説明

エレベータ制振装置

【課題】制振方向と直交する方向への重りの変位量を低減する。
【解決手段】弾性体27a,27bの制振方向(a,b方向)のバネ定数が制振方向と直交する方向のバネ定数未満の大きさに設定されている。これにより、制振方向と直交する方向への重り22の変位量を低減することができるので、制振方向の振動を効果的に低減することができると共に重り22がケーシング24の内壁面に接触することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの振動を低減するためのエレベータ制振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の省スペース化に伴い、巻上機を小型化して昇降路内に設置したマシンルームレス型のエレベータが普及している。マシンルームレス型のエレベータでは、昇降路内で巻上機が駆動されることにより、巻上機のシーブに巻き掛けられたロープを介して乗りかごが昇降動作する。この際、巻上機の振動が梁等を介して建物側に伝わる。特に、ロープの強度向上により細径化が進むと、それに伴ってシーブの径も小さくなるため、シーブが高速回転することにより約10Hz以上の振動が発生する。この振動は建物側の住居の壁等に響いて騒音の原因となる。このような背景から、巻上機を支持する支持部材に振動センサと共に制振装置を設置し、制振装置を駆動することにより振動センサによって検出される振動と逆位相の力を制振力として支持部材に与えることにより、支持部材を介して建物へ伝わる振動を低減する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−297180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の制振装置は、支持部材に取り付けられるケーシングと、ケーシング内で少なくとも一部に磁性体を有する重りを制振方向(例えば上下方向)に変位自在に支持する弾性体と、ケーシング内で重りに対向配置された電磁石とを備え、電磁石が発生する電磁力の磁性体に対する作用により重りを制振方向に振動させることにより、ケーシングを介して支持部材に制振力を与えるように構成されている。しかしながら従来の制振装置では、重りは単に弾性体により支持されているだけの構造であるために、制振方向に対し直交する方向(例えば左右方向)の成分を有する振動が加わった場合、重りが制振方向に対し直交する方向に変位することにより、支持部材に制振力を効果的に与えることができなくなる可能性がある。またその変位量が大きい場合には、重りがケーシングの内壁面に接触し破損する可能性もある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、制振方向と直交する方向への重りの変位を低減可能なエレベータ制振装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るエレベータ制振装置では、ケーシング内で制振方向に少なくとも一部に磁性体を有する重りを変位自在に支持する弾性体の制振方向のバネ定数が制振方向と直交する方向のバネ定数未満の大きさに設定されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るエレベータ制振装置によれば、制振方向と直交する方向への重りの変位量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
マシンルームレス型のエレベータ構成は、例えば、特開2004−115161号公報に開示されているように従来の機械室ではなく昇降路内の壁やレール上等に制御盤や巻上げ機等が配置されている。そしてこれらレール等はブラケット等により昇降路内壁に固定されており、巻上げ機の駆動、かごの昇降等によって生ずる振動が建物に伝わり騒音等の原因となっていた。以下、図面を参照して、本発明に係るエレベータ制振装置を適用したマシンルームレス型のエレベータの構成について説明する。
【0008】
〔エレベータの全体構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態となるマシンルームレス型のエレベータの全体構成について説明する。
【0009】
本発明の一実施形態となるマシンルームレス型のエレベータでは、図1に示すように、巻上機11等の機器類(図示しない制御盤を含む)が小型化されて昇降路10内に配置されている。巻上機11は、昇降路10の上部に水平方向に架設された支持部材12に受台13を介して設置されている。支持部材12は、例えば鉄製の強固な部材(建物の梁を利用することも可能)からなる。巻上機11の底部に取り付けられた受台13は、例えば防振ゴム等の吸音部材からなる。巻上機11の回転軸11aにはメインシーブ14が回転自在に取り付けられ、メインシーブ14にはロープ15が巻き掛けられている。
【0010】
ロープ15の両端部は昇降路10の所定の箇所に設けられたヒッチ部に固定されており、乗りかご16はかご下シーブ17a,17bを介して図示しないカウンタウェイトと共に2:1ローピング方式で支えられている。なお図1にはロープ15が1本しか図示されていないが、実際には複数本のロープ15がメインシーブ14やかご下シーブ17a,17b等に巻き掛けられている。乗りかご16は、一対のガイドレール18a,18bに摺動自在に支持され、巻上機11の駆動に応じてロープ15を介して昇降動作する。ガイドレール18a,18bは支持部材12に連結され、支持部材12の端部は建物の側壁19に固定されている。
【0011】
このような構成を有するマシンルームレス型のエレベータでは、巻上機11の駆動に伴って振動が発生し、それが巻上機11の周囲に伝わる。特に、ロープ15の強度向上により細径化が進むと、それに伴ってメインシーブ14の径も小さくなるため、高速回転により約10Hz以上の振動が生じ易くなる。そしてこの振動は、支持部材12を介して建物の側壁19に伝わり、例えば住居の壁等に響いて騒音の原因となる。そこでこのマシンルームレス型のエレベータには、巻上機11から建物の側壁19に伝わる振動を低減するために、支持部材12に振動センサ20と制振装置21が設けられている。
【0012】
振動センサ20は、例えば加速度センサからなり、その設置箇所に生じている振動を検出する。制振装置21は、振動センサ20によって検出された振動信号に基づいて重り22を所定方向に動かすことにより、制振対象(この例では支持部材12)に制振力を与える。より具体的には、制振装置21は、支持部材12の裏側(すなわち巻上機11とは反対側の面)に振動センサ20と共に設けられている。巻上機11の駆動時に支持部材12に伝わる振動はその支持部材12上に設けられた振動センサ20により検出される。制振装置21は、振動センサ20によって検出された振動信号に基づいて内部の重り22を動かすことにより、支持部材12に伝わる振動とは逆位相の力を発生させる。これにより、支持部材12に制振力が与えられ、巻上機11からの振動が相殺される。この結果、巻上機11から支持部材12を介して建物の側壁19へ伝わる振動を低減できる。
【0013】
〔制振装置の内部構成〕
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態となる制振装置21の内部構成について説明する。
【0014】
制振装置21は、少なくとも一部に磁性体を有する重り22を内部に収容する空間23を形成するケーシング24と、ケーシング24内側の底面24aに形成された凹部25と、重り22を挟むようにしてケーシング24内側の上面及び凹部25の底面25aに対向配置された電磁石26a,26bと、ケーシング24内側の底面24aに配設され、重り22を図中の矢印a,b方向(制振方向,上下方向)に変位自在に支持する弾性体27a,27bを備える。この制振装置21では、電磁石26a,26bが励磁されると、その時に発生する電磁力により少なくとも一部に磁性体を有する重り22が制振方向に動き、その反力がケーシング24に作用する。従って、ケーシング24に作用する反力が制振力となるように電磁石26a,26bを励磁制御すれば、巻上機11からの振動を相殺することができる。
【0015】
なおケーシング24は、電磁石26a,26が設けられている上下面を有するものであればよく、必ずしも4つの側面を有する必要はない。また電磁石26a,26bは、重り22と弾性体27a,27bにより構成される振動系の回転モードの節(振動時に変位しない点)に対応する位置(弾性体が2つである場合には重り22の重心位置)に配置することが望ましい。このような構成によれば、重り22の2次振動モード(例えば重り22の重心位置を中心とする揺動回転)が励振されることによって制振力を正確に制御できなくなることを防止できる。
【0016】
また電磁石26a,26bを構成するコアは積層鋼板,フェライト,パーマロイ等の電気抵抗が比較的大きい材料により形成されていることが望ましい。これは、鉄等の電気抵抗が比較的小さい材料によりコアを形成した場合、コイルに高周波電流を通電した場合、コア表面に渦電流が発生することにより、発生した電磁力が電磁石26a,26b内で打ち消され、制振力を正確に制御できなくなる可能性があるためである。
【0017】
〔制振装置の制御系の構成〕
次に、図3を参照して、制振装置21の動作を制御する本発明の一実施形態となる制御系の構成について説明する。
【0018】
制御装置40は、DSP(Digital Signal Processor)等の汎用のコンピュータにより構成され、A/D変換器41、ハイパスフィルタ42、積分器43、ゲイン調整器44、平方根演算器35、電磁力分配演算器45、及びD/A変換器46,47を備える。振動センサ20により検出された振動信号は、A/D変換器41によりA/D変換された後にハイパスフィルタ42に与えられ、ハイパスフィルタ42により抑止する周波数範囲(例えば約50〜300Hz)の振動成分が抽出される。ハイパスフィルタ42により抽出された振動成分は積分器43により数値積分された後、ゲイン調整器44にて所定のゲインを乗じることで制振信号が生成される。
【0019】
制振装置21に備えられた電磁石26a,26bは、それぞれ重り22を吸引する方向(制振方向)の電磁力しか発生できない。そこで、電磁力分配演算器45において、例えば重り22を上方向(矢印a方向)に動かす瞬間は一方の電磁石26aの電磁力による吸引作用を大きくし、他方の電磁石26bの電磁力による吸引作用を小さくするといったように、重り22を動かすタイミングに応じて電磁石26a,26bの電磁力を分配する。電磁力分配演算器45から出力される制振信号は、D/A変換器46,47によりD/A変換され、必要に応じてアンプ(AMP)48,49により増幅された後、電磁石26a,26bに与えられる。これにより、電磁石26a,26bが励磁駆動され、ケーシング24に反力が作用することにより、巻上機11からの振動を相殺することができる。
【0020】
なお電磁石26a,26bがU型の電磁石である場合、電磁石26a,26bが発生する電磁力Fは、磁路断面積をS,コイル巻数をN,コイル電流をI,電磁石コアの磁路長をL1,重り22の磁路長をL2,電磁石26a,26bと重り22間のギャップ長をL3,電磁石コアの透磁率をμ1,重り22の透磁率をμ2,空気の透磁率をμ0とすると、以下の数式1のように表される。
【数1】

【0021】
すなわち制振装置21が発生する制振力はコイル電流Iの2乗値に比例するので、制御装置40に制振力の大きさを制御信号として入力する場合には、制御装置40は制御信号を符号付きの平方根信号に変換することによりコイル電流Iを導出しなければならない。以上のことから、制御装置40に制振力の大きさを制御信号として入力する場合には、平方根演算器35が制御信号を符号付きの平方根信号に変換することが望ましい。
【0022】
このように本発明の実施形態となるマシンルームレス型のエレベータでは、エレベータの巻上機11を支持する部材(支持部材12やマシンベッド)に振動センサ20と共に制振装置21を設置しておき、振動センサ20によって検出される振動信号に基づいて制振装置21を駆動することにより、巻上機11から支持部材を介して建物の側壁19を伝わる振動を低減し、建物の隣室居室等への影響を軽減することができる。
【0023】
〔弾性体の構成〕
重り22が単に弾性体27a,27bにより支持されているだけである場合、制振方向に対し直交する方向の成分を有する振動が加わった場合、重り22が制振方向に対し直交する方向に変位することにより、制振方向の高周波の振動を効果的に低減することができなくなる可能性がある。またその変位量が大きい場合には、重り22がケーシング24の内壁面に接触し、破損する可能性もある。そこで本実施形態では、図4に示すように、弾性体27a,27bの制振方向のバネ定数k1は、制振方向と直交する方向のバネ定数k2未満の大きさに設定されている。
【0024】
このような構成によれば、制振方向と直交する方向への重り22の変位量を低減することができるので、制振方向の振動を効果的に低減することができると共に重り22がケーシング24の内壁面に接触することを防止できる。弾性体27a,27bの制振方向のバネ定数k1を制振方向と直交する方向のバネ定数k2未満の大きさに設定する方法としては、例えば、弾性体27a,27bの材料特性を制御する方法や制振方向と直交する方向への変位を規制する部材を弾性体27a,27bの側面に配置する方法が考えられる。
【0025】
本実施形態では、制振装置21の動特性は並進及び回転自由度を有する1つの重りを2つのバネで支持した2自由度振動系としてモデル化することができる。従って電磁石26a,26bで発生させた電磁力に対する制振装置21の出力(制振力)の周波数特性は一般的な2自由度振動系の強制加振動応答として計算することができる。この方法により電磁石26a,26bで発生させた電磁力に対する制振装置21の出力の周波数特性を計算した結果を図5(a),(b)に示す。なお本計算では重り22の質量と弾性体27a,27bのバネ定数k1により定まる1次共振周波数を25Hzに設定し、与える電磁力の振幅は120Nとしている。
【0026】
図5(a),(b)に示すように、本実施形態の制振装置21では、重り22の質量mと弾性体27a,27bのバネ定数k1とにより定まる一次共振周波数f1(以下の数式2参照)の2倍程度の周波数以上の周波数範囲で使用する場合、出力の大きさが与えた電磁力にほぼ一致し、且つ、出力の位相のずれも30°以内に収まり、制振装置21として望ましい出力特性を示すことがわかる。以上のことから、弾性体27a,27bのバネ定数k1は、重り22の質量と弾性体27a,27bのバネ定数k1とにより定まる一次共振周波数f1が抑止する周波数範囲の最小周波数(図5(a)に示す例では約50Hz)以下になるように設定することが望ましい。
【数2】

【0027】
本実施形態では、重り22の能動的な位置制御は行わずに弾性体27a,27bの復元力だけで重り22の位置を受動制御しているので、図6に示すように、重り22の変位量が大きくなることにより重り22と電磁石26a,26b間のギャップ長L3が短くなり、電磁石26a,26bの電磁力が大きくなることによって、重り22が電磁石26a,26bに吸着してしまう可能性がある。ここで電磁石26a,26bから吸引力Fを作用させた際の重り22の運動方程式は概略以下の数式3のように表される。なお式2中、パラメータm,c,k1,F,dx,αはそれぞれ、重り22の重量,弾性体27a,27bの減衰定数,弾性体27a,27bのバネ定数,重り22の微小変位,及びギャップ長の変化に伴う吸引力Fの変化率を示す。
【数3】

【0028】
すなわち吸引力Fの変化率αは重り22の変位dxに対し負のバネ力として働く。従って、重り22が電磁石26a,26bに吸着することを防止するためには、重り22の変位に対する実際のバネ定数(k1−α)が常に正でなければならない。一方、弾性体27a,27bのバネ定数k1が大きいと、電磁石26a,26bで発生した吸引力Fが弾性体27a,27bに内力として吸収され、性能が低下してしまう。このことから弾性体27a,27bの制振方向のバネ定数k1は吸引力Fの変化率αと略同値又吸引力Fの変化率α以上であることが望ましい。
【0029】
重り22に対し外部信号(例えばステップ状の電磁力)を与えた場合、制振装置21の出力は図7に示すように重り22の質量と弾性体のバネ定数とにより定まる振動系の共振周波数で発振(波形P1〜P3)する特性を示し、電磁石26a,26bと重り22が接触する可能性がある。従って弾性体27a,27bの減衰定数cは、重り22に対しステップ状の電磁力を与えた場合に電磁石26a,26bと重り22が接触しない値以上に設定することが望ましい。
【0030】
以上、本発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば本実施形態では、電磁石26a,26bの位置は固定されているが、電磁石26a,26bに可動機構を設けることにより重り22と電磁石26a,26b間のギャップ長を調整可能なようにしてもよい。また本実施形態は制振装置をエレベータに設けたものであるが、本発明はこれに限られることはなく、電車や自動車等の車両にも適用することができる。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態となるマシンルームレス型のエレベータの構成を示す図である。
【図2】図1に示す制振装置の内部構成を示す図である。
【図3】図2に示す制振装置の制御系の構成を説明するための図である。
【図4】弾性体の制振方向のバネ定数と制振方向と直交する方向のバネ定数の関係を示す図である。
【図5】制振装置から出力される制振力及びその電磁力に対する位相ずれの周波数特性を示す図である。
【図6】重りと電磁石間のギャップ長の変化に対する制振装置から出力される制振力の変化を示す図である。
【図7】弾性体の減衰定数の変化に伴う制振装置から出力される制振力の周波数特性の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
10:昇降路
11:巻上機
11a:回転軸
12:支持部材
13:受台
14:メインシーブ
15:ロープ
16:乗りかご
17a,17b:かご下シーブ
18a,18b:ガイドレール
19:建物の側壁
20:振動センサ
21:制振装置
22:重り
23:空間
24:ケーシング
25:凹部
26a,26b:電磁石
27a,27b:弾性体
35:平方根演算器
40:制御装置
41:A/D変換器
42:ハイパスフィルタ
43:積分器
44:ゲイン調整器
45:電磁力分配演算器
46,47:D/A変換器
48,49:AMP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制振対象物に取り付けられるケーシングと、ケーシング内で少なくとも一部に磁性体を有する重りを制振方向に変位自在に支持する弾性体と、ケーシング内で重りに対向配置された電磁石とを備え、電磁石の電磁力の磁性体に対する作用により重りを制振方向に動かすことにより、ケーシングを介して制振対象物に制振力を与えるエレベータ制振装置であって、前記弾性体の前記制振方向のバネ定数が当該制振方向と直交する方向のバネ定数未満の大きさに設定されていることを特徴とするエレベータ制振装置。
【請求項2】
前記弾性体の前記制振方向のバネ定数が前記重りの質量と前記弾性体の前記制振方向のバネ定数とにより定まる一次共振周波数が抑止する周波数範囲内の最小周波数以下になる大きさに設定されていること特徴とする請求項1に記載のエレベータ制振装置。
【請求項3】
前記弾性体の前記制振方向のバネ定数が前記重りと前記電磁石間のギャップ長の変化に伴う前記電磁力の変化の割合以上の大きさに設定されていること特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータ制振装置。
【請求項4】
前記弾性体の減衰定数が前記磁性体に対しステップ状の電磁力を与えた場合に前記重りと前記電磁石が衝突しない値以上の大きさに設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載のエレベータ制振装置。
【請求項5】
前記電磁石を構成するコアが積層鋼板、フェライト、及びパーマロイのうちのいずれかにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載のエレベータ制振装置。
【請求項6】
前記電磁石と前記重り間のギャップ長が調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載のエレベータ制振装置。
【請求項7】
制振対象物に取り付けられるケーシングと、ケーシング内で少なくとも一部に磁性体を有する重りを制振方向に変位自在に支持する弾性体と、ケーシング内で重りに対向配置された電磁石とを備え、電磁石の電磁力の磁性体に対する作用により重りを制振方向に動かすことにより、ケーシングを介して制振対象物に制振力を与える制振装置であって、前記弾性体の前記制振方向のバネ定数が当該制振方向と直交する方向のバネ定数未満の大きさに設定されていることを特徴とする制振装置。
【請求項8】
前記弾性体の前記制振方向のバネ定数が前記重りの質量と前記弾性体の前記制振方向のバネ定数とにより定まる一次共振周波数が抑止する周波数範囲内の最小周波数以下になる大きさに設定されていること特徴とする請求項7に記載の制振装置。
【請求項9】
前記弾性体の前記制振方向のバネ定数が前記重りと前記電磁石間のギャップ長の変化に伴う前記電磁力の変化の割合以上の大きさに設定されていること特徴とする請求項7又は請求項8に記載の制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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