エレベータの乗場装置
【課題】乗場ユニットの据付作業性を向上させることができるとともに、乗場ユニットを昇降路へ搬入する際の乗場敷居の損傷や変形を抑えることができるエレベータの乗場装置を提供する。
【解決手段】乗場敷居3は、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12とを有している。出入口側敷居部材10は、一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋ぐように、一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続されている。第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10の長手方向の両端部にその長手方向の延長線上に位置するように、それぞれ取り付けられている。第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10とともに、連続した敷居溝を形成している。
【解決手段】乗場敷居3は、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12とを有している。出入口側敷居部材10は、一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋ぐように、一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続されている。第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10の長手方向の両端部にその長手方向の延長線上に位置するように、それぞれ取り付けられている。第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10とともに、連続した敷居溝を形成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの乗場に設けられるエレベータの乗場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの乗場装置では、エレベータの設置現場でのドアパネルの位置合わせ等の簡略化を図るために、三方枠、乗場ドアパネル、乗場敷居及びハンガーケースが一体化されて、乗場ユニットが構成され、この乗場ユニット単位で出荷・輸送・現地搬入・据付がされる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−310354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のエレベータの乗場装置では、据付時において、乗場壁に設けられた乗場開口を通して建築床から昇降路内に搬入される。この搬入作業では、乗場ユニットが建築床に寝かされた状態で、ハンガーケースの長手方向の一端部、ハンガーケースの長手方向の他端部、乗場敷居の長手方向の一端部、及び乗場敷居の長手方向の他端部がその順に乗場開口を通るように、乗場ユニットが回転されながら建築床から昇降路内に搬入される。そして、乗場ユニットの全体が昇降路内に入ると、乗場ユニットが、乗場開口の開口面に沿うように回転されて据付位置に配置され、固定具によって乗場壁に固定されることにより、乗場に据え付けられる。
【0005】
ここで、一般的な乗場開口の間口寸法は、出入口の間口寸法の+200mmであり、一般的な乗場敷居の長手寸法は、出入口の間口寸法の約2倍の寸法である。このため、乗場開口を通して乗場ユニットを昇降路内に搬入する際に、乗場敷居が乗場壁等に接触しやすく、搬入作業が困難であり、据付作業性が低下していた。
【0006】
また、エレベータの昇降路の水平断面の面積(かごのサイズ)が比較的小さい場合には、乗場ユニットを乗場開口から昇降路内に搬入することができなかった。このため、現地にて三方枠、乗場の戸、乗場敷居及びハンガーケースのそれぞれを昇降路壁に取り付ける必要があることから、据付作業性が低下しており、据付作業に比較的長い時間を要していた。
【0007】
さらに、乗場敷居が乗場壁等に接触した場合には、乗場敷居が損傷や変形してしまい、乗場敷居の手直し作業等が必要であった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗場ユニットの据付作業性を向上させることができるとともに、乗場ユニットを昇降路へ搬入する際の乗場敷居の損傷や変形を抑えることができるエレベータの乗場装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るエレベータの乗場装置は、互いに間隔をおいて配置された一対の縦柱、及び前記一対の縦柱をその上端部側で繋ぐ上梁を有する乗場三方枠と、前記一対の縦柱に接続されかつ上面に敷居溝が形成された乗場敷居とを備えるものであって、前記乗場敷居は、前記一対の縦柱の下端部同士を繋ぐように前記一対の縦柱の下端部のそれぞれに接続された出入口側敷居部材と、前記出入口側敷居部材の長手方向の端部にその長手方向の延長線上に位置するように取り付けられ、前記出入口側敷居部材とともに連続した前記敷居溝を形成する戸袋側敷居部材とを有するものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るエレベータの乗場装置によれば、出入口側敷居部材が一対の縦柱の下端部同士を繋ぐように一対の縦柱の下端部のそれぞれに接続され、戸袋側敷居部材が出入口側敷居部材に取り付けられることによって連続した敷居溝が形成されるので、出入口側敷居部材及び乗場三方枠を一体的に組み合わせてなる乗場ユニットを昇降路への搬入する際には、出入口側敷居部材が昇降路壁による干渉を受けにくくなることから、据付作業性を向上させることができるとともに、乗場ユニットを昇降路へ搬入する際の乗場敷居の損傷や変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータの乗場装置を示す構成図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1,2の第1及び第2戸袋側敷居部材を取り外した状態の乗場ユニットを示す構成図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1,2の出入口側敷居部材の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】図1,2の出入口側敷居部材を示す側面図である。
【図7】図1,2の第1戸袋側敷居部材を示す平面図である。
【図8】図1,2の第1戸袋側敷居部材を示す側面図である。
【図9】図1,2の出入口側敷居部材及び第1戸袋側敷居部材の組み合わせ状態を示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材の一部を拡大して示す平面図である。
【図11】この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材を示す側面図である。
【図12】この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材を示す平面図である。
【図13】この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材を示す側面図である。
【図14】図10〜13に示す出入口側敷居部材及び第1戸袋側敷居部材の組み合わせ状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータの乗場装置を示す構成図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。なお、図1,2では、乗場ユニット100の据付後の状態を示す。
図1,2において、建物の乗場壁(昇降路壁)1には、乗場開口1aが設けられている。乗場壁1の昇降路側には、乗場ユニット100が据え付けられている。据付後の状態の乗場ユニット100は、乗場三方枠2、乗場敷居3、縦補強材4A,4B、ハンガーケース5、及び一対の乗場ドアパネル6A,6Bを含んでいる。
【0013】
乗場三方枠2は、一対の縦柱(縦枠)7A,7Bと、上梁(上枠)8とを有している。一対の縦柱7A,7Bは、互いに間隔をおいて配置されている。また、一対の縦柱7A,7Bは、乗場出入口1bの側部をなしている。上梁8は、一対の縦柱7A,7Bの上端部同士を繋いでいる。また、上梁8は、乗場出入口1bの天井部をなしている。
【0014】
乗場敷居3は、一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続され、一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋いでいる。また、乗場敷居3の上面部には、一対の乗場ドアパネル6A,6Bの脚部の移動を案内するための敷居溝が形成されている。さらに、乗場敷居3は、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材(追加敷居部材)11,12とを有している。即ち、乗場敷居3は、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12とによる分割構造を有している。
【0015】
出入口側敷居部材10は、一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋ぐように、一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続されている。また、出入口側敷居部材10の上面部には、敷居溝の一部をなす出入口側敷居溝10aが形成されている。さらに、出入口側敷居部材10は、アンカーボルト(図示せず)によって、乗場の建築床に固定されている。また、出入口側敷居部材10の長手寸法(図1,2の左右の寸法)は、乗場壁の乗場開口1aの間口寸法と同等となるような寸法である。
【0016】
第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10の長手方向の両端部にその長手方向の延長線上に位置するように、それぞれ取り付けられている。また、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12の幅は、出入口側敷居部材10の幅よりも小さい幅である。
【0017】
さらに、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12のそれぞれの上面部には、戸袋側敷居溝11a,12aが形成されている。戸袋側敷居溝11a,12aは、出入口側敷居溝10aと連続している。即ち、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10とともに、連続した敷居溝を形成している。なお、戸袋側敷居溝11a,12aの溝幅は、出入口側敷居溝10aの溝幅以上である(11a,12a≧10a)。
【0018】
一対の縦補強材4A,4Bは、それぞれ一対の縦柱7A,7Bの互いに対向する方向の外側に、一対の縦柱7A,7Bから間隔をおいて設けられている。また、一対の縦補強材4A,4Bは、上下方向に沿って配置されている。さらに、一対の縦補強材4A,4Bの下端部は、それぞれ出入口側敷居部材10の長手方向の両端部に取り付けられている。
【0019】
ハンガーケース5は、一対の縦補強材4A,4Bの上端部に、一対の縦補強材4A,4B間を渡すように、取り付けられている。また、ハンガーケース5は、乗場ドアパネル6A,6Bの開閉移動を案内するための開閉機構(図示せず)を有している。一対の乗場ドアパネル6A,6Bの上部は、開閉機構に接続され、ハンガーケース5によって支持されている。また、一対の乗場ドアパネル6A,6Bの脚部は、敷居溝に挿入されている。なお、図3は、図1,2の第1及び第2戸袋側敷居部材11,12を取り外した状態の乗場ユニット100を示す構成図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【0020】
次に、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12との構成についてより具体的に説明する。図5は、図1,2の出入口側敷居部材10の一部を拡大して示す平面図である。図6は、図1,2の出入口側敷居部材10を示す側面図である。図7は、図1,2の第1戸袋側敷居部材11を示す平面図である。図8は、図1,2の第1戸袋側敷居部材11を示す側面図である。図9は、図1,2の出入口側敷居部材10及び第1戸袋側敷居部材11の組み合わせ状態を示す平面図である。
【0021】
図5,6に示すように、出入口側敷居部材10の上面部における長手方向の両端部には、それぞれ接続用凹部10bが設けられている。また、接続用凹部10bの底部には、複数のねじ孔10cが設けられている。図7,8に示すように、第1戸袋側敷居部材11の長手方向の一端部における戸袋側敷居溝11aの底部には、複数の皿孔11bが設けられている。
【0022】
出入口側敷居部材10と第1戸袋側敷居部材11とを組み合わせる際には、まず、第1戸袋側敷居部材11が、出入口側敷居部材10の接続用凹部10bに挿入される。そして、図9に示すように、締結部材としての皿ねじ13が、第1戸袋側敷居部材11の皿孔11bに挿入されて、出入口側敷居部材10のねじ孔10cに螺入される。従って、第1戸袋側敷居部材11は、皿ねじ13によって締結されて、出入口側敷居部材10に取り付けられている。なお、第2戸袋側敷居部材12の構成は、第1戸袋側敷居部材11の構成と同様である。
【0023】
次に、乗場ユニット100の据付作業について説明する。まず、工場出荷状態として、図3に示すように、乗場三方枠2、一対の縦補強材4A,4B、ハンガーケース5、一対の乗場ドアパネル6A,6B、及び出入口側敷居部材10が一体的に組み合わされて、乗場ユニット100が構成される。
【0024】
据付現場では、乗場ユニット100が建築床に寝かされた状態で配置され、この状態で、ハンガーケース5の長手方向の一端部、ハンガーケース5の長手方向の他端部がその順に乗場開口1aを通るように、乗場ユニット100が回転されながら建築床から昇降路内に搬入される。そして、乗場ユニット100の全体が昇降路内に入ると、乗場ユニット100が、乗場開口1aの開口面に沿うように回転されて据付位置に配置され、固定具によって乗場壁1に固定される。
【0025】
この後に、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が、それぞれ出入口側敷居部材10の長手方向の両端部に取り付けられ、乗場ユニット100が、図1,2に示すような状態となる。ここで、出入口側敷居部材10と第1及び第2戸袋側敷居部材11,12との接続箇所は、乗場出入口1bの間口方向の戸袋側に配置されている。このため、乗場ドアパネル6A,6Bが全開位置に配置された状態(乗場ドアの全開状態)において、出入口側敷居部材10と第1及び第2戸袋側敷居部材11,12との接続箇所(締結箇所)の上方に乗場ドアパネル6A,6Bが配置されることから、当該接続箇所が乗場出入口1bを通る利用者から目視されることはなく、乗場出入口1bの意匠性の低下を抑えることができる。
【0026】
以上のように、実施の形態1のエレベータの乗場装置によれば、出入口側敷居部材10が一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋ぐように一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続され、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に取り付けられることによって連続した敷居溝が形成される。この構成により、出入口側敷居部材及び乗場三方枠を一体的に組み合わせてなる乗場ユニット100を昇降路への搬入する際には、出入口側敷居部材10が昇降路壁1による干渉を受けにくくなることから、据付作業性を向上させることができる。これに加えて、昇降路への乗場ユニット100の搬入後において、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に取り付けられることから、乗場ユニット100を昇降路へ搬入する際の乗場敷居3の損傷や変形を抑えることができる。
【0027】
また、搬入時の乗場敷居3の損傷や変形が抑えられることから、据付時の乗場敷居3の手直し作業を省略することができる。これに加えて、乗場敷居3の製品品質を向上させることができ、据付後の保守時の乗場敷居3についての点検時間を短縮することができる。
【0028】
さらに、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12の幅が出入口側敷居部材10の幅よりも小さいので、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12についての材料費を低減することができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1では、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に皿ねじ13によって締結されて取り付けられた。これに対して、実施の形態2では、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12の挿入部が出入口側敷居部材10の被挿入部に挿入されて、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に取り付けられる。
【0030】
図10は、この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材10の一部を拡大して示す平面図である。図11は、この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材10を示す側面図である。図10,11において、実施の形態2の出入口側敷居部材10の長手方向の両端における出入口側敷居溝10aの底部には、被挿入部としての被挿入溝(差し込み溝)10dが設けられている。また、実施の形態2の出入口側敷居部材10では、実施の形態1における接続用凹部10b及びねじ孔10cが省略されている。
【0031】
図12は、この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材11を示す平面図である。図13は、この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材11を示す側面図である。図12,13において、実施の形態2の第1戸袋側敷居部材11の長手方向の一端部には、挿入部11cが設けられている。また、実施の形態2の第1戸袋側敷居部材11では、実施の形態1における皿孔11bが省略されている。なお、第2戸袋側敷居部材12の構成は、第1戸袋側敷居部材11の構成と同様である。
【0032】
図14は、図10〜13に示す出入口側敷居部材10及び第1戸袋側敷居部材11の組み合わせ状態を示す平面図である。図14に示すように、出入口側敷居部材10の被挿入溝10dに第1戸袋側敷居部材11の挿入部11cが挿入されて、第1戸袋側敷居部材11が出入口側敷居部材10に取り付けられる。なお、他の構成は、実施の形態1と同様である。ここで、例えば、被挿入溝10dの奥部に係合溝を設け、かつ挿入部11cの先端部に係合爪を設けて、これらの係合溝及び係合爪を係合させて、第1戸袋側敷居部材11を出入口側敷居部材10に固定してもよい。
【0033】
上記のような実施の形態2のエレベータの乗場装置によれば、出入口側敷居部材10の被挿入溝10dに第1戸袋側敷居部材11の挿入部11cが挿入されて、第1戸袋側敷居部材11が出入口側敷居部材10に取り付けられる。この構成により、実施の形態1における皿ねじ13を省略することができ、乗場ユニット100の据付作業時の締結行程が不要となることから、据付作業性をより向上させることができる。
【0034】
なお、実施の形態1,2では、両開き式の乗場ドア装置をもつエレベータの乗場装置について説明した。しかしながら、この例に限定するものではなく、この発明は、片開き式の乗場ドア装置をもつエレベータの乗場装置に適用してもよい。
【0035】
また、実施の形態1,2では、一対の乗場ドアパネル6A,6Bの2つの乗場ドアパネルが用いられた。しかしながら、乗場ドアパネルの数は、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0036】
さらに、実施の形態1,2では、出入口側敷居部材10の長手寸法が乗場開口1aの間口寸法と同等の寸法であった。しかしながら、この例に限定するものではなく、出入口側敷居部材10の長手寸法が乗場開口1aの間口寸法よりも大きくても小さくてもよい。但し、出入口側敷居部材10の長手寸法は、乗場出入口1bの間口寸法よりも大きい寸法で、かつ乗場開口1aの間口寸法以下の寸法がより好ましい。
【0037】
また、実施の形態1,2では、工場出荷状態の乗場ユニット100にハンガーケース5と一対の乗場ドアパネル6A,6Bとが含まれていた。しかしながら、この例に限定するものではなく、工場出荷状態の乗場ユニット100からハンガーケース5及び乗場ドアパネル6A,6Bを省略してもよい。この場合、建築床から昇降路内に乗場ユニット100を搬入する際に、乗場ユニット100を回転させる必要がなくなることから、搬入時の作業性をより向上させることができる。
【0038】
さらに、実施の形態1,2では、工場出荷状態の乗場ユニット100に一対の補強材4A,4Bが含まれていた。しかしながら、この例に限定するものではなく、工場出荷状態の乗場ユニット100から一対の補強材4A,4Bを省略し、乗場三方枠2の一対の縦柱7A,7B、又は上梁8にハンガーケース5を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 昇降路壁、1a 乗場開口、1b 乗場出入口、2 乗場三方枠、3 乗場敷居、5 ハンガーケース、6A,6B 乗場ドアパネル、7A,7B 縦柱、8 上梁、10 出入口側敷居部材、10a 出入口側敷居溝、10b 接続用凹部、10d 被挿入溝(被挿入部)、11,12 第1及び第2戸袋側敷居部材、11a,12a 戸袋側敷居溝、11c 挿入部、13 皿ねじ(締結部材)、100 乗場ユニット。
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの乗場に設けられるエレベータの乗場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの乗場装置では、エレベータの設置現場でのドアパネルの位置合わせ等の簡略化を図るために、三方枠、乗場ドアパネル、乗場敷居及びハンガーケースが一体化されて、乗場ユニットが構成され、この乗場ユニット単位で出荷・輸送・現地搬入・据付がされる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−310354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のエレベータの乗場装置では、据付時において、乗場壁に設けられた乗場開口を通して建築床から昇降路内に搬入される。この搬入作業では、乗場ユニットが建築床に寝かされた状態で、ハンガーケースの長手方向の一端部、ハンガーケースの長手方向の他端部、乗場敷居の長手方向の一端部、及び乗場敷居の長手方向の他端部がその順に乗場開口を通るように、乗場ユニットが回転されながら建築床から昇降路内に搬入される。そして、乗場ユニットの全体が昇降路内に入ると、乗場ユニットが、乗場開口の開口面に沿うように回転されて据付位置に配置され、固定具によって乗場壁に固定されることにより、乗場に据え付けられる。
【0005】
ここで、一般的な乗場開口の間口寸法は、出入口の間口寸法の+200mmであり、一般的な乗場敷居の長手寸法は、出入口の間口寸法の約2倍の寸法である。このため、乗場開口を通して乗場ユニットを昇降路内に搬入する際に、乗場敷居が乗場壁等に接触しやすく、搬入作業が困難であり、据付作業性が低下していた。
【0006】
また、エレベータの昇降路の水平断面の面積(かごのサイズ)が比較的小さい場合には、乗場ユニットを乗場開口から昇降路内に搬入することができなかった。このため、現地にて三方枠、乗場の戸、乗場敷居及びハンガーケースのそれぞれを昇降路壁に取り付ける必要があることから、据付作業性が低下しており、据付作業に比較的長い時間を要していた。
【0007】
さらに、乗場敷居が乗場壁等に接触した場合には、乗場敷居が損傷や変形してしまい、乗場敷居の手直し作業等が必要であった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗場ユニットの据付作業性を向上させることができるとともに、乗場ユニットを昇降路へ搬入する際の乗場敷居の損傷や変形を抑えることができるエレベータの乗場装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るエレベータの乗場装置は、互いに間隔をおいて配置された一対の縦柱、及び前記一対の縦柱をその上端部側で繋ぐ上梁を有する乗場三方枠と、前記一対の縦柱に接続されかつ上面に敷居溝が形成された乗場敷居とを備えるものであって、前記乗場敷居は、前記一対の縦柱の下端部同士を繋ぐように前記一対の縦柱の下端部のそれぞれに接続された出入口側敷居部材と、前記出入口側敷居部材の長手方向の端部にその長手方向の延長線上に位置するように取り付けられ、前記出入口側敷居部材とともに連続した前記敷居溝を形成する戸袋側敷居部材とを有するものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るエレベータの乗場装置によれば、出入口側敷居部材が一対の縦柱の下端部同士を繋ぐように一対の縦柱の下端部のそれぞれに接続され、戸袋側敷居部材が出入口側敷居部材に取り付けられることによって連続した敷居溝が形成されるので、出入口側敷居部材及び乗場三方枠を一体的に組み合わせてなる乗場ユニットを昇降路への搬入する際には、出入口側敷居部材が昇降路壁による干渉を受けにくくなることから、据付作業性を向上させることができるとともに、乗場ユニットを昇降路へ搬入する際の乗場敷居の損傷や変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータの乗場装置を示す構成図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1,2の第1及び第2戸袋側敷居部材を取り外した状態の乗場ユニットを示す構成図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1,2の出入口側敷居部材の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】図1,2の出入口側敷居部材を示す側面図である。
【図7】図1,2の第1戸袋側敷居部材を示す平面図である。
【図8】図1,2の第1戸袋側敷居部材を示す側面図である。
【図9】図1,2の出入口側敷居部材及び第1戸袋側敷居部材の組み合わせ状態を示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材の一部を拡大して示す平面図である。
【図11】この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材を示す側面図である。
【図12】この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材を示す平面図である。
【図13】この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材を示す側面図である。
【図14】図10〜13に示す出入口側敷居部材及び第1戸袋側敷居部材の組み合わせ状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータの乗場装置を示す構成図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。なお、図1,2では、乗場ユニット100の据付後の状態を示す。
図1,2において、建物の乗場壁(昇降路壁)1には、乗場開口1aが設けられている。乗場壁1の昇降路側には、乗場ユニット100が据え付けられている。据付後の状態の乗場ユニット100は、乗場三方枠2、乗場敷居3、縦補強材4A,4B、ハンガーケース5、及び一対の乗場ドアパネル6A,6Bを含んでいる。
【0013】
乗場三方枠2は、一対の縦柱(縦枠)7A,7Bと、上梁(上枠)8とを有している。一対の縦柱7A,7Bは、互いに間隔をおいて配置されている。また、一対の縦柱7A,7Bは、乗場出入口1bの側部をなしている。上梁8は、一対の縦柱7A,7Bの上端部同士を繋いでいる。また、上梁8は、乗場出入口1bの天井部をなしている。
【0014】
乗場敷居3は、一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続され、一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋いでいる。また、乗場敷居3の上面部には、一対の乗場ドアパネル6A,6Bの脚部の移動を案内するための敷居溝が形成されている。さらに、乗場敷居3は、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材(追加敷居部材)11,12とを有している。即ち、乗場敷居3は、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12とによる分割構造を有している。
【0015】
出入口側敷居部材10は、一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋ぐように、一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続されている。また、出入口側敷居部材10の上面部には、敷居溝の一部をなす出入口側敷居溝10aが形成されている。さらに、出入口側敷居部材10は、アンカーボルト(図示せず)によって、乗場の建築床に固定されている。また、出入口側敷居部材10の長手寸法(図1,2の左右の寸法)は、乗場壁の乗場開口1aの間口寸法と同等となるような寸法である。
【0016】
第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10の長手方向の両端部にその長手方向の延長線上に位置するように、それぞれ取り付けられている。また、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12の幅は、出入口側敷居部材10の幅よりも小さい幅である。
【0017】
さらに、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12のそれぞれの上面部には、戸袋側敷居溝11a,12aが形成されている。戸袋側敷居溝11a,12aは、出入口側敷居溝10aと連続している。即ち、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12は、出入口側敷居部材10とともに、連続した敷居溝を形成している。なお、戸袋側敷居溝11a,12aの溝幅は、出入口側敷居溝10aの溝幅以上である(11a,12a≧10a)。
【0018】
一対の縦補強材4A,4Bは、それぞれ一対の縦柱7A,7Bの互いに対向する方向の外側に、一対の縦柱7A,7Bから間隔をおいて設けられている。また、一対の縦補強材4A,4Bは、上下方向に沿って配置されている。さらに、一対の縦補強材4A,4Bの下端部は、それぞれ出入口側敷居部材10の長手方向の両端部に取り付けられている。
【0019】
ハンガーケース5は、一対の縦補強材4A,4Bの上端部に、一対の縦補強材4A,4B間を渡すように、取り付けられている。また、ハンガーケース5は、乗場ドアパネル6A,6Bの開閉移動を案内するための開閉機構(図示せず)を有している。一対の乗場ドアパネル6A,6Bの上部は、開閉機構に接続され、ハンガーケース5によって支持されている。また、一対の乗場ドアパネル6A,6Bの脚部は、敷居溝に挿入されている。なお、図3は、図1,2の第1及び第2戸袋側敷居部材11,12を取り外した状態の乗場ユニット100を示す構成図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【0020】
次に、出入口側敷居部材10と、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12との構成についてより具体的に説明する。図5は、図1,2の出入口側敷居部材10の一部を拡大して示す平面図である。図6は、図1,2の出入口側敷居部材10を示す側面図である。図7は、図1,2の第1戸袋側敷居部材11を示す平面図である。図8は、図1,2の第1戸袋側敷居部材11を示す側面図である。図9は、図1,2の出入口側敷居部材10及び第1戸袋側敷居部材11の組み合わせ状態を示す平面図である。
【0021】
図5,6に示すように、出入口側敷居部材10の上面部における長手方向の両端部には、それぞれ接続用凹部10bが設けられている。また、接続用凹部10bの底部には、複数のねじ孔10cが設けられている。図7,8に示すように、第1戸袋側敷居部材11の長手方向の一端部における戸袋側敷居溝11aの底部には、複数の皿孔11bが設けられている。
【0022】
出入口側敷居部材10と第1戸袋側敷居部材11とを組み合わせる際には、まず、第1戸袋側敷居部材11が、出入口側敷居部材10の接続用凹部10bに挿入される。そして、図9に示すように、締結部材としての皿ねじ13が、第1戸袋側敷居部材11の皿孔11bに挿入されて、出入口側敷居部材10のねじ孔10cに螺入される。従って、第1戸袋側敷居部材11は、皿ねじ13によって締結されて、出入口側敷居部材10に取り付けられている。なお、第2戸袋側敷居部材12の構成は、第1戸袋側敷居部材11の構成と同様である。
【0023】
次に、乗場ユニット100の据付作業について説明する。まず、工場出荷状態として、図3に示すように、乗場三方枠2、一対の縦補強材4A,4B、ハンガーケース5、一対の乗場ドアパネル6A,6B、及び出入口側敷居部材10が一体的に組み合わされて、乗場ユニット100が構成される。
【0024】
据付現場では、乗場ユニット100が建築床に寝かされた状態で配置され、この状態で、ハンガーケース5の長手方向の一端部、ハンガーケース5の長手方向の他端部がその順に乗場開口1aを通るように、乗場ユニット100が回転されながら建築床から昇降路内に搬入される。そして、乗場ユニット100の全体が昇降路内に入ると、乗場ユニット100が、乗場開口1aの開口面に沿うように回転されて据付位置に配置され、固定具によって乗場壁1に固定される。
【0025】
この後に、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が、それぞれ出入口側敷居部材10の長手方向の両端部に取り付けられ、乗場ユニット100が、図1,2に示すような状態となる。ここで、出入口側敷居部材10と第1及び第2戸袋側敷居部材11,12との接続箇所は、乗場出入口1bの間口方向の戸袋側に配置されている。このため、乗場ドアパネル6A,6Bが全開位置に配置された状態(乗場ドアの全開状態)において、出入口側敷居部材10と第1及び第2戸袋側敷居部材11,12との接続箇所(締結箇所)の上方に乗場ドアパネル6A,6Bが配置されることから、当該接続箇所が乗場出入口1bを通る利用者から目視されることはなく、乗場出入口1bの意匠性の低下を抑えることができる。
【0026】
以上のように、実施の形態1のエレベータの乗場装置によれば、出入口側敷居部材10が一対の縦柱7A,7Bの下端部同士を繋ぐように一対の縦柱7A,7Bの下端部のそれぞれに接続され、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に取り付けられることによって連続した敷居溝が形成される。この構成により、出入口側敷居部材及び乗場三方枠を一体的に組み合わせてなる乗場ユニット100を昇降路への搬入する際には、出入口側敷居部材10が昇降路壁1による干渉を受けにくくなることから、据付作業性を向上させることができる。これに加えて、昇降路への乗場ユニット100の搬入後において、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に取り付けられることから、乗場ユニット100を昇降路へ搬入する際の乗場敷居3の損傷や変形を抑えることができる。
【0027】
また、搬入時の乗場敷居3の損傷や変形が抑えられることから、据付時の乗場敷居3の手直し作業を省略することができる。これに加えて、乗場敷居3の製品品質を向上させることができ、据付後の保守時の乗場敷居3についての点検時間を短縮することができる。
【0028】
さらに、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12の幅が出入口側敷居部材10の幅よりも小さいので、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12についての材料費を低減することができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1では、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に皿ねじ13によって締結されて取り付けられた。これに対して、実施の形態2では、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12の挿入部が出入口側敷居部材10の被挿入部に挿入されて、第1及び第2戸袋側敷居部材11,12が出入口側敷居部材10に取り付けられる。
【0030】
図10は、この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材10の一部を拡大して示す平面図である。図11は、この発明の実施の形態2による出入口側敷居部材10を示す側面図である。図10,11において、実施の形態2の出入口側敷居部材10の長手方向の両端における出入口側敷居溝10aの底部には、被挿入部としての被挿入溝(差し込み溝)10dが設けられている。また、実施の形態2の出入口側敷居部材10では、実施の形態1における接続用凹部10b及びねじ孔10cが省略されている。
【0031】
図12は、この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材11を示す平面図である。図13は、この発明の実施の形態2による第1戸袋側敷居部材11を示す側面図である。図12,13において、実施の形態2の第1戸袋側敷居部材11の長手方向の一端部には、挿入部11cが設けられている。また、実施の形態2の第1戸袋側敷居部材11では、実施の形態1における皿孔11bが省略されている。なお、第2戸袋側敷居部材12の構成は、第1戸袋側敷居部材11の構成と同様である。
【0032】
図14は、図10〜13に示す出入口側敷居部材10及び第1戸袋側敷居部材11の組み合わせ状態を示す平面図である。図14に示すように、出入口側敷居部材10の被挿入溝10dに第1戸袋側敷居部材11の挿入部11cが挿入されて、第1戸袋側敷居部材11が出入口側敷居部材10に取り付けられる。なお、他の構成は、実施の形態1と同様である。ここで、例えば、被挿入溝10dの奥部に係合溝を設け、かつ挿入部11cの先端部に係合爪を設けて、これらの係合溝及び係合爪を係合させて、第1戸袋側敷居部材11を出入口側敷居部材10に固定してもよい。
【0033】
上記のような実施の形態2のエレベータの乗場装置によれば、出入口側敷居部材10の被挿入溝10dに第1戸袋側敷居部材11の挿入部11cが挿入されて、第1戸袋側敷居部材11が出入口側敷居部材10に取り付けられる。この構成により、実施の形態1における皿ねじ13を省略することができ、乗場ユニット100の据付作業時の締結行程が不要となることから、据付作業性をより向上させることができる。
【0034】
なお、実施の形態1,2では、両開き式の乗場ドア装置をもつエレベータの乗場装置について説明した。しかしながら、この例に限定するものではなく、この発明は、片開き式の乗場ドア装置をもつエレベータの乗場装置に適用してもよい。
【0035】
また、実施の形態1,2では、一対の乗場ドアパネル6A,6Bの2つの乗場ドアパネルが用いられた。しかしながら、乗場ドアパネルの数は、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0036】
さらに、実施の形態1,2では、出入口側敷居部材10の長手寸法が乗場開口1aの間口寸法と同等の寸法であった。しかしながら、この例に限定するものではなく、出入口側敷居部材10の長手寸法が乗場開口1aの間口寸法よりも大きくても小さくてもよい。但し、出入口側敷居部材10の長手寸法は、乗場出入口1bの間口寸法よりも大きい寸法で、かつ乗場開口1aの間口寸法以下の寸法がより好ましい。
【0037】
また、実施の形態1,2では、工場出荷状態の乗場ユニット100にハンガーケース5と一対の乗場ドアパネル6A,6Bとが含まれていた。しかしながら、この例に限定するものではなく、工場出荷状態の乗場ユニット100からハンガーケース5及び乗場ドアパネル6A,6Bを省略してもよい。この場合、建築床から昇降路内に乗場ユニット100を搬入する際に、乗場ユニット100を回転させる必要がなくなることから、搬入時の作業性をより向上させることができる。
【0038】
さらに、実施の形態1,2では、工場出荷状態の乗場ユニット100に一対の補強材4A,4Bが含まれていた。しかしながら、この例に限定するものではなく、工場出荷状態の乗場ユニット100から一対の補強材4A,4Bを省略し、乗場三方枠2の一対の縦柱7A,7B、又は上梁8にハンガーケース5を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 昇降路壁、1a 乗場開口、1b 乗場出入口、2 乗場三方枠、3 乗場敷居、5 ハンガーケース、6A,6B 乗場ドアパネル、7A,7B 縦柱、8 上梁、10 出入口側敷居部材、10a 出入口側敷居溝、10b 接続用凹部、10d 被挿入溝(被挿入部)、11,12 第1及び第2戸袋側敷居部材、11a,12a 戸袋側敷居溝、11c 挿入部、13 皿ねじ(締結部材)、100 乗場ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された一対の縦柱、及び前記一対の縦柱をその上端部側で繋ぐ上梁を有する乗場三方枠と、
前記一対の縦柱に接続されかつ上面に敷居溝が形成された乗場敷居と
を備えるエレベータの乗場装置であって、
前記乗場敷居は、
前記一対の縦柱の下端部同士を繋ぐように前記一対の縦柱の下端部のそれぞれに接続された出入口側敷居部材と、
前記出入口側敷居部材の長手方向の端部にその長手方向の延長線上に位置するように取り付けられ、前記出入口側敷居部材とともに連続した前記敷居溝を形成する戸袋側敷居部材と
を有することを特徴とするエレベータの乗場装置。
【請求項2】
前記出入口側敷居部材の長手寸法は、乗場壁の乗場開口の間口寸法と同等となるような寸法である
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの乗場装置。
【請求項3】
開閉機構を有するハンガーケースと、
上部が前記開閉機構に接続され、かつ脚部が前記敷居溝に挿入された乗場ドアパネルと
をさら備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの乗場装置。
【請求項4】
前記戸袋側敷居部材の長手方向の端部には、挿入部が設けられ、
前記出入口側敷居部材の長手方向の端部には、被挿入部が設けられ、
前記戸袋側敷居部材は、前記被挿入部に前記挿入部が挿入されることによって、前記出入口側敷居部材に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータの乗場装置。
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された一対の縦柱、及び前記一対の縦柱をその上端部側で繋ぐ上梁を有する乗場三方枠と、
前記一対の縦柱に接続されかつ上面に敷居溝が形成された乗場敷居と
を備えるエレベータの乗場装置であって、
前記乗場敷居は、
前記一対の縦柱の下端部同士を繋ぐように前記一対の縦柱の下端部のそれぞれに接続された出入口側敷居部材と、
前記出入口側敷居部材の長手方向の端部にその長手方向の延長線上に位置するように取り付けられ、前記出入口側敷居部材とともに連続した前記敷居溝を形成する戸袋側敷居部材と
を有することを特徴とするエレベータの乗場装置。
【請求項2】
前記出入口側敷居部材の長手寸法は、乗場壁の乗場開口の間口寸法と同等となるような寸法である
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの乗場装置。
【請求項3】
開閉機構を有するハンガーケースと、
上部が前記開閉機構に接続され、かつ脚部が前記敷居溝に挿入された乗場ドアパネルと
をさら備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの乗場装置。
【請求項4】
前記戸袋側敷居部材の長手方向の端部には、挿入部が設けられ、
前記出入口側敷居部材の長手方向の端部には、被挿入部が設けられ、
前記戸袋側敷居部材は、前記被挿入部に前記挿入部が挿入されることによって、前記出入口側敷居部材に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータの乗場装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−148620(P2011−148620A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12844(P2010−12844)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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