エレベータ用照明装置
【課題】インバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置できるとともに、光ムラを向上することができるエレベータ用照明装置を得る。
【解決手段】照明板（３）で覆われた天蓋部（２）内に、複数のインバータ照明器具（７）および複数のインバータ照明器具（７）により点灯される複数の蛍光灯（８）を配置してなるエレベータ用照明装置において、照明板（３）で覆われた天蓋部（２）の四周部分に設けられた板状反射板（５）と、複数の蛍光灯（８）の間に設けられた山型状反射板（６）とを備え、板状反射板（５）および山型状反射板（６）は、複数の蛍光灯（８）から発生する熱を遮断する効果および複数の蛍光灯（８）から発生する光を反射する効果を有し、インバータ照明器具（７）は、板状反射板（５）内、あるいは山型状反射板（６）内に配置される。
【解決手段】照明板（３）で覆われた天蓋部（２）内に、複数のインバータ照明器具（７）および複数のインバータ照明器具（７）により点灯される複数の蛍光灯（８）を配置してなるエレベータ用照明装置において、照明板（３）で覆われた天蓋部（２）の四周部分に設けられた板状反射板（５）と、複数の蛍光灯（８）の間に設けられた山型状反射板（６）とを備え、板状反射板（５）および山型状反射板（６）は、複数の蛍光灯（８）から発生する熱を遮断する効果および複数の蛍光灯（８）から発生する光を反射する効果を有し、インバータ照明器具（７）は、板状反射板（５）内、あるいは山型状反射板（６）内に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エレベータの乗りかご内のかご室天井部に設けられたエレベータ用照明装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のエレベータの乗りかご内のかご室天井部に設けられたエレベータ用照明装置では、天蓋上の省スペース化を図るために、蛍光灯とインバータ照明器具を同じ吊天井内に設置する構成としている。（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−７２１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来のエレベータ用照明装置では、薄型化のために、インバータ照明器具を吊天井内に設置する際に、蛍光灯と、蛍光灯の熱を嫌うインバータ照明器具とを接近させた配置ができないという制約があった。この制約に伴って蛍光灯同士の間隔が広がると、照明板に広がる光にムラが出る、あるいは、照明板の四周部分が暗く見えるという問題があった。
【０００５】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、インバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置し、光ムラを向上することができるエレベータ用照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係るエレベータ用照明装置は、照明板で覆われた天蓋部内に、複数のインバータ照明器具および複数のインバータ照明器具により点灯される複数の蛍光灯を配置してなるエレベータ用照明装置において、照明板で覆われた天蓋部の四周部分に設けられた板状反射板と、複数の蛍光灯の間に設けられた山型状反射板とを備え、板状反射板および山型状反射板は、複数の蛍光灯から発生する熱を遮断する効果および複数の蛍光灯から発生する光を反射する効果を有し、インバータ照明器具は、板状反射板内、あるいは山型状反射板内に配置されるものである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係るエレベータ用照明装置によれば、蛍光灯の熱からの遮熱効果および蛍光灯の光の反射効果を有する山型状反射板および板状反射板を有し、これらの反射板で覆われるように、四周部および蛍光灯間の、蛍光灯に近接した位置に、インバータ照明器具を配置させることにより、インバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置できるとともに、光ムラを向上することができるエレベータ用照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の実施の形態１のエレベータ用照明装置におけるかご室天井部の斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態１における図１で示したエレベータ用照明装置の縦方向断面図である。
【図３】本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置を、図２における矢印Ａの方向から見た斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の一部分の拡大図である。
【図５】本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明のエレベータ用照明装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【００１０】
実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１のエレベータ用照明装置におけるかご室天井部の斜視図である。図１おけるかご室天井部は、吊天井１、天蓋部２、および照明板３で構成されており、かご室の側面は、側板４が設けられている。
【００１１】
また、図２は、本発明の実施の形態１における図１で示したエレベータ用照明装置の縦方向断面図である。本実施の形態１におけるエレベータ用照明装置は、吊天井１、天蓋部２、および照明板３で囲まれたかご室天井部内に収納されており、板状反射板５、山型状反射板６、インバータ照明器具７、円形蛍光灯８、および遮光板９を含む構成となっている。ただし、遮光板９を含まない構成をすることも可能である。
【００１２】
図２に示すように、インバータ照明器具７は、板状反射板５および山型状反射板６で覆われるように配置されている。ここで、板状反射板５および山型状反射板６は、円形蛍光灯８から発生する熱を遮断する効果、および円形蛍光灯８から発生する光を反射する効果を兼ね備えている。このような反射板の熱遮断効果により、蛍光灯の熱を嫌うインバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置できるとともに、光反射効果により、光ムラを向上させることができる。
【００１３】
図３は、本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置を、図２における矢印Ａの方向から見た斜視図である。なお、図３の斜視図は、エレベータ用照明装置の内部構造が分かるように、照明板３を外した状態を示している。図３に示すように、複数の円形蛍光灯８が配置されており、この円形蛍光灯８の光を反射するように、円形蛍光灯８の間には山型状反射板６が取り付けられ、四周部分には板状反射板５が取り付けられている。
【００１４】
次に、図４は、本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の一部分の拡大図であり、図３におけるＣ部を拡大したものである。なお、図４の拡大図では、内部構成をわかりやすくするために、板状反射板５の一部をカットして示している。図４に示すように、本実施の形態１におけるエレベータ用照明装置では、板状反射板５が四周部分に配置されており、インバータ照明器具７がこれら板状反射板５によって覆われている。
【００１５】
次に、図５は、本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の断面拡大図であり、図２におけるＢ部を拡大して示したものである。この図５は、山型状反射板６および板状反射板５による光反射効果を説明するための図であり、円形蛍光灯８の光の方向が、複数の矢印として表されている。円形蛍光灯８から直接、照明板３へ向かう光だけでなく、山型状反射板６および板状反射板５で反射されて、間接的に照明板３へ向かう光も存在していることがわかる。
【００１６】
以上のように、実施の形態１によれば、山型状反射板および板状反射板を設置することで、インバータ照明器具を四周部および蛍光灯間に配置させることができ、インバータ照明器具と円形蛍光灯の位置を近づけることができる。この結果、天井の四周部分の暗さを軽減できる。
【００１７】
さらに、光の拡散を多くし、円形蛍光灯から照明板に達する光量を均一に拡散させることができ、エレベータかご内から見上げた光ムラを軽減することができるとともに、意匠性の向上を図ることもできる。
【００１８】
さらに、板状反射板内および山型状反射板内にインバータ照明器具を設置することにより、円形蛍光灯の熱からの遮熱効果が得られ、インバータ照明器具を設置する際に、蛍光灯からの熱の影響を考える必要がなくなる。この結果、従来よりも円形蛍光灯を吊天井の側面近くまで配置できる、あるいは円形蛍光灯を互いにより近接させて配置できるなど、レイアウトの自由度を向上させることも可能となる。
【００１９】
なお、上述の説明では、円形蛍光灯を用いる場合を説明したが、本発明のエレベータ用照明装置は、円形でない蛍光灯を用いることも可能であり、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【００２０】
１ 吊天井、２ 天蓋部、３ 照明板、４ 側板、５ 板状反射板、６ 山型状反射板、７ インバータ照明器具、８ 円形蛍光灯（蛍光灯）、９ 遮光板。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エレベータの乗りかご内のかご室天井部に設けられたエレベータ用照明装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のエレベータの乗りかご内のかご室天井部に設けられたエレベータ用照明装置では、天蓋上の省スペース化を図るために、蛍光灯とインバータ照明器具を同じ吊天井内に設置する構成としている。（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−７２１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来のエレベータ用照明装置では、薄型化のために、インバータ照明器具を吊天井内に設置する際に、蛍光灯と、蛍光灯の熱を嫌うインバータ照明器具とを接近させた配置ができないという制約があった。この制約に伴って蛍光灯同士の間隔が広がると、照明板に広がる光にムラが出る、あるいは、照明板の四周部分が暗く見えるという問題があった。
【０００５】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、インバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置し、光ムラを向上することができるエレベータ用照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係るエレベータ用照明装置は、照明板で覆われた天蓋部内に、複数のインバータ照明器具および複数のインバータ照明器具により点灯される複数の蛍光灯を配置してなるエレベータ用照明装置において、照明板で覆われた天蓋部の四周部分に設けられた板状反射板と、複数の蛍光灯の間に設けられた山型状反射板とを備え、板状反射板および山型状反射板は、複数の蛍光灯から発生する熱を遮断する効果および複数の蛍光灯から発生する光を反射する効果を有し、インバータ照明器具は、板状反射板内、あるいは山型状反射板内に配置されるものである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係るエレベータ用照明装置によれば、蛍光灯の熱からの遮熱効果および蛍光灯の光の反射効果を有する山型状反射板および板状反射板を有し、これらの反射板で覆われるように、四周部および蛍光灯間の、蛍光灯に近接した位置に、インバータ照明器具を配置させることにより、インバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置できるとともに、光ムラを向上することができるエレベータ用照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の実施の形態１のエレベータ用照明装置におけるかご室天井部の斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態１における図１で示したエレベータ用照明装置の縦方向断面図である。
【図３】本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置を、図２における矢印Ａの方向から見た斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の一部分の拡大図である。
【図５】本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明のエレベータ用照明装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【００１０】
実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１のエレベータ用照明装置におけるかご室天井部の斜視図である。図１おけるかご室天井部は、吊天井１、天蓋部２、および照明板３で構成されており、かご室の側面は、側板４が設けられている。
【００１１】
また、図２は、本発明の実施の形態１における図１で示したエレベータ用照明装置の縦方向断面図である。本実施の形態１におけるエレベータ用照明装置は、吊天井１、天蓋部２、および照明板３で囲まれたかご室天井部内に収納されており、板状反射板５、山型状反射板６、インバータ照明器具７、円形蛍光灯８、および遮光板９を含む構成となっている。ただし、遮光板９を含まない構成をすることも可能である。
【００１２】
図２に示すように、インバータ照明器具７は、板状反射板５および山型状反射板６で覆われるように配置されている。ここで、板状反射板５および山型状反射板６は、円形蛍光灯８から発生する熱を遮断する効果、および円形蛍光灯８から発生する光を反射する効果を兼ね備えている。このような反射板の熱遮断効果により、蛍光灯の熱を嫌うインバータ照明器具を蛍光灯と近接して設置できるとともに、光反射効果により、光ムラを向上させることができる。
【００１３】
図３は、本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置を、図２における矢印Ａの方向から見た斜視図である。なお、図３の斜視図は、エレベータ用照明装置の内部構造が分かるように、照明板３を外した状態を示している。図３に示すように、複数の円形蛍光灯８が配置されており、この円形蛍光灯８の光を反射するように、円形蛍光灯８の間には山型状反射板６が取り付けられ、四周部分には板状反射板５が取り付けられている。
【００１４】
次に、図４は、本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の一部分の拡大図であり、図３におけるＣ部を拡大したものである。なお、図４の拡大図では、内部構成をわかりやすくするために、板状反射板５の一部をカットして示している。図４に示すように、本実施の形態１におけるエレベータ用照明装置では、板状反射板５が四周部分に配置されており、インバータ照明器具７がこれら板状反射板５によって覆われている。
【００１５】
次に、図５は、本発明の実施の形態１におけるエレベータ用照明装置の断面拡大図であり、図２におけるＢ部を拡大して示したものである。この図５は、山型状反射板６および板状反射板５による光反射効果を説明するための図であり、円形蛍光灯８の光の方向が、複数の矢印として表されている。円形蛍光灯８から直接、照明板３へ向かう光だけでなく、山型状反射板６および板状反射板５で反射されて、間接的に照明板３へ向かう光も存在していることがわかる。
【００１６】
以上のように、実施の形態１によれば、山型状反射板および板状反射板を設置することで、インバータ照明器具を四周部および蛍光灯間に配置させることができ、インバータ照明器具と円形蛍光灯の位置を近づけることができる。この結果、天井の四周部分の暗さを軽減できる。
【００１７】
さらに、光の拡散を多くし、円形蛍光灯から照明板に達する光量を均一に拡散させることができ、エレベータかご内から見上げた光ムラを軽減することができるとともに、意匠性の向上を図ることもできる。
【００１８】
さらに、板状反射板内および山型状反射板内にインバータ照明器具を設置することにより、円形蛍光灯の熱からの遮熱効果が得られ、インバータ照明器具を設置する際に、蛍光灯からの熱の影響を考える必要がなくなる。この結果、従来よりも円形蛍光灯を吊天井の側面近くまで配置できる、あるいは円形蛍光灯を互いにより近接させて配置できるなど、レイアウトの自由度を向上させることも可能となる。
【００１９】
なお、上述の説明では、円形蛍光灯を用いる場合を説明したが、本発明のエレベータ用照明装置は、円形でない蛍光灯を用いることも可能であり、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【００２０】
１ 吊天井、２ 天蓋部、３ 照明板、４ 側板、５ 板状反射板、６ 山型状反射板、７ インバータ照明器具、８ 円形蛍光灯（蛍光灯）、９ 遮光板。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
照明板で覆われた天蓋部内に、複数のインバータ照明器具および前記複数のインバータ照明器具により点灯される複数の蛍光灯を配置してなるエレベータ用照明装置において、
前記照明板で覆われた前記天蓋部の四周部分に設けられた板状反射板と、
前記複数の蛍光灯の間に設けられた山型状反射板と
を備え、
前記板状反射板および前記山型状反射板は、前記複数の蛍光灯から発生する熱を遮断する効果および前記複数の蛍光灯から発生する光を反射する効果を有し、
前記インバータ照明器具は、前記板状反射板内、あるいは前記山型状反射板内に配置される
ことを特徴とするエレベータ用照明装置。
【請求項１】
照明板で覆われた天蓋部内に、複数のインバータ照明器具および前記複数のインバータ照明器具により点灯される複数の蛍光灯を配置してなるエレベータ用照明装置において、
前記照明板で覆われた前記天蓋部の四周部分に設けられた板状反射板と、
前記複数の蛍光灯の間に設けられた山型状反射板と
を備え、
前記板状反射板および前記山型状反射板は、前記複数の蛍光灯から発生する熱を遮断する効果および前記複数の蛍光灯から発生する光を反射する効果を有し、
前記インバータ照明器具は、前記板状反射板内、あるいは前記山型状反射板内に配置される
ことを特徴とするエレベータ用照明装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−１５７１５０（Ｐ２０１１−１５７１５０Ａ）
【公開日】平成２３年８月１８日（２０１１．８．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１８３１１（Ｐ２０１０−１８３１１）
【出願日】平成２２年１月２９日（２０１０．１．２９）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年８月１８日（２０１１．８．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１月２９日（２０１０．１．２９）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
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