説明

エネルギー転換モジュール

【課題】従来のエネルギー転換装置に比べ優れた音波ないしは触覚振動効果を有し、或いはエネルギー転換装置の製造工程及び使用寿命または信頼性を改善させるエネルギー転換モジュールを提供する。
【解決手段】第一変換器と、支持体とブロック体を少なくとも含む。支持体の第一端は第一平板に当接或いは固設され、また第二端は第一変換器の中央部分に当接或いは固設される。ブロック体の第一端は第一変換器の中央部分に当接或いは固設され、また第二端は第二平板に当接或いは固設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換器(transducer)に関する。より詳しくは、変換器を使用し音波或いは触覚振動を発生させるエネルギー転換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
変換器はあるエネルギー形態を他のエネルギー形態へと転換するエネルギー転換装置であり、一般的には、例えばモーター或いは発電機等の電気機械式の変換器が知られており、モーターは入力される電気エネルギーを電磁誘導により機械的エネルギーとして出力させ、一般的なモーターは回転運動方式で機械的エネルギーを出力させ、例えば直流整流子電動機、サーボモーター、ステッピングモーター等があり、その他の種類のものはあまり多くは見かけないが、例えばリニアモーターがあり、これは入力された電気エネルギーを直線運動へと直接転換させて出力させる。もしエネルギー転換の方向を変更するならば、入力された機械的エネルギーを電気エネルギーへ転換させて出力させ、このような装置は発電機と呼ばれ、一般的な発電機の形式は電力システムに用いられる単相交流或いは三相交流発電機がある。
【0003】
このほか、変換器はスマートマテリアル(smart material)を用いて設計し実現でき、一般的なスマートマテリアルとしては、例えば圧電材料(piezoelectric material)、電場応答性高分子(Electro−Active Polymer、 EAP)、形状記憶合金(Shape Memory Alloy、 SMA)、磁歪材料(Magnetostrictive Material)、電歪材料(Electrostrictive Material)等が知られている。図1は従来のエネルギー転換装置であり、ここでは変換器10は圧電材料で実現され、例えばユニモルフ(unimorph)、バイモルフ(bimorph)、マルチモルフ(multimorph)等であり、これは逆圧電効果(Reverse Piezoelectric Effect)の特性を利用し入力された電気信号を機械的運動に転換させて出力させる。
【0004】
一般的に用いられる圧電気結晶の形状は矩形或いは円形(圧電ブザー製作に常用される)をしており、但し他の形式を呈するものもあり、実際の応用情況をみて決定される。出力されるエネルギー量の大小を性能の指標とすると、マルチモルフが最も優れており、次点がバイモルフで、ユニモルフは最低となる。コストを見るならば、圧電気結晶の価格と圧電材料の積層数は正相関し、このため性能に対する要求が高くなければ、コストを考慮し通常はユニモルフが使用される。
【0005】
図1は従来の振動伝搬装置(Vibration Propagation Device)の構造を示し、弾性変換器10を駆動させることで、変換器10の震動エネルギーは粘着部材12を経由し上部筐体14へ伝搬され音波(acoustic wave)或いは触覚フィードバック(haptic feedback)を発生させる。一般的な従来の方法では変換器は粘着或いは鎖錠等の方式により上部筐体14下方に固定され、震動エネルギーは直接変換器10を経て上部筐体14へと伝搬される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来の技術では、一般的に用いられる変換器10の材料は、その端部或いは縁側の振幅及び出力が制限される為、それが伝搬できる震動エネルギーも制限されてしまい、触覚フィードバックの触感反応が不明瞭になり、或いは上部筐体14が発生させる音圧(Sound Pressure Level、 SPL)を極度に低下させる。また従来のエネルギー転換装置の変換器10は通常粘着部材12が上部筐体14の内部表面に粘着する。この種の製造方法は製造に相当な時間が掛かるのみならず、変換器10が長時間の振動後、容易に脱落する現象を発生させた。このため、早急に新たなエネルギー転換モジュールを提供し、変換器の脱落問題を改善させ、製造工程を簡素化させ、或いは慣性エネルギー量を増加させる必要がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、従来のエネルギー転換装置と比較し優れた音波ないしは触覚振動効果を有し、或いはエネルギー転換装置の製造工程及び使用寿命または信頼性を改善させるエネルギー転換モジュールを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1実施形態によれば、エネルギー転換モジュールは第一変換器、支持体及びブロック体を含む。ここでは、支持体の第一端は第一平板に当接或いは固設され、また第二端は第一変換器の中央部分に当接或いは固設される。ブロック体の第一端は第一変換器の中央部分に当接或いは固設され、また第二端は第二平板に当接或いは固設される。これにより、第一変換器の慣性エネルギーはブロック体を経由して第二平板へと伝搬され、音波或いは触覚フィードバックを発生させる。
【0009】
本発明の第2実施形態によれば、エネルギー転換モジュールは第一変換器、支持体及びブロック体を含む以外に、第一変換器の外側部分に固設され、第一変換器外側部分の振幅を増加させ、伝搬される慣性力を高める為に用いられる、或いは共振モード(resonant mode)の調整に用いられる少なくとも一つのマス・ブロックを更に含む。
【0010】
本発明の第3実施形態によれば、エネルギー転換モジュールは第一変換器、支持体、ブロック体及びマス・ブロックを含む以外に、マス・ブロックに固設され、慣性力を更に高め、触覚フィードバック及び音声出力の効果を強化させる為に用いられる、或いは共振モード(resonant mode)の調整に用いられる少なくとも一つの第二変換器を更に含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来のエネルギー転換装置と比較し優れた音波ないしは触覚振動効果を有し、或いはエネルギー転換装置の製造工程及び使用寿命または信頼性を改善させるエネルギー転換モジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のエネルギー転換装置である。
【図2】本発明に係る第1実施形態のエネルギー転換モジュールの断面図である。
【図3】嵌入方式を使用し支持体、ブロック体を第一平板、第二平板にそれぞれ結合させたものである。
【図4A】図2の変型である。
【図4B】図2の変型である。
【図5A】第一変換器の詳細な断面図である。
【図5B】他の第一変換器の詳細な断面図である。
【図6A】各形状の第一変換器の上面図での例示である。
【図6B】各形状の第一変換器の上面図での例示である。
【図6C】各形状の第一変換器の上面図での例示である。
【図6D】各形状の第一変換器の上面図での例示である。
【図6E】各形状の第一変換器の上面図での例示である。
【図7A】本発明に係る第2実施形態の各種エネルギー転換モジュールの断面図である。
【図7B】本発明に係る第2実施形態の各種エネルギー転換モジュールの断面図である。
【図7C】本発明に係る第2実施形態の各種エネルギー転換モジュールの断面図である。
【図7D】本発明に係る第2実施形態の各種エネルギー転換モジュールの断面図である。
【図8A】各形状の第一変換器及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。
【図8B】各形状の第一変換器及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。
【図8C】各形状の第一変換器及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。
【図8D】各形状の第一変換器及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。
【図8E】各形状の第一変換器及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。
【図8F】各形状の第一変換器及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。
【図9A】本発明に係る第3実施形態のエネルギー転換モジュールの断面図である。
【図9B】本発明に係る第3実施形態のエネルギー転換モジュールの断面図である。
【図9C】本発明に係る第3実施形態のエネルギー転換モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0014】
本発明の実施形態に係るエネルギー転換モジュールは図2には本発明に係る第1実施形態エネルギー転換モジュール(transducer module)の断面図を示す。本実施形態では、エネルギー転換モジュールは電気エネルギーを機械的エネルギーへと転換する為に用いられるが、但しこの限りではない。
(第1実施形態)
まず、本発明のエネルギー転換モジュールの第1実施形態について説明する。
【0015】
本実施形態のエネルギー転換モジュールは第一変換器(transducer、標示為P)23、支持体24及びブロック体25を主に含む。ここでは、支持体24の第一端は第一平板21に当接或いは固設(mount)され、第二端は第一変換器23の中央部分に当接或いは固設される。本明細書では、“中央部分”とは物体の中央の位置或いはそれに隣接する位置を指し、“外側部分”とは物体の中央部分以外の位置を指す。ブロック体25の第一端は第一変換器23の中央部分に当接或いは固設され、第二端は第二平板22に当接或いは固設される。上述の第一変換器23、支持体24及びブロック体25、或いは上述の第一平板21、第一変換器23、支持体24及びブロック体25はモジュール形態で製造される為、迅速な製造が可能となる。
【0016】
支持体24と第一平板21は一体成型され、或いは別々に製作される。例えば前述の、ブロック体25は第二平板22に当接或いは固設される。ここでは、当接方式を使用する事で製造法を切り替えでき、固設方式では一体成型、粘着固定、鎖錠、螺設或いは他の技術が使用される。図3によると、実施には、ブロック体25は嵌入方式が使用されて第二平板22に当接或いは固設される。支持体24も嵌入方式が使用されて第一平板21に当接或いは固設される。
【0017】
本実施形態では、第一平板21或いは第二平板22はスクリーン、タッチパネル、フレーム(frame)、基板もしくは筐体(housing)等であり、第一変換器23の慣性エネルギーはブロック体25を経由して第二平板22へと伝搬され、音波(acoustic wave)或いは触覚フィードバック(haptic feedback)を発生させる。支持体24或いはブロック体25は中空或いは中実でよく、形状は筒状、柱状或いは他の形状でよく、また数量は一つ或いは一つ以上でもよい。実施形態の変型では、例えば図4Aによると、支持体24はダンパー(damper)24Bであり、これは弾性体、例えばバネや、弾性ゴムでもよい。
【0018】
他の実施形態の変型では、例えば図4Bによれば、第一平板21上に隣接される支持体24の少なくとも一面には、少なくとも一つの第一凹型部24Aが形成され、支持体24と第一凹型部24Aは第一平板21の製造時に一体成型され、或いは第一平板21の後に加工される方式で形成される。支持体24は第一変換器23の中央部分に当接或いは固設され、また第一凹型部24Aの数量及び形状は第一変換器23の形状に依拠して改変され、第一変換器23を第一凹型部24Aに形成される内部凹型空間内で動揺させ、設置空間を節約させ薄型化の目的を達成させる。例えば、第一変換器23は矩形であり、支持体24の両側に対称になる二つの第一凹型部24Aを形成させ、第一変換器23は円形であり、支持体24の外側に環状の第一凹型部24Aを形成させる。
【0019】
類似する情況下では、第二平板22上に隣接するブロック体25の少なくとも一面には、少なくとも一つの第二凹型部25Aが形成され、ブロック体25と第二凹型部25Aは第二平板22の製造時に一体成型され、或いは第二平板22の後に加工される方式で形成される。ブロック体25は第一変換器23の中央部分に当接或いは固設され、また第二凹型部25Aの数量及び形状は第一変換器23の形状に依拠して改変され、第一変換器23を第二凹型部25Aに形成される内部凹型空間内で動揺させ、設置空間を節約させ薄型化の目的を達成させる。例えば、第一変換器23は矩形であり、ブロック体25の両側には対称になる二つの第二凹型部25Aが形成され、第一変換器23は円形であり、ブロック体25の外側には環状の第二凹型部25Aが形成される。
【0020】
図4Bによると、支持体24と第一平板21は一体成型であり、ブロック体25と第二平板22は一体成型である。例としては、掘削技術を使用して図4Bに示す第一凹型部24Aと第二凹型部25Aを形成させる。ブロック体25と支持体24は第一変換器23の上部表面と下部表面にそれぞれ当接或いは固設される。
【0021】
本実施形態では、第一変換器23に使用されるスマートマテリアルは圧電(piezoelectric)材料(例えばチタン酸ジルコン酸鉛(lead zirconate titanate、PZT))、電場応答性高分子(electroactive polymer、EAP)、形状記憶合金(shape memory alloy、 SMA)或いは磁性收縮材料(magnetostrictive material)等であり、但しこの限りではない。
【0022】
上述のエネルギー転換モジュールによると、第一変換器23が電気エネルギーを供給され駆動される場合、上下振動が発生される。第一変換器23の中央部分は支持体24、ブロック体25により第一平板21と第二平板22の間に結合され、外側部分の上下振動は支持体24と、ブロック体25を透過して中軸200に慣性エネルギーを発生させ、ブロック体25を経由して第二平板22へと伝搬され、第二平板22の振動により空気を振動させ、これにより音波(acoustic wave)を発生させるか、或いは触覚フィードバック(haptic feedback)を発生させる。図1に示す従来のエネルギー転換装置と比較し、本実施形態のブロック体25は脱落する情況を発生させず、また本実施形態のものは従来のエネルギー転換装置と比較すると、優れた音波或いは触覚振動効果を有する。もしダンパー24B(図4A)を使用するならば、支持体24に伝搬される振動はダンパー24Bにより吸収される為、第一平板21で音波或いは触覚振動を発生させない。
【0023】
図5Aは第一変換器23の詳細な断面図である。第一変換器23は導電層230、第一スマートマテリアル層231A及び第一電極層232Aを含む。ここでは、第一スマートマテリアル層231Aは導電層230上部表面に形成され、第一スマートマテリアル層231A上部表面には第一電極層232Aが塗布される。導電層230及び第一電極層232Aはそれぞれ第一スマートマテリアル層231Aの駆動に必要な2電極となり、また導電層230は導電の薄膜材料(例えば電極層)或いは板状材料(例えば金属板)で実施され、導電層230が金属板の場合、第一変換器23の堅牢性と耐用性を増加させ、第二平板22へと伝搬される慣性エネルギー量を増加させ、音波(acoustic wave)或いは触覚フィードバック(haptic feedback)を発生させる。図5Aに示す第一変換器23では単層の第一スマートマテリアル層231Aが使用される為、圧電材料として採用されるならば一般的には、ユニモルフ(unimorph)と呼ばれる。
【0024】
このほか、実施の際は、第一変換器23は二つ或いは多層の第一スマートマテリアル層231Aを採用し、従来の多積層(multi−layers)の圧電気結晶を形成させる。
【0025】
図5Bは他の第一変換器23の詳細な断面図である。第一変換器23は導電層230、第一スマートマテリアル層231A、第一電極層232A、第二スマートマテリアル層231B及び第2電極層232Bを含む。ここでは、第一スマートマテリアル層231Aは導電層230の上部表面に形成され、第一スマートマテリアル層231A上部表面には第一電極層232Aが塗布される。第二スマートマテリアル層231Bは導電層230の下に形成され、第二スマートマテリアル層231Bの下部表面には第二電極層232Bが塗布される。導電層230は第一スマートマテリアル層231Aと第二スマートマテリアル層231Bの共通電極となり、第一電極層232Aと第二電極層232Bはそれぞれ第一スマートマテリアル層231Aと第二スマートマテリアル層231Bの駆動に必要な電極となる。図5Bに示す第一変換器23は二層の第一スマートマテリアル層231Aと第二スマートマテリアル層231Bが使用される為、圧電材料として採用されるならば一般的には、バイモルフ(bimorph)と呼ばれる。
【0026】
図6A乃至図6Eは各形状の第一変換器23の上面図での例示である。ここでは、図6Aは矩形の第一変換器23の上面図であり、これは矩形の導電層230及び矩形の第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。図6Bは円形の第一変換器23の上面図であり、これは円形の導電層230及び円形の第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。図6Cは三芒星(tri−forked star)形の第一変換器23の上面図であり、これは三芒星形の導電層230及び三芒星形の第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。図6Dは十字形の第一変換器23の上面図であり、これは導電層230及び第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。
【0027】
上述の各形状の第一変換器23はユニモルフ(unimorph)を例にする。実施に於いては同様に導電層230の下部表面に形成される第二スマートマテリアル層231Bを増加させ、第二スマートマテリアル層231Bの表面に第2電極層232Bを塗布させ、前述のバイモルフ(bimorph)を形成させる。
【0028】
図6Eは十字形の第一変換器23の上面図であり、十字形の導電層230上には、二つが垂直に交差し十字形を成す第一スマートマテリアル層231Aを有し、また絶縁部材233を使用し両者を絶縁させ隔離させ、絶縁部材233は絶縁層或いは絶縁体となる。
(第2実施形態)
本発明のエネルギー転換モジュールの第2実施形態について説明する。
【0029】
図7Aは本発明に係る第2実施形態のエネルギー転換モジュールの断面図である。以下には本実施形態と第1実施形態の異なる点についてのみ説明し、残りの点については第1実施形態の各項での説明に沿う。本実施形態は第1実施形態に示す第一変換器23、支持体24及びブロック体25を含む以外に、第一変換器23の外側部分に固設される少なくとも一つのマス・ブロック(inertial mass)を更に含む。図7Aに標示するM、マス・ブロック26Aとマス・ブロック26Bは第一変換器23の外側部分の上部表面にそれぞれ固設される。本明細書での、方向の“上”とは第二平板22を向く方向を指し、方向の“下”とは第一平板21を向く方向を指す。マス・ブロック26Aとマス・ブロック26Bは各形状の各種材質を使用しており、例えば高密度材質(例えば金属)或いはヤング率(Young’s modulus)材質(例えば酸化ジルコニウム)等である。図7Bによると、マス・ブロック26Cとマス・ブロック26Dは第一変換器23の外側部分の下部表面にそれぞれ固設される。図7Cによるとマス・ブロック26Aとマス・ブロック26B、及びにマス・ブロック26Cとマス・ブロック26Dは第一変換器23の外側部分の上部表面と下部表面にそれぞれ固設される。図7Dによれば、マス・ブロック26Eとマス・ブロック26Fは第一変換器23の外側部分の側端辺にそれぞれ固設される。上述の図7A乃至図7Dによるとマス・ブロックの配置形式は配合されて使用され、例えば、図7Cではマス・ブロック26Aとマス・ブロック26B及びにマス・ブロック26Cとマス・ブロック26Dが第一変換器23外側部分の上部表面と下部表面にそれぞれ固設され、また図7Dではマス・ブロック26Eと26Fが第一変換器23外側部分の両側端辺にそれぞれ固設される。
【0030】
図8A乃至図8Fは各形状の第一変換器23及びマス・ブロックの上面図或いは下面図での例示である。ここでは、図8Aは矩形の第一変換器23、マス・ブロック26A及びマス・ブロック26Bの上面図或いは下面図であり、これは矩形の導電層230及び矩形の第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。マス・ブロック26A、マス・ブロック26Bは導電層230の外側部分に配置されるが、但しこの限りではない。図8Bは円形の第一変換器23及びマス・ブロック26A、マス・ブロック26B、マス・ブロック26Cの上面図或いは下面図であり、これは円形の導電層230及び円形の第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。マス・ブロック26A、マス・ブロックB、マス・ブロックCは導電層230周辺の等角(120度)の外側部分の三辺の縁端に配置されるが、但しこの限りではない、例えば、等角(90度)の外側部分の四辺の縁端に配置されてもよい。図8Cは他の円形の第一変換器23及びマス・ブロック26の上面図或いは下面図であり、マス・ブロック26は導電層230外側部分の円周上に配置される。図8Dは三芒星(tri−forked star)形の第一変換器23、マス・ブロック26A、マス・ブロック26B及びマス・ブロック26Cの上面図或いは下面図であり、これは三芒星形の導電層230及び第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。マス・ブロック26A、マス・ブロック26B、マス・ブロック26Cは導電層230の外側部分の三辺の縁端に配置されるが、但しこの限りではない。図8Eは十字形の第一変換器23、マス・ブロック26A、マス・ブロック26B、マス・ブロック26C及びマス・ブロック26Dの上面図或いは下面図であり、これは十字形の導電層230及び第一スマートマテリアル層231A(第一電極層232Aは図示せず)を少なくとも含む。マス・ブロック26A、マス・ブロック26B、マス・ブロック26C、マス・ブロックDは導電層230の外側部分の四辺の縁端に配置されるが、但しこの限りではない。
【0031】
上述の各形状の第一変換器23はユニモルフ(unimorph)を例にしている。実施に於いては同様に導電層230の下部表面に形成される第二スマートマテリアル層231Bを増加させて、第二スマートマテリアル層231Bの表面には第二電極層232Bが塗布され、前述のバイモルフ(bimorph)が形成される。
【0032】
図8Fは他の十字形の第一変換器23、マス・ブロック26A、マス・ブロック26B、マス・ブロック26C及びマス・ブロック26Dの上面図或いは下面図であり、十字形の導電層230上には、二つが垂直に交差し十字形を成す第一スマートマテリアル層231Aを有し、また絶縁部材233を使用して両者を絶縁させ隔離させる。マス・ブロック26A、マス・ブロック26B、マス・ブロック26C、マス・ブロックDは導電層230の外側部分の四辺の縁端に配置されるが、但しこの限りではない。
【0033】
上述の第2実施形態のエネルギー転換モジュールによれば、第一変換器23が電気エネルギーを供給され駆動される場合、マス・ブロックは第一変換器23外側部分の慣性質量を増加させ、或いは共振モード(resonant mode)の調整に用いられる。
(第3実施形態)
本発明のエネルギー転換モジュールの第3実施形態について説明する。
【0034】
図9Aは本発明に係る第3実施形態のエネルギー転換モジュールの断面図である。以下では本実施形態と第1実施形態及び第2実施形態の異なる点についてのみ説明し、その他の部分は第1実施形態及び第2実施形態での各項の説明に沿う。本実施形態では第2実施形態に示す第一変換器23、支持体24、ブロック体25、マス・ブロック26A及びマス・ブロック26Bを含む以外に、マス・ブロック26Aとマス・ブロック26Bに位置される少なくとも一つの第二変換器27Aと第二変換器27Bを更に含む。第二変換器27Aと第二変換器27Bの材質は第一変換器23の材質が使用され、或いはボイスコイルモータ(voice coil motor)、偏心回転モータ(eccentric rotating mass (ERM) motor)ないしはリニア共振アクチュエータ(linear resonant actuator、 LRA)が使用される。図9Aに標示されるP’、第二変換器27A及び第二変換器27Bはマス・ブロック26Aとマス・ブロック26Bの上部表面にそれぞれ固設され、一部分を外へ向けて延伸させる。図9Bによると、第二変換器27Aと第二変換器27Bはマス・ブロック26Aとマス・ブロック26Bの側端辺にそれぞれ固設される。図9Cによれば、第二変換器27Cと第二変換器27Dはマス・ブロック26Cとマス・ブロック26Dの下部表面にそれぞれ固設され、一部分を外へ向けて延伸させる。
【0035】
上述の第3実施形態のエネルギー転換モジュールによると、第一変換器23が電気エネルギーを供給されて駆動される場合、第二変換器27A乃至第二変換器27Dを選択して駆動させ振動を発生させ、同時に支持体24、ブロック体25の中軸200を連動させて透過させ更に大きな慣性エネルギーを発生させ、第二平板22へと伝搬させて、第二平板22を振動させて空気を振動させる事で、更に強烈な音波(acoustic wave)を発生させるか、或いは更に強烈な触覚フィードバック(haptic feedback)を発生させる。或いは第二変換器27A乃至第二変換器27Dを選択して駆動させて振動を発生させ、振動モード調整の選択性を増加させ、或いは第一変換器23両端の振幅を増加させ、伝搬される慣性力を更に増加させる。
【0036】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
10 変換器
12 粘着部材
14 上部筐体
21 第一平板
22 第二平板
23 第一変換器
230 導電層
231A 第一スマートマテリアル層
231B 第二スマートマテリアル層
232A 第一電極層
232B 第二電極層
233 絶縁部材
24 支持体
24A 第一凹型部
24B ダンパー
25 ブロック体
25A 第二凹型部
26 マス・ブロック
26A マス・ブロック
26B マス・ブロック
26C マス・ブロック
26D マス・ブロック
26E マス・ブロック
26F マス・ブロック
27A 第二変換器
27B 第二変換器
27C 第二変換器
27D 第二変換器
200 中軸
P 第一変換器
M マス・ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー転換モジュールであって、
第一変換器と、
その第一端は第一平板に当接或いは固設され、第二端は前記第一変換器の中央部分に当接或いは固設される支持体と、
その第一端は前記第一変換器の中央部分に当接或いは固設され、第二端は第二平板に当接或いは固設されるブロック体とを含むことを特徴とするエネルギー転換モジュール。
【請求項2】
前記支持体或いは前記ブロック体は、嵌入方式で前記第一平板または前記第二平板に結合されることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項3】
前記第一平板或いは前記第二平板はスクリーン、タッチパネル、フレーム(frame)、基板ないしは筐体(housing)であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項4】
前記第一変換器に使用されるスマートマテリアルは圧電材料、電場応答性高分子(Electro−active Polymer:EAP)或いは形状記憶合金(SMA)であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項5】
前記圧電材料はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)であることを特徴とする、請求項4に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項6】
前記第一変換器の外側部分に固設される少なくとも一つのマス・ブロックを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項7】
前記第一変換器は、
導電層と、
前記導電層上部表面に形成される少なくとも一つの第一スマートマテリアル層と、
前記第一スマートマテリアル層上部表面に形成される少なくとも一つの第一電極層とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項8】
前記導電層は金属板であることを特徴とする、請求項7に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項9】
前記第一変換器は矩形、円形、十字形或いは三芒星形であることを特徴とする、請求項7に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項10】
前記十字形の第一変換器は十字形導電層と、前記十字形導電層上で垂直に交わる二つの第一スマートマテリアル層を有し、また絶縁部材を使用し両者を隔離させることを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項11】
前記第一変換器は、
前記導電層の下部表面に形成される第二スマートマテリアル層と、
前記第二スマートマテリアル層の下部表面に形成される第二電極層とを更に含むことを特徴とする、請求項7に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項12】
前記支持体はダンパーを含むことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項13】
前記ダンパーは弾性体、バネ或いは弾性ゴムであることを特徴とする、請求項12に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項14】
前記第二平板上に隣接するブロック体の少なくとも一面には、少なくとも一つの第二凹型部が形成され、前記第一変換器を前記凹型部に形成される空間内で動揺させることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項15】
前記ブロック体と第二凹型部は第二平板の製造時に一体成型され、或いは第二平板の後に加工する方式で形成されることを特徴とする、請求項14に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項16】
前記第一平板上に隣接する支持体の少なくとも一面には、少なくとも一つの第一凹型部が形成され、前記第一変換器を前記第一凹型部に形成される空間内で動揺させることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項17】
前記支持体と第一凹型部は第一平板の製造時に一体成型され、或いは第一平板の後に加工する方式で形成されることを特徴とする、請求項16に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項18】
前記マス・ブロックに固設される少なくとも一つの第二変換器を更に含むことを特徴とする、請求項6に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項19】
前記第二変換器は前記マス・ブロックの上部表面、下部表面或いは側端辺に固設されることを特徴とする、請求項18に記載のエネルギー転換モジュール。
【請求項20】
前記第二変換器に使用されるスマートマテリアルは圧電材料、電場応答性高分子(EAP)、形状記憶合金(SMA)、ボイスコイルモータ(voice coil motor)、偏心回転モータ(ERM motor)或いはリニア共振アクチュエータ(LRA)であることを特徴とする、請求項19に記載のエネルギー転換モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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