説明

エラスタンスおよび抵抗の決定

換気されている被験者のエラスタンスおよび抵抗が決定される。被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗の決定は、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することなく行われる。すなわち、被験者のエラスタンスおよび抵抗の決定は、換気の一つまたは複数のパラメータを、被験者の換気を効果的および/または快適に行うために設計された処置アルゴリズムによって指示される以外の仕方で操作することなく、行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気されている被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
効率的かつ快適に患者に換気を行うよう設計された処置アルゴリズムに従って患者に機械的換気を行う従来の人工呼吸システムが知られている。これらのシステムは、呼吸のエラスタンスおよび/または抵抗に基づいて処置アルゴリズムの一つまたは複数のパラメータを調整する人工呼吸器を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エラスタンスおよび抵抗を決定できる従来のシステムは、一般に換気回路および/または患者の呼吸系内に抵抗およびエラスタンスの決定を容易にする特定の条件を生成するために、換気処置アルゴリズムに対して外的な調整がなされるまたは課されることを必要とする。たとえば、換気回路中のガス圧が、換気回路と患者の呼吸系との間の共通圧が達成されるまで静的に保持されることがある。もう一つの例として、吸入の間に換気処置アルゴリズムに対して外的な圧力振動が課され、この振動に対する患者の呼吸系の反応が観察されることがある。患者の抵抗およびエラスタンスを決定するための呼吸処置アルゴリズムのこの種の外的な操作は、施される換気処置の快適さを減じることがありうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムに関する。ある実施形態では、本システムは回路と、一つまたは複数のセンサーと、プロセッサとを有する。回路は、被験者の気道と連絡しており、被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る。該回路を介して気道に送達され気道から受け取られるガスによって被験者が機械的に換気される。前記一つまたは複数のセンサーは、被験者の気道または気道近くのガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成するよう構成される。前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成される。該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはない。ここで、前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を、(i)前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定し、(ii)被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定することによって、決定するよう構成される。ここで、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数によって決定される。
【0005】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、被験者を機械的に換気するために被験者の気道にガスを送達し、該気道からガスを受け取る段階と;被験者の気道に送達されるまたは該気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成する段階と;被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整されない、段階とを含み、ここで、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階は:前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定し、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定することを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数によって決定される。
【0006】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムに関する。ある実施形態では、本システムは、被験者を機械的に換気するために被験者の気道にガスを送達し、該気道からガスを受け取る手段と;被験者の気道に送達されるまたは該気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成する手段と;被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整されない、手段とを含み、ここで、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する前記手段は:前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定する手段と、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数によって決定される。
【0007】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムに関する。ある実施形態では、本システムは回路と、一つまたは複数のセンサーと、プロセッサとを有する。回路は、被験者の気道と連絡しており、被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る。該回路を介して気道に送達され気道から受け取られるガスによって被験者が機械的に換気される。前記一つまたは複数のセンサーは、被験者の気道または気道近くのガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成するよう構成される。前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成される。該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはない。ここで、前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を、(i)前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の筋圧および被験者の筋圧の時間微分が0またはほぼ0である検出時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定し、(ii)前記検出時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数から、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定することによって、決定するよう構成され、エラスタンスおよび抵抗の値を決定するよう実装された前記関数は、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定され、筋圧の時間微分が0と想定される連立方程式に対応する。
【0008】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る段階と;被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成する段階と;被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整されない、段階とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階は:前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の筋圧および被験者の筋圧の時間微分が0またはほぼ0である検出時点において被験者の気道または気道近くのガスのパラメータを決定し、前記検出時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数から、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定することを含み、エラスタンスおよび抵抗の値を決定するよう実装された前記関数は、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定され、筋圧の時間微分が0と想定される連立方程式に対応する。
【0009】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムに関する。ある実施形態では、本システムは、被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る手段と;被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成する手段と;被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整されない、手段とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する前記手段は:前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の筋圧および被験者の筋圧の時間微分が0またはほぼ0である検出時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定する手段と、前記検出時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数から、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段とを含み、エラスタンスおよび抵抗の値を決定するよう実装された前記関数は、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定され、筋圧の時間微分が0と想定される連立方程式に対応する。
【0010】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスを決定するよう構成されたシステムに関する。ある実施形態では、本システムは回路と、一つまたは複数のセンサーと、プロセッサとを有する。回路は、被験者の気道と連絡しており、被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る。該回路を介して気道に送達され気道から受け取られるガスによって被験者が機械的に換気される。前記一つまたは複数のセンサーは、被験者の気道または気道近くのガスのパラメータに関係した情報を伝える一つまたは複数の出力信号を生成するよう構成される。前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスを決定するよう構成される。該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはない。ここで、前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスを、(i)前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の気道または気道近くにおける、流量(flow rate)を含むガスのパラメータを決定し、(ii)被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータから、被験者が息を吐き出しており、かつガスの流量が極値に達する時点を識別し、識別された時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスを決定する、ことによって決定するよう構成される。
【0011】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る段階と;被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係する情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成する段階と;被験者の呼吸のエラスタンスを決定する段階であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整されない、段階とを含む。被験者の呼吸のエラスタンスを決定する段階は、前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の気道または気道近くにおける、流量(flow rate)を含むガスのパラメータを決定し、被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータから、被験者が息を吐き出しており、かつガスの流量が極値に達する時点を識別し、識別された時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスを決定する、ことを含む。
【0012】
本発明のもう一つの側面は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムに関する。ある実施形態では、本システムは、被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る手段と;被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係する情報を担持する一つまたは複数の出力信号を生成する手段と;被験者の呼吸のエラスタンスを決定する手段であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整されない、手段とを含む。被験者の呼吸のエラスタンスの決定は、前記一つまたは複数の出力信号に基づいて被験者の気道または気道近くにおける、流量(flow rate)を含むガスのパラメータを決定する手段と、被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータから、被験者が息を吐き出しており、かつガスの流量が極値に達する時点を識別する手段と、識別された時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスを決定する手段とを含む。
【0013】
本発明のこれらおよびその他の目的、特徴および特性ならびに構造の関係する要素および諸部分の組み合わせの動作方法および機能ならびに製造の経済は、以下の記述および添付の請求項を付属の図面を参照して考慮することで一層明白となるであろう。これらのすべては本明細書の一部をなすものである。同様の参照符号はさまざまな図における対応する部分を示す。しかしながら、図面は単に例解および説明のためであり、本発明の外縁を定義するものとしては意図されていないことをはっきりと理解しておくべきである。本明細書および請求項における用法では、単数形は、文脈からそうでないことが明らかであるのでない限り、複数の指示物をも含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一つまたは複数の実施形態に基づく、換気されている被験者の抵抗およびエラスタンスを決定するよう構成されたシステムを示す図である。
【図2】本発明の一つまたは複数の実施形態に基づく、換気されている被験者の抵抗およびエラスタンスを決定する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステム10を示している。特に、システム10は、システム10が被験者12を機械的に換気する際に、被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する。被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗の決定は、該決定を容易にするよう被験者12の換気を調整することなく行われる。すなわち、被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗の決定は、換気の一つまたは複数のパラメータを、被験者12の換気を効果的および/または快適に行うために設計された処置アルゴリズムによって指示される以外の仕方で操作することなく、行われる。従来の換気システムでは、換気システム内にある種の条件(たとえば、被験者12の肺との共通の圧力、吸気の際に療法圧力に対して課される圧力振動など)を作り出すことによってエラスタンスまたは抵抗の決定を容易にするために、処置アルゴリズムによって指示されるのでない一つまたは複数の換気パラメータの操作が一般に行われていた。システム10によるエラスタンスおよび/または抵抗の決定から、被験者12に提供される換気療法の一つまたは複数のパラメータが調整されうる。ある実施形態では、システム10はガス送達回路14、圧力発生器16、電子的記憶装置18、センサー20およびプロセッサ22を含む。
【0016】
ガス送達回路14は、換気の間、被験者12の気道にガスを送達し、気道からガスを受け取るよう構成される。ガス送達回路14は、導路24およびインターフェース器具26を含む。導路24は柔軟な導路であり、圧力発生器16とインターフェース器具26との間を走って圧力発生器16とインターフェース器具26の間でガスを連絡する。インターフェース器具26は、導路24からのガスを被験者12の気道に送達し、被験者12の気道から導路24中にガスを受け入れるよう構成される。インターフェース器具26は、導路24と被験者12の気道との間でガスを連絡させるための侵襲的または非侵襲的な器具を含みうる。たとえば、インターフェース器具26は鼻マスク、鼻/口マスク、フルフェイス・マスク、気管内チューブまたは気管チューブを含みうる。インターフェース器具26はまた、該インターフェース器具26を被験者12に取り付けたり取り除いたりするために、装着用ストラップまたはハーネスのようなヘッドギア組立体をも含んでいてもよい。導路24は二肢のシステムとして示されているが、これは限定することを意図したものではなく、導路24は単一肢システムとして形成されてもよい。
【0017】
圧力発生器16は、被験者12に機械的換気を行うために、ガスを被験者12の肺に押し込み、肺から吐き出されることを許容する、回路14内の圧力を生成するよう構成される。圧力発生器16は単一のコンポーネントとして図1に示され、本開示において言及されているが、圧力発生器16はいくつかの実施形態では二つの別個のサブシステムを含むことを理解しておくべきである。回路14に陽圧を制御可能的に与えるサブシステムと、回路14に、被験者12の呼吸系からガスが引き出されるようにする圧力を制御可能的に与えるサブシステムである。これらの別個のサブシステムのそれぞれは、(正または負の)圧力源と、該圧力源と回路14を制御可能的に連絡させる一つまたは複数のバルブを含んでいてもよい。ある実施形態では、被験者12の呼吸系からガスを引き出すサブシステムは、導路24内のガスを大気中に放出するバルブを含む。圧力源の限定しない例は、壁ガス源(wall-gas source)、送風機(blower)、ガスの加圧タンクもしくは容器、大気および/または他の圧力源を含む。ある実施形態では、圧力発生器16はまた、回路14を介して被験者12に与えられるガスの組成をも制御する。たとえば、この実施形態では、圧力発生器は被験者12に与えられるガス中の酸素濃度を制御してもよい。
【0018】
ある実施形態では、電子的記憶装置18は情報を電子的に記憶する電子的記憶媒体を有する。電子的記憶装置18の電子的記憶媒体は、システム10と一体的に(すなわち、実質的にリムーバブルでない)設けられるシステム記憶および/またはシステム10にたとえばポート(たとえばUSBポート、ファイアワイヤ・ポートなど)もしくはドライブ(たとえばディスク・ドライブなど)を介してリムーバブルに接続可能なリムーバブル記憶の一方または両方を含んでいてもよい。電子的記憶装置18は、光学式に読み取り可能な記憶媒体(たとえば光ディスクなど)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(たとえば磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブなど)、電荷ベースの記憶媒体(たとえばEEPROM、RAMなど)、半導体記憶媒体(たとえばフラッシュドライブなど)および/または他の電子的に読み取り可能な記憶媒体の一つまたは複数を含みうる。電子的記憶18はソフトウェア・アルゴリズム、プロセッサ22によって決定される情報、システム10を制御する際に実装される情報、センサー20によって生成される信号に関係する情報および/またはシステム10が適正に機能できるようにする他の情報を記憶しうる。電子的記憶18は、システム10内の別個のコンポーネントであってもよいし、あるいは電子的記憶18はシステム10の一つまたは複数の他のコンポーネント(たとえばプロセッサ22)と一体で設けられてもよい。
【0019】
ある実施形態では、センサー20は、回路14内のガスの一つまたは複数のパラメータを監視するよう構成された一つまたは複数のセンサーを含む。よって、センサー20は、回路14内のガスの前記一つまたは複数のパラメータについての情報を伝達する出力信号を生成する。前記一つまたは複数のパラメータは、流量、体積、圧力、ガス中に存在する一つまたは複数の分子種の濃度、温度、湿度および/または他のパラメータのうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。動作中、センサー20は、センサー20によってモニタリングされるガス・パラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号を出力する。
【0020】
プロセッサ22は、センサー20によって生成される出力信号(および/またはセンサー20によって生成される出力信号に関係する情報)を受信する。プロセッサ22は、システム10内の情報処理機能を提供するよう構成される。よって、プロセッサ22は、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、情報を処理するよう設計されたデジタル回路、情報を処理するよう設計されたアナログ回路、状態機械および/または情報を電子的に処理する他の機構のうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。図1ではプロセッサ22は単一の実体として示されているが、これはあくまでも例解の目的のためである。いくつかの実装では、プロセッサ22は複数の処理ユニットを含んでいてもよい。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に位置していてもよいし、あるいはプロセッサ22は協働して動作する複数の装置の処理機能を表していてもよい。
【0021】
図1に示されるように、ある実施形態では、プロセッサ22はパラメータ・モジュール28、検出時モジュール32、モニタ・モジュール30、制御モジュール34および/またはその他のモジュールを含む。モジュール28、30、32および/または34はソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェアの何らかの組み合わせで実装されても、および/または他の仕方で実装されてもよい。モジュール28、30、32および/または34は図1では単一の処理ユニット内に一緒に位置されるものとして描かれているが、プロセッサ22が複数の処理ユニットを含む実装では、モジュール28、30、32および/または34は他のモジュールからリモートに位置されてもよい。さらに、以下に記述される種々のモジュール28、30、32および/または34によって与えられる機能は、例解の目的のためであり、限定することを意図したものではない。モジュール28、30、32および/または34のいずれも、記述されるよりも多くの機能または記述されるよりも少ない機能を与えてもよい。たとえば、モジュール28、30、32および/または34の一つまたは複数が消去されてもよいし、その機能の一部または全部がモジュール28、30、32および/または34の他のものによって提供されてもよい。もう一つの例として、プロセッサ22は、下記においてモジュール28、30、32および/または34の一つに帰される機能の一部または全部を実行しうる一つまたは複数の追加的モジュールを含んでいてもよい。
【0022】
パラメータ・モジュール28は、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの一つまたは複数のパラメータを決定および/または推定するよう構成される。パラメータ・モジュール28は、前記一つまたは複数のパラメータを決定および/または推定することを、センサー20によって生成される前記一つまたは複数の出力信号に基づいて行う。ある実施形態では、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの前記一つまたは複数のパラメータは、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの圧力、被験者12の呼吸系内のガスの体積、被験者12の気道または気道近くにおけるガス中に存在する一つまたは複数の分子種の濃度、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの温度、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの湿度および/またはその他のパラメータのうちの一つまたは複数を含む。ある実施形態では、被験者12の呼吸系内のガスの体積は、ガスが被験者12の気道にはいり、出る際のガスの測定される流量の時間積分から決定されうる。パラメータ・モジュール28によって決定される前記一つまたは複数のパラメータは、他のパラメータの時間微分を含んでいてもよい。たとえば、ある実施形態では、パラメータ・モジュール28は、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量の時間微分、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの圧力の時間微分および/またはその他の時間微分のうちの一つまたは複数を決定するよう構成される。
【0023】
モニタ・モジュール30は、被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗をモニタリングする。よって、モニタ・モジュール30は、検出時モジュール32によって決定される検出時にパラメータ・モジュール28によって決定されるパラメータに基づいて、被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗の決定を行う。モニタ・モジュール30による被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗の決定は、被験者12の換気に対する調整を要求しない。換言すれば、被験者12の呼吸のエラスタンスおよび抵抗の決定は、システム10によって被験者12に与えられる換気の一つまたは複数のパラメータを、被験者12の換気を効果的および/または快適に行うために設計された処置アルゴリズムによって指示される以外の仕方で操作することなく、行われる。
【0024】
呼吸の間、被験者12の呼吸系内のガスの圧力、体積および流量は、呼吸サイクルの経過を通じて変化する。これらの呼吸パラメータの間の関係は、いくつかの状況では、次式によって記述される:
Pm=Pa−(R・Q+E・V) (1)
ここで、Pmは筋圧を表し、Paは被験者12の気道または気道近くにおけるガス圧を表し、Rは抵抗を表し、Qは被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量を表し、Eはエラスタンスを表し、Vは被験者12の呼吸系内のガスの体積を表す。筋圧は、胸郭および肺を拡張させるために呼吸筋によって生成される等価圧力であり、呼吸努力の関数である。筋圧は、直接測定可能ではないので、等価と言われる。しかしながら、吐き出しの際には、たとえシステム10によって提供される換気が被験者12の呼吸を補助するだけであったとしても、被験者12は呼吸筋を弛緩させるので、筋圧は0と想定できる。
【0025】
式(1)において、典型的には従来の人工呼吸器によって直接測定されない三つのパラメータがある。これら三つのパラメータは、筋圧、抵抗およびエラスタンスである。(たとえば推定または想定により)筋圧に値を割り当てることができれば、式(1)は二つの未知数だけをもつと考えられる。
【0026】
ある実施形態では、モニタ・モジュール30は、(i)被験者12の気道または気道近くにおけるガス圧、(ii)被験者12の気道にはいるまたは気道から出ていくガスの流量および(iii)被験者12の呼吸系におけるガスの体積に基づいて、式(1)に従ってエラスタンスおよび抵抗を決定する。たとえば、筋圧が0であると想定できる二つの別個の時点におけるこれらのパラメータの測定から、式(1)を使って、抵抗およびエラスタンスについて解くことができる連立方程式を生成することができる。よって、筋圧が0またはほぼ0であると想定される二つの時点におけるこれらのパラメータの測定が、モニタ・モジュール30によって、それら二つの時点について被験者12の呼吸の抵抗およびエラスタンスを決定するために実装されることができる。
【0027】
筋圧は、被験者12が呼吸するために努力を払っていないことが確からしい時点において0と想定できる。たとえば、換気される患者において、吐き出しは典型的には呼吸筋の弛緩である。よって、吐き出しの間は、筋圧は0であると想定されてもよい。もう一つの例として、患者が呼吸において努力を払うことができない場合、筋圧は、吐き出しと同様、吸い込みの際にも0と想定してもよい。呼吸において努力を払うことができない患者は、過剰支援された(over-supported)患者、呼吸系および/または脳機能に対して極端なおよび/または萎縮的な傷害をもつ患者、薬物によって麻痺した患者および/または他の患者を含む。
【0028】
限定しない例として、筋圧が二つの検出時t1およびt2において0であると想定される場合、式(1)は次の関係を与える:
0=Pa1−(R・Q1+E・V1) (2)
0=Pa2−(R・Q2+E・V2) (3)
ここで、Pa1およびPa2はそれぞれ検出時t1およびt2における被験者12の気道または気道近くにおけるガス圧を表し、Q1およびQ2はそれぞれ検出時t1およびt2における被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量を表し、V1およびV2はそれぞれ検出時t1およびt2における被験者12の呼吸系内のガスの体積を表す。すると、(2)と(3)の連立方程式は、抵抗およびエラスタンスについての次の解を与え、これは、ある実施形態では、モニタ・モジュール30によって被験者12の呼吸の抵抗およびエラスタンスを決定するために実装される。
【0029】
【数1】

もう一つの限定しない例として、式(1)によれば、抵抗およびエラスタンスについての推定または推測は、Pa1、Q1およびV1についての測定値とともに、t1における筋圧についての推定値を次のように与える:
Pm1e=(Re・Q1+Ee・V1)−Pa1 (6)
ここで、Pm1eはt1におけるPmの推定値を表し、Reは抵抗についての推定値を表し、Eeはエラスタンスについての推定値を表す。同様に、抵抗およびエラスタンスについての推定値は、Pa2、Q2およびV2についての測定値とともに、t2における筋圧についての推定値を次のように与える:
Pm2e=(Re・Q2+Ee・V2)−Pa2 (7)
ここで、Pm2eはt2におけるPmの推定値を表す。
【0030】
Pa1、Q1およびV1についての測定値を式(1)に代入し、結果として得られる式を式(6)から引くことによって、次の関係が導かれる。
【0031】
Pm1e−Pm1=(R−Re)・Q1+(E−Ee)・V1 (8)
t1についての推定された筋圧とt1における実際の筋圧との間の差(すなわち、Pm1e−Pm1)をΔPm1と定義し、推定された抵抗と実際の抵抗との間の差(すなわち、R−Re)をΔRと定義し、推定されたエラスタンスと実際のエラスタンスとの間の差(すなわち、E−Ee)をΔEと定義すれば、式(8)は次のように書き換えられる:
ΔPm1=ΔR・Q1+ΔE・V1 (9)
式(6)の代わりに式(7)について同様の手順を行うと、
ΔPm2=ΔR・Q2+ΔE・V2 (10)
となる。
【0032】
式(9)および(10)を二つの未知数(ΔRおよびΔE)をもつ連立方程式として使うと、ΔRおよびΔEについて次のように解くことができる。
【0033】
【数2】

上で論じたように、t1とt2の両方が被験者12による吐き出しの間に現れる場合、Pm1およびPm2は0であると想定されることができ、ΔPm1およびΔPm2はそれぞれPm1eおよびPm2eに行く。ΔPm1およびΔPm2にそれぞれPm1eおよびPm2eを代入すると、式(11)および(12)は書き換えることができ、EおよびRについて次のように解くことができる。
【0034】
【数3】

ある実施形態では、モニタ・モジュール30は、被験者12のエラスタンスおよび抵抗を決定するために式(13)および(14)を実装し、エラスタンスおよび抵抗の以前の決定をPm1eおよびPm2eを決定するために使い、またEeおよびReとして使う。式(13)および(14)は、推定されるエラスタンスおよび抵抗についての任意の合理的な推定を使って、エラスタンスおよび抵抗の正確な初期計算(たとえばエラスタンスおよび抵抗の以前の決定がある前の)さえ与える。たとえば、エラスタンスおよび抵抗の実際の値から数桁の範囲内の(たとえば無限大に近づかない)任意の値が、エラスタンスおよび抵抗の正確な決定を与える。
【0035】
理解されるであろうが、筋圧が0またはほぼ0に留まる時間期間の間(たとえば息を吐いている間、など)、筋圧は時間的に一定である。よって、ある実施形態では、二つ以上の別個の時点における被験者12の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの値の関数としてエラスタンスおよび抵抗を計算する関数に従ってエラスタンスおよび抵抗を決定するのではなく、モニタ・モジュール30は、単一の時点における被験者12の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗を計算する関数に従ってエラスタンスおよび抵抗を決定する。これらの関数は、被験者12の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数として筋圧を表現する式(たとえば式(1))およびこの式の時間微分からなる連立方程式から導出できる。
【0036】
限定しない例として、式(1)の時間微分は次のように表せる:
【0037】
【数4】

筋圧が0またはほぼ0に留まる時間期間の間(たとえば息を吐く間)、筋圧は時間的に一定であり、よってその時間微分は0である。さらに、体積の時間微分はフローである。よって、式(15)は、筋圧が0またはほぼ0で一定のままであると想定される時間期間の間、次のように表せる:
【0038】
【数5】

特定の時点におけるフローおよびPaの時間微分は、時間を追ってのフローおよびPaの測定値から決定できるガスのパラメータである。ある実施形態では、これらのパラメータは、パラメータ・モジュール28によって決定される。よって、式(16)は、抵抗およびエラスタンスという二つの未知数しか含まず、式(16)を式(1)と一緒に使って、二つの共通の未知数をもつ二つの式の連立方程式を形成することができる。この連立方程式は、検出時t1における抵抗およびエラスタンスについて、次のように解くことができる。
【0039】
【数6】

ここで、点付きのPa1は検出時t1において評価されたPaの時間微分を表し、点付きのQ1は検出時t1において評価されたフローの時間微分を表す。ある実施形態では、モニタ・モジュール30は、被験者12のエラスタンスおよび抵抗を決定するために式(17)および(18)を実装する。
【0040】
息を吐く間、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量は、被験者12の気道を出るガスの流量がその最大値に達する時点において極値に達する。この時点では、フローの時間微分は0である。よって、この時点では、式(16)は次のように書き直せる。
【0041】
【数7】

ある実施形態では、モニタ・モジュール30は、エラスタンスを計算するために、被験者12による吐き出しの間に、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量が極値に達する時点に対応するよう決定される検出時において、式(19)を実装する。次いで、モニタ・モジュール30は、このエラスタンスの計算を実装して、被験者12の抵抗を決定する。たとえば、(筋圧が0であると想定できる)第二の検出時において、モニタ・モジュール30は、式(1)から導出される関数
R=Pa−E・V (20)
に従って式(19)を介して行われるエラスタンスの決定を実装する。
【0042】
検出時モジュール32は、モニタ・モジュール30によって被験者12の肺の抵抗およびエラスタンスを決定するためにパラメータ・モジュール28によるパラメータの決定が実装されるべき一つまたは複数の検出時を決定するよう構成される。ある実施形態では、たとえば上述した技法の一つに従ってエラスタンスおよび抵抗を決定するのを容易にするために、検出時は、筋圧が0であると想定される時点の間に現れる。ある実施形態では、検出時は、吐き出しの間において、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量における極値または極値近くに現れる一つの検出時を含む。
【0043】
検出時モジュール32は、一つまたは複数の好適な検出時の出現を、圧力発生器16の制御、パラメータ・モジュール28によって決定されたおよび/または他の仕方で決定されたパラメータの一つまたは複数に基づいて検出してもよい。ある実施形態では、エラスタンスおよび抵抗の決定のための第一および第二の検出時は、共通の呼吸サイクルの間(たとえば、同じ吐き出しの間、同じ吸い込みの間、同じ息の吸い込みと吐き出しの間)において決定されてもよい。ある実施形態では、エラスタンスおよび抵抗の決定のための第一および第二の検出時は、別個の呼吸サイクルの間(たとえば、別個の吐き出しまたは吸い込みの間または異なる息の吸い込みおよび吐き出しフェーズの間)に決定されてもよい。検出時は、検出時モジュール32によって、エラスタンスおよび抵抗の決定の精度および/または確度を高めるよう決定されてもよい。たとえば、エラスタンスおよび抵抗が被験者12の気道または気道近くにおけるガスのパラメータから決定される実施形態では、第一の検出時は、共通の呼吸サイクルの吐き出しの始まりに比較的近くに決定されてもよく、第二の検出時は、共通の呼吸サイクルの吐き出しの終わりに比較的近くに決定されてもよい。
【0044】
制御モジュール34は、被験者12を換気する際に圧力発生器24の動作を制御するよう構成される。ある実施形態では、モニタ・モジュール30によるエラスタンスおよび/または抵抗の決定に基づいて、制御モジュール24は、被験者12の換気の一つまたは複数のパラメータを調整してもよい。たとえば、被験者12の換気の調整される前記一つまたは複数のパラメータは、呼吸要因(breathing factor)の作動(work)、調整可能な上昇設定、吸気時間設定、圧力目標設定、PEEP設定、トリガー感度設定、サイクル感度設定、ピーク・フロー設定、一回換気量設定および/または他のパラメータのうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。
【0045】
図2は、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法36を示している。以下に呈示される方法36の動作は、例示的であることが意図されている。いくつかの実施形態では、方法36は、記載されていない一つまたは複数の追加的な動作を用いて、および/または論じられている動作のうちの一つまたは複数なしで達成されてもよい。さらに、図2において示され、以下で記載される方法36の動作の順序は限定することを意図されたものではない。さらに、方法36は、システム10(図1に示され、上述した)のコンテキストで記述されるが、方法36は本開示の範囲から外れることなく、多様なコンテキストにおいて実装されうる。
【0046】
動作38では、被験者を換気するために、ガスが被験者の気道に送達され、被験者の気道から受け取られる。ある実施形態では、動作38は、発力発生器16および回路14(図1に示され、上述した)と同じまたは類似の圧力発生器および回路によって実行されてもよい。
【0047】
動作40では、被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する一つまたは複数の出力信号が生成される。ある実施形態では、動作40は、センサー20(図1に示され、上述した)と同じまたは類似の一つまたは複数のセンサーによって実行される。
【0048】
動作42では、被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスの一つまたは複数のパラメータが、動作40で生成された出力信号から決定される。ある実施形態では、動作42は、パラメータ・モジュール28(図1に示され、上述した)と同じまたは類似のパラメータ・モジュールによって実行される。
【0049】
動作44では、一つまたは複数の検出時が決定される。検出時は、動作42で決定されたパラメータがエラスタンスおよび抵抗の決定を可能にする時間である。たとえば、検出時は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である時点、吐き出しの間で、被験者12の気道または気道近くにおけるガスの流量が極値に達する時点、および/またはその他の時点を含んでいてもよい。ある実施形態では、動作44は、検出時モジュール32(図1に示され、上述した)と同じまたは類似の検出時モジュールによって実行される。
【0050】
動作46では、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗が決定される。動作46におけるエラスタンスおよび抵抗の決定は、動作44において決定された検出時についての動作42において決定されたガス・パラメータに基づく。エラスタンスおよび抵抗の決定は、動作38を介して被験者に提供される換気の操作によって容易にされることはない。ある実施形態では、動作46は、モニタ・モジュール30(図1に示され、上述した)と同じまたは類似のモニタ・モジュールによって実行される。
【0051】
動作48では、動作38を介して被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータが、動作46におけるエラスタンスおよび/または抵抗の決定に基づいて調整される。ある実施形態では、動作48は、制御モジュール34(図1に示され、上述した)と同じまたは類似の制御モジュールによって実行される。
【0052】
本発明は、例解の目的のため、現在のところ最も実際的で好ましいと考えられる実施形態に基づいて詳細に記載してきたが、そのような詳細はそのような目的のためでしかなく、本発明は開示されている実施形態に限定されるものではなく、逆に、付属の請求項の精神および範囲内の修正および等価な構成をカバーすることが意図されていることは理解しておくべきである。たとえば、本発明は、可能な限りにおいて、任意の実施形態の一つまたは複数の特徴が他の任意の実施形態の一つまたは複数の特徴と組み合わされることができることを考えている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムであって:
被験者の気道と連絡しており、被験者の気道にガスを送達し、該気道からガスを受け取る回路であって、該回路を介して気道に送達され気道から受け取られるガスによって被験者が機械的に換気される、回路と;
気道または気道近くにおけるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成するよう構成されるセンサーと;
被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されるプロセッサとを有しており、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはなく、前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を、(i)前記出力信号に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定し、(ii)被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定することによって、決定するよう構成され、ここで、前記エラスタンスおよび前記抵抗は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数によって決定される、
システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗を決定するよう実装された関数が、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定される連立方程式に対応する、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において前記プロセッサによって決定されるガスのパラメータが、気道または気道近くにおけるガスの流量、被験者の気道または気道近くにおけるガスの圧力および被験者の呼吸系内のガスの体積を含む、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムであって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である前記二つ以上の別個の時点が、同じ息の間に生起する少なくとも二つの別個の時点を含む、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗が、前記プロセッサによって、呼吸系についての運動方程式に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である前記二つ以上の別個の時点において決定された気道または気道近くにおけるガスのパラメータから決定される、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサがさらに、決定されたエラスタンスおよび/または抵抗に従って、前記回路を介して被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整するよう構成されている、システム。
【請求項7】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法であって:
(a)被験者を機械的に換気するために被験者の気道にガスを送達し、該気道からガスを受け取る段階と;
(b)被験者の気道に送達されるまたは該気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成する段階と;
(c)被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階であって、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはしない、段階とを含み、ここで、前記エラスタンスおよび前記抵抗を決定する段階は:
(1)前記出力信号に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定し、
(2)被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定された気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、前記エラスタンスおよび前記抵抗を決定することを含み、前記エラスタンスおよび前記抵抗は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数によって決定される、
方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗を決定するよう実装された関数が、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定される連立方程式に対応する、方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法であって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定されるガスのパラメータが、被験者の気道または気道近くにおけるガスのフロー、被験者の気道または気道近くにおけるガスの圧力および被験者の呼吸系内のガスの体積を含む、方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法であって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である前記二つ以上の別個の時点が、同じ息の間に生起する少なくとも二つの別個の時点を含む、方法。
【請求項11】
請求項7記載の方法であって、前記エラスタンスおよび前記抵抗が、呼吸系についての運動方程式に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である前記二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータから決定される、方法。
【請求項12】
請求項7記載の方法であって、決定されたエラスタンスおよび/または抵抗に従って、被験者の気道へのガスの送達および/または該気道からのガスの受領の一つまたは複数のパラメータを調整する段階をさらに含む、方法。
【請求項13】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムであって:
(a)被験者を機械的に換気するために被験者の気道にガスを送達し、該気道からガスを受け取る手段と;
(b)被験者の気道に送達されるまたは該気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成する手段と;
(c)被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段であって、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはされない、手段とを含み、ここで、エラスタンスおよび抵抗を決定する前記手段は:
(1)前記出力信号に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定する手段と、
(2)被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗は、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数によって決定される、
システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムであって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定される被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいてエラスタンスおよび抵抗を決定するよう実装された関数が、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定される連立方程式に対応する、システム。
【請求項15】
請求項13記載のシステムであって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である二つ以上の別個の時点において決定されるガスのパラメータが、被験者の気道または気道近くにおけるガスのフロー、被験者の気道または気道近くにおけるガスの圧力および被験者の呼吸系内のガスの体積を含む、システム。
【請求項16】
請求項13記載のシステムであって、被験者の筋圧が0またはほぼ0である前記二つ以上の別個の時点が、同じ息の間に生起する少なくとも二つの別個の時点を含む、システム。
【請求項17】
請求項13記載のシステムであって、前記エラスタンスおよび前記抵抗が、呼吸系についての運動方程式に基づいて被験者の筋圧が0またはほぼ0である前記二つ以上の別個の時点において決定された被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータから決定される、システム。
【請求項18】
請求項13記載のシステムであって、決定されたエラスタンスおよび/または抵抗に従って、被験者の気道へのガスの送達および/または該気道からのガスの受領の一つまたは複数のパラメータを調整する手段をさらに含む、システム。
【請求項19】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムであって:
被験者の気道と連絡しており、被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る回路であって、該回路を介して気道に送達され気道から受け取られるガスによって被験者が機械的に換気される、回路と;
被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成するよう構成されるセンサーと;
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されるプロセッサとを有しており、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはされず、前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を、(i)前記出力信号に基づいて被験者の筋圧および被験者の筋圧の時間微分が0またはほぼ0である検出時点において被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定し、(ii)前記検出時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数から、被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定することによって、決定するよう構成され、エラスタンスおよび抵抗の値を決定するよう実装された前記関数は、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定され、筋圧の時間微分が0と想定される連立方程式に対応する、
システム。
【請求項20】
請求項19記載のシステムであって、前記検出時点が息を吐く間に現れる、システム。
【請求項21】
請求項19記載のシステムであって、被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータが、被験者の気道または気道近くにおけるガスの流量の時間微分および被験者の気道または気道近くにおけるガスの圧力の時間微分を含む、システム。
【請求項22】
請求項19記載のシステムであって、前記連立方程式が、被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数として被験者の筋圧を記述する式および該式の時間微分を含む、システム。
【請求項23】
請求項22記載のシステムであって、前記連立方程式が、呼吸系についての運動方程式および該運動方程式の時間微分から導出される、システム。
【請求項24】
請求項19記載のシステムであって、前記プロセッサがさらに、決定されたエラスタンスおよび/または抵抗に従って、前記回路を介して被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整するよう構成されている、システム。
【請求項25】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法であって:
(a)被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る段階と;
(b)気道に送達されるまたは気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成する段階と;
(c)被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階であって、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはされない、段階とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する段階は:
(1)前記出力信号に基づいて被験者の筋圧および被験者の筋圧の時間微分が0またはほぼ0である検出時点において気道または気道近くのガスのパラメータを決定し、
(2)前記検出時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数から、エラスタンスおよび抵抗を決定することを含み、エラスタンスおよび抵抗の値を決定するよう実装された前記関数は、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定され、筋圧の時間微分が0と想定される連立方程式に対応する、
方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法であって、前記検出時点が息を吐く間に現れる、方法。
【請求項27】
請求項25記載の方法であって、被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータが、被験者の気道または気道近くにおけるガスの流量の時間微分および被験者の気道または気道近くにおけるガスの圧力の時間微分を含む、方法。
【請求項28】
請求項25記載の方法であって、前記連立方程式が、被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数として被験者の筋圧を記述する式および該式の時間微分を含む、方法。
【請求項29】
請求項25記載の方法であって、前記連立方程式が、呼吸系についての運動方程式および該運動方程式の時間微分から導出される、方法。
【請求項30】
請求項25記載の方法であって、さらに、決定されたエラスタンスおよび/または抵抗に従って、被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整する段階を含む、方法。
【請求項31】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムであって:
(a)被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る手段と;
(b)被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成する手段と;
(c)被験者のエラスタンスおよび抵抗を決定する手段であって、該決定を容易にするために被験者の換気は調整を調節することはされない、手段とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する前記手段は:
(1)前記出力信号に基づいて被験者の筋圧および被験者の筋圧の時間微分が0またはほぼ0である検出時点において気道または気道近くにおけるガスのパラメータを決定する手段と、
(2)前記検出時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータの関数としてエラスタンスおよび抵抗の値を記述する関数から、エラスタンスおよび抵抗を決定する手段とを含み、エラスタンスおよび抵抗の値を決定するよう実装された前記関数は、エラスタンスおよび抵抗が未知パラメータであり、筋圧が0と想定され、筋圧の時間微分が0と想定される連立方程式に対応する、
システム。
【請求項32】
請求項31記載のシステムであって、前記検出時点が息を吐く間に現れる、システム。
【請求項33】
請求項31記載のシステムであって、被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータが、被験者の気道または気道近くにおけるガスの流量の時間微分および被験者の気道または気道近くにおけるガスの圧力の時間微分を含む、システム。
【請求項34】
請求項31記載のシステムであって、前記連立方程式が、被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータの関数として被験者の筋圧を記述する式および該式の時間微分を含む、システム。
【請求項35】
請求項34記載のシステムであって、前記連立方程式が、呼吸系についての運動方程式および該運動方程式の時間微分から導出される、システム。
【請求項36】
請求項31記載のシステムであって、さらに、決定されたエラスタンスおよび/または抵抗に従って、被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整する手段を含む、システム。
【請求項37】
被験者の呼吸のエラスタンスを決定するよう構成されたシステムであって:
被験者の気道と連絡しており、被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る回路であって、該回路を介して気道に送達され気道から受け取られるガスによって被験者が機械的に換気される、回路と;
被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに関係した情報を担持する出力信号を生成するよう構成されるセンサーと;
被験者の呼吸のエラスタンスを決定するよう構成されるプロセッサとを有しており、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはなく、前記プロセッサは、被験者の呼吸のエラスタンスを、(i)前記出力信号に基づいて被験者の気道または気道近くにおける、流量を含むガスのパラメータを決定し、(ii)被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータから、被験者が息を吐いており、かつガスの流量が極値に達する時点を識別し、(iii)識別された時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスを決定する、ことによって決定するよう構成される、
システム。
【請求項38】
請求項37記載のシステムであって、前記プロセッサがさらに、決定されたエラスタンスおよび第二の時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸の抵抗を決定するよう構成される、システム。
【請求項39】
前記第二の時点における被験者の筋圧が0またはほぼ0である、請求項38記載のシステム。
【請求項40】
前記プロセッサがさらに、決定されたエラスタンスに基づいて、前記回路を介して被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整するよう構成されている、請求項37記載のシステム。
【請求項41】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定する方法であって:
(a)被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る段階と;
(b)被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係する情報を担持する出力信号を生成する段階と;
(c)被験者のエラスタンスを決定する段階であって、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはされない、段階とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスを決定する段階は:
(1)前記出力信号に基づいて被験者の気道または気道近くにおける、流量を含むガスのパラメータを決定し、
(2)被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータから、被験者が息を吐き出しており、かつガスの流量が極値に達する時点を識別することを含み、
(d)識別された時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータに基づいて、被験者のエラスタンスを決定する段階とを含む、
方法。
【請求項42】
請求項41記載の方法であって、決定されたエラスタンスおよび第二の時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、被験者の呼吸の抵抗を決定する段階をさらに含む、方法。
【請求項43】
前記第二の時点における被験者の筋圧が0またはほぼ0である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
決定されたエラスタンスに従って、被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整する段階をさらに含む、請求項41記載の方法。
【請求項45】
被験者の呼吸のエラスタンスおよび抵抗を決定するよう構成されたシステムであって:
(a)被験者を機械的に換気するよう被験者の気道にガスを送達し、被験者の気道からガスを受け取る手段と;
(b)被験者の気道に送達されるまたは被験者の気道から受け取られるガスのパラメータに関係する情報を担持する出力信号を生成する手段と;
(c)被験者のエラスタンスを決定する手段であって、該決定を容易にするために被験者の換気を調整することはされない、手段とを含み、被験者の呼吸のエラスタンスの決定は、
(1)前記出力信号に基づいて被験者の気道または気道近くにおける、流量を含むガスのパラメータを決定する手段と、
(2)被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータから、被験者が息を吐き出しており、かつガスの流量が極値に達する時点を識別する手段と、
(3)識別された時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスの決定されたパラメータに基づいて、被験者の呼吸のエラスタンスを決定する手段とを含む、
システム。
【請求項46】
請求項45記載の方法であって、決定されたエラスタンスおよび第二の時点における被験者の気道または気道近くにおけるガスのパラメータに基づいて、前記抵抗を決定する手段をさらに含む、方法。
【請求項47】
前記第二の時点における被験者の筋圧が0またはほぼ0である、請求項46記載の方法。
【請求項48】
決定されたエラスタンスに従って、被験者に提供される換気の一つまたは複数のパラメータを調整する手段をさらに含む、請求項45記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−511377(P2012−511377A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540277(P2011−540277)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055323
【国際公開番号】WO2010/067244
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】