説明

エネルギー回収装置

【課題】2つのシリンダー装置7a、7bの圧送工程と充填工程の切り換えで、高圧濃縮海水4の圧力に急激な変動が生じないエネルギー回収装置を提供する。
【解決手段】2つのシリンダー装置7a、7bを、2つの流路切換装置20a、20bにそれぞれ連通し、2つのシリンダー装置7a、7bの一端側に、ピストン8a、8bの移動通過を検出する第1、2の位置検出器30a、30bを配設し、より一端側に間隔を開けて第3、4の位置検出器31a、31bを配設する。圧送工程のシリンダー装置の第1、2の位置検出器30a、30bの信号により流路切換装置20a、20bで充填工程にあったシリンダー装置を圧送工程とし、その後に第3、4の位置検出器31a、31bの信号により流路切換装置20a、20bで圧送工程にあったシリンダー装置を充填工程とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水の淡水化、若しくは汚水からきれいな水を得る等のための、逆浸透法による水処理システムに用いられるエネルギー回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海水から淡水を造水する方法の一つとして逆浸透法が知られている。この逆浸透法は、海水に海水の浸透圧(約2.5MPa)以上の高い圧力を浸透圧の作用する方向と逆方向に加えて、半透膜(逆浸透膜)で濾過し、海水から塩類を除いた淡水を分離させるものである。淡水が分離されて塩類が濃縮された海水は高い圧力エネルギーを保持したまま膜分離装置から流出する。そこで、この流出する濃縮海水の有する高い圧力エネルギーを有効に利用するため、種々のエネルギー回収装置が実用化されている。
【0003】
逆浸透法による海水淡水化システムにおける従来のエネルギー回収装置の一例を図8ないし図11を参照して説明する。図8は、従来例の海水淡水化システムに用いられたエネルギー回収装置の構成と水の流れを示す模式図で、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図9は、図8の模式図で、第1のシリンダー装置が充填工程、第2のシリンダー装置が圧送工程にある状態を示す。図10は、図8の従来例の流路切換装置の構造を示す図である。図11は、図8の従来例の第1と第2のシリンダー装置の圧送行程および充填行程と流路切換装置の動作関係を示す模式図である。
【0004】
図8において、給水手段としての取水ポンプ1で取水された海水が高圧ポンプ2で昇圧(一例として5〜7MPa)され、膜分離装置3に送られて濃縮海水4と淡水5に分離される。分離された淡水5は貯留槽(図示せず)に送水される。一方、膜分離装置3の流出口23から流出した高圧濃縮海水4は、流路切換装置6に流入ポート6aから流入し、流路切換装置6の第1の流出入ポート6bと連通された第1のシリンダー装置7aの他端に流入し、ピストン8aを高圧で矢印の方向に移動させる。ピストン8aの移動によって第1のシリンダー装置7a内の低圧の海水が圧縮されて高圧となり一端の第1の連通口9から流出し、4つの逆止弁で構成された流路方向規制装置10を介して増圧手段としての増圧ポンプ11に流入し、高圧ポンプ2と同じ吐出圧力まで昇圧された後、高圧ポンプ2からの高圧海水と合流して膜分離装置3に送られ、高圧の濃縮海水4と淡水5に分離される。
【0005】
上述の第1のシリンダー装置7aの圧送工程と並行して、第2のシリンダー装置7bで充填工程が行われる。取水ポンプ1で取水された海水が流路方向規制装置10を介して第2の連通口12から第2のシリンダー装置7bの一端に供給され、ピストン8bを矢印の方向に移動させる。ピストン8bの移動によって第2のシリンダー装置7b内の低圧の濃縮海水が押し出されて、流路切換装置6の第2の流出入ポート6cから流路切換装置6に流入し、第2の流出ポート6eから排出路60に排出される。圧送工程にある第1のシリンダー装置7aのピストン8aが流路方向規制装置10側に移動し、一端側に設けられた第1の位置検出器13aによりピストン8aが検出されると、第1の位置検出器13aから第1の信号が制御装置14に送信され、この第1の信号を受けて制御装置14から切換信号が流路切換装置6の駆動装置15に送られて流路切換装置6の流路が切り換えられる。
【0006】
この流路切換装置6の流路の切り換えにより、図9に示すごとき、第2のシリンダー装置7bが圧送工程、第1のシリンダー装置7aが充填工程に切り換えられる。膜分離装置3の流出口23から流出した高圧濃縮海水4が流路切換装置6の第2の流出入ポート6cと連通された第2のシリンダー装置7bの他端に流入し、ピストン8bを高圧で矢印の方向に移動させる。ピストン8bの移動によって第2のシリンダー装置7b内の低圧の海水が圧縮されて高圧となり一端から第2の連通口12から流出し、流路方向規制装置10を介して増圧ポンプ11に流入し、高圧ポンプ2と同じ吐出圧力で高圧ポンプ2からの高圧海水と合流して膜分離装置3に送らる。
【0007】
この第2の シリンダー装置7bの圧送工程と並行して、第1のシリンダー装置7aで充填工程が行われる。取水ポンプ1で取水された海水が流路方向規制装置10を介して第1の連通口9から第1のシリンダー装置7aの一端に供給され、ピストン8aを矢印の方向に移動させる。ピストン8aの移動によって第1のシリンダー装置7a内の低圧の濃縮海水が押し出されて、流路切換装置6の第1の流出入ポート6bから流路切換装置6に流入し、第1の流出ポート6dから排出路60に排出される。圧送工程にある第2のシリンダー装置7bのピストン8bが流路方向規制装置10側に移動し、一端側に設けられた第2の位置検出器13bによりピストン8bが検出されると、第2の位置検出器13bから第2の信号が制御装置14に送信され、この第2の信号を受けて制御装置14から切換信号が流路切換装置6の駆動装置15に送られて流路切換装置6の流路が切り換えられる。
【0008】
このように第1のシリンダー装置7aと第2のシリンダー装置7bを圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、これらの交互の切換を継続して行うことによってエネルギーの回収を効果的に行うことができる。かかるエネルギーの回収装置の一例が、米国特許第5797429号公報(特許文献1)に示されている。
【特許文献1】米国特許第5797429号公報
【0009】
そして、図8および図9において用いられた従来の流路切換装置6は、図10に示すように、1本のシリンダー16に、第2の流出ポート6eと第2の流出入ポート6cと流入ポート6aと第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dが順次に配設されている。第1の流出ポート6dと第2の流出ポート6eは、排出路60に連通され、流入ポート6aは、膜分離装置3の流出口23に連通され、第1の流出入ポート6bが第1のシリンダー装置7aの他端に連通され、第2の流出入ポート6cが第2のシリンダー装置7bの他端に連通される。さらに、第1の流出ポート6dと第1の流出入ポート6bを遮断および連通させるとともに第1の流出入ポート6bと流入ポート6aを遮断および連通させる第1のピストン17aと、第2の流出ポート6eと第2の流出入ポート6cを遮断および連通させるとともに第2の流出入ポート6cと流入ポート6aを遮断および連通させる第2のピストン17bが設けられ、これらの第1のピストン17aと第2のピストン17bが、ピストンロッド18で連結され、ピストンロッド18が駆
動装置15に連結されて構成される。
【0010】
かかる構成の従来の流路切換装置6の動作を図11を参照して説明する。図11(a)は、第1のシリンダー装置7aが圧送行程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程である。第1のピストン17aが第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dの連通を遮断し、流入ポート6aが第1の流出入ポート6bに連通していて、高圧濃縮海水4が第1のシリンダー装置7aに流入する。また、第2のピストン17bが流入ポート6aと第2の流出入ポート6cの連通を遮断し、第2の流出入ポート6cと第2の流出ポート6eを連通していて、第2のシリンダー装置7b内の低圧な海水が排出路60に排水される。図11(b)は、第1のシリンダー装置7aの第1の位置検出器13aによりピストン8aが検出されて、流路切換装置6が切り換えられるようにピストンロッド18が紙面の右側から左側に移動して、第2の流出入ポート6cが第2のピストン17bにより閉塞されようとする状態である。図11(c)は、さらにピストンロッド18が移動して、第2の流出入ポート6cが第2のピストン17bにより完全に閉塞されて、第2の流出入ポート6cと第2の流出ポート6eが遮断されるとともに第2の流出入ポート6cと流入ポート6aが遮断されたままである。この状態では、第1の流出入ポート6bは第1のピストン17aで未だ閉塞されていない。ここで、第2の流出入ポート6cが第2のピストン17bにより遮断されている状態で、第1の流出入ポート6bが第1のピストン17aにより閉塞されると、高圧濃縮海水4の流入ポート6aへの流入が妨げられて、膜分離装置3に高圧の負荷が加わり、逆浸透膜が破損したり、流路切換装置6やその配管に振動および騒音が発生する虞があり、しかもエネルギーの回収効率が低下する。そこで、図11(d)のごとく、第1の流出入ポート6bが第1のピストン17aにより閉塞されようとして流路面積が縮小されて高圧濃縮海水4が流入する流量が低下する分だけ、第2のピストン17bによる第2の流出入ポート6cの閉塞を開放して流路面積を拡大して、第2の流出入ポート6cに流入する高圧濃縮海水4の流量が増加するようになされる。もって、流入ポート6aへ流入する高圧濃縮海水4の流れが妨げられるようなことがなく、逆浸透膜の破損や流路切換装置6やその配管の振動および騒音の発生が防止され、エネルギーの回収効率も向上する。さらに、ピストンロッド18の移動で、図11(e)のごとく、第1のピストン17aにより第1の流出入ポート6bが完全に閉塞されて、第1の流出入ポート6bと流入ポート6aの連通が遮断されると、第2のピストン17bにより第2の流出入ポート6cと流入ポート6aが完全に連通される。そしてさらに、ピストンロッド18の移動で、図11(f)のごとく、第1のピストン17aにより第1の流出入ポート6bの閉塞が開放されて、第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dが小さな流路面積で連通され、さらなるピストンロッド18の移動で、図11(g)のごとく、第1のピストン17aによる第1の流出入ポート6bの閉塞が完全に解放されて、第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dが連通される。この第1の位置検出装置13aからの第1の信号によるピストンロッド18が紙面の右側から左側に移動する流路切換装置6の切り換えにより、今度は、第1のシリンダー装置7aが充填工程となり、第2のシリンダー装置7bが圧送工程となる。そして、第2の位置検出装置13bからの第2の信号によるピストンロッド18が紙面の左側から右側に移動する流路切換装置6の切り換えにより、今度は、再び第1のシリンダー装置7aが圧送工程となり、第2のシリンダー装置7bが充填工程となる。
【0011】
上述の従来のエネルギー回収装置における流路切換装置6にあっては、図10に示すように、流入ポート6aの幅をX1とし、第1の流出入ポート6bと第2流出入ポート6cの幅が同じ寸法でX2とし、第1のピストン17aと第2のピストン17bの幅が同じ寸法でX3とし、第1の流出ポート6dの幅をX4とすれば、第1のピストン17aと第2のピストン17bが実線で示す状態から破線で示す状態まで移動するために、シリンダー16はX1+2×X2+6×X3+X4の長さが必要である。なお、第1の流出入ポート6bと第2流出入ポート6cの幅X2より、第1のピストン17aと第2のピストン17bの幅X3が大きく設定される。これは第1の流出入ポート6bと第2流出入ポート6cをそれぞれ第1のピストン17aと第2のピストン17bで閉塞したときに完全に閉塞するためである。完全に閉塞できずに隙間が生じると、流入ポート6aの高圧濃縮海水4が第1の流出ポート6dと第2の流出ポート6eに流れる虞がある。そして、ピストンロッド18のストロークは、X2+2×X3だけ必要である。第1のシリンダー装置7aと第2のシリンダー装置7bに高圧濃縮海水4が同様に流入するように、第1の流出入ポート6bの幅と第2流出入ポート6cの幅は同じ寸法X2とされ、第1のピストン17aの幅と第2のピストン17bの幅も同じX3とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の従来のエネルギー回収装置は、高圧濃縮海水4が途切れることなく常時一定の流量で連続して流入ポート6aに流入し、しかも第1のシリンダー装置7aに連通された第1の流出入ポート6bと第2のシリンダー装置7bに連通された第2の流出入ポート6cが同時に閉塞されることがないようにして、エネルギー交換が連続して行い得るという特徴を有する。しかしながら、流路切換装置6の流路の切り換え過渡期において、流路の変更や流路方向規制手段10に用いられる逆止弁の応答性などにより、高圧濃縮海水4の流量や圧力に急激な変動が生じることがあり、振動と騒音が発生したり、逆浸透膜が損傷するなどの問題があった。また、エネルギー回収の効率も悪化する。
【0013】
また、1つの流路切換装置6のシリンダー16に、5つのポートを設ける必要があるため、シリンダー16とピストンロッド18が軸方向に長くなり、シリンダー16の内径およびピストンロッド18に固定された第1のピストン17aと第2のピストン17bの外径を、精度良く加工することが難しいという問題がある。さらに、流路切換装置6のピストンロッド18のストロークが長くなることで、ピストンロッド18を駆動する駆動装置15(例えば、油圧シリンダー等を使用)では、長大化が問題となる。またさらに、シリンダー16が軸方向に長いため、第1のピストン17aおよび第2のピストン17bの移動速度を速くして流路の切り換え速度を速くする必要があり、切り換え速度を速くすることで流路切換装置6内の圧力変動が大きくなり、振動や騒音が発生して流路切換装置6の寿命が短くなるなどの問題がある。そしてまた、エネルギー回収装置全体が大形化し、広い設置スペースが必要になるという問題もある。
【0014】
本発明は、上述のごとき従来のエネルギー回収装置の問題点に鑑みてなされたもので、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることで、切り換えの際に、第1のシリンダー装置に連通された第1の流出入ポートと第2のシリンダー装置に連通された第2の流出入ポートを一時的に同時に全開とさせて、高圧濃縮水の流量や圧力に急激な変動が生じないようにして、振動と騒音が発生したり、逆浸透膜が損傷するようなことがなく、しかもエネルギー回収の効率も改善されたエネルギー回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置に、前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置に、前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段を設け、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段を設け、前記第1の判断手段の前記信号により、前記第2の流路切換装置の流路を前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換え、前記第2の切換判断手段により前記第2の流路切換装置の流路が前記第2のシリンダーの前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたと判断すると、前記第1の流路切換装置の流路を前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように切り換え、前記第2の判断手段の前記信号により、前記第1の流路切換装置の流路を前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換え、前記第1の切換判断手段により前記第1の流路切換装置の流路が前記第1のシリンダーの前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたと判断すると、前記第2の流路切換装置の流路を前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように切り換えるように構成されている。
【0016】
また、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第1のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の信号を発する第1の位置検出器を配設するとともに、前記第1のシリンダー装置の前記外壁に前記第1の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第3の信号を発する第3の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第2のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の信号を発する第2の位置検出器を配設するとともに、前記第2のシリンダー装置の前記外壁に前記第2の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第4の信号を発する第4の位置検出器を配設し、前記第1の位置検出器の前記第1の信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記第3の位置検出器の前記第3の信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第2の位置検出器の前記第2の信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第4の位置検出器の前記第4の信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
【0017】
そして、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の外壁に、前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の計時開始信号を発する第1の計時開始位置検出器を配設し、前記第1の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L1、L3を隔てた位置P1、P3を設定し、前記第2のシリンダー装置の外壁に、前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の計時開始信号を発する第2の計時開始位置検出器を配設し、前記第2の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L2、L4を隔てた位置P2、P4を設定し、前記膜分離装置の前記流出口から流出する高圧濃縮水の流量を測定する流量測定手段を設け、この流量測定手段で測定された流量と前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置のそれぞれのシリンダー断面積とからそれぞれのピストンの移動速度を求め、前記移動速度から前記距離L1、L2、L3、L4を移動するのに要する時間t1、t2、t3、t4を予め算出して制御装置に記憶し、前記制御装置で、前記第1の計時開始位置検出器の前記第1の計時開始信号により計時が開始され、前記時間t1の計時で、前記制御装置からの第1の切換信号により前記第2のシリンダー装置の他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記時間t3の計時で、前記制御装置からの第3の切換信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で、前記第2の計時開始位置検出器の前記第2の計時開始信号により計時が開始され、前記時間t2の計時で、前記制御装置からの第2の切換信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、時間t4の計時で、前記制御装置からの第4の切換信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
【0018】
さらに、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第1のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の信号を発する第1の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第2のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の信号を発する第2の位置検出器を配設し、制御手段で、前記第1の位置検出器の前記第1の信号により第1の時間の計時が開始されるとともに前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段による前記第1の時間の計時で、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段で、前記第2の位置検出器の前記第2の信号により第2の時間の計時が開始されるとともに前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段による前記第2の時間の計時で、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
【0019】
そしてまた、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第1のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の信号を発する第1の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第2のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の信号を発する第2の位置検出器を配設し、前記第1の流路切換装置に、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように流路が切り換えられたことを検出する第1の流路切換検出器を配設し、前記第2の流路切換装置に、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように流路が切り換えられたことを検出する第2の流路切換検出器を配設し、制御手段で、前記第1の位置検出器の前記第1の信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記第2の流路切換検出器で前記第2の流路切換装置が前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたことを検出すると、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段で、前記第2の位置検出器の前記第2の信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第1の流路切換検出器で前記第1の流路切換装置で前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたことを検出すると、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することができる。
【0020】
さらにまた、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置の流路切換速度が、前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置の前記他端と前記膜分離装置の前記流出口を連通するときには遅く、前記他端と前記膜分離装置の前記流出口の連通を遮断するときには速くなるようにすることも可能である。
【0021】
そしてまた、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置が、前記流出ポートと前記流入ポートの間に前記流出入ポートを配設して、それぞれのシリンダーに1つの流出ポートと1つの流出入ポートと1つの流入ポートと1つの調整ポートを順次に設け、前記流出ポートと前記流出入ポートの間に位置して前記流出ポートと前記流出入ポートを遮断するとともに前記流出入ポートと前記流入ポートの間に位置して前記流出入ポートと前記流入ポートを遮断する第1のピストンと、前記第1のピストンが前記流出ポートと前記流出入ポートの間に位置した状態で、前記流入ポートより前記流出入ポートと反対側に位置する第2のピストンを設け、前記第1のピストンと前記第2のピストンをピストンロッドで連結するとともに、前記ピストンロッドの一端を駆動装置に連結して前記ピストンロッドが前記シリンダーの軸方向に移動するようにし、前記シリンダーの前記流入ポート側の端部に前記調整ポートを配設して構成することも可能である。
【0022】
そしてさらに、前記第2のピストンのシリンダーの軸方向の厚さを、前記第1のピストンの前記シリンダーの軸方向の厚さより薄く構成することもできる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載のエネルギー回収装置によれば、2つのシリンダー装置のそれぞれに流路切換装置を設け、それぞれのシリンダー装置にピストンが所定の位置となったと判断する判断手段を設け、それぞれの流路切換装置が流路を切り換えたと判断する切換判断手段を設けたので、一方の圧送工程にあるシリンダー装置のピストンの位置を判断して、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができる。2つの流路切換装置への高圧濃縮水の流入が妨げられることがなく、圧力の急激な上昇が発生せず、振動および騒音の発生がないとともに膜分離装置の損傷が防止され、エネルギー回収装置の信頼性が向上する。そして、切換判断手段により他方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置が流路を切り換えたと判断すると、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。
【0024】
請求項2記載のエネルギー回収装置によれば、2つのシリンダー装置のそれぞれに流路切換装置を設けるとともに、2つのシリンダー装置のそれぞれにピストンの所定の位置を検出する2つの位置検出器をそれぞれに設けて構成したので、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた第1の位置検出器によりピストンが所定の位置となったのを検出すると、一方のシリンダ装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、一方のシリンダー装置に設けられた第2の位置検出器によりピストンが他の所定の位置となったのを検出すると、他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段が流路を切り換えたと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。
【0025】
請求項3記載のエネルギー回収装置によれば、2つのシリンダー装置のそれぞれに流路切換装置を設けるとともに、2つのシリンダー装置のそれぞれにピストンの所定の位置を検出する計時開始位置検出器を設け、この計時開始位置検出器から2つの距離を隔てた2つの位置をそれぞれに設定し、膜分離装置から流出する高圧濃縮水の流量を測定する流量測定手段を設け、測定された流量とシリンダー断面積とからそれぞれのピストンの移動速度を求め、この移動速度から所定の位置から設定された位置まで移動するのに要する時間を予め算出して制御装置にそれぞれ記憶し、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた計時開始位置検出器による検出で計時が開始されてから所定の時間が計時されるとピストンが設定された位置となったと判断して、一方のシリンダ装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。さらに他の所定の時間が計時されると、他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段が流路を切り換えたと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えてえ、効率よくエネルギーを回収することができる。
【0026】
請求項4記載のエネルギー回収装置によれば、2つのシリンダ装置のそれぞれに流路切換装置を設けるとともに、2つのシリンダ装置のそれぞれにピストンの所定の位置を検出する位置検出器を設け、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダ装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、制御手段で、位置検出器による検出で計時が開始され、所定の時間が計時されると、他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段が流路を切り換えたと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。
【0027】
請求項5記載のエネルギー回収装置によれば、2つのシリンダ装置のそれぞれに流路切換装置を設けるとともに、2つのシリンダ装置のそれぞれにピストンの所定の位置を検出する位置検出器を設け、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダ装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、流路切換装置に流路が切り換えられたことを検出する流路切換検出器をそれぞれに配設したので、他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路が切り換えられたことを検出すると、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。流路切換手段が流路を切り換えたことを流路切換検出器で検出するので、確実に検出することができる。
【0028】
請求項6記載のエネルギー回収装置にあっては、流路切換装置の流路切換速度が、シリンダー装置に高圧濃縮水が流入するように流路を切り換えるときは切り換えが遅くなるようにしたので、流路を切り換える過渡期においても高圧濃縮水の流量や圧力の急激な変動が生じることがなく、振動および騒音の発生がない。
【0029】
請求項7記載のエネルギー回収装置にあっては、流路切換装置が、流出ポートと流入ポートの間に流出入ポートを配設して、それぞれのシリンダーに1つの流出ポートと1つの流出入ポートと1つの流入ポートと1つの調整ポートを順次に設け、流出ポートと流出入ポートの間に位置してこれを遮断するとともに流出入ポートと流入ポートの間に位置してこれを遮断する第1のピストンと、第1のピストンが流出ポートと流出入ポートの間に位置した状態で、流入ポートより流出入ポートと反対側に位置する第2のピストンを設け、第1のピストンと第2のピストンをピストンロッドで連結するとともに、ピストンロッドを駆動装置に連結して軸方向に移動するようにし、シリンダーの流入ポート側の端部に調整ポートを設けて構成しているので、流路切換装置のシリンダー長さとストロークを短縮できる。もって、駆動装置を含めた装置全体をコンパクト化でき、設置スペースが縮小される。また、シリンダーやピストンロッドの長さが短くなるので、シリンダー内径およびピストンの外径を精度よく加工することが容易になる。 また、常時、第1のピストンと第2のピストンの間に、高圧の濃縮海水が流入する流入ポートがあるので、濃縮水の高圧が第1のピストンと第2のピストンに反対向きで加わり、濃縮水の高圧でピストンロッドを軸方向の片側に偏寄させる力が作用せず、ピストンロッドを小さな力で動作させることができる。
【0030】
請求項8記載のエネルギー回収装置にあっては、第2のピストンのシリンダーの軸方向の厚さを、第1のピストンの前記シリンダーの軸方向の厚さより薄く構成したので、その薄い分だけシリンダーの長さを短縮でき、流路切換装置を小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の第1実施例を図1ないし図4を参照して説明する。図1は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第1実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図2は、第1と第2のシリンダー装置の圧送行程および充填行程と第1と第2の流路切換装置の動作関係を示す模式図である。図3は、流路切換装置の構造を示す図である。図4は、流路切換装置の油圧流路の一例である。図1ないし図4において、図8ないし図11に示された従来の構造と同じまたは均等な部材には、同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0032】
本発明の第1実施例において、第1のシリンダー装置7aの他端は第1の流路切換装置20aの流出入ポート22bに連通され、第2のシリンダー装置7bの他端は第2の流路切換装置20bの流出入ポート21bに連通される。また、第1の流路切換装置20aの流入ポート22aおよび第2の流路切換装置20bの流入ポート21aは膜分離装置3の高圧濃縮海水4の流出口23に連通される。さらに、第1の流路切換装置20aおよび第2の流路切換装置20bの流出ポート22c、21cがそれぞれ排出路60に連通される。第1の流路切換装置20aは、シリンダー24aに流出ポート22cと流入ポート22aの間に流出入ポート22bを配設して、シリンダー24aに1つの流出ポート22cと1つの流出入ポート22bと1つの流入ポート22aと1つの調整ポート29aが順次に設けられる。そして、シリンダー24a内に、流出ポート22cと流出入ポート22bの間に位置してこれを遮断するとともに流出入ポート22bと流入ポート22aの間に位置してこれを遮断する第1のピストン26aと、第1のピストン26aが流出ポート22cと流出入ポート22bの間に位置した状態で、流入ポート22aより流出入ポート22bと反対側に位置する第2のピストン25aを設け、第1のピストン26aと第2のピストン25aをピストンロッド27aで連結する。ピストンロッド27aの一端は駆動シリンダー装置28aに連結され、駆動シリンダー装置28aの駆動に連動してピストンロッド27aがシリンダー24a内を往復動する。そして、シリンダー24aの流入ポート22a側の端部に調整ポート29aが設けられる。
【0033】
また、第2の流路切換装置20bも同様に、シリンダー24bに流出ポート21cと流入ポート21aの間に流出入ポート21bを配設して、シリンダー24bに1つの流出ポート21cと1つの流出入ポート21bと1つの流入ポート21aと1つの調整ポート29bが順次に設けられる。そして、シリンダー24b内に、流出ポート21cと流出入ポート21bの間に位置してこれを遮断するとともに流出入ポート21bと流入ポート21aの間に位置してこれを遮断する第1のピストン26bと、第1のピストン26bが流出ポート21cと流出入ポート21bの間に位置した状態で、流入ポート21aより流出入ポート21bと反対側に位置する第2のピストン25bを設け、第1のピストン26bと第2のピストン25bをピストンロッド27bで連結する。ピストンロッド27bの一端は駆動シリンダー装置28bに連結され、駆動シリンダー装置28bの駆動に連動してピストンロッド27bがシリンダー24b内を往復動する。そして、シリンダー24bの流入ポート21a側の端部に調整ポート29bが設けられる。
【0034】
さらに、第1のシリンダー装置7aの流路方向規制手段10側の外壁に第1の位置検出器30aが配設され、第2の シリンダー装置7bの流路方向規制手段10側の外壁に第2の位置検出器30bが配設される。さらに、第1の シリンダー装置7aの外壁に、より流路方向規制手段10側の位置に第1の位置検出器30aとピストン8aの移動方向(図1で右側から左側)に適宜な間隔を設定して第3の位置検出器31aが配設され、第2の シリンダー装置7bの外壁に、より流路方向規制手段10側の位置に第2の位置検出器30bとピストン8bの移動方向(図1で右側から左側)に適宜な間隔を設定して第4の位置検出器31bが配設される。第1ないし第4の位置検出器30a、30b、31a、31bの検出信号が制御手段としての制御装置32に送信される。これらの第1ないし第4の位置検出器30a、30b、31a、31bは、一例として磁気近接センサーであり、ピストン8a、8bが移動して近接すると検出信号を出力する。制御装置32にあっては、第1ないし第4の位置検出器30a、30b、31a、31bの検出信号に応じて、駆動シリンダー装置28a、28bの油圧流路を切り換える電磁弁33、34に電圧を印加しまたは印加せず、若しくは印加する電流の方向を適宜に制御する。なお、35は、油圧流路の油圧源である。そして、制御装置32は、第1のシリンダー装置7aおよび第2のシリンダー装置7bが圧送工程の状態のときに、第1ないし第4の位置検出器30a、30b、31a、31bの検出信号を受け付ける。制御装置32にあっては、電磁弁33、34に電圧の印加の有無、若しくは印加する電流の方向から、第1のシリンダー装置7aおよび第2のシリンダー装置7bが圧送工程にあるか充填工程にあるかを判別することができる。
【0035】
そして、図1のごとく、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程であるとすると、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが高圧濃縮海水4により押圧されて矢印(実線で示す)の図面で右側から左側の方向に移動して、第1のシリンダー装置7a内の低圧の海水が高圧とされて流路方向規制手段10に流出され、もってエネルギーの回収がなされる。第2のシリンダー装置7bのピストン8bが流路方向規制手段10から流入する低圧の海水により押圧されて矢印の図面で左側から右側の方向に移動して、第2のシリンダー装置7b内のエネルギーが回収されて低圧となった濃縮海水が排出される。この第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程であると、第1と第2の流路切換装置20a、20bは、図2(a)に示すように、第1の流路切換装置20aは、流出ポート22cと流出入ポート22bの連通が第1のピストン26aで遮断され、流出入ポート22bと流入ポート22aが連通していて、高圧濃縮海水4が第1のシリンダー装置7a内に流入する。第2の流路切換装置20bは、流出ポート21cと流出入ポート21bが連通され、第2のシリンダー装置7b内の低圧の濃縮海水が流出ポート21cから流出し、流入ポート21aと流出入ポート21aの連通が第1のピストン26bで遮断され、高圧濃縮海水4が第2のシリンダー装置7b内に流入しない。そして、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが高圧濃縮海水4により押圧されて矢印の方向に移動し、第1の位置検出器30aの位置に到達して第1の位置検出器30aから検出信号が制御装置32送信される。すると、制御装置32は電磁弁33に切換信号を送信して、電磁弁33の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28bを駆動させて、第2の流路切換装置20bのピストンロッド27bを軸方向に移動させて、図2(b)のごとく、第1のピストン26bで流出入ポート21bと流出ポート21cの連通が遮断され流入ポート21aと流出入ポート21bが連通され、第2のシリンダー装置7bも圧送工程の状態となる。この図2(b)の状態では、第1と第2のシリンダー装置7a、7bのいずれにも高圧濃縮海水4が流入する。そこで、高圧濃縮海水4の流れが妨げられることがなく、膜分離装置3の流出口23の圧力が急激に高くなるようなことがない。さらに、第1のシリンダー装置7aのピストン8aがさらに矢印の方向に移動して第3の位置検出器31aの位置に到達して、第3の位置検出器31aから検出信号が制御装置32に送信されると、今度は制御装置32は電磁弁34に切換信号を送信して、電磁弁34の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28aを駆動させて第1の流路切換装置20aのピストンロッド27aを軸方向に移動させて、図2(c)のごとく、第1のピストン26aが流入ポート22aと流出入ポート22bの連通を遮断するととも流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させ、第1のシリンダー装置7aが充填工程の状態となる。
【0036】
圧送工程となった第2のシリンダー装置7bは、ピストン8bが高圧濃縮海水4により押圧されて破線矢印の方向に移動して、第2の位置検出器30bの位置に到達して第2の位置検出器30bから検出信号が制御装置32送信される。すると、制御装置32は電磁弁34に切換信号を送信して、電磁弁34の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28aを駆動させて第1の流路切換装置20aのピストンロッド27aを軸方向に移動させて、図2(d)のごとく、第1のピストン26aで流出入ポート22bと流出ポート22cの連通が遮断され流入ポート22aと流出入ポート22bが連通されて、第1のシリンダー装置7aが再び圧送工程の状態となる。この図2(d)の状態では、第1と第2のシリンダー装置7a、7bのいずれにも高圧濃縮海水4が流入する。そこで、高圧濃縮海水4の流れが妨げられることがなく、膜分離装置3の流出口23の圧力が急激に高くなるようなことがない。さらに、第2のシリンダー装置7bのピストン8bがさらに破線矢印の方向に移動して第4の位置検出器31bの位置に到達して、第4の位置検出器31bから検出信号が制御装置32に送信されると、今度は制御装置32は電磁弁33に切換信号を送信して、電磁弁33の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28bを駆動させて第2の流路切換装置20bのピストンロッド27bを軸方向に移動させて、図2(e)のごとく、第2のピストン26bが流入ポート21aと流出入ポート21bの連通を遮断するととも流出入ポート21bと流出ポート21cを連通させ、第2のシリンダー装置7bが再び充填工程の状態となる。
【0037】
以上のように、第1と第2のシリンダー装置7a、7bを、交互に圧送工程と充填工程に切り換えて繰り返し行うことにより、連続した海水の逆浸透圧濾過とエネルギーの回収が可能となる。 本発明にあっては、第1のシリンダー装置7aに第1の流路切換装置20aを設け、第2のシリンダー装置7bに第2の流路切換装置20bを設け、第1のシリンダー装置7aのピストン8aの位置を第1と第3の位置検出装置30a、31aで検出するとともに、第2のシリンダー装置7bのピストン8bの位置を第2と第4の位置検出装置30b、31bで検出することで、第1と第2の流路切換装置20a、20bの流路切換のタイミングを適宜に制御して、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができる。なお、圧送工程におけるシリンダー装置のピストンの移動速度は、膜分離装置3の流出口23から流出する高圧濃縮海水4の流量により制約される。また、充填工程にあるシリンダー装置にあるピストンの移動速度は、取水ポンプ1の吐き出し流量により決まる。そこで、取水ポンプ1の吐き出し流量を調整することで、圧送工程におけるシリンダー装置のピストンが流路方向規制手段10に連通する一端側に移動到達する速度よりも、充填工程におけるシリンダー装置のピストンが他端側に移動到達する速度が早くなるように設定される。
【0038】
従来技術では、1つの流路切換装置に2つの流出入ポートが設けられており、一方のシリンダー装置を充填工程から圧送工程に切り換える際、圧送工程に切り換えられる方のシリンダー装置に連通する流出入ポートにおいて流入する高圧濃縮海水4の増加の流量割合と、充填工程に切り換えられる他方のシリンダー装置に連通する流出入ポートにおいて流入する高圧濃縮海水4の減少の流量割合が1:1となるように、2つのピストンと2つの流出入ポートの間隔設定がなされている。そこで、2つの流出入ポートの切り換え動作中の開口面積は、1つの流出入ポートの全開の開口面積と等しくなるように設定される。これに対して本発明は、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換える際に、圧送工程にある一方のシリンダー装置の流路切換装置の流出入ポートが全開状態のままで他方の流路切換装置の流出入ポートを開成するので、2つの流出入ポート21b、22bが同時に全開となり、高圧濃縮海水4の流入に対して、流出入ポートの十分な開口面積が保持でき、膜分離装置3の流出口23の圧力の急激な上昇が発生せずに、流路切換の過渡期においても流量や圧力の急激な変動が生じることがない。
【0039】
本発明に用いられている第1と第2の流路切換装置20a、20bの各ポートとピストンの位置関係およびピストンと各ポートの幅とシリンダー長さおよびストロークの関係を、第1の流路切換装置20aを例にして図3で示す。第1のシリンダー装置7aが圧送工程であると、流入ポート22aと流出入ポート22bが連通していて、第1のピストン26aは実線で示すようにシリンダー24aの一端側に位置している。また、充填工程であると、流入ポート22aと流出入ポート22bの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させるように、第1のピストン26aは破線で示すように流入ポート22aと流出入ポート22bの間に位置している。流出ポート22cは、シリンダー24aの一端側の端面に設けられていて、シリンダーの長さを必要としない。なお、第2のピストン25aは、いずれのポートも跨いで移動することがなく、流入ポート22aより流出入ポート22bと反対側に位置していれば良い。そして、第2のピストン25aは、いずれのポートも跨いで移動することがないので、流入ポート22aおよび流出入ポート22の幅よりも薄くても良い。さらに、第2のピストン25aから漏れ出す海水を排出するために、調整ポート29aがシリンダー24aの他端側に設けられている。
【0040】
上述の本発明に用いられる第1の流路切換装置20aにあっては、流入ポート22aの幅をXaとし、流出入ポート22bの幅がXbとし、第1のピストン26aの幅をXcとし、第2のピストン25aの幅をXdとすれば、ピストンロード27aのストロークは、第1のピストン26aが実線の位置から破線の位置まで移動できれば良く、Xb+Xcの長さで足りる。ここで流出入ポート22b幅Xbより、第1のピストン26aの幅Xcが大きくないと、流出入ポート22bに対応する位置に第1のピストン26aが位置したときに、流出入ポート22bを完全に閉塞できずに隙間が生じ、流入ポート22aの高圧濃縮海水4が流出ポート22cに流れる虞がある。そこで、完全に閉塞するためにはXcがXbより大きい必要がある。そして、シリンダー24aの長さは、2×Xb+3×Xc+Xa+Xdとなる。
【0041】
流路切換装置20aのシリンダー24aの長さおよびピストンロッド27aのストロークが短縮されることで、駆動シリンダー装置28aを含めた流路切換装置全体をコンパクトにでき、設置スペースが縮小される。また、シリンダー24aやピストンロッド27aの長さが短くなるので、シリンダー内径およびピストン外径を精度よく加工することが容易になる。 また、常時、第1のピストン26aと第2のピストン25aの間に、高圧濃縮海水4が流入する流入ポート22aがあるので、高圧濃縮海水4の圧力が第1のピストン26aと第2のピストン25aに反対向きで同様に加わり、高圧濃縮海水4の圧力でピストンロッド27aを軸方向の片側に偏寄させる力が作用せず、ピストンロッド27aを小さな力で動作させることができる。さらに、第2のピストン25aのシリンダー24aの軸方向の厚さを、第1のピストン26aの厚さより薄く構成したので、その薄い分だけシリンダー24aの長さおよびストロークを短縮でき、流路切換装置20aを小型化できる。なお、第2の流路切換装置20bの構造も、同様であり、重複する説明を省略する。
【0042】
本発明に用いられる第1の流路切換装置20aの油圧流路の一例は、図4に示されるように、駆動シリンダー装置28aのシリンダーの一端側に油圧配管40が接続され、逆止弁41と流量調整弁42を平行に介して電磁弁34に接続されている。逆止弁41は、駆動シリンダー置28aへ圧油を流入させる向きで配設される。また、駆動シリンダー装置28aのシリンダーの他端側に油圧配管43が接続され、逆止弁44と流量調整弁45を平行に介して電磁弁34に接続されている。逆止弁44は、駆動シリンダー装置28aから圧油の流出を阻止する向きで配設される。電磁弁34は制御装置32からの制御信号により流路を切り換えて、油圧源35から供給される圧油を駆動シリンダー装置28aに供給するとともに駆動シリンダー装置28aからの戻り油を油貯槽に排出する。駆動シリンダー装置28aのシリンダーの一端側の油圧配管40に圧油が流入すると、第1のピストン26aが、流出入ポート22bと流入ポート22aとの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流出ポート22cを連通した状態から、流出入ポート22bと流入ポート22aを連通させるとともに流出入ポート22bと流出ポート22cの連通を遮断するようにピストンロッド27aが移動する。また、駆動シリンダー装置28aのシリンダーの他端側の油圧配管43に圧油が流入すると、第1のピストン26aが、流出入ポート22bと流出ポート22cの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流入ポート22aを連通した状態から、流出入ポート22bと流入ポート22aの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させるようにピストンロッド27aが移動する。
【0043】
図4に示す第1の流路切換装置20aの油圧流路において、圧油は流量規制のない逆止弁41を通って油圧配管40から駆動シリンダー装置28aに供給されるが、排出される流量は流量調整弁45で適宜に絞られているため、第1のピストン26aの移動速度は遅く、第1の流路切換装置20aの流路切換が緩慢に行われ、第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換えるときは、流入ポート22aと流出入ポート22bが徐々に連通される。逆に、圧送工程から充填工程に切り換わる場合、駆動シリンダー装置28aに油圧配管43から供給される圧油は、流量規制のない逆止弁44を通って駆動シリンダー装置28aに供給されるが、排出される流量は流量調整弁42で適宜に絞られるが、その絞り量は流量調整弁45による絞り量よりも大幅に少なく調整され、第1のピストン26aの移動速度が早くなるように設定される。そこで、第1の流路切換装置20aの流路切換が迅速に行われ、第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換えるときは、流入ポート22aと流出入ポート22bの連通が迅速に遮断されるとともに流出入ポート22bと流出ポート22cが迅速に連通される。図4の第1の流路切換装置20aの油圧流路にあっては、第1のシリンダー装置7aが充填工程から圧送工程への流路切換が緩やかに行われるので、高圧濃縮海水4が流入する流路切換の過渡期においても流量や圧力の急激な変動が生じることがない。なお、第2の流路切換装置20bの油圧流路にあっても、同様の構造であり、重複する説明を省略する。なお、第1のシリンダー装置7aの充填工程から圧送工程への流路切換は、第2のシリンダー装置7bが圧送工程から充填工程に流路切換がなされる前に、終了しなければならない。そこで、第1の位置検出装置30aでピストン8aが検出されてから第3の位置検出装置31aで検出されるまでに、第2のシリンダー装置7bの流路切換が終了するように流量調整弁42、45が設定される。同様に、第2の位置検出装置30bでピストン8bが検出されてから第4の位置検出装置31bで検出されるまでに、第1のシリンダー装置7aの流路切換が終了するように流量調整弁42、45が調整される。
【0044】
上述の第1実施例にあっては、第1の位置検出器30aが第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の位置検出器30bが第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第3の位置検出器31aが第2のシリンダー装置7bの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第2の流路切換装置20bの流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段として作用し、第4の位置検出器31bが第1のシリンダー装置7aの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第1の流路切換装置20aの流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段として作用する。
【0045】
次に、本発明の第2実施例を図5を参照して説明する。図5は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第2実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図5において、図1ないし図4および図8ないし図11に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
【0046】
図5に示す第2実施例の構造において、第1のシリンダー装置7aの外壁で比較的に他端側に第1の計時開始位置検出器50aが配設され、ピストン8aが第1のシリンダー装置7aの他端側から一端側に(図5において、右側から左側に)移動する際に、ピストン8aの移動通過が検出されて第1の計時開始信号が制御装置32に送信される。そして、第1の計時開始位置検出器50aから流路方向規制手段10側に距離L1だけ離れた位置にP1、さらに一端側に離れた距離L3の位置にP3が設定される。また、第2のシリンダー装置7bの外壁で比較的に他端側に第2の計時開始位置検出器50bが配設され、ピストン8bが第2のシリンダー装置7bの他端側から一端側に(図5において、右側から左側に)移動する際に、ピストン8bの移動通過が検出されて第2の計時開始信号が制御装置32に送信される。そして、第2の計時開始位置検出器50bから流路方向規制手段10側に距離L2だけ離れた位置にP2、さらに一端側に離れた距離L4の位置にP4が設定される。さらに、膜分離装置3の流出口23に連通する流路51に流量測定手段52が配設されて、高圧濃縮海水4の流量が測定され、その測定値が制御装置32に与えられる。制御装置32は、高圧濃縮海水4の流量と第1と第2のシリンダー装置7a、7bのそれぞれのシリンダー断面積とから、それぞれのピストン8a、8bの移動速度を求め、これらの移動速度から第1と第2の計時開始位置検出器50a、50bから距離L1、L2、L3、L4まで移動する時間t1、t2、t3、t4を予め算出し記憶する。
【0047】
そして、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程にある状態で、第1の計時開始位置検出器50aがピストン8aを検出して第1の計時開始信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は計時を開始し、時間t1後に、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換える。さらに、時間t3後に、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換える。このようにして、第1のシリンダー装置7aが充填工程で、第2のシリンダー装置7bが圧送工程になると、今度は、第2の計時開始位置検出器50bがピストン8bを検出して第2の計時開始信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は計時を開始し、時間t2後に、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換える。さらに、時間t4後に、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを圧送工程から充填工程に切り換える。
【0048】
第2実施例のエネルギー回収装置によれば、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた計時開始位置検出器による検出で計時が開始されてから所定の時間が計時されるとピストンが距離が設定された位置に移動したと判断して、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に、充填工程にある他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができる。そこで、2つの流路切換装置の高圧濃縮海水4が流入する流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、さらに他の所定の時間が計時されると、他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段が流路を切り換えたと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とする。2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。
【0049】
上述の第2実施例にあっては、第1の計時開始位置検出器50aと時間t1を計時する制御手段32が、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の計時開始位置検出器50bと時間t2を計時する制御手段32が、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第1の計時開始位置検出器50aと時間t3を計時する制御手段32が、第2のシリンダー装置7bの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第2の流路切換装置20bの流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段として作用し、第2の計時開始位置検出器50bと時間t4を計時する制御手段32が、第1のシリンダー装置7aの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第1の流路切換装置20aの流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段として作用する。
【0050】
さらに、本発明の第3実施例を図6を参照して説明する。図6は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第3実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図6において、図1ないし図5および図8ないし図11に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
【0051】
図6に示す第3実施例の構造において、第1のシリンダー装置7aの外壁で一端側に第1の位置検出器30aが配設され、ピストン8aが第1のシリンダー装置7aの他端側から一端側に移動通過する際に、ピストン8aが検出されて第1の信号が制御装置32に送信される。また、第2のシリンダー装置7bの外壁で一端側に第2の位置検出器30bが配設され、ピストン8bが第2のシリンダー装置7bの他端側から一端側に移動通過する際に、ピストン8bが検出されて第2の信号が制御装置32に送信される。さらに、制御装置32には、所定の時間が記憶設定される。
【0052】
そして、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程にある状態で、第1の位置検出器30aがピストン8aを検出して第1の信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換えるとともに第1の時間の計時を開始し、第1の時間が予め記憶設定された所定の時間となると、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換える。このようにして、第1のシリンダー装置7aが充填工程で、第2のシリンダー装置7bが圧送工程になると、今度は、第2の位置検出器30bがピストン8bを検出して第2の信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換えるとともに第2の時間の計時を開始し、第2の時間が予め記憶設定された所定の時間となると、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを圧送工程から充填工程に切り換える。制御手段32に予め設定記憶される所定の時間は、流路切換装置20a、20bが、完全に切り換わるのに要する時間(例えば1秒)以上に設定する。
【0053】
第3実施例のエネルギー回収装置によれば、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、制御装置で、位置検出器による検出で計時が開始され、所定の時間が計時されると、他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段の流路が流路を切り換えたと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。
【0054】
上述の第3実施例にあっては、第1の位置検出器30aが第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の位置検出器30bが第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第1の位置検出器30aと第1の位置検出器30aによるピストン8aを検出した信号で所定の時間を計時する制御装置32が、第2のシリンダー装置7bの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第2の流路切換装置20bの流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段として作用し、第2の位置検出器30bと第2の位置検出器30bによるピストン8bを検出した信号で所定の時間を計時する制御装置32が、第1のシリンダー装置7aの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第1の流路切換装置20aの流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段として作用する。
【0055】
そしてさらに、本発明の第4実施例を図7を参照して説明する。図7は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第4実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図7において、図1ないし図6および図8ないし図11に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
【0056】
図7に示す第4実施例の構造において、第1のシリンダー装置7aの外壁で一端側に第1の位置検出器30aが配設され、ピストン8aが第1のシリンダー装置7aの他端側から一端側に移動通過する際に、ピストン8aが検出されて第1の信号が制御装置32に送信される。また、第2のシリンダー装置7bの外壁で一端側に第2の位置検出器30bが配設され、ピストン8bが第2のシリンダー装置7bの他端側から一端側に移動通過する際に、ピストン8bが検出されて第2の信号が制御装置32に送信される。さらに、第1の流路切換装置20aの駆動シリンダー装置28aのピストンロッド55aの位置を検出する第1の流路切換検出器56aが設けられる。また、第2の流路切換装置20bの駆動シリンダー装置28bのピストンロッド55bの位置を検出する第2の流路切換検出器56bが設けられる。第1と第2の流路切換検出器56a、56bは、第1と第2の流路切換装置20a、20bが流入ポート22a、21aと流出入ポート22b、21bが完全に連通した状態となった駆動シリンダー装置28a、28bのピストンロッド55a、55bの位置をそれぞれに検出するように配設されている。
【0057】
そして、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程にある状態で、第1の位置検出器30aがピストン8aを検出して第1の信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換える。そして、第2の流路切換装置20bが流入ポート21aと流出入ポート21bを完全に連通させた状態となって、第2の流路切換検出器56bから信号が送信されると、制御装置32は、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換える。このようにして、第1のシリンダー装置7aが充填工程で、第2のシリンダー装置7bが圧送工程になると、今度は、第2の位置検出器30bがピストン8bを検出して制御装置32に与えられると、制御装置32は第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換える。そして、第1の流路切換装置20aが流入ポート22aと流出入ポート22bを完全に連通させた状態となって、第1の流路切換検出器56aから信号が送信されると、制御装置32は、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを圧送工程から充填工程に切り換える。
【0058】
第4実施例のエネルギー回収装置によれば、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダ装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダ装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、流路切換検出器で、他方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置が流入ポートと流出入ポートを完全に連通させた状態を検出すると、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とするので、より確実に2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えることができる。
【0059】
上述の第4実施例にあっては、第1の位置検出器30aが第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の位置検出器30bが第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第1の流路切換検出器56aが第1のシリンダー装置7aの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第1の流路切換装置20aの流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段として作用し、第2の流路切換検出器56bが第2のシリンダー装置7bの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第2の流路切換装置20bの流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段として作用する。
【0060】
なお、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段は、ピストンが所定の位置を移動通過するのを検出して判別しても良いが、所定の位置とは別の他の位置にあるピストンを検出して、所定の位置に移動到達する時間を計時して、その計時された時間後にピストンが所定の位置を移動通過すると推測して判別しても良く、上記実施例のものに限られない。また、第1のシリンダー装置7aの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第1の流路切換装置20aの流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段、第2のシリンダー装置7bの他端が排出路60に連通した状態から膜分離装置3の流出口23に連通するように第2の流路切換装置20bの流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段は、流路切換装置の流路が第4実施例のごとく実際に切り換えられたのを検出して判断しても良いが、第1実施例のごとくピストンがある位置を移動通過するのを検出して流路切換装置の流路が切り換えられたと推測して判断しても良く、さらに第2および第3実施例のごとくピストンがある位置を移動通過するのを検出して、その時点から所定の時間を計時して、その計時された時間後に流路切換装置の流路が切り換えられたと推測して判断しても良く、上記実施例のものに限られない。
【0061】
上述の従来例の説明および本発明の実施例の説明は、いずれも海水の淡水化の水処理システムに適用されたエネルギー回収装置であるが、かかる適用例に限られない。本発明のエネルギー回収装置を、汚れが溶解した汚水から飲料に適したきれいな水作る水処理システム等にも適用できることは、容易に理解し得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第1実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。
【図2】第1と第2のシリンダー装置の圧送行程および充填行程と第1と第2の流路切換装置の動作関係を示す模式図である。
【図3】流路切換装置の構造を示す図である。
【図4】流路切換装置の油圧流路の一例である。
【図5】海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第2実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。
【図6】海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第3実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。
【図7】海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第4実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。
【図8】従来例の海水淡水化システムに用いられたエネルギー回収装置の構成と水の流れを示す模式図で、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。
【図9】図8の模式図で、第1のシリンダー装置が充填工程、第2のシリンダー装置が圧送工程にある状態を示す。
【図10】図8の従来例の流路切換装置の構造を示す図である。
【図11】図8の従来例の第1と第2のシリンダー装置の圧送行程および充填行程と流路切換装置の動作関係を示す模式図である。
【符号の説明】
【0063】
1 取水ポンプ
2 高圧ポンプ
3 膜分離装置
4 高圧の濃縮海水
5 淡水
6 流路切換装置
6a 流入ポート
6b 第1の流出入ポート
6c 第2の流出入ポート
6d 第1の流出ポート
6e 第2の流出ポート
7a 第1のシリンダー装置
7b 第2のシリンダー装置
8a、8b ピストン
9 第1の連通口
10 流路方向規制装置
11 増圧ポンプ
12 第2の連通口
13a 第1の位置検出器
13b 第2の位置検出器
14 制御装置
15 駆動装置
16 シリンダー
17a 第1のピストン
17b 第2のピストン
18 ピストンロッド
20a 第1の流路切換装置
20b 第2の流路切換装置
21a、22a 流入ポート
21b、22b 流出入ポート
21c、22c 流出ポート
23 流出口
24a、24b シリンダー
25a、25b 第2のピストン
26a、26b 第1のピストン
27a、27b ピストンロッド
28a、28b 駆動シリンダー装置
29a、29b 調整ポート
30a 第1の位置検出器
30b 第2の位置検出器
31a 第3の位置検出器
31b 第4の位置検出器
32 制御装置
33、34 電磁弁
35 油圧源
40、43 油圧配管
41、44 逆止弁
42、45 流量調整弁
50a 第1の計時開始位置検出器
50b 第2の計時開始位置検出器
55a、55b ピストンロッド
56a 第1の流路切換検出器
56b 第2の流路切換検出器
60 排出路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置に、前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置に、前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段を設け、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換えたと判断する第1の切換判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えたと判断する第2の切換判断手段を設け、前記第1の判断手段の前記信号により、前記第2の流路切換装置の流路を前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換え、前記第2の切換判断手段により前記第2の流路切換装置の流路が前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたと判断すると、前記第1の流路切換装置の流路を前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように切り換え、前記第2の判断手段の前記信号により、前記第1の流路切換装置の流路を前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換え、前記第1の切換判断手段により前記第1の流路切換装置の流路が前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたと判断すると、前記第2の流路切換装置の流路を前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように切り換えるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項2】
第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第1のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の信号を発する第1の位置検出器を配設するとともに、前記第1のシリンダー装置の前記外壁に前記第1の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第3の信号を発する第3の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第2のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の信号を発する第2の位置検出器を配設するとともに、前記第2のシリンダー装置の前記外壁に前記第2の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第4の信号を発する第4の位置検出器を配設し、前記第1の位置検出器の前記第1の信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記第3の位置検出器の前記第3の信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第2の位置検出器の前記第2の信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第4の位置検出器の前記第4の信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項3】
第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の外壁に、前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の計時開始信号を発する第1の計時開始位置検出器を配設し、前記第1の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L1、L3を隔てた位置P1、P3を設定し、前記第2のシリンダー装置の外壁に、前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の計時開始信号を発する第2の計時開始位置検出器を配設し、前記第2の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L2、L4を隔てた位置P2、P4を設定し、前記膜分離装置の前記流出口から流出する高圧濃縮水の流量を測定する流量測定手段を設け、この流量測定手段で測定された流量と前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置のそれぞれのシリンダー断面積とからそれぞれのピストンの移動速度を求め、前記移動速度から前記距離L1、L2、L3、L4を移動するのに要する時間t1、t2、t3、t4を予め算出して制御装置に記憶し、前記制御装置で、前記第1の計時開始位置検出器の前記第1の計時開始信号により計時が開始され、前記時間t1の計時で、前記制御装置からの第1の切換信号により前記第2のシリンダー装置の他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記時間t3の計時で、前記制御装置からの第3の切換信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で、前記第2の計時開始位置検出器の前記第2の計時開始信号により計時が開始され、前記時間t2の計時で、前記制御装置からの第2の切換信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、時間t4の計時で、前記制御装置からの第4の切換信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項4】
第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第1のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の信号を発する第1の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第2のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の信号を発する第2の位置検出器を配設し、制御手段で、前記第1の位置検出器の前記第1の信号により第1の時間の計時が開始されるとともに前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段による前記第1の時間の計時で、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段で、前記第2の位置検出器の前記第2の信号により第2の時間の計時が開始されるとともに前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段による前記第2の時間の計時で、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項5】
第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第1のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第1の信号を発する第1の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に、前記第2のシリンダー装置の前記ピストンが前記他端側から前記一端側に移動するのを検出して第2の信号を発する第2の位置検出器を配設し、前記第1の流路切換装置に、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように流路が切り換えられたことを検出する第1の流路切換検出器を配設し、前記第2の流路切換装置に、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように流路が切り換えられたことを検出する第2の流路切換検出器を配設し、制御手段で、前記第1の位置検出器の前記第1の信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記第2の流路切換検出器で前記第2の流路切換装置が前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたことを検出すると、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御手段で、前記第2の位置検出器の前記第2の信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第1の流路切換検出器で前記第1の流路切換装置で前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通した状態から前記膜分離装置の前記流出口に連通するように切り換えたことを検出すると、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通した状態からこれを遮断して前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項6】
請求項1ないし5記載のいずれかのエネルギー回収装置において、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置の流路切換速度が、前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置の前記他端と前記膜分離装置の前記流出口を連通するときには遅く、前記他端と前記膜分離装置の前記流出口の連通を遮断するときには速くなるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項7】
請求項1ないし6記載のいずれかのエネルギー回収装置において、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置が、前記流出ポートと前記流入ポートの間に前記流出入ポートを配設して、それぞれのシリンダーに1つの流出ポートと1つの流出入ポートと1つの流入ポートと1つの調整ポートを順次に設け、前記流出ポートと前記流出入ポートの間に位置して前記流出ポートと前記流出入ポートを遮断するとともに前記流出入ポートと前記流入ポートの間に位置して前記流出入ポートと前記流入ポートを遮断する第1のピストンと、前記第1のピストンが前記流出ポートと前記流出入ポートの間に位置した状態で、前記流入ポートより前記流出入ポートと反対側に位置する第2のピストンを設け、前記第1のピストンと前記第2のピストンをピストンロッドで連結するとともに、前記ピストンロッドの一端を駆動装置に連結して前記ピストンロッドが前記シリンダーの軸方向に移動するようにし、前記シリンダーの前記流入ポート側の端部に前記調整ポートを配設して構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項8】
請求項7記載のエネルギー回収装置において、前記第2のピストンのシリンダーの軸方向の厚さを、前記第1のピストンの前記シリンダーの軸方向の厚さより薄く構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−86043(P2013−86043A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230357(P2011−230357)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000151058)株式会社電業社機械製作所 (21)
【Fターム(参考)】