説明

エリスロマイシン誘導体の徐放製剤

本発明は、薬学的組成物中のエリスロマイシン誘導体の放出を遅延させるのに有効な量の、アルギン酸若しくはその塩または親水性徐放ポリマーからなる群から選択される物質の不存在下で、薬学的有効量のエリスロマイシン誘導体と、潤滑的有効量の潤滑剤とを含む、錠剤形態の徐放製剤に関する。本発明は、治療的有効量のエリスロマイシン誘導体と潤滑的有効量の潤滑剤とを含む薬学的組成物からの、エリスロマイシン誘導体の放出を促進する方法であって、錠剤からの前記エリスロマイシン誘導体の放出を促進するために、放出促進物質を錠剤崩壊有効量で前記組成物に添加することを含む方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリスロマイシン誘導体、より具体的にはクラリスロマイシンを含有する徐放性の薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エリスロマイシンおよびその誘導体は、数多くの生物に対する抗微生物活性が知られている。エリスロマイシン誘導体の例は、クラリスロマイシンの名でよく知られている、6−O−メトキシエリスロマイシンAである。
【0003】
エリスロマイシン組成物は、典型的には、即時放出組成物として、一日に少なくとも2回から3回投与される。クラリスロマイシンは、例えば、最適な効果を得るためには、一日に少なくとも2回投与しなければならない。
【0004】
しかしながら、徐放製剤が好ましい。吸収が優れた、持続放出性または徐放性の経口治療薬製剤は、従来の即時放出剤形に比べて固有の利点を有する。徐放性剤形によって必要とされる医薬の投薬頻度は少ないため、患者の投薬計画の遵守が向上し、より持続的な薬物の血中レベル応答が得られ、より少ない薬物の摂取で治療作用が発揮されることによって、多くの潜在的な副作用が軽減される。長時間にわたって、ゆっくり且つ安定して医薬を放出することによって、より円滑で、より持続的な血中レベル応答をもたらすことにより、吸収される薬物濃度の急上昇が軽減され、または消失する。
【0005】
徐放性製剤でさえ、薬物の一日投薬量は1000mgである。現在、1000mgの一日投薬量が、2つの錠剤で、患者に投与されている。現在販売されている500mg錠剤は、錠剤重量が約1000mgと極めて大きい。このため、500mgのクラリスロマイシンを含有する、より小さな錠剤を製造するニーズが市場に存在する。
【0006】
クラリスロマイシンを含有する様々な徐放性製剤が記載されている。例えば、Broad等の米国特許第5,705,190号は、クラリスロマイシンを含むエリスロマイシン誘導体のような、ほとんど溶けない塩基性薬物のための徐放製剤であって、より高いpHにおける該薬物の溶解を促進するために、該薬物を、水溶性アルギン酸塩、アルギン酸の錯塩、および有機カルボン酸とともに含有する徐放製剤を記載している。しかし、薬物放出速度を調節するためにはかなりの量のポリマーが必要とされるので、実施例に記載されているような、各錠剤が500mgの薬物を含有する総錠剤重量は900mgを超える。このため、米国特許第5,705,190号の教示に従って作製された、1000mgの薬物を含有する単一錠剤は、少なくとも1,800mgとなるであろう。これは、ヒトが摂取するには大きすぎるであろう。
【0007】
Al−Razzakらの米国特許第6,010,718号は、水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、メタクリル酸共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体、並びにそれらの誘導体および混合物などの薬学的に許容可能なポリマーを、約5重量%から約50重量%使用して、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシン誘導体に対する持続放出性薬学的製剤を記載している。しかしながら、実施例に記載されているように、500mgの薬物を含有する各錠剤の総重量は1000mgに近い。同じく、一個の錠剤が2000mgという許容できないほどの大きさであるため、それぞれが100mgのクラリスロマイシンの一日用量を送達するためには、500mg強の2つの錠剤を投与することが必要である。
【0008】
これらの従来技術の製剤は、薬物の放出を制御するために、10−30重量%のような高濃度のポリマーを使用することが必要である。これは、ポリマーの量が多いのみならず、経口剤形を極めて大きくする傾向がある。さらに、この薬物については、錠剤の貼り付きと摘み取りが共通の問題である。さらに、これらの製剤の打錠特性は極めて不良であり、打錠特性を改善するために、さらなる賦形剤が追加される。
【0009】
しかしながら、本発明者は、徐放性親水性ポリマーまたはアルギン酸若しくはその塩が必要とされない徐放性製剤を調製する別の方法を見出した。さらに、本発明者らは、薬物が経口剤形の少なくとも75重量%存在する、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシン誘導体を含む徐放性製剤を調製する手段を見出した。
【0010】
より具体的には、本発明者は、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシン誘導体が、水性溶媒中に置かれたときに、それ自身が潤滑剤とともに錠剤マトリックスを形成できること、および、徐放性ポリマー、特に、親水性の徐放性ポリマーまたはアルギン酸若しくはその塩の助けを借りずに、徐放性を達成できることを見出した。このようにして形成されたマトリックスは崩壊せず、水溶液中で極めて安定であり、本発明者は、このようにして形成されたマトリックスが侵食によって薬物を放出することを見出した。本発明の方法を使用して、高濃度のエリスロマイシン誘導体(クラリスロマイシンなど)を含有する、錠剤形態の徐放性製剤を調製することができる。このため、例えば、90重量%以上に達する濃度のエリスロマシン誘導体(クラリスロマイシンなど)を有する錠剤を調製することができる。
【発明の開示】
【0011】
従って、本発明は、経口投与に適合された錠剤形態の徐放性の固形薬学的組成物であって、徐放性の固形薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を遅らせるのに有効な量のアルギン酸若しくはその塩または薬学的に許容可能な親水性徐放ポリマーの不存在下において、薬学的有効量のエリスロマイシン誘導体と、潤滑的有効量の潤滑剤とを含む薬学的組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、経口投与に適合された錠剤形態の徐放性の固形薬学的組成物であって、徐放性固形薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を遅らせるのに有効な量のアルギン酸若しくはその塩および薬学的に許容可能な親水性徐放ポリマーから選択される物質の不存在下において、薬学的有効量のエリスロマイシン誘導体と、潤滑的有効量の潤滑剤と、崩壊的有効量の放出促進物質とを含む薬学的組成物に関する。本発明は、治療的有効量のエリスロマイシン誘導体と潤滑的有効量の潤滑剤とを含む薬学的組成物からの、エリスロマイシン誘導体の放出を促進する方法であって、錠剤からの前記エリスロマイシン誘導体の放出を促進するために、放出促進物質を錠剤崩壊的有効量で前記組成物に添加することを含む方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一つの実施形態は、経口投与のための錠剤形態でのエリスロマイシン誘導体の徐放性製剤であって、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を遅らせるのに有効な量のアルギン酸若しくはその塩および親水性徐放ポリマーからなる群から選択される物質の不存在下において、薬学的有効量の前記エリスロマイシン誘導体と、潤滑的有効量の潤滑剤とを含む徐放性製剤に関する。
【0013】
以下に説明するように、本発明は、アルギン酸若しくはその塩または親水性の徐放性ポリマーを除外しない。反対に、以下で述べるように、本発明の薬学的組成物は、薬学的組成物からのエリスロマイシンの放出を遅延させるように存在せず、またそのように機能しない限り、アルギン酸またはその塩および徐放性親水性ポリマーを含むものである。しかしながら、何れかがエリスロマイシン誘導体の放出を遅延させるように機能すれば、それらは、本発明の組成物から除外される。
【0014】
本明細書において使用される、「薬学的」という用語は、医薬として投与される組成物を包括して表す。
【0015】
本明細書において使用される「エリスロマイシン誘導体」とは、その上に置換基を有しないエリスロマイシン、または、水酸基の水素原子および/または3’−ジメチルアミノ基のメチル基の代わりに、有機合成における慣用の置換基を有するエリスロマイシンを表し、慣用の様式に従って調製される。その例は、クラリスロマイシンである。
【0016】
本明細書において使用される「薬学的に許容可能な」との用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを生じることなく、ヒトおよびその他の哺乳動物の組織に接触して使用するのに適しており、同時に、合理的な裨益/リスク比を有し、抗微生物感染の治療および予防における所期の用途に対して有効である、化合物を意味する。
【0017】
薬物が投与される好ましい患者は、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット、ヒトなどの哺乳動物である。好ましい患者および哺乳動物は、ヒトである。
【0018】
本明細書において使用される、「単位剤形」の用語は、ヒトおよびその他の哺乳動物への単位投薬に適した物理的に分離した単位であって、抗菌効果など、所望の医学的効果を発揮するように計算された、所定量のエリスロマイシン誘導体(クラリスロマイシンなど)を、本明細書に開示されている製剤の他の成分とともに含有する物理的に分離した単位を表す。本明細書に記載された単位投薬形態は、固形単位剤形であり、最も好ましくは錠剤である。
【0019】
本明細書で使用される「直接打錠」およびこれに類する用語は、周知の打錠機器と工程を使用して、組成物に対して一切の添加物質を添加する必要なしに、組成物を錠剤へと成型することが可能であることを意味する。
【0020】
本明細書において、「kp」という用語は、薬学的錠剤の硬度を求めるときに、薬学的錠剤の硬度または粉砕強度を表すための、周知の力の単位であるキロポンドを意味する。
【0021】
本発明の製剤中に必要とされる成分(薬学的ポリマー、賦形剤およびその他の成分)の百分率は、水または存在するその他の成分を一切考慮しない、乾燥重量を基準として計算される。
【0022】
本発明の徐放製剤は優れた薬物プロファイルを有し、長い保存期間においても安定である。さらに、本発明の徐放製剤では、錠剤からの活性成分の放出速度が、異なる時点および異なる製造バッチで調製された錠剤間でも一貫しており、均一である。本明細書の操作に従って調製された錠剤の生物利用特性は、異なるバッチ間でも実質的に均一である。
【0023】
本発明において、前記薬学的組成物は、薬学的に活性な化合物を含有する。薬学的に活性な化合物は、エリスロマイシン誘導体である。好ましくは、前記エリスロマイシン誘導体は、クラリスロマイシンの別称で知られる、6−0−メトキシエリスロマイシンAである。エリスロマイシン誘導体は、治療的有効量で存在する。好ましくは、本発明の薬学的組成物中の薬物含量は、薬学的組成物、例えば、錠剤の約40重量%から約99重量%、より好ましくは、薬学的組成物の約50重量%から約95重量%、最も好ましくは、錠剤の約50から約85重量%にわたる。
【0024】
本発明の他の必須成分は、潤滑剤である。
【0025】
本明細書で使用される「潤滑剤」は、錠剤の圧縮と排出中に起こる、ダイ壁と圧印面(punch face)の間の摩擦を減らすことができる物質を表す。潤滑剤は、圧印面とダイ壁への錠剤物質の付着を防ぐ。本明細書に使用される、「潤滑剤」という用語には、抗粘着剤も含む。
【0026】
錠剤の形成および/または排出中の錠剤の付着は、効率の減少、不規則に形成された錠剤、および製剤中の医薬の不均一な分布など、深刻な製造上の問題を引き起こす可能性がある。この問題を回避するために、本発明は、潤滑的有効量の潤滑剤を使用することを想定する。好ましくは、前記潤滑剤は、前記薬学的組成物、例えば錠剤の約0.1重量%から約10重量%まで、より好ましくは、約0.5重量%から約5重量%まで、最も好ましくは、約1.0から約3重量%までの量で存在する。本発明者らは、潤滑的有効量の潤滑剤は、本発明の薬学的組成物中で放出剤としても作用し、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を促進する上で役に立つことを見出した。潤滑剤の例には、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸亜鉛などのアルカリ土類金属塩および遷移金属塩、ポリエチレンオキシド;タルク;硬化植物油;並びに植物油誘導体などが含まれる。さらに、前記薬学的組成物、例えば錠剤は、2種以上の潤滑剤の組合せを含有することができる。使用可能な他の潤滑剤には、シリカ、シリコーン、高分子量ポリアルキレングリコール、プロピレングリコールのモノエステル、約8ないし22個の炭素原子、好ましくは16ないし20個の炭素原子を含有する飽和脂肪酸が含まれる。好ましい潤滑剤は、ステアリン酸塩、特に、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム並びにステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、硬化植物油、親水性成形シリカ(formed silica)、ステアリルフマル酸ナトリウムなどである。
【0027】
ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸、硬化植物油などの親水性潤滑剤は、非崩壊錠剤の形成を助けることによって、調剤の補助としても作用することができる。錠剤が、40から60重量%のような高濃度の親水性成分を含有すれば、親水性潤滑剤は、マトリックスの未成熟な崩壊の抑制を助けることができる。しかし、疎水性潤滑剤は、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を遅らせる傾向がある。
【0028】
他方、親水性の燻蒸シリカ(fumed silica)、ステアリン酸の塩、ステアリルフマル酸ナトリウムなどの、親水性潤滑剤は、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を増大させる。本発明者らは、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシンが、存在する唯一の潤滑剤とともに安定な錠剤マトリックスを形成できることを見出した。
【0029】
このような製剤は、患者に投与されたとき、または水系中に置かれたときに、薬物、エリスロマイシン誘導体をゆっくり放出することができる。しかしながら、多くの状況では、放出が非常に遅い場合があり得る。その結果、放出を加速させるために、薬学的組成物に追加の成分が添加され得る。このような追加成分の一つは、崩壊剤としても知られる放出促進物質である。
【0030】
好ましい実施形態において、前記薬学的組成物は、放出促進物質も含有する。「放出促進物質」の用語は、薬物マトリックスの侵食を促進し、薬物の放出の制御を助ける物質を表す。放出促進物質は、当業者に公知の用語である。侵食促進物質の例は、植物油、コーンスターチ、修飾されたデンプンおよびデンプン誘導体などのデンプン、セルロース誘導体および修飾されたセルロースまたは誘導体、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸およびアルギン酸塩(alginate)、ベントナイト、ベアガム(veagum)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリジン、寒天グアーなどのイオン交換樹脂およびゴムである。さらに、侵食促進物質は、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、マルトデキストリンラクトース、デンプン、圧縮可能な糖などの、親水性希釈剤または充填剤のような一般的に用いられる希釈剤を含み得る。他の放出促進物質には、賦形剤として一般に使用される、薬学的に許容可能な水溶性有機酸、特に2から6個の炭素原子を含有する二カルボン酸が含まれる。その例には、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アスコルビン酸、安息香酸、酪酸、炭酸、桂皮酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸および酒石酸などが含まれる。
【0031】
親水性界面活性剤は、放出促進剤としても作用することができる。適切な親水性界面活性剤は、一般に、少なくとも10のHLB値を有する。周知のように、界面活性剤は、極性のまたは帯電した親水性部分と、非極性の親油性部分を必ず含まなければならない。すなわち、界面活性剤は、両親媒性でなければならない。非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性と疎水性を特定するために一般的に使用される経験的なパラメータが、親水性・親油性バランス(「HLB値」)である。HLB値が低い界面活性剤ほど親油性が高く、水溶液中での溶解度が大きい。親水性界面活性剤は、約10を超えるHLB値を有する化合物、並びにHLBスケールが一般に適用できない、イオン性、陽イオン性または両イオン性化合物であると一般に考えられる。
【0032】
本発明に使用される親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性の何れかであり得る。適切なイオン性界面活性剤には、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水素化されたレシチン;リゾレシチンおよび水素化されたリゾレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アシルラクチレート;モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化された酒石酸エステル;コハク酸化されたモノおよびジグリセリド:モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;並びにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
上述した基の中で、好ましいイオン性界面活性剤には、例えば、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アシルラクチレート;モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化された酒石酸エステル;コハク酸化されたモノおよびジグリセリド:モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;並びにそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤から得られるイオン化されたものが含まれる。
【0034】
より好ましいイオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、リソホスファチジルグリセロール、リソホスファチジン酸、リソホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic ester)、ステアロイル−2−乳酸エステル、ステアロイル乳酸エステル、スクシニル化されたモノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化された酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロエート(caproate)、カプリレート(caprylate)、カプレート(caprate)、ラウレート(laurate)、ミリステート(myristate)、パルミテート(palmitate)、オレエート(oleate)、リシノレート(ricinoleate)、リノレート(linoleate)、リノレネート(linolenate)、ステアレート(stearate)、ラウリルサルフェート(lauryl sulfate)、テラセシルサルフェート(teracecyl sulfate)、ドキュセート(docusate)、ラウロイルカルニチン(lauroyl carnitines)、パルミトイルカルニチン(palmitoyl carnitines)、ミリストイルカルニチン(myristoyl carnitines)、並びにそれらの塩およびそれらの混合物のイオン化された形態である。好ましいイオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0035】
好ましい親水性非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグリコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシアルキレン;ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのアルキルエステル;ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水素化された植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも一つの要素とポリオールとの親水性エステル交換生成物;ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体および類縁体;ポリオキシエチル化されたビタミンおよびそれらの誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体;並びにそれらの混合物が含まれる。
【0036】
より好ましくは、親水性の非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにトリグリセリド、植物油および水素化された植物油からなる群の少なくとも一つの要素とポリオールとの親水性エステル交換生成物からなる群から選択される。ポリオールは、好ましくは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトールまたは糖質である。
【0037】
親水性の非イオン性界面活性剤の例には、PEG−10ラウレート、PEG−12ラウレート、PEG−20ラウレート、PEG−32ラウレート、PEG−32ジラウレート、PEG−12オレエート、PEG−15オレエート、PEG−20オレエート、PEG−20ジオレエート、PEG−32オレエート、PEG−200オレエート、PEG−400オレエート、PEG−15ステアレート、PEG−32ジステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−20ジラウレート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−32ジオレエート、PEG−20グリセリルラウレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−40グリセリルラウレート、PEG−40パーム核油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、PEG−6カプリン酸エステル/カプロン酸エステルグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル−10ラウレート、PEG−30コレステロール、PEG−25植物ステロール、PEG−30大豆ステロール、PEG−20トリオレエート、PEG−40ソルビタンオレエート、PEG−80ソルビタンラウレート、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100サクシネート、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−l0オレエート、Tween40、Tween60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG10−100ノニルフェノールシリーズ、PEG15−100オクチルフェノールシリーズ、およびポロキサマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
これらの好ましい非イオン性界面活性剤のうち、さらに好ましいものは、PEG−20ラウレート、PEG−20オレエート、PEG−35ヒマシ油、PEG−40パーム核油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、PEG−25グリセリルトリオレエート、ポリグリセリル−10ラウレート、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−30コレステロール、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、PEG−24コレステロール、スクロースモノステアレート、スクロースモノステアレートおよびポロキサマーである。最も好ましいものは、PEG−35ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、トコフェリルPEG−1000サクシネート、PEG−24コレステロールおよび親水性ポロキサマーである。
【0039】
放出促進物質が存在する場合、放出促進物質は、崩壊有効量で薬学的組成物中に存在する。放出促進物質は、錠剤の放出を制御するのに十分な量、すなわち、エリスロマイシンの放出を制御された様式で促進するのに十分な量で存在する。好ましくは、放出促進物質は、約0.1重量%から約60重量%までの量で存在する。しかしながら、存在する放出促進物質の好ましい量は、放出促進物質の種類に依存する。
【0040】
例えば、放出促進物質が有機酸であれば、放出促進物質は、好ましくは薬学的組成物の約0.1から約10重量%、より好ましくは約1重量%から約5重量%の量で存在する。
【0041】
放出促進物質が水溶性界面活性剤であれば、放出促進物質は、好ましくは薬学的組成物の約0.1から約10重量%、より好ましくは約1重量%から約5重量%の量で存在する。
【0042】
他方、放出促進物質が、本明細書に上述されているような親水性希釈剤または充填剤であれば、放出促進物質は、薬学的組成物の最高約10重量%から約60重量%、より好ましくは薬学的組成物の約15重量%から約45重量%の量で存在する。
【0043】
アルギン酸またはその塩および親水性ポリマーが前記薬学的組成物中に存在する場合、アルギン酸またはその塩および親水性ポリマーは、通常予想される機能とは全く反対の機能を果たすことに留意すべきである。
【0044】
従来技術に記載されているように、これらの多くは、薬物からの前記医薬の放出を遅延させ、または遅らせる役割を果たす。背景技術に記載したクラリスロマイシン製剤中でさえ、アルギン酸またはその塩および親水性ポリマーは、薬学的組成物からのクラリスロマイシンの放出の遅延を助ける傾向がある。しかしながら、本発明においては、使用される濃度では、それらは、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出の促進を助ける。このため、それらが存在する場合、それらは、放出を促進するのに十分な量で存在する。
【0045】
当業者であれば自明であるように、最大量は、薬学的組成物中に存在する他の成分の特性と量に応じて変動するであろう。このため、製剤に応じて、ある量の親水性ポリマーまたはアルギン酸若しくはその塩が医薬の放出を促進しえるのに対して、別の製剤では、同じ量が医薬の放出を遅延させるように作用し得る。それにもかかわらず、ある種の製剤では、少量で存在する場合、それらは、放出促進物質として作用し、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を促進し、大量に存在する場合には、エリスロマイシン誘導体の放出を遅延させるように作用する。当業者であれば、放出促進物質として作用するように製剤中に添加すべき、これらのポリマーおよびアルギン酸またはその塩の適切な量を決定することが可能である。
【0046】
必要に応じて存在してもよい別の成分は、結合剤である。これらは、錠剤形成特性を改善させるために使用される。適切な結合物質の例には、デンプン、予めゼラチン化されたデンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトースおよびソルビトールを含む。)、ポリエチレングリコール、蝋、アラビアゴム、トラガカントなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、セルロース、特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドキシ、ヒドロキシプロピルセルロースまたはポリエチレングルコースなどの親水性セルロース、アクリル酸とメタクリル酸の共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸アミノアルキル共重合体、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸共重合体、ポリアクリル酸およびポリメチルアクリル酸などの合成ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。ポリマー性結合剤が存在する場合、好ましいポリマー性結合剤はPVPまたはHPMCである。
【0047】
結合剤が存在する場合、結合剤は、錠剤成形特性を促進させるのに有効な量、すなわち、薬学的組成物中の様々な成分を圧縮して錠剤とするのに有効な量で存在する。結合剤が存在する場合、結合剤は低濃度で存在することが好ましく、薬学的組成物の約10重量%で存在することが好ましい。より好ましくは、結合剤が存在する場合、結合剤は薬学的組成物の約1重量%から約2重量%まで、約5重量%までの量で存在する。
【0048】
さらに、これらの濃度の親水性のポリマー性結合剤は、放出促進物質として作用することができる。同じく、結合剤が放出促進物質として作用するのであれば、結合剤は、放出促進物質として作用し、薬学的組成物を促進するのに有効な量で存在する。結合剤が放出促進物質として作用するのであれば、結合剤は、打錠を強化し、薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を促進するのに有効な量で存在し、この量は、好ましくは、上述した範囲内にある。
【0049】
本発明者は、同じ親水性徐放ポリマーが、薬学的組成物中に存在するその濃度に応じて反対の効果を示し得ることを見出した。一方で、これらの親水性重合体は、徐放ポリマーとして作用することができる。医薬の放出を制御するために、親水性ポリマーは、前記剤形が崩壊する前に強固なゲルを形成できるように、水和または膨潤可能でなければならない。しかし、さらに、前記ポリマーは、溶解および崩壊に耐え得る強固なゲルを形成可能でなければならない。この第二の目標を達成するために、前記ポリマーは、薬学的組成物中の医薬の周囲に連続したゲルネットワークを形成しなければならない。この第二の目標は、親水性の徐放ポリマーが、このようなゲルネットワークを形成するのに十分高い濃度で存在する場合にのみ達成することができる。他方、親水性徐放ポリマーが、十分に高濃度で存在しなければ、連続したゲルネットワークが形成できないため、剤形の崩壊を防止することができない。親水性徐放ポリマーは膨潤できるだけなので、これにより崩壊は促進される(すなわち、医薬の放出を促進する)。このため、より高濃度では、徐放性ポリマーは医薬の放出を遅延させると思われるが、より低濃度では、医薬の放出を促進すると思われる。
【0050】
前記薬学的組成物は、徐放剤として疎水性物質をさらに含有することができる。このような徐放物質は、米国特許出願20030077324号(参照により、その内容を援用する)に記載されている。例としては、ベヘン酸グリセリル、硬化植物油、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリル、グリセルパルミトステアレート(glycerpalmito tearate)、セチルアルコールなどが含まれる。それらが存在する場合、それらは、本明細書に記載されている量で存在する。
【0051】
着色剤、防腐剤(例えば、メチルパラベン)、充填剤、希釈剤、人口甘味料、香味料、抗酸化剤などの、薬剤中に典型的に使用される、必要に応じて加えられるその他の成分も存在し得る。人口甘味料には、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルレシン酸二カリウム、ステビア、タウマチンなどが含まれるが、これらに限定されない。香味剤には、レモン、ライム、オレンジおよびメントールが含まれるが、これらに限定されない。着色剤には、様々な食品色素、例えば、FD&C黄色6号、FD&C赤色2号、FD&C青色2号などのFD&C色素、食品レーキなどが含まれるが、これらに限定されない。抗酸化剤の例には、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウムなどが含まれる。これらの必要に応じて加えられる成分が存在する場合には、これらの成分は、好ましくは錠剤の約0.1重量%から約5重量%までの量、最も好ましくは錠剤の約3%(w/w)未満の量で存在する。充填剤の例には、リン酸二カルシウムおよび硫酸カルシウムなどが含まれる。
【0052】
本発明の製剤はコートされないのが好ましいが、所望であれば、容易に利用できる多くのコーティング系の一つでコートしてもよい。それにもかかわらず、上記成分、すなわち、エリスロマイシン誘導体、潤滑剤、放出促進物質(存在する場合)、結合剤(存在する場合)、および上記必要に応じて加えられる成分は、コアの中に存在することを理解しなければならない。コーティングが存在する場合、コーティングはコアを取り囲み、該コーティングは、機能性または機能性の何れでもよい。
【0053】
コーティングは、本発明の薬学的組成物の味をマスキングすることができる。あるいは、コーティングは、本発明の薬学的組成物の単位剤形(例えば、錠剤)の嚥下を容易にするため、および一部の事例では剤形の外観を改良するために使用することができる。薬学的組成物、例えば錠剤には、糖衣を施すことができる。薬学的組成物には、本分野で周知の操作に従って、糖衣が施される。あるいは、本発明の薬学的組成物の単位剤形(例えば、錠剤)は、製剤化学者によってしばしば用いられる数多くのポリマー性フィルムコーティング剤のうち、任意の一つでコートすることができる。このようなフィルムコーティング剤の代表的な例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アクリル性樹脂、ポリビニルポビドン(PVP)、ポリビニルジエチルアミノアセテート、酢酸フタル酸セルロース、アクリル系ラテックスエマルジョン、エチルセルロースラテックスエマルジョン、ゴム、デンプンなどが含まれる。コーティングは、放出の初期バーストを抑えるために使用することもできる。水溶性ポリマーの非水溶性ポリマーの組合せを使用することもできる。コーティングがHPMCである場合、HPMCは低分子量のものであること、すなわち、CPSが約5から約15の範囲であることが好ましい。
【0054】
コーティングは、必要に応じて加えられる上記成分を含有してもよい。コーティングは、マトリックスの完全性の維持を助けることもできる。コーティングが存在する場合、該コーティングは、好ましくは薬学的組成物の約1から約10重量%、より好ましくは約2重量%から約4重量%の量で存在し得る。
【0055】
本発明の経口剤形は、当業者に周知の方法によって製造することができる。本発明の錠剤を調製するための好ましい方法は、直接圧縮と湿式造粒である。
【0056】
直接圧縮においては、エリスロマイシン誘導体、潤滑剤および存在するその他の成分は、当業者に公知の製粉機を用いて、所望の粒径へと製粉される。好ましくは、前記成分は、機械式振動篩装置中などで、tメッシュフィルターを通過させることによって製粉される。製粉された様々な成分は、Hobartミキサー、V−ミキサー、軌道ミキサー、ツインシェルミキサーなどの、薬学の分野で典型的に使用されるミキサーを用いて、均一になるまで互いに混合される。周囲の温度から温度を若干変更してもよいが、さらなる加熱を必要とせず、概ね周囲の温度で、例えば、約10℃から約45℃の範囲の温度で互いに混和される。別の直接圧縮法では、潤滑剤は、当初、エリスロマイシン誘導体またはその他の成分とともに製粉または混合されず、混合工程の終了に近づくにつれて、混合物に添加される。この場合も、成分は、均質になるまで互いに混合される。何れの乾燥法を用いるにしても、混合は、成分の均質な混合を確保するための有効な条件下において、十分な時間にわたって行われる。
【0057】
本発明の製剤を調製する別の操作は、湿式造粒法によるものであり、湿式造粒法においては、全ての成分、すなわち、医薬、潤滑剤、放出促進剤(存在する場合)、結合剤(存在する場合)、および任意の追加的賦形剤および必要に応じて加えられる他の成分が、機械式振動篩機などの当業者に公知の製粉機中において、適切なメッシュを用いて、所望のサイズになるように製粉される。次いで、それらは、軌道式ミキサー、ホバートミキサー、Vミキサーなどの、適切なミキサー中で、実質的に均一な混和物を形成させるために、均質になるまで、十分な量の造粒溶媒と混合される。造粒ビヒクルとは、前記成分に対しては不活性であり、低い沸点、すなわち好ましくは約120℃未満の沸点を有するビヒクルである。好ましくは、造粒ビヒクルは、1から4個の炭素原子を含有するアルコール、例えば、イソプロパノール若しくはエタノールまたは水またはアセトンなどの溶媒である。造粒溶媒の選択および使用は、何れも当業者に公知である。前記成分は、成分の均質な混合を確保するのに有効な温度および十分な時間で、互いに混和される。混合は室温で行うことが好ましいが、室温からの温度の僅かな変更を使用することもできるであろう。例えば、前記混和は、約10℃から約45℃までの温度で実施し得る。製剤中の成分は、薬学の分野で周知の技術を用いて互いに混合され、混合物が薬物に関して均質となるまで、よく混ぜ合される。
【0058】
実質的に均一に混和された混合物は、次に、それらの粒子のサイズを小さくするために、必要に応じて製粉され、例えば、篩、こし器を通過させる。篩またはこし器は、好ましくは6−14メッシュ、より好ましくは約12メッシュである。
【0059】
次に、混和物を乾燥する。この段階で、当業者に公知の物理的手段、例えば、蒸発または濾過によって、前記混和物から溶媒を除去する。乾燥は、湿った顆粒を乾燥するのに有効な温度、例えば約50から約80℃で行われる。例えば、イソプロピルアルコールが顆粒化剤として使用される場合には、約50℃から約80℃、好ましくは60から70℃の温度で行われることが好ましい。湿式造粒プロセスとして水が使用される場合には、顆粒は約70℃から約80℃で乾燥される。得られた顆粒は、粒子のサイズを所望のサイズまでさらに小さくするために、再び挽かれる(例えば、篩またはこし器を通過させる)。潤滑剤を添加し、均一で、均質な混和物を得るために顆粒を混合し、次いで、得られた混合物を圧縮して錠剤を形成する。好ましい変形において、前記混和物は、例えば液体床造粒プロセスを使用することによって、造粒ビヒクル中で同時に造粒および乾燥させることができる。薬物製剤を調製する変形例においては、混合が最初は潤滑剤の不存在下で行われることを除いて、上記段階の全てが反復される。最後の混合、圧縮の直前において、混合物が薬物に関して均質である場合には、潤滑剤を添加し、潤滑剤が混合物中で実質的に均一に分配され、または均質となるまで混合を継続する。次いで、混合を終結し、その後直ちに、本明細書に前記されているように混合物を圧縮して錠剤にする。
【0060】
何れの方法を使用するにしても、製剤中の成分は、薬学の分野で周知の技術を用いて、例えば大きなバッチ中などで互いに混合し、混合物が薬物に関して均質となるまでよく混ぜ合わせるのが好ましい。
【0061】
薬物に関して「均質」という用語は、様々な成分が、本発明を通じて実質的に均一であること、すなわち実質的に均質な混和物が形成されることを表すために使用される。
【0062】
混合物が均質であれば、混合物の単位投薬量が錠剤などの固形剤形にされる。
【0063】
錠剤を製造する場合には、均質な混合物は、薬学の分野で典型的に使用される打錠機を用いて、錠剤形態へと圧縮される。より具体的には、前記混合物を錠剤機のダイに入れ、十分な圧力をかけて固形錠剤を形成する。このような圧力は変動することができ、典型的には約1,000psiから約6,000psi、好ましくは約2,000psi力にわたる。本発明の固形製剤は、水性溶媒の早期進入を防ぐために、十分な硬度になるまで圧縮される。好ましくは、前記製剤は、Schleuniger硬度試験で測定した場合に、約12−40Kp、より好ましくは15−30Kpの錠剤形態へと圧縮される。
【0064】
何れかの操作から得られた混合物が薬物に関して均質である場合には、混合物の単位剤形が調製され、次いで、本明細書に上記したようにして圧縮される。
【0065】
錠剤が形成された後、錠剤は、所望であれば、医薬中に通常使用される物質でコーティングしてもよい。コーティングする場合、該コーティングは本分野で公知の技術によって調製される。
【0066】
本明細書中に記載されているプロセスの結果、薬学的錠剤に対して典型的に見られる所望の硬度と脆さを有する錠剤生成物が得られる。硬度は、好ましくは12−40Kp、より好ましくは15−30Kpである。さらに、前記錠剤は、優れた薬物放出プロファイルを有する。より具体的には、正確な錠剤の大きさ、硬度および具体的な担体組成および患者の必要性に応じて、薬物が少なくとも2時間、最大12時間、あるいは最大36時間以上の期間にわたって利用可能となるように、前記錠剤は、制御および持続された所望の作用放出パターンを有する。さらに、各製剤の放出特性は、実質的に均一である。最後に、本発明に従って調製された錠剤は、硬く緻密であり、脆さが低く、長期間にわたって制御および持続された放出を与える。
【0067】
さらに、本明細書に記載された方法は、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシン誘導体が、錠剤の約75重量%を超える量で存在するような、錠剤型の薬学的組成物を提供することができる。例えば、以下の実施例、1、3、4、5、6、13B、14A、14Bおよび15Aおよび15Bを参照されたい。さらに、示されるようにそれぞれが優れた放出プロファイルを与える。しかしながら、エリスロマイシンの完全な一日分が2個ではなく1個の錠剤を摂取することによって投与できるので、患者による投薬計画の遵守がさらに容易である。
【0068】
さらに、本発明者らは、本明細書に記載されている方法を用いて、従来技術の徐放製剤と同じ大きさであるが、徐放性親水性ポリマーまたはアルギン酸若しくはその塩を含有しない錠剤を調製できることも示した。さらに、それらは、優れた薬物放出プロファイルを示す。
【0069】
別段の記載がなければ、全ての百分率は、固形経口剤形の薬学的組成物に対する重量パーセントである。
【0070】
さらに、「徐放」および「制御された放出」という用語は、互換的に使用される。
【0071】
本明細書において使用される、単数形は複数形も表すものとし、逆も同様とする。
【0072】
以下の非限定的な実施例によって、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0073】
【表1】

【0074】
機械振動式篩中の40メッシュの篩を用いて、クラリスロマイシンと賦形剤を別々に挽くことによる直接圧縮法によって、錠剤を製造した。挽かれた成分を一つに合わせ、成分の均一な混合が得られるまで、室温にて、結合剤中で混合した。次に、混合工程の終了時に潤滑剤を添加し、打錠機を用いて、潤滑剤を含む混合物を圧縮して錠剤にする。
【0075】
崩壊特性は、水性溶媒中で、米国薬局方所定の装置を用いて決定した。より具体的には、500mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液中に、クラリスロマイシンを溶かした。使用した装置は、米国薬局方タイプ2であり、へらで混合する速度は50rpmであった。
【0076】
0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液中に溶かしたクラリスロマイシンの量は、Shimadzer HPLC系を使用して、1、3、5、7、9および12時間の特定の時間間隔で測定する。結果は、以下の表にまとめられている。
【表2】

【実施例2】
【0077】
【表3】

【0078】
錠剤は、実施例1の操作に従って、直接圧縮法によって製造した。
【0079】
崩壊特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表4】

【実施例3】
【0080】
【表5】

【0081】
錠剤は、実施例1の操作に従って、直接圧縮法によって製造した。クラリスロマイシンを1000mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液中に溶かしたことを除き、実施例1の操作を用いて、溶解を決定した。結果は、以下のとおりである。
【表6】

【実施例4】
【0082】
【表7】

【0083】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。錠剤は、穴の開いたパンコーティングを用いてコートした。溶解特性は、実施例3の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表8】

【実施例5】
【0084】
【表9】

【0085】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例3の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表10】

【実施例6】
【0086】
【表11】

【0087】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例3の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表12】

【実施例7】
【0088】
【表13】

【0089】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表14】

【実施例8】
【0090】
【表15】

【0091】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表16】

【実施例9】
【0092】
【表17】

【0093】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表18】

【実施例10】
【0094】
【表19】

【0095】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表20】

【実施例11】
【0096】
【表21】

【0097】
錠剤は、実施例1に記載されている操作に従って、直接圧縮法によって製造した。錠剤は、穴の開いたパンコーティングを用いてコートした。溶解特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表22】

【実施例12】
【0098】
【表23】

【0099】
錠剤は、実施例1に記載されているように、直接圧縮法によって製造した。溶解特性は、実施例1の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表24】

【実施例13】
【0100】
【表25】

【0101】
製剤Aに対する錠剤は、実施例1の操作に従って、直接圧縮法によって製造した。
【0102】
製剤Bに対する錠剤は、湿式造粒を用いて製造した。湿式造粒法では、機械振動式篩によって、40メッシュの篩を用いて、薬物と賦形剤を別々に挽いた。均質になるまで、室温にて、ミキサーを用いて、薬物と賦形剤を混合した。次に、湿潤塊を形成させるため、造粒溶媒としてイソプロピルアルコール中のPVPを用いて、前記挽かれたミキサー混合物を混合した。挽かれた湿潤塊は、Fluid Bed Dryer中において、50−80℃で乾燥させた。6から12メッシュの篩にも通された潤滑剤を、均質になるまで前記乾燥されたクラリスロマイシン組成物と混合し、次いで、得られた混合物を打錠機を用いて圧縮して錠剤とする。
【0103】
両製剤の放出プロファイルは、実施例3の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表26】

【実施例14】
【0104】
【表27】

【0105】
造粒溶媒としてイソプロピルアルコールが使用される、実施例13に記載の湿式造粒法を用いて、錠剤を製造した。溶解特性は、実施例3の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表28】

【実施例15】
【0106】
【表29】

【表30】

【0107】
錠剤は、実施例1に記載されている直接圧縮法を用いて製造した。溶解特性は、実施例3の操作を用いて決定した。結果は、以下のとおりである。
【表31】

【0108】
適切なミキサー中で全ての成分を混合した後、圧縮することによって、錠剤を製造した。米国薬局方II装置を50RPMで使用し、pH5の酢酸塩緩衝液中で溶解を行った。結果は、以下のとおりである。
【表32】

【0109】
上記好ましい実施形態および実施例は、本発明の範囲と精神を例示するために記載されている。これらの実施形態および実施例に基づいて、当業者が他の実施形態および実施例に想到することは自明であおる。他の実施形態および実施例も、本発明の想定内に属する。従って、本発明は、補正された特許請求の範囲によって限定されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤形態の徐放製剤であって、アルギン酸若しくはその塩または親水性徐放ポリマーが薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を遅延させるのに有効な濃度で存在するときの、前記アルギン酸またはその塩および親水性徐放ポリマーからなる群から選択される物質の不存在下において、薬学的に有効な量のエリスロマイシン誘導体と、潤滑的に有効な量の潤滑剤とを含有する徐放製剤。
【請求項2】
放出促進物質をさらに含む、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項3】
結合剤をさらに含む、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項4】
結合剤をさらに含む、請求項2に記載の徐放製剤。
【請求項5】
前記エリスロマイシン誘導体が、前記錠剤の約40重量%から約99重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項6】
前記エリスロマイシン誘導体が、前記錠剤の約50重量%から約90重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項5に記載の徐放製剤。
【請求項7】
前記潤滑剤が、前記錠剤の約1重量%から約10重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項8】
前記潤滑剤が、前記錠剤の約2重量%から約5重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項7に記載の徐放製剤。
【請求項9】
前記放出促進物質が、前記錠剤の約0.01重量%から約60重量%までの量で存在する、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項10】
前記放出促進物質が親水性である、請求項9に記載の徐放製剤。
【請求項11】
前記放出促進物質が、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、マルトデキストリン、ラクトース、デンプン若しくは糖、またはそれらの組み合わせである、請求項10に記載の徐放製剤。
【請求項12】
前記放出促進物質が、前記錠剤の約10重量%から約60重量%までの濃度で存在する、請求項10に記載の徐放製剤。
【請求項13】
前記放出促進物質が、前記錠剤の約15重量%から約45重量%までの濃度で存在する、請求項12に記載の徐放製剤。
【請求項14】
前記放出促進物質が水溶性有機酸である、請求項2に記載の徐放製剤。
【請求項15】
前記水溶性有機酸が、前記錠剤の約0.1重量%から約10重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項14に記載の徐放製剤。
【請求項16】
前記水溶性有機酸が、前記錠剤の約0.5重量%から約5重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項15に記載の徐放製剤。
【請求項17】
前記水溶性有機酸が、前記錠剤の約1.0重量%から約3重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項15に記載の徐放製剤。
【請求項18】
前記水溶性有機酸が、クエン酸、安息香酸、酒石酸または桂皮酸である、請求項14に記載の徐放製剤。
【請求項19】
前記放出促進物質が親水性界面活性剤である、請求項2に記載の徐放製剤。
【請求項20】
前記親水性界面活性剤が非イオン性界面活性剤またはイオン性界面活性剤である、請求項19に記載の徐放製剤。
【請求項21】
前記親水性界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項20に記載の徐放製剤。
【請求項22】
前記結合剤が親水性ポリマーである、請求項3に記載の徐放製剤。
【請求項23】
前記親水性結合剤が、PVP、HPMC、ポリエチレングリコールまたはヒドロキシプロピルセルロースである、請求項22に記載の徐放製剤。
【請求項24】
前記ポリマー結合剤が、前記錠剤の約0.1重量%から約10重量%までの範囲の量で存在する、請求項22に記載の徐放製剤。
【請求項25】
前記ポリマー結合剤が、前記錠剤の約2重量%から約6重量%までの範囲の量で存在する、請求項24に記載の徐放製剤。
【請求項26】
前記ポリマー結合剤が、前記錠剤の約2重量%から約5重量%までの範囲の量で存在する、請求項25に記載の徐放製剤。
【請求項27】
微結晶性セルロースまたはケイ化微結晶性セルロースがさらに存在する、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項28】
マルトデキストリンがさらに存在する、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項29】
前記錠剤が、微結晶性セルロースおよびケイ化微結晶性セルロースからなる群から選択されるセルロース誘導体とともに、マルトデキストリンをさらに含む、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項30】
水に不溶性の薬学的に許容可能な非ポリマー性物質をさらに含む、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項31】
前記非ポリマー性物質がワックスである、請求項30に記載の徐放製剤。
【請求項32】
前記薬学的剤形が、水溶性ポリマーまたは水に不溶性のポリマーまたはそれらの組み合わせで被覆されている、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項33】
前記コーティングが、前記錠剤の約0.5重量%から約10重量%までの範囲の量で存在する、請求項32に記載の徐放製剤。
【請求項34】
前記コーティングが、前記錠剤の約1重量%から約6重量%までの範囲の量で存在する、請求項33に記載の徐放製剤。
【請求項35】
前記コーティングが、前記錠剤の約2重量%から約5重量%までの範囲の量で存在する、請求項34に記載の徐放製剤。
【請求項36】
前記ポリマーがHPMCである、請求項32に記載の徐放製剤。
【請求項37】
前記錠剤が100mgから1500mgまでのエリスロマイシン誘導体を含有する、請求項1に記載の徐放製剤。
【請求項38】
前記錠剤が500mgから1000mgまでのエリスロマイシン誘導体を含有する、請求項37に記載の徐放製剤。
【請求項39】
前記エリスロマイシン誘導体がクラリスロマイシンである、請求項1から38の何れか1項に記載の徐放製剤。
【請求項40】
治療的有効量のエリスロマイシン誘導体と潤滑的有効量の潤滑剤とを含む薬学的組成物からのエリスロマイシン誘導体の放出を促進する方法であって、錠剤からの前記エリスロマイシン誘導体の放出を促進するために、放出促進物質を錠剤崩壊的有効量で前記組成物に添加することを含む、方法。
【請求項41】
前記錠剤が、結合剤をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記エリスロマイシン誘導体が、前記錠剤の約40重量%から約99重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記エリスロマイシン誘導体が、前記錠剤の約50重量%から約90重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記潤滑剤が、前記錠剤の約1重量%から約10重量%までの範囲の量で存在する、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記潤滑剤が、前記錠剤の約2重量%から約5重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記放出促進物質が、前記錠剤の約0.01重量%から約60重量%までの範囲の量で存在する、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記放出促進物質が親水性である、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記放出促進物質が、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、マルトデキストリン、ラクトース、デンプン若しくは糖、またはそれらの組み合わせである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記放出促進物質が、前記錠剤の約10重量%から約60重量%までの範囲の量で存在する、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記放出促進物質が、前記錠剤の約15重量%から約45重量%までの範囲の量で存在する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記放出促進物質が水溶性有機酸である、請求項40に記載の方法。
【請求項52】
前記水溶性有機酸が、前記錠剤の約0.1重量%から約10重量%までの範囲の濃度で存在する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記水溶性有機酸が、前記錠剤の約0.5重量%から約5重量%までの範囲の量で存在する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記水溶性有機酸が、前記錠剤の約1.0重量%から約3重量%までの範囲の量で存在する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記水溶性有機酸が、クエン酸、安息香酸、酒石酸または桂皮酸である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記放出促進物質が界面活性剤である、請求項40に記載の方法。
【請求項57】
前記親水性界面活性剤が非イオン性界面活性剤またはイオン性界面活性剤である、請求項56に記載の徐放製剤。
【請求項58】
前記親水性界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記結合剤が親水性ポリマーである、請求項41に記載の方法。
【請求項60】
前記親水性結合剤が、PVP、HPMC、ポリエチレングリコールまたはヒドロキシプロピルセルロースである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリマー結合剤が、前記錠剤の約0.1重量%から約10重量%までの範囲の量で存在する、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記ポリマー結合剤が、前記錠剤の約2重量%から約6重量%までの範囲の量で存在する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記ポリマー結合剤が、前記錠剤の約2重量%から約5重量%までの範囲の量で存在する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記錠剤が、水溶性ポリマーまたは水に不溶性のポリマーでコーティングされている、請求項40に記載の方法。
【請求項65】
前記エリスロマイシン誘導体がクラリスロマイシンである、請求項40から64の何れか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2006−528689(P2006−528689A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532793(P2006−532793)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/014031
【国際公開番号】WO2004/100880
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505347411)
【Fターム(参考)】