説明

エタノールの製造方法及びエタノール含有糖化液の運搬方法

【課題】
本発明は、醗酵を一旦停止させることで、エタノールの生成効率を低下させることなく、エタノールを製造するための原料を効率的に運搬できるエタノールの製造方法及びエタノール含有糖化液の運搬方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、エタノールが生成する醗酵反応を一旦停止することで、少量のエタノールが含有したエタノール含有糖化液が得られる。この少量のエタノールが防腐剤として機能することで、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、エタノール含有糖化液中のエタノール濃度は低いため、引火などの大きな危険が伴うおそれもない。すなわち、効率的にエタノールの原料であるエタノール含有糖化液を運搬することができる。また、このエタノール含有糖化液をさらに醗酵させることで、生成効率を低下させることなくエタノールを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノールの原料となる紙資源からエタノールを製造する製造方法に関し、エタノールを製造する過程において製造されるエタノール含有糖化液の運搬方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷などが行われた使用済みの紙資源は再生紙として再利用されてきたが、近年情報漏洩の防止の目的から、多くの紙資源が細かく裁断されている。このように細かく裁断された紙資源は繊維が短いため、再生するのが難しく、再生紙に利用されていないという現状がある。再生されない裁断された紙資源は、焼却したり、埋め立てられたりしている。
【0003】
このような状況下において、古紙や段ボールなどのセルロースを含む紙資源を糖化醗酵させてエタノールを製造する方法が報告され(例えば、特許文献1参照)、紙資源がサトウキビやトウモロコシといった農作物と同等のエタノールの原料となりうることが示唆されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−88136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような方法で得られるエタノールを広く効率的に利用するためには、ある程度の量を集める必要があり、そのためには、原料である紙資源や生成したエタノールを集める必要がある。
【0006】
紙資源は、丸められたり、束ねられたりといったように、種々の形態で排出されるために嵩張りやすいため、特許文献1に示されるような方法を実施できる場所に運搬するためには、紙資源を押しつぶすなどの処理を行う必要がある。また、このような処理を行っても、嵩張りの問題が根本的に解決されたわけではない。
【0007】
そして、醗酵によって得られるエタノールは比較的濃度が高く、引火の危険がある。そして、このようなエタノールを運搬するためには、防爆設備の整った運搬車等を利用する必要があり、全ての運搬車に対してこのような設備を整えるのは大変難しく現実的ではない。
【0008】
また、紙資源中のセルロースを糖化させる前の前処理段階であれば、紙資源の嵩張りという問題を解決できる。しかしながら、このような状態の紙資源及び紙資源を含む液体媒体並びに糖化液といったエタノール製造中間体は腐敗しやすく、エタノールの生成効率が低下してしまう可能性がある。また、このような場合、防腐剤を入れることが考えられるが、この防腐剤は醗酵反応を阻害するため防腐剤を取り除かなければならない。
【0009】
そこで、本発明の発明者等は、鋭意研究を進めた結果、醗酵によって得られるエタノールによって、エタノール製造中間体を腐敗を防止することができることを見出した。すなわち、本発明は、醗酵を一旦停止させることで、エタノールの生成効率を低下させることなく、エタノールを製造するための原料を効率的に運搬できるエタノールの製造方法及びエタノール含有糖化液の運搬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
セルロースを含む紙資源を液体媒体とを混合する混合工程と、前記混合工程で形成された混合液に対して酵素を使用し、前記紙資源中の前記セルロースから酵素糖化反応によって糖化液を生成する糖化工程と、前記糖化工程で生成した前記糖化液に対して酵母を投入し、該酵母の至適温度より低い温度での醗酵によって第1エタノール含有糖化液を生成する第1醗酵工程と、前記第1醗酵工程よりも高い温度での醗酵によって前記第1醗酵工程で生成した前記第1エタノール含有糖化液から第2エタノール含有糖化液を生成する第2醗酵工程と、前記第2醗酵工程によって得られた前記第2エタノール含有糖化液からエタノールを蒸留する蒸留工程とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のエタノールの製造方法によれば、醗酵は、第1醗酵工程と、第2醗酵工程とに分けて行われる。すなわち、糖化液の醗酵を一旦停止する。第1醗酵工程によって得られる少量のエタノールは、防腐剤として機能するため、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、第1醗酵工程によって生成するエタノール含有糖化液中のエタノール濃度は低いため、引火などの大きな危険が伴うおそれもない。また、紙資源よりも嵩の小さいものとなる。このような中間体を経ても、特別な工程を必要とせずに、生成効率を低下させることなくエタノールを製造することができる。
【0012】
また、本発明のエタノール含有糖化液の運搬方法は、糖化醗酵によりエタノールを生成する紙資源を処理して得られるエタノール含有糖化液の運搬方法であって、セルロースを含む紙資源と液体媒体とを混合する混合工程と、前記混合工程で形成された混合物に対して酵素を使用し、前記紙資源中の前記セルロースから酵素糖化反応によって糖化液を生成する糖化工程と、前記糖化工程で生成した前記糖化液に対して酵母を投入し、該酵母の至適温度より引く温度で醗酵させて、エタノール含有糖化液を生成させる醗酵工程と、前記醗酵工程を一旦停止させ、前記第1醗酵工程で生成したエタノール含有糖化液を運搬する運搬工程とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明のエタノール含有糖化液の運搬方法によれば、エタノールが生成する醗酵反応を一旦停止することで、少量のエタノールが含有したエタノール含有糖化液が得られる。この少量のエタノールが防腐剤として機能することで、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、醗酵工程によって生成するエタノール含有糖化液中のエタノール濃度は低いため、引火などの大きな危険が伴うおそれもない。また、紙資源よりも嵩の小さいものとなる。すなわち、効率的にエタノールの原料であるエタノール含有糖化液を運搬することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、エタノールが生成する醗酵反応を一旦停止することで、少量のエタノールが含有したエタノール含有糖化液が得られる。この少量のエタノールが防腐剤として機能することで、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、エタノール含有糖化液中のエタノール濃度は低いため、引火などの大きな危険が伴うおそれもない。すなわち、効率的にエタノールの原料であるエタノール含有糖化液を運搬することができる。また、このエタノール含有糖化液をさらに醗酵させることで、特別な工程を必要とせずに、生成効率を低下させることなくエタノールを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明においては、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0016】
本発明のエタノール製造方法は、エタノールの原料となる紙資源に対して、混合工程と、糖化工程と、第1醗酵工程と、第2醗酵工程と、蒸留工程とが行われる。
【0017】
本発明に使用される原料としては、紙資源を用いるが、糖化醗酵によりエタノールを生成するセルロースを含む紙であれば特に限定するものではない。例えば、麻紙、印刷用紙、段ボールといったものが挙げられ、使用された紙であっても、使用されていない紙であってもよいが、紙資源の再利用の観点から使用された紙である方が好ましい。
【0018】
このような紙資源は、上述した紙資源を例えば1cm×0.5cmといった適度な大きさに裁断されたものを使用するのが好ましい。この大きさは、特に限定されるものではなく、後述する混合工程で、紙資源が液体媒体に濡れて、糖化反応の前処理が円滑に行える程度の大きさであればよい。裁断された紙資源は、液体媒体への浸漬の直前に行ったものであってもよいが、予め裁断されたものであってもよい。予め裁断された紙資源としては、シュレッダーといった裁断装置によって裁断された印刷済みの印刷用紙が挙げられる。
【0019】
混合工程は紙資源と液体媒体と混合し、紙資源の含有した混合液とする工程である。このとき、後述する糖化工程での酵素糖化反応で、酵素の至適pHの範囲内となるようにpHを調整する。
【0020】
この混合工程で使用される液体媒体としては、酵素糖化反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。例えば水やpH緩衝溶液等が挙げられる。例えば、液体媒体として水を使用する場合、紙資源と混合した後、混合液に酸又はアルカリを投入して、酵素の至適pHの範囲内になるようにpHを調整する。
【0021】
例えば、液体媒体としてpH緩衝溶液を使用する場合、酵素糖化反応に使用する酵素の至適pHに合わせたpH緩衝溶液を選択し、紙資源と混合する。これにより、混合工程で、酵素の至適pHの範囲内から外れ難くなり、円滑に酵素糖化反応を行うことができる。
【0022】
また、この混合工程においては、印刷済みの印刷用紙が使用された場合、印刷に使用された現像剤を取り除くような処理を行ってもよい。この処理によって、現像剤の存在で発生する糖化工程及び醗酵工程の反応効率の低下を防止することができる。
【0023】
糖化工程は、混合工程で紙資源と液体媒体とを混合した混合液に酵素を投入し、酵素糖化反応により糖化液を精製させる工程である。酵素を投入することで、混合液中のセルロースが加水分解し、グルコースが生成する。この糖化工程は、回分式でも、固定化酵素を含むバイオリアクターを用いた連続式で行ってもよい。この酵素糖化反応に使用される酵素は、セルロースを加水分解することができる酵素であれば特に限定するものではなく、例えばセルラーゼを使用することができる。また、エキソ型のセルラーゼでも、エンド型のセルラーゼでもよく、これらをを組み合わせて使用してもよい。
【0024】
セルラーゼを使用して、セルロースの加水分解を行う場合、通常のセルロースをグルコースに分解する方法において用いられている条件下で行うことができる。このセルラーゼの性質は、それを生産する微生物の種類によって若干異なるが、至適pH範囲は、3.5〜5.5、至適温度範囲は、45〜55℃である。そのため、糖化工程40で、セルラーゼを使用する場合、前工程の混合工程30で混合液のpHを3.5〜5.5となるように調整する。また、この糖化工程40では、酵素糖化反応を円滑に進めるために、酵素の至適pH及び至適温度の範囲内となるように、反応系中のpH及び温度を調整する。
【0025】
第1醗酵工程は、糖化工程で生成したグルコースなどの糖類を含む糖化液に酵母を投入し、糖化液中の一部をグルコースを醗酵させて、エタノールを生成させる工程である。この醗酵に使用される酵母は、糖化液中のグルコースからエタノールを生成させる酵母であれば特に限定するものではなく、例えばパン酵母等のを使用することができる。また、異種類の酵母を単独で使用してもよいが、複数種類の酵母を組み合わせて使用してもよい。この第1醗酵工程によって、糖化液がエタノールを含有するエタノール含有糖化液となる。なお、このエタノール含有糖化液は、エタノールを製造過程における中間体(エタノール製造中間体)である。
【0026】
この第1醗酵工程では、使用される酵母の至適温度よりも低い温度、かつ醗酵を行うことができる程度の温度に設定される。すなわち、この第1醗酵工程は、通常よりもエタノールの生成速度の遅い条件で反応を行い、エタノールの生成量をコントロールしながら、醗酵を行う工程である。例えば、この第1醗酵工程では、パン酵母の至適温度が40〜50℃であるため、それよりも低い温度である20℃以上30℃以下となるように醗酵の温度がコントロールされる。
【0027】
そして、この第1醗酵工程は、所定の時間経過した後、醗酵を一時的に停止させる。第1醗酵工程における醗酵の時間は、エタノールが防腐剤として機能するために必要な量が生成できる時間であれば特に限定するものではなく、酵母の投入量、温度、pHに応じて適宜変更可能である。例えば、エタノール含有糖化液中に、全体の重量に対して約10wt%程度のエタノールが存在することで、エタノール含有糖化液の防腐剤として機能するため、この濃度となるような量のエタノールが生成する時間を予め測定しておき、その時間に合わせて醗酵を一時的に停止させておけばよい。
【0028】
醗酵を停止させる方法としては、エタノール含有糖化液に投入する至適pH又は至適温度からはずれるようにpHや温度を調整することにより行うことができる。例えば、冷却装置等を使用してエタノール含有糖化液を冷却して至適温度以下としたり、塩酸といったの酸や水酸化ナトリウムといった塩基を投入してエタノール含有糖化液のpHを至適pHからはずしたりすることで醗酵を停止させることができる。ここで、エタノール含有糖化液を冷却する場合、周囲の温度によっては常に冷却装置を作用させておく必要があるものの、温度を再度上昇させることで醗酵を再開することができ簡便である。一方、pHを調整する場合、醗酵の再開に再度pH調製を行う必要があるものの、周囲の温度に関係なく醗酵を停止させることができる。すなわち、状況に応じて適宜選択することができる。
【0029】
エタノール製造中間体である紙資源及び紙資源を有する液体媒体並びに糖化液は、従来運搬中に微生物等が入り込むことで、腐敗してしまう可能性があった。しかしながら、本発明では、エタノールの殺菌性に着目し、少量のエタノールがグルコースを含む糖化液中に含まれることで、従来、発生する可能性のあったエタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。すなわち、この状態で運搬すれば、エタノール製造中間体が腐敗することない。また、この程度の濃度であれば、引火の可能性は低く、危険性が少ない。したがって、防爆設備を整える必要性もなくなり、容易に運搬することもできる。
【0030】
第2醗酵工程は、第1醗酵工程によって生成したエタノール含有糖化液を再度醗酵させて、糖化液中のグルコースを完全に醗酵させて、エタノールを生成指させる工程である。エタノール含有糖化液は、第1醗酵工程における醗酵を停止させる目的で行ったpH又は温度の調整を行っているため、発酵前にpH又は温度が至適pH又は至適温度となるように調整を行う必要がある。
【0031】
またこのとき、より醗酵を促進させるために、既に投入されている酵母が失活しない程度に、新たな酵母を投入してもよい。この第2醗酵工程に使用される酵母は、第1醗酵工程で使用される酵母とほぼ同様である。この工程によって、第1醗酵工程で得られた約10wt%程度のエタノールを有する第1エタノール含有糖化液から、約20wt%程度のエタノールを有する第2エタノール含有糖化液となる。
【0032】
蒸留工程は、第2醗酵工程における醗酵で十分にエタノールが得られたエタノール含有糖化液を蒸留し、エタノールを得る工程である。この蒸留工程は、まず、第2醗酵工程で得られたエタノール含有糖化液を濾過し、得られた液体を蒸留することによってエタノールが得られる。濾過によって液体と分離された残渣物は、固形燃料として使用することもできる。
【0033】
このように、本発明のエタノール製造方法は、醗酵を第1醗酵工程と、第2醗酵工程とに分けて行われ、第1醗酵工程によって得られる少量のエタノールは、防腐剤として機能するため、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、第1醗酵工程によって生成するエタノール含有糖化液中のエタノール濃度は低いため、引火などの大きな危険が伴うおそれもない。また、紙資源よりも嵩の小さいものとなる。このような中間体を経ても、特別な工程を必要とせずに、生成効率を低下させることなくエタノールを製造することができる。
【0034】
次に、本発明のエタノール含有糖化液の運搬方法について説明する。本発明のエタノール含有糖化液の運搬方法は、上述した第1醗酵工程における醗酵が一旦停止されたエタノール含有糖化液を運搬するものである。
【0035】
本発明のエタノール含有糖化液の運搬方法は、混合工程と、糖化工程と、醗酵工程と、運搬工程とを有する。このうち、混合工程はエタノールの製造方法の混合工程と同じであり、糖化工程はエタノールの製造方法の糖化工程と同じであり、醗酵工程はエタノールの製造方法の第1醗酵工程と同じである。
【0036】
運搬工程は、醗酵工程によって得られた少量のエタノールを含むエタノール含有糖化液を運搬する工程である。このとき、醗酵工程における醗酵の停止の方法によって、運搬するエタノール含有糖化液の温度やpHの調整を行いながらエタノール含有糖化液を運搬するのが好ましい。運搬されたエタノール含有糖化液は、至適温度及び至適pHに調整されることで、再度醗酵が行われ、発酵後に蒸留することでエタノールが得られる。すなわち、エタノール含有糖化液は、エタノールの製造に好適な原料となる。
【0037】
上述のように、運搬されるエタノール含有糖化液には、醗酵工程における醗酵によって少量のエタノールが含まれているため、このエタノールが糖化液の防腐剤として機能し、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、この方法によれば、エタノール含有糖化液中のエタノール濃度が低いため、防爆設備の整った運搬車を使用することなく運搬することができる。
【0038】
従来、紙資源を原料にエタノールを製造する場合、紙資源の嵩張りが問題となっていた。特に使用済みで裁断された紙資源の嵩張りは顕著で、圧縮装置などを駆使してエタノールを製造する場所まで運搬する必要があった。本発明であれば、紙資源をより嵩の小さいエタノール含有糖化液とすることで、圧縮装置などを使用せずに効率的に運搬することができ、運搬コストを低下させることもできる。すなわち、紙資源を原料にエタノールを製造する場合、醗酵を一旦停止させて得られるエタノール含有糖化液を運搬することが最も効率的であることがわかる。
【0039】
すなわち、本発明のエタノール含有糖化液の運搬方法は、エタノールが生成する醗酵反応を一旦停止することで、少量のエタノールが含有したエタノール含有糖化液が得られる。この少量のエタノールが防腐剤として機能することで、エタノール製造中間体の腐敗を防止することができる。また、醗酵工程によって生成するエタノール含有糖化液中のエタノール濃度は低いため、引火などの大きな危険が伴うおそれもない。また、紙資源よりも嵩の小さいものとなる。すなわち、効率的にエタノールの原料であるエタノール含有糖化液を運搬することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースを含む紙資源を液体媒体とを混合する混合工程と、
前記混合工程で形成された混合液に対して酵素を使用し、前記紙資源中の前記セルロースから酵素糖化反応によって糖化液を生成する糖化工程と、
前記糖化工程で生成した前記糖化液に対して酵母を投入し、該酵母の至適温度より低い温度での醗酵によって第1エタノール含有糖化液を生成する第1醗酵工程と、
前記第1醗酵工程よりも高い温度での醗酵によって前記第1醗酵工程で生成した前記第1エタノール含有糖化液から第2エタノール含有糖化液を生成する第2醗酵工程と、
前記第2醗酵工程によって得られた前記第2エタノール含有糖化液からエタノールを蒸留する蒸留工程とを有することを特徴とするエタノール製造方法。
【請求項2】
前記紙資源は、裁断された用紙であることを特徴とする請求項1に記載のエタノール製造方法。
【請求項3】
前記第1醗酵工程は、30℃以下で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のエタノール製造方法。
【請求項4】
前記第2醗酵工程は、投入された該酵母の至適温度で醗酵を行うことを特徴とする請求項1乃至3に記載のエタノール製造方法。
【請求項5】
糖化醗酵によりエタノールを生成する紙資源を処理して得られるエタノール含有糖化液の運搬方法であって、
セルロースを含む紙資源と液体媒体とを混合する混合工程と、
前記混合工程で形成された混合物に対して酵素を使用し、前記紙資源中の前記セルロースから酵素糖化反応によって糖化液を生成する糖化工程と、
前記糖化工程で生成した前記糖化液に対して酵母を投入し、該酵母の至適温度より引く温度で醗酵させて、エタノール含有糖化液を生成させる醗酵工程と、
前記醗酵工程を一旦停止させ、前記第1醗酵工程で生成したエタノール含有糖化液を運搬する運搬工程とを有することを特徴とするエタノール含有糖化液の運搬方法。

【公開番号】特開2009−65870(P2009−65870A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235781(P2007−235781)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(598112453)株式会社ジュオン (11)
【Fターム(参考)】