説明

エコノマイザ及びボイラ

【課題】燃焼装置本体で生成された燃焼ガスが熱交換部を通過して排出口から大気中に排出される場合に、燃焼ガスに含まれる水蒸気に起因して発生する白煙を抑制することが可能なエコノマイザ及びボイラを提供すること。
【解決手段】燃焼機器本体10と、排出路14とを備えた燃焼装置1の前記排出路14に設けられるエコノマイザ40であって、燃焼ガスG2を分岐部46Aにおいて分岐し、前記排出路14に形成された合流部46Bまで移送するバイパス路46を備え、前記分岐部46Aは、少なくとも前記熱交換部16、44の一部を挟んで前記合流部46Bの上流側に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼機器で発生した燃焼ガスが通過する排出路に配置され、燃焼ガスに含まれる水蒸気が結露して大気中において白煙が生成されるのを抑制することが可能なエコノマイザ及びこのエコノマイザを備えたボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ボイラをはじめとするガスや重油等の炭化水素を燃料とする燃焼機器において燃焼が行われると、炭化水素を構成する水素が酸素と反応して水蒸気が発生し、この水蒸気が燃焼ガスに大量に含まれる。
このように水蒸気を含む燃焼ガスが大気中に放出されると、燃焼ガスが大気と混合されて温度が低下し、燃焼ガス中の水蒸気が結露して白煙が生成される場合がある。
【0003】
一方、ボイラ等の燃焼機器の熱効率を向上させるために、燃焼機器の排出路に熱交換部を設けて、燃焼ガスが有する熱を熱交換部において熱交換して燃焼ガスの残熱により水を加熱するエコノマイザが広く用いられている(例えば、特許文献1参考。)。
【特許文献1】特開2005−61712号公報
【0004】
このような燃焼ガス中に含まれる水蒸気は、一部が熱交換部で結露して水になるが、結露しなかった水蒸気は排出口から大気中に排出されるため、大気の温度が低い場合には燃焼ガスに含まれる水蒸気が大気中で結露して白煙として拡散される場合がある。
このような水蒸気による白煙自体は無害であるが、近隣に民家がある場合には住民の感覚的な問題やダウンドラフトに起因する視界の低下といった問題が発生する場合があり、かかる白煙は大気温が低い冬場に特に発生し易く、上記のようにエコノマイザを通過した燃焼ガスは、熱交換部に吸熱されて温度が低下しているのでより白煙が生成されやすいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、燃焼装置本体で生成された燃焼ガスが熱交換部を通過して排出口から大気中に排出される場合に、燃焼ガスに含まれる水蒸気に起因して発生する白煙を抑制することが可能なエコノマイザ及びボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、燃焼機器本体と、該燃焼機器本体で燃焼された燃焼ガスを排出口まで流通させる排出路と、を備えた燃焼装置の前記排出路に設けられるエコノマイザであって、前記燃焼ガスが通過する通気路と、前記燃焼ガスと接触して熱交換をする熱交換部とを備え、前記熱交換部を通過して前記排出口から排出される燃焼ガスの相対湿度を低減する白煙抑制手段を備えることを特徴する。
【0007】
請求項9に記載の発明は、ボイラであって、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のエコノマイザを備えることを特徴とする。
【0008】
この発明に係るエコノマイザ及びボイラによれば、燃焼ガスの相対湿度を低減して排出口から排出するので燃焼ガスに含まれる水蒸気の結露及び白煙の生成が抑制される。
【0009】
この明細書において、排出路とは、燃焼機器本体で燃焼して生成された燃焼ガスを燃焼機器本体から末端に形成された排出口まで移送して大気中に排出するための通路であり、排出路に配置されたエコノマイザの通気路を排出路に含めてもよい。
また、エコノマイザの通気路は、排出路と独立して形成されてもよいし、排出路の一部又は全部がエコノマイザの通気路を兼ねてもよい。
【0010】
また、この明細書において、燃焼ガスとは、燃焼機器本体で生成されて燃焼機器本体内に存在している状態から、排出口から排出されて大気と混合されることにより燃焼ガス混合空気とされ排出口近傍に存在している状態のものまでを含んでいる。
また、燃焼ガスとは、燃料ガスの燃焼反応が完了したものおよび燃焼反応中の燃料ガスの少なくとも一方を含む概念であり、燃料ガスの燃焼反応が完了したもの、燃焼反応中の燃料ガスの両方を有するもの、燃焼反応中の燃料ガスのみを有するもの、燃料ガスの燃焼反応が完了したもののみを有するもののいずれをも含む概念である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエコノマイザであって、前記白煙抑制手段は、前記排出路の前記熱交換部の少なくとも一部を通過した位置に合流部を有し、前記排出路を通過する燃焼ガスの前記合流部における温度より高温の気体を、前記合流部から供給する高温ガス供給手段により構成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係るエコノマイザによれば、排出路に合流部が形成され、排出路を上流側から下流側に流れている燃焼ガスに、この燃焼ガスの合流部における温度よりも高温の気体を供給することにより排出路を流通する燃焼ガスの温度を上昇させる。
その結果、排出路を通過する燃焼ガスの相対湿度が低下して燃焼ガスに含まれる水蒸気の結露が抑制されるとともに白煙の生成が抑制される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエコノマイザであって、前記高温ガス供給手段は、前記燃焼ガスを分岐部において分岐し前記合流部まで移送するバイパス路とされ、前記分岐部は、少なくとも前記熱交換部の一部を挟んで前記合流部の上流側に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るエコノマイザによれば、高温ガス供給手段が、分岐部において分岐された燃焼ガスを合流部まで移送するバイパス路とされているので、熱交換部(熱交換部の一部の場合を含む)を通過することにより温度が低下した燃焼ガスに、バイパス路を経由することで熱交換部を通過していない高温の燃焼ガスが混合されて、熱交換部を通過した燃焼ガスとバイパス路を通過した燃焼ガスとが混合された混合燃焼ガスの温度を上昇させる。
その結果、混合燃焼ガスと排出口近傍の空気(大気)とが混合された燃焼ガス混合空気の温度が上昇して相対湿度が低下して白煙の生成が抑制される。
【0015】
この明細書において、熱交換部(又は熱交換部の一部)を通過した燃焼ガスとは、バイパス路を経由していない燃焼ガスのことを指し、例えば、バイパス路の分岐部が熱交換部の前端よりも下流側に形成されていてバイパス路に分岐される前に熱交換部の前端と分岐部との間を通過する燃焼ガス、又は、バイパス路の合流部が熱交換部の末端より上流側に形成されている場合に合流部から流入して熱交換部の一部を通過する燃焼ガスは含まない。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のエコノマイザであって、上流側に位置する第1の熱交換部と、該第1の熱交換部の下流側に位置する第2の熱交換部とを備え、前記分岐部は前記第1の熱交換部の上流側に、前記合流部は前記第2の熱交換部の下流側に形成されていることを特徴とする
【0017】
この発明に係るエコノマイザによれば、上流側に位置する第1の熱交換部と、下流側に位置する第2の熱交換部とを備えているので、例えば、第1の熱交換部において顕熱を回収し、第2の熱交換部にて潜熱を回収する際に水蒸気を結露させて第2の熱交換部を通過する燃焼ガス中の絶対湿度を低減し、そこにバイパス路を経由して供給される高温の燃焼ガスを混合することで混合燃焼ガスの温度を上昇させて白煙の生成を抑制することができる。
【0018】
この明細書において、エコノマイザは、例えば、燃焼機器を設置する際に燃焼機器の一部として排出路に配置された熱交換部を含むものとする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載のエコノマイザであって、前記バイパス路には、燃焼ガスの流通を調整する弁が設けられていることを特徴とする。
【0020】
この発明に係るエコノマイザによれば、バイパス路に弁が設けられていて燃焼ガスの調整が可能とされる。
その結果、例えば、開閉による燃焼ガス流通のON、OFF又は燃焼ガスの流量調整により、熱交換部を経由しない燃焼ガスの流通量を調整して熱効率の低下を抑制することが可能とされ、例えば、白煙が発生しにくい夏季等に、バイパス路の閉止等により、必要に応じて燃焼ガスをバイパス路に流通させることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエコノマイザであって、制御部を備えるとともに、前記弁は、前記制御部からの信号に基づいて前記バイパス路を流通する燃焼ガスの流量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0022】
この発明に係るエコノマイザによれば、弁の燃焼ガス流通量を制御部が調整可能とされているので人手によらずに流量調整をすることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のエコノマイザであって、前記排出口近傍の大気の温度を測定する大気温度測定手段と、前記燃焼機器本体で生成された後、前記排出口から排出されて大気と混合された燃焼ガス混合空気となる以前のいずれかの状態の燃焼ガスの温度を測定する燃焼ガス温度測定手段とを備え、前記制御部は、前記大気温度測定手段の測定値と、前記燃焼ガス温度測定手段の測定値とに基づいて、前記バイパス路を流通する燃焼ガスの流量を算出するように構成されていることを特徴とする。
【0024】
この発明に係るエコノマイザによれば、制御部が大気温度測定手段の測定値と、燃焼ガス温度測定手段の測定値とに基づいてバイパス路を流通する燃焼ガスの流量を算出するので燃焼ガスからの白煙生成を効率的に抑制することができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のエコノマイザであって、前記燃焼ガス混合空気の相対湿度が100%未満とされていることを特徴とする。
【0026】
この発明に係るエコノマイザによれば、燃焼ガス混合空気の相対湿度が100%未満とされているので、燃焼ガス混合空気に含まれる水蒸気の結露を抑制して白煙の生成が防止される。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係るエコノマイザによれば、排気口から排出される燃焼ガスが大気に放出された場合に、燃焼ガス中の水蒸気に起因する白煙が発生することが抑制される。
この発明に係るボイラによれば、排気口から排出される燃焼ガスが大気に放出された場合に、水蒸気に起因する白煙が発生することが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図1を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るエコノマイザを適用したボイラ(燃焼機器)の概略図であり、符号1はボイラを、符号10はボイラ本体(燃焼機器本体)を、符号40はエコノマイザを示している。
【0029】
ボイラ1は、図1に示すように、ボイラ本体10と、エコノマイザ40とを備えており、ボイラ本体10は、燃料供給部12から供給された燃料がボイラ本体10内に設けられた図示しないバーナにより燃焼され、この燃焼で生成された燃焼ガスG1がボイラ本体10の図示しない缶体内の水を加熱するとともに排出路14に燃焼ガスG2として排出されるようになっている。
【0030】
この実施の形態における燃料は、生ガスと燃焼用空気とを混合した燃料ガスからなり、燃料供給部12は、例えば、燃焼用空気を供給する送風ファンと、燃焼用空気に生ガスを供給するノズルとを備え、送風ファンから送風された燃焼用空気とノズルから供給された生ガスとが混合された燃料ガスをバーナで燃焼するようになっている。
なお、燃料ガスに代えて、重油等の液体燃料を燃料としてもよい。
【0031】
排出路14は、ボイラ本体10の末端側に接続され、側面視して、水平方向に形成された第1の水平部14Aと、第1の水平部14Aに接続され上方に伸びる第1の鉛直部14Bと、第1の鉛直部14Bに接続され水平方向に伸びる第2の水平部14Cと、第2の水平部14Cに接続され下方に伸びる第2の鉛直部14Dと、第2の鉛直部14Dに接続され水平方向に伸びる第3の水平部14Eと、第3の水平部14Eに接続され上方に伸びる第3の鉛直部14Fとを備え、第3の鉛直部14Fの末端には大気に開口する開口部(排出口)15が形成されている。
【0032】
この実施の形態において、燃焼ガスはその状態により、ボイラ本体10内における状態を燃焼ガスG1、燃焼ガスG1がボイラ本体10から排出され排出路14に導入された状態を燃焼ガスG2、燃焼ガスG2が第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を通過して温度が低下した状態を燃焼ガスG3、燃焼ガスG3に第1の熱交換部16の上流側から移送された燃焼ガスG2が混合された状態を混合燃焼ガス(燃焼ガス)G4、燃焼ガスG2、G3又は混合燃焼ガスG4が開口部15から排出されて開口部15近傍の大気に拡散、混合された状態を燃焼ガス混合空気(燃焼ガス)G5とする。
また、混合燃焼ガスG4は温度TG4、絶対湿度HG4、開口部近傍における大気は大気温度TAとされている。
【0033】
エコノマイザ40は、燃焼ガスG2が通過する通気路42と、燃焼ガスG2と接触して熱交換をする第1の熱交換部16、第2の熱交換部44と、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を挟んで第1の熱交換部16の上流側に位置する第1の水平部14Aと第2の熱交換部44の下流側に位置する第3の鉛直部14Fとを接続するバイパス路46と、バイパス路46を流通する燃焼ガス(高温の気体)G2の流量を調整する流量制御部50とを備えている。
通気路42は、排出路14の第2の鉛直部14D、第3の水平部14E、第3の鉛直部14Fから構成されている。
【0034】
流量制御部50は、ボイラ本体10から排出された混合燃焼ガスG4の温度TG4を測定する燃焼ガス温度センサ(燃焼ガス温度測定手段)TC1と、開口部15近傍の大気温度TAを測定する大気温度センサ(大気温度測定手段)TC2と、制御部51とを備えている。
【0035】
制御部51は、演算部51Aと、データベースDB1とを備え、燃焼ガス温度センサTC1の温度検出信号が信号ケーブル52Aにより、大気温度センサTC2の温度検出信号が信号ケーブル52Bにより演算部51Aに入力されるとともに、演算部51Aが、入力されたデータとデータベースDB1とを対照して流量調整弁48の開度を算出するようになっている。
算出された流量調整弁48の開度は、開度制御信号として信号ケーブル53を介して出力されバイパス路46を流通する燃焼ガスG2の流量を調整するようになっている。
【0036】
データベースDB1は、例えば、混合燃焼ガスG4と大気とが混合して生成される燃料ガス混合空気G5の相対湿度が100%未満となるための混合燃焼ガスG4の温度TG4及び大気温度TAとの関係が格納されており、燃焼ガス温度センサTC1により検出された混合燃焼ガスG4の温度TG4と大気温度センサTC2により検出される開口部15近傍の大気温度TAをデータベースDB1と対照することにより上記条件を満足する混合燃焼ガスG4の温度が演算部51Aに出力されるようになっている。演算部51Aは、その結果に基づいて混合燃焼ガスG4がその温度に到達するための流量調整弁48の開度を算出、出力するようになっている。
【0037】
図2は、制御部51における流量調整弁48の開度の算出の一例を示すブロック図である。以下、図1、図2を参照して、流量調整弁48の開度制御について説明する。
1)まず、燃焼ガス温度センサTC1により検出された混合燃焼ガスG4の温度TG4及び大気温度センサTC2により検出された開口部15近傍の大気温度TAが制御部51に入力される(S1)。
2)次に、混合燃焼ガスG4の温度TG4及び大気温度TAをデータベースDB1と対照して相対湿度が100%未満の燃焼ガス混合空気G5が生成可能な混合燃焼ガスG4の温度を算出する(S2)。
3)次に、例えば、フィードバック制御により燃焼ガス温度センサTC1により検出される混合燃焼ガスG4の温度TG4が、上記2)で得られた温度となるような流量調整弁48の開度を算出して開度制御信号を出力する(S3)。
【0038】
また、第1の熱交換部16は、例えば、ボイラ本体10を設置する際にボイラ本体10と一体に形成されたものであり第1の鉛直部14Bに設けられ、第2の熱交換部44はそれ以降にボイラ本体10に設けられたものであり、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44は、ボイラ本体10から排出される燃焼ガスG2により缶体に供給する水Mを加熱可能とされている。
【0039】
また、缶体に供給する水Mは、第2の熱交換部44、第1の熱交換部16の順に流通するようになっている。
また、第1の熱交換部16は、例えば、主に燃焼ガスG2の顕熱を回収するようになっており、第2の熱交換部44は、主に燃焼ガスG2の潜熱を回収して燃焼ガスG2に含まれる水蒸気を結露させて水として回収可能とされている。
【0040】
また、バイパス路46は、ボイラ本体10から排出された燃焼ガスG2を分岐する分岐部46Aが排出路14における第1の熱交換部16の前端より上流側に形成され、バイパス路46を通過した燃焼ガスG2が合流する合流部46Bが排出路14における第2の熱交換部44の末端より下流側に形成されている。
【0041】
その結果、バイパス路46は、燃焼ガスG2を第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を経由することなく第3の鉛直部14Fに移送可能に構成されるとともに、バイパス路46の途中には流量調整弁48が設けられ、流量調整弁48により燃焼ガスG2の流通のON、OFF及び流通する燃焼ガスG2の流量を調整可能とされている。
【0042】
かかる構成により、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を通過して温度が低下した燃焼ガスG3と、バイパス路46を経由して流通する高温の燃焼ガスG2とを混合して混合燃焼ガスG4とするので、開口部15から排出された混合燃焼ガスG4が大気と混合して生成される燃燃焼ガス混合空気G5の相対湿度を低減することができるようになっている。
【0043】
混合燃焼ガスG4を混合する際に、燃燃焼ガス混合空気G5の相対湿度が開口部15近傍の大気の温度において100%未満となるように、流量調整弁48の開度が調整されることが好適である。また、例えば、開口部15に煙突等がさらに接続される場合は、実際に大気に開口する部分が排出口とされる。
【0044】
次に、エコノマイザ40の作用について説明する。
1)ボイラ本体10における燃料の燃焼で生成された燃焼ガスG1はボイラ本体10の缶体内の水Mを加熱した後に排出路14に排出されて燃焼ガスG2となる。
2)排出路14に移動した燃焼ガスG2は、ボイラ本体10に設けられた第1の熱交換部16を通過して、主として燃焼ガスG2の顕熱により第1の熱交換部16内の水を加熱し燃焼ガスG2は温度が低下する。
3)第1の熱交換部16を通過した燃焼ガスG2は、第2の熱交換部44を通過して、主として燃焼ガスG2に含まれる水蒸気の潜熱により第2の熱交換部44内の水を加熱する。その結果、燃焼ガスG2に含まれる水蒸気が結露して水として分離されるとともに燃焼ガスG2の温度が低下して燃焼ガスG3の状態となる。
4)第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を経由して温度が低下した燃焼ガスG3は、第1の熱交換部16の上流側からバイパス路46を経由して第3の水平部14Eに移送された高温の燃焼ガスG2と混合されて、燃焼ガスG3より温度が高い混合燃焼ガスG4となる。
混合燃焼ガスG4の温度TG4は、燃焼ガス温度センサTC1により測定されて制御部51に出力され、開口部15近傍の大気温度TAが大気温度センサTC2により測定されて制御部51に出力される。
5)制御部51からの出力により、燃焼ガス混合空気G5の相対湿度が、所定の値、例えば、95%(<100%)となるような混合燃焼ガスG4の温度TG4が算出され、これに基づいて流量調整弁48の開度が調整される。
その結果、バイパス路46を流通する燃焼ガスG2の流量が調整される。
6)開口部15から排出された混合燃焼ガスG4は、開口部15近傍の大気と混合されて燃焼ガス混合空気G5が生成される。
この場合、燃焼ガス混合空気G5が相対湿度100%未満となるように混合燃焼ガスG4の絶対湿度が調整されていることが好適であるが、相対湿度100%以上として白煙の発生量を減少させるようにしてもよい。
【0045】
エコノマイザ40及びボイラ1によれば、混合燃焼ガスG4の温度を上昇させることにより相対湿度を低減して開口部15から排出するので、燃焼ガス混合空気G5に含まれる水蒸気の結露、及び開口部15近傍における白煙の生成を抑制することができる。
【0046】
また、燃焼ガス混合空気G5の相対湿度を100%未満にした場合、燃焼ガス混合空気G5からの白煙の生成を確実に抑制することができる。
また、燃焼ガス混合空気G5が開口部15から離れて燃焼ガス混合空気G5の温度が結露を生じる程度まで低下したとしても、発生する白煙の密度が低下しているので視界の低下を招くのを抑制することができる。
【0047】
エコノマイザ40及びボイラ1によれば、バイパス路46により第1の熱交換部16の上流側から第2の熱交換部44の下流側に位置する第3の水平部14Eに高温の燃焼ガスG2を移送するので、温度低下した燃焼ガスG3と高温の燃焼ガスG2とを混合して混合燃焼ガスG4の温度を上昇することにより、燃焼ガス混合空気G5に含まれる水蒸気の結露と白煙の生成を効率的に抑制することができる。
また、バイパス路46に流量調整弁48が設けられているので、バイパス路46を経由して流通する燃焼ガスG2の流量を調整することが可能とされているので、白煙の発生を効率的に抑制し、熱エネルギを効率的に使用することができる。
【0048】
また、第1の熱交換部16と、第2の熱交換部44とを備え、第1の熱交換部16において顕熱を回収して燃焼ガスG2の温度を低下させて第2の熱交換部44において潜熱を回収することにより燃焼ガスG2中の水蒸気を結露させるので燃焼ガスG2中の水蒸気を効率的に低減することができる。
その結果、混合燃焼ガスG4による白煙を抑制するとともに、混合燃焼ガスG4を生成させる際の潜熱相当分として奪われる熱を小さくして生成する混合燃焼ガスG4の温度を効率的に上昇させることができる。
【0049】
また、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44において燃焼ガスG2の水蒸気が結露して燃焼ガスG3の絶対湿度が低下した場合、混合燃焼ガスG4及び燃焼ガス混合空気G5の相対湿度を効率的に低下させることができる。
また、第2の熱交換部44が第2の鉛直部14Dに配置されているので、第2の熱交換部44で結露した水分を第2の熱交換部44の下方で容易に回収することができる。
【0050】
また、上記構成のエコノマイザ40及びボイラ1によれば、白煙抑制手段に駆動源が必要とされないため、設備コスト及びランニングコストが抑制される。
【0051】
次に、図3から図7に示した第1〜第5の湿り空気線図を参照して、白煙の発生に関する本発明の有効性について説明する。
図3から図6は、ボイラ本体10から排出された燃焼ガスが大気中に排出されるまでの排出形態と白煙発生との関係を説明する図であり、燃焼ガス中の絶対湿度を空気換算して湿り空気線図にプロットしたものである。図3から図7において、縦軸Hは燃焼ガスの絶対湿度(kg/kg−D・A)を、横軸Tgは、燃焼ガスの温度(乾球温度)(℃)を示しており、曲線L0は相対湿度100%の境界を示す線であり、曲線L0の上方において結露及び白煙が生成される。
【0052】
また、図3から図7における燃料ガスを生成するための生ガスは天然ガス(13A)とされており、ボイラ本体10から排出路14に排出された燃焼ガスG2の状態を示した点Aにおいて、燃焼ガスG2は温度Tg01、絶対湿度H01である。
図3、4、5は従来の排出形態を、図6、7は本発明に係る排出形態を示している。
また、点Wは、冬季における大気の状態を示しており、温度Tg02、絶対湿度H02である。
【0053】
<第1の排出形態>
図3は、ボイラ本体10から排出路14に排出される燃焼ガスG2を冬季にそのまま大気中に排出する第1の排出形態における燃焼ガスの状態を示す図である。
第1の排出形態では、点Aにおける温度Tg01、絶対湿度H01の燃焼ガスG2が、点点Wにおける温度Tg02、絶対湿度H02の状態になる。その結果、点Aから点Wに至る直線L3は、多くの場合、曲線L0の上方を通過して白煙が生成される。
【0054】
<第2の排出形態>
図4は、ボイラ本体10から排出路14に排出される燃焼ガスG2が排出路14において冷却される第2の排出形態における燃焼ガスの状態を示す図である。
第2の排出形態では、点Aにおける温度Tg01、絶対湿度H01の燃焼ガスG2が、排出路14で結露することなく冷却され、開口部15を示す点Dにおいて絶対湿度H01、温度Tg41の燃焼ガスG3となる。この場合、燃焼ガスG3は、絶対湿度が低減されることなく温度Tg41まで低下するので上記第1の排出形態よりも相対湿度が上昇し、点Dから点Wに至る直線L4は多くの場合曲線L0の上方を通過して白煙が生成される。
【0055】
<第3の排出形態>
図5は、ボイラ本体10から排出路14に排出される燃焼ガスG2が排出路14を通過する際に第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を通過して温度Tgが低下するとともに、燃焼ガスG2中の水蒸気が結露、除去されて絶対湿度Hが低下された第3の排出形態における燃焼ガスの状態を示す図である。
第3の排出形態では、点Aにおける温度Tg01、絶対湿度H01の燃焼ガスG2が、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を通過する際に温度Tg、絶対湿度Hともに低下し、第2の熱交換部44を通過した位置を示す点Cにおいて温度Tg51、絶対湿度H51の燃焼ガスG3となり、その後、第3の鉛直部14Fを通過する際に温度Tg、絶対湿度Hともにさらに低下して開口部15近傍の位置を示す点Dにおいて温度Tg52、絶対湿度H52の燃焼ガスG3となる。
この場合、第2の熱交換部44を通過する際に結露するために点C、点Dにおける相対湿度が100%近傍まで上昇して曲線L0に接近する。そのため、点Dから点Wに至る直線L5は、多くの場合曲線L0の上方を通過するため絶対湿度が大きく低下しているにも関わらず白煙が生成される傾向となる。
【0056】
<第4の排出形態>
図6は、ボイラ本体10から排出路14に排出される燃焼ガスG2が排出路14を通過する際に第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を通過して温度Tgが低下するとともに、燃焼ガスG2中の水蒸気が結露、除去されて絶対湿度Hが低下された燃焼ガスG3になり、この燃焼ガスG3にバイパス路46を経由して移送された高温の燃焼ガスG2を混合して混合燃焼ガスG4とする第4の排出形態における燃焼ガスの状態を示す図である。
第4の排出形態では、点Aにおける温度Tg01、絶対湿度H01の燃焼ガスG2が、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44を通過する際に温度Tg、絶対湿度Hともに低下し、第2の熱交換部44を通過した位置を示す点Cにおいて温度Tg61、絶対湿度H61の燃焼ガスG3となり、その後、バイパス路46を経由した高温の燃焼ガスG2と混合されて、温度Tg、絶対湿度Hが上昇し、温度Tg62、絶対湿度H62の混合燃焼ガスG4となる。
混合燃焼ガスG4は、燃焼ガスG3が高温の燃焼ガスG2と混合される際に、燃焼ガスG2に含まれる水蒸気により絶対湿度Hが上昇するものの、燃焼ガスG3に含まれる水蒸気が結露により減少していて比熱が小さくなっているため、絶対湿度Hの上昇に比較すると温度Tgが大幅に上昇して相対湿度が低下する。
その結果、直線L6は、曲線L0の下方を通過し易くなり白煙の生成が抑制される。
以上のように、エコノマイザ40、ボイラ1によれば、白煙の生成を抑制可能であることが理論的に裏付けられる。
【0057】
<第5の排出形態>
図7は、ボイラ本体10から排出路14に排出される燃焼ガスG2が第1の熱交換部16を通過して温度Tgが低下した燃焼ガスG3となり、この燃焼ガスG3にバイパス路46を経由して移送された、例えば、高温の燃焼ガスG1を混合して混合燃焼ガスG4とする第5の排出形態における燃焼ガスの状態を示す図である。
第5の排出形態では、点Aにおける温度Tg01、絶対湿度H01の燃焼ガスG2が、第1の熱交換部16を通過した位置を示す点Bにおいて温度Tgが温度Tg71まで低下した燃焼ガスG3となり、その後、例えば、バイパス路46を経由して移送された高温の燃焼ガスG1と混合されて温度が上昇し温度Tg72の混合燃焼ガスG4となる。
混合燃焼ガスG4の絶対湿度Hは、燃焼ガスG1、G2に対して維持されるものの温度Tgが燃焼ガスG2よりも高温とした場合、相対湿度が低下して直線L7が、曲線L0の下方を通過し易くなり白煙の生成が抑制される。
かかる第5の排出形態においては、例えば、バイパス路46の分岐部46Aがボイラ本体10に接続されて燃焼ガスG2より高温の燃焼ガスG1がバイパス路46を通過可能に構成されており、この場合、熱交換部において結露がない場合にも、白煙の生成を抑制可能であることが理論的に裏付けられる。
【0058】
なお、第4、5の排出の形態の説明において、開口部15から排出された混合燃焼ガスG4に係る点Dと点Wとを結ぶ直線L6、L7が相対湿度100%を示す曲線L0の上方にある場合に白煙が生成され、下方にある場合に白煙が生成されないとして説明したが、燃焼ガスの温度低下が必ずしもリニアでない点等を考慮して、第4、第5の湿り空気線図上において直線L6、L7では曲線L0と交点が形成されても、直線L6、L7により表わされるべき燃焼ガス混合空気G5の状態(温度Tg−絶対湿度H)が、時間変化を考慮して曲線L0よりも下方であれば白煙は生成されない。
【0059】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44のうち第1の熱交換部16がボイラ1を設置する際にボイラ本体10に予め設けられ、その後、第2の熱交換部44が設けられる場合について説明したが、第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44の双方が、燃焼機器の設置当初から燃焼機器の一部として設けられ又は新たに燃焼機器に設けられる構成としてもよいし、燃焼機器本体に第2の熱交換部44が予め設けられている場合に、その後、第1の熱交換部16を新たに設ける構成としてもよい。また、3以上の複数の熱交換部を有する構成としてもよいことは当然である。
【0060】
なお、上記実施の形態においては、バイパス路46の分岐部46Aが排出路14の第1の熱交換部16より上流側に、バイパス路46の合流部46Bが排出路14の第2の熱交換部44より下流側に形成される場合について説明したが、バイパス路46の分岐部46Aは、燃焼ガス混合空気G5からの白煙の発生を抑制する範囲内において、第1の熱交換部16の上流側の前端よりも上流側又は第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44の途中位置のいずれの位置にも設定可能であり、少なくとも第1の熱交換部16及び第2の熱交換部44の双方又はいずれか一方の少なくとも一部を挟んで相対的に合流部46Bの上流側に形成されていればよい。
【0061】
また、第5の排出形態に示すように、バイパス路46の分岐部46Aをボイラ本体10に設けてもよいし、他の位置から分岐させてもよい。
また、バイパス路46に代えて、例えば、焼却炉、熱処理炉等をはじめとする他の設備、高温の気体を生成する加熱装置又は他のボイラからの高温の気体を合流部に供給する構成とすることも可能である。また、合流部に供給する高温の気体としては、燃焼ガスに限られず、加熱により高温とされた気体(例えば、加熱された空気等)を用いてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態においては、第1の熱交換部16が顕熱回収用とされ、第2の熱交換部44が潜熱回収用とされる場合について説明したが、第1の熱交換部16、第2の熱交換部44の機能については自在に設定可能である。
【0063】
また、上記実施の形態においては、図2に示したブロック図を例にバイパス路46の燃焼ガスG2の流通量を制御して燃焼ガス混合空気G5の相対湿度を100%未満に調整する場合について説明したが、他の手順に基づいて燃焼ガス混合空気G5の相対湿度を100%未満に調整する構成としてもよし、燃焼ガス混合空気G5の相対湿度を100%以上としてネルギ効率の低下を抑制しつつ白煙の生成を抑制する構成としてもよい。
また、流量調整弁48の開度の算出に関して、データベースDB1に代えて、又はともに他のデータベースを用い、又はその一部又は全部を演算手段を用いて算出してもよいことは当然である。
【0064】
また、上記実施の形態においては、流量制御部50が、燃焼ガス測定センサTC1と、大気温度測定センサTC2と、制御部51とを備え、混合燃焼ガスG4の温度TG4、大気温度TAとを、データベースDB1と対応させて流量調整弁48の開度を調整する場合について説明したが、流量制御部の構成は任意に設定することができる。
例えば、燃焼ガス測定センサTC1が温度測定する対象を、混合燃焼ガスG4に代えて、燃焼ガスG1、燃焼ガスG2、燃焼ガスG3、燃焼ガス混合空気G5のいずれかから選択し、又はこれら燃焼ガスのうち複数の燃焼ガスの温度を測定する温度センサを組み合わせて用いてもよいし、また、これらと燃焼ガスの流速、燃焼ガス、大気の湿度測定結果等、他の要因を測定して用いる構成としてもよい。
【0065】
また、上記実施の形態においては、弁が自動の流量調整弁48とされ、バイパス路46の燃焼ガスG2の流量を流量調整弁48の開度調整により行なう場合について説明したが、例えば、仕切り弁等の手動弁を用いてON、OFF、又は流量調整をしてもよいし、自動流量調整弁による場合において、開度制御以外のON−OFF制御等を適用することも可能である。
【0066】
また、上記実施の形態においては、排出路14が、第1の水平部14Aと、第1の鉛直部14Bと、第2の水平部14Cと、第2の鉛直部14Dと、第3の水平部14Eと、第3の鉛直部14Fとから構成される場合について説明したが、これらを任意に組み合わせた構成としてもよく、例えば、第1の鉛直部14Bにより縦型の排出路としてもよい。
【0067】
また、排出路14を構成する壁部の一部又は全部に断熱材を設けることにより、燃焼ガスG2、G3、G4の温度低下を抑制することにより白煙抑制手段の効率を向上することも可能である。
【0068】
また、上記実施の形態においては、燃焼機器がボイラの場合について説明したが、ボイラの他、燃料ガス又石油等の炭化水素を燃料とする燃焼機器に適用可能であることはいうまでもない。
また、
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエコノマイザを適用したボイラの縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るエコノマイザにおける流量調整弁の制御を示すブロック図である。
【図3】第1の排出形態における燃焼ガス中の絶対湿度を空気換算して湿り空気線図にプロットした白煙の発生を説明する第1の湿り空気線図である。
【図4】第2の排出形態における燃焼ガス中の絶対湿度を空気換算して湿り空気線図にプロットした白煙の発生を説明する第2の湿り空気線図である。
【図5】第3の排出形態における燃焼ガス中の絶対湿度を空気換算して湿り空気線図にプロットした白煙の発生を説明する第3の湿り空気線図である。
【図6】第4の排出形態における燃焼ガス中の絶対湿度を空気換算して湿り空気線図にプロットした白煙の発生を説明する第4の湿り空気線図である。
【図7】第5の排出形態における燃焼ガス中の絶対湿度を空気換算して湿り空気線図にプロットした白煙の発生を説明する第5の湿り空気線図である。
【符号の説明】
【0070】
G1 燃焼ガス
G2、G3 燃焼ガス
G4 混合燃焼ガス(燃焼ガス)
G5 燃焼ガス混合空気
TC1 燃焼ガス温度センサ(燃焼ガス温度測定手段)
TC2 大気温度センサ(大気温度測定手段)
1 ボイラ(燃焼機器)
10 ボイラ本体(燃焼機器本体)
14 排出路
15 開口部(排出口)
16 第1の熱交換部
40 エコノマイザ
42 通気路
44 第2の熱交換部
46 バイパス路
46A 分岐部
46B 合流部
48 流量調整弁(弁)
51 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼機器本体と、該燃焼機器本体で燃焼された燃焼ガスを排出口まで流通させる排出路と、を備えた燃焼装置の前記排出路に設けられるエコノマイザであって、
前記燃焼ガスが通過する通気路と、
前記燃焼ガスと接触して熱交換をする熱交換部と、を備え、
前記熱交換部を通過して前記排出口から排出される燃焼ガスの相対湿度を低減する白煙抑制手段を備えることを特徴するエコノマイザ。
【請求項2】
請求項1に記載のエコノマイザであって、
前記白煙抑制手段は、
前記排出路の前記熱交換部の少なくとも一部を通過した位置に合流部を有し、
前記排出路を通過する燃焼ガスの前記合流部における温度より高温の気体を、前記合流部から供給する高温ガス供給手段により構成されていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項3】
請求項2に記載のエコノマイザであって、
前記高温ガス供給手段は、
前記燃焼ガスを分岐部において分岐し前記合流部まで移送するバイパス路とされ、
前記分岐部は、少なくとも前記熱交換部の一部を挟んで前記合流部の上流側に形成されていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項4】
請求項3に記載のエコノマイザであって、
上流側に位置する第1の熱交換部と、該第1の熱交換部の下流側に位置する第2の熱交換部とを備え、
前記分岐部は前記第1の熱交換部の上流側に、前記合流部は前記第2の熱交換部の下流側に形成されていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のエコノマイザであって、
前記バイパス路には、燃焼ガスの流通を調整する弁が設けられていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項6】
請求項5に記載のエコノマイザであって、
制御部を備えるとともに、
前記弁は、前記制御部からの信号に基づいて前記バイパス路を流通する燃焼ガスの流量を調整可能に構成されていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項7】
請求項6に記載のエコノマイザであって、
前記排出口近傍の大気の温度を測定する大気温度測定手段と、
前記燃焼機器本体で生成された後、前記排出口から排出されて大気と混合された燃焼ガス混合空気となる以前のいずれかの状態の燃焼ガスの温度を測定する燃焼ガス温度測定手段と、を備え、
前記制御部は、
前記大気温度測定手段の測定値と、前記燃焼ガス温度測定手段の測定値とに基づいて、前記バイパス路を流通する燃焼ガスの流量を算出するように構成されていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のエコノマイザであって、
前記燃焼ガス混合空気の相対湿度が100%未満とされていることを特徴とするエコノマイザ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のエコノマイザを備えることを特徴とするボイラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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