説明

エレベータシステム

【課題】 車椅子利用者の利便性を向上させることができるとともに、車椅子利用者に恐怖心などを抱かせないようにする。
【解決手段】 ICカード7を携帯した車椅子利用者5が乗りかご3に乗り込んで、車椅子専用操作盤6に設けられた専用操作釦14で行先登録を行ったとき、車椅子専用の運転を開始させて、乗りかご3が行先登録された階に到着する直前から、行先登録された階のホール側スピーカ12、乗りかご3内に設けられた乗りかご側スピーカ11から、“車椅子利用者が降ります。ドアの前を開けてください”という音声を出力させ、乗りかご3が行先登録された階に到着してホール側ドア、乗りかご側ドアを戸開させた後、車椅子利用者5が乗りかご3から完全に降りきるまで、ホール側ドア、乗りかご側ドアを開いたままにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子利用者を円滑に降車させるような支援機能を持つエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車椅子利用者が一人でエレベータの乗りかご内に乗り込むには、車椅子を前進させて乗りかご内に進行移動する。乗りかごが広かったり、乗客が少ない場合には、180度回転してドア側に車椅子を向けることができる。しかし、乗りかごが狭かったり、乗客が多かったり、あるいは短時間で行先階まで行ける場合等では、車椅子を反転させることなく乗り込んだときの状態で目的階に停止するので、乗りかごから降りるときには、後進方向での移動になってしまう。
【0003】
また、従来のエレベータシステムには、車椅子利用者に対する配慮として、一般釦による行先階登録時の戸開時間より、車椅子専用釦による行先階登録時の戸開時間が長くなるようにしたシステム、乗りかごの背面や側面に鏡を設けて、車椅子利用者が自身の背中側であるドアの開扉を鏡を通して確認することができるようにしたシステムもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−10264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のエレベータシステムでは、降車するまでの動作に戸惑ってしまい、戸開時間内に降りきることができず、閉まり始めたドアに挟まれたり、またはホール側に移動した際に、ホール前で待つ他の利用者により進行方向が遮られたりといった事態が発生する場合があり、車椅子利用者が受ける恐怖心は一般利用者に比べて大きいという課題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑み、車椅子利用者が乗りかごに乗車し、車椅子専用行先階登録装置を操作して行先階を登録したとき、車椅子利用者に限定した降車機能を実施させて、車椅子利用者の利便性を向上させることができるとともに、車椅子利用者に恐怖心などを抱かせないようにすることができるエレベータシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明は、建物に設けられた昇降路内に乗りかごを配置し、前記乗りかごを昇降、停止させて、乗客を移動させるエレベータシステムにおいて、エレベータの乗りかごを利用する車椅子利用者によって携帯され、少なくとも車椅子利用者である旨の識別データが記録された携帯記録媒体と、前記乗りかご内の所定場所に配置され、前記乗りかご内に前記携帯記録媒体が存在するとき、これを検知する読取装置と、前記乗りかご内の所定場所に配置され、車椅子利用者によって操作される車椅子専用行先階登録装置と、前記読取装置によって、前記携帯記録媒体が検知されるとともに、前記車椅子専用行先階登録装置が操作されたとき、車椅子利用者に限定した降車機能を実施させる制御装置とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車椅子利用者が乗りかごに乗車し、車椅子専用行先階登録装置を操作して行先階を登録したとき、車椅子利用者に限定した降車機能を実施させて、車椅子利用者の利便性を向上させることができるとともに、車椅子利用者に恐怖心などを抱かせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるエレベータシステムの一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示す制御装置の回路構成例を示すブロック図。
【図3】図1に示すエレベータシステムの動作例を示すフローチャート。
【図4】本発明によるエレベータシステムの他の構成例で使用される乗りかごの側面図。
【図5】図4に示す乗りかごの上面図。
【図6】図4に示すエレベータシステムで使用される制御回路例を示す回路図。
【図7】本発明によるエレベータシステムの他の構成例で使用される乗りかごの側面図。
【図8】図7に示す乗りかごの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
図1は本発明によるエレベータシステムの一実施形態を示す概略構成図である。なお、ここでは、説明を簡単にするために、ICカード(携帯記録媒体)に車椅子利用者であるという識別データだけを記録させ、自動行先階登録などの機能を実現させる情報を持たせないものとする。
【0011】
この図に示すエレベータシステム1は、建物内に作られた昇降路2内に上下移動自在に配置される乗りかご3と、乗りかご3内に配置され、主として一般の利用者によって操作される主操作盤4と、乗りかご3内に配置され、車椅子利用者5によって操作される車椅子専用操作盤6と、車椅子利用者5によって携帯されるICカード7と、乗りかご3内に配置され、乗りかご3内にICカード7があるとき、微弱電波を使用して、これを検知する乗りかご側カードリーダ8と、建物の各階に設けられたホール9毎に配置され、ホール9にICカード7があるとき、微弱電波を使用して、これを検知する複数のホール側カードリーダ10と、乗りかご3内に配置され、音声によって、各種のアナウンスを行う乗りかご側スピーカ11と、各ホール9毎に配置され、音声によって、各種のアナウンスを行うホール側スピーカ12と、昇降路2の上部に設けられた機械室内などに配置され、図2のブロック図に示す如く乗りかご3側の操作内容、各ホール9側の操作内容を取り込む処理、機械室内に設けられた巻上機などを制御する処理、乗りかご3内の行き先階表示、アナウンス処理、各ホール側ドアの開閉処理、乗りかご側ドアの開閉処理などを行う制御装置13とを備えている。
【0012】
そして、ホール9に設けられた呼び装置から出力されるホール呼び信号に基づき、巻上機を制御して、呼びが発生した階に乗りかごを移動させる。また、主操作盤4から出力される一般用釦入力信号、車椅子専用操作盤6から出力される車椅子専用釦入力信号、乗りかご側カードリーダ8から出力されるICカード入力信号、ホール側カードリーダ10から出力されるICカード入力信号などに基づき、一般の利用者による利用であるか、車椅子利用者5による利用であるかを判別し、一般の利用者による利用であるときには、通常の運転内容で、巻上機、ドア開閉装置などを制御して、利用者を移動させる。また、車椅子利用者5による利用であるときには、車椅子専用の運転内容で、巻上機、ドア開閉装置、乗りかご側スピーカ11、ホール側スピーカ12などを制御して、車椅子利用者5を安全に、かつスムーズに移動させる。
【0013】
次に、図3に示すフローチャートを参照しながら、図1、図2に示すエレベータシステム1の動作を詳細に説明する。
【0014】
まず、ホール9内に居る一般の利用者、または車椅子利用者5によって、ホール9に設けられた呼び装置が操作されて、ホール呼び信号が出力されると、制御装置13によって、これが検知されて、機械室に設けられた巻上機などが制御され、目的階(ホール呼び信号を出力した呼び装置が設けられている階)に向うように、乗りかご3の昇降が開始される(ステップST1)。
【0015】
この後、乗りかご3が目的階に到着すると、制御装置13によって、ドア開閉装置などが制御されて、ホール側ドアと、乗りかご側ドアとが開かれるとともに、乗りかご側カードリーダ8によって、乗りかご3内にICカード7が存在するかチェックされる(ステップST2)。
【0016】
そして、乗りかご側カードリーダ8によって、ICカード7が検知された状態、すなわち車椅子利用者5が乗りかご3内に乗り込んだ状態で、車椅子専用操作盤6に設けられた専用操作釦14が操作されて、車椅子専用釦入力信号が出力されると、制御装置13によって、車椅子利用者5による行先登録であると判定されて、通常の運転内容から車椅子専用の運転内容に切り替えられる(ステップST3、ST4)。
【0017】
そして、車椅子利用者5、一般の利用者などの乗り込み完了が確認されたとき、制御装置13によって、戸閉指令信号が生成されて、ドア開閉装置が制御され、乗りかご側ドア、ホール側ドアが閉じられた後、行先登録された階に向けて、車椅子運転モードで乗りかご3の昇降が開始される。
【0018】
そして、乗りかご3が行先登録された階に近付いたとき、制御装置13によって、アナウンス信号が生成されて、行先登録された階のホール9に設けられたホール側スピーカ12と、乗りかご3内の乗りかご側スピーカ11とから“車椅子利用者が降ります。ドアの前を開けてください”という音声が出力される(ステップST5)。
【0019】
この後、乗りかご3が行先登録された階に到着したとき(ステップST6)、制御装置13によって、戸開指令信号が生成されて、ドア開閉装置などが制御されて、ホール側ドアと、乗りかご側ドアとが開かれる(ステップST7)。
【0020】
次いで、制御装置13によって、ホール側カードリーダ10からICカード入力信号が送信されるまで、すなわち乗りかご3に乗っている車椅子利用者5がホール9に降りて、ホール側カードリーダ10で車椅子利用者5が携帯しているICカード7が検知され、ホール側カードリーダ10からICカード入力信号が送信されるまで、戸閉指令信号の生成が禁止されるとともに、ホール側スピーカ12と、乗りかご側スピーカ11とから“車椅子利用者が降ります。ドアの前を開けてください”という音声が出力され続ける。
【0021】
そして、車椅子利用者5が乗りかご3から完全に降り、ホール側カードリーダ10によって、車椅子利用者5が携帯しているICカード7が検知され、ホール側カードリーダ10からICカード入力信号が送信されると(ステップST8)、制御装置13によって、車椅子利用者5の下車が完了したと判断されて、アナウンス信号の生成が停止され、ホール側スピーカ12、乗りかご側スピーカ11から“車椅子利用者が降ります。ドアの前を開けてください”という音声の出力が停止させられるとともに、戸閉指令信号が生成されて、ドア開閉装置が制御され、ホール側ドアと、乗りかご側ドアとが閉じられる(ステップST9)。
【0022】
この後、制御装置13によって、次の行先登録があるかどうかがチェックされ、次の行先登録が無いとき、乗りかご3が停止状態で待機させられ、また次の行先登録があるとき、巻上機などが制御されて、行先登録された階に向うように、乗りかご3の昇降が開始される(ステップST10)。
【0023】
また、上述した動作で、目的階に到着した乗りかご3の乗りかご側ドア、ホール側ドアを開いている最中に、乗りかご側カードリーダ8によって、ICカード7が検知されないとき、すなわちICカード7を携帯している車椅子利用者5が乗りかご3に乗り込んでいないとき、制御装置13によって、一般の利用者による行先登録であると判定される(ステップST3)。
【0024】
これにより、乗りかご3に利用者の乗り込みが完了した時点で、制御装置13によって、ドア開閉装置が制御されて、乗りかご側ドアと、ホール側ドアとが閉じられた後、行先登録された階に向けて、通常運転モードで乗りかご3の昇降が開始される(ステップST11)。
【0025】
また、上述した動作で、乗りかご側カードリーダ8によって、ICカード7の存在が検知されている場合でも、車椅子専用操作盤6に設けられた専用操作釦14が操作されずに、主操作盤4に設けられた一般用行先階釦15が操作されて、一般用釦入力信号が出力されたときには、制御装置13によって、車椅子利用者5に付添人などついていると判定されて、通常の運転内容が継続される(ステップST4)。
【0026】
これにより、乗りかご3に利用者の乗り込みが完了した時点で、制御装置13によって、ドア開閉装置が制御されて、乗りかご側ドアと、ホール側ドアとが閉じられた後、行先登録された階に向けて、通常運転モードで乗りかご3の昇降が開始される(ステップST11)。
【0027】
このように、この実施形態では、ICカード7を携帯した車椅子利用者5が乗りかご3に乗り込んで、車椅子専用操作盤6に設けられた専用操作釦14で行先登録を行ったとき、車椅子専用の運転を開始させて、乗りかご3が行先登録された階に到着する直前から、行先登録された階のホール側スピーカ12、乗りかご3内に設けられた乗りかご側スピーカ11から、“車椅子利用者が降ります。ドアの前を開けてください”という音声を出力させ、乗りかご3が行先登録された階に到着してホール側ドア、乗りかご側ドアを戸開させた後、車椅子利用者5が乗りかご3から完全に降りきるまで、ホール側ドア、乗りかご側ドアを開いたままにしているので、車椅子利用者5の利便性を向上させることができるとともに、車椅子利用者5に恐怖心などを抱かせないようにすることができる。
【0028】
また、この実施形態では、乗りかご側カードリーダ8がICカード7を検知した状態で、車椅子専用操作盤6に設けられた専用操作釦14が操作されたときにのみ、車椅子専用の運転を行うようにしているので、車椅子利用者5がICカード7を携帯した状態で、乗りかご3内に乗り込んだ際、他の利用者がすでに乗車しており車椅子利用者5の目的階が他の利用者と同じであった場合にも、車椅子利用者5が専用釦14を押して、目的階を一般用行先階釦15とは別に登録させることにより、目的階に対する通常運転を解除して、専用運転に移行させる。つまり、専用操作釦14による登録は専用運転を行うためのスイッチ(SW)の役目も果たしている。
【0029】
[他の実施形態]
〈他の実施形態1〉
また、上述した実施形態では、乗りかご3が目的階に到着する直前から乗りかご側スピーカ11、目的階のホール側スピーカ12から車椅子利用者5が降車することを音声でアナウンスするようにしている。このため、各階毎に、ホール側スピーカ12などを設ける必要があり、コストがかかるので、ホール9側については、各階毎に既に設置されている表示器を使用して、車椅子利用者5が降車することをメッセージ表示させるようにしても良い。
【0030】
これによって、既存の表示器にメッセージ表示という機能を追加するのみで、ホール側スピーカ12などを新たに設置させることなく上述した実施形態と同様な効果を得ることができ、コスト面で有利なシステムにすることができる。
【0031】
〈他の実施形態2〉
また、上述した実施形態では、車椅子利用者5に携帯させるICカード7に車椅子利用者5の識別機能だけを持たせるようにして、目的階への自動登録等の情報機能を持たせないようにしている。これは本発明が公共施設や町のビルというように、ある特定の建物に限定せずに広く一般的に利用できることを考慮しているからである。
【0032】
このようなエレベータシステム以外の、例えばマンションや病院に設置されるエレベータシステムなどのように、ある特定の建物に限定したエレベータシステムの場合には、ICカード7に目的階等の情報を付加させるようにしても良い。このようにすることにより、ICカード7による識別以降の釦操作などを省略させることができ、スムーズな降車に加えて、快適な乗車を行わせることができる。
【0033】
〈他の実施形態3〉
また、上述した実施形態では、乗りかご3内に配置される乗りかご側カードリーダ8と、各ホール9に配置されるホール側カードリーダ10とを使用して、車椅子利用者5が携帯するICカード7を検知させるようにしているが、乗りかご3内に乗りかご側カードリーダだけを設け、ホール側カードリーダ10を省くようにしても良い。
【0034】
この場合、互いに動作特性が異なるカードリーダ、例えば図4の側面図、図5の上面図に示すように、ICカード7を検知したときメイク接点信号を出力する自己保持型の乗りかご側カードリーダ20と、ブレイク接点信号を出力する非自己保持型の乗りかご側カードリーダ21とを用意し、乗りかご3内の背面側に取り付ける。
【0035】
さらに、乗りかご3内に車椅子利用者5が乗り込んだときにのみ、車椅子利用者5が携帯しているICカード7を検知し、車椅子利用者5が乗りかご3から降りたとき、ICカード7を検知しなくなるように、各乗りかご側カードリーダ20、21の感度を調整する。
【0036】
これにより、ICカード7を持った車椅子利用者5が乗りかご3内に乗り込んだとき、自己保持型の乗りかご側カードリーダ20からメイク接点信号(“1”信号)が出力され、非自己保持型の乗りかご側カードリーダ21からブレイク接点信号(“0”信号)が出力される。
【0037】
そして、制御装置13内に設けられたロジック、例えば図6の回路図に示すロジックを使用すれば、アンドゲート22から“0”信号を出力させ、ナンドゲート23から“1”信号を出力させることができることから、この状態で、車椅子利用者5によって専用操作釦14が押されて、車椅子専用釦入力信号(“1”信号)が出力され、行先階が登録されたとき、アンドゲート24から車椅子専用運転指令信号(“1”信号)を出力させて、専用運転を開始させることができる。
【0038】
また、乗りかご3が行先階に到着して、車椅子利用者5が乗りかご3から降りたとき、自己保持型の乗りかご側カードリーダ20からメイク接点信号(“1”信号)が出力され続け、非自己保持型の乗りかご側カードリーダ21からブレイク接点信号(“0”信号)が出力されなくなることから、アンドゲート22から“1”信号が出力され、ナンドゲート23から“0”信号が出力される。
【0039】
これにより、アンドゲート24から車椅子専用運転指令(“1”信号)の出力を停止させて、専用運転を終了させることができるとともに、アンドゲート24の出力(“0”信号)を解除信号として使用することにより、自己保持型の乗りかご側カードリーダ20をリセットさせることができ、これら乗りかご側カードリーダ20、21を通常の状態に戻させることができる。
【0040】
また、図7の側面図、図8の上面図に示す如く正面と、背面とに各々、乗りかご側ドアが設けられた2方向仕様の乗りかご25の場合には、実線で示すように乗りかご3内の背面側に乗りかご側カードリーダ20、21を設置する(または、点線で示す如く乗りかご3内の正面側に乗りかご側カードリーダ20、21を設置する)とともに、乗りかご25の天井部分に、非自己保持型の乗りかご側カードリーダ26を設け、各乗りかご側カードリーダ20、21の死角を無くすようにしても良い。
【0041】
このように、乗りかご25内に自己保持型の乗りかご側カードリーダ20、非自己保持型の乗りかご側カードリーダ21、26を設けて制御することで、高階床の建物に対しても、比較的安価でメンテナンス性に優れた構成にすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1:エレベータシステム
2:昇降路
3,25:乗りかご
4:主操作盤
5:車椅子利用者
6:車椅子専用操作盤(車椅子専用行先階登録装置)
7:ICカード(携帯記録媒体)
8,20,21,26:乗りかご側カードリーダ(読取装置)
9:ホール
10:ホール側カードリーダ(読取装置)
11:乗りかご側スピーカ
12:ホール側スピーカ
13:制御装置
14:専用操作釦
15:一般用行先階釦
22,24:アンドゲート
23:ナンドゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられた昇降路内に乗りかごを配置し、前記乗りかごを昇降、停止させて、乗客を移動させるエレベータシステムにおいて、
エレベータの乗りかごを利用する車椅子利用者によって携帯され、少なくとも車椅子利用者である旨の識別データが記録された携帯記録媒体と、
前記乗りかご内の所定場所に配置され、前記乗りかご内に前記携帯記録媒体が存在するとき、これを検知する読取装置と、
前記乗りかご内の所定場所に配置され、車椅子利用者によって操作される車椅子専用行先階登録装置と、
前記読取装置によって、前記携帯記録媒体が検知されるとともに、前記車椅子専用行先階登録装置が操作されたとき、車椅子利用者に限定した降車機能を実施させる制御装置と、
を備えたことを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータシステムにおいて、
前記制御装置は、車椅子利用者に限定した降車機能として、車椅子利用者に適するように戸開閉タイミングを調整することを特徴とするエレベータシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のエレベータシステムにおいて、
前記制御装置は、車椅子利用者に限定した降車機能として、車椅子利用者の目的階に前記乗りかごが到着する直前に前記乗りかご内、および/または目的階のホールに車椅子利用者の降車をアナウンスすることを特徴とするエレベータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−184796(P2010−184796A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31202(P2009−31202)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】