説明

エンジンとそれを固定するためのデバイスとを具備してなる航空機用エンジンアセンブリ

本発明は航空機用のエンジンアセンブリ(1)に関し、当該アセンブリはエンジン(6)とこのエンジンを固定するためのデバイス(4)とを具備してなり、この固定デバイスは、航空機の翼システムとエンジンとの間に配置されるよう設計されており、しかも剛構造体(8)と、この剛構造体にエンジンを固定するための手段とを具備してなり、固定手段は第1のファスナー(10)と第2のファスナー(12)とから構成されている。本発明は、第1のファスナーがそれぞれエンジンのファンケーシング(18)に対して取り付けられた二つの側方ファスナー半体(10a)を具備してなり、かつ第2のファスナーがエンジンの中心ケーシング(22)の前部に対して取り付けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の翼とエンジンとの間に配置されることになる、航空機用エンジンの取り付けのためのパイロンの分野に関するものであり、さらに詳しくはこのパイロンデバイスを具備してなるエンジンアセンブリに関するものである。
【0002】
本発明は、ターボジェットエンジンあるいはターボプロップエンジン、あるいはその他いかなるタイプのエンジンを備えた、いかなるタイプの航空機においても使用可能である。
【0003】
エンジンマウント構造体を略して「EMS」とも呼ばれる、このタイプの取り付けパイロンは、航空機の翼の下にターボジェットエンジンを吊り下げるのに、あるいは当該ターボジェットエンジンを当該翼の上にマウントするのに使用できる。
【背景技術】
【0004】
航空機用のエンジンマウント(取り付け)デバイスは、エンジンと航空機の翼との間の接続インタフェースを形成するよう設計される。それは、関係するエンジンによって生じる荷重を機体に伝達することを可能とし、しかもエンジンと航空機との間に、燃料ライン、電気、油圧および空気用の経路を提供する。
【0005】
荷重の伝達を確実なものとするために、エンジンマウントは、たとえばボックス型の、すなわち横方向リブによって互いに接合された上側および下側桁材からなるアセンブリから形成された剛構造体を具備してなる。
【0006】
同様に、エンジンマウントは、エンジンとエンジンマウントの剛構造体との間に配置されたマウント手段を備えるが、これらの手段は全体として二つのアセンブリを、概して前部アタッチメントおよび後部アタッチメントを具備してなる。
【0007】
さらに、ある取り付け手段は、ターボジェットエンジンによって生じるスラスト荷重を伝達するスラストマウントデバイスを具備してなる。従来、このデバイスは、通常は、第一に中心エンジンケーシングの前部に対してあるいは中心エンジンケーシングの後部に対して、そして第二にマウントアセンブリの剛構造体に対して連結された二つのサイドリンクの形態である。
【0008】
同様に、エンジンマウントはまた、エンジンマウントと航空機の翼との間に介在させられた取り付けシステムを具備してなるが、当該システムは概して二つまたは三つのアタッチメントから構成される。
【0009】
最後に、エンジンマウントは、異なるシステムを分離しかつ支持すると共に空力カウリングを保持する二次構造体を備える。
【0010】
当業者には公知の様式で、エンジンによって生じるスラスト荷重は、たいていは、多かれ少なかれ、エンジンの前後方向の撓みを引き起こす。すなわち、撓みは、スラスト荷重によってもたらされかつ航空機の前後方向軸線に沿って作用するトルクに起因する。この点に関して、航空機の巡航状況下では、スラスト荷重は、エンジンの前後方向の撓みの唯一の原因であることにも留意されたい。
【0011】
特に航空機の巡航時に上記前後方向の撓みが生じる場合には二つの問題を伴う。第1の問題に関して、観察される撓みに関して予防措置が取られておらず、第一には回転するファンブレードとファンケーシングとの間に、そして第二には回転するコンプレッサーおよびタービンブレードと中心エンジンケーシングとの間に不可避的に大きな摩擦が生じている。そうした摩擦の最も重大な帰結は、エンジンの早期損耗であり、これは明らかにその耐用年数およびその性能レベルにとって有害である。第2の問題に関して、運転クリアランスが前後方向の撓みによって事実上接触が決して生じないようなものとされると、エンジン出力の著しい低下が引き起こされる。
【0012】
上記の事実に鑑みて、上記運転クリアランスを必要以上に大きくすることなく、可能な限り制限摩擦を最小限に抑えるために、スラスト荷重に起因するエンジンの前後方向の撓みを最も良好に抑制する取り付け手段を提供する必要があることは明らかである。
【0013】
だが、従来型の取り付け手段では、特に航空機の巡航時のスラスト荷重に関連する左右方向軸(横軸)トルクに起因するエンジンの前後方向の撓みを、全く申し分のないほどには抑制できないことが判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって本発明の目的は、従来形態に関連する上記欠点を(少なくとも部分的に)克服する航空機用エンジンアセンブリを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的に関して、本発明の対象事項はエンジンおよびエンジンマウントを具備してなる航空機用エンジンアセンブリであり、エンジンマウントは航空機の翼とエンジンとの間に介在させられるようになっており、しかも剛構造体およびエンジンをこの剛構造体にマウントするための手段を具備してなり、このマウント手段は第1のアタッチメントおよび第2のアタッチメントからなる。本発明によれば、第1のアタッチメントは、それぞれエンジンのファンケーシングに対して取り付けられた二つのサイドアタッチメント半体からなり、しかも第2のアタッチメントは当該エンジンの中心ケーシングの前部に対して取り付けられる。
【0016】
すなわち、本発明のエンジンアセンブリにおいては、意図されたエンジンアタッチメントの全ては、エンジンのファンケーシングまたは中心エンジンケーシングの前部のいずれかに取り付けられる。ゆえに、エンジンによって生じる荷重の伝達が第2のエンジンアタッチメントによって中心ケーシングの前部だけで保証できる本発明に特有の、この形態に関しては、当該エンジンの中心ケーシングの後方中央部分は、従来形態に場合のように、一つ以上の後部エンジンアタッチメントによってエンジンマウントに対してもはや結合されていないことを理解されたい。同様に、本発明はそれゆえ、エンジンの排気ケーシングにおいてはエンジンアタッチメントを供しないが、これは、ファンケーシングの後方に配置されたエンジンの部分全体は、事実上、有利なことには取り付け手段を備えたリンクが存在しないことを意味する。
【0017】
明らかに、それを用いてエンジンからの荷重をエンジンと剛構造体との間で伝達できる機械式リンクは単に上記取り付け手段からなり、それ自体単に第1のアタッチメントの上記二つのサイドアタッチメントおよび上記第2のアタッチメントからなることに留意されたい。こういうわけで、中心エンジンケーシングの前部に対して取り付けられた上記第2のエンジンアタッチメントに対して後方に位置するエンジンの部分全体には、剛構造体への取り付けのためのエンジンアタッチメントが存在しない。
【0018】
その結果、エンジンアタッチメントのこの独特の配置によって、中心ケーシングがこうむる撓みは、この撓みがエンジンによって生じるスラスト荷重によるものであろうと、航空機のさまざまな飛行段階で遭遇するであろう突風によるものであろうと、著しく低減される。
【0019】
それゆえ、上述したように撓みが低減するので、回転するコンプレッサーおよびタービンのブレードと中央エンジンケーシングとの間の摩擦が著しく軽減され、したがって、これらブレードの早期損耗に起因する出力ロスが大幅に低減される。
【0020】
参考までに言うと、一つのエンジンアタッチメントをファンケーシング上に、そして一つのエンジンアタッチメントを中心エンジンケーシングの前部に設けることによって、それらを互いに十分に離間させて配置することが可能となることに留意されたい。そうした離間の利点は、所与の軸線に沿ったモーメントに関連する、それが伝達することになる荷重は、一般的な従来技術の解決策に関して確認される荷重と比べて当然ながら低減されるという事実に起因して、上記エンジンアタッチメントの構造を簡素化できることである(もっぱら中心ケーシング上に配置されたエンジンアタッチメント同士は、それほど遠く離れて配置することができない)。
【0021】
最後に、エンジンアタッチメントおよびエンジンマウントは有利なことにエンジンの高温部から離れた位置に配置でき、これによって当該構成要素に加えられるであろう熱の影響が著しく低減される。
【0022】
好ましくは、第2のエンジンアタッチメントはエンジンの前後方向に沿って作用する負荷を伝達するよう構成され、そして第1のエンジンアタッチメントの二つのアタッチメント半体はそれぞれエンジンの前後方向に沿ってかつエンジンの垂直方向沿って作用する荷重を伝達するよう構成される。
【0023】
さらに、これに代えて、二つのエンジンアタッチメントの一方がまた、それがエンジンの左右方向に沿って作用する荷重を伝達するよう構成されてもよい。
【0024】
好ましくは、第2のエンジンアタッチメントは、中心ケーシングを上記ファンケーシングに対して連結する固定ブレードを支持する中心ケーシングの前部の一部に対して取り付けられる。この場合、事実上、ファンケーシングの後方に配置されたエンジンの部分全体は、有利なことには取り付け手段を備えたリンクを持たず、したがって前後方向の撓みを受けずに自由に動作できる。
【0025】
にもかかわらず、第2のエンジンアタッチメントは中心エンジンケーシング上でさらに後方に配置できるが、依然としてその前部に、すなわち高圧コンプレッサーの前部に存在することに留意されたい。
【0026】
好ましくは、第1のアタッチメントは、エンジンに対して固定されたエンジンブレードおよび剛構造体に対して固定されたエンジンマウント部を具備してなり、これらエンジンおよびエンジンマウント部は互いに固定されかつそれぞれ互いに当接する二つの接触面を有し、これら二つの接触面はエンジンの左右方向および垂直方向によって規定される平面に沿って配置される。
【0027】
第2のアタッチメントが、エンジンに対して固定されたエンジンブレードおよび剛構造体に対して固定されたエンジンマウント部を具備してなるようにすることもでき、エンジン部およびエンジンマウント部は互いに固定され、しかもそれぞれ互いに当接する二つの接触面を有し、これら二つの接触面は、エンジンの前後方向および垂直方向によって規定される平面に沿って配置される。
【0028】
だが、一つの好ましい解決策は、エンジンに対して取り付けられたエンジン部ならびに剛構造体に対して固定されたエンジンマウント部を備えた第2のアタッチメントを提供することであり、このエンジンおよびエンジンマウント部は互いに固定され、かつそれぞれ互いに当接する二つの接触面を有し、これら二つの接触面は、だが、エンジンの左右方向および垂直方向によって規定される平面に沿って配置される。
【0029】
上記の場合、二つのエンジンアタッチメントは有利なことには剛構造体上でのエンジンの軸方向の位置決めが可能となるように構成され、搭載中になされる相対的な軸方向の移動は続いて、エンジンに対して垂直方向および左右方向の両方に配置された、さまざまな接触面間の当接によって停止させられる。
【0030】
別の解決策は、スラスト荷重を伝達するための二つのサイドリンクを具備してなる第2のアタッチメントを提供することであり、これらのリンクは剛構造体に連結された後方端部を有する。それゆえ、一般的なスラストマウントデバイスの形態に第2のエンジンアタッチメントを設計することによって、剛構造体の前部の構造は、それがもっぱら第1のアタッチメントを支持する限り、簡素化できる。この形態においては、後部アタッチメントは、たとえば、従来形態によく見られるように、スラストリンクの後端部を支持する整流バーによって剛構造体の下側中心部分に対して連結される。
【0031】
最後に、マウントシステムは平衡システムであることが有利であり、これは、その設計を著しく容易なものとすることに留意されたい。
【0032】
本発明の上記以外の利点および特徴は、以下の非限定的説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明について説明する。
【0034】
本発明のさまざまな好ましい実施形態を示す各図において、同じ参照数字が付された構成要素は同一または類似の要素である。
【0035】
図1に関して、航空機の翼(図示せず)の下に吊り下げられるよう意図されたエンジンアセンブリ1を認識できるが、当該アセンブリ1は、マウントデバイス4およびこのデバイス4の下方にマウントされたターボジェットエンジンのようなエンジン6を具備してなる、本発明の第1の好ましい実施形態の様式である。
【0036】
概して、マウントデバイス4は、エンジン6をマウントするための手段を支持する剛構造体8を具備してなるが、このマウント手段は二つのエンジンアタッチメント10,12からなる。
【0037】
参考までに、アセンブリ1はナセル(図示せず)によって取り囲まれるよう意図されており、しかもマウントデバイス4は、航空機の翼の下方で、このアセンブリ1を吊り下げるのに使用される他の一連のアタッチメント16を具備してなることに留意されたい。
【0038】
以下の説明では、慣例により、Xは、ターボジェットエンジン6の前後方向と比較可能なマウントデバイス4の前後方向(長手方向)を指し示すのに用いるが、このX方向はターボジェットエンジン6の前後方向中心線と平行である。同様に、Yはマウントデバイス4と交差する方向を指し示すが、これはまたターボジェットエンジン6の左右方向(横方向)と比較可能であり、そしてZは鉛直方向すなわち高さを指し示し、これら三つの方向は互いに直交している。
【0039】
さらに、「前方」および「後方」との用語は、ターボジェットエンジン6によって加えられるスラストによって生じる航空機の飛行方向と関連付けて解釈すべきであり、この方向は矢印7によって概略的に示す。
【0040】
図1においては、二つのエンジンアタッチメント10,12、ならびにマウントデバイス4の一連のアタッチメント16および剛構造体8を認識できる。当該デバイス4のその他の構成要素(図示せず)、たとえば別のシステムの分離および支持を確実なものとすると共に空力的カウリングを支持する二次的構造体は、従来技術に見出されかつ当業者にはよく知られたものと同一あるいは類似の既存の構成要素である。ゆえに、その詳しい説明は省略する。
【0041】
さらに、ターボジェットエンジン6は、その前部において、環状ファンダクト20を形成するサイズの大きなファンケーシング18を有し、しかも後方に向かって、ターボジェットエンジンのコアを取り囲む、より小さなサイズの中心ケーシング22を具備してなることに留意されたい。最後に、ターボジェットエンジン6の後端には、後方に向かって、中心ケーシング22よりもサイズの大きな排気ケーシング23が存在している。明らかに、ケーシング18,22および23は互いに固定されている。これに関連して、中心ケーシング22は、前方に配置され、かつより大きな直径を有する部分25を具備してなるが、この部分25は、中心ケーシング22をファンケーシング18に対して結合する固定ブレード27を支持している。
【0042】
図1から分かるように、マウントデバイス4のエンジンアタッチメント10,12の数は二つであり、それぞれ、第1のエンジンアタッチメントおよび第2のエンジンアタッチメントと、あるいは後に説明する、それらの相対的配置状態のために上側アタッチメントおよび下側アタッチメントと呼ばれる。
【0043】
第1のエンジンアタッチメント10は、剛構造体8の前端部(分かりやすくするために図示せず)とファンケーシング18の上側環状部分との間に介在させられている。
【0044】
さらに詳しく言うと、第1のエンジンアタッチメント10は二つのサイドアタッチメント半体10aからなり、これら二つのアタッチメント半体10aのそれぞれは、図1に大まかに示すように、X方向に沿ってかつZ方向に沿って作用する荷重を伝達できるように構成されている。明らかに、これら二つのアタッチメント半体10aは、エンジン6の前後方向中心線を通る垂直面(図示せず)に関して対称配置されている。
【0045】
概して言うと、上記垂直面は、そのマウント手段を備えたマウントデバイス4全体にとっての対称面を形成している。
【0046】
同様に、第2のアタッチメント12は、剛構造体8の前端部と中心ケーシング22の部分25との間に、すなわちこの中心ケーシング22の前端部に配置されている。
【0047】
したがって第1のアタッチメント10の下方に配置されるこの第2のアタッチメント12は、X方向に沿って作用する荷重およびY方向に沿って作用する負荷を伝達できるように構成される。
【0048】
上記均衡構造によって、概ね図1から分かるように、前後後方Xに沿って作用する荷重は第1および第2のアタッチメント10,12によって協働で伝達され、左右方向Yに沿って作用する荷重はもっぱら第2のアタッチメント12によって伝達され、そして垂直方向Zに沿って作用する荷重は第1のアタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aによって協働で伝達される。
【0049】
同様に、X方向に沿って作用するモーメントの伝達は、もっぱらアタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aによって保証され、一方、Y方向に沿って作用するモーメントの伝達は上記二つのエンジンアタッチメント10,12によって協働で保証される。さらに、Z方向に沿って作用するモーメントの伝達もまた、もっぱら第1のアタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aによって保証される。
【0050】
図2は、図1に示す第1の好ましい実施形態を具現化するための第1の代替例の形態のエンジンアセンブリ1を示す。
【0051】
この第1の代替実施形態においては、二つのアセンブリ半体10aを含む第1のアタッチメント10は垂直インタフェースを有する。つまり、それはそれぞれエンジン6および剛構造体8に対して取り付けられた二つの部分を具備してなり、しかも図3を参照してさらに詳しく説明するように、それらはYZ平面に沿って当接状態となっている。他方、第2のアタッチメント12は水平インタフェースを有する。つまり、それはそれぞれエンジン6および剛構造体8に対して取り付けられた二つの部分を具備してなり、しかも図4を参照してさらに詳しく説明するように、XY平面に沿って当接状態となっている。
【0052】
それゆえ第1のアタッチメント10すなわち上側アタッチメントを示す図3を参照すると、エンジン6と剛構造体8との間の最終的な取り付け前には、このアタッチメント10は、エンジン6に対して取り付けられたエンジン部28と、剛構造体8に対して取り付けられたエンジンマウント部30とを具備してなり、これらの部分28,30のそれぞれは、二つのアタッチメント半体10aを画定するために、対称平面として前後方向中心線を通る垂直平面を有していることが分かる。
【0053】
エンジン部28は、左右方向に配置されかつファンケーシング18の上側端部に対して取り付けられた中央ブラケット32を具備してなり、この中央ブラケット32は、YZ平面に沿ってかつ後方に面するよう配置された接触面34を含んでいる。
【0054】
さらに、この中央ブラケット32の両側には、Y方向に沿って配置されたピン36が設けられ(図3においては一つのピンしか認識できないが、これは図3が拡大斜視図であるからである)、各ピン36は、それに関連するアタッチメント半体10aの一部を形成すると共に、好ましくは三角形状であるサイドブラケット38と協働する。
【0055】
XZ平面に沿って配置された上記サイドブラケット38は、それゆえ、上記ピン36を中心として旋回可能に支持された一つの頂点を有し、一方、その二つの他の頂点はやはりXZ平面に沿って配置されかつファンケーシング18の周方向輪郭に追従するフレーム42を備えた単一部品として形成された二次サイドブラケット40に対してピンを用いて取り付けられている。このフレーム42はたとえばL形断面を有し、そしてファンケーシング18に取り付けられた別なフレーム44(これも二つの構成要素42,44間の二重面接触を確実なものとするためにL形断面有する)に固定的に取り付けられている。
【0056】
エンジンマウント部30に関して、これは、YZ平面に沿ってかつ前方に配置された接触面47を含む中央プレート46を備える。この中央プレート46は剛構造体8の前部の両側に配置された二つのサイドサポート48に当接している。
【0057】
図3において一点鎖線50,52,54で大まかに示すように、エンジンおよびエンジンマウント38,30は、X方向に沿って配置された、たとえばボルトおよびピン(図示せず)によって、互いに固定されるようになっている。この目的のために、接触面34および47は予め互いに当接させられ、続いて、各アタッチメント半体10aのボルトおよびピンは、中央ブラケット32、中央プレート46およびサイドサポート48を続けて通過するよう配置される(これらの構成要素は、この目的のために孔が設けられている)。
【0058】
図3には左側のアタッチメント半体10aだけしか示されていないが、右側のものも同様の構造を有することに留意されたい。さらに、中央ブラケット32および中央プレート46は、上側アタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aに共通であるとみなされる構成要素であることを理解されたい。
【0059】
この上側アタッチメント10を支持するために、剛構造体8は、一般的な形態の、すなわち実質的にX方向に沿って後部から前部へと延在すると共に、横方向リブによって互いに接合された上側および下側桁材からなるアセンブリによって形成されたメインボックス56を具備してなる。したがって、アタッチメント10のエンジンマウント部30が取り付けられるのは上記ボックス56の前側端部である。
【0060】
同様に、剛構造体8は下方に突出する部分58を具備してなり、当該部分58はボックス56の前方端部の真下に取り付けられている。
【0061】
図4を参照してさらに詳しく説明するように、突出部58は、本質的に、第2のアタッチメント12の取り付けを確実なものとするために設けられている。
【0062】
それゆえ、第2のアタッチメント12すなわち下側アタッチメントを示す図4を参照すると、エンジン6と剛構造体8との間の最終取り付け前には、当該アタッチメント12は、エンジン6に対して、さらに詳しくは中心ケーシングの前部の部分25に対して取り付けられたエンジン部62と、剛構造体8に対して、さらに詳しくは突出部58に対して取り付けられたエンジンマウント部60を具備してなり、これらの部分60,62のそれぞれは、対称面として、前後方向中心線5を通る垂直面を有していることが分かる。
【0063】
エンジン部62は前後方向であってかつ水平方向に配置された中央プレート64を具備してなり、かつXY平面に沿って上向きに配置された接触面66を含んでいる。エンジン部62はまた部分25の上側部分に対して取り付けられた二つのサポートブラケット68を具備してなり、そして両者の間に中央プレート64の前端部が挿入されている。この目的のために、二つのサポートブラケット68はまたXY平面に沿って配置されており、下側にあるブラケットは任意選択で前後方向の補強リブ(図示せず)を備える。実質的に垂直に配置されたピン61によって、二つのサポートブラケット68と中央プレート64とが連結状態となっている。
【0064】
エンジンマウント部60に関して、これは実質的に、XY平面に沿ってかつ下方に配置された接触面67を含む中央プレート70を備えるが、この中央プレート70は剛構造体8の突出部58の下端部を形成している。
【0065】
図4に概ね一点鎖線72,74で示すように、エンジンおよびエンジンマウント部60,62は、たとえばX方向に沿って配置されたボルト(図示せず)を介して互いに固定されるようになっている。この目的のために、接触面66および67は予め互いに当接させられ、続いてボルトが中央プレート70および64を連続的に貫通するように配置される(これらのプレートはそれゆえ、この目的のために孔を備える)。
【0066】
図5には、図1に示す第1の好ましい実施形態を具現化するための第2の代替例の形態のエンジンアセンブリ1を示す。
【0067】
この第2の代替例にあっては、二つのアタッチメント半体10aを含む第1のアタッチメント10は、図2および図3に示すアタッチメント10のそれと同じ構造を有する。それゆえ、その詳細な説明は省略する。
【0068】
その一方で、この第2の代替例の第2のアタッチメント12は、図6を参照してさらに詳しく説明するように、それが垂直インタフェースと一体化しているという、すなわちそれがエンジン6および剛構造体8に対してそれぞれ取り付けられかつYZ平面に沿って当接状態にある二つの部品を具備してなるという特殊性を有する。
【0069】
エンジン6と剛構造体8との間の最終取り付け前の状態で第2のアタッチメント12すなわち下側アタッチメントを示す図6からは、当該アタッチメント12がエンジン6に対して取り付けられたエンジン部76と、剛構造体8に対して取り付けられたエンジンマウント部78とを具備してなり、これら部分76,78のそれぞれは、対称面として、前後方向中心線5を通る垂直面を有していることが分かる。
【0070】
エンジン部76は上側中央ブラケット80と下側中央ブラケット82とを具備してなるが、これらブラケット80,82は当接状態にあり、しかもそれぞれL形断面および略T形断面を有している。それらは、その重ね合わされた後部がXZ平面に沿って存在するように配置されており、この結果、最も後方に位置するブラケット82の後部はYZ平面に沿ってかつ後方を向くように配置された接触面84を形成している。
【0071】
これら二つの中央ブラケット80,82の前方側当接部は、部分25の上側部分に取り付けられた二つのサポートブラケット86同士の間に挿入されており、これら二つのブラケット86は、上述した前方部分と同じ様式で、XY平面に沿って配置されている。参考までに、サポートブラケット86とブラケット80,82の前部との間の連結状態は、好ましくは、ピン、たとえばこれらの構成要素の全てをZ方向に貫通する二重ピンを用いて実現される。
【0072】
エンジンマウント部78に関して、これは、YZ平面に沿って配置された中央プレート90と、それぞれXZ平面に沿って配置された二つの側壁92とを備えた中央ブラケット88を備える。
【0073】
上記中央ブラケット88は、そのプレート90によって、YZ平面に沿ってかつ前方に向かって配置された接触面94を形成している。
【0074】
さらに、上記ブラケット88は、それが取り付けられる剛構造体8の前端部の下方に全体的に配置されるが、中央プレート90は、それにもかからず、それが、特に図3に示される前部アタッチメント10の中央プレート46と一つになるまで上向きに延在できることに留意されたい。他方で、このブラケット88の側壁92は、好ましくは、図6から明らかであるように、剛構造体8の側壁(参照数字なし)から連続して設けられる。
【0075】
同様に、スラスト荷重伝達の可能性を向上させるために、側壁92と平行に一つ以上の前後方向補強リブ(破線で一つだけを示す)を付加することができる。
【0076】
図6において一点鎖線96,98によって大まかに示すように、エンジンおよびエンジンマウント部品76,78は、たとえばX方向に沿って配置されたボルトおよびピン(図示せず)を用いて互いに固定されるようになっている。この目的のために、接触面84,94は予め互いに当接させられ、続いてボルトおよびピンが、この目的のために孔が設けられた中央ブラケット80,82および中央プレート90の一つを続けて通過するように配置される。
【0077】
参考までに言うと、図6に100で示しかつ上側中央ブラケット80に形成された孔は、それがY方向に沿って作用する荷重を伝達できるように、前後方向に配置されるピンを受けるためのものである。これは、上述したように、この第2のアタッチメント12はXおよびY方向に沿って作用する荷重を伝達するよう意図されているからである。
【0078】
この第2の代替例は剛構造体8の前部を簡素化できるという利点を有するが、この部分にはもはや、図2に示す第1の代替例のように突出部を一体化する必要はない。剛構造体はそれゆえ図2に示すものと同一あるいは類似の一般的なボックス56の形態である。
【0079】
さらに、マウント手段を形成する二つのアタッチメント10,12はいずれも、剛構造体8上でのエンジン6の軸方向の位置決めを有利に可能とする垂直および左右方向(横方向)インタフェースを有するが、搭載中に実施される相対的な軸方向の移動は、したがって、YZ平面に沿って配置されたさまざまな面34,47,84,94同士の当接によって制限される。
【0080】
図7は、図1に示す第1の好ましい実施形態を具現化するための第3の代替例の形態のエンジンアセンブリ1を示す。
【0081】
この第3の代替例においては、第2のアセンブリ(図7は斜視図であるから認識できない)は図2および図4に示すアタッチメント12と同一の構造であるか、あるいは図5および図6に示すアタッチメント12と同一の構造である。それゆえ、詳しい説明は省略する。
【0082】
その一方で、上記第3の代替例の第1のアタッチメント10は、それぞれXおよびZ方向に沿って作用する荷重を伝達できる二つのアタッチメント半体10aを備えたタイプではあるが、第1および第2の代替例に関して上述したものとは異なっている。
【0083】
エンジン6と剛構造体8との間に配置された第1のアタッチメント10すなわち上側アタッチメントを示す図8を参照すると、このアタッチメント10は、対称平面として、前後方向中心線5を通る垂直面を提供し、この特殊性は特に二つのアタッチメント半体10aを画定するために付与されていることが分かる。
【0084】
上記アタッチメント10はまず、左右方向に配置されかつ剛構造体8の前端部に対して取り付けられた中央ブラケット102を具備してなるが、その構造は第2の代替例に関して説明したものと同一であってもあるいはそれに類似していてもよい。
【0085】
ブラケット102はそれゆえ二つのアタッチメント半体10aの画定に関与している。なぜなら、この中央ブラケット102の二つの側方端部はそれぞれ左側アタッチメント半体および右側アタッチメント半体に属しているからである。
【0086】
第一に、二つのアタッチメント半体10aは同一であるから、以下では左側のものだけを説明する。
【0087】
したがって、図8からわかるように、中央ブラケット102の側方端部は、前後方向軸線104に沿ってその上で回動可能とされかつYZ平面内に存在するシャックル106を支持するが、このシャックル106は、それがエンジン6の中心線5を通る垂直面に向かって上方に延在するよう、ある角度で存在している。シャックル106の別の端部は、ファンケーシング18の上側部分に対して取り付けられたブラケット(図示せず)上で前後方向軸線108に沿って回動可能となっている。それゆえ、シャックル106の特定の位置決めおよび取り付けによって、関係するアタッチメント半体10aはZ方向に沿って作用する荷重を伝達することが可能となっている。
【0088】
さらに、中央ブラケット102の側方端部はまた、左右方向軸線110に沿って回動可能とされたリンク112を支持するが、このリンク112は、それがエンジン6の後部に向かってわずかに上方に延在するよう、XZ平面内に僅かに傾斜した状態で存在する。リンク112の前部は、ファンケーシング18の上側部分に対して取り付けられたブラケット(図示せず)上で左右方向軸線114に沿って回動可能となっている。それゆえ、リンク112の特定の位置決めおよび取り付けによって、関係するアタッチメント半体はX方向に作用する荷重を伝達することが可能となっている。
【0089】
ここで図9を参照すると、航空機の翼(図示せず)の下に吊り下げられることになる、航空機用エンジンアセンブリ1を認識できるが、このアセンブリ1は、マウントデバイス4およびこのマウントデバイス4の下方に取り付けられたターボジェットエンジンのようなエンジン6を具備してなる本発明の第2の好ましい実施形態の様式である。
【0090】
このエンジンアセンブリ1は、図1に示すものと実質的に同一であるが、Y方向に沿って作用する荷重はもはや第2のエンジンアタッチメント12によって伝達されず、第1のエンジンアタッチメント10の中央部分10bによって伝達される点でのみ相違する(これは既に存在する二つのアタッチメント半体10aに付加される)。
【0091】
この結果、上記平衡構造によって、図9に大まかに示すように、前後方向Xに沿って作用する荷重は第1および第2のアタッチメント10,12によって協働で伝達され、左右方向Yに沿って作用する荷重はエンジンアタッチメント10の中央部分10bによってのみ伝達され、そして垂直方向に沿って作用する荷重は第1のアタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aによって協働で伝達される。
【0092】
同様に、X方向に沿って作用するモーメントの伝達はアタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aによってのみ保証され、一方、Y方向に沿って作用するモーメントの伝達は上記二つのエンジンアタッチメント10,12によって協働で保証される。さらに、Z方向に沿って作用するモーメントの伝達はまた第1のアタッチメント10の二つのアタッチメント半体10aによってのみ保証される。
【0093】
図10は、図9に示す第2の好ましい実施形態を具現化するための第1の代替例の形態のエンジンアセンブリ1を示す。
【0094】
この第1の代替例においては、二つのアセンブリ半体10aを含む第1のアタッチメント10は図8に示すアタッチメント10の構造と類似の構造を有する。それゆえ、以下では、図11を参照して、付加的構成要素についてのみ説明する。
【0095】
それぞれXおよびZに沿って作用する荷重を伝達する二つのアタッチメント半体10aに加えて、前部アタッチメント10は、実際上、YZ平面内に存在しかつ中央ブラケット102上の前後方向軸線122に沿って回動可能とされたシャックル120の形態の中央部10bを含むが、このシャックルは二つのアタッチメント半体10aの二つのシャックル106同士の間に配置されている。
【0096】
それゆえ、図11から分かるように、ブラケット102の中央部分はシャックル120を回動可能な様式で支持するが、このシャックルは、同方向に沿って作用する荷重を伝達するために、実質的にエンジン6のY方向に沿って配置されている。最後に、シャックル120の他端は、ファンケーシング18の上側部分に取り付けられたブラケット(図示せず)に、前後方向軸線124に沿って回動可能に支持されている。
【0097】
やはり図10を参照すると、この第1の代替例の第2のアタッチメント12は、やはり中心ケーシング22の前部に対して、たとえば同中心ケーシング22をファンケーシング18に対して結合する固定ブレードを支持する部分(認識できない)に対して取り付けられた側方リンクを備えた一般的なスラストマウントデバイスの形態であるという特殊性を有することに留意されたい。
【0098】
実際上、この第1の代替例における第2のアタッチメント12は、エンジン6の前後方向軸線5を通る垂直面の両側に配置された二つのサイドスラストリンク128を具備してなる。各リンク128はそれゆえ、中心ケーシング22の前部に取り付けられたブラケット(認識できない)上に回動可能に支持された前端部と、当業者にはよく知られたタイプの整流バー130上に回動可能に支持された後端部とを具備しており、したがってアタッチメント12の一体部分を形成している。
【0099】
上記整流バー130は、剛構造体8の下側部分に対して、たとえば中心ケーシング22の後部の真上に、あるいは排気ケーシング23の真上に取り付けられている。
【0100】
上記第1の代替例は剛構造体8の前部が簡素化されるという利点を有するが、これはアタッチメント10を支持すればよく、もはやアタッチメント12を支持しない。この剛構造体8はそれゆえ、当業者にはよく知られた簡素な一般的なボックスの形態であってもよい。
【0101】
図12には、図9に示す第2の好ましい実施形態を具現化するための第2の代替例の携帯のエンジンアセンブリを示す。
【0102】
この第2の実施形態においては、第1のアタッチメント10は、Y方向に作用する荷重の伝達を保証するために設けられているという付加的な独特の態様を備えること以外は、図3に示すアタッチメント10の構造と同一の構造を有する。それゆえ、この第1のアタッチメント10についての詳しい説明は省略する。
【0103】
同様に、第2のアタッチメント12は、二つのサイドリンク128を備えた一般的なスラストマウントデバイスの形態であるという意味で、図10に示すアタッチメント12の構造と同一の構造を有する。それゆえ、この第2のアタッチメント12の詳しい説明は省略する。
【0104】
最後に、それぞれ図2および図5に示す第1の好ましい実施形態の二つの第1の代替例は、それらが、第1のアタッチメント10によってY方向に沿って作用する荷重の伝達を保証し、かつ第2のアタッチメント12によってX方向に作用する荷重の伝達をもっぱら保証することができるよう設計されており、この結果、これら二つの代替例はまた、本発明の第2の好ましい実施形態を具現化するのに適していることに留意されたい。特に、図5および図6に示す第2の代替例の場合には、アタッチメント12はもはや、孔100を貫通する前後方向のピンを備える必要はない。なぜなら、この場合に、Y方向に沿って作用する荷重の伝達はアタッチメント10によって実現されるが、図3を参照して詳しく説明したその構成は、そうした伝達を完全に保証できるからである。
【0105】
当業者であれば、明らかに、単に非限定的な例として説明してきた航空機用のエンジンアセンブリ1に対して、さまざまな変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施形態に基づく、航空機用エンジンアセンブリの部分的な概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の好ましい実施形態を具現化するための第1の代替例の形態の航空機用エンジンアセンブリの斜視図である。
【図3】図2のエンジンアセンブリに見られる第1のアタッチメントの拡大斜視図である。
【図4】図2のエンジンアセンブリに見られる第2のアタッチメントの拡大斜視図である。
【図5】本発明の第1の好ましい実施形態を具現化するための第2の代替例の形態の航空機用エンジンアセンブリの斜視図である。
【図6】図5のエンジンアセンブリに見られる第2のアタッチメントの拡大斜視図である。
【図7】本発明の第1の好ましい実施形態を具現化するための第3の代替例の形態の航空機用エンジンアセンブリの斜視図である。
【図8】図7のエンジンアセンブリに見られる第1のアタッチメントの部分的な斜視図である。
【図9】本発明の第2の好ましい実施形態に基づく、航空機用エンジンアセンブリの部分的な概略斜視図である。
【図10】本発明の第2の好ましい実施形態を具現化するための第1の代替例の形態の航空機用エンジンアセンブリの斜視図である。
【図11】図10のエンジンアセンブリに見られる第1のアタッチメントの拡大斜視図である。
【図12】本発明の第2の好ましい実施形態を具現化するための第2の代替例の形態の航空機用エンジンアセンブリの斜視図である。
【符号の説明】
【0107】
1 エンジンアセンブリ
4 マウントデバイス
6 エンジン
8 剛構造体
10,12 エンジンアタッチメント
10a サイドアタッチメント半体
16 アタッチメント
18 ファンケーシング
20 環状ファンダクト
22 中心ケーシング
23 排気ケーシング
25 大直径部分
27 固定ブレード
28 エンジン部
30 エンジンマウント部
32 中央ブラケット
34 接触面
36 ピン
38 サイドブラケット
40 二次サイドブラケット
42,44 フレーム
46 中央プレート
47 接触面
48 サイドサポート
56 メインボックス
58 突出部
60 エンジンマウント部
61 ピン
62 エンジン部
64 中央プレート
66,67 接触面
68 サポートブラケット
70 中央プレート
76 エンジン部
78 エンジンマウント部
80 上側中央ブラケット
82 下側中央ブラケット
84 接触面
86 サポートブラケット
88 中央ブラケット
90 中央プレート
92 側壁
94 接触面
100 孔
102 中央ブラケット
106 シャックル
112 リンク
120 シャックル
128 サイドスラストリンク
130 整流バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(6)と、このエンジン(6)用のマウントデバイス(4)とを具備してなる航空機用エンジンアセンブリ(1)であって、
前記エンジンマウントデバイス(4)は、前記航空機の翼(2)と前記エンジン(6)との間に配置されるよう構成されており、かつ前記エンジンマウントデバイス(4)は、剛構造体(8)と、この剛構造体(8)に前記エンジン(6)をマウントするための手段と、を具備してなり、前記マウント手段は第1のアタッチメント(10)と第2のアタッチメント(12)とから構成されており、
前記第1のアタッチメント(10)は二つの側方アタッチメント半体(10a)からなり、この二つの側方アタッチメント半体(10a)はそれぞれ前記エンジン(6)のファンケーシング(18)に対して取り付けられており、かつ、前記第2のアタッチメント(12)は前記エンジン(6)の中心ケーシング(22)の前部に対して取り付けられていることを特徴とする航空機用エンジンアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記第2のエンジンアタッチメント(12)は前記エンジン(6)の前後方向(X)に沿って作用する負荷を伝達するよう構成されており、かつ、前記第1のエンジンアタッチメント(10)の二つのアタッチメント半体(10a)はそれぞれ、前記エンジン(6)の前後方向(X)および前記エンジンの垂直方向(Z)に沿って作用する負荷を伝達するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第2のエンジンアタッチメント(12)はさらに、前記エンジン(6)の左右方向(Y)に沿って作用する負荷を伝達するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第1のエンジンアタッチメント(10)はさらに、前記エンジン(6)の左右方向(Y)に沿って作用する負荷を伝達するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記第2のアタッチメント(12)は前記中心ケーシング(22)の前記前部の一部分(25)に対して取り付けられ、この部分(25)は、前記中心ケーシング(22)を前記ファンケーシング(18)に対して結合する固定羽根(27)を支持していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第1のアタッチメント(10)は、前記エンジン(6)に対して取り付けられたエンジン部(28)と、前記剛構造体(8)に対して取り付けられたエンジンマウント部(30)と、を具備してなり、前記エンジンおよびエンジンマウント部(28,30)は互いに固定されておりかつそれぞれ互いに当接する二つの接触面(34,47)を有し、これら二つの接触面(34,47)は、前記エンジン(6)の左右方向(Y)および垂直方向(Z)によって画定される平面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記第2のアタッチメント(12)は、前記エンジン(6)に対して取り付けられたエンジン部(62)と、前記剛構造体(8)に対して取り付けられたエンジンマウント部(60)と、を具備してなり、前記エンジンおよびエンジンマウント部(62,60)は互いに固定されておりかつそれぞれ互いに当接する二つの接触面(66,67)を有し、これら二つの接触面(66,67)は、前記エンジン(6)の前後方向(X)および垂直方向(Z)によって画定される平面に沿って配置されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記第2のアタッチメント(12)は、前記エンジン(6)に対して取り付けられたエンジン部(76)と、前記剛構造体(8)に対して取り付けられたエンジンマウント部(78)と、を具備してなり、前記エンジンおよびエンジンマウント部(76,78)は互いに固定されておりかつそれぞれ互いに当接する二つの接触面(84,94)を有し、これら二つの接触面(84,94)は、前記エンジン(6)の左右方向(Y)および垂直方向(Z)によって画定される平面に沿って配置されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記第2のアタッチメント(12)は二つのスラストリンク(128)を具備してなり、前記リンク(128)は、前記剛構造体(8)に対して連結された後端部を具備してなることを特徴とする請求項4を引用した場合の請求項6に記載のエンジンアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記マウント手段は均衡システムを形成していることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のエンジンアセンブリ(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−509827(P2009−509827A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531714(P2008−531714)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066635
【国際公開番号】WO2007/033994
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)