説明

エアロゾル送達可能な製剤

本発明のエアロゾル送達可能な製剤は、圧力をかけた噴射剤ガスを含む圧力容器からのエアロゾルのスプレー、フォームまたはムースの形態で送達でき、液体研磨剤組成物を含むエアロゾル送達可能な製剤であることを特徴とする。特に、1000mPas以下の粘度を有する研磨剤および噴射剤を含むエアロゾル送達可能な製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル送達可能な製剤、すなわち、圧力をかけた噴射剤ガスを含む圧力容器からのエアロゾルのスプレー、フォームまたはムースの形態で送達できる製剤に関する。本発明は液体研磨剤組成物を含むエアロゾル送達可能な製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
液体研磨剤製剤、特に家庭用クリーナーのような液体研磨剤洗浄組成物は周知であり、研磨剤を含有しない組成物ではしばしば完全に除去されない頑固な手におえない土、脂、焼き焦げた物質、およびしみを硬い表面から洗浄するのに非常に有効であり得る。
【0003】
典型的に、液体研磨剤洗浄組成物は、方解石、シリカ、マグネシウムケイ酸などのような研磨剤物質の小さな粒子の水を含む水相の懸濁液を、物理的な安定性および表面特性を与えるための任意の表面活性剤および/またはポリマーとともに含有する。
【0004】
多くの出版物が液体研磨剤洗浄組成物の製剤を取り上げている。例えば、米国特許第5,679,877号は研磨剤を含有する濃縮された液体洗浄組成物を開示している。米国特許第5,286,405号は、濃縮ポリマーの液体研磨剤洗浄組成物について言及している。米国特許第4,911,857号は、水性媒体に懸濁された粒子研磨剤を含む水性液体研磨剤洗浄組成物について記述している。米国特許第4,842,757号は改善された安定性を有する濃縮液体研磨剤洗浄剤に関する。米国特許第4,840,746号は研磨剤である結晶性アルミニウムケイ酸ゼオライト集合物を含む液体洗浄剤組成物を開示している。また、米国特許第4,751,016号、4,302,347号、4,284,533号および3,997,460号はいずれも液体研磨剤洗浄剤を開示している。
【0005】
現在の液体研磨剤洗浄組成物に関わる欠点としては、この組成物が垂直な面に容易に適用できず、またくっつかないということが含まれる。さらに、この組成物は強い擦り/磨きなしで働くとは理解されておらず、結果として消費者には重労働を要するものととられている。加えて、現在の液体研磨剤洗浄組成物は、室温で比較的狭い範囲に希釈せずに用いられるため、限られた芳香効果しか示さない。
【0006】
エアロゾル洗浄フォーム/ムースは周知であり、例えばカーペートの洗浄および風呂洗いに用いられる。これらの製品は、消費者には便利であり、片手で使用でき、また水に予め希釈する必要がないと気に入られている。加えて、消費者には、フォームまたはムースは強い機械的な磨きなしに、一旦噴射されると「汚れに働く」と感じられている。さらに、蓄えられた芳香の持続的な放出を生じる高い比表面面積、およびフォーム/ムース泡の緩慢な崩壊による強い芳香のために、フォーム/ムースは気に入られている。
【0007】
しかしながら、現在のエアロゾル洗浄フォーム/ムースは、頑固な汚れを除去する点で研磨剤洗浄剤ほど効果的ではないと感じられており、「低性能(light duty)」洗剤と考えられている。
【0008】
代表的なエアロゾルのフォーム製品は、国際特許出願WO02/097018号およびカナダ特許第994,634号に記述されている。
【0009】
GB945333号は、噴射ガスの働きによりエアロゾル噴射器のような圧力噴射器から噴射され得る7,000〜30,000センチポアーズ(centipoise)(またはmPas)の粘度を有する注入可能な液体研磨剤洗剤を開示している。
【0010】
WO2004/009049号は、液化噴射ガスの働きにより圧力容器からフォームとして噴射できる濃縮高粘度歯磨き製剤を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、現在のエアロゾル洗浄フォーム/ムースは、頑固な汚れを除去する点で研磨剤洗浄剤ほど効果的ではないと感じられており、「低性能(light duty)」洗剤と考えられている。
【0012】
我々はこの度、驚くべきことに、(GB945333号およびWO2004/009049号に開示された組成物とは異なる)比較的低粘度の液体研磨剤組成物がエアロゾルの形態で送達可能であることを見出した。これまで、固形析出(hard settling)として知られるプロセスにおいて、研磨剤物質の粒子は懸濁液から析出し、エアロゾル容器の底に固体物質の硬い塊を形成することになると考えられていた。また、たとえ研磨剤物質がうまく溶液に懸濁したとしても、噴射時にエアロゾルの柄(stem)、バルブおよび/または作動部(actuator)をブロックするか、または噴射後にバルブが正常に閉じるのを妨害することになると信じられていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
1つの側面において、本発明は、1,000mPas以下の粘度を有する液体研磨剤組成物および噴射剤を含み、エアロゾル送達可能な製剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書で示される粘度値は、特に記載がない限り20℃で測定される。
【0015】
前記液体研磨剤組成物は好ましくは30〜95重量%、より好ましくは60〜92重量%の範囲で存在し、前記噴射剤は好ましくは5〜70重量%、より好ましくは8〜40重量%の範囲で存在する。
【0016】
また本発明は、60〜92重量%の液体研磨剤洗浄組成物、好ましくは1,000mPas以下の粘度を有する液体研磨剤洗浄組成物、および8〜40重量%の噴射剤を含むエアロゾル送達可能な組成物を提供する。
【0017】
前記液体研磨剤組成物は、液体媒体中で懸濁されたか、懸濁し得る研磨物質の粒子を含む。この粒子は貯蔵した液体から析出する恐れがあるが、驚くことに本願発明の製剤における組成物は塊を析出しないことがわかる。したがって、前記粒子は固体物質の硬い塊を形成しない。その替わりに、前記粒子は軽い振とうや撹拌で容易に懸濁液へと再拡散してエアロゾル送達可能な形態になる。驚くべきことに、この現象は比較的低粘度の液体研磨剤組成物でも可能である。したがって、本願発明により、濃縮剤(潜在的にバルブ詰まりの問題を起こし、フォームの製造に適し得ないという製造の複雑さ、時間、および費用を上昇させる)の使用を必要としない単に水に基づく組成物の形態が可能な液体研磨剤組成物のエアロゾルによる送達が可能になる。また、液体研磨剤組成物の機能、例えば洗浄機能を妨害し、処理される表面の望ましくないフィルムを残す可能性がある懸濁助剤の使用の必要がない。したがって、本願発明は簡単だが、安価で効果のある製剤を提供することができる。さらに、これらの製剤はエアロゾル送達可能であるため、たとえ水はけのない垂直な面であってもその面に吸着し易いフォームやムースの形態で送達することができる。
【0018】
前記液体研磨剤組成物および噴射剤は、振とうまたは撹拌でエマルジョンを形成する。このエマルジョンにおいて前記液体研磨剤組成物の研磨物質は前述のように懸濁している。このエマルジョンは、安定であり、エアロゾル送達可能な形態とするために振とうまたは撹拌で容易に再拡散される。
【0019】
後述する液化炭化水素ガスのような、代表的に用いられる噴射剤は一般に非常に非極性の溶媒である。(代表的には水に基づく)液体研磨剤組成物に添加して振とうし、エマルジョンの形態にすると、このエマルジョンはしばらくして分離する傾向にある。この場合、前記噴射剤は液体研磨剤組成物の上に分離した液相を形成することになる。上述のように、前記液体研磨剤組成物内において研磨剤物質の粒子は懸濁液から析出する可能性がある。にもかかわらず、本願発明による製剤を用いると、エマルジョンは長い貯蔵の後でも軽い振とうにより容易に再形成され、エアロゾル送達可能な形態になる。
【0020】
本願発明の製剤は、液体研磨剤組成物および噴射剤を混合し、安定で、振とうにより容易に再拡散し、研磨剤の塊の析出が抑えられるエマルジョンを形成することにより作成することができる。
【0021】
前記製剤は、好ましくはバルブおよび作動部を有するエアロゾル容器のような圧力容器に収納される。前記製剤は従来法により容易に製造することができる。典型的なプロセスにより前記液体研磨剤組成物は容器に収納される。次に噴射ガスを含む容器から空気が追い出される。次にバルブが容器に装着、例えばクリンプ(crimp)される。次に必要量の噴射ガスがバルブを通して容器に注入される。次に容器は振とうされ内容物が均一にされ、エマルジョンにされる。
【0022】
驚くべきことに、得られたエマルジョンは、当業者により選択されるバルブおよび作働部の任意の組合せを装備したエアロゾル装置から、そのバルブ、作働部または本体部を詰まらせることなく送達することができる。噴霧性能およびバルブ性能の点から、試験された種々の異なるバルブおよび作働部を用いて、少なくとも容認できる結果が得られた。これまでで最もよい結果は、ドイチェ・プラジジシオンズ−ヴェンティル社(ドイツ、ハッターシャイム)により供給される種々のバルブおよび作働部を用いて得られている。1つの好ましい組合せには、[円錐(Kegel):2*.020ナイロンgeringt、密閉(Dichtung)、ネオプレンSH74S-90PH-F05-1200-XE、スプリング(Feder):V2Aワイヤ(draht).021長、280P、外枠:ナイロン 4sch kro、受皿(Teller):アルミニウム金/微細粉末(micro puder)PH-F.on]という特性を有するバルブと組み合わせたヴァルカンAPSL.020およびヴァルカンAPSL.025から選択される作働部が含まれる。もう1つの好ましい組合せには、[円錐(Kegal):1*.024ナイロン、A 粉末(puder)schaft 3mm ID1.5、密閉(Dichtung)、ネオプレンSH74S-90PH-F05-1250-XE、スプリング(Feder):V2Aワイヤ(draht).023長、.340P、外枠(Gehause):.080 ナイロン(nyl)kra stu .412 hub、受皿(Teller):アルミニウム金 微細粉末 PHF-F on、上昇管(Steigrohr): STD-PE Inn 3.15、全長205mm]という特性を有するバルブと組み合わせたコスモスAPSL.020F−3MMおよびコスモスAPSL.025F−3MMから選択される作働部が含まれる。
【0023】
本願発明の製剤は適切にはムースまたはフォームとして送達される。これにより、使用者が所望の場合に噴霧し、流出することなく表面にフォームを吸着させることが可能になる。組成物が芳香剤を含む場合、フォームは非エアロゾル液体研磨剤組成物と比べて改善した芳香特性も提供する。
【0024】
液体研磨剤組成物における研磨物質としての使用に適切なのは、例えばドロマイト(dolomite)、析出炭酸カルシウム(アラゴナイト(aragonite))、長石、アルミナ、シリカ、石英および珪岩のような研磨剤のような天然および合成両方の無機研磨剤である。また、研磨物質は1〜4のモー(Moh)スケールの硬度を有するものが好ましい。特に好ましいものは、例えば石灰石のような方解石、英国特許1,345,119号で引用される方解石の形態のような白墨または大理石である。方解石は2.71g/ccの密度を有する。一般に研磨物質の平均粒子サイズは1〜70、通常1〜60、好ましくは1〜50の範囲である。
【0025】
前記研磨物質は、好ましくは2以上3未満のモー硬度を有することになる。
【0026】
本願発明の液体研磨剤組成物が硬い表面洗浄用の研磨剤を含む場合、通常これらは粒子個体として取り込まれることになる。それらは、例えば方解石のような水溶性の種類のものでもよい。この種の適切な物質は欧州特許EP−A−50,887号、EP−A−80,221号、EP−A−140,452号、EP−A−214,540号、およびEP9,942号(全てユニリバー社が権利者)に開示され、これらは水性媒体に懸濁されたものに関する。
【0027】
前記研磨物質は典型的には水に少なくとも実質的に不溶性であるが、水溶性でも水不溶性でもよい。水溶性研磨剤が用いられる場合、製剤による洗浄後に全ての余分の研磨物質が硬い個体表面から洗い流されることを確保するために、水に10℃で5g/L以上の溶解性を有することが好ましい。このようにして、表面から斑点や縞をなくすことができる。
【0028】
液体組成物中に存在する研磨物質の総量は、溶解形態および非溶解形態のいずれにおいても、適切には6〜45重量%、好ましくは10〜40重量%、理想的には15〜40重量%である。本願発明において特定される平均粒子サイズやその他の特徴を有する個体の粒子形態で、通常の貯蔵または10〜40℃の使用温度において、5重量%以上の研磨物質が存在すべきである。
【0029】
前記噴射剤は、当業者に周知の任意の従来からのエアロゾル噴射剤またはさのような噴射剤の組み合わせでもよい。環境上の理由から、現在では、前記噴射剤は好ましくはプロパン、ブタン、イソブタン、またはこれらの混合物のような短鎖炭化水素である。好ましい噴射剤は、20℃における圧力が2〜8バールの範囲にある製剤された炭化水素混合物である。
【0030】
噴射剤の量は、完全なエアロゾル排出に十分であることが好ましい。経済的な理由から、必要以上の噴射剤を使用しない方が好ましい。前記噴射剤は、好ましくは最終製品の5〜70重量%、より好ましくは8〜40重量%含まれる。
【0031】
前記液体研磨剤組成物は、望ましくはエマルジョンの形態ではなく、油脂相を含まないのが適切である。本組成物は典型的には水に基づく。
【0032】
前記液体研磨剤組成物は、利便性より液体研磨剤洗浄組成物であり、好ましくは床、製品表面、風呂、シャワー、流しなどのような典型的には固体表面洗浄用の家事用洗浄剤の形態である。
【0033】
本発明のエアロゾル送達可能な液体研磨剤洗浄組成物は、通常水に基づき、水、および非イオン性表面活性剤(アルコールアルコキシル酸塩)、アニオン性表面活性剤(サルフェート塩、スルフォネート塩を含む)、カチオン性表面活性剤(四級アンモニウム化合物を含む)および両親性表面活性剤(ベタインを含む)のような界面活性剤(表面活性剤);過塩素酸塩(hypochlorite)および過酸化水素のような漂白成分;重合体;酵素;香料(脱芳香香料、消臭香料、防虫香料および/または気分爽快香料を含む);抗菌剤;着色剤;蛍光剤;防腐剤;および酵素安定剤を含む。
【0034】
発明者らは、3以上のオクタノール−水分配係数(低を10とする対数、すなわちlogPとして表される)および250℃以下の沸点を有する芳香成分を少なくとも1種含む芳香組成物が、本発明のエアロゾル送達可能な液体研磨剤組成物に用いられて芳香およびフレッシュ効果(freshening effect)を提供する点で有効であることを見出した。
【0035】
液体研磨剤組成物は、3以上のlogPおよび250℃以下の沸点を有する少なくとも1つの芳香成分を、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらにより好ましくは50重量%以上含む。
【0036】
前記の物質のオクタノール−水分配係数(P)、すなわちオクタノールおよび水における物質の平衡濃度の比率は、親水性および水溶性の測定値として引用文献において周知である(ハーンシュおよびレオ著、ケミカル・レビュー、526〜616頁、1971年、71卷;ハーンシュ、クインラン、およびローレンス著、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、347〜350頁、1968年、33巻を参照されたい)。分配係数の高値は、その低10の対数logPの形でより簡便に示される。logP値が実験的に、すなわち直接的に測定でき、測定されたlogPデータが多くの香料に利用できるときは、logP値は数学的なアルゴリズムを用いて最も簡便に計算され、概略的に評価される。市販され、および/または文献に記述される、いくつかの認知された計算または評価法がある(例えば、エイ・レオ著、ケミカル・レビュー、93巻4号、1281〜1306頁、1993年、「構造からlogPoctの計算」を参照されたい)。しかしながら、全ての化合物に対して最も正確なものとして普遍的に認められたものはない。このことは、高いlogP(すなわち4以上)の物質に関する評価については特に当てはまる。本明細書においてlogP値の引用は、トロントを拠点としたアドバンスト・ケミストリー・ディベロップメント(ACD)社による「logP」として市販される評価ソフトウエアを用いて得られた値を示している。同社は科学のコミュニティーによく知られ、logP値の高度な予測を提供することで認知されている。
【0037】
より好ましい芳香の非限定的な例は以下のものから選択され、さらにより好ましい成分には*が付されている。
【0038】
アルデヒドC10(デカナール)*
アルデヒドC11(ウンデカナール)
アルデヒドC9(ノナナール)
アルデヒドMNA
グリコール酸アリルアミル*
ヘプタン酸アリル
ヘキサン酸アリル
酪酸アミル
アザーブル(AZARBRE)(Q)
ボルネオール
カーバクロール(CARVACROL)
カーヨフィレン(CARYOPHYLLENE)
シストゥレート(CISTULATE)(Q)
シトラール
シトラール ジエチルアセタール
シトロネラール
シトロネロール
酢酸シトロネリル
シトロネリルニトリル
フェニルエチル ブチル エーテル
クミンニトリル
酢酸シクロヘキシルエチル
パラ−シメン(CYMENE)
ベータ−ダマセノン(DAMASCENONE)
アルファ−ダマスコン(DAMASCONE)
ベータ−ダマスコン
デルタ−ダマスコン
4−trans−デセナール(DECENAL)
デセン−9−オール(DEC-9-ENOL)
ジヒドロジャスモン
ジヒドロリナロール
ジヒドロミルセノール(DIHYDROMYRCENOL)*
酢酸ジヒドロミルセニル
ジビドロテルピネオール(メンタノール)*
酢酸ジヒドロテルピニル*
ヘプタン酸エチル(ETHYL HEPTANOATE)
サフラン酸エチル(ETHYL SAFRANATE)
フロルヒドラル(FLORHYDRAL)
フルトニル(FLUTONILE)(Q)
ゲラニオール
酢酸ゲラニル*
ゲラニルニトリル*
ヘルバネート(HERBANATE)
酢酸イノニル(INONYL ACETATE)*
酢酸イソボルニル*
イソペンチレート
ジャスマトン(JASMATONE)(Q)
リモネン
リナロール*
酢酸リナリル
マセアール(MACEAL)(Q)
メイオール(MAYOL)
メントール*
酢酸メンチル
メチルシャビコール(METHYL CHAVICOL)
炭酸メチルオクチン(METHYL OCTINE CARBONATE)
メチルパンプルムース(METHLY PAMPLEMOUSSE)(G)
ミルセン(MYRCENE)
ネオバーガメートフォルテ(NEO BERGAMATE FORTE)
ネオカスピレン(NEOCASPIRENE)
ネロール
酢酸ノピル(NOPYL ACETATE)
酢酸オクチル
オルトレート(ORTHOLATE)(Q)*
パラ−tert−ブチルシクロヘキサノール
酢酸パラ−tert−ブチルシクロヘキシル*
ペラルジェン(PELARGENE)(Q)
フェニルエチル イソプロピル エーテル
イソブタン酸フェニルエチル
ルバフラン(RHUBAFURAN)(Q)
ローズオキシド
テルピノレン(TERPINOLENE)*
酢酸テルピニル*
テトラヒドロゲラニオール
テトラヒドロリナロール
酢酸テトラヒドロリナリル
テトラヒドロミルセノール
トナリド(TONALID)
ウンデカベルトール(UNDECAVERTOL)
ベルテネックス(VERTENEX)
イランジェン(YLANGENE)
【0039】
(Q)と標識された物質はクエスト・インターナショナル(Quest International)社より入手し、(G)と標識された物質はジボーダン(Givaudan)社より入手した。
【0040】
本願発明のエアロゾル送達可能な製剤は、頑固な汚れに対する優れた洗浄のような液体研磨剤洗浄剤の利点と、エアロゾル製品の使用利便性、垂直面への吸着性能、高度の芳香、およびエアロゾル洗浄フォーム/ムースに結びついた「おもしろい因子(fun-factor)」との両者を提供できる。
【0041】
また本願発明は、任意のいずれかの請求項の製剤を圧力容器から適用すること、および任意的な擦りの後に余分な製剤を除去することを含む表面洗浄方法を提供する。
【0042】
前記製剤は典型的にはエアロゾルのスプレー、フォーム、およびムースとして適用される。任意的な擦りまたはふき取りの後に、余分の製剤は、例えば水を用いてふき取り又は洗い流しにより除去される。
【0043】
本願発明は、特定の態様に関連してかなり詳細に記述されているが、本願発明が具体的ではあるが限定的ではなく、記載された態様以外の態様によっても実施され得ることを当業者は理解する。ゆえに、添付された特許請求の範囲の権利範囲は本願発明に含まれる態様の記載に限定されるべきではない。
【0044】
本願発明は、さらに以下の非限定的な実施例において具体的に記述され、この中で量は特記しない限り組成物の総量の重量%で表される。
【実施例】
【0045】
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0046】
以下の市販により入手可能な液体研磨剤洗浄組成物が実施例において用いられる。
●シッフ(Cif)クリーム(白型)(リーバー・ファベルゲ社によりポーランドで販売される)
●シッフクリーム・シュールミッデルシトロエン(黄型)(リーバー・ファベルゲ社によりオランダで販売される)
●AHシュールミッデルシトロエン(アルバート・ヘイン社によりオランダで販売される)
【0047】
これらの洗浄組成物はいずれも、非イオン性および/またはアニオン性表面活性剤および香料(0.1〜1%)および可能性としては重合体も含む水で分散された炭酸カルシウムの細粒子(10〜50%重量/重量)を含む。この組成物はエマルジョンの形態ではなく、油脂相を含まない。この組成物はいずれも以下の粘度のように1000mPasより低い粘度を有する。すなわち、シッフクリーム白は776mPas、シッフクリーム黄は732mPas、シトロエンは624mPasである。これらはいずれも、軸円錐(spindle Kegel)D=60mm/1°Tiを用い、2分間に21l/sのハーケ・レオストレス(Haake Rheostress)1を用いて20℃で測定した。
【0048】
<実施例1>
3つの75mlアルミニウムレッヒナー(Lechner)エアロゾル缶に以下の製剤を従来法により充填し、D.P.V.841バルブを装着した。特に、必要量の液体研磨剤洗浄剤をそのエアロゾル缶に詰めた。次に空気を噴射ガスを用いて追い出した。次にバルブを缶にねじ込んだ。その後、必要量の噴射ガスをバルブを通して缶に注入した。缶は振とうして内容物を均一にしてエマルジョンにした。
【0049】
様々な市販の作働部を用いて噴射効果を記録し、その詳細を以下に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
製剤1からの「流泡(running foam)」効果は、噴射の間に缶の表面を素早く拭くときに見られた。泡の破裂効果は、泡が表面を叩いた後に崩壊する間に聞こえ、流泡効果として使用者には見える。「流泡」効果は、この製品の「おもしろい因子」に寄与している。
【0052】
製剤2は、良好、微細、クリーミーでありながら研磨剤ムースであり、垂直面に吸着し易い良好な性能を示した。
【0053】
<実施例2>
以下の製剤は実施例1に記述されているようにエアロゾル缶に作成された。
【0054】
【表2】

【0055】
これらの製剤は3ヶ月にわたり室温(20〜25℃)で貯蔵された。この3ヶ月にわたり、これらの製剤は不規則な間隔で緩やかな振とう後に噴射された。バルブ詰まりは認められず、製品はクリーミーだが、やはり研磨剤ムースとして良好に噴射された。
【0056】
<実施例3>
実施例2の製剤は、−10℃、4℃、室温および37℃のガラスおよび錫製のエアロゾル缶で6、8、および12週にわたって安定性試験が行われた。0、6、8および12週の評価時の間これらの缶は、振とうし、方解石を再分散させ、噴射し、再び貯蔵する様々な局面で評価された。以下の観察がなされた。
【0057】
外観
製剤1は一般的にガラス製エアロゾル缶において4層、すなわち方解石沈殿/曇り/白濁/透明と下から上に分類される層を示した。製剤2は、最上層の錫透明層を含めて室温および37℃でほぼ均一であった。
【0058】
分散性
製剤1は一般的に製剤中の方解石を再分散させるのに激しい振とうが必要であった。一方、製剤2(より均一である)室温および37℃のサンプルについて振とうの必要がなかった。
【0059】
貯蔵中の重量減少
貯蔵中の重量減少は認められなかった。
【0060】
バルブ/作働部詰まり
製剤1では、数例のバルブまたは作働部の詰まりがあった。製剤2では、バルブまたは作働部の詰まりは認められなかった。
【0061】
ムース外観
製剤1からの「流泡」および製剤2からの「クリーミーなムース(creamy mousse)」の概観は、試験の間中一定であった。
【0062】
香料性能
ムースからの香料性能は良好であり、強度および性質に関して一定であった。
【0063】
<実施例4>
異なる液体研磨剤組成物(基剤)の効果および液体研磨剤組成物および噴射剤の異なる比率を試験するために、沈殿および再分散を検討する目的で各種のサンプルを100mlガラス製エアロゾル容器に作成した。
用いた製剤を以下の表に示す。
【0064】
【表3】

【0065】
用いられた噴射剤は、説明書BS4250によれば20℃で3.5バールの圧力を有する、インデュガス(Indugas)社により供給される市販の無臭噴射グレードのプロパン/ブタン/イソブタン混合物であった。
【0066】
用いられた基剤は、オランダで販売されるリーバー・ファベルゲ社のシッフクリーム・シュールミッデルシトロエン(黄型)およびオランダで販売されるアルバート・ヘイン社のAHシュールミッデルシトロエンであった。
【0067】
これらの製剤は実施例1に記述されているようにエアロゾール缶に作成された。
【0068】
以下の表は、沈殿の存在、およびサンプルを室温で3日間貯蔵後に存在する沈殿を再拡散するのに必要な作業を示す。
【0069】
【表5】

【0070】
【表6】

【0071】
37℃で3ヶ月の貯蔵後、全ての製剤で研磨剤は軽い振とうで最拡散できた。
【0072】
本願発明は、特定の態様に関連してかなり詳細に記述されているが、本願発明が具体的ではあるが限定的ではなく、記載された態様以外の態様によっても実施され得ることを当業者は理解する。ゆえに、添付された特許請求の範囲の権利範囲は本願発明に含まれる態様の記載に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1000mPas以下の粘度を有する液体研磨剤組成物、および噴射剤を含むエアロゾル送達可能な製剤。
【請求項2】
前記液体研磨剤組成物が、30〜95重量%、好ましくは60〜92重量%の範囲で存在し、前記噴射剤は5〜70重量%、好ましくは8〜40重量%の範囲で存在することを特徴とする請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記液体研磨剤組成物が、液体媒体中で懸濁されたか、懸濁し得る研磨物質の粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
前記液体研磨剤組成物が、溶解形態および/または非溶解形態において、6〜45重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜40重量%の研磨物質を含むことを特徴とする請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
前記組成物における研磨物質の5%以上が10〜40℃の温度で非溶解粒子の形態であることを特徴とする請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
前記液体研磨剤組成物および噴射剤がエマルジョンを形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
前記液体研磨剤組成物が水に基づく非エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項8】
前記液体研磨剤組成物が液体研磨剤洗浄組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
前記液体研磨剤組成物が1種以上の芳香物質を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項10】
前記芳香物質が、低を10とする対数で表わされた3以上のオクタノール−水分配係数および250℃以下の沸点を有する少なくとも1種の物質を含むことを特徴とする請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
バルブおよび作働部を有する圧力容器中の請求項1〜10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項12】
60〜92重量%の液体研磨剤洗浄組成物および8〜40重量%の噴射剤を含むエアロゾール送達可能な製剤。
【請求項13】
前記液体研磨剤洗浄組成物が1000mPas以下の粘度を有する請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の製剤を圧力容器から表面に適用すること、および任意的な擦りの後に余分な製剤を除去することを含む表面洗浄方法。

【公表番号】特表2008−514745(P2008−514745A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532997(P2007−532997)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003109
【国際公開番号】WO2006/033015
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(504078442)クエスト・インターナショナル・サービシーズ・ビー・ブイ (6)
【Fターム(参考)】