説明

エレクトレットコンデンサマイクロホン

【目的】 本発明の目的は厚みを低減することができるエレクトレットコンデンサマイクロホンを提供する。
【構成】 エレクトレットコンデンサマイクロホンは、振動膜110が貼付された枠体100と、この枠体100内に所定の空間Cを有して対向配置される背極板200と、背極板200の振動膜対向面に設けられ、当該背極板200と振動膜110との間に空間Cを確保するスペーサ300とを備え、背極板200が枠体100内に配置された状態でスペーサ300を介して振動膜110を押圧するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレクトレットコンデンサマイクロホンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のエレクトレットコンデンサマイクロホンは、振動膜が貼付された枠体と、振動膜と所定の空間を空けて略平行に配置される背極板とを備えている(特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−050393号公報
【特許文献2】特開2004−222091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、枠体と背極板とは、その外径が略同じであって、垂直に並べて配置される。この点で、エレクトレットコンデンサマイクロホンの厚みの低減が妨げられていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、枠体と背極板とを略同一高さに配置し、厚みを低減することができるエレクトレットコンデンサマイクロホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のエレクトレットコンデンサマイクロホンは、振動膜が貼付された枠体と、この枠体内に振動膜と所定の空間を有して対向配置される背極とを備えている。
【0007】
このようなエレクトレットコンデンサマイクロホンによる場合、背極が枠体内に配置されている。即ち、枠体と背極とが略同一高さに配置されているので、従来例に比べて、本マイクロホンの厚みを低減することができる。
【0008】
前記マイクロホンが背極の振動膜対向面に設けられ、当該背極と振動膜との間に前記空間を確保するスペーサを更に備えている場合、背極が枠体内に配置された状態でスペーサを介して振動膜を押圧するようになっていることが好ましい。
【0009】
このように背極がスペーサを介して振動膜を押圧することにより、振動膜が緊張し、その張力が向上する。このため、振動膜と背極との間の空間を小さくすることができ、振動膜の感度を向上させることができる。また、振動膜の張力の向上により、複数の枠体に一枚のフィルムを同時に貼付することにより作成される各振動膜に生じる張力のバラツキが低減される。
【0010】
振動膜が枠体の第1面に貼付されている場合、背極が枠体の第1面側からスペーサを介して振動膜を押圧するようになっていることが好ましい。
【0011】
この場合、背極及びスペーサを枠体内に配置するだけで、当該背極及びスペーサの厚み分、振動膜が押圧されるので、振動膜の張力の一層向上を図ることができる。
【0012】
前記マイクロホンが枠体を収容するカプセルを更に備えている場合、カプセルは枠体内に配置され且つ前記背極として機能する突起部を有する構成とすることが可能である。この場合、カプセルの突起部が背極として機能するようになっていることから、背極が別体である場合と比べて、部品点数及び組み立て工数の低減を図ることができる。その結果、低コスト化を図ることができる。
【0013】
また、前記マイクロホンが枠体及び背極を収容するカプセルを更に備えている場合、カプセルは背極を位置決め保持する位置決め手段を有する構成とすることができる。
【0014】
また、前記マイクロホンが枠体、スペーサ及び背極を収容するカプセルを更に備えている場合、カプセルは、振動膜を押圧した状態で背極を位置決め保持する位置決め手段を有する構成とすることもできる。
【0015】
これらの場合、位置決め手段により背極をカプセル内で簡単に位置決め保持することができるので、背極の取り付けが簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
まず、本発明の実施例1に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンについて図1を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施例1に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの模式的断面図である。
【0018】
図1に示すエレクトレットコンデンサマイクロホンは、バックエレクトレットコンデンサマイクロホンであって、振動膜110が貼付された枠体100と、この枠体100内に配置される背極板200と、振動膜110と背極板200との間に所定の空間Cを確保するスペーサ300と、枠体100の上方に配置される基板400と、この基板400の下面中央部に実装されたFET(電界効果トランジスタ)500と、基板400と枠体100との間に介在するゲートリング600と、これらを収容するカプセル700とを備えている。以下、各部について詳しく説明する。
【0019】
枠体100は円形の導電リングである。この枠体100はカプセル700の底板部710の図示しない絶縁処理部上に設置される。
【0020】
振動膜110は周知の金属薄膜である。この振動膜110は導電性接着剤により枠体100の下面(第1面)に接着される。
【0021】
ゲートリング600は外径が枠体100の外径と略同じ円形の環状体である。このゲートリング600が枠体100の上面に設置される。
【0022】
基板400は周知の円形の回路基板であって、その外径が枠体100の外径と略同じになっている。この基板400には図示しない第1、第2の導電パターンが設けられている。この第1の導電パターンはゲートリング600に接触し且つFET500のゲート端子に接続される。第2の導電パターンはカシメ部730に接触し、図示しないグランド端子に接続される。
【0023】
スペーサ300は背極板200の上面の周縁部に形成された絶縁リングである。
【0024】
背極板200は導電性を有する円形の金属板である。背極板200は、外径が枠体100の内径よりも小さく、厚みが枠体100の厚みと略同じになっている。背極板200の上面(振動膜対向面)には高分子フィルム(例えば、FEP)等の薄膜である図示しないエレクトレット層が形成されている。
【0025】
この背極板200は下方(枠体の第1面側)から枠体100内に配置されている。この状態で、背極板200は、スペーサ300を介して振動膜110を当該背極板200及びスペーサ300の厚み分押圧する。これにより、背極板200のエレクトレット層と振動膜110との間にスペーサ300の厚み分の空間C(コンデンサ)が形成されると共に、振動膜110が緊張し、その張力が向上する。
【0026】
また、背極板200には、当該背極板200及び前記エレクトレット層を厚み方向に貫通する複数の貫通孔210が設けられている。この貫通孔210はカプセル700の音孔711と、背極板200と振動膜110との間の空間Cとを繋ぐ円柱状の孔である。即ち、音孔711からカプセル700内に入った音声が、貫通孔210を通じて空間Cに入り込み、振動膜110を振動させる。これにより、前記コンデンサの静電容量が変化する。
【0027】
カプセル700は、導電金属板をプレス成型することにより作成された略円形のカップ体であって、底板部710と、底板部710の外周縁部に立設された円筒状の周壁部720と、周壁部720の先端部に設けられたカシメ部730とを有している。
【0028】
底板部710の中央部には略円形の音孔711が開設されている。また、底板部710の音孔711の周縁部上にはリング状の突脈712(位置決め手段)が凸設されている。この突脈712の内径は背極板200の外径よりも若干小さくなっている。即ち、突脈712が背極板200を底板部710上で位置決め保持する。これにより、背極板200がカプセル700を介して基板400の第2の導電パターンに接続される。なお、底板部710の外周縁部の内面上には図示しない絶縁処理部が形成されている。
【0029】
カシメ部730は内側に折り曲げられた片部材である。このカシメ部730の下面と底板部710の上面との間の距離が基板400、ゲートリング600及び枠体100の厚みの和と略同じになっている。即ち、カシメ部730と底板部710との間で、積層された枠体100、ゲートリング600及び基板400が挟持されるようになっている。
【0030】
以上のような構成のエレクトレットコンデンサマイクロホンは次のように組み立てられる。まず、背極板200の上面にスピンナー・コート、スパッタリング、CVD等の周知の成膜方法により、エレクトレット層の薄膜を形成する。そして、前記エレクトレット層の外周縁部上にスペーサ300を印刷により形成する。
【0031】
この背極板200をカプセル700の突脈712内に挿入する。これにより背極板200が突脈712に位置決め保持されると共に、カプセル700に電気的に接続される。
【0032】
その後、振動膜110が貼付された枠体100を、振動膜110を下方に向けた状態で、カプセル700の底板部710の絶縁処理部上に設置する。すると、振動膜110が背極板200上のスペーサ300により下方から押圧される。これにより、振動膜110が緊張し、その張力が向上する。これと共に、振動膜110と背極板200上のエレクトレット層との間に空間Cが形成される。
【0033】
その後、枠体100上にゲートリング600及びFET500が実装された基板400を順次積層する。これにより、ゲートリング600が基板400の第1の導電パターンに接触し、枠体100の振動膜110がゲートリング600及び基板400の第1の導電パターンを介してFET500のゲート端子に電気的に接続される。
【0034】
その後、カプセル700の周壁部720の先端部を内側に折り曲げる。この折り曲げ部がカシメ部730となり、基板400の上面の外周縁部に当接する。これにより、カシメ部730と底板部710との間で枠体100、ゲートリング600及び基板400が挟持される。これと共に、カシメ部730が基板400の第2の導電パターンに接触する。これにより、背極板200のエレクトレット層がカプセル700及び基板400の第2の導電パターンを介してグランド端子に電気的に接続される。
【0035】
このようにして組み立てられたエレクトレットコンデンサマイクロホンは、カプセル700の音孔711及び貫通孔210を通じて音声が空間Cに入り込み、振動膜110を振動させる。この振動膜110の振動により上記コンデンサの静電容量が変化する。この静電容量の変化が電気信号として枠体100、ゲートリング600及び第1の導電パターンを介してFET500に入力される。
【0036】
このようなエレクトレットコンデンサマイクロホンによる場合、背極板200が枠体100内に配置されている。即ち、枠体100と背極板200とが略同一高さに配置されているので、従来例に比べて、本マイクロホンの厚みを低減することができる。
【0037】
しかも、背極板200が、枠体100内に下方から配置され、スペーサ300を介して枠体100の下面に貼付された振動膜110を背極板200及びスペーサ300の厚み分押圧するようになっている。この背極板200及びスペーサ300の押圧により、振動膜110が緊張し、その張力が向上するので、振動膜110と背極板200との間の距離(即ち、空間Cの高さ)を従来の25〜38μmから10μm前後まで小さくすることが可能になり、振動膜110の感度を向上させることができる。また、振動膜110の張力の向上により、複数の枠体に一枚のフィルムを同時に貼付することにより作成される各振動膜に生じる張力のバラツキを低減することも可能である。
【実施例2】
【0038】
次に、本発明の実施例2に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンについて図2を参照しつつ説明する。図2は本発明の実施例2に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの模式的断面図である。
【0039】
図2に示すエレクトレットコンデンサマイクロホンは、背極板200及びスペーサ300の代わりとしてカプセル700’の突起部740’の背極741’及びスペーサ742’が用いられている点で実施例1のマイクロホンと相違する。以下、その相違点について詳しく説明し、重複する部分の説明については省略する。なお、カプセルの符号については’を付して実施例1と区別する。
【0040】
カプセル700’は、導電金属板をプレス成型することにより作成された略円形のカップ体であって、底板部710’と、底板部710’の外周縁部に立設された円筒状の周壁部720’と、周壁部720’の先端部に設けられたカシメ部730’と、底板部710’の中央部がプレス絞り加工されることにより形成された上方に凸の突起部740’とを有している。
【0041】
突起部740’は、略円形の台座状の背極741’と、この背極741’の天板の外周縁部上に突設されたスペーサ742’とを有している。
【0042】
スペーサ742’はリング状の凸部であって、振動膜110に接触する上面が絶縁処理されている。
【0043】
背極741’は、円筒部と、この円筒部の上側開口を塞ぐ天板とを有する。前記天板の前記外周縁部以外の部分上には高分子フィルム(例えば、FEP)等の薄膜である図示しないエレクトレット層が形成されている。
【0044】
この背極741’は下方(枠体の第1面側)から枠体100内に配置されている。この状態で、背極741’は、スペーサ742’を介して振動膜110を当該背極741’及びスペーサ742’の厚み分押圧する。これにより、背極741’のエレクトレット層と振動膜110との間にスペーサ742’の厚み分の空間C(コンデンサ)が形成されると共に、振動膜110が緊張し、その張力が向上する。
【0045】
また、背極741’の天板には、当該天板及び前記エレクトレット層を貫通する複数の貫通孔741a’が設けられている。この貫通孔741a’は、カプセル700’の外部と、背極741’と振動膜110との間の空間Cを繋ぐ円柱状の音孔である。従って、音声が貫通孔741a’から空間Cに入り込み、振動膜110を振動させる。これにより、前記コンデンサの静電容量が変化するようになっている。
【0046】
以上のような構成のエレクトレットコンデンサマイクロホンは次のように組み立てられる。まず、振動膜110が貼付された枠体100を、振動膜110を下方に向けた状態で、カプセル700’の底板部710’の絶縁処理部上に設置する。すると、振動膜110が背極741’上のスペーサ742’により下方から押圧される。これにより、振動膜110が緊張し、その張力が向上する。これと共に、振動膜110と背極741’上のエレクトレット層との間に空間Cが形成される。
【0047】
その後、枠体100上にゲートリング600及びFET500が実装された基板400を順次積層する。これにより、ゲートリング600が基板400の第1の導電パターンに接触し、枠体100の振動膜110がゲートリング600及び基板400の第1の導電パターンを介してFET500のゲート端子に電気的に接続される。
【0048】
その後、カプセル700’の周壁部720’の先端部を内側に折り曲げる。この折り曲げ部がカシメ部730’となり、基板400の上面の外周縁部に当接する。これにより、カシメ部730’と底板部710’との間で枠体100、ゲートリング600及び基板400が挟持される。これと共に、カシメ部730’が基板400の第2の導電パターンに接触する。これにより、背極741’のエレクトレット層が、カプセル700’及び基板400の第2の導電パターンを介してグランド端子に電気的に接続される。
【0049】
このようにして組み立てられたエレクトレットコンデンサマイクロホンは、カプセル700の貫通孔741a’を通じて音声が空間Cに入り込み、振動膜110を振動させる。この振動膜110の振動により上記コンデンサの静電容量が変化する。この静電容量の変化が電気信号として枠体100、ゲートリング600及び第1の導電パターンを介してFET500に入力される。
【0050】
このようなエレクトレットコンデンサマイクロホンによる場合、背極741’が枠体100内に配置されている。即ち、枠体100と背極741’とが略同一高さに配置されているので、従来例に比べて、本マイクロホンの厚みを低減することができる。
【0051】
しかも、背極741’が、枠体100内に下方から配置され、スペーサ742’を介して枠体100の下面に貼付された振動膜110を背極741’及びスペーサ742’の厚み分押圧するようになっている。この背極741’及びスペーサ742’の押圧により、振動膜110が緊張し、その張力が向上するので、振動膜110と背極741’との間の距離(即ち、空間Cの高さ)を従来の25〜38μmから10μm前後まで小さくすることが可能になり、振動膜110の感度を向上させることができる。また、振動膜110の張力の向上により、複数の枠体に一枚のフィルムを同時に貼付することにより作成される各振動膜に生じる張力のバラツキを低減することも可能である。
【0052】
更に、背極741’及びスペーサ742’がカプセル700’の一部である突起部740’を利用して作成されているので、背極741’及びスペーサ742’を別途設ける場合と比べて部品点数及び組み立て工数を低減することができる。その結果、低コスト化を図ることができる。
【0053】
なお、上述したエレクトレットコンデンサマイクロホンは特許請求の範囲の趣旨に適う限り任意に設計変更することが可能である。以下、その設計変更について述べる。図3は、本発明の実施例1の設計変更例に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの模式的断面図である。
【0054】
背極板200は、枠体100内に配置された状態で、振動膜110を押圧するように構成するか否かは任意である。即ち、背極板200は、枠体100内に配置された状態で、振動膜110に所定の空間を有して対向配置される構成とすることができる。この点は、背極741’も同様である。また、前記空間を形成するためにスペーサ300、742’を設けるか否かは任意である。
【0055】
スペーサ300については、リング状であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、複数のスペーサ300を背極板200上に環状に配設することができる。
【0056】
スペーサ742’については、背極741’の天板の外周縁部上に絞り加工により形成されるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、スペーサ300と同様に背極741’の天板の外周縁部上に絶縁層を印刷により形成するようにしても良い。この場合には、前述の通り、複数のスペーサを背極741’上に環状に配設することができる。
【0057】
突起部740’については、カプセル700’の底板部710’の中央部をプレス絞り加工することにより作成されるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、後述の如くカプセル700’を樹脂成型品とする場合には、当該カプセル700’樹脂成型時に突起部を作成することができる。この場合、背極上に複数のスペーサを環状に配設することができる。
【0058】
振動膜110は枠体100の下面に設けられているとしたが、上面に設けることが可能である。この場合であっても、背極板200及びスペーサ300の厚みの和、背極741’及びスペーサ742’の厚みの和(即ち、突起部740’の高さ)を枠体100の厚みよりも大きくすることにより、背極板200及びスペーサ300、背極741’及びスペーサ742’が枠体100内に配置された状態で、振動膜110を押圧することができる。
【0059】
基板400については、枠体100の上方に配置されるとしたが、下方に配置することも可能である。この場合、図3に示すように、基板400と枠体100との間に絶縁リングを介在させ、カプセル700を介して枠体100を基板400の第2の導電パターンに接続させる。その一方、基板400上に背極板200を保持するリング状の導電保持部を設け、当該導電保持部を介して背極板200を基板400の第1の導電パターンに接続させる。なお、カプセル700の底板部710には複数の音孔711が開設されている。このように設計変更した場合であっても、背極板200が枠体100内に配置され、振動膜110を押圧するようになっていることから、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
カプセル700については、導電金属製であるとしたが、絶縁性の樹脂成型品等とすることも可能である。この場合には、カプセルの内面又は外面に導電ラインを形成し、上記実施形態の如く背極板200及び基板400、背極741’のエレクトレット層及び基板400を接続するようにしても良いし、前述のように枠体100及び基板400を接続するようにしても良い。
【0061】
底板部710については、背極板200の位置決め手段として突脈712が設けられているとしたが、これに限定されるものではない。即ち、前記位置決め手段としては背極板200を位置決め保持し得るものである限り、どのようなものを用いても構わない。例えば、底板部710に凹部を設け、当該凹部に背極板200を嵌合させるようにしても良い。
【0062】
上記実施例におけるエレクトレットコンデンサマイクロホンは、エレクトレット層が背極板200、741’の振動膜対向面に設けられたバックエレクトレットコンデンサマイクロホンであるとしたが、振動膜110自体がエレクトレット用の高分子フィルムで構成されたホイルエレクトレットコンデンサマイクロホンとすることも可能である。
【0063】
なお、上記各構成部品の形状、素材及びその数については、同様の機能を実現し得る限り、任意に設計変更可能である。従って、上述したように各構成部品を円形(即ち、丸型)にせず、角形(即ち、角型)とすることも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例1に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの模式的断面図である。
【図2】本発明の実施例2に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの模式的断面図である。
【図3】本発明の実施例1の設計変更例に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの模式的断面図である。
【符号の説明】
【0065】
100 枠体
110 振動膜
200 背極板
300 スペーサ
700 カプセル
712 突脈(位置決め手段)
700’ カプセル
740’ 突起部
741’ 背極
742’ スペーサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動膜が貼付された枠体と、
この枠体内に振動膜と所定の空間を有して対向配置される背極とを備えていることを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。
【請求項2】
請求項1記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいて、
背極の振動膜対向面に設けられ、当該背極と振動膜との間に前記空間を確保するスペーサを更に備えており、
背極が枠体内に配置された状態でスペーサを介して振動膜を押圧するようになっていることを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。
【請求項3】
請求項2記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいて、
振動膜が枠体の第1面に貼付されており、
背極が枠体の第1面側からスペーサを介して振動膜を押圧するようになっていることを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいて、
枠体を収容するカプセルを更に備えており、
このカプセルは枠体内に配置され且つ前記背極として機能する突起部を有することを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。
【請求項5】
請求項1記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいて、
枠体及び背極を収容するカプセルを更に備えており、
このカプセルは背極を位置決め保持する位置決め手段を有することを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。
【請求項6】
請求項2又は3記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいて、
枠体、スペーサ及び背極を収容するカプセルを更に備えており、
このカプセルは、振動膜を押圧した状態で背極板を位置決め保持する位置決め手段を有することを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−267782(P2009−267782A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115255(P2008−115255)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】