説明

エポキシドのカルボニル化法

本発明は、第一及び第二の2種の成分を含む触媒系の存在下でエポキシドと一酸化炭素との反応によるエポキシドのカルボニル化法において、第一成分がコバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた1種以上の金属の供給源であり、第二成分がテトラピロール化合物と、周期系第IIIA及びIIIB族、ランタニド及びアクチニドよりなる群に属する1種以上の金属との配位錯体である該方法に関する。また本発明は該触媒系の製造法、及びエポキシドのカルボニル化へのこのような触媒系の使用法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシドのカルボニル化法、該方法に好適な触媒系、及び該触媒系の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
一般にカルボニル化は、有機化合物にカルボニル又はカルボニル基を挿入することと理解されている。例えば周期系(CRC Handbook of Chemistry and Physics,第72版,1991年1〜11頁に定義した)の第VIII族から選ばれた金属を含む触媒の存在下でのエポキシド化合物と一酸化炭素との反応は、このようなカルボニル化反応である。本発明との関係ではエポキシドのカルボニル化は、カルボニルが2−オキセタノン(β−ラクトン)構造の形成下でオキシラン部分に挿入することを表わす。エポキシドのカルボニル化法は文献に十分、記載されている。例えばEP−A−0,577,206には、コバルト供給源及びヒドロキシ置換ピリジンを含む触媒系の存在下でβ−ラクトン又はこれらラクトンのβ−ヒドロキシカルボン酸誘導体を得るためのエポキシドのカルボニル化法が記載されている。この方法は、エチレンオキシドにより円滑に進行するが、プロピレンオキシドのような置換オキシドでは満足な結果は得られない。この方法でプロピレンオキシドのカルボニル化による別の問題は、J.Am.Chem.Soc.124,2002,5646−5647に記載されるように、所望のβ−ブチロラクトンに代って部分的又は完全にポリエステル生成物を生成する恐れがあることである。異種の置換基を有するエポキシド基質のカルボニル化を改良した触媒系として、数種のカチオン性ルイス酸配位錯体及びコバルト供給源を含む触媒がJ.Am.Chem.Soc.124,2002,1174−1175に記載されている。この文献に記載の金属錯体及び触媒系は、各種のエポキシド基質を対応するモノマー性β−ラクトン生成物に転化できるが、通常、収率及び選択率は低い。したがって、高い触媒活性を有する触媒系を得ることが望ましい。更に、モノマー性生成物のみ又はモノマー性生成物を主として生成する触媒系及び方法を得ることが望ましい。
【特許文献1】EP−A−0,577,206
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.124,2002,5646−5647
【非特許文献2】J.Am.Chem.Soc.124,2002,1174−1175
【非特許文献3】Edgell及びLyfordによるInorganic Chemistry第9巻、第8号、1970年、1932〜1933頁
【非特許文献4】J.Am.Chem.Soc.1983,105,1304−1309
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エポキシドのカルボニル化に極めて効果的で、しかも望ましくない副生物や重合生成物を相当量形成することなく、対応するβ−ラクトンへの回転率(turnover)(生成物モル/使用した触媒モルとして定義する)がかなり高いという利点を与える新規な触媒系が今回、見い出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
したがって本発明は、第一及び第二の2種の成分を含む触媒系の存在下でエポキシドと一酸化炭素との反応によるエポキシドのカルボニル化法において、第一成分がコバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた1種以上の金属の供給源であり、第二成分がテトラピロール化合物と、周期系第IIIA及びIIIB族、ランタニド及びアクチニドよりなる群に属する1種以上の金属との配位錯体である該方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
発明の詳細な説明
本発明による触媒系の第一成分は、コバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた1種以上の金属の供給源である。これらの金属は、この反応において活性であることが見い出された。金属の選択は、エポキシド基質及び所望生成物のような状況による。第一成分用の好ましい金属は、証明済みの高い触媒活性及び好適な出発材料の入手容易性からコバルトである。特に好ましいものは、製造の容易性及び安全性から金属テトラカルボニル塩である。したがって、本発明は、第一成分が金属カルボニルであるエポキシドのカルボニル化法に関する。触媒系の好ましい第一成分は、例えばEdgell及びLyfordによるInorganic Chemistry第9巻、第8号、1970年、1932〜1933頁に記載されるようなコバルトテトラカルボニルである。
【0006】
本発明による触媒系の第二成分は、周期系第IIIA及びIIIB族、ランタニド及びアクチニドよりなる群から選ばれた1種以上の金属と、テトラピロール化合物との配位錯体である。いかなる特定の理論に束縛されたくないが、正荷電の金属/テトラピロール配位子配位錯体は、エポキシドを配位することにより、ルイス酸として作用し、こうして活性化したエポキシド結合への一酸化炭素の挿入を促進するものと考えられる。エポキシドのカルボニル化中の金属原子の酸化状態は、反応過程中の変化とほぼ同様に変化してよい。これらの金属は、酸化状態+IIIで、四座ジイオン性配位子として作用するテトラピロール化合物との安定な正荷電配位錯体を形成する。したがって、金属は好ましくは+IIIの酸化状態で存在し、これによりテトラピロール配位子に対する結合部位として作用できる2つの自由原子価を与え、一方、第三の自由原子価は正電荷として作用し、これにより金属配位錯体はアニオン性コバルトカルボニル錯体に対する対イオンとして作用する。好ましい金属はアルミニウム、インジウム、ガリウム、スカンジウム、イッテルビウム、ランタン、セリウム及びサマリウムである。このうち、市場での入手性及びアルミニウム(III)錯体の高い安定性から、アルミニウムが最も好ましい。したがって、本発明は、好ましくは第二成分中の金属の少なくとも一部がアルミニウムである方法に関する。
【0007】
第二成分中のテトラピロール化合物は、金属原子と共にジアニオン性四座配位子として作用できる4つの環を持った分子からなる或る種(class)の化合物の所属員である。ピロール環の普通の配列は、大環式又は線状であってよい。普通はポルフィリンと呼ばれるテトラピロール大環式環が好ましい。これらのポルフィリンは、大環式構造を形成するため、4つのメチン基によりα位を通って統一された4つのピロール核からなる基本骨格を有する。本発明方法で使用するのに好適なポルフィリン配位子は、メチル、エチル、n−及びイソプロピル、及びブチルのようなアルキル置換基、任意に置換したフェニル置換基のようなアリール置換基、及びピロール環の窒素原子以外の位置にヘテロ原子を有する置換基を1種以上持っていてよい。水素原子以外のこれら1種以上の置換基は、ポルフィリン核の2、3、5、7、8、10、12、13、15、17、18及び20位(推薦1978,Pure Appl.Chem.51,2251−2304,1979でのIUPACによる定義)に存在してよい。したがって、本発明は好ましくは、テトラピロール化合物がポルフィリン化合物である方法に関する。更に好ましいポルフィリンとしては、(5,10,15,20−テトラフェニル)ポルフィリン、テトラキス−(4−メトキシフェニル)−ポルフィリン、テトラキス−(2−メトキシフェニル)−ポルフィリン、テトラキス−(2−クロロフェニル)−ポルフィリン、テトラキス−(2−ヒドロキシフェニル)−ポルフィリン及びテトラキス−(2,4−ジメトキシフェニル)−ポルフィリンのようなテトラアリールポルフィリンが挙げられる。他の好適なテトラピロール配位子は、ジ−ベンゾポルフィリン及びテトラ−ベンゾポルフィリン及びシクロペンタポルフィリン、並びに天然産のポルフィリン族の所属員である。市場での入手性及び証明済みの有効性から(5,10,15,20−テトラフェニル)ポルフィリンが最も好ましい。
【0008】
本方法のエポキシド反応剤のオキシラン環は、例えばプロピレンオキシド又はスチレンオキシドの場合のように、アルキル基やアリール基で置換されていてよい。またエポキシド反応剤は、例えばエピクロロヒドリンの場合のように、他の官能基を持っていてもよいし、或いはエポキシ化シクロヘキセンのような飽和環式構造の一部であってもよい。しかし、迅速かつ選択的な反応の点から、任意に置換した1,2−エポキシアルカンが更に好適である。代表的な1,2−エポキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、1,2−エポキシヘキサン及び1,2−エポキシオクタンが挙げられるが、このうちエチレンオキシド及びプロピレンオキシドが最も好適である。
【0009】
本発明は、この触媒系の製造方法にも関する。好適な方法としては、現場での又はエポキシ化プロセス前の段階的製造法、及び現場でのセルフアッセンブリー法がある。好ましい触媒系の製造方法は、触媒の段階的製造法である。したがって、本発明は、好ましくは(a)周期系第IIIA及びIIIB族、ランタニド及びアクチニドよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の供給源をテトラピロール化合物と反応させる工程、及び(b)工程(a)の生成物を、コバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の供給源と反応させて触媒錯体を得る工程を含む、エポキシドのカルボニル化に好適なコバルト含有触媒系の製造方法に関する。
【0010】
触媒製造法の工程(a)は、金属配位子配位錯体の合成である。この合成は、例えばAida及びInoue,J.Am.Chem.Soc.1983,105,1304−1309に記載の方法を用いて、好適な金属供給源を、選択されたテトラピロール配位子と接触させることにより達成できる。形成された金属配位子錯体は、更に直接、転化してもよいし、或いはこの段階で単離してもよい。いかなる特定の理論に束縛されたくないが、この金属配位錯体では、金属イオンは、四座ジアニオン性配位子としての、1つ以上の追加の軸方向配位子を有するテトラピロールに配位する。好ましくは証明済みの高い反応性から、工程(a)の金属供給源はアルミニウムを含む。更に好ましくは、テトラピロール化合物はポルフィリン化合物である。したがって、本発明は好ましくは工程(a)での金属がアルミニウムである触媒系の製造方法に関し、またテトラピロール化合物がポルフィリン化合物である系に関する。
【0011】
工程(b)では、工程(a)の金属配位子配位錯体は、コバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた金属の供給源と反応させる。この金属供給源は、工程(b)中、好適なアニオン性金属カルボニル種に転化可能ないずれの形態でも工程(b)に導入してよい。金属供給源は好ましくはコバルトを含み、更に好ましくは工程(a)の前に製造したアルカリ金属テトラカルボニルコバルト塩として導入する。したがって、本発明は工程(b)の金属供給源がコバルトテトラカルボニルナトリウム塩である触媒系の製造方法に関する。
【0012】
工程(a)、(b)でそれぞれ触媒系を製造する条件は臨界的ではない。温度及び圧力は、−70〜+150℃の範囲、更に好ましくは0〜90℃は範囲、最も好ましくは15〜40℃の範囲で変化してよい。この時点では、触媒系は任意に単離してよい。また触媒成分を、任意に一酸化炭素圧下で、同時に寄せ集めるセルフアッセンブリー法も本発明の範囲内である。好適な条件の選択は、有機金属錯体の分野の当業者にとって十分、能力の範囲内にある。
【0013】
第二成分(即ち、金属配位錯体)と第一触媒成分とのモル比は、比較的広範囲内で変化できる。好適にはこのモル比は、4:1〜1:4、好ましくは3:1〜1:3、更に好ましくは2:1〜1:2で変化する。
本発明の触媒系は、新規なバイメタル触媒系を含むものと考えられる。
【0014】
したがって、本発明は好ましくは前記方法で得られる触媒系及びエポキシドのカルボニル化へのこのような触媒系の使用法にも関する。
本方法は更に、手際よく行える、即ち、基質が反応条件下で液体であれば、添加溶剤の不存在下で行えるという利点がある。これにより、仕上げ(work−up)や精製法が容易になる。しかし、特に反応の開始相中、又は反応容器で触媒系を現場で製造中は、いずれの好適な溶剤も使用してよい。
【0015】
好適な溶剤はカルボニル化反応に不活性である。これは反応過程中、消費されないことを意味する。本発明方法に好適な溶剤は、反応過程中、原料を可溶化する。このような溶剤としては、テトラヒドロフラン(thf)及びアルキル置換フランのようなジオールの環式又は線状エーテル、或いは高い溶解力の点からジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)が挙げられる。しかし、反応は添加溶剤の不存在下で一層円滑かつ迅速に進行可能であることが判った。したがって、本発明は更に好ましくは、液体生成物中で、かつ添加溶剤の不存在下で行われる。
【0016】
本発明の他の実施態様では反応は、活性水素原子を有する溶剤、例えばアルコールの存在下で行われる。この種の溶剤はカルボニル化反応を妨害しないが、カルボニル化の反応条件下では溶剤は、初期に形成されたβ−ラクトン生成物と更に反応して、α,β−不飽和化合物のようなβ−ヒドロキシ化合物エステル及び/又はその誘導体を生成する可能性がある。
原料中のエポキシドと触媒錯体との最適比は、使用した特定の錯体に一部依存する。エポキシドと第一金属とのモル比は、好ましくは10〜10の範囲、更に好ましくは210〜10の範囲であってよい。
【0017】
カルボニル化は、高めの温度条件下で行うのが都合よい。反応は低温でも進行するが、良好な結果は室温より高い温度で得られる。したがって、反応温度は、好ましくは30〜150℃、更に好ましくは50〜125℃、最も好ましくは60〜110℃の範囲でよい。低温では、反応は著しく遅れる可能性があるが、高温では、高分子材料のような第二の誘導体の生成を誘引する可能性がある。
【0018】
更に本発明は高めの圧力を必要とする。この圧力は、一酸化炭素、及び/又は一酸化炭素及び好適には例えば窒素又は水素のようなガスを含むガス混合物による加圧で得ることが好ましい。存在すれば混合物中の一酸化炭素と他のガスとのモル比は、好ましくは0.1〜10、更に好ましくは1〜10の範囲内である。
【0019】
通常の全圧は、15010N/m(150バール)未満で、それ以上の高圧は複雑で高価格の装置を意味する。したがって、この方法は、3010〜15010N/mの範囲、更に好ましくは4010〜12010N/mの範囲、また更に好ましくは5010〜10010N/mの範囲、最も好ましくは6010〜9010N/mの範囲である。
【0020】
カルボニル化の温度及び圧力は臨界的ではなく、したがって、広範な限界内で変化してよいが、反応を比較的穏和な条件で行えるのが本発明の有利な特徴である。
本発明方法を以下の実施例を参照して更に説明する。
【実施例1】
【0021】
例1
磁気撹拌機、加熱ユニット及び入口を備えた250mlハステロイC反応器(ハステロイCはHaynes International Inc.の登録商標)にジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)50ml及び触媒前駆体〔Na[Co(CO))]97mg(0.5モル)、(5,10,15,20−テトラフェニル)ポルフィリンアルミニウムクロリド337mg(0.5モル)〕を装填した後、窒素でパージし、最後に一酸化炭素(CO)で1010N/mの圧力に加圧した。次いで反応器にエチレンオキシド(EO)15ml(307モル)をポンプ送りした。更に反応器内の圧力をCOで5010N/mに上げた後、更に水素で7010N/mの最終圧に上げた。次いで反応器を70℃に加熱し、この温度で激しく撹拌しながら、10時間保持した。反応終了時、ガス消費量を測定したところ、2010N/mであった。
【0022】
エチレンオキシドのβ−プロピオラクトンへの転化率及び回転率数(TON)をGC分析により測定した。EOの転化率は、転化したEOのモル量を、供給したEOのモル量で割り、100倍した値で、(モル)%で表わす。ラクトンの生成量は、残存EOと、得られたラクトンとの比から算出した。エチレンオキシドのβ−プロピオラクトンへの回転率数(TON)は、〔得られたラクトン(モル)〕/〔使用した触媒(モル)〕と定義する。反応は転化率63%では回転率数(TON)389で進行した。
【実施例2】
【0023】
例2
基質としてプロピレンオキシドを用いた他は例1を繰り返した。エチレンオキシドのβ−プロピオラクトンへのTON及び転化率をGC分析及びH−NMR分析により測定したところ、転化率49%では358であった。
【0024】
比較例1
J.Am.Chem.Soc.124,2002,5646−5647に記載されるコバルト含有アルミニウム−salen触媒系及び基質としてエチレンオキシドを使用した他は、例1を繰り返した。GC分析で測定して得られたTONは転化率32%では98であった。
【0025】
比較例2
基質としてプロピレンオキシドを用いた他は、比較例1を繰り返した。TONをGC分析及びH−NMR分析により測定したところ、転化率49%では123であった。
【0026】
本発明の新規な触媒系は、比較の触媒系に比べて非常に高い転化率を達成したが、この高い転化率から、本発明によるエポキシドのカルボニル化法が従来法に対し大幅に改良されたことが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一及び第二の2種の成分を含む触媒系の存在下でエポキシドと一酸化炭素との反応によるエポキシドのカルボニル化法において、第一成分がコバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた1種以上の金属の供給源であり、第二成分がテトラピロール化合物と、周期系第IIIA及びIIIB族、ランタニド及びアクチニドよりなる群に属する1種以上の金属との配位錯体である該方法。
【請求項2】
前記第一成分の金属がコバルトである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一成分が金属テトラカルボニルである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二成分の金属がアルミニウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記テトラピロール化合物がポルフィリン化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記エポキシドが、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドよりなる群から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記カルボニル化が、活性水素原子を有する溶剤の存在下に行われる請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
(a)周期系第IIIA及びIIIB族、ランタニド及びアクチニドよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の供給源をテトラピロール化合物と反応させる工程、及び
(b)工程(a)の生成物を、コバルト、ルテニウム及びロジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の供給源と反応させる工程、
を含む、エポキシドのカルボニル化に好適な触媒系の製造方法。
【請求項9】
工程(a)の金属がアルミニウムであり、かつ前記テトラピロール化合物がポルフィリン化合物である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程(b)の金属供給源がコバルトテトラカルボニルナトリウム塩である請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法で得られる触媒系。
【請求項12】
請求項11に記載の触媒系をエポキシドのカルボニル化に使用する方法。


【公表番号】特表2006−524213(P2006−524213A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505532(P2006−505532)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050477
【国際公開番号】WO2004/089923
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】