態によると、第1の部品12は、曲げ加工、穿孔、打ち抜き加工、及び/又は切削などの多数の作業によって形成された、炭素鋼のような金属とすることができる。第2の部品14は、ポリオキシメチレンのようなポリマー材料から作製することができ、例えば射出成形プロセスを用いて形成することができる。
【0015】
第1の部品12は、第2の脚部18から空間的に分離された第1の脚部16を含む。第1の撓み可能ウィング20が、第1の脚部16に均一に結合される。同様に、しかしながら反対の方向に、第2の撓み可能ウィング22が、図2を参照して示され説明される接触支持壁50に均一に結合される。第1のフランジ部分24は、第1の脚部16から横方向に延び、第1の隆起デテント26を含む。同様に、第2のフランジ部分28は、第2の脚部18から横方向に延び、第2の隆起デテント30を含む。第1及び第2の隆起デテント26、30は、例えば、第1及び第2のフランジ部分24、28が切削される又は打ち抜きされるときに行なわれる陥凹形成作業によって形成することができる。
【0016】
第2の部品14は、第1の部品12の第1の脚部16と第2の脚部18との間に生成されたキャビティ34内に摺動可能に受けられる係合部材32を提供する。第2の部品14は、幾つかの実施形態によるとほぼ円形状に生成される取り付けフランジ36をさらに含むが、この取り付けフランジ36の形状は、円形から、これらに限られるものではないが、楕円形、正方形、矩形等のような他の幾何学的形状まで変わり得る。駆動部材38が、取り付けフランジ36に均一に結合され、取り付けフランジ36に対して横方向に延びる。駆動部材38は、第1の部品12に対して第2の部品14を回転させるためのソケット又はレンチのような工具を受けるように適合された複数の工具駆動面を含む。第1及び第2のフランジ・ポート42、44が、駆動部材38を中心として反対側に配置される。第1及び第2のフランジ・ポート42、44の機能は、図19を参照して説明される。
【0017】
図2を参照すると、第1の部品12は、第1の可撓性アーム46をさらに含み、この第1の可撓性アーム46は、細長いスロット48の幅及び長さに基づいて、第1の可撓性アーム46の撓み特性を、よって、第2の撓み可能ウィング22のばね力を変えるように適合された細長いスロット48を含むことができる。第1の可撓性アーム46は、支持壁50に均一に結合され、例えば、支持壁50との接合部において第1の可撓性アーム46を曲げることによって形成することができる。支持壁50は、図2に示される例示的な実施形態において、曲げ区域を定める接合部分52によって、第1及び第2のフランジ部分24、28の両方に均一に結合される。
【0018】
第1の固定アーム54が、第1のフランジ部分24に対してほぼ横方向に配向される。同様に、第2の固定アーム56が、第2のフランジ部分28に対してほぼ横方向に配向される。第1及び第2の固定アーム54、56の各々は、それぞれ第1及び第2のフランジ部分24、28の均一な延長部である。第1の固定アーム54は、第1の撓み可能ウィング20(この図には示されていない)を第1の部品12に結合させる。係合部材受けスロット58が、第1のフランジ部分24と第2のフランジ部分28との間に定められる。タブ60が、支持壁50から均一に延び、第1及び第2のフランジ部分24、28の両方の接触面又は下部面に向いたタブ面62を生成する。タブ60及びタブ面62の目的は、図15を参照して説明される。タブ60は、第1及び第2の固定アーム54、56の反対側に延びる。
【0019】
図3を参照すると、第1の弧状スロット66が、係合部材受けスロット58から第2のフランジ部分28内に部分的に延びる。同様に、しかしながら反対向きに、第2の弧状スロット68が、係合部材受けスロット58の方に通じる第1のフランジ部分24内に部分的に延びる。フランジ接触幅「A」は、第1及び第2のフランジ部分24、28の対向する端部によって与えられる。係合部材受けスロット58について、スロット幅「B」が定められる。第1の撓み可能ウィング20及び第2の撓み可能ウィング22の反対向きの配向は、図3において明らかである。
【0020】
図4及び図5を参照すると、挿入部分69が、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22、第1及び第2の可撓性アーム46、70、支持壁50、並びにタブ60の組み合わせによって定められる。挿入部分の幅「C」が、第1の可撓性アーム46の外面と第2の可撓性アーム70の外面との間に定められる。第1の撓み可能ウィング20は、第2の可撓性アーム70によって支持壁50に均一に結合される。図4に示される、撓んでいない状態の第1及び第2の撓み可能ウィング20、22が、第1の可撓性アーム46及び第2の可撓性アーム70の外向き面によって確立された、挿入部分幅「C」を定める対向する面内に配置されるか、又はそれらの対向する面より外方に延びないことが望ましい。タブ60のタブ面62と接触面64との間に、間隔寸法「D」が定められる。第1及び第2の隆起デテント26、30の各々は、デテント高さ「E」だけ、第1及び第2のフランジ部分24、28の上方に延びる。幾つかの実施形態によると、デテント高さ「E」は、1ミリメートル未満である。具体的に図5を参照すると、支持壁50の外向き面と、第1及び第2の固定アーム54、56の各々について定められた固定アームの外向き面72との間に、挿入部分の長さ「F」が定められる。
【0021】
図6を参照すると、係合部材32が、取り付けフランジ36から延び、駆動部材38に対して反対側に向けられる。係合部材32の第1の端部に、第1の係合壁74が設けられる。同様に、係合部材32の反対端に、第2の係合壁76が設けられる。第1及び第2の係合壁74、76は、互いに対して逆方向にすることができる。
【0022】
図7及び再び図1を参照すると、第2の部品14は、係合部材32を取り付けフランジ36に均一に結合するネック領域78をさらに含む。ネック領域78は、幾つかの実施形態によると約5.8mmである、係合部材32の係合部材幅「G」より狭い幅を有する。ネック領域78は、第1の部品12の係合部材受けスロット58内に摺動可能に受けられるように適合され、第1及び第2のフランジ部分24、28の第1の側に配置された取り付けフランジ36と、第1及び第2のフランジ部分24、28の反対側に配置された係合部材32とを有する。取り付けフランジ36は、取り付きフランジ厚「H」を有する。幾つかの実施形態による取り付けフランジ厚「H」は、約1.2mmであり、この取り付けフランジ厚「H」は、第2の部品14が第1の部品12内に受けられたとき、第1の部品12の第1及び第2のフランジ部分24、26と係合するために取り付けフランジ36を強化するように選択される。
【0023】
図8及び再び図1を参照すると、第2の部品14は、両端部において、取り付けフランジ36の下面82及び係合部材32の上面83に均一に結合された第1のピン80及び第2のピン81をさらに含む。第1のピン80は、第2のピン81からネック領域78を中心として反対側に配置される。第1及び第2のピン80、81の長さは、第1及び第2のフランジ部分24、26の厚さと実質的に等しいか又はこれより厚いので、第1の部品12が第2の部品14に結合されるとき、第1及び第2のフランジ部分24、26の部分は、下面82と上面83との間に摺動可能に嵌合することができる。係合部材32について、係合部材高さ「J」が定められ、この係合部材高さ「J」は、係合部材32をキャビティ34の全体にわたって垂直方向に延ばすように選択される。
【0024】
図9及び再び図8を参照すると、幾つかの実施形態によれば、取り付けフランジ36は、形状が円形であり、約18.0mmの取り付けフランジ直径「K」を有する。係合部材32は、基部部分84から遠ざかるように自由に延びる第1及び第2の係合壁74、76を有するほぼ矩形の形状を定める。基部部分84の外側コーナー部の各々に、半径コーナー部(radius corner)85、85´、85´´、85´´´が設けられ、半径コーナー部85、85´´は、第1及び第2の係合壁74、76の各々の高さ「J」の全体にわたってさらに延びる。第1及び第2のピン80、81は、それぞれ第1及び第2の係合壁74、76に近接して配置される。
【0025】
図10を参照すると、第2の部品14を挿入方向「X」に摺動させることによって、第2の部品14が第1の部品12と係合される。第2の部品14は、第1及び第2の隆起デテント26、30を下向きに押し付けている(図10の下部の方向に見て)取り付けフランジ36が、第1及び第2のフランジ部分24、28を該取り付けフランジ36から遠ざかるように撓ませ、取り付けフランジ36が第1及び第2の隆起デテント26、30の各々を超えて摺動し、付勢力が第1及び第2のフランジ部分24、28を戻すし、その結果、取り付けフランジ36が第1及び第2のフランジ部分24、28の上向き面89、89´に直接接触するまで、挿入方向「X」に移動される。(第1及び第2のフランジ部分24、28から遠ざかる)取り付けフランジ36の制限された撓みは、組み立て中にも生じ得る。第1及び第2の部品12、14のこの「組み立てられた位置」が確立された後、取り付けフランジ36の取り付けフランジ外壁86と第1及び第2の隆起デテント26、30との間の接触が、第2の部品14の解放方向「Y」への後退に抵抗するように働く。ファスナ組立体10の複数のユニットが輸送される際、振動、ファスナ間の接触、ファスナ組立体の重さ等のためにファスナ組立体10が荷重に曝されたとき、隆起デテント26、30が、取り付けフランジ36及び第2の部品14を保持する。幾つかの実施形態によると、第1の隆起デテント26又は第2の隆起デテント30の1つだけが存在し、組み立てられた位置を保持するために用いられる。
【0026】
図11を参照すると、ファスナ部分組立体(sub−assembly)88を生成するために、第1の係合壁74又は第2の係合壁76のいずれかが支持壁50の内面90に接触するように、係合部材32が第1の部品12の係合部材受けスロット58内に摺動可能に受けられる。ファスナ部分組立体88は、係合部材32の配向に制限されない。第1の係合壁74又は第2の係合壁76のいずれかを第1の部品12及び接触支持壁50内に受け、係合部材32の確実な停止部を確立することができる。図示のように係合部材32を受けた状態で、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22の各々は、それらの撓んでいない位置に維持され、第1の係合壁74又は第2の係合壁76に接触しない。
【0027】
図12及び図13の両方を参照すると、第1及び第2の部品12、14が組み立てられ、ファスナ部分組立体88を生成すると、幾つかの実施形態によると約13.7mmである部分組立体高さ「L」が定められる。挿入部分幅「C」及び挿入部分長さ「F」は、部分組立体88への第1及び第2の部品12、14の組み立てに影響を受けない。タブ60の延長部分は、挿入部分長さ「F」に含まれない。
【0028】
図14、並びに再び図12及び図13の両方を参照すると、ファスナ部分組立体88の一部を、自動車のような車両のパネル94内に生成されたファスナ受け開口部92内に挿入することができる。ファスナ受け開口部92は、ファスナ部分組立体88の矩形形状の開口部のコーナー部の各々に、内側半径コーナー部96を含むことができる。ファスナ受け開口部92はまた、開口部幅「M」及び開口部高さ「N」も含む。幾つかの実施形態によると、開口部幅「M」及び開口部高さ「N」は、例えば約16.0mmといった等しい寸法にしてもよく、或いは、ファスナ部分組立体88の挿入部分幅「C」及び挿入部分長さ「F」に対して摺動する隙間を可能にするように予め定められた、異なる寸法にしてもよい。従って、ファスナ受け開口部92内にファスナ部分組立体88の部分を摺動可能に受けることができる。
【0029】
図15、及び再び図12−図14を参照すると、ファスナ組立体10を用いて、エアバッグ組立体を自動車車両のパネルに結合することができる。これを達成するために、ファスナ受け開口部92と同じサイズの又はこれより小さい開口部(図示せず)が、エアバッグ98内に生成される。図12に示されるファスナ部分組立体88の挿入部分99に摩擦嵌めを提供するように、この開口部はファスナ受け開口部92より小さいものである。挿入部分99は、第2の部品14の係合部材32と、第1の部品12の第1及び第2の撓み可能ウィング20、22と、支持壁50とを含む。エアバッグ98は、ファスナ部分組立体88の挿入部分99が内部に受けられるとき、エアバッグ98を通って形成される開口部の周りの領域における材料が一時的に撓むのを可能にするように、十分に可撓性のあるものである。挿入部分99は、第1の部品12の第1及び第2のフランジ部分24、28がエアバッグ98に直接接触するまで、エアバッグ98の受け開口部内に押し付けられる。エアバッグ98へのファスナ組立体10の取り付けは、エアバッグ製造者において行なうことができ、次いで、組み合わせられたエアバッグ98及びファスナ組立体10の組立品を、エアバッグ組立体の取り付け技術者に輸送することができる。
【0030】
ファスナ組立体10及びエアバッグ98の組立品が自動車車両内に取り付けられるとき、図15に示されるようにエアバッグ98がパネル94に直接接触するまで、挿入部分99をパネル94のファスナ受け開口部92内に挿入する。図15において、エアバッグ98は部分的にのみ示されており、車両パネル94も見ることができる。この時点で、レンチ又はソケット(図示せず)のような工具を駆動部材38に適用し、駆動部材38は、約90度の回転だけ時計回りの回転弧「Z」で、第1の部品12に対して(第2の部品14と共に)回転される。示されるように、この90度の回転により、第1及び第2のフランジ・ポート42、44が再配置される。
【0031】
図16及び再び図14を参照すると、第2の部品14が約90度回転されると、第2の係合壁76の半径コーナー部85´´が、最初に第1の撓み可能ウィング20に接触し、その後、第2の係合壁76が、第1の撓み可能ウィング20を第1のウィング撓み方向「W1」に移動させる。回転中、第1の係合壁74の半径コーナー部85は、最初に第2の撓み可能ウィング22に接触し、その後、第1の係合壁74が、第2の撓み可能ウィング22を、第1のウィング撓み方向「W1」とは反対の第2のウィング撓み方向「W2」に移動させる。これにより、どちらもファスナ組立体10の組み立てられた位置から(互いから遠ざかるように)外方に移動された第1及び第2の撓み可能ウィング20、22を有する、第1及び第2の部品12、14の「延長された位置」がもたらされる。延長された位置において、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22は、パネル94の上に、ファスナ受け開口部92の縁部を超えて延び、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22がパネル94に接触し、ファスナ受け開口部92から挿入部分99が後退しないようにするのを可能にするとき、「完成した組立体」100が生成される。
【0032】
図15及び図16の両方を参照すると、反時計回りの回転弧「Z」により、第1及び第2の係合壁74、76の半径コーナー部85、85´´が、最初に第1及び第2の可撓性アーム44、46に接触することが可能になることが留意される。この回転経路は、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22の撓みを滑らかに移行させ、回転を妨げる可能性がある、第1及び第2の係合壁74、76の平坦な端面と第1及び第2の撓み可能ウィング20、22との間の接触を防止する。
【0033】
第1の部品12に対する第2の部品14の回転を助けるために、図8、図9及び図16をさらに参照して、第2の部品14が時計回りの係合方向「Z」に回転されるとき、第1及び第2のピン80、81が、第1の部品12の第1及び第2の弧状スロット66、68内に受けられる。第2の部品14の回転中、第1及び第2のピン80、81は、第1及び第2の弧状スロット66、68の壁101、101´に接触し、第2の部品14の実質的に円形状の回転経路を維持することができる。反時計回りの係合方向「Z」を用いる代わりに第2の部品14の時計回りの回転を試みた場合、第2の部品14の90度の回転を行なうことができる前に、第1及び第2のピン80、81が、係合部材受けスロット58の側壁に接触することにも留意される。
【0034】
図17−図19を参照すると、第1の部品12に対する第2の部品14の回転に続いて、ファスナ組立体10に関係なく、クリップ部材102のような別個の部品を取り付けることによって、完成した組立体100の随意的な視覚インジケータを設けることもできる。クリップ部材102は、長手方向部材106から横方向に延びる矢印形状の撓み可能部材104を含む。例えば、長手方向部材106はまた、付加的な支持部材のサービスを配線組立体に提供することもできる。図18及び図19に示されるように、矢印形状の撓み可能部材104がキャビティ34の一部を通って延びるまで、矢印形状の撓み可能部材104が、フランジ・ポートの1つ、この例においては第2のフランジ・ポート44(これらの図では、はっきりと見えない)の中に挿入される。矢印形状の撓み可能部材104の対向する壁が互いに圧縮し、次いで、図19に示される位置に互いから遠ざかるように外方にスナップ嵌めするとき、矢印形状の撓み可能部材104によって付勢力が生成される。キャビティ34を通した挿入に続いて、矢印形状の撓み可能部材104の付勢力が、クリップ部材102を所定の位置にロックし、図18に示されるように、完成した組立体100が適切に配置されたことを視覚的に表示する。矢印形状の撓み可能部材104の取り付けは、第1の部品12に対する第2の部品14の回転に対するさらなる抵抗ももたらす。クリップ部材102は、ファスナ組立体10の部品部材を形成するものではないが、完成した組立体100の随意的な可視表示として、上述したようにクリップ部材102を用いることができる。
【0035】
本開示のファスナ組立体10は、幾つかの利点を提供する。ファスナ組立体10の取り付け中、第2の部品14の必要とされる回転をほぼ90度に制限することによって、エアバッグ組立体に必要とされるこれまでの周知のファスナ組立体と比べて、ファスナ組立体10を取り付けるための時間が低減される。対向する撓み可能ウィング20、22を延長するために第2の部品14の90度の回転を用いることによって、ファスナ組立体10を恒久的に位置決めし、エアバッグ98が展開した場合のファスナ組立体10の移動を防止することができる。ファスナ組立体10はまた、第1及び第2の隆起デテント26、30も含み、これらに丸みをつけて、第1及び第2の部品12、14の部分組立体を作り、エアバッグ組立体の製造者に別個に輸送するのを可能にすることができる。輸送中、第1及び第2の隆起デテント26、30は、第2の部品14を第1の部品12内に保持する。一旦エアバッグ98及び車両パネル94へのファスナ組立体10の完成した組立体100が完成すると、第2の部品14の取り付けフランジ36内のフランジ・ポートを使用して、視覚確認装置も取り付けられる。
【0036】
実施形態の前述の説明は、例証及び説明のために与えられたものである。これは、網羅的であること又は本発明を制限することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、通常、特定の実施形態に制限されるものではないが、該当する場合には交換可能であり、具体的に示され説明されない場合でも、選択された実施形態において用いることができる。特定の実施形態の個々の要素又は特徴はまた、様々な点で変えることもできる。こうした変形は、本発明からの逸脱とみなすべきではなく、全てのこうした修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0037】
例示的な実施形態は、本開示が完全なものであり、その範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を与えるために、特定の部品、装置、及び方法の例のような多数の特定の詳細が述べられる。特定の詳細を用いる必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化できること、及びいずれも本開示の範囲を制限するように解釈すべきではないことが、当業者には明らかであろう。幾つかの例示的な実施形態においては、周知のプロセス、周知の装置構造体、及び周知の技術の詳細は説明されていない。
【0038】
本明細書に用いられる用語は、特定の例示的な実施形態だけのためのものであり、制限することを意図するものではない。本明細書に用いられる単数の形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに特段の定めがない限り、複数の形態も含ませることを意図し得る。「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」及び「有している(having)」という用語は、包括的なものであり、よって、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を指定するが、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。本明細書に説明される方法ステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序が具体的に特定されていない限り、必ずしも説明された又は示された特定の順序での実行を必要とすると解釈すべきではない。付加的なステップ又は代替的なステップを用い得ることも理解するべきである。
【0039】
要素又は層が別の要素又は層の「上に(on)」ある、これに「係合される(engaged)」、「結合される(connected)」、又は「連結される(coupled)」と言われるとき、その要素又は層が、直接他の要素又は層の上にあり、係合され、結合され、又は連結されてもよく、或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素又は層が別の要素又は層の「直接上に(directly on)」ある、これに「直接係合される(directly engaged)」、「直接結合される(directly connected)」、又は「直接連結される(deirectly coupled)」と言われるとき、介在する要素又は層は存在することはできない。要素間の関係を説明するために用いられる他の語も、同様に解釈すべきである(例えば、「の間に(between)」対「の直接間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)」対「直接隣接して(directly adjacent)」)。
【0040】
種々の要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域を説明するために、第1、第2、第3等の用語を本明細書で用いることがあるが、これらの要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域は、これらの用語に制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成部品、領域、層、又は区域と、別の領域、層、又は区域を区別するためだけに用いることができる。本明細書で用いられた場合の「第1」、「第2」、及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明白に示されない限り、シーケンス又は順序を意味するものではない。従って、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、下記に説明される第1の要素、構成部品、領域、層、又は区域を、第2の要素、構成部品、領域、層、又は区域と名付けることができる。
【0041】
図に示されるような別の要素又は特徴に対する或る要素又は特徴の関係を説明するために、説明を簡単にするために、本明細書において「内側(inner)」、「外側(outer)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上方(above))、「上部(upper)」等といった空間的に相対的な用語を用いることができる。空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用又は動作中の装置の異なる配向を含むように意図し得る。例えば、図の装置がひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあるものとして説明された要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されることになる。従って、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の配向を含み得る。装置を別な方法で配向することもでき(90度回転させる、又は他の配向で)、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子は、それに従って解釈される。
【0042】
実施形態の前述の説明は、例証及び説明のために与えられたものである。これは、網羅的であること又は本発明を制限することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、通常、特定の実施形態に制限されるものではないが、該当する場合には交換可能であり、具体的に示され説明されない場合でも、選択された実施形態において用いることができる。特定の実施形態の個々の要素又は特徴はまた、様々な点で変えることもできる。こうした変形は、本発明からの逸脱とみなすべきではなく、全てのこうした修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0043】
例示的な実施形態は、本開示が完全なものであり、その範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を与えるために、特定の部品、装置、及び方法の例のような多数の特定の詳細が述べられる。特定の詳細を用いる必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化できること、及びいずれも本開示の範囲を制限するように解釈すべきではないことが、当業者には明らかであろう。幾つかの例示的な実施形態においては、周知のプロセス、周知の装置構造体、及び周知の技術の詳細は説明されていない。
【0044】
本明細書に用いられる用語は、特定の例示的な実施形態だけのためのものであり、制限することを意図するものではない。本明細書に用いられる単数の形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに特段の定めがない限り、複数の形態も含ませることを意図し得る。「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」及び「有している(having)」という用語は、包括的なものであり、よって、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を指定するが、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。本明細書に説明される方法ステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序が具体的に特定されていない限り、必ずしも説明された又は示された特定の順序での実行を必要とすると解釈すべきではない。付加的なステップ又は代替的なステップを用い得ることも理解するべきである。
【0045】
要素又は層が別の要素又は層の「上に(on)」ある、これに「係合される(engaged)」、「結合される(connected)」、又は「連結される(coupled)」と言われるとき、その要素又は層が、直接他の要素又は層の上にあり、係合され、結合され、又は連結されてもよく、或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素又は層が別の要素又は層の「直接上に(directly on)」ある、これに「直接係合される(directly engaged)」、「直接結合される(directly connected)」、又は「直接連結される(deirectly coupled)」と言われるとき、介在する要素又は層は存在することはできない。要素間の関係を説明するために用いられる他の語も、同様に解釈すべきである(例えば、「の間に(between)」対「の直接間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)」対「直接隣接して(directly adjacent)」)。本明細書に用いられる「及び/又は(and/or)」という用語は、列挙された関連項目の1つ又はそれ以上のいずれかの及び全ての組み合わせを含む。
【0046】
種々の要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域を説明するために、第1、第2、第3等の用語を本明細書で用いることがあるが、これらの要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域は、これらの用語に制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成部品、領域、層、又は区域と、別の領域、層、又は区域を区別するためだけに用いることができる。本明細書で用いられた場合の「第1」、「第2」、及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明白に示されない限り、シーケンス又は順序を意味するものではない。従って、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、下記に説明される第1の要素、構成部品、領域、層、又は区域を、第2の要素、構成部品、領域、層、又は区域と名付けることができる。
【0047】
図に示される別の要素又は特徴に対する或る要素又は特徴の関係についての説明では、説明を簡単にするために、本明細書において「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」等といった空間的に相対的な用語を用いた個所がある。空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用又は動作中の装置の異なる配向を含むように意図されている場合がある。例えば、図の装置が上下転倒された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあるものとして説明された要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されることになる。従って、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の配向を含み得る。装置を別な方法で配向することもでき(90度回転させる、又は他の配向で)、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子は、それに従って解釈される。
【符号の説明】
【0048】
10:ファスナ組立体
12:第1の部品
14:第2の部品
16、18:脚部
20、22:撓み可能ウィング
24、28:フランジ部分
26、30:隆起デテント
32:係合部材
34:キャビティ
36:取り付けフランジ
38:駆動部材
42、44:フランジ・ポート
46、70:可撓性アーム
48:スロット
50:支持壁
54、56:固定アーム
58:係合部材受けスロット
60:タブ
62:タブ面
66:弧状スロット
69:挿入部分
74、76:係合壁
78:ネック領域
80、82:ピン
84:基部部分
85、85´、85´´、85´´´:半径コーナー部
88:ファスナ部分組立体
92:ファスナ受け開口部
94:車両パネル
98:エアバッグ
99:挿入部分
100:完成した組立体
102:クリップ部材
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアバッグを含む自動車車両の構成部品を本体パネルに接合するためのファスナ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
この項目は、本開示に関連する背景情報を与えるものであって、必ずしも従来技術であるとは限らない。
【0003】
自動車用途においては、エアバッグ組立体のような部品を自動車の区域又は金属本体部分に接合するために、ファスナが用いられる。これらのファスナに関する要求事項は、これらのファスナが、自動車の開口部内に挿入可能であり、かつ、エアバッグを保持するだけでなく、展開するエアバッグの力に耐えるための最小の引き抜き保持力も与えるという要件を満たすことである。エアバッグが展開されたために、エアバッグ及び/又はエアバッグを支持するトリム部品の交換が必要となった場合には、ファスナを除去する必要もある。一般的なファスナ設計は正反対の位置にある可撓性ウィングを含んでおり、該ウイングはファスナの挿入時に内方に撓み、ばね力によって拡張して、ファスナを自動車の矩形スロット内に保持する。他のファスナ設計はねじ付きコネクタを備えるものであり、このねじ付きコネクタは、所定の位置に回転挿入し、正しい取り付けを確実にするために、所定のトルク値までトルクを上げる必要がある。これらの設計は、多くの場合、第1の取り付けステーションで取り付けられる第1のファスナ部品と、第2又はその後のステーションで取り付けられ、トルク付与するファスナとを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に用いられているファスナの幾つかの欠点は、ファスナの取り付けに必要とされる時間、及び、ファスナに不適切なトルクを与える可能性である。既存の設計のさらなる欠点は、ねじなどの別個の部品在庫を保持すること、ねじと金属との間の機能不良問題、必要とされる取り付け作業、金属/ねじに必要以上の力を与えるドライバ工具、高い工具費、及び部品の緩みを引き起こす不適切な取り付けを含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この項目は、本開示の全体的な概要を与えるものであり、その全範囲又はその特徴の全ての包括的開示ではない。
【0006】
本発明の幾つかの実施形態によると、ファスナ組立体は、それらの間にキャビティを定める対向する第1及び第2の脚部と、各々が第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、それから自由に延びる第1及び第2の撓み可能ウィングとを有する第1及び第2の部品を含む。第1の撓み可能ウィングは、第2の撓み可能ウィングに対して反対側に延びる。第2の部品は、第1の部品のキャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材を有する。取り付けフランジが、これに均一に結合された係合部材を有する。取り付けフランジは、係合部材に対して実質的に横方向に延びる。第1及び第2の部品の組み立てられた位置では、係合部材がキャビティ内に摺動可能に配置される。第1及び第2の部品の延長された位置は、第2の部品が組み立てられた位置から約90度回転されており、そこで、係合部材は、第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させる。
【0007】
他の実施形態によると、ファスナ組立体は、互いから分離され、それらの間に係合部材受けスロットを定める、均一に結合された2つのフランジ部分を有する金属の第1の部品を含む。フランジ部分の各々は、互いから分離され、それらの間にキャビティを定める第1及び第2の脚部の1つを有する。第1のアームが、第1の脚部に対して横方向に配向され、該第1のアームから自由に延びる第1の撓み可能ウィングを有する。第2のアームが、第2の脚部に対して横方向に配向され、該第2のアームから自由に延びる第2の撓み可能ウィングを有する。ポリマーの第2の部品は、第1又は第2の撓み可能ウィングに接触することなく第1の部品のキャビティ内に受けられるように適合された係合部材を含み、第1及び第2の部品の組み立てられた位置を定める。取り付けフランジは、係合部材がそれに均一に結合されている。取り付けフランジは、係合部材に対して実質的に横方向に、かつ、第1及び第2の脚部に対して平行に延びる。第1及び第2の部品の延長された位置は、第2の部品が組み立てられた位置から約90度回転されている。係合部材は、延長された位置において、第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させるように作働する。
【0008】
更に別の実施形態によると、エアバッグを車両パネルに結合するように適合されたファスナ組立体が、同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分に結合された支持壁を有する第1の部品を含む。固定アームが、フランジ部分の1つから支持壁に対して平行に延びる。対向する第1及び第2の脚部は、それらの間にキャビティを定める。第1の脚部は支持壁に結合され、第2の脚部は固定アームに結合される。第1及び第2の撓み可能ウィングの各々は、第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、かつ、それから自由に延びる。第2の部品は、第1の部品のキャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材を有する。取り付けフランジは、係合部材がこれに均一に結合されている。取り付けフランジは、係合部材に対して実質的に横方向に延びる。支持壁、固定アーム、第1及び第2の脚部、並びに第1及び第2の撓み可能ウィングが、エアバッグの開口部及び車両パネルの開口部の両方の中に摺動可能に受けられるように適合された挿入部分を定める。
【0009】
さらなる適用可能分野は、ここに与えられる説明から明らかになるであろう。この概要における説明及び特定の例は、説明することのみを意図しており、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0010】
ここに記載される図面は、選択された実施形態を説明するためだけのものであり、全ての可能な実施というわけではなく、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の部品と、第1の部品によって受けられる第2の部品とを有するファスナ組立体の上部斜視図である。
【図2】図1の第1の部品の側部立面斜視図である。
【図3】図2の第1の部品の上部平面図である。
【図4】図2の第1の部品の前部立面図である。
【図5】図2の第1の部品の端部立面図である。
【図6】図1の第2の部品の上部斜視図である。
【図7】図6の第2の部品の前部立面図である。
【図8】図6の第2の部品の端部立面図である。
【図9】図6の第2の部品の上部平面図である。
【図10】図1のファスナ組立体の後部斜視図である。
【図11】図10のファスナ組立体の下部平面図である。
【図12】図1のファスナ組立体の前部立面図である。
【図13】図1のファスナ組立体の端部立面図である。
【図14】図1のファスナ組立体を受けるように適合された本体パネルを通って生成された開口部の上部平面図である。
【図15】図14の本体パネルへの、エアバッグと併せた図1のファスナ組立体の組み立ての上部平面図である。
【図16】本体パネルに係合された図15の組立体の下部平面図である。
【図17】図15の組立体に取り付けるように適合されたクリップ部材の前部立面斜視図である。
【図18】図17のクリップ部材を付加するように変更された図15の組立体の上部平面図である。
【図19】図18の組立体の下部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面の幾つかの図を通して、対応する参照番号は対応する部分を示す。
【0013】
ここで、添付の図面を参照して、例示的な実施形態がより完全に説明されるであろう。
【0014】
図1を参照すると、本開示のファスナ組立体10が、嵌合により第2の部品14を受ける第1の部品12を含み、第2の部品14は、第1の部品12内で回転されたとき、第1の部品の要素を撓ませ、完成したロック組立体を生成する。幾つかの実施形態によると、第1の部品12は、曲げ加工、穿孔、打ち抜き加工、及び/又は切削などの多数の作業によって形成された、炭素鋼のような金属とすることができる。第2の部品14は、ポリオキシメチレンのようなポリマー材料から作製することができ、例えば射出成形プロセスを用いて形成することができる。
【0015】
第1の部品12は、第2の脚部18から空間的に分離された第1の脚部16を含む。第1の撓み可能ウィング20が、第1の脚部16に均一に結合される。同様に、しかしながら反対の方向に、第2の撓み可能ウィング22が、図2を参照して示され説明される接触支持壁50に均一に結合される。第1のフランジ部分24は、第1の脚部16から横方向に延び、第1の隆起デテント26を含む。同様に、第2のフランジ部分28は、第2の脚部18から横方向に延び、第2の隆起デテント30を含む。第1及び第2の隆起デテント26、30は、例えば、第1及び第2のフランジ部分24、28が切削される又は打ち抜きされるときに行なわれる陥凹形成作業によって形成することができる。
【0016】
第2の部品14は、第1の部品12の第1の脚部16と第2の脚部18との間に生成されたキャビティ34内に摺動可能に受けられる係合部材32を提供する。第2の部品14は、幾つかの実施形態によるとほぼ円形状に生成される取り付けフランジ36をさらに含むが、この取り付けフランジ36の形状は、円形から、これらに限られるものではないが、楕円形、正方形、矩形等のような他の幾何学的形状まで変わり得る。駆動部材38が、取り付けフランジ36に均一に結合され、取り付けフランジ36に対して横方向に延びる。駆動部材38は、第1の部品12に対して第2の部品14を回転させるためのソケット又はレンチのような工具を受けるように適合された複数の工具駆動面を含む。第1及び第2のフランジ・ポート42、44が、駆動部材38を中心として反対側に配置される。第1及び第2のフランジ・ポート42、44の機能は、図19を参照して説明される。
【0017】
図2を参照すると、第1の部品12は、第1の可撓性アーム46をさらに含み、この第1の可撓性アーム46は、細長いスロット48の幅及び長さに基づいて、第1の可撓性アーム46の撓み特性を、よって、第2の撓み可能ウィング22のばね力を変えるように適合された細長いスロット48を含むことができる。第1の可撓性アーム46は、支持壁50に均一に結合され、例えば、支持壁50との接合部において第1の可撓性アーム46を曲げることによって形成することができる。支持壁50は、図2に示される例示的な実施形態において、曲げ区域を定める接合部分52によって、第1及び第2のフランジ部分24、28の両方に均一に結合される。
【0018】
第1の固定アーム54が、第1のフランジ部分24に対してほぼ横方向に配向される。同様に、第2の固定アーム56が、第2のフランジ部分28に対してほぼ横方向に配向される。第1及び第2の固定アーム54、56の各々は、それぞれ第1及び第2のフランジ部分24、28の均一な延長部である。第1の固定アーム54は、第1の撓み可能ウィング20(この図には示されていない)を第1の部品12に結合させる。係合部材受けスロット58が、第1のフランジ部分24と第2のフランジ部分28との間に定められる。タブ60が、支持壁50から均一に延び、第1及び第2のフランジ部分24、28の両方の接触面又は下部面に向いたタブ面62を生成する。タブ60及びタブ面62の目的は、図15を参照して説明される。タブ60は、第1及び第2の固定アーム54、56の反対側に延びる。
【0019】
図3を参照すると、第1の弧状スロット66が、係合部材受けスロット58から第2のフランジ部分28内に部分的に延びる。同様に、しかしながら反対向きに、第2の弧状スロット68が、係合部材受けスロット58の方に通じる第1のフランジ部分24内に部分的に延びる。フランジ接触幅「A」は、第1及び第2のフランジ部分24、28の対向する端部によって与えられる。係合部材受けスロット58について、スロット幅「B」が定められる。第1の撓み可能ウィング20及び第2の撓み可能ウィング22の反対向きの配向は、図3において明らかである。
【0020】
図4及び図5を参照すると、挿入部分69が、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22、第1及び第2の可撓性アーム46、70、支持壁50、並びにタブ60の組み合わせによって定められる。挿入部分の幅「C」が、第1の可撓性アーム46の外面と第2の可撓性アーム70の外面との間に定められる。第1の撓み可能ウィング20は、第2の可撓性アーム70によって支持壁50に均一に結合される。図4に示される、撓んでいない状態の第1及び第2の撓み可能ウィング20、22が、第1の可撓性アーム46及び第2の可撓性アーム70の外向き面によって確立された、挿入部分幅「C」を定める対向する面内に配置されるか、又はそれらの対向する面より外方に延びないことが望ましい。タブ60のタブ面62と接触面64との間に、間隔寸法「D」が定められる。第1及び第2の隆起デテント26、30の各々は、デテント高さ「E」だけ、第1及び第2のフランジ部分24、28の上方に延びる。幾つかの実施形態によると、デテント高さ「E」は、1ミリメートル未満である。具体的に図5を参照すると、支持壁50の外向き面と、第1及び第2の固定アーム54、56の各々について定められた固定アームの外向き面72との間に、挿入部分の長さ「F」が定められる。
【0021】
図6を参照すると、係合部材32が、取り付けフランジ36から延び、駆動部材38に対して反対側に向けられる。係合部材32の第1の端部に、第1の係合壁74が設けられる。同様に、係合部材32の反対端に、第2の係合壁76が設けられる。第1及び第2の係合壁74、76は、互いに対して逆方向にすることができる。
【0022】
図7及び再び図1を参照すると、第2の部品14は、係合部材32を取り付けフランジ36に均一に結合するネック領域78をさらに含む。ネック領域78は、幾つかの実施形態によると約5.8mmである、係合部材32の係合部材幅「G」より狭い幅を有する。ネック領域78は、第1の部品12の係合部材受けスロット58内に摺動可能に受けられるように適合され、第1及び第2のフランジ部分24、28の第1の側に配置された取り付けフランジ36と、第1及び第2のフランジ部分24、28の反対側に配置された係合部材32とを有する。取り付けフランジ36は、取り付きフランジ厚「H」を有する。幾つかの実施形態による取り付けフランジ厚「H」は、約1.2mmであり、この取り付けフランジ厚「H」は、第2の部品14が第1の部品12内に受けられたとき、第1の部品12の第1及び第2のフランジ部分24、26と係合するために取り付けフランジ36を強化するように選択される。
【0023】
図8及び再び図1を参照すると、第2の部品14は、両端部において、取り付けフランジ36の下面82及び係合部材32の上面83に均一に結合された第1のピン80及び第2のピン81をさらに含む。第1のピン80は、第2のピン81からネック領域78を中心として反対側に配置される。第1及び第2のピン80、81の長さは、第1及び第2のフランジ部分24、26の厚さと実質的に等しいか又はこれより厚いので、第1の部品12が第2の部品14に結合されるとき、第1及び第2のフランジ部分24、26の部分は、下面82と上面83との間に摺動可能に嵌合することができる。係合部材32について、係合部材高さ「J」が定められ、この係合部材高さ「J」は、係合部材32をキャビティ34の全体にわたって垂直方向に延ばすように選択される。
【0024】
図9及び再び図8を参照すると、幾つかの実施形態によれば、取り付けフランジ36は、形状が円形であり、約18.0mmの取り付けフランジ直径「K」を有する。係合部材32は、基部部分84から遠ざかるように自由に延びる第1及び第2の係合壁74、76を有するほぼ矩形の形状を定める。基部部分84の外側コーナー部の各々に、半径コーナー部(radius corner)85、85´、85´´、85´´´が設けられ、半径コーナー部85、85´´は、第1及び第2の係合壁74、76の各々の高さ「J」の全体にわたってさらに延びる。第1及び第2のピン80、81は、それぞれ第1及び第2の係合壁74、76に近接して配置される。
【0025】
図10を参照すると、第2の部品14を挿入方向「X」に摺動させることによって、第2の部品14が第1の部品12と係合される。第2の部品14は、第1及び第2の隆起デテント26、30を下向きに押し付けている(図10の下部の方向に見て)取り付けフランジ36が、第1及び第2のフランジ部分24、28を該取り付けフランジ36から遠ざかるように撓ませ、取り付けフランジ36が第1及び第2の隆起デテント26、30の各々を超えて摺動し、付勢力が第1及び第2のフランジ部分24、28を戻すし、その結果、取り付けフランジ36が第1及び第2のフランジ部分24、28の上向き面89、89´に直接接触するまで、挿入方向「X」に移動される。(第1及び第2のフランジ部分24、28から遠ざかる)取り付けフランジ36の制限された撓みは、組み立て中にも生じ得る。第1及び第2の部品12、14のこの「組み立てられた位置」が確立された後、取り付けフランジ36の取り付けフランジ外壁86と第1及び第2の隆起デテント26、30との間の接触が、第2の部品14の解放方向「Y」への後退に抵抗するように働く。ファスナ組立体10の複数のユニットが輸送される際、振動、ファスナ間の接触、ファスナ組立体の重さ等のためにファスナ組立体10が荷重に曝されたとき、隆起デテント26、30が、取り付けフランジ36及び第2の部品14を保持する。幾つかの実施形態によると、第1の隆起デテント26又は第2の隆起デテント30の1つだけが存在し、組み立てられた位置を保持するために用いられる。
【0026】
図11を参照すると、ファスナ部分組立体(sub−assembly)88を生成するために、第1の係合壁74又は第2の係合壁76のいずれかが支持壁50の内面90に接触するように、係合部材32が第1の部品12の係合部材受けスロット58内に摺動可能に受けられる。ファスナ部分組立体88は、係合部材32の配向に制限されない。第1の係合壁74又は第2の係合壁76のいずれかを第1の部品12及び接触支持壁50内に受け、係合部材32の確実な停止部を確立することができる。図示のように係合部材32を受けた状態で、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22の各々は、それらの撓んでいない位置に維持され、第1の係合壁74又は第2の係合壁76に接触しない。
【0027】
図12及び図13の両方を参照すると、第1及び第2の部品12、14が組み立てられ、ファスナ部分組立体88を生成すると、幾つかの実施形態によると約13.7mmである部分組立体高さ「L」が定められる。挿入部分幅「C」及び挿入部分長さ「F」は、部分組立体88への第1及び第2の部品12、14の組み立てに影響を受けない。タブ60の延長部分は、挿入部分長さ「F」に含まれない。
【0028】
図14、並びに再び図12及び図13の両方を参照すると、ファスナ部分組立体88の一部を、自動車のような車両のパネル94内に生成されたファスナ受け開口部92内に挿入することができる。ファスナ受け開口部92は、ファスナ部分組立体88の矩形形状の開口部のコーナー部の各々に、内側半径コーナー部96を含むことができる。ファスナ受け開口部92はまた、開口部幅「M」及び開口部高さ「N」も含む。幾つかの実施形態によると、開口部幅「M」及び開口部高さ「N」は、例えば約16.0mmといった等しい寸法にしてもよく、或いは、ファスナ部分組立体88の挿入部分幅「C」及び挿入部分長さ「F」に対して摺動する隙間を可能にするように予め定められた、異なる寸法にしてもよい。従って、ファスナ受け開口部92内にファスナ部分組立体88の部分を摺動可能に受けることができる。
【0029】
図15、及び再び図12−図14を参照すると、ファスナ組立体10を用いて、エアバッグ組立体を自動車車両のパネルに結合することができる。これを達成するために、ファスナ受け開口部92と同じサイズの又はこれより小さい開口部(図示せず)が、エアバッグ98内に生成される。図12に示されるファスナ部分組立体88の挿入部分99に摩擦嵌めを提供するように、この開口部はファスナ受け開口部92より小さいものである。挿入部分99は、第2の部品14の係合部材32と、第1の部品12の第1及び第2の撓み可能ウィング20、22と、支持壁50とを含む。エアバッグ98は、ファスナ部分組立体88の挿入部分99が内部に受けられるとき、エアバッグ98を通って形成される開口部の周りの領域における材料が一時的に撓むのを可能にするように、十分に可撓性のあるものである。挿入部分99は、第1の部品12の第1及び第2のフランジ部分24、28がエアバッグ98に直接接触するまで、エアバッグ98の受け開口部内に押し付けられる。エアバッグ98へのファスナ組立体10の取り付けは、エアバッグ製造者において行なうことができ、次いで、組み合わせられたエアバッグ98及びファスナ組立体10の組立品を、エアバッグ組立体の取り付け技術者に輸送することができる。
【0030】
ファスナ組立体10及びエアバッグ98の組立品が自動車車両内に取り付けられるとき、図15に示されるようにエアバッグ98がパネル94に直接接触するまで、挿入部分99をパネル94のファスナ受け開口部92内に挿入する。図15において、エアバッグ98は部分的にのみ示されており、車両パネル94も見ることができる。この時点で、レンチ又はソケット(図示せず)のような工具を駆動部材38に適用し、駆動部材38は、約90度の回転だけ時計回りの回転弧「Z」で、第1の部品12に対して(第2の部品14と共に)回転される。示されるように、この90度の回転により、第1及び第2のフランジ・ポート42、44が再配置される。
【0031】
図16及び再び図14を参照すると、第2の部品14が約90度回転されると、第2の係合壁76の半径コーナー部85´´が、最初に第1の撓み可能ウィング20に接触し、その後、第2の係合壁76が、第1の撓み可能ウィング20を第1のウィング撓み方向「W1」に移動させる。回転中、第1の係合壁74の半径コーナー部85は、最初に第2の撓み可能ウィング22に接触し、その後、第1の係合壁74が、第2の撓み可能ウィング22を、第1のウィング撓み方向「W1」とは反対の第2のウィング撓み方向「W2」に移動させる。これにより、どちらもファスナ組立体10の組み立てられた位置から(互いから遠ざかるように)外方に移動された第1及び第2の撓み可能ウィング20、22を有する、第1及び第2の部品12、14の「延長された位置」がもたらされる。延長された位置において、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22は、パネル94の上に、ファスナ受け開口部92の縁部を超えて延び、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22がパネル94に接触し、ファスナ受け開口部92から挿入部分99が後退しないようにするのを可能にするとき、「完成した組立体」100が生成される。
【0032】
図15及び図16の両方を参照すると、反時計回りの回転弧「Z」により、第1及び第2の係合壁74、76の半径コーナー部85、85´´が、最初に第1及び第2の可撓性アーム44、46に接触することが可能になることが留意される。この回転経路は、第1及び第2の撓み可能ウィング20、22の撓みを滑らかに移行させ、回転を妨げる可能性がある、第1及び第2の係合壁74、76の平坦な端面と第1及び第2の撓み可能ウィング20、22との間の接触を防止する。
【0033】
第1の部品12に対する第2の部品14の回転を助けるために、図8、図9及び図16をさらに参照して、第2の部品14が時計回りの係合方向「Z」に回転されるとき、第1及び第2のピン80、81が、第1の部品12の第1及び第2の弧状スロット66、68内に受けられる。第2の部品14の回転中、第1及び第2のピン80、81は、第1及び第2の弧状スロット66、68の壁101、101´に接触し、第2の部品14の実質的に円形状の回転経路を維持することができる。反時計回りの係合方向「Z」を用いる代わりに第2の部品14の時計回りの回転を試みた場合、第2の部品14の90度の回転を行なうことができる前に、第1及び第2のピン80、81が、係合部材受けスロット58の側壁に接触することにも留意される。
【0034】
図17−図19を参照すると、第1の部品12に対する第2の部品14の回転に続いて、ファスナ組立体10に関係なく、クリップ部材102のような別個の部品を取り付けることによって、完成した組立体100の随意的な視覚インジケータを設けることもできる。クリップ部材102は、長手方向部材106から横方向に延びる矢印形状の撓み可能部材104を含む。例えば、長手方向部材106はまた、付加的な支持部材のサービスを配線組立体に提供することもできる。図18及び図19に示されるように、矢印形状の撓み可能部材104がキャビティ34の一部を通って延びるまで、矢印形状の撓み可能部材104が、フランジ・ポートの1つ、この例においては第2のフランジ・ポート44(これらの図では、はっきりと見えない)の中に挿入される。矢印形状の撓み可能部材104の対向する壁が互いに圧縮し、次いで、図19に示される位置に互いから遠ざかるように外方にスナップ嵌めするとき、矢印形状の撓み可能部材104によって付勢力が生成される。キャビティ34を通した挿入に続いて、矢印形状の撓み可能部材104の付勢力が、クリップ部材102を所定の位置にロックし、図18に示されるように、完成した組立体100が適切に配置されたことを視覚的に表示する。矢印形状の撓み可能部材104の取り付けは、第1の部品12に対する第2の部品14の回転に対するさらなる抵抗ももたらす。クリップ部材102は、ファスナ組立体10の部品部材を形成するものではないが、完成した組立体100の随意的な可視表示として、上述したようにクリップ部材102を用いることができる。
【0035】
本開示のファスナ組立体10は、幾つかの利点を提供する。ファスナ組立体10の取り付け中、第2の部品14の必要とされる回転をほぼ90度に制限することによって、エアバッグ組立体に必要とされるこれまでの周知のファスナ組立体と比べて、ファスナ組立体10を取り付けるための時間が低減される。対向する撓み可能ウィング20、22を延長するために第2の部品14の90度の回転を用いることによって、ファスナ組立体10を恒久的に位置決めし、エアバッグ98が展開した場合のファスナ組立体10の移動を防止することができる。ファスナ組立体10はまた、第1及び第2の隆起デテント26、30も含み、これらに丸みをつけて、第1及び第2の部品12、14の部分組立体を作り、エアバッグ組立体の製造者に別個に輸送するのを可能にすることができる。輸送中、第1及び第2の隆起デテント26、30は、第2の部品14を第1の部品12内に保持する。一旦エアバッグ98及び車両パネル94へのファスナ組立体10の完成した組立体100が完成すると、第2の部品14の取り付けフランジ36内のフランジ・ポートを使用して、視覚確認装置も取り付けられる。
【0036】
実施形態の前述の説明は、例証及び説明のために与えられたものである。これは、網羅的であること又は本発明を制限することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、通常、特定の実施形態に制限されるものではないが、該当する場合には交換可能であり、具体的に示され説明されない場合でも、選択された実施形態において用いることができる。特定の実施形態の個々の要素又は特徴はまた、様々な点で変えることもできる。こうした変形は、本発明からの逸脱とみなすべきではなく、全てのこうした修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0037】
例示的な実施形態は、本開示が完全なものであり、その範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を与えるために、特定の部品、装置、及び方法の例のような多数の特定の詳細が述べられる。特定の詳細を用いる必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化できること、及びいずれも本開示の範囲を制限するように解釈すべきではないことが、当業者には明らかであろう。幾つかの例示的な実施形態においては、周知のプロセス、周知の装置構造体、及び周知の技術の詳細は説明されていない。
【0038】
本明細書に用いられる用語は、特定の例示的な実施形態だけのためのものであり、制限することを意図するものではない。本明細書に用いられる単数の形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに特段の定めがない限り、複数の形態も含ませることを意図し得る。「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」及び「有している(having)」という用語は、包括的なものであり、よって、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を指定するが、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。本明細書に説明される方法ステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序が具体的に特定されていない限り、必ずしも説明された又は示された特定の順序での実行を必要とすると解釈すべきではない。付加的なステップ又は代替的なステップを用い得ることも理解するべきである。
【0039】
要素又は層が別の要素又は層の「上に(on)」ある、これに「係合される(engaged)」、「結合される(connected)」、又は「連結される(coupled)」と言われるとき、その要素又は層が、直接他の要素又は層の上にあり、係合され、結合され、又は連結されてもよく、或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素又は層が別の要素又は層の「直接上に(directly on)」ある、これに「直接係合される(directly engaged)」、「直接結合される(directly connected)」、又は「直接連結される(deirectly coupled)」と言われるとき、介在する要素又は層は存在することはできない。要素間の関係を説明するために用いられる他の語も、同様に解釈すべきである(例えば、「の間に(between)」対「の直接間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)」対「直接隣接して(directly adjacent)」)。
【0040】
種々の要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域を説明するために、第1、第2、第3等の用語を本明細書で用いることがあるが、これらの要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域は、これらの用語に制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成部品、領域、層、又は区域と、別の領域、層、又は区域を区別するためだけに用いることができる。本明細書で用いられた場合の「第1」、「第2」、及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明白に示されない限り、シーケンス又は順序を意味するものではない。従って、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、下記に説明される第1の要素、構成部品、領域、層、又は区域を、第2の要素、構成部品、領域、層、又は区域と名付けることができる。
【0041】
図に示されるような別の要素又は特徴に対する或る要素又は特徴の関係を説明するために、説明を簡単にするために、本明細書において「内側(inner)」、「外側(outer)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上方(above))、「上部(upper)」等といった空間的に相対的な用語を用いることができる。空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用又は動作中の装置の異なる配向を含むように意図し得る。例えば、図の装置がひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあるものとして説明された要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されることになる。従って、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の配向を含み得る。装置を別な方法で配向することもでき(90度回転させる、又は他の配向で)、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子は、それに従って解釈される。
【0042】
実施形態の前述の説明は、例証及び説明のために与えられたものである。これは、網羅的であること又は本発明を制限することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、通常、特定の実施形態に制限されるものではないが、該当する場合には交換可能であり、具体的に示され説明されない場合でも、選択された実施形態において用いることができる。特定の実施形態の個々の要素又は特徴はまた、様々な点で変えることもできる。こうした変形は、本発明からの逸脱とみなすべきではなく、全てのこうした修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0043】
例示的な実施形態は、本開示が完全なものであり、その範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を与えるために、特定の部品、装置、及び方法の例のような多数の特定の詳細が述べられる。特定の詳細を用いる必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化できること、及びいずれも本開示の範囲を制限するように解釈すべきではないことが、当業者には明らかであろう。幾つかの例示的な実施形態においては、周知のプロセス、周知の装置構造体、及び周知の技術の詳細は説明されていない。
【0044】
本明細書に用いられる用語は、特定の例示的な実施形態だけのためのものであり、制限することを意図するものではない。本明細書に用いられる単数の形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに特段の定めがない限り、複数の形態も含ませることを意図し得る。「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」及び「有している(having)」という用語は、包括的なものであり、よって、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を指定するが、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。本明細書に説明される方法ステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序が具体的に特定されていない限り、必ずしも説明された又は示された特定の順序での実行を必要とすると解釈すべきではない。付加的なステップ又は代替的なステップを用い得ることも理解するべきである。
【0045】
要素又は層が別の要素又は層の「上に(on)」ある、これに「係合される(engaged)」、「結合される(connected)」、又は「連結される(coupled)」と言われるとき、その要素又は層が、直接他の要素又は層の上にあり、係合され、結合され、又は連結されてもよく、或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素又は層が別の要素又は層の「直接上に(directly on)」ある、これに「直接係合される(directly engaged)」、「直接結合される(directly connected)」、又は「直接連結される(deirectly coupled)」と言われるとき、介在する要素又は層は存在することはできない。要素間の関係を説明するために用いられる他の語も、同様に解釈すべきである(例えば、「の間に(between)」対「の直接間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)」対「直接隣接して(directly adjacent)」)。本明細書に用いられる「及び/又は(and/or)」という用語は、列挙された関連項目の1つ又はそれ以上のいずれかの及び全ての組み合わせを含む。
【0046】
種々の要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域を説明するために、第1、第2、第3等の用語を本明細書で用いることがあるが、これらの要素、構成部品、領域、層、及び/又は区域は、これらの用語に制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成部品、領域、層、又は区域と、別の領域、層、又は区域を区別するためだけに用いることができる。本明細書で用いられた場合の「第1」、「第2」、及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明白に示されない限り、シーケンス又は順序を意味するものではない。従って、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、下記に説明される第1の要素、構成部品、領域、層、又は区域を、第2の要素、構成部品、領域、層、又は区域と名付けることができる。
【0047】
図に示される別の要素又は特徴に対する或る要素又は特徴の関係についての説明では、説明を簡単にするために、本明細書において「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」等といった空間的に相対的な用語を用いた個所がある。空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用又は動作中の装置の異なる配向を含むように意図されている場合がある。例えば、図の装置が上下転倒された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあるものとして説明された要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されることになる。従って、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の配向を含み得る。装置を別な方法で配向することもでき(90度回転させる、又は他の配向で)、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子は、それに従って解釈される。
【符号の説明】
【0048】
10:ファスナ組立体
12:第1の部品
14:第2の部品
16、18:脚部
20、22:撓み可能ウィング
24、28:フランジ部分
26、30:隆起デテント
32:係合部材
34:キャビティ
36:取り付けフランジ
38:駆動部材
42、44:フランジ・ポート
46、70:可撓性アーム
48:スロット
50:支持壁
54、56:固定アーム
58:係合部材受けスロット
60:タブ
62:タブ面
66:弧状スロット
69:挿入部分
74、76:係合壁
78:ネック領域
80、82:ピン
84:基部部分
85、85´、85´´、85´´´:半径コーナー部
88:ファスナ部分組立体
92:ファスナ受け開口部
94:車両パネル
98:エアバッグ
99:挿入部分
100:完成した組立体
102:クリップ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それらの間にキャビティを定める対向する第1及び第2の脚部と、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、そこから自由に延びる第1及び第2の撓み可能ウィングとを有し、前記第1の撓み可能ウィングは前記第2の撓み可能ウィングに対して反対側に延びる、第1の部品と、
前記第1の部品の前記キャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材と、
これに均一に結合された前記係合部材を有し、該係合部材に対して実質的に横方向に延びる取り付けフランジと、
を有する第2の部品と、
前記係合部材が前記キャビティ内に摺動可能に配置された前記第1及び第2の部品の組み立てられた位置と、前記第2の部品が前記組み立てられた位置から約90度回転された該第1及び第2の部品の延長された位置と、
を含み、
前記係合部材は、前記第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させることを特徴とするファスナ組立体。
【請求項2】
前記第1の部品は、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、かつ、両方とも該第1及び第2の脚部に対して実質的に横方向に配向される、同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のファスナ組立体。
【請求項3】
前記第1及び第2のフランジ部分は、互いから分離され、それらの間に係合部材受けスロットを定めており、該第1及び第2のフランジ部分の各々は、前記係合部材受けスロットに通じる弧状スロットを含むことを特徴とする、請求項2に記載のファスナ組立体。
【請求項4】
前記取り付けフランジと前記係合部材との間に延び、各々が前記第2の部品の回転中に前記第1及び第2の弧状スロットの1つの中に受けられる、第1及び第2のピンをさらに含み、前記第1及び第2のピンと該第1及び第2の弧状スロットの壁との接触は、該第2の部品の実質的に円形の回転を保持するように働くことを特徴とする、請求項3に記載のファスナ組立体。
【請求項5】
各々が前記第1及び第2のフランジ部分の1つの上に生成された第1及び第2の隆起デテントをさらに含み、前記第1及び第2の隆起デテントは、前記組み立てられた位置にあるとき、前記第1の部品からの前記第2の部品の後退に抵抗するように、前記取り付けフランジの外壁に接触するように働くことを特徴とする、請求項2に記載のファスナ組立体。
【請求項6】
前記取り付けフランジに均一に結合された駆動部材をさらに含み、前記駆動部材及び前記係合部材は前記取り付けフランジの両側から延びていることを特徴とする、請求項1に記載のファスナ組立体。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記第2の部品を前記第1の部品に対して回転させるために、駆動工具により解放可能に係合するように適合された複数の工具係合面を含むことを特徴とする、請求項6に記載のファスナ組立体。
【請求項8】
前記第1の部品は、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、両方とも該第1及び第2の脚部に実質的に横方向に配向され、互いから分離された、それらの間に係合部材受けスロットを定める、同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載のファスナ組立体。
【請求項9】
前記取り付けフランジを前記係合部材に結合するネック領域をさらに含み、前記ネック領域は、前記係合部材より狭く、該ネック領域が前記係合部材受けスロット内に受けられたときに、前記第1及び第2のフランジ部分の対向する縁部に摺動可能に係合するように適合されることを特徴とする、請求項8に記載のファスナ組立体。
【請求項10】
互いから分離され、それらの間に係合部材受けスロットを定め、各々が、互いから分離され、それらの間にキャビティを定める第1及び第2の脚部の1つを有する、均一に結合された2つのフランジ部分と、前記第1の脚部に対して横方向に配向され、かつ、第1のアームから自由に延びる第1の撓み可能ウィングを有する第1のアームと、前記第2の脚部に対して横方向に配向され、かつ、第2のアームから自由に延びる第2の撓み可能ウィングを有する第2のアームとを有する金属の第1の部品と、
前記第1又は第2の撓み可能ウィングに接触することなく前記第1の部品の前記キャビティ内に受けられるように適合され、前記第1及び第2の部品の組み立てられた位置を定める、係合部材と、
前記係合部材がこれに均一に結合され、該係合部材に対して実質的に横方向に、かつ、前記第1及び第2の脚部に対して平行に延びる、取り付けフランジと、
を有するポリマーの第2の部品と、
前記第2の部品が前記組み立てられた位置から約90度回転された前記第1及び第2の部品の延長された位置と、
を含み、前記係合部材は、前記延長された位置において、前記第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させるように働くことを特徴とするファスナ組立体。
【請求項11】
前記第1の部品は、前記フランジ部分に結合され、これに対して横方向に配向された支持壁を含み、前記第1のアームは、前記支持壁に均一に結合されることを特徴とする、請求項10に記載のファスナ組立体。
【請求項12】
前記フランジ部分の第1のものから横方向に、かつ、前記支持壁に対して実質的に平行に延びる固定アームをさらに含み、前記第2のアームは、前記固定アームに均一に結合されることを特徴とする、請求項11に記載のファスナ組立体。
【請求項13】
前記支持壁から外方に延び、前記フランジ部分の接触面に向いて配向されたタブ面を有するタブをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のファスナ組立体。
【請求項14】
前記第1及び第2のアームの各々は、該第1及び第2のアームの各々を曲げることによってもたらされる付勢力を制御するように適合された細長いスロットを含むことを特徴とする、請求項10に記載のファスナ組立体。
【請求項15】
前記第2の部品は、前記取り付けフランジを前記係合部材に結合するネック領域をさらに含み、前記ネック領域は、該係合部材より狭く、該ネック領域が前記係合部材受けスロット内に受けられるときに、前記フランジ部分の対向する縁部に摺動可能に係合するように適合されることを特徴とする、請求項10に記載のファスナ組立体。
【請求項16】
エアバッグを車両パネルに結合するように適合されたファスナ組立体であって、
同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分に結合された支持壁と、前記フランジ部分の1つから前記支持壁に対して平行に延びる固定アームと、それらの間にキャビティを定める対向する第1及び第2の脚部と、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、かつ、それから自由に延びる第1及び第2の撓み可能ウィングとを有する第1の部品と、
前記第1の部品の前記キャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材と、
前記係合部材がこれに均一に結合され、該係合部材に対して実質的に横方向に延びている、取り付けフランジと、
を有する第2の部品と、
を含み、
前記支持壁、前記固定アーム、前記第1及び第2の脚部、並びに前記第1及び第2の撓み可能ウィングは、エアバッグの開口部及び車両パネルの開口部の両方の中に摺動可能に受けられるように適合された挿入部分を定めることを特徴とするファスナ組立体。
【請求項17】
前記第1及び第2のフランジ部分の1つの上に生成された少なくとも1つの隆起デテントを備え、前記係合部材は、該係合部材と前記第1及び第2の撓み可能ウィングとの間の接触することなく前記キャビティ内に摺動可能に配置され、前記少なくとも1つの隆起デテントと接触状態にある前記取り付けフランジは、前記第1及び第2の部品の組み立てられた位置を定めることを特徴とする、請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項18】
前記係合部分の対向する第1及び第2の係合壁をさらに含み、前記第1及び第2の部品の延長された位置において、該第2の部品は、前記組み立てられた位置から約90度回転されるので、該係合部材の前記第1及び第2の係合壁の各々は、前記第1及び第2の撓み可能ウィングの1つを互いに反対の方向に移動させ、前記開口部を超えて前記本体パネルの上に延びるとき、該第1及び第2の撓み可能ウィングは、その後、該車両パネルの該開口部から前記挿入部分が後退しないようにすることを特徴とする、請求項17に記載のファスナ組立体。
【請求項19】
前記少なくとも1つの隆起デテントは、各々が前記第1及び第2のフランジ部分の1つの上に生成された第1及び第2の隆起デテントを含み、両方とも前記取り付けフランジの外壁に接触する前記第1及び第2の隆起デテントは、前記第1の部品から前記第2の部品の除去に抵抗するように働くことを特徴とする、請求項17に記載のファスナ組立体。
【請求項20】
前記第1及び第2のフランジ部分の接触面に向けて配向されたタブ面を有する、前記支持壁から外方に延びるタブをさらに含み、前記挿入部分は、前記エアバッグの前記開口部内に挿入され、該エアバッグは、一時的組立体における該第1及び第2のフランジ部分の前記タブ面と前記接触面との間に配置されることを特徴とする、請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項21】
前記第1及び第2のフランジ部分は、互いから分離され、これらの間に係合部材受けスロットを定め、該第1及び第2のフランジ部分の各々は、前記係合部材受けスロットに通じる弧状スロットを含むことを特徴とする、請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項22】
前記取り付けフランジと前記係合部材との間に延び、各々が前記第2の部品の回転中に前記第1及び第2の弧状スロットの1つの中に受けられる、第1及び第2のピンをさらに含み、前記第1及び第2のピンと該第1及び第2の弧状スロットの壁との接触は、該第2の部品の実質的に円形の回転を保持するように働くことを特徴とする、請求項21に記載のファスナ組立体。
【請求項23】
前記第1のフランジ部分と前記第2のフランジ部分との間に定められる係合部材受けスロットと、
前記取り付けフランジを通って生成された第1及び第2のフランジ・ポートと、
前記係合部材受けスロットの一部と共に位置合わせされたとき、前記第1及び第2のフランジ・ポートの1つの中に受けられる矢印形状の撓み可能部材を有し、前記エアバッグ及び前記車両パネルへの前記ファスナ組立体の完成した組立体を視覚的に示すように作働可能なクリップ部材と、
さらに含むことを特徴とする請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項1】
それらの間にキャビティを定める対向する第1及び第2の脚部と、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、そこから自由に延びる第1及び第2の撓み可能ウィングとを有し、前記第1の撓み可能ウィングは前記第2の撓み可能ウィングに対して反対側に延びる、第1の部品と、
前記第1の部品の前記キャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材と、
これに均一に結合された前記係合部材を有し、該係合部材に対して実質的に横方向に延びる取り付けフランジと、
を有する第2の部品と、
前記係合部材が前記キャビティ内に摺動可能に配置された前記第1及び第2の部品の組み立てられた位置と、前記第2の部品が前記組み立てられた位置から約90度回転された該第1及び第2の部品の延長された位置と、
を含み、
前記係合部材は、前記第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させることを特徴とするファスナ組立体。
【請求項2】
前記第1の部品は、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、かつ、両方とも該第1及び第2の脚部に対して実質的に横方向に配向される、同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のファスナ組立体。
【請求項3】
前記第1及び第2のフランジ部分は、互いから分離され、それらの間に係合部材受けスロットを定めており、該第1及び第2のフランジ部分の各々は、前記係合部材受けスロットに通じる弧状スロットを含むことを特徴とする、請求項2に記載のファスナ組立体。
【請求項4】
前記取り付けフランジと前記係合部材との間に延び、各々が前記第2の部品の回転中に前記第1及び第2の弧状スロットの1つの中に受けられる、第1及び第2のピンをさらに含み、前記第1及び第2のピンと該第1及び第2の弧状スロットの壁との接触は、該第2の部品の実質的に円形の回転を保持するように働くことを特徴とする、請求項3に記載のファスナ組立体。
【請求項5】
各々が前記第1及び第2のフランジ部分の1つの上に生成された第1及び第2の隆起デテントをさらに含み、前記第1及び第2の隆起デテントは、前記組み立てられた位置にあるとき、前記第1の部品からの前記第2の部品の後退に抵抗するように、前記取り付けフランジの外壁に接触するように働くことを特徴とする、請求項2に記載のファスナ組立体。
【請求項6】
前記取り付けフランジに均一に結合された駆動部材をさらに含み、前記駆動部材及び前記係合部材は前記取り付けフランジの両側から延びていることを特徴とする、請求項1に記載のファスナ組立体。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記第2の部品を前記第1の部品に対して回転させるために、駆動工具により解放可能に係合するように適合された複数の工具係合面を含むことを特徴とする、請求項6に記載のファスナ組立体。
【請求項8】
前記第1の部品は、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、両方とも該第1及び第2の脚部に実質的に横方向に配向され、互いから分離された、それらの間に係合部材受けスロットを定める、同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載のファスナ組立体。
【請求項9】
前記取り付けフランジを前記係合部材に結合するネック領域をさらに含み、前記ネック領域は、前記係合部材より狭く、該ネック領域が前記係合部材受けスロット内に受けられたときに、前記第1及び第2のフランジ部分の対向する縁部に摺動可能に係合するように適合されることを特徴とする、請求項8に記載のファスナ組立体。
【請求項10】
互いから分離され、それらの間に係合部材受けスロットを定め、各々が、互いから分離され、それらの間にキャビティを定める第1及び第2の脚部の1つを有する、均一に結合された2つのフランジ部分と、前記第1の脚部に対して横方向に配向され、かつ、第1のアームから自由に延びる第1の撓み可能ウィングを有する第1のアームと、前記第2の脚部に対して横方向に配向され、かつ、第2のアームから自由に延びる第2の撓み可能ウィングを有する第2のアームとを有する金属の第1の部品と、
前記第1又は第2の撓み可能ウィングに接触することなく前記第1の部品の前記キャビティ内に受けられるように適合され、前記第1及び第2の部品の組み立てられた位置を定める、係合部材と、
前記係合部材がこれに均一に結合され、該係合部材に対して実質的に横方向に、かつ、前記第1及び第2の脚部に対して平行に延びる、取り付けフランジと、
を有するポリマーの第2の部品と、
前記第2の部品が前記組み立てられた位置から約90度回転された前記第1及び第2の部品の延長された位置と、
を含み、前記係合部材は、前記延長された位置において、前記第1及び第2の撓み可能ウィングの両方を互いから遠ざかるように移動させるように働くことを特徴とするファスナ組立体。
【請求項11】
前記第1の部品は、前記フランジ部分に結合され、これに対して横方向に配向された支持壁を含み、前記第1のアームは、前記支持壁に均一に結合されることを特徴とする、請求項10に記載のファスナ組立体。
【請求項12】
前記フランジ部分の第1のものから横方向に、かつ、前記支持壁に対して実質的に平行に延びる固定アームをさらに含み、前記第2のアームは、前記固定アームに均一に結合されることを特徴とする、請求項11に記載のファスナ組立体。
【請求項13】
前記支持壁から外方に延び、前記フランジ部分の接触面に向いて配向されたタブ面を有するタブをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のファスナ組立体。
【請求項14】
前記第1及び第2のアームの各々は、該第1及び第2のアームの各々を曲げることによってもたらされる付勢力を制御するように適合された細長いスロットを含むことを特徴とする、請求項10に記載のファスナ組立体。
【請求項15】
前記第2の部品は、前記取り付けフランジを前記係合部材に結合するネック領域をさらに含み、前記ネック領域は、該係合部材より狭く、該ネック領域が前記係合部材受けスロット内に受けられるときに、前記フランジ部分の対向する縁部に摺動可能に係合するように適合されることを特徴とする、請求項10に記載のファスナ組立体。
【請求項16】
エアバッグを車両パネルに結合するように適合されたファスナ組立体であって、
同一平面上にある第1及び第2のフランジ部分に結合された支持壁と、前記フランジ部分の1つから前記支持壁に対して平行に延びる固定アームと、それらの間にキャビティを定める対向する第1及び第2の脚部と、各々が前記第1及び第2の脚部の1つに均一に結合され、かつ、それから自由に延びる第1及び第2の撓み可能ウィングとを有する第1の部品と、
前記第1の部品の前記キャビティ内に摺動可能に受けられるように適合された係合部材と、
前記係合部材がこれに均一に結合され、該係合部材に対して実質的に横方向に延びている、取り付けフランジと、
を有する第2の部品と、
を含み、
前記支持壁、前記固定アーム、前記第1及び第2の脚部、並びに前記第1及び第2の撓み可能ウィングは、エアバッグの開口部及び車両パネルの開口部の両方の中に摺動可能に受けられるように適合された挿入部分を定めることを特徴とするファスナ組立体。
【請求項17】
前記第1及び第2のフランジ部分の1つの上に生成された少なくとも1つの隆起デテントを備え、前記係合部材は、該係合部材と前記第1及び第2の撓み可能ウィングとの間の接触することなく前記キャビティ内に摺動可能に配置され、前記少なくとも1つの隆起デテントと接触状態にある前記取り付けフランジは、前記第1及び第2の部品の組み立てられた位置を定めることを特徴とする、請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項18】
前記係合部分の対向する第1及び第2の係合壁をさらに含み、前記第1及び第2の部品の延長された位置において、該第2の部品は、前記組み立てられた位置から約90度回転されるので、該係合部材の前記第1及び第2の係合壁の各々は、前記第1及び第2の撓み可能ウィングの1つを互いに反対の方向に移動させ、前記開口部を超えて前記本体パネルの上に延びるとき、該第1及び第2の撓み可能ウィングは、その後、該車両パネルの該開口部から前記挿入部分が後退しないようにすることを特徴とする、請求項17に記載のファスナ組立体。
【請求項19】
前記少なくとも1つの隆起デテントは、各々が前記第1及び第2のフランジ部分の1つの上に生成された第1及び第2の隆起デテントを含み、両方とも前記取り付けフランジの外壁に接触する前記第1及び第2の隆起デテントは、前記第1の部品から前記第2の部品の除去に抵抗するように働くことを特徴とする、請求項17に記載のファスナ組立体。
【請求項20】
前記第1及び第2のフランジ部分の接触面に向けて配向されたタブ面を有する、前記支持壁から外方に延びるタブをさらに含み、前記挿入部分は、前記エアバッグの前記開口部内に挿入され、該エアバッグは、一時的組立体における該第1及び第2のフランジ部分の前記タブ面と前記接触面との間に配置されることを特徴とする、請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項21】
前記第1及び第2のフランジ部分は、互いから分離され、これらの間に係合部材受けスロットを定め、該第1及び第2のフランジ部分の各々は、前記係合部材受けスロットに通じる弧状スロットを含むことを特徴とする、請求項16に記載のファスナ組立体。
【請求項22】
前記取り付けフランジと前記係合部材との間に延び、各々が前記第2の部品の回転中に前記第1及び第2の弧状スロットの1つの中に受けられる、第1及び第2のピンをさらに含み、前記第1及び第2のピンと該第1及び第2の弧状スロットの壁との接触は、該第2の部品の実質的に円形の回転を保持するように働くことを特徴とする、請求項21に記載のファスナ組立体。
【請求項23】
前記第1のフランジ部分と前記第2のフランジ部分との間に定められる係合部材受けスロットと、
前記取り付けフランジを通って生成された第1及び第2のフランジ・ポートと、
前記係合部材受けスロットの一部と共に位置合わせされたとき、前記第1及び第2のフランジ・ポートの1つの中に受けられる矢印形状の撓み可能部材を有し、前記エアバッグ及び前記車両パネルへの前記ファスナ組立体の完成した組立体を視覚的に示すように作働可能なクリップ部材と、
さらに含むことを特徴とする請求項16に記載のファスナ組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−71467(P2010−71467A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213212(P2009−213212)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(504075577)ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (117)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(504075577)ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (117)
【Fターム(参考)】
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