説明

エラストマー系低温絶縁

【課題】改良された耐低温性及び可撓性を有する、膨張性でかつ架橋性のエラストマー系材料を基材とした多層断熱性材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリ(エチレン−プロピレン−ジエン)系のエラストマーの発泡層を基材にした断熱材料であって、密度が10〜100kg/m3、熱伝導度が0.08Wm-1K-1未満の材料。好ましくは外側に独立気泡含量が95%より大きく、密度が40〜200kg/m3の追加の発泡層を含み、内側にアルミニウム箔からなる保護層を含む多層断熱性材料を押出成形により連続的に製造できる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された耐低温性及び可撓性を有する発泡性(膨張性)且つ架橋性エラストマー系材料を基材とした多層絶縁、かかる材料及びシステムの製造方法、及びかかる材料およびシステムの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁は、工業的建物及び建造物、特に物理的及び化学的反応が非常に高温で行われ、そして輸送及び貯蔵に非常な低温、例えばアンモニアについては−40℃から、エチレンについては−100℃から、液状化天然ガスについては−165℃まで、又は液状化空気成分については−200℃以下まで、を必要とする化学及び石油化学工業における建物及び建造物、における不可欠な部分である。−80℃以下からは、工業界では通常「極低温」と云う。かかる極低温条件を受ける配管、タンク等の絶縁は、全材料がある方法で凍結するであろうし、空気からの湿気の氷への凝縮が現実的問題であり、そして0℃で軟質の材料であっても、ほぼ極低温を語るときには絶縁に対して問題(abrasive to)になるであろうとの事実から、非常に手腕が問われる。単独の材料又は単一層は極低温に安全且つ十分な絶縁を与えることができないので、絶縁材料の多層から成り、その複合材料は殆どがクラッディングで覆われている、全体的絶縁システムが使用される(基本的には、化学会社により出願された、いくつかの文献に記載されている。例えばリンデ(Linde)による特許文献1、三菱による特許文献2、エクソン(Exxon)による特許文献3、及びダウ(Dow)による特許文献4。図1を参照されたい。過去においては、主として無機材料が極低温の絶縁に使用されており、即ち鉱物ウール、ガラス繊維、及び発泡ガラス、又は時々エーロゲル(例えば特許文献5が使用されていた。繊維性材料は水蒸気輸送(WVT)への抵抗性を欠き、そして絶縁を完全に密閉することに完全に気を配ることによる、むしろ複雑なシステムに設置しなければならない。なぜなら、そうしないと、湿気の氷への凝縮が絶縁物を介して起き、悪名高い絶縁下腐食(notorious under insulation corrosion)となるか、又は絶縁が初めに減少し、そして次に永久氷層の成長により破壊されることになるからである。発泡ガラス又はエーロゲル絶縁もまたWVTに関して問題があり、そして更に、非常に脆くそして設置が複雑であること(エーロゲルの場合、いくつかの健康上のリスクもまた議論されている)、そしてスクラップが不可避的であることが知られている。無機システムの主な利点として、火災安全であることがしばしば主張されるが、これは、それ自体が純粋な絶縁材料についてだけ真実である。何故なら、シール、継ぎ目保護、接合部への接着剤の塗布、積層等はこれらの材料の応用に不可欠であり、それを提供するために使用される製品は有機物で、従って可燃性であるからである。このことは、有機でありそしてポリ縮合ポリマー発泡体(フォーム)、主としてポリウレタン(PUR)又はポリイソシアヌレート(PIR)を基材とする第2のクラスの極低温絶縁物にも真実である。これらの材料は、許容可能な低い熱伝導性(しかしながら、熱伝導値がしばしば、気泡にまだ存在しそしてまだ空気と置き換えられていない発泡ガスで与えられていること、そしてこれは絶縁性能を悪くすること、という事実に注意を払わなければならない)、並びに許容可能なWVTを示す。それらの脆弱性は、発泡ガラスのそれよりも低く、そして小さい範囲内の部位にさえも適合できる、更に多くの形状で入手できる。PUR/PIRの代替としてのポリオレフィン絶縁体(例えば、特許文献6又は特許文献7参照、ここでエラストマー系発泡体ホースは内側ポリオレフィン層を保護している)は極低温分野では珍しく、そして殆ど同じ欠陥を示す。熱可塑性材料の改良およびそれらを使用する絶縁システムにいくつかの研究がなされ、例えば特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、又は特許文献12、特許文献13及び特許文献14(LNG 絶縁を述べる)があり、これら全てはPUR/PIRを基材とする。特許文献15は、変性ポリウレタンを基材とする、極低温容器用の絶縁材料を開示し;特許文献16は、(高価な)ポリエーテルイミド発泡体の可能な用途を記載し、そして特許文献17並びに特許文献18は、極低温流体輸送用の複雑で高価そうなPTFE系システムを述べ;特許文献19は、熱可塑性発泡体の圧縮により得られた極低温用の改良された硬質絶縁シートを請求し;特許文献20は、スチレン系発泡体を基材とする改良された多層システムを記載し;一方、特許文献21は、PUR、発泡ガラス又は膨張パーライトを基材とする多層システムを請求し;一方、特許文献22は、複数の硬質発泡体層で被覆された絶縁ボードを記載する。これらのシステムの全ては少なくとも1つ、殆どがいくつかの蒸気バリヤーを必要とし、そして機械的衝撃、例えば、だれかが絶縁部上を歩く場合、又は振動、に対して非常に感受性である。熱可塑性エラストマー(TPEs)又は類似のコポリマー、例えば特許文献23(ポリシロキサン/ポリアミド)及び特許文献24(ポリエステル/ポリエーテル/ポリアミド)又は特許文献25(発泡ポリエチレンコポリマー)におけるコポリマー、についていくつかの検査が行われた。しかしながら、TPEsの熱可塑性ブロックは、使用する全ポリマー基材は蒸気移動を遮断せず、従って悪いWVT性能、及び機械的衝撃に対する感受性の結果となるという事実は別として、非常に低温ではTPEsの熱可塑性ブロックは結晶開始剤として作用し、そしてエラストマー系ブロックの性質を過剰補償するであろうことが知られている。特許文献26及び特許文献27は、低温(−40℃以下)に晒される可能性のある風エネルギー用の(大きい)エラストマー系絶縁層述べ;特許文献28は、極低温絶縁システムの一部としてではあるが大きい外側層としてエラストマーを述べる。特許文献29は、エチレン−プロピレンターポリマー(三次元重合体)を基材とした、低温用でもある接着剤を記載する。事実、低温の用途に重要なターポリマーは、エラストマー(EPDM)用の基材としてのエチレン−プロピレン−ジエンポリマーである。EPDMは、いくつかの事例でいくつかの低温衝撃に耐えることができることが述べられている。特許文献30は、極低温粒子を用いて表面処理するために、大きいEPDM(しかし非常に堅いもの)から製造したノズルを請求し;特許文献31は、不飽和エチレンポリマー(EPDMも見られるクラス)を記載し、そしてとりわけ極低温領域用に改良された性質を述べている。しかしながら、ゴム一般の極低温絶縁性、特に膨張コポリマー若しくはターポリマー系ゴム、例えばEPDM発泡体、の極低温絶縁性についての詳細且つ広範囲の研究は今までなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 19954150
【特許文献2】GB 1438226
【特許文献3】GB 1110579
【特許文献4】GB 1447532
【特許文献5】US 20080087870
【特許文献6】EP 0891390
【特許文献7】JP 5208438
【特許文献8】DE 19954150
【特許文献9】GB 1438226
【特許文献10】GB 1110579
【特許文献11】GB 1447532
【特許文献12】EP 1878663
【特許文献13】CN 2937735
【特許文献14】CN 101357979
【特許文献15】GB 1436109
【特許文献16】FR 2876438
【特許文献17】GB 2362697
【特許文献18】US 5400602
【特許文献19】CA 1179463
【特許文献20】CA 1244336
【特許文献21】CN 1334193
【特許文献22】US 4044184
【特許文献23】CN 101392063
【特許文献24】WO 2001030914
【特許文献25】GB 1482222
【特許文献26】CN 201060692
【特許文献27】CN 101221836
【特許文献28】DE 19954150
【特許文献29】DE 60114744
【特許文献30】WO 2003002303
【特許文献31】US 4426494
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の主な目的は、最高の起こりえる範囲の極低温に耐性があって、機械的負荷を吸収するのに十分な柔軟性のままでいて、振動吸収性であり、そして固有の蒸気バリヤー(阻止)性を与えるような絶縁材料、その製造方法、及び多層システムを得るためのその複合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
他の絶縁応用、例えば気候制御及び0℃から−50℃の範囲の冷却/冷気システム(cooling/chilling systems)用、のゴム発泡体についての研究の結果、本発明者等は、驚くべきことに、上記の欠点を示さないかかる材料が、第1内側絶縁層として特別に変性したジエンターポリマー系エラストマー化合物の膨張材料を使用し、次いで追加の気泡層を使用して多層システムを形成することにより達成できることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】多層システムを示す図である。
【図2】(A)の外側表面上に非臨界的温度が達成されるための(A)の層の合計の厚さ/数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特許請求した材料は、化合物(A)、図1参照、を含み、該材料は少なくとも1種の膨張ポリ−(エチレン−プロピレン−ジエン)系のエラストマーシート、プロフィル(profile)又は管である。かかる部品を製造するのに好ましいのは、ポリ(エチレン−プロピレン−ジエン)(EPDM)系エラストマー、特に好ましいのは、架橋と膨張が平行に又は短時間の差内に行われる押出し成形による連続的工程で製造されたかかるエラストマーである。発泡は、物理的発泡剤により、限定的でないが例えば水、フルオロカーボン、溶媒(例えばイソブタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン等)及びそれらの混合物のような液体の蒸発によるか、又は限定的でないが例えばCO,窒素等、及びそれらの混合物のようなガスを用いることにより;或いは化学的発泡剤、限定的でないが例えばアゾ化合物、カーボネート等、及びそれらの混合物、により、或いはあらゆる比率及び組成の物理的発泡剤及び化学的発泡剤の混合物により達成することができる。好ましいのは、化学的発泡剤による膨張、特に好ましいのは、化学的発泡剤としてアゾジカルボンアミドである。何故なら、それは高いガス形成潜在力を示し、分解する時に不活性ガス(N2)を生成し、そして膨張と架橋を調和させるのに便利な温度範囲で分解するからである。架橋は放射線、パーオキシド又はイオウ化合物により開始し得る。好ましいのは、イオウ化合物による架橋であり、特に好ましいのは、架橋と膨張を最もよく釣り合わせるために、酸化亜鉛と共にイオウ化合物とジチオカルバメート及び/又はチオ−ウレエートとの組合せによる架橋である。イオウ系架橋もまた、ポリマー間に生成した不規則なSx橋架けが該材料を一層不定形にしそして低温でのより良い性質に導くという事実により、好ましい。化合物(A)は他の成分、限定的でないが例えば充填剤、他のポリマー(サーモプラスト、サーモセット、TPEs、エラストマー)、繊維、添加剤、着色剤、架橋剤、セラミック化剤又は炭化物形成剤、泡立てシステム(intumescent systems)、安定剤、抗加水分解剤、難燃剤等、を含んでもよい。最終絶縁システムは、個々の層が同じ又は異なる性質、例えば機械的強度、密度、開放気泡含量等、を有する、1層よりも多くの(A)層を必要とするかもしれない。図1B参照。該複数の層は互いに緩く置くことも、或いは接着剤(E)を使用して接着することもできる。化合物(A)は、良好な絶縁及び蒸気バリヤー性を与えるために、高い独立気泡含量を有する必要がある。好ましい独立気泡含量は95%を越える。最適な絶縁及び低重量を与えるために、最終ボードの密度は、熱及び音/振動絶縁の両方のよく釣り合った性質プロフィールを達成するために、10〜100kg/m3、好ましくは20〜80kg/m3、特に好ましくは30〜70kg/m3の範囲にあるべきである。化合物(A)の好ましい熱伝導度は0.08W-1m-1K-1未満であり、特に好ましいのは0.04Wm-1K-1未満の熱伝導度である。絶縁すべき温度に依存して、より大きい厚さ、又は所定の厚さ(A)でより多くの層が必要であろう(図1B:−165℃/LNGパイプの状況と比較して、図1A:−100℃/エチレンパイプの状況を参照)。(A)の層の合計の厚さ/数は、(A)の外側表面上に非臨界的温度が達成されるポイントに依存する。図2参照。−40℃冷パイプで、標準的エラストマーは部分的に仕事をすることができる(図2S)。−100℃冷パイプで、約30mm厚の一層の(A)は表面温度をほぼ−50℃にし、ここで標準的絶縁発泡体、例えば化合物(B)、は再び作用するであろう(図2A)。−165℃において、30mm厚の(A)の2重層は同じことを達成するのに必要であろう(図2B)。−200℃において(図2Bにおいて点線)、追加の厚さの(A)が必要とされるであろう。
【0008】
特許請求される材料は、別の気泡性絶縁材料、例えば無機絶縁体(繊維ガラス、フォームガラス、鉱物ウール)、硬質有機絶縁体(PUR/PIR、ポリスチレン等)又は可撓性有機絶縁体、から成る少なくとも1層の(B)を含み得る(図1参照)。好ましいのは膨張した可撓性材料、特に好ましいのはゴム発泡体、限定的でないが例えばNR/IR、IIR、BR、NBR、CR、SBR BR、ACM/AEM、FPM/FKM、EPM/EPDM、ECO、Q等、である。ゴムポリマーは別として、化合物(B)は他の成分、限定的でないが例えば充填剤、他のポリマー(サーモプラスト、サーモセット、TPEs、エラストマー)、繊維、添加剤、着色剤、架橋剤、セラミック化剤又は炭化物形成剤、泡立てシステム(intumescent systems)、安定剤、抗加水分解剤、難燃剤等、を含んでもよい。最終絶縁システムは1層以上の(B)層(図1B参照)を必要とすることがあり、個々の層は同じ又は異なる性質、例えば機械的強度、密度、開放気泡含量等、を有する。層(B)は層(A)と、(E)の助力による接着を介して結合するか、又は緩く置いて結合することができる。(B)の好ましい独立気泡含量は95%を超え、好ましい密度は40〜200kg/m3であり、そして好ましい熱伝導性は0.04Wm-1K-1未満である。(A)層上の(B)層の合計の厚さ/数は(B)の外側表面に周囲温度が達成されるポイントに依存する。図2参照。
【0009】
特許請求された材料は、最終適用が−110℃未満の温度で操業される場合、(A)の内側表面に適用される少なくとも1つの追加の機能層を更に含んでもよい(図1B参照)。層(C)は、所定の温度で脆くならず研磨性にならない材料から成り得る。好ましいのは、金属箔、特に好ましいのはアルミニウム箔であり、それは接着し易く、低温安定性で、研磨性でなく、そして腐食性でないからである。層(B)は(E)の助力による接着で(A)に結合される。複合層(C)はエラストマー系絶縁体の温度性能範囲を、次のような仕方で、エラストマー系絶縁複合体によってのみ与えられる効果により、拡げるであろう:-110℃未満で(A)の温度による収縮は、箔がもはやついていくことができず、従ってリップル(ripples)を生成するレベルに達するであろう。これらのリップルはまず、空洞空間を生成することにより追加の絶縁層を形成し、そして次に該複合物の著しい離脱、特に化合物(A)の冷たい対象物からの離脱へと導く。
【0010】
特許請求された材料は、環境に対する保護のために外側層(D)を含み得る(図1参照)。これは高強度材料、例えば繊維補強プラスチック、での被覆であることができ、これは、(E)により(A)に接着されるか;又は接着するか又は緩く設けることができる高強度材料、例えば金属、による被覆加工(クラッディング)である。
【0011】
特許請求された材料は、複合体の層(A)、(B)及び必要であれば(C)を結合するために接着剤(E)を含んでもよい。(E)は、無機又は有機系接着剤から選ぶことができ、好ましいのは難燃性有機接着剤、例えばクロロプレン、アクリル、酢酸ビニル等を基材としたものである。
【0012】
特許請求された材料は、更に、例えば無機系物質、金属、繊維、紙又はプラスチックから成る追加の機能性層(F)を全ての形態(例えば、層、シート、箔、メッシュ、織物、織布、不織布等)中で(A)及び/又は(B)を覆うものとして含んで、例えば保護、遮断、又は補強層として作用させてもよい。化合物(F)を(A)又は(B)に、(E)のような接着剤、又はそれら自体により結合させてもよい。
【0013】
特許請求された材料は、更に、意図する用途、例えば排他的ではないが木、ガラス、金属又はコンクリート等から作られた部品、ジョイント又はワイアー、ホース等、に必要な更なる要素(G)を含んでもよい。
【0014】
特許請求された材料の非常に顕著な利点は、それが疎水性でありそしてその低い極性により蒸気拡散を支持しないであろうという事実であり、そのことは特許請求された材料が撥水性でありそして追加の蒸気バリヤーを必要としないという利点に導き、良好なWVT封鎖性を達成する。
【0015】
特許請求された材料の別の重要な利点は、その非晶質性により与えられる低温度可撓性である。
【0016】
これは、特許請求された材料の別の利点に導き、それは、適用された場合、脆くならないという事実である。
【0017】
これは、特許請求された材料の別の重要な利点に導き、それはショックエネルギーを吸収できる、即ち、機械的衝撃及び/又は振動の激しさを吸収できるという事実である。
【0018】
改良された低温特性は、特許請求された材料の別の顕著な利点に導き、それは取扱いが容易で且つ寒冷生活用パイプ(cold life pipe)に対しても取付け容易であることであり、これは時間を節約し、そして生活用パイプの一時停止はもはや必要でないので、取り付け費用及び維持費用を著しく削減するであろう。
【0019】
特許請求された材料の別の利点は、前もって組み立てた部品の製造が、非常に複雑な幾何学構造を材料供給者により又は仕事の位置で絶縁するとしても(例えば、バルブ、T−字型部品等)、特許請求された材料が可撓性であり且つ屈曲及び形造が容易であるので、非常に容易であるという事実である。
【0020】
特許請求された材料の別の利点は、それが低研磨性であることであり、それは金属設備への直接設置を可能にする。
【0021】
これは、特許請求された材料の別の利点に導き、それは、それが化学的に中性でありそして腐食性でないという事実である。
【0022】
特許請求された材料の別の利点は、それが化学的に抵抗性でありそして耐候性であるという事実である。
【0023】
特許請求された材料の別の利点は、ターポリマーから成る内側層は低温耐性であるばかりでなく、150℃を超える温度で耐熱であるという事実であり、それは、殆どの極低温設備は例えば加圧蒸気又は熱流体により清掃されるので、重要である。
【0024】
特許請求された材料の基本的利点は、繊維、イソシアネート及びPVCを含まないという事実であり、それらの全ては環境及び健康問題で論じられている。
【0025】
特許請求された材料が連続工程で経済的方法にて製造できるということは、特許請求された材料の別の利点である。
【0026】
特許請求された材料が工業界で知られた標準的方法で製造できそして所定の形状を与えられるということ、及び特別の設備を必要としないことは、特許請求された材料の更なる利点である。
【0027】
特許請求された材料の更なる利点は、熱及び音/振動絶縁に対するその優れた適合性と、その絶縁性が-200/-110℃から+170℃の広範囲の温度にわたって与えられるという事実である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コポリマーから作られた少なくとも1種のエラストマー系絶縁発泡層から成る材料。
【請求項2】
前記コポリマーがポリエチレン単位とポリプロピレン単位を含む、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記ポリマーがポリ(エチレン−プロピレン−ジエン)である、請求項1に記載の材料。
【請求項4】
独立気泡含量が95%よりも大きい、請求項1〜3に記載の材料。
【請求項5】
ボードの密度が10〜100kg/m3、好ましくは20〜80kg/m3の範囲にあり、特に好ましくは30〜70kg/m3である、請求項1〜3に記載の材料。
【請求項6】
熱伝導度が0.08Wm-1K-1未満、好ましくは0.04Wm-1K-1未満である、請求項1〜3に記載の材料。
【請求項7】
少なくとも1つの追加の絶縁層を第1発泡層の外側に設けた、請求項1〜6に記載の材料。
【請求項8】
前記追加の層が膨張されたポリマーである、請求項1〜6に記載の材料。
【請求項9】
前記追加の層が、95%よりも大きい好ましい独立気泡含量、40〜200kg/m3の好ましい密度、及び0.04Wm-1K-1未満の好ましい熱伝導度を有する発泡エラストマーである、請求項1〜6に記載の材料。
【請求項10】
保護層を第1発泡層の内側表面上に設けた、請求項1〜9に記載の材料。
【請求項11】
前記保護層がアルミニウム箔である、請求項1〜10に記載の材料。
【請求項12】
前記アルミニウム箔が前記発泡層の内側表面に接着されている、請求項1〜11に記載の材料。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の材料を連続工程で製造する方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の材料を、押出し成形及び/又は積層工程で製造する方法。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の材料の、断熱及び/又は防音及び/又は振動減衰への使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−148309(P2011−148309A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−1016(P2011−1016)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(508358689)アルマツェル・エンテルプリーゼ・ゲーエムベーハー (5)
【氏名又は名称原語表記】Armacell Enterprise GmbH
【Fターム(参考)】