エレベータの遮煙ドア装置及び遮煙ドア装置の据付方法
【課題】三方枠が荒れていても遮煙ドアを組み合わせることができるエレベータの遮煙ドア装置の提供。
【解決手段】エレベータの遮煙ドア装置51は、三方枠縦枠2に支持されたはぜ折帯13と、遮煙ドアとしての乗場ドア4に支持され、はぜ折帯及び遮煙ドアの間の隙間を塞ぐ遮煙部材10とを備える。はぜ折帯は、三方枠の対応する表面を覆うように設けられている。はぜ折帯は、板状部材をはぜ折りすることで部分的に重なった重なり部と、非重なり部とを有する。はぜ折帯は、非重なり部において、トラスタッピンねじ16によって三方枠の対応する表面に取り付けられている。遮煙部材は、はぜ折帯における重なり部と当接することで、前述した隙間を塞ぐ。
【解決手段】エレベータの遮煙ドア装置51は、三方枠縦枠2に支持されたはぜ折帯13と、遮煙ドアとしての乗場ドア4に支持され、はぜ折帯及び遮煙ドアの間の隙間を塞ぐ遮煙部材10とを備える。はぜ折帯は、三方枠の対応する表面を覆うように設けられている。はぜ折帯は、板状部材をはぜ折りすることで部分的に重なった重なり部と、非重なり部とを有する。はぜ折帯は、非重なり部において、トラスタッピンねじ16によって三方枠の対応する表面に取り付けられている。遮煙部材は、はぜ折帯における重なり部と当接することで、前述した隙間を塞ぐ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータのリフォームにおいて既存の三方枠に新設の遮煙ドアを組み合わせる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータの遮煙ドアとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。これら従来の遮煙ドアは、乗場ドアにおいて当該ドアと一体的に移動するように遮煙部材が設けられたものであった。そして、ドア全閉時、遮煙部材が、乗場乗降口を画定する三方枠と乗場ドア部分との間の隙間を塞ぐようになっていた。
【0003】
しかしながら、エレベータのリフォームにおいて既存の三方枠に新設の遮煙ドアを組み合わせようとした場合、既存の三方枠の表面状態が荒れていると遮煙部材の所期の効果が得られない恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−352428号公報
【特許文献2】特開2005−272099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、三方枠が荒れていても遮煙ドアを好適に組み合わせることができるエレベータの遮煙ドア装置及び遮煙ドア装置の据付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明のエレベータの遮煙ドア装置は、三方枠に支持されたはぜ折帯と、遮煙ドアに支持され、前記はぜ折帯及び該遮煙ドアの間の隙間を塞ぐ遮煙部材とを備え、前記はぜ折帯は、前記三方枠の対応する表面を覆うように設けられており、前記はぜ折帯は、板状部材をはぜ折りすることで部分的に重なった重なり部と、非重なり部とを有し、前記はぜ折帯は、前記非重なり部において、ねじ部材によって前記三方枠の対応する表面に取り付けられており、前記遮煙部材は、前記はぜ折帯における前記重なり部と当接することで、前記隙間を塞ぐ。
さらに、同目的を達成するための本発明のエレベータの遮煙ドア装置の据付方法は、遮煙ドアに支持された遮煙部材と三方枠に支持されたはぜ折帯とが当接することで、前記はぜ折帯及び前記遮煙ドアの間の隙間を塞ぐものであって、板状部材の一端側を部分的に重なるようにはぜ折りすることで、部分的に重なった重なり部と非重なり部とを有する前記はぜ折帯を用意する工程と、前記はぜ折帯を前記三方枠の対応する表面を覆うように配置する配置工程と、前記非重なり部において、ねじ部材によって、前記はぜ折帯を前記三方枠に固定する固定工程とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、三方枠が荒れていても遮煙ドアを好適に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置を適用するエレベータの乗場を示す斜視図である。
【図2】乗場乗降口近傍に関する平面図である。
【図3】図2のIII部分を拡大して示す図である。
【図4】(a)は、本実施の形態におけるはぜ折帯を示し、(b)及び(c)は、はぜ折帯とねじとの関係を示す図である。
【図5】はぜ折帯の穴に合わせて三方枠に移し穴を加工する作業を示す図である。
【図6】図5の状態に関する平面図である。
【図7】移し穴加工の完了後に、はぜ折帯における位置決め部分を切り離す作業を示す図である。
【図8】比較例に関する図3と同態様の図である。
【図9】比較例に関する図4と同態様の図である。
【図10】比較例に関する図5と同態様の図である。
【図11】比較例に関する図6と同態様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るエレベータの遮煙ドア装置の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
【0010】
図1は、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置を適用するエレベータの乗場を示す斜視図である。また、図2は、乗場乗降口近傍に関する平面図である。図示されるように、エレベータの乗場1には、左右一対の三方枠縦枠2と三方枠上枠3とによって乗場乗降口が画定されている。かかる乗場乗降口は、乗場ドア4によって開閉される。また、三方枠縦枠2及び三方枠上枠3の外側には、乗場壁7があって、この乗場壁7には、乗場インジケータ5や乗場ボタン6が設けられている。
【0011】
次に、図3及び図4に基づいて、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置について説明する。図3は、図2のIII部分を拡大して示す図である。図4の(a)は、本実施の形態におけるはぜ折帯を示し、図4の(b)及び(c)は、はぜ折帯のボルト通し用丸穴とトラスタッピンねじとの関係を示す図である。エレベータの遮煙ドア装置51は、三方枠に支持されたはぜ折帯13と、遮煙ドアである乗場ドア4に支持された遮煙部材としての遮煙シート10とを備えている。遮煙シート10は、はぜ折帯13及び乗場ドア4の間の隙間を塞ぐ。
【0012】
はぜ折帯13は、重なり部13eと、非重なり部13fとを有している。はぜ折帯13は、成形前は単純な板状部材であり、その板状部材の一端側だけを部分的に重なるようにはぜ折りすることで成形される。重なり部13eは、その部分的に重なった部分であり、非重なり部13fは、重なりから逸れた部分である。成形後のはぜ折帯13における重なり部13e側の先端部は、ヘアピン状の大きなRを持った曲部となっている。
【0013】
また、非重なり部13fの厚さは、もともとの板状部材の厚さ分だけである。これに対し、重なり部13eの厚さは、少なくとも非重なり部13fの厚さよりも大きく、成形前の板状部材の厚さが均一であり且つはぜ折りを一回だけ行った本実施の形態の例ならば、非重なり部13fの厚さの
2倍程度の厚さとなっている。なお、重なり部13eと非重なり部13fとの間には、段差部13gが存在しており、この段差部13gは、成形前のもともとの板状部材の端部によって形成されている。
【0014】
はぜ折帯13は、三方枠の対応する表面を覆うように設けられている。より詳細には次のとおりである。まず、三方枠縦枠2は、乗場側表面2a、奥行形成面2b及び昇降路側表面2cを含んでいる。そして、本実施の形態では、乗場ドア4が三方枠縦枠2の昇降路側表面2cよりもさらに昇降路側に配置されていることから、はぜ折帯13は、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cを覆うように取り付けられる。
【0015】
はぜ折帯13は、そのはぜ折部13a(段差部13g)を、乗場ドア4側(昇降路側)に向けるようにして、三方枠縦枠2に取り付けられる。換言するならば、重なり部13eと非重なり部13fとが面一となっている平坦な面を、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cと当接させるようにして取り付けられる。はぜ折帯13の非重なり部13fには、ボルト通し用丸穴13bが貫通しており、このボルト通し用丸穴13bに挿通されたねじ部材としてのトラスタッピンねじ16によって、はぜ折帯13は三方枠縦枠2に固定される。トラスタッピンねじ16の頭部は、三方枠縦枠2と逆側、すなわち、はぜ折部13a(段差部13g)の存在する側に配置される。
【0016】
遮煙シート10は、三方枠に向けて突出した凸状部分を含んだ部材であり、遮煙シート押さえ9を介して、乗場ドア4の側端面に固定されている。遮煙シート押さえ9は、ビス9aによって、乗場ドア4に固定されている。遮煙シート10は、はぜ折帯13におけるはぜ折部13a(重なり部13e)と当接することで、はぜ折帯13と乗場ドア4との間の隙間を塞いでいる。
【0017】
次に、エレベータの遮煙ドア装置51の設置方法について説明する。図5は、はぜ折帯の穴に合わせて三方枠に移し穴を加工する作業を示す図である。図6は、図5の状態に関する平面図である。また、図7は、移し穴加工の完了後に、はぜ折帯における位置決め部分を切り離す作業を示す図である。
【0018】
まず、図5及び図6に示されるように、はぜ折帯13を三方枠縦枠2の昇降路側表面2cに対して適切な状態に配置する。このとき、はぜ折帯13は、上下複数設けられた位置決め用曲げ耳部13cを用いて、三方枠縦枠2に対して適切な取り付け位置に位置決めされる。位置決め用曲げ耳部13cはそれぞれ、はぜ折帯13の一方側の側部に設けられた三方枠側に屈曲された部分である。また、この位置決め用曲げ耳部13cは、非重なり部13fと一体的に形成されている部分であり、前述のように、はぜ折帯13は、もともと板状の部材であることから、位置決め用曲げ耳部13cは、この板状の部材の一部として容易に形成しておくことができる。
【0019】
はぜ折帯13は、この位置決め用曲げ耳部13cを三方枠縦枠2の昇降路側表面2cの角部に引っ掛けるようにして配置することで、適切な位置へとセットすることができる。また、はぜ折帯13における非重なり部13fの上には、マグネット押え治具14を配置し、磁力によってマグネット押え治具14が三方枠縦枠2に吸着される力をもって、はぜ折帯13を位置決めされた適切な位置に保持しておく。
【0020】
次に、穴あけドリル工具12を用いて、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cに対して、はぜ折帯13のボルト通し用丸穴13bと対応する位置に、固定用の穴を開ける。これらの固定用の穴に、ボルト通し用丸穴13bを貫通させてトラスタッピンねじ16を螺合させることによって、はぜ折帯13を三方枠縦枠2に適切に固定する。トラスタッピンねじ16によるはぜ折帯13の固定が完了したならば、図7に示されるように、位置決め用曲げ耳部13cを非重なり部13fに対して例えば2、3回程度折り曲げるようにして動かすことで、位置決め用曲げ耳部13cを非重なり部13fから切り離す。このとき、位置決め用曲げ耳部13cの基部には、切り取り用角穴(切り取り用穴)13dが形成されており、また、位置決め用曲げ耳部13cも非重なり部13fも重なり部13eとは異なり板厚が比較的薄いことから、作業者の手15で簡単且つきれいに切り離すことができる。
【0021】
次に、図8〜図11に記載した比較例との比較をしながら、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置51の優れた作用について説明する。図8〜図11はそれぞれ、比較例に関する図3〜図6と同態様の図である。
【0022】
既存の三方枠に遮煙ドアを組み合わせる場合、既存の三方枠縦枠の塗装面は面一ではなく荒れていることが多い。ここで、既存の三方枠はコンクリートに固定されているため、まず、取り外すのがたいへん困難である。さらに、既存の三方枠を取り外さずに塗装を修正する場合、旧塗装のはく離、下地仕上げ、下地塗装、仕上げ塗装と大変な作業となり、高い技術力が必要で作業期間も長く掛かり、結果として高価となる等、なかなか面一の面を得るのは困難であった。かかる問題に関し、まず、本発明以外の態様として、比較例の態様を挙げる。
【0023】
すなわち、比較例は、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cに、ステンレスなどの磨きフラットバー(平板)を張る態様である。磨きフラットバー8には、皿取り穴8bを含むボルト通し穴8aが設けられている。さらに、マグネット押え治具11及び位置決め材11aを用いて、磨きフラットバー8を適所に保持した状態で、ボルト通し穴8aと対応させて、三方枠縦枠2に移し穴加工を行う。そして、磨きフラットバー8は、ボルト通し穴8aを貫通する皿タッピンねじ8cによって、三方枠縦枠2に固定される。
【0024】
しかしながら、かかる比較例では、まず、磨きフラットバー8自体が、特殊品であり、且つ、非常に材料が高価であるといった問題が生じる。さらに、磨きフラットバー8を薄板にしてしまうと、ボルトで止めた部分と止めない部分との間で浮き上がり変形が生じるので、磨きフラットバー8には、厚みがある部材を用いるしかなく、このこともコストが上がる一因となってしまう。
【0025】
また、磨きフラットバー8では、ボルトの頭が表面に出ないようにするため皿ねじで三方枠に止める必要があり、このため工場にて、ドリル穴と皿穴との加工や面取り加工が必要となる。しかも、磨きフラットバー8は、材質が硬いので、かかる加工は大変であるといった問題もある。加えて、皿取り穴8bと皿タッピンねじ8cとの組み合わせでは、図9の(b)に示されるように精度が確保されているときはよいが、図9の(c)に示されるようにピッチ誤差が生じてしまうと、皿タッピンねじ8cの頭部が磨きフラットバー8の表面から浮き上がってしまう恐れもある。
【0026】
また、前述した理由より、磨きフラットバー8にはある程度の厚みのある部材を用いる必要があるが、マグネット押え治具11を用いた保持の際に、厚みがある分、磁力が磨きフラットバー8を通過しくい傾向も生じ、位置決めした磨きフラットバー8の押さえがずれる恐れもある。さらに、位置決め材11aは、厚みのある磨きフラットバー8に形成することは困難であり、マグネット押え治具11に対して設けることとなり、位置決めと押さえとを別個独立して行うことができないので、位置決め及び押さえの双方を適切に完了するまでの作業性が悪いといった問題も含んでいる。
【0027】
このように、比較例では、多くの問題点が生じてしまうところ、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置51であれば、次のように優れた作用が得られる。まず、エレベータの遮煙ドア装置51においても、三方枠縦枠2の表面に、はぜ折帯13が取り付けられるので、既存の三方枠の塗装面が面一ではなく荒れていても、三方枠の取り外しや塗装修正を行うことなく、遮煙ドアを好適に組み合わせることができる。さらに、本実施の形態では、磨きフラットバーではなく、もともとは単なる薄板状の部材でよいはぜ折帯13を用いることから、一般市場に大量に供給されている冷間加工の板部材で実施することができ、大きなコスト増加を伴うことなく実施することができる。
【0028】
さらに、もともとは薄板でありながら、はぜ折帯13として適用される際には、はぜ折り加工がなされるので、十分な肉厚が得られ、所望の強度を確保し且つ三方枠からの浮き上がりも抑制することが可能となっている。また、このはぜ折りにより、板厚の相対的に厚い重なり部13eと相対的に薄い非重なり部13fとが出現し、その板厚の薄い非重なり部13fにトラスタッピンねじ16を用いるので、ねじ部材の頭部が邪魔になりにくい利点が得られる。さらに、これに起因し、ねじ部材としては、その頭部が完全に平らな皿タッピンねじを用いることは強いられず、より一般的なトラスタッピンねじ16を用いることができる。そのため、ボルト通し用丸穴13bは、単純な穴でよく、皿穴加工等の手間のかかる作業は必要ない。また、このボルト通し用丸穴13bの加工自体も、磨きフラットバーのような硬い対象ではなく、薄板の非重なり部13fに穿孔するだけでよいので、作業性は極めて良好であり、加工費用も低く抑えられる。さらに加えて、皿取り穴と皿タッピンねじとの組み合わせとは異なり、単なるボルト通し用丸穴13bとトラスタッピンねじ16との組み合わせであるので、図4の(b)及び(c)に示されるように、ボルト通し用丸穴13bとトラスタッピンねじ16との位置関係で、トラスタッピンねじ16の頭部の突き出し量が変化することもなく、すなわち、ピッチズレの逃げ裕度も高めることができる。
【0029】
さらに、マグネット押え治具14ではぜ折帯13を押えて三方枠側に移し穴加工する場合にも、マグネット押え治具14が適用される領域は、薄板の非重なり部13fであるので、磁力の通りが良く、マグネットの強い保持力が得られ、ドリル加工の際のズレを防ぐことができる。さらに、はぜ折帯13には、薄板の非重なり部13fが存在するため、この非重なり部13fに位置決め用曲げ耳部13cを設けることができ、マグネット押え治具14とは別の位置決め用曲げ耳部13cにより位置決めすることで、位置決め及び押さえの双方を適切に完了することができる。さらに加えて、非重なり部13f及び位置決め用曲げ耳部13cは薄板であるがゆえに、それら自体の加工が容易であり、且つ、切り取り用角穴13dを設ける加工も容易であり、さらに、位置決め用曲げ耳部13cを折り曲げて切り離す作業も容易である。つまり、加工及び据付の何れの作業性も極めて容易なものとなっている。
【0030】
さらに、もともとはぜ折帯13を得るためのはぜ折り加工であるが、そのはぜ折り加工に付随して、重なり部13eの先端側は、大きなR仕上げとなり面取り加工が不要であるという利点が得られると共に、乗場ドア4の開閉時、遮煙シート10の先端が重なり部13eに乗り込みし易くなり、摩擦負担を低減することで遮煙シート10の寿命も長くすることができる利点も得られている。
【0031】
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0032】
1 乗場、2 三方枠縦枠、2c 昇降路側表面、4 乗場ドア(遮煙ドア)、10 遮煙シート、13 はぜ折帯、13b ボルト通し用丸穴(穴)、13c 位置決め用曲げ耳部、13d 切り取り用角穴、13e 重なり部、13f 非重なり部、14 マグネット押え治具、16 トラスタッピンねじ(ねじ部材)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータのリフォームにおいて既存の三方枠に新設の遮煙ドアを組み合わせる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータの遮煙ドアとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。これら従来の遮煙ドアは、乗場ドアにおいて当該ドアと一体的に移動するように遮煙部材が設けられたものであった。そして、ドア全閉時、遮煙部材が、乗場乗降口を画定する三方枠と乗場ドア部分との間の隙間を塞ぐようになっていた。
【0003】
しかしながら、エレベータのリフォームにおいて既存の三方枠に新設の遮煙ドアを組み合わせようとした場合、既存の三方枠の表面状態が荒れていると遮煙部材の所期の効果が得られない恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−352428号公報
【特許文献2】特開2005−272099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、三方枠が荒れていても遮煙ドアを好適に組み合わせることができるエレベータの遮煙ドア装置及び遮煙ドア装置の据付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明のエレベータの遮煙ドア装置は、三方枠に支持されたはぜ折帯と、遮煙ドアに支持され、前記はぜ折帯及び該遮煙ドアの間の隙間を塞ぐ遮煙部材とを備え、前記はぜ折帯は、前記三方枠の対応する表面を覆うように設けられており、前記はぜ折帯は、板状部材をはぜ折りすることで部分的に重なった重なり部と、非重なり部とを有し、前記はぜ折帯は、前記非重なり部において、ねじ部材によって前記三方枠の対応する表面に取り付けられており、前記遮煙部材は、前記はぜ折帯における前記重なり部と当接することで、前記隙間を塞ぐ。
さらに、同目的を達成するための本発明のエレベータの遮煙ドア装置の据付方法は、遮煙ドアに支持された遮煙部材と三方枠に支持されたはぜ折帯とが当接することで、前記はぜ折帯及び前記遮煙ドアの間の隙間を塞ぐものであって、板状部材の一端側を部分的に重なるようにはぜ折りすることで、部分的に重なった重なり部と非重なり部とを有する前記はぜ折帯を用意する工程と、前記はぜ折帯を前記三方枠の対応する表面を覆うように配置する配置工程と、前記非重なり部において、ねじ部材によって、前記はぜ折帯を前記三方枠に固定する固定工程とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、三方枠が荒れていても遮煙ドアを好適に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置を適用するエレベータの乗場を示す斜視図である。
【図2】乗場乗降口近傍に関する平面図である。
【図3】図2のIII部分を拡大して示す図である。
【図4】(a)は、本実施の形態におけるはぜ折帯を示し、(b)及び(c)は、はぜ折帯とねじとの関係を示す図である。
【図5】はぜ折帯の穴に合わせて三方枠に移し穴を加工する作業を示す図である。
【図6】図5の状態に関する平面図である。
【図7】移し穴加工の完了後に、はぜ折帯における位置決め部分を切り離す作業を示す図である。
【図8】比較例に関する図3と同態様の図である。
【図9】比較例に関する図4と同態様の図である。
【図10】比較例に関する図5と同態様の図である。
【図11】比較例に関する図6と同態様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るエレベータの遮煙ドア装置の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
【0010】
図1は、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置を適用するエレベータの乗場を示す斜視図である。また、図2は、乗場乗降口近傍に関する平面図である。図示されるように、エレベータの乗場1には、左右一対の三方枠縦枠2と三方枠上枠3とによって乗場乗降口が画定されている。かかる乗場乗降口は、乗場ドア4によって開閉される。また、三方枠縦枠2及び三方枠上枠3の外側には、乗場壁7があって、この乗場壁7には、乗場インジケータ5や乗場ボタン6が設けられている。
【0011】
次に、図3及び図4に基づいて、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置について説明する。図3は、図2のIII部分を拡大して示す図である。図4の(a)は、本実施の形態におけるはぜ折帯を示し、図4の(b)及び(c)は、はぜ折帯のボルト通し用丸穴とトラスタッピンねじとの関係を示す図である。エレベータの遮煙ドア装置51は、三方枠に支持されたはぜ折帯13と、遮煙ドアである乗場ドア4に支持された遮煙部材としての遮煙シート10とを備えている。遮煙シート10は、はぜ折帯13及び乗場ドア4の間の隙間を塞ぐ。
【0012】
はぜ折帯13は、重なり部13eと、非重なり部13fとを有している。はぜ折帯13は、成形前は単純な板状部材であり、その板状部材の一端側だけを部分的に重なるようにはぜ折りすることで成形される。重なり部13eは、その部分的に重なった部分であり、非重なり部13fは、重なりから逸れた部分である。成形後のはぜ折帯13における重なり部13e側の先端部は、ヘアピン状の大きなRを持った曲部となっている。
【0013】
また、非重なり部13fの厚さは、もともとの板状部材の厚さ分だけである。これに対し、重なり部13eの厚さは、少なくとも非重なり部13fの厚さよりも大きく、成形前の板状部材の厚さが均一であり且つはぜ折りを一回だけ行った本実施の形態の例ならば、非重なり部13fの厚さの
2倍程度の厚さとなっている。なお、重なり部13eと非重なり部13fとの間には、段差部13gが存在しており、この段差部13gは、成形前のもともとの板状部材の端部によって形成されている。
【0014】
はぜ折帯13は、三方枠の対応する表面を覆うように設けられている。より詳細には次のとおりである。まず、三方枠縦枠2は、乗場側表面2a、奥行形成面2b及び昇降路側表面2cを含んでいる。そして、本実施の形態では、乗場ドア4が三方枠縦枠2の昇降路側表面2cよりもさらに昇降路側に配置されていることから、はぜ折帯13は、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cを覆うように取り付けられる。
【0015】
はぜ折帯13は、そのはぜ折部13a(段差部13g)を、乗場ドア4側(昇降路側)に向けるようにして、三方枠縦枠2に取り付けられる。換言するならば、重なり部13eと非重なり部13fとが面一となっている平坦な面を、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cと当接させるようにして取り付けられる。はぜ折帯13の非重なり部13fには、ボルト通し用丸穴13bが貫通しており、このボルト通し用丸穴13bに挿通されたねじ部材としてのトラスタッピンねじ16によって、はぜ折帯13は三方枠縦枠2に固定される。トラスタッピンねじ16の頭部は、三方枠縦枠2と逆側、すなわち、はぜ折部13a(段差部13g)の存在する側に配置される。
【0016】
遮煙シート10は、三方枠に向けて突出した凸状部分を含んだ部材であり、遮煙シート押さえ9を介して、乗場ドア4の側端面に固定されている。遮煙シート押さえ9は、ビス9aによって、乗場ドア4に固定されている。遮煙シート10は、はぜ折帯13におけるはぜ折部13a(重なり部13e)と当接することで、はぜ折帯13と乗場ドア4との間の隙間を塞いでいる。
【0017】
次に、エレベータの遮煙ドア装置51の設置方法について説明する。図5は、はぜ折帯の穴に合わせて三方枠に移し穴を加工する作業を示す図である。図6は、図5の状態に関する平面図である。また、図7は、移し穴加工の完了後に、はぜ折帯における位置決め部分を切り離す作業を示す図である。
【0018】
まず、図5及び図6に示されるように、はぜ折帯13を三方枠縦枠2の昇降路側表面2cに対して適切な状態に配置する。このとき、はぜ折帯13は、上下複数設けられた位置決め用曲げ耳部13cを用いて、三方枠縦枠2に対して適切な取り付け位置に位置決めされる。位置決め用曲げ耳部13cはそれぞれ、はぜ折帯13の一方側の側部に設けられた三方枠側に屈曲された部分である。また、この位置決め用曲げ耳部13cは、非重なり部13fと一体的に形成されている部分であり、前述のように、はぜ折帯13は、もともと板状の部材であることから、位置決め用曲げ耳部13cは、この板状の部材の一部として容易に形成しておくことができる。
【0019】
はぜ折帯13は、この位置決め用曲げ耳部13cを三方枠縦枠2の昇降路側表面2cの角部に引っ掛けるようにして配置することで、適切な位置へとセットすることができる。また、はぜ折帯13における非重なり部13fの上には、マグネット押え治具14を配置し、磁力によってマグネット押え治具14が三方枠縦枠2に吸着される力をもって、はぜ折帯13を位置決めされた適切な位置に保持しておく。
【0020】
次に、穴あけドリル工具12を用いて、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cに対して、はぜ折帯13のボルト通し用丸穴13bと対応する位置に、固定用の穴を開ける。これらの固定用の穴に、ボルト通し用丸穴13bを貫通させてトラスタッピンねじ16を螺合させることによって、はぜ折帯13を三方枠縦枠2に適切に固定する。トラスタッピンねじ16によるはぜ折帯13の固定が完了したならば、図7に示されるように、位置決め用曲げ耳部13cを非重なり部13fに対して例えば2、3回程度折り曲げるようにして動かすことで、位置決め用曲げ耳部13cを非重なり部13fから切り離す。このとき、位置決め用曲げ耳部13cの基部には、切り取り用角穴(切り取り用穴)13dが形成されており、また、位置決め用曲げ耳部13cも非重なり部13fも重なり部13eとは異なり板厚が比較的薄いことから、作業者の手15で簡単且つきれいに切り離すことができる。
【0021】
次に、図8〜図11に記載した比較例との比較をしながら、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置51の優れた作用について説明する。図8〜図11はそれぞれ、比較例に関する図3〜図6と同態様の図である。
【0022】
既存の三方枠に遮煙ドアを組み合わせる場合、既存の三方枠縦枠の塗装面は面一ではなく荒れていることが多い。ここで、既存の三方枠はコンクリートに固定されているため、まず、取り外すのがたいへん困難である。さらに、既存の三方枠を取り外さずに塗装を修正する場合、旧塗装のはく離、下地仕上げ、下地塗装、仕上げ塗装と大変な作業となり、高い技術力が必要で作業期間も長く掛かり、結果として高価となる等、なかなか面一の面を得るのは困難であった。かかる問題に関し、まず、本発明以外の態様として、比較例の態様を挙げる。
【0023】
すなわち、比較例は、三方枠縦枠2の昇降路側表面2cに、ステンレスなどの磨きフラットバー(平板)を張る態様である。磨きフラットバー8には、皿取り穴8bを含むボルト通し穴8aが設けられている。さらに、マグネット押え治具11及び位置決め材11aを用いて、磨きフラットバー8を適所に保持した状態で、ボルト通し穴8aと対応させて、三方枠縦枠2に移し穴加工を行う。そして、磨きフラットバー8は、ボルト通し穴8aを貫通する皿タッピンねじ8cによって、三方枠縦枠2に固定される。
【0024】
しかしながら、かかる比較例では、まず、磨きフラットバー8自体が、特殊品であり、且つ、非常に材料が高価であるといった問題が生じる。さらに、磨きフラットバー8を薄板にしてしまうと、ボルトで止めた部分と止めない部分との間で浮き上がり変形が生じるので、磨きフラットバー8には、厚みがある部材を用いるしかなく、このこともコストが上がる一因となってしまう。
【0025】
また、磨きフラットバー8では、ボルトの頭が表面に出ないようにするため皿ねじで三方枠に止める必要があり、このため工場にて、ドリル穴と皿穴との加工や面取り加工が必要となる。しかも、磨きフラットバー8は、材質が硬いので、かかる加工は大変であるといった問題もある。加えて、皿取り穴8bと皿タッピンねじ8cとの組み合わせでは、図9の(b)に示されるように精度が確保されているときはよいが、図9の(c)に示されるようにピッチ誤差が生じてしまうと、皿タッピンねじ8cの頭部が磨きフラットバー8の表面から浮き上がってしまう恐れもある。
【0026】
また、前述した理由より、磨きフラットバー8にはある程度の厚みのある部材を用いる必要があるが、マグネット押え治具11を用いた保持の際に、厚みがある分、磁力が磨きフラットバー8を通過しくい傾向も生じ、位置決めした磨きフラットバー8の押さえがずれる恐れもある。さらに、位置決め材11aは、厚みのある磨きフラットバー8に形成することは困難であり、マグネット押え治具11に対して設けることとなり、位置決めと押さえとを別個独立して行うことができないので、位置決め及び押さえの双方を適切に完了するまでの作業性が悪いといった問題も含んでいる。
【0027】
このように、比較例では、多くの問題点が生じてしまうところ、本実施の形態に係るエレベータの遮煙ドア装置51であれば、次のように優れた作用が得られる。まず、エレベータの遮煙ドア装置51においても、三方枠縦枠2の表面に、はぜ折帯13が取り付けられるので、既存の三方枠の塗装面が面一ではなく荒れていても、三方枠の取り外しや塗装修正を行うことなく、遮煙ドアを好適に組み合わせることができる。さらに、本実施の形態では、磨きフラットバーではなく、もともとは単なる薄板状の部材でよいはぜ折帯13を用いることから、一般市場に大量に供給されている冷間加工の板部材で実施することができ、大きなコスト増加を伴うことなく実施することができる。
【0028】
さらに、もともとは薄板でありながら、はぜ折帯13として適用される際には、はぜ折り加工がなされるので、十分な肉厚が得られ、所望の強度を確保し且つ三方枠からの浮き上がりも抑制することが可能となっている。また、このはぜ折りにより、板厚の相対的に厚い重なり部13eと相対的に薄い非重なり部13fとが出現し、その板厚の薄い非重なり部13fにトラスタッピンねじ16を用いるので、ねじ部材の頭部が邪魔になりにくい利点が得られる。さらに、これに起因し、ねじ部材としては、その頭部が完全に平らな皿タッピンねじを用いることは強いられず、より一般的なトラスタッピンねじ16を用いることができる。そのため、ボルト通し用丸穴13bは、単純な穴でよく、皿穴加工等の手間のかかる作業は必要ない。また、このボルト通し用丸穴13bの加工自体も、磨きフラットバーのような硬い対象ではなく、薄板の非重なり部13fに穿孔するだけでよいので、作業性は極めて良好であり、加工費用も低く抑えられる。さらに加えて、皿取り穴と皿タッピンねじとの組み合わせとは異なり、単なるボルト通し用丸穴13bとトラスタッピンねじ16との組み合わせであるので、図4の(b)及び(c)に示されるように、ボルト通し用丸穴13bとトラスタッピンねじ16との位置関係で、トラスタッピンねじ16の頭部の突き出し量が変化することもなく、すなわち、ピッチズレの逃げ裕度も高めることができる。
【0029】
さらに、マグネット押え治具14ではぜ折帯13を押えて三方枠側に移し穴加工する場合にも、マグネット押え治具14が適用される領域は、薄板の非重なり部13fであるので、磁力の通りが良く、マグネットの強い保持力が得られ、ドリル加工の際のズレを防ぐことができる。さらに、はぜ折帯13には、薄板の非重なり部13fが存在するため、この非重なり部13fに位置決め用曲げ耳部13cを設けることができ、マグネット押え治具14とは別の位置決め用曲げ耳部13cにより位置決めすることで、位置決め及び押さえの双方を適切に完了することができる。さらに加えて、非重なり部13f及び位置決め用曲げ耳部13cは薄板であるがゆえに、それら自体の加工が容易であり、且つ、切り取り用角穴13dを設ける加工も容易であり、さらに、位置決め用曲げ耳部13cを折り曲げて切り離す作業も容易である。つまり、加工及び据付の何れの作業性も極めて容易なものとなっている。
【0030】
さらに、もともとはぜ折帯13を得るためのはぜ折り加工であるが、そのはぜ折り加工に付随して、重なり部13eの先端側は、大きなR仕上げとなり面取り加工が不要であるという利点が得られると共に、乗場ドア4の開閉時、遮煙シート10の先端が重なり部13eに乗り込みし易くなり、摩擦負担を低減することで遮煙シート10の寿命も長くすることができる利点も得られている。
【0031】
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0032】
1 乗場、2 三方枠縦枠、2c 昇降路側表面、4 乗場ドア(遮煙ドア)、10 遮煙シート、13 はぜ折帯、13b ボルト通し用丸穴(穴)、13c 位置決め用曲げ耳部、13d 切り取り用角穴、13e 重なり部、13f 非重なり部、14 マグネット押え治具、16 トラスタッピンねじ(ねじ部材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三方枠に支持されたはぜ折帯と、
遮煙ドアに支持され、前記はぜ折帯及び該遮煙ドアの間の隙間を塞ぐ遮煙部材とを備え、
前記はぜ折帯は、前記三方枠の対応する表面を覆うように設けられており、
前記はぜ折帯は、板状部材をはぜ折りすることで部分的に重なった重なり部と、非重なり部とを有し、
前記はぜ折帯は、前記非重なり部において、ねじ部材によって前記三方枠の対応する表面に取り付けられており、
前記遮煙部材は、前記はぜ折帯における前記重なり部と当接することで、前記隙間を塞ぐ、
エレベータの遮煙ドア装置。
【請求項2】
遮煙ドアに支持された遮煙部材と三方枠に支持されたはぜ折帯とが当接することで、前記はぜ折帯及び前記遮煙ドアの間の隙間を塞ぐエレベータの遮煙ドア装置の据付方法であって、
板状部材の一端側を部分的に重なるようにはぜ折りすることで、部分的に重なった重なり部と非重なり部とを有する前記はぜ折帯を用意する工程と、
前記はぜ折帯を前記三方枠の対応する表面を覆うように配置する配置工程と、
前記非重なり部において、ねじ部材によって、前記はぜ折帯を前記三方枠に固定する固定工程と、
を備えたエレベータの遮煙ドア装置の据付方法。
【請求項3】
前記非重なり部には、基部に切り取り用穴を有する位置決め用曲げ耳部が設けられており、
前記はぜ折帯は、前記固定工程の前に、前記位置決め用曲げ耳部によって、前記三方枠の適所に位置決めされており、
前記位置決め用曲げ耳部は、前記固定工程の後に、前記非重なり部に対して折り曲げられることで切り離される、
請求項2のエレベータの遮煙ドア装置の据付方法。
【請求項4】
前記非重なり部には、前記ねじ部材が挿通される穴が設けられており、
当該エレベータの遮煙ドア装置の据付方法は、前記配置工程の後であって前記固定工程の前に行われる、前記三方枠に対する移し穴加工工程を備えており、
前記移し穴加工工程は、前記非重なり部に配置されたマグネット押え治具の磁力によって、前記はぜ折帯を前記三方枠に押さえつけた状態で行われる、
請求項2又は3のエレベータの遮煙ドア装置の据付方法。
【請求項1】
三方枠に支持されたはぜ折帯と、
遮煙ドアに支持され、前記はぜ折帯及び該遮煙ドアの間の隙間を塞ぐ遮煙部材とを備え、
前記はぜ折帯は、前記三方枠の対応する表面を覆うように設けられており、
前記はぜ折帯は、板状部材をはぜ折りすることで部分的に重なった重なり部と、非重なり部とを有し、
前記はぜ折帯は、前記非重なり部において、ねじ部材によって前記三方枠の対応する表面に取り付けられており、
前記遮煙部材は、前記はぜ折帯における前記重なり部と当接することで、前記隙間を塞ぐ、
エレベータの遮煙ドア装置。
【請求項2】
遮煙ドアに支持された遮煙部材と三方枠に支持されたはぜ折帯とが当接することで、前記はぜ折帯及び前記遮煙ドアの間の隙間を塞ぐエレベータの遮煙ドア装置の据付方法であって、
板状部材の一端側を部分的に重なるようにはぜ折りすることで、部分的に重なった重なり部と非重なり部とを有する前記はぜ折帯を用意する工程と、
前記はぜ折帯を前記三方枠の対応する表面を覆うように配置する配置工程と、
前記非重なり部において、ねじ部材によって、前記はぜ折帯を前記三方枠に固定する固定工程と、
を備えたエレベータの遮煙ドア装置の据付方法。
【請求項3】
前記非重なり部には、基部に切り取り用穴を有する位置決め用曲げ耳部が設けられており、
前記はぜ折帯は、前記固定工程の前に、前記位置決め用曲げ耳部によって、前記三方枠の適所に位置決めされており、
前記位置決め用曲げ耳部は、前記固定工程の後に、前記非重なり部に対して折り曲げられることで切り離される、
請求項2のエレベータの遮煙ドア装置の据付方法。
【請求項4】
前記非重なり部には、前記ねじ部材が挿通される穴が設けられており、
当該エレベータの遮煙ドア装置の据付方法は、前記配置工程の後であって前記固定工程の前に行われる、前記三方枠に対する移し穴加工工程を備えており、
前記移し穴加工工程は、前記非重なり部に配置されたマグネット押え治具の磁力によって、前記はぜ折帯を前記三方枠に押さえつけた状態で行われる、
請求項2又は3のエレベータの遮煙ドア装置の据付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−52989(P2013−52989A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193924(P2011−193924)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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